JPH11284478A - 圧電共振子およびラダー型フィルタ - Google Patents
圧電共振子およびラダー型フィルタInfo
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- JPH11284478A JPH11284478A JP8637598A JP8637598A JPH11284478A JP H11284478 A JPH11284478 A JP H11284478A JP 8637598 A JP8637598 A JP 8637598A JP 8637598 A JP8637598 A JP 8637598A JP H11284478 A JPH11284478 A JP H11284478A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】より小型でかつ共振子の電気機械結合係数、及
び容量の調整が可能な圧電共振子を提供する。 【解決手段】矩形状の圧電磁器11の上下面に第1櫛形
電極17と第2櫛形電極22とからなる表面電極12を
対向して形成してなる圧電共振子において、表面電極1
2を、圧電磁器11の長手方向に所定間隔をおいて平行
に形成された複数の駆動電極16、21と、該駆動電極
16、21の端部同士を交互に接続し、かつ可撓性の導
電部材より形成された一対の帯状取出電極15、20と
から構成してなり、かつ、圧電磁器11が長手方向の伸
び振動を行うものである。
び容量の調整が可能な圧電共振子を提供する。 【解決手段】矩形状の圧電磁器11の上下面に第1櫛形
電極17と第2櫛形電極22とからなる表面電極12を
対向して形成してなる圧電共振子において、表面電極1
2を、圧電磁器11の長手方向に所定間隔をおいて平行
に形成された複数の駆動電極16、21と、該駆動電極
16、21の端部同士を交互に接続し、かつ可撓性の導
電部材より形成された一対の帯状取出電極15、20と
から構成してなり、かつ、圧電磁器11が長手方向の伸
び振動を行うものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形状の圧電磁器
の長手方向の伸び振動モードを利用した圧電共振子およ
びラダー型フィルタに関するもので、例えば、フィルタ
ー、発振子その他に用いる圧電共振子およびラダー型フ
ィルタに関するものである。
の長手方向の伸び振動モードを利用した圧電共振子およ
びラダー型フィルタに関するもので、例えば、フィルタ
ー、発振子その他に用いる圧電共振子およびラダー型フ
ィルタに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、集積回路の発達に伴い、フィルタ、
発振子その他の分野で、圧電体を用いた種々の圧電共振
子が用いられている。中でも、100kHzから1MH
zまでに使用される圧電共振子としては、従来、拡がり
振動モードを用いた円板状圧電共振子、拡がり振動モー
ドを用いた正方形板状圧電共振子、さらには長さ方向の
伸び振動を用いた矩形板状圧電共振子が知られていた。
発振子その他の分野で、圧電体を用いた種々の圧電共振
子が用いられている。中でも、100kHzから1MH
zまでに使用される圧電共振子としては、従来、拡がり
振動モードを用いた円板状圧電共振子、拡がり振動モー
ドを用いた正方形板状圧電共振子、さらには長さ方向の
伸び振動を用いた矩形板状圧電共振子が知られていた。
【0003】これら圧電共振子を用いたラダー型フィル
タでは、直列共振子の寸法と並列共振子の寸法とを調整
して、直列共振子の共振周波数と並列共振子の反共振周
波数を一致させて通過帯域を構成し、かつその両側に減
衰極を構成しており、通過帯域は圧電共振子の電気機械
結合係数によって決まっていた。
タでは、直列共振子の寸法と並列共振子の寸法とを調整
して、直列共振子の共振周波数と並列共振子の反共振周
波数を一致させて通過帯域を構成し、かつその両側に減
衰極を構成しており、通過帯域は圧電共振子の電気機械
結合係数によって決まっていた。
【0004】また、フィルタの段数及び並列共振子と直
列共振子の素子間容量比を大きくすることによって、保
証減衰量を大きくしていた。この手段として直列共振子
の厚みを大きくし、更に電極面積を小さくして部分電極
にすることで直列共振子の容量を小さくし、並列共振子
の厚みを小さくして容量を大きくし、素子間容量比を大
きくする方法が取られていた。
列共振子の素子間容量比を大きくすることによって、保
証減衰量を大きくしていた。この手段として直列共振子
の厚みを大きくし、更に電極面積を小さくして部分電極
にすることで直列共振子の容量を小さくし、並列共振子
の厚みを小さくして容量を大きくし、素子間容量比を大
きくする方法が取られていた。
【0005】さらに、従来、数十MHzから数GHzの
周波数においては、圧電磁器の片方の面に形成した櫛形
電極で表面波を発生させ、共振子として利用する方法が
とられていた。
周波数においては、圧電磁器の片方の面に形成した櫛形
電極で表面波を発生させ、共振子として利用する方法が
とられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、圧電共振子をフィルタ、発振子等の具体的なデ
バイスに利用する場合、使用する共振周波数が圧電共振
子の形状によって決定されてしまう。即ち、拡がり振動
を用いた円板状及び正方形状の共振子においては、使用
する共振周波数が円板の直径、または正方形の一辺の寸
法により決定されるため、拡がり振動を利用する限りに
おいては、使用する周波数によって共振子の形状が決定
され、フィルタ、発振子等の具体的なデバイスの小型化
を図りたい場合、従来の圧電共振子では対応することが
できなかった。
ように、圧電共振子をフィルタ、発振子等の具体的なデ
バイスに利用する場合、使用する共振周波数が圧電共振
子の形状によって決定されてしまう。即ち、拡がり振動
を用いた円板状及び正方形状の共振子においては、使用
する共振周波数が円板の直径、または正方形の一辺の寸
法により決定されるため、拡がり振動を利用する限りに
おいては、使用する周波数によって共振子の形状が決定
され、フィルタ、発振子等の具体的なデバイスの小型化
を図りたい場合、従来の圧電共振子では対応することが
できなかった。
【0007】また、従来、フィルタ、発振子等の具体的
なデバイスの小型化を図るために、使用する圧電共振子
の振動モードを拡がり振動から、矩形板状の圧電共振子
の長さ方向の伸び振動(横効果)へ変更して共振子を小
型化し、デバイスの形状を小型化する方法が取られてい
たが、矩形板状の圧電共振子の長さ方向の伸び振動を利
用した場合、共振子の帯域幅△Fが材料の横効果による
結合係数K31のみで規定されるために結合係数が小さ
く、フィルタを構成する場合通過帯域幅△Fが狭くなる
という問題点があった。
なデバイスの小型化を図るために、使用する圧電共振子
の振動モードを拡がり振動から、矩形板状の圧電共振子
の長さ方向の伸び振動(横効果)へ変更して共振子を小
型化し、デバイスの形状を小型化する方法が取られてい
たが、矩形板状の圧電共振子の長さ方向の伸び振動を利
用した場合、共振子の帯域幅△Fが材料の横効果による
結合係数K31のみで規定されるために結合係数が小さ
く、フィルタを構成する場合通過帯域幅△Fが狭くなる
という問題点があった。
【0008】また、棒状の圧電共振子の厚さ方向の伸び
振動(縦効果)へ変更して共振子を小型化した場合、共
振子の帯域幅△Fは十分に満足できるが、共振子の容量
が極端に小さくなるために、フィルタを構成するインピ
ーダンスのコントロールができないという問題点があっ
た。
振動(縦効果)へ変更して共振子を小型化した場合、共
振子の帯域幅△Fは十分に満足できるが、共振子の容量
が極端に小さくなるために、フィルタを構成するインピ
ーダンスのコントロールができないという問題点があっ
た。
【0009】さらに、表面波を用いた共振子において
は、共振周波数が磁器の形状ではなく、櫛形電極の間隔
に依存するため、100kHzから1MHzの周波数に
適用すると形状が非常に大きくなるという問題点があっ
た。
は、共振周波数が磁器の形状ではなく、櫛形電極の間隔
に依存するため、100kHzから1MHzの周波数に
適用すると形状が非常に大きくなるという問題点があっ
た。
【0010】本発明は、より小型でかつ共振子の電気機
械結合係数、及び容量の調整が可能な圧電共振子を提供
することを目的とする。
械結合係数、及び容量の調整が可能な圧電共振子を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電共振子は、
矩形状の圧電磁器の上下面に第1櫛形電極と第2櫛形電
極とからなる表面電極を対向して形成してなる圧電共振
子において、前記表面電極を、圧電磁器の長手方向に所
定間隔をおいて平行に形成された複数の駆動電極と、該
駆動電極の端部同士を交互に接続し、かつ可撓性の導電
部材より形成された一対の帯状取出電極とから構成して
なり、前記圧電磁器が長手方向の伸び振動を行うもので
ある。ここで、帯状取出電極と、該帯状取出電極と接続
されない駆動電極との間には、可撓性の絶縁性樹脂を介
装してなることが望ましい。
矩形状の圧電磁器の上下面に第1櫛形電極と第2櫛形電
極とからなる表面電極を対向して形成してなる圧電共振
子において、前記表面電極を、圧電磁器の長手方向に所
定間隔をおいて平行に形成された複数の駆動電極と、該
駆動電極の端部同士を交互に接続し、かつ可撓性の導電
部材より形成された一対の帯状取出電極とから構成して
なり、前記圧電磁器が長手方向の伸び振動を行うもので
ある。ここで、帯状取出電極と、該帯状取出電極と接続
されない駆動電極との間には、可撓性の絶縁性樹脂を介
装してなることが望ましい。
【0012】本発明のラダー型フィルタは、複数の直列
共振子と複数の並列共振子とからなるラダー型フィルタ
において、前記直列共振子および前記並列共振子が、上
記圧電共振子からなるものである。
共振子と複数の並列共振子とからなるラダー型フィルタ
において、前記直列共振子および前記並列共振子が、上
記圧電共振子からなるものである。
【0013】
【作用】本発明の圧電共振子は、矩形状の圧電磁器の上
下面に、第1櫛形電極と第2櫛形電極とからなり、それ
ぞれの駆動電極が交互に配列するように第1櫛形電極と
第2櫛形電極とからなる表面電極を対向して形成したの
で、それぞれの駆動電極が圧電磁器を挟持することにな
り、矩形状圧電磁器を長手方向に分極すると同時に、振
動用の電場を分極と平行に印加でき、バルク波を発生さ
せ、圧電磁器の長手方向に振動させることができる。つ
まり、縦振動モード(縦効果K33モード)を利用できる
ため、分極方向の伸び振動(圧電磁器の長手方向)の電
気機械結合係数の大きな材料を用いることで、電気機械
結合係数が十分に大きい圧電共振子を得ることができ
る。
下面に、第1櫛形電極と第2櫛形電極とからなり、それ
ぞれの駆動電極が交互に配列するように第1櫛形電極と
第2櫛形電極とからなる表面電極を対向して形成したの
で、それぞれの駆動電極が圧電磁器を挟持することにな
り、矩形状圧電磁器を長手方向に分極すると同時に、振
動用の電場を分極と平行に印加でき、バルク波を発生さ
せ、圧電磁器の長手方向に振動させることができる。つ
まり、縦振動モード(縦効果K33モード)を利用できる
ため、分極方向の伸び振動(圧電磁器の長手方向)の電
気機械結合係数の大きな材料を用いることで、電気機械
結合係数が十分に大きい圧電共振子を得ることができ
る。
【0014】これは、PZT系の材料の電気機械結合係
数は、振動モードにより大きく異なり、従来の横効果の
結合係数K31に比べて、縦効果のK33は比較的大きいこ
とがわかっており、共振子の電気機械結合係数を大きく
するために、縦効果の結合係数K33を利用したことによ
る。
数は、振動モードにより大きく異なり、従来の横効果の
結合係数K31に比べて、縦効果のK33は比較的大きいこ
とがわかっており、共振子の電気機械結合係数を大きく
するために、縦効果の結合係数K33を利用したことによ
る。
【0015】また、この様な構造の圧電共振子において
は、駆動電極の数や、駆動電極間距離等を調整すること
により、様々な容量の共振子を得ることができる。この
ような構成にすることで、共振子の形状を小型化するこ
とができ、しかも大容量の共振子を作製することもでき
る。
は、駆動電極の数や、駆動電極間距離等を調整すること
により、様々な容量の共振子を得ることができる。この
ような構成にすることで、共振子の形状を小型化するこ
とができ、しかも大容量の共振子を作製することもでき
る。
【0016】さらに、駆動電極の端部を接続する帯状取
出電極を可撓性の導電部材により形成することにより、
圧電共振子の伸縮振動によって発生する引っ張り応力に
より帯状取出電極の断線を防止することができる。
出電極を可撓性の導電部材により形成することにより、
圧電共振子の伸縮振動によって発生する引っ張り応力に
より帯状取出電極の断線を防止することができる。
【0017】また、帯状取出電極と、該帯状取出電極と
接続されていない駆動電極との間に可撓性の絶縁性樹脂
を介在させたので、帯状取出電極と、該帯状取出電極と
接続されていない駆動電極の絶縁を確実に行うことがで
き、しかも圧電磁器を挟持する帯状取出電極間、および
帯状取出電極と、この帯状取出電極と接続されていない
駆動電極間における浮遊容量等の不要な容量の発生を抑
制できる。
接続されていない駆動電極との間に可撓性の絶縁性樹脂
を介在させたので、帯状取出電極と、該帯状取出電極と
接続されていない駆動電極の絶縁を確実に行うことがで
き、しかも圧電磁器を挟持する帯状取出電極間、および
帯状取出電極と、この帯状取出電極と接続されていない
駆動電極間における浮遊容量等の不要な容量の発生を抑
制できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の圧電共振子は、図1およ
び図2に示すように、矩形状の圧電磁器11の上下面に
表面電極12を対向して形成することにより構成されて
いる。表面電極12は、4本の第1駆動電極16の端部
を第1帯状取出電極15により接続してなる第1櫛形電
極17と、4本の第2駆動電極21の端部を第2帯状取
出電極20により接続してなる第2櫛形電極22とから
構成されており、それぞれの駆動電極16、21が交互
に配列するように第1櫛形電極17と第2櫛形電極22
が配置されている。
び図2に示すように、矩形状の圧電磁器11の上下面に
表面電極12を対向して形成することにより構成されて
いる。表面電極12は、4本の第1駆動電極16の端部
を第1帯状取出電極15により接続してなる第1櫛形電
極17と、4本の第2駆動電極21の端部を第2帯状取
出電極20により接続してなる第2櫛形電極22とから
構成されており、それぞれの駆動電極16、21が交互
に配列するように第1櫛形電極17と第2櫛形電極22
が配置されている。
【0019】圧電磁器11の上面および下面に形成され
た表面電極12は同一形状、同一寸法とされており、圧
電磁器11の上下面に形成することにより、上下の帯状
取出電極15、20、および上下の駆動電極16、21
により圧電磁器11が挟持されている。駆動電極16、
21は、矩形状の圧電磁器の長手方向に所定間隔を置い
て平行に形成されている。
た表面電極12は同一形状、同一寸法とされており、圧
電磁器11の上下面に形成することにより、上下の帯状
取出電極15、20、および上下の駆動電極16、21
により圧電磁器11が挟持されている。駆動電極16、
21は、矩形状の圧電磁器の長手方向に所定間隔を置い
て平行に形成されている。
【0020】圧電磁器11の上下面に形成された第1櫛
形電極17同士、第2櫛形電極22同士が導通されてい
るか、もしくは電圧を印加する場合には同電位とされ
る。圧電磁器は長手方向分極されており、長手方向の伸
び振動を行うものである。
形電極17同士、第2櫛形電極22同士が導通されてい
るか、もしくは電圧を印加する場合には同電位とされ
る。圧電磁器は長手方向分極されており、長手方向の伸
び振動を行うものである。
【0021】このような圧電共振子では、先ず、圧電磁
器を作製する。圧電磁器としては、例えば、Pb(Z
r,Ti)O3 を主成分とするものが好ましい。特に、
材料の縦効果による電気機械結合係数K33が大きい材料
を用いることが好ましい。例えば、Pb(Zr,Ti)
O3 のPb、Zr、Tiの一部をBa等のアルカリ土類
金属,Nb等の周期律表第5a族元素、Y等の希土類元
素,Cr等の周期律表第6a族元素、Co等の周期律表
第8族元素等で置換したものが用いられる。
器を作製する。圧電磁器としては、例えば、Pb(Z
r,Ti)O3 を主成分とするものが好ましい。特に、
材料の縦効果による電気機械結合係数K33が大きい材料
を用いることが好ましい。例えば、Pb(Zr,Ti)
O3 のPb、Zr、Tiの一部をBa等のアルカリ土類
金属,Nb等の周期律表第5a族元素、Y等の希土類元
素,Cr等の周期律表第6a族元素、Co等の周期律表
第8族元素等で置換したものが用いられる。
【0022】このような圧電磁器の上下面に、図3
(a)に示すような第1駆動電極16と第2駆動電極2
1を形成する。電極16、21の形成は、例えば、蒸着
法、スパッタ法、焼き付け法等の公知の手法が用いられ
る。
(a)に示すような第1駆動電極16と第2駆動電極2
1を形成する。電極16、21の形成は、例えば、蒸着
法、スパッタ法、焼き付け法等の公知の手法が用いられ
る。
【0023】そして、図3(b)に示すように可撓性の
絶縁性樹脂25を塗布し硬化させ後、導電性ペーストを
塗布して第1帯状取出電極15と第2帯状取出電極20
を形成し、図1に示すような圧電共振子を作製できる。
可撓性の絶縁性樹脂25としては、弾性率の小さいシリ
コンゴム等が用いられ、可撓性の導電部材からなる帯状
取出電極15、20としては、弾性率の小さいシリコン
ゴム等の樹脂中に、金属粒子を分散させたようなものが
用いられる。
絶縁性樹脂25を塗布し硬化させ後、導電性ペーストを
塗布して第1帯状取出電極15と第2帯状取出電極20
を形成し、図1に示すような圧電共振子を作製できる。
可撓性の絶縁性樹脂25としては、弾性率の小さいシリ
コンゴム等が用いられ、可撓性の導電部材からなる帯状
取出電極15、20としては、弾性率の小さいシリコン
ゴム等の樹脂中に、金属粒子を分散させたようなものが
用いられる。
【0024】このようにして作製された圧電共振子は、
第1櫛形電極17と第2櫛形電極22の間に直流電圧を
印加して分極処理することにより、図2に示すように、
矩形状磁器の長手方向に分極する。上下面の第1櫛形電
極17、22を同電位にすることにより、第1駆動電極
16と第2駆動電極21間の自発分極は交互に逆方向に
分極されている。
第1櫛形電極17と第2櫛形電極22の間に直流電圧を
印加して分極処理することにより、図2に示すように、
矩形状磁器の長手方向に分極する。上下面の第1櫛形電
極17、22を同電位にすることにより、第1駆動電極
16と第2駆動電極21間の自発分極は交互に逆方向に
分極されている。
【0025】本発明の圧電共振子は、圧電磁器11の上
下面に形成された第1櫛形電極17同士、第2櫛形電極
22同士に同電位の電圧を印加することにより、振動用
の電場を分極と平行に印加でき、バルク波を発生させ、
圧電磁器11を長手方向に振動させることができる。特
に、PZT系の圧電材料を用いることにより、PZT系
の材料の電気機械結合係数は、横効果の電気機械結合係
数K31に比べて、厚み方向の伸び振動(縦効果)の電気
機械結合係数K33は大きいことから、長手方向の伸び振
動の電気機械結合係数K33が十分に大きい圧電共振子を
得ることができる。
下面に形成された第1櫛形電極17同士、第2櫛形電極
22同士に同電位の電圧を印加することにより、振動用
の電場を分極と平行に印加でき、バルク波を発生させ、
圧電磁器11を長手方向に振動させることができる。特
に、PZT系の圧電材料を用いることにより、PZT系
の材料の電気機械結合係数は、横効果の電気機械結合係
数K31に比べて、厚み方向の伸び振動(縦効果)の電気
機械結合係数K33は大きいことから、長手方向の伸び振
動の電気機械結合係数K33が十分に大きい圧電共振子を
得ることができる。
【0026】また、帯状取出電極15、20と、該帯状
取出電極15、20に接続されていない駆動電極16、
21間に、可撓性の絶縁性樹脂25を介在させることに
より、第1櫛形電極17と第2櫛形電極22の絶縁を確
実に行うことができ、しかも振動に寄与しない不要な浮
遊容量発生を抑制でき、材料の持つ結合係数を充分に発
揮できる。
取出電極15、20に接続されていない駆動電極16、
21間に、可撓性の絶縁性樹脂25を介在させることに
より、第1櫛形電極17と第2櫛形電極22の絶縁を確
実に行うことができ、しかも振動に寄与しない不要な浮
遊容量発生を抑制でき、材料の持つ結合係数を充分に発
揮できる。
【0027】例えば、圧電磁器11の上下に対向して形
成された帯状取出電極15、20間において不要な浮遊
容量発生を抑制できる。帯状取出電極15、20間の浮
遊容量を抑制するという点から、絶縁性樹脂25は、帯
状取出電極15、20と、該帯状取出電極15、20に
接続されていない駆動電極16、21間だけでなく、図
1および図2に示すように、帯状取出電極15、20に
接続される駆動電極16、21との間を除いて絶縁性樹
脂25が介装されていることが望ましい。また、帯状取
出電極15、20と、この帯状取出電極15、20と接
続されていない駆動電極16、21間における浮遊容量
等の不要な容量の発生を抑制できる。
成された帯状取出電極15、20間において不要な浮遊
容量発生を抑制できる。帯状取出電極15、20間の浮
遊容量を抑制するという点から、絶縁性樹脂25は、帯
状取出電極15、20と、該帯状取出電極15、20に
接続されていない駆動電極16、21間だけでなく、図
1および図2に示すように、帯状取出電極15、20に
接続される駆動電極16、21との間を除いて絶縁性樹
脂25が介装されていることが望ましい。また、帯状取
出電極15、20と、この帯状取出電極15、20と接
続されていない駆動電極16、21間における浮遊容量
等の不要な容量の発生を抑制できる。
【0028】そして、圧電磁器11の上下面の第1櫛形
電極17間、および第2櫛形電極22間に容量が発生す
るが、駆動電極16、21の数や、駆動電極16と21
の距離、即ち圧電磁器11の厚みを調整することによ
り、様々な容量の共振子を得ることができる。よって、
本発明の圧電共振子では、共振子の形状を小型化するこ
とができ、しかも大容量の共振子を得ることができる。
電極17間、および第2櫛形電極22間に容量が発生す
るが、駆動電極16、21の数や、駆動電極16と21
の距離、即ち圧電磁器11の厚みを調整することによ
り、様々な容量の共振子を得ることができる。よって、
本発明の圧電共振子では、共振子の形状を小型化するこ
とができ、しかも大容量の共振子を得ることができる。
【0029】図4は、ラダー型フィルタの回路図を示す
もので、この図には、共振周波数と反共振周波数の差Δ
Fが同一の直列共振子S1、S2、S3と並列共振子P
1、P2、P3とをL型に接続してなる基本単位回路を
3段接続してなるラダー型フィルタが開示され、このよ
うなラダー型フィルタの共振子S1、S2、S3、P
1、P2、P3として、本発明の圧電共振子が用られて
いる。
もので、この図には、共振周波数と反共振周波数の差Δ
Fが同一の直列共振子S1、S2、S3と並列共振子P
1、P2、P3とをL型に接続してなる基本単位回路を
3段接続してなるラダー型フィルタが開示され、このよ
うなラダー型フィルタの共振子S1、S2、S3、P
1、P2、P3として、本発明の圧電共振子が用られて
いる。
【0030】また、上記圧電共振子では、駆動電極1
6、21を圧電磁器11の一方端から他方端まで、言い
換えると圧電磁器11の幅の長さ形成したが、図5
(a)に示すように、駆動電極16、21を圧電磁器1
1の幅の長さよりも短く形成し、図5(b)に示すよう
に、駆動電極16、21間に絶縁性樹脂25を形成し、
図5(c)に示すように帯状取出電極15、20を形成
しても良い。尚、絶縁性樹脂25は、駆動電極16、2
1上には形成されていない。このような圧電共振子であ
っても上記と同様の効果を得ることができる。
6、21を圧電磁器11の一方端から他方端まで、言い
換えると圧電磁器11の幅の長さ形成したが、図5
(a)に示すように、駆動電極16、21を圧電磁器1
1の幅の長さよりも短く形成し、図5(b)に示すよう
に、駆動電極16、21間に絶縁性樹脂25を形成し、
図5(c)に示すように帯状取出電極15、20を形成
しても良い。尚、絶縁性樹脂25は、駆動電極16、2
1上には形成されていない。このような圧電共振子であ
っても上記と同様の効果を得ることができる。
【0031】
【実施例】先ず、組成式(Pb0.96Sr0.03La0.01)
1.00 (Nb0.50Cr0.40Y0.07Co0.03)0.05 Ti0.49
Zr0.46 O3 で表される矩形状の幅2mm、長さ6m
mの圧電磁器を作製した。この圧電磁器の上下面に電極
材料を蒸着した後、エッチングすることにより、図3
(a)に示すような第1および第2駆動電極をそれぞれ
4本ずつ形成した。第1駆動電極と第2駆動電極の間隔
aを0.4mm、駆動電極の幅bを0.1mm、駆動電
極の長さLを2mm、圧電磁器の厚みを0.3mmとし
た。
1.00 (Nb0.50Cr0.40Y0.07Co0.03)0.05 Ti0.49
Zr0.46 O3 で表される矩形状の幅2mm、長さ6m
mの圧電磁器を作製した。この圧電磁器の上下面に電極
材料を蒸着した後、エッチングすることにより、図3
(a)に示すような第1および第2駆動電極をそれぞれ
4本ずつ形成した。第1駆動電極と第2駆動電極の間隔
aを0.4mm、駆動電極の幅bを0.1mm、駆動電
極の長さLを2mm、圧電磁器の厚みを0.3mmとし
た。
【0032】そして、図3(b)に示すようにシリコン
ゴムからなる絶縁性樹脂を塗布し硬化させ幅0.3m
m、厚み30μmにした後、シリコンゴム中にAg粒子
を分散させたシリコンゴム系の導電性ペーストを塗布し
て、厚み100μm、幅0.2mmの帯状取出電極を形
成し、図1に示すような共振子を得た。
ゴムからなる絶縁性樹脂を塗布し硬化させ幅0.3m
m、厚み30μmにした後、シリコンゴム中にAg粒子
を分散させたシリコンゴム系の導電性ペーストを塗布し
て、厚み100μm、幅0.2mmの帯状取出電極を形
成し、図1に示すような共振子を得た。
【0033】つぎに、第1および第2櫛形電極間に直流
電圧を30分印加して分極処理して圧電性を付与した。
即ち、80℃の絶縁油中に浸漬し、第1櫛形電極と第2
櫛形電極の間に3kV/mmの直流電圧を30分印加し
て分極処理した。
電圧を30分印加して分極処理して圧電性を付与した。
即ち、80℃の絶縁油中に浸漬し、第1櫛形電極と第2
櫛形電極の間に3kV/mmの直流電圧を30分印加し
て分極処理した。
【0034】図6に、この圧電共振をインピーダンスア
ナライザーで測定した共振波形を示す。この共振周波数
Frと反共振周波数Faから帯域幅△Fを求め、さらに
容量を測定した結果、容量が37pFであり、帯域幅△
Fが70kHzであった。
ナライザーで測定した共振波形を示す。この共振周波数
Frと反共振周波数Faから帯域幅△Fを求め、さらに
容量を測定した結果、容量が37pFであり、帯域幅△
Fが70kHzであった。
【0035】また、図5(a)に示すような第1駆動電
極及び第2駆動電極を形成した圧電磁器11を用いて、
図5(b)に示すように樹脂を塗布し硬化させ後、導電
性ペーストを塗布して帯状取出電極を形成し、図5
(c)に示すような共振子を得た。この共振子の特性
は、容量が34pFであり、帯域幅△Fが65kHzで
あった。
極及び第2駆動電極を形成した圧電磁器11を用いて、
図5(b)に示すように樹脂を塗布し硬化させ後、導電
性ペーストを塗布して帯状取出電極を形成し、図5
(c)に示すような共振子を得た。この共振子の特性
は、容量が34pFであり、帯域幅△Fが65kHzで
あった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の圧電共振子
は、圧電磁器の上下面に櫛形電極を形成し、上下面の同
位置の電極を同電位にすることにより、矩形状圧電磁器
の長手方向に分極すると同時に、振動用の電場を分極と
平行に印加できる。このことにより大きな結合係数を得
ることができる縦振動モード(縦効果K33モード)を利
用でき、櫛形電極の駆動電極の本数及び駆動電極間隔等
を調整することにより小型の共振子であるにもかかわら
ず大きな容量を得ることができ、フィルター、発振子そ
の他に用いる最適な圧電共振子を得ることができる。さ
らに、駆動電極の端部を接続する帯状取出電極を可撓性
の導電部材により形成することにより、圧電共振子の伸
縮振動によって発生する引っ張り応力により帯状取出電
極の断線を防止することができる。
は、圧電磁器の上下面に櫛形電極を形成し、上下面の同
位置の電極を同電位にすることにより、矩形状圧電磁器
の長手方向に分極すると同時に、振動用の電場を分極と
平行に印加できる。このことにより大きな結合係数を得
ることができる縦振動モード(縦効果K33モード)を利
用でき、櫛形電極の駆動電極の本数及び駆動電極間隔等
を調整することにより小型の共振子であるにもかかわら
ず大きな容量を得ることができ、フィルター、発振子そ
の他に用いる最適な圧電共振子を得ることができる。さ
らに、駆動電極の端部を接続する帯状取出電極を可撓性
の導電部材により形成することにより、圧電共振子の伸
縮振動によって発生する引っ張り応力により帯状取出電
極の断線を防止することができる。
【図1】本発明の圧電共振子を示す斜視図である。
【図2】図1の側面図であり、(a)はA方向より見た
図、(b)はB方向より見た図である。
図、(b)はB方向より見た図である。
【図3】本発明の圧電共振子の製造方法を説明するため
の斜視図であり、(a)は圧電磁器に駆動電極を形成し
た状態、(b)絶縁性樹脂を形成した状態である。
の斜視図であり、(a)は圧電磁器に駆動電極を形成し
た状態、(b)絶縁性樹脂を形成した状態である。
【図4】ラダー型フィルタの回路図である。
【図5】本発明に係る他の圧電共振子の製造方法を説明
するための斜視図であり、(a)は圧電磁器に駆動電極
を形成した状態、(b)絶縁性樹脂を形成した状態、
(c)は帯状取出電極を形成した状態を示す。
するための斜視図であり、(a)は圧電磁器に駆動電極
を形成した状態、(b)絶縁性樹脂を形成した状態、
(c)は帯状取出電極を形成した状態を示す。
【図6】本発明の圧電共振子についてのインピーダンス
特性のシュミレーション結果を示す図である。
特性のシュミレーション結果を示す図である。
【符号の説明】 11・・・圧電磁器 12・・・表面電極 15・・・第1帯状取出電極 16・・・第1駆動電極 17・・・第1櫛形電極 20・・・第2帯状取出電極 21・・・第2駆動電極 22・・・第2櫛形電極 25・・・絶縁性樹脂
Claims (3)
- 【請求項1】矩形状の圧電磁器の上下面に第1櫛形電極
と第2櫛形電極とからなる表面電極を対向して形成して
なる圧電共振子において、前記表面電極を、圧電磁器の
長手方向に所定間隔をおいて平行に形成された複数の駆
動電極と、該駆動電極の端部同士を交互に接続し、かつ
可撓性の導電部材より形成された一対の帯状取出電極と
から構成してなり、前記圧電磁器が長手方向の伸び振動
を行うことを特徴とする圧電共振子。 - 【請求項2】帯状取出電極と、該帯状取出電極と接続さ
れない駆動電極との間には、可撓性の絶縁性樹脂を介装
してなることを特徴とする請求項1記載の圧電共振子。 - 【請求項3】複数の直列共振子と複数の並列共振子とか
らなるラダー型フィルタにおいて、前記直列共振子およ
び前記並列共振子が、請求項1または請求項2記載の圧
電共振子からなることを特徴とするラダー型フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8637598A JPH11284478A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 圧電共振子およびラダー型フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8637598A JPH11284478A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 圧電共振子およびラダー型フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11284478A true JPH11284478A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13885145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8637598A Pending JPH11284478A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 圧電共振子およびラダー型フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11284478A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008516490A (ja) * | 2004-10-11 | 2008-05-15 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 音響波により動作する素子および該素子の製造方法 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP8637598A patent/JPH11284478A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008516490A (ja) * | 2004-10-11 | 2008-05-15 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 音響波により動作する素子および該素子の製造方法 |
US8471652B2 (en) | 2004-10-11 | 2013-06-25 | Epcos Ag | Component that operates using acoustic waves and method for producing said component |
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