JPH11285827A - パルスmag溶接方法 - Google Patents

パルスmag溶接方法

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JPH11285827A
JPH11285827A JP10555998A JP10555998A JPH11285827A JP H11285827 A JPH11285827 A JP H11285827A JP 10555998 A JP10555998 A JP 10555998A JP 10555998 A JP10555998 A JP 10555998A JP H11285827 A JPH11285827 A JP H11285827A
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智之 上山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク力や熱衝撃(局部に瞬間的に投入さ
れる熱量)が強くなり、板厚が1[mm]未満の極薄板の
溶接では溶け落ちが発生することがあり、規則正しい波
形状の「うろこ状ビード」外観を得ることができない。
また、ギャップの存在する突き合わせや重ね継ぎ手の溶
接に対してギャップ裕度がない。 【解決手段】 本発明の溶接方法は、後述する図6、
図11及び図16に示すように、複数1パルス1溶滴移
行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パルス
周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアー
ク長を短くするパルス電流群と、1パルス1溶滴移行又
は1パルス複数溶滴移行となるピーク電流値、パルス周
期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアーク
長を長くするパルス電流群とを周期的に繰り返すと共
に、上記2つのパルス電流群のうちの一方又は両方のパ
ルス電流群のベース電流からピーク電流までの立ち上が
り時間及びパルス電流からベース電流までの立ち下がり
時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定したアーク
力の弱いスプレー移行を形成する溶接方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1パルス電流群
と第2パルス電流群とを周期的に切り換えたパルス電流
を通電して溶接するパルスMAG溶接方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム及びアルミニウム合
金(以下、アルミニウムという)が、建築構造物の内
装、車両、輸送機器等に広く使われるようになってきて
いる。これらの溶接継手が、そのままこれらの構造物の
外面を形成しているので、溶接継手の溶接強度が要求さ
れるだけでなく、最近、溶接ビードの外観が良好である
ことも要求されるようになっている。
【0004】また、構造物の多様化にともなって、板厚
が1[mm]以下のアルミニウムを溶接する要求も増加し
ている。そこで、溶接ビード外観が良好であるアーク溶
接方法として、フィラワイヤを添加するティグ溶接方法
が広く採用されている。
【0006】図1は、従来のティグフィラアーク溶接方
法により溶接した規則正しい波形状の「うろこ状ビー
ド」の外観を示す図である。このフィラワイヤ添加ティ
グ溶接方法(以下、ティグフィラアーク溶接という)で
溶接すると、図1に示すように、規則正しい波形状のビ
ード外観(以下、「うろこ状ビード」という)が得られ
る。
【0008】この溶接ビードの外観は、ミグアーク溶接
方法の溶接ビードよりも美観性があり、板厚が1[mm]
以下のアルミニウムであっても、溶け落ち等の溶接不良
が発生することなく溶接することができる。
【0010】しかし、このティグフィラアーク溶接方法
は、消耗電極を溶融するミグアーク溶接方法に比べて、
溶接速度が遅いために生産効率が悪い。したがって、溶
接速度の速いミグアーク溶接方法によって、ティグフィ
ラアーク溶接方法における「うろこ状ビード」に近い溶
接ビード外観を得ようとする提案がなされている。
【0012】(従来技術1)従来技術1は、特開昭62
−279087に開示されたパルスミグ溶接方法であっ
て、ベース電流又はベース電圧をスプレー移行と短絡移
行とに切り換えることによって、アルミニウムの薄板で
も溶け落ちを生じさせることなく「うろこ状ビード」を
形成しようとするものである。
【0014】図2は、従来技術のミグ溶接によって溶接
したスパッタが付着し波形状が明確でない「うろこ状ビ
ード」外観を示す図である。
【0020】(従来技術2)図3は、本出願人が出願し
て特開平4−333368に開示された技術(以下、従
来技術2という)であって、第1パルス電流群と第2パ
ルス電流群とを周期的に切り換えたパルスMAG溶接方
法の溶接電流波形を示す図である。同図(A)は、第1
パルス電流群通電期間T1と第2パルス電流群通電期間
T2とで周期的に切り換えたときに、アーク電圧が高い
値Hと低い値Lとの間で周期的に変化する平均アーク電
圧HPを示す図であり、同図(B)は、第1パルス電流
群通電期間T1と第2パルス電流群通電期間T2とで周
期的に切り換えたときに、第1パルス電流群PC1及び
第2パルス電流群PC2の溶接電流Iの瞬時値を示す図
である。
【0022】この従来技術2の溶接方法は、同図(B)
に示すように、第1パルス電流群PC1のピーク電流値
Ip1、ピーク電流通電周期D1、ピーク電流通電時間T
p1及びベース電流値Ib1の4つのパルス条件を、1パル
ス1溶滴移行又は複数1パルス1溶滴移行する値に設定
しておき、第2パルス電流群PC2のピーク電流値Ip
2、ピーク電流通電周期D2、ピーク電流通電時間Tp2
及びベース電流値Ib2の4つのパルス条件の1つ以上
を、1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行する
範囲に切り換えて、ワイヤ突き出し長を増減させること
によってアーク長を周期的に増減させて溶接する方法で
ある。上記の通電期間を周期的に切り換えることによっ
て、溶接中にワイヤ送給速度と溶融速度とがアンバラン
スになってアーク長が増減したときに、このアーク長の
増減を検出して、4つのパルス条件のいずれか1つ以上
を制御してアーク長を復帰させることによって、「うろ
こ状ビード」に近い溶接ビード外観を得ようとするもの
である。
【0024】図3に示す従来技術2の溶接方法は、第1
パルス電流群PC1及び第2パルス電流群PC2の各ピ
ーク電流に同期して溶滴移行をさせながらアーク長をワ
イヤ突き出し長の範囲内で増減させることによって、板
厚1. 5[mm]までのアルミニウムの重ね継手、突合わ
せ継手等の溶接において、ギャップが存在しても良好な
溶接部を得ることができる。
【0030】図4は、矩形波パルスの強いアーク力及び
熱衝撃によって、アルミニウム被溶接材表面の酸化皮膜
中に吸着している水分、油分等が、溶融池周辺の広い範
囲で除去されるために、溶接進行中にクリーニング領域
が広がっていることを説明する図である。
【0032】このようにクリーニング領域が広がるため
に、実際のアーク放電電圧が上昇して、定電圧特性の溶
接電源では、アーク電圧フィードバックによって出力電
圧が減少し、ワイヤ先端と溶融池表面との距離に相当す
る見かけのアーク長が短くなる。そこで、常時、アーク
長を監視しながら出力電圧設定の修正をしなければなら
なかった。なお、同図において、BWは溶接ビード幅で
あり、CLはクリーニング幅である。
【0040】図5は、ベース電流からピーク電流までの
立ち上がり(以下、立ち上がりという)及びピーク電流
からベース電流までの立ち下り(以下、立ち下りとい
う)を説明する溶接電流波形を示す図である。同図にお
いて、Tupは、ベース電流Ibからピーク電流Ipまで
の立ち上がり時間を示し、Tdownは、ピーク電流Ipか
らベース電流Ibまでの立ち下り時間を示す。
【0045】(従来技術3)従来技術3の方法は、特開
平2−268971に開示されたパルスMAG溶接方法
であって、図5に示すように、立ち上がり時間Tup及び
立ち下り時間Tdownをワイヤの材質、直径及びワイヤ送
給速度に応じて設定して安定なスプレー移行を得ること
によってビード外観、アーク音等の溶接官能の改善をし
ようとするものである。
【0050】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術1の
溶接方法は、スプレー移行と短絡移行とが周期的に繰り
返され、短絡移行時にワイヤ先端が溶融池に接触して溶
滴が移行するために、図2に示すような溶接ビード外観
であって、図1に示すような「うろこ状ビード」が得ら
れていない。
【0052】前述した従来技術2の溶接方法は、第1パ
ルス電流群PC1及び第2パルス電流群PC2は、各パ
ルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時間が極短時間の
矩形波パルスで実施しているために、アーク力、熱衝撃
(局部に瞬間的に投入される熱量)等が強くなり、板厚
が1[mm]未満の極薄板の溶接では、溶け落ちが発生す
ることがあり、規則正しい波形状の「うろこ状ビード」
外観を得ることができない。
【0054】前述した従来技術3の方法は、従来技術1
又は従来技術2のように、パルス条件を周期的に変化さ
せていないので、本発明の主たる目的であるアーク長を
増減させティグ溶接のような「うろこ状ビード」外観を
得ることができない。また、ギャップの存在する突き合
わせ、重ね継ぎ手の溶接に対してギャップ裕度がない等
の欠点がある。
【0056】課題を解決するための要件は、つぎのとお
りである。 (1)スパッタの発生を防止する。そのために、短絡移
行をさせないでスプレー移行だけで溶接する。 (2)薄い被溶接材であっても溶け落ちが生じないよう
に、またアルミニウムの溶接中にクリーニング領域の変
化が生じないように、被溶接材に加わるアーク力又は熱
衝撃を少なくする。そのために、立ち上がり時間及び立
ち下がり時間を長くした台形波のピーク電流を使用す
る。
【0058】(3)明確な波形状の「うろこ状ビード」
外観を得るために、またギャップの大なる溶接継ぎ手で
も良好な溶接結果を得るために、周期的にアーク長を大
きく変化させる。そのために、溶滴の移行回数を小にし
てアーク長を小にする期間と溶滴の移行回数を大にして
アーク長を大にする期間とを周期的に変化させる。
【0060】本発明の溶接方法において、パルスMAG
溶接方法とは、シールドガスの成分として、アルゴンガ
ス又はヘリウムガス(以下、不活性ガスという)又は不
活性ガスに5%以下の酸素、炭酸ガス等の活性ガスを混
合したガスを使用するMIG溶接方法及び不活性ガスに
20%以下の活性ガスを混合したガスを使用したMAG
溶接方法をいう。
【0061】
【課題を解決するための手段】本発明の溶接方法は、後
述する図6、図11及び図16に示すように、複数1パ
ルス1溶滴移行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電
流値、パルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を
設定してアーク長を短くするパルス電流群と、1パルス
1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行となるピーク電流
値、パルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を設
定してアーク長を長くするパルス電流群とを周期的に繰
り返すと共に、上記2つのパルス電流群のうちの一方又
は両方のパルス電流群のベース電流からピーク電流まで
の立ち上がり時間及びパルス電流からベース電流までの
立ち下がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定
したアーク力の弱いスプレー移行を形成するパルスMA
G溶接方法である。
【0062】本発明の第2の溶接方法は、後述する図6
に示すように、複数1パルス1溶滴移行又は1パルス1
溶滴移行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通電
時間及びベース電流値を設定してアーク長を短くすると
共に、ベース電流からピーク電流までの立ち上がり時間
及びパルス電流からベース電流までの立ち下がり時間を
1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定したアーク力の弱
いスプレー移行を形成する第1パルス電流群と、1パル
ス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行となるピーク電
流値、パルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を
設定してアーク長を長くすると共に、ベース電流からピ
ーク電流までの立ち上がり時間及びパルス電流からベー
ス電流までの立ち下がり時間を極短時間の矩形波パルス
としたアーク力の強いスプレー移行を形成する第2パル
ス電流群とを周期的に繰り返すパルスMAG溶接方法で
ある。
【0063】本発明の第3の溶接方法は、後述する図1
1に示すように、複数1パルス1溶滴移行又は1パルス
1溶滴移行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通
電時間及びベース電流値を設定してアーク長を短くする
と共に、ベース電流からピーク電流までの立ち上がり時
間又はパルス電流からベース電流までの立ち下がり時間
が極短時間の矩形波パルスにしたアーク力の強いスプレ
ー移行を形成する第1パルス電流群と、1パルス1溶滴
移行又は1パルス複数溶滴移行となるピーク電流値、パ
ルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定して
アーク長を長くすると共に、ベース電流からピーク電流
までの立ち上がり時間及びパルス電流からベース電流ま
での立ち下がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に
設定したアーク力の弱いスプレー移行を形成する第2パ
ルス電流群とを周期的に繰り返すパルスMAG溶接方法
である。
【0064】本発明の第4の溶接方法は、後述する図1
6に示すように、複数1パルス1溶滴移行又は1パルス
1溶滴移行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通
電時間及びベース電流値を設定してアーク長を短くする
と共に、立ち上がり時間及び立ち下がり時間を1[ms]
乃至3[ms]の範囲内に設定したアーク力の弱いスプレ
ー移行を形成する第1パルス電流群と、1パルス1溶滴
移行又は1パルス複数溶滴移行となるピーク電流値、パ
ルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定して
アーク長を長くすると共に、立ち上がり時間及び立ち下
がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定したア
ーク力の弱いスプレー移行を形成する第2パルス電流群
とを周期的に繰り返すパルスMAG溶接方法である。
【0070】
【発明の実施の形態】本発明の溶接方法は、後述する図
6、図11及び図16に示すように、複数1パルス1溶
滴移行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パ
ルス周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定して
アーク長を短くするパルス電流群と、1パルス1溶滴移
行又は1パルス複数溶滴移行となるピーク電流値、パル
ス周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してア
ーク長を長くするパルス電流群とを周期的に繰り返すと
共に、上記2つのパルス電流群のうちの一方又は両方の
パルス電流群のベース電流からピーク電流までの立ち上
がり時間及びパルス電流からベース電流までの立ち下が
り時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定したアー
ク力の弱いスプレー移行を形成するパルスMAG溶接方
法である。
【0080】
【実施例】(実施例1)図6は、アーク力が弱くなるよ
うにピーク電流の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を
設定すると共に、平均アーク電圧が低くなるように設定
した第1パルス電流群と、アーク力が強い矩形波ピーク
電流を第1パルス電流群よりも平均アーク電圧が高くな
るように設定した第2パルス電流群とを周期的に切り換
えて溶接するパルスMAG溶接方法の溶接電流波形を示
す図である。
【0082】この図6の溶接方法は、消耗電極を一定の
ワイヤ送給速度で送給し、同図(A)に示すように、第
1パルス電流群PC1と第2パルス電流群PC2とを、
第1パルス電流群通電期間T1と第2パルス電流群通電
期間T2とで周期的に切り換えて溶接するパルスMAG
溶接方法において、同図(B)に示すように、アーク力
が弱くなるようにピーク電流の立ち上がり時間及び立ち
下がり時間を設定すると共に、平均アーク電圧HPが低
くなるように設定した第1パルス電流群PC1と、アー
ク力が強い矩形波ピーク電流を第1パルス電流群よりも
平均アーク電圧HPが高くなるように設定した第2パル
ス電流群PC2とを周期的に切り換えて溶接する方法で
ある。図6の符号の説明は、図3及び図5と同じであ
る。
【0090】(実施例1の1)図7は、V型開先突き合
わせ開先のルートギャップRGを変化させて本発明の方
法及び従来技術によって、アルミニウム合金材を溶接し
た場合において、初層溶接の可能範囲を比較した初層溶
接可能範囲比較図である。同図(A)はV型開先突き合
わせ開先のルートギャップRGを示す図である。同図
(B)は、同図(A)に示すルートギャップRGを変化
させて本発明の方法及び従来技術によって、アルミニウ
ム合金材のV型開先突き合わせ溶接をした場合の初層溶
接の可能範囲を比較した初層溶接可能範囲比較図であ
る。
【0091】同図(B)のように、従来技術2では最大
1.5[mm]のルートギャップRGまで、従来技術3で
は最大0.5[mm]のルートギャップRGまでしか溶接
ができないが、本発明では最大4[mm]のルートギャッ
プRGまで溶接が可能となっている。
【0092】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]のAl−Mg合金ワイヤ(A5356)で
あり、被溶接材が、同図(A)に示すV型開先突き合わ
せ溶接の開先加工をした板厚20[mm]のAl−Mg
合金(A5083)であり、平均溶接電流値が50
[A]乃至200[A]で、平均溶接電圧が17[V]
乃至22[V]である。
【0093】図8は、図7のアルミニウム合金材のV型
開先突き合わせ溶接のパルス条件を示す図である。パル
ス条件は図8に示すとおりである。
【0094】上記のように、本発明の第1の溶接方法
は、アーク力が強い矩形波ピーク電流の第2パルス電流
群を通電させると共にアーク長を大にして深い溶け込み
を得ることによって厚板のルート部を確実に溶融させた
後で、アーク力が弱い立ち上がり時間及び立ち下がり時
間のピーク電流の第1パルス電流群を通電させると共に
アーク長を小にして浅い溶け込みを得ることによって、
第2パルス電流群で溶融したルート部の溶け落ちを防ぐ
ことができる。
【0095】(実施例1の2)図9は、V型開先突き合
わせ開先のルートギャップRGを変化させて本発明の方
法及び従来技術によって、軟鋼板を溶接した場合におい
て、初層溶接の可能範囲を比較した初層溶接可能範囲比
較図である。同図(A)は、図7と同様に、V型開先突
き合わせ開先のルートギャップRGを示す図である。同
図(B)は、同図(A)に示すルートギャップRGを変
化させて本発明の方法及び従来技術によって、軟鋼板の
V型開先突き合わせ溶接をした場合の初層溶接の可能範
囲を比較した初層溶接可能範囲比較図である。
【0096】同図(B)のように、従来技術2では最大
1.0[mm]のルートギャップRGまで、従来技術3で
は最大0.5[mm]のルートギャップRGまでしか溶接
ができないが、本発明では最大3[mm]のルートギャッ
プRGまで溶接が可能となっている。
【0097】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]の軟鋼ワイヤ(JISのYGW11)であ
り、被溶接材が、同図(A)に示すV型開先突き合わせ
溶接の開先加工をした板厚16[mm]の軟鋼板(SS
400)であり、平均溶接電流値が120[A]乃至2
50[A]で、平均溶接電圧が22[V]乃至25
[V]である。
【0098】図10は、図9の軟鋼板のV型開先突き合
わせ溶接のパルス条件を示す図である。パルス条件は図
10に示すとおりである。
【0099】上記のように、軟鋼板の溶接においても、
前述したアルミニウム合金材と同様に、本発明の第1の
溶接方法は、アーク力が強い矩形波ピーク電流の第2パ
ルス電流群を通電させると共にアーク長を大にして深い
溶け込みを得ることによって厚板のルート部を確実に溶
融させた後で、アーク力が弱い立ち上がり時間及び立ち
下がり時間のピーク電流の第1パルス電流群を通電させ
ると共にアーク長を小にして浅い溶け込みを得ることに
よって、第2パルス電流群で溶融したルート部の溶け落
ちを防ぐことができる。
【0100】(実施例2)図11は、アーク力が強い矩
形波ピーク電流の第1パルス電流群と、アーク力が弱く
なるようにピーク電流の立ち上がり時間及び立ち下がり
時間を設定すると共に平均アーク電圧が第1パルス電流
群よりも高くなるように設定した第2パルス電流群とを
周期的に切り換えて溶接するパルスMAG溶接方法の溶
接電流波形を示す図である。
【0101】この図11の溶接方法は、消耗電極を一定
のワイヤ送給速度で送給し、同図(A)に示すように、
第1パルス電流群PC1と第2パルス電流群PC2と
を、第1パルス電流群通電期間T1と第2パルス電流群
通電期間T2とで周期的に切り換えて溶接するパルスM
AG溶接方法において、同図(B)に示すように、アー
ク力が強い矩形波ピーク電流の第1パルス電流群PC1
と、アーク力が弱くなるようにピーク電流の立ち上がり
時間及び立ち下がり時間を設定すると共に平均アーク電
圧HPが第1パルス電流群よりも高くなるように設定し
た第2パルス電流群PC2とを周期的に切り換えて溶接
する方法である。図11の符号の説明は、図3及び図5
と同じである。
【0102】(実施例2の1)図12は、被溶接材が、
本発明の方法及び従来技術によって、T継ぎ手のアルミ
ニウム合金の薄板を溶接した場合において、良好な溶接
部が得られる範囲を本発明の方法と従来技術とで比較し
たT継ぎ手溶接可能範囲比較図である。
【0103】本発明の溶接方法では、図12に示すよう
に、板厚0.8[mm]までの薄板でも良好なT継ぎ手溶
接部を得ることができる。これに対して、従来技術2に
おいては、板厚1.5[mm]以上の板厚でないと良好な
T継ぎ手溶接部を得ることができない。また、従来技術
3においては、板厚2.5[mm]以上の板厚でなけれ
ば、良好なT継ぎ手溶接部を得ることができない。
【0104】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]のAl−Mg合金ワイヤ(A5356)で
あり、被溶接材が、板厚が0.8[mm]乃至3[mm]の
Al−Mg合金(A5083)であり、平均溶接電流値
は、50[A]乃至200[A]であり、平均溶接電圧
は、17[V]乃至22[V]である。図13は、図1
2のアルミニウム合金薄板のT継ぎ手溶接のパルス条件
を示す図であり、パルス条件は図13に示すとおりであ
る。
【0105】上記のように、本発明の第2の溶接方法で
は、第1パルス電流群の矩形波パルスのアーク長が短く
集中したアークによって、T継ぎ手のウエブとフランジ
間の溶融橋絡部を確実に形成し、次に、第2パルス電流
群の台形波パルスのアーク長が長くかつアーク力の弱い
アークによって、溶け落ちを発生させないように被溶接
材を幅広く溶かすことができる。
【0106】(実施例2の2)図14は、本発明の方法
及び従来技術によって、T継ぎ手の軟鋼板の薄板を溶接
した場合において、良好な溶接部が得られる範囲を本発
明の方法と従来技術とで比較したT継ぎ手溶接可能範囲
比較図である。
【0107】本発明の溶接方法では、図14に示すよう
に、板厚0.6[mm]までの薄板でも良好なT継ぎ手溶
接部を得ることができる。これに対して、従来技術2に
おいては、板厚1.2[mm]以上の板厚でないと良好な
T継ぎ手溶接部を得ることができない。また、従来技術
3においては、板厚1.6[mm]以上の板厚でなけれ
ば、良好なT継ぎ手溶接部を得ることができない。
【0108】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]の軟鋼ワイヤ(JISのYGW11)であ
り、被溶接材が、板厚が0.6[mm]乃至3[mm]の軟
鋼板であり、平均溶接電流値は、50[A]乃至200
[A]であり、平均溶接電圧は、18[V]乃至23
[V]である。図15は、図14の軟鋼薄板のT継ぎ手
溶接のパルス条件を示す図であり、パルス条件は図15
に示すとおりである。
【0109】上記のように、軟鋼板の溶接においても、
前述したアルミニウム合金材と同様に、本発明の第2の
溶接方法では、第1パルス電流群の矩形波パルスのアー
ク長が短く集中したアークによって、T継ぎ手のウエブ
とフランジ間の溶融橋絡部を確実に形成し、次に、第2
パルス電流群の台形波パルスのアーク長が長くかつアー
ク力の弱いアークによって、溶け落ちを発生させないよ
うに被溶接材を幅広く溶かすことができる。
【0115】(実施例3)図16は、第1パルス電流群
と第2パルス電流群との両方を、アーク力が弱くなるよ
うにピーク電流の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を
設定すると共に、第1パルス電流群と平均アーク電圧H
Pが第1パルス電流群よりも高くなるように設定した第
2パルス電流群とを周期的に切り換えて溶接するパルス
MAG溶接方法の溶接電流波形を示す図である。
【0117】この図16の溶接方法は、消耗電極を一定
のワイヤ送給速度で送給し、同図(A)に示すように、
第1パルス電流群PC1と第2パルス電流群PC2と
を、第1パルス電流群通電期間T1と第2パルス電流群
通電期間T2とで周期的に切り換えて溶接するパルスM
AG溶接方法において、同図(B)に示すように、第1
パルス電流群と第2パルス電流群との両方を、アーク力
が弱くなるようにピーク電流の立ち上がり時間及び立ち
下がり時間を設定すると共に、第1パルス電流群と平均
アーク電圧HPが第1パルス電流群よりも高くなるよう
に設定した第2パルス電流群とを周期的に切り換えて溶
接する方法である。図16の符号の説明は、図3及び図
5と同じである。
【0120】(実施例3の1)図17は、重ね隅肉溶接
の開先ルートギャップRGを変化させて本発明の方法及
び従来技術によって、アルミニウム合金材を溶接した場
合において、溶接可能な範囲を比較した重ね隅肉溶接可
能範囲比較図である。同図(A)は重ね隅肉溶接のルー
トギャップRGを示す図である。同図(B)は、同図
(A)に示すルートギャップRGを変化させて本発明の
方法及び従来技術によって、重ね隅肉溶接をした場合の
溶接可能な範囲を比較した重ね隅肉溶接可能範囲比較図
である。
【0121】この本発明の第3の溶接方法では、第1パ
ルス電流群及び第2パルス電流群ともアーク力が弱く、
アーク長も緩やかに変化するので、板厚0.8[mm]の
重ね継ぎ手では、2[mm]のギャップまで溶接が可能で
あり、板厚1[mm]以上であれば、3[mm]のギャップ
までの溶接が可能である。これに対して、従来技術2に
おいては、板厚2[mm]以上で2[mm]のギャップまで
が限界であり、従来技術3では板厚2[mm]以上で1
[mm]のギャップまでが限界である。
【0122】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]のAl−Mg合金ワイヤ(A5356)で
あり、の被溶接材が、同図(A)に示すルートギャップ
RGがある板厚が0.8[mm]乃至板厚3[mm]のAl
−Mg合金(A5083)であり、平均溶接電流値が5
0[A]乃至100[A]であり、平均溶接電圧が17
[V]乃至22[V]であり、溶接速度が100[cm/
分]である。
【0123】図18は、図17のアルミニウム合金薄板
の重ね隅肉溶接のパルス条件を示す図である。パルス条
件は図18に示すとおりである。
【0124】(実施例3の2)図19は、重ね隅肉溶接
の開先ルートギャップRGを変化させて本発明の方法及
び従来技術によって、軟鋼板を溶接した場合において、
溶接可能な範囲を比較した重ね隅肉溶接可能範囲比較図
である。同図(A)は重ね隅肉溶接のルートギャップR
Gを示す図である。同図(B)は、同図(A)に示すル
ートギャップRGを変化させて本発明の方法及び従来技
術によって、軟鋼板の重ね隅肉溶接をした場合の溶接可
能な範囲を比較した重ね隅肉溶接可能範囲比較図であ
る。
【0125】この本発明の第3の溶接方法では、第1パ
ルス電流群及び第2パルス電流群ともアーク力が弱く、
アーク長も緩やかに変化するので、板厚0.8[mm]の
重ね継ぎ手では、1.5[mm]のギャップまで溶接が可
能であり、板厚1[mm]以上であれば、2[mm]のギャ
ップまでの溶接が可能である。これに対して、従来技術
2においては、板厚2[mm]以上で1.5[mm]のギャ
ップまでが限界であり、従来技術3では板厚2[mm]以
上で1[mm]のギャップまでが限界である。
【0126】このときの溶接条件は、消耗電極が、直径
1.2[mm]の軟鋼ワイヤ(JISのYGW11)であ
り、被溶接材が、ルートギャップRGがある板厚が0.
8[mm]乃至板板厚3[mm]の軟鋼板(SS400)で
あり、平均溶接電流値が50[A]乃至150[A]で
あり、平均溶接電圧が18[V]乃至24[V]であ
り、溶接速度が100[cm/分]である。
【0127】図20は、図19の軟鋼薄板の重ね隅肉溶
接のパルス条件を示す図である。パルス条件は図20に
示すとおりである。
【0130】(実施例4)図21は、本発明の方法及び
従来技術によって、開先のない被溶接材上に溶接した場
合の平均アーク電圧値、クリーニング幅及びビード幅の
変化を比較したクリーニング作用比較図である。このと
きの溶接開始時の溶接条件は、消耗電極が、直径1.2
[mm]のAl−Si合金ワイヤ(A4043)であり、
被溶接材が板厚6[mm]のAl−Mg合金であり、平均
溶接電流値が150[A]、平均アーク電圧値Eavが2
1[V]であり、溶接速度が40[cm/分]である。
【0132】従来技術2では、アーク長の周期的な変化
によって、ビード幅BWは溶接開始から100秒間は安
定しているが、平均アーク電圧値はクリーニング幅CL
の増加と共に増加する。その結果、溶接電源の外部特性
によって出力電圧が下がり、100秒以後は溶接ワイヤ
が溶融池に突っ込むようになってビード幅が不安定に変
化する。従来技術3では、平均アーク電圧値Eav及びク
リーニング幅CLの経時変化はないが、ビード幅BWは
時間の経過と共に増加する。これに対して、本発明の溶
接方法では、長時間の溶接でも平均アーク電圧値Eav、
クリーニング幅CL及びビード幅BWに変化は見られな
い。
【0140】(実施例5)図22は、パルスに同期した
溶滴移行が実現できる立ち上がり時間及び立ち下がり時
間の範囲と溶接中にクリーニング幅が変化しない立ち上
がり時間及び立ち下がり時間の範囲とを斜線で囲んだ範
囲で示したクリーニング幅範囲関係図である。このとき
の溶接開始時の溶接条件は、消耗電極が、直径1.2
[mm]のAl−Mg合金ワイヤ(A5356)であり、
平均溶接電流値が100[A]であり、平均アーク電圧
値が20[V]である。パルス条件は、ピーク電流値が
320[A]であり、パルス通電時間が1.2[ms]の
ユニットパルス条件である。
【0142】同図に示すように、立ち上がり時間Tup及
び立ち下がり時間Tdownは、両者とも、3[ms]以下で
あることが望ましく、これを越えると、図の右向き及び
上向きの矢印で示すように、溶滴移行非同期となってパ
ルスに同期した溶滴移行を得ることができない。また、
安定したクリーニング幅を得るためには、立ち上がり時
間及び立ち下がり時間はいずれも、1[ms]以上である
ことが望ましく、これ未満の値のパルス電流波形で溶接
を行うと、図の左向き及び下向きの矢印で示すように、
クリーニング幅不安定となって溶接中にクリーニング幅
が広がり、見かけのアーク長が短くなって、良好な溶接
ビードを得ることができない。したがって、立ち上がり
時間及び立ち下がり時間は、1[ms]乃至3[ms]であ
ることが望ましい。
【1001】
【発明の効果】(1)本発明の第1の溶接方法の効果
は、次のとおりである。 アルミニウム合金材又は銅材に適用したときは、明確
な波形状の「うろこ状ビード」外観を得ることができ
る。 鋼板は勿論、アルミニウム合金材においても、ギャッ
プの大なる溶接継ぎ手でも良好な溶接結果を得ることが
できる。 鋼板は勿論、アルミニウム合金材においても、薄い被
溶接材であっても溶け落ちが生じない。 スパッタの発生を防止することができる。 アルミニウム合金材に適用したときは、長時間溶接し
ても、平均アーク電圧値、クリーニング幅及びビード幅
の変化が生じない。
【1002】(2)本発明の第2の溶接方法の効果は、
第1の溶接方法の効果の他に、アーク力が強い矩形波ピ
ーク電流の第2パルス電流群を通電させると共にアーク
長を大にして深い溶け込みを得ることによって厚板のル
ート部を確実に溶融させた後で、アーク力が弱い立ち上
がり時間及び立ち下がり時間のピーク電流の第1パルス
電流群を通電させると共にアーク長を小にして浅い溶け
込みを得ることによって、第2パルス電流群で溶融した
ルート部の溶け落ちを防ぐことができる。この結果、同
図(B)のように従来技術2では最大1.5[mm]、従
来技術3では最大0.5[mm]のルートギャップRGま
でしか溶接ができないが、本発明では最大4[mm]のル
ートギャップRGまで溶接が可能となる。
【1003】(3)本発明の第3の溶接方法の効果は、
第1の溶接方法の効果の他に、第1パルス電流群の矩形
波パルスによってアーク長が短く集中したアークによっ
てT継ぎ手のウエブとフランジ間の溶融橋絡部を確実に
形成し、第2パルス電流群の台形波パルスでは、アーク
長が長くかつアーク力の弱いアークによって、溶け落ち
を発生させないように被溶接材を幅広く溶かすことがで
き、板厚0.8[mm]までの薄板でも良好なT継ぎ手溶
接部を得ることができる。
【10O4】(4)本発明の第4の溶接方法の効果は、
第1の溶接方法の効果の他に、第1パルス電流群及び第
2パルス電流群ともに、アーク力が弱く、アーク長も緩
やかに変化するので、板厚0.8[mm]の重ね継ぎ手で
は、2[mm]のギャップまで溶接が可能であり、板厚1
[mm]以上であれば、3[mm]のギャップまでの溶接が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のティグフィラアーク溶接方法に
より溶接した規則正しい波形状の「うろこ状ビード」の
外観を示す図である。
【図2】図2は、従来技術のミグ溶接によって溶接した
スパッタが付着し波形状が明確でない「うろこ状ビー
ド」外観を示す図である。
【図3】図3は、第1パルス電流群と第2パルス電流群
とを周期的に切り換えたパルスMAG溶接方法の溶接電
流波形を示す図である。
【図4】図4は、矩形波パルスの強いアーク力及び熱衝
撃によって、アルミニウム被溶接材表面の酸化皮膜中に
吸着している水分、油分等が、溶融池周辺の広い範囲で
除去されるために、溶接進行中にクリーニング領域が広
がっていることを説明する図である。
【図5】図5は、ベース電流からピーク電流までの立ち
上がり及びピーク電流からベース電流までの立ち下りを
説明する溶接電流波形を示す図である。
【図6】図6は、アーク力が弱くなるようにピーク電流
の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を設定すると共
に、平均アーク電圧が低くなるように設定した第1パル
ス電流群と、アーク力が強い矩形波ピーク電流を第1パ
ルス電流群よりも平均アーク電圧が高くなるように設定
した第2パルス電流群とを周期的に切り換えて溶接する
パルスMAG溶接方法の溶接電流波形を示す図である。
【図7】図7は、V型開先突き合わせ開先のルートギャ
ップRGを変化させて本発明の方法及び従来技術によっ
て、アルミニウム合金材を溶接した場合において、初層
溶接の可能範囲を比較した初層溶接可能範囲比較図であ
る。
【図8】図8は、図7のアルミニウム合金材のV型開先
突き合わせ溶接のパルス条件を示す図である。
【図9】図9は、V型開先突き合わせ開先のルートギャ
ップRGを変化させて本発明の方法及び従来技術によっ
て、軟鋼板を溶接した場合において、初層溶接の可能範
囲を比較した初層溶接可能範囲比較図である。
【図10】図10は、図9の軟鋼板のV型開先突き合わ
せ溶接のパルス条件を示す図である。
【図11】図11は、アーク力が強い矩形波ピーク電流
の第1パルス電流群と、アーク力が弱くなるようにピー
ク電流の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を設定する
と共に平均アーク電圧が第1パルス電流群よりも高くな
るように設定した第2パルス電流群とを周期的に切り換
えて溶接するパルスMAG溶接方法の溶接電流波形を示
す図である。
【図12】図12は、被溶接材が、本発明の方法及び従
来技術によって、T継ぎ手のアルミニウム合金の薄板を
溶接した場合において、良好な溶接部が得られる範囲を
本発明の方法と従来技術とで比較したT継ぎ手溶接可能
範囲比較図である。
【図13】図13は、図12のアルミニウム合金薄板の
T継ぎ手溶接のパルス条件を示す図である。
【図14】図14は、本発明の方法及び従来技術によっ
て、T継ぎ手の軟鋼板の薄板を溶接した場合において、
良好な溶接部が得られる範囲を本発明の方法と従来技術
とで比較したT継ぎ手溶接可能範囲比較図である。
【図15】図15は、図14の軟鋼薄板のT継ぎ手溶接
のパルス条件を示す図である。
【図16】図16は、第1パルス電流群と第2パルス電
流群との両方を、アーク力が弱くなるようにピーク電流
の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を設定すると共
に、第1パルス電流群と平均アーク電圧HPが第1パル
ス電流群よりも高くなるように設定した第2パルス電流
群とを周期的に切り換えて溶接するパルスMAG溶接方
法の溶接電流波形を示す図である。
【図17】図17は、重ね隅肉溶接の開先ルートギャッ
プRGを変化させて本発明の方法及び従来技術によっ
て、アルミニウム合金材を溶接した場合において、溶接
可能な範囲を比較した重ね隅肉溶接可能範囲比較図であ
る。
【図18】図18は、図17のアルミニウム合金薄板の
重ね隅肉溶接のパルス条件を示す図である。
【図19】図19は、重ね隅肉溶接の開先ルートギャッ
プRGを変化させて本発明の方法及び従来技術によっ
て、軟鋼板を溶接した場合において、溶接可能な範囲を
比較した重ね隅肉溶接可能範囲比較図である。
【図20】図20は、図19の軟鋼薄板の重ね隅肉溶接
のパルス条件を示す図である。
【図21】図21は、本発明の方法及び従来技術によっ
て、開先のない被溶接材上に溶接した場合の平均アーク
電圧値、クリーニング幅及びビード幅の変化を比較した
クリーニング作用比較図である。
【図22】図22は、パルスに同期した溶滴移行が実現
できる立ち上がり時間及び立ち下がり時間の範囲と溶接
中にクリーニング幅が変化しない立ち上がり時間及び立
ち下がり時間の範囲とを斜線で囲んだ範囲で示したクリ
ーニング幅範囲関係図である。
【符号の説明】
BW 溶接ビード幅 CL クリーニング幅 D1 第1パルス電流群PC1のピーク電流通電周
期 D2 第2パルス電流群PC2のピーク電流通電周
期 Eav 平均アーク電圧値 HP 平均アーク電圧 I 溶接電流 Ib1 第1パルス電流群PC1のベース電流値 Ib2 第2パルス電流群PC2のベース電流値 Ip1 第1パルス電流群PC1のピーク電流値 Ip2 第2パルス電流群PC2のピーク電流値 PC1 第1パルス電流群 PC2 第2パルス電流群 RG ルートギャップ T1 第1パルス電流群通電期間 T2 第2パルス電流群通電期間 Tp1 第1パルス電流群PC1のピーク電流通電時
間 Tp2 第2パルス電流群PC2のピーク電流通電時
間 Tup ベース電流Ibからピーク電流Ipまでの立
ち上がり時間 Tdown ピーク電流Ipからベース電流Ibまでの立
ち下り時間 Eav 平均アーク電圧値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給し、第1パルス電流群と第2パルス電流群
    とを周期的に切り換えたパルス電流を通電して溶接する
    パルスMAG溶接方法において、複数1パルス1溶滴移
    行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パルス
    周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアー
    ク長を短くすると共に、ベース電流からピーク電流まで
    の立ち上がり時間及びパルス電流からベース電流までの
    立ち下がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定
    したアーク力の弱いスプレー移行を形成する第1パルス
    電流群と、1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移
    行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通電時間及
    びベース電流値を設定してアーク長を長くすると共に、
    ベース電流からピーク電流までの立ち上がり時間及びパ
    ルス電流からベース電流までの立ち下がり時間を極短時
    間の矩形波パルスとしたアーク力の強いスプレー移行を
    形成する第2パルス電流群とを周期的に繰り返すパルス
    MAG溶接方法。
  2. 【請求項2】 消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給し、第1パルス電流群と第2パルス電流群
    とを周期的に切り換えたパルス電流を通電して溶接する
    パルスMAG溶接方法において、複数1パルス1溶滴移
    行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パルス
    周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアー
    ク長を短くすると共に、ベース電流からピーク電流まで
    の立ち上がり時間及びパルス電流からベース電流までの
    立ち下がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定
    したアーク力の弱いスプレー移行を形成する第1パルス
    電流群と、1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移
    行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通電時間及
    びベース電流値を設定してアーク長を長くすると共に、
    ベース電流からピーク電流までの立ち上がり時間及びパ
    ルス電流からベース電流までの立ち下がり時間を極短時
    間の矩形波パルスとしたアーク力の強いスプレー移行を
    形成する第2パルス電流群とを周期的に繰り返して、消
    耗電極の給電チップ先端と消耗電極先端とのワイヤ突き
    出し長を増減させ、ワイヤ先端と被溶接材表面との最短
    距離のアーク長を周期的に増減させて、スプレー移行の
    みで溶接するパルスMAG溶接方法。
  3. 【請求項3】 消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給し、第1パルス電流群と第2パルス電流群
    とを周期的に切り換えたパルス電流を通電して溶接する
    パルスMAG溶接方法において、複数1パルス1溶滴移
    行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パルス
    周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアー
    ク長を短くすると共に、ベース電流からピーク電流まで
    の立ち上がり時間又はパルス電流からベース電流までの
    立ち下がり時間が極短時間の矩形波パルスにしたアーク
    力の強いスプレー移行を形成する第1パルス電流群と、
    1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行となるピ
    ーク電流値、パルス周期、パルス通電時間及びベース電
    流値を設定してアーク長を長くすると共に、ベース電流
    からピーク電流までの立ち上がり時間及びパルス電流か
    らベース電流までの立ち下がり時間を1[ms]乃至3
    [ms]の範囲内に設定したアーク力の弱いスプレー移行
    を形成する第2パルス電流群とを周期的に繰り返して、
    消耗電極の給電チップ先端と消耗電極先端とのワイヤ突
    き出し長を増減させ、ワイヤ先端と被溶接材表面との最
    短距離のアーク長を周期的に増減させて、スプレー移行
    のみで溶接するパルスMAG溶接方法。
  4. 【請求項4】 消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給し、第1パルス電流群と第2パルス電流群
    とを周期的に切り換えたパルス電流を通電して溶接する
    パルスMAG溶接方法において、複数1パルス1溶滴移
    行又は1パルス1溶滴移行となるピーク電流値、パルス
    周期、パルス通電時間及びベース電流値を設定してアー
    ク長を短くすると共に、ベース電流からピーク電流まで
    の立ち上がり時間及びピーク電流からベース電流までの
    立ち下がり時間を1[ms]乃至3[ms]の範囲内に設定
    したアーク力の弱いスプレー移行を形成する第1パルス
    電流群と、1パルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移
    行となるピーク電流値、パルス周期、パルス通電時間及
    びベース電流値を設定してアーク長を長くすると共に、
    ベース電流からピーク電流までの立ち上がり時間及びピ
    ーク電流からベース電流までの立ち下がり時間を1[m
    s]乃至3[ms]の範囲内に設定したアーク力の弱いス
    プレー移行を形成する第2パルス電流群とを周期的に繰
    り返して、消耗電極の給電チップ先端と消耗電極先端と
    のワイヤ突き出し長を増減させ、ワイヤ先端と被溶接材
    表面との最短距離のアーク長を周期的に増減させて、ス
    プレー移行のみで溶接するパルスMAG溶接方法。
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