JPH1128353A - 油吸収材 - Google Patents

油吸収材

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JPH1128353A
JPH1128353A JP18408297A JP18408297A JPH1128353A JP H1128353 A JPH1128353 A JP H1128353A JP 18408297 A JP18408297 A JP 18408297A JP 18408297 A JP18408297 A JP 18408297A JP H1128353 A JPH1128353 A JP H1128353A
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oil
hydrophobic silica
silica airgel
nonwoven fabric
compound
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Withdrawn
Application number
JP18408297A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Masaru Yokoyama
勝 横山
Kenji Tsubaki
健治 椿
Kenji Sonoda
健二 園田
Keiji Kosaka
啓詞 高坂
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要に応じて各種の形状を選択して使用する
ことができ、油の吸収速度が速く、水上に浮上させた状
態で油を吸収することができ、吸収した油は水に分散さ
れるようなことがなく、さらに回収後の焼却処理で有毒
ガスを発生するおそれのない油吸収材を提供する。 【解決手段】 疎水性シリカエアロゲル1を含有して油
吸収材を形成する。疎水性シリカエアロゲル1は疎水親
油性であって油の吸収速度が速く、また疎水性シリカエ
アロゲル1はバルク状、粒状、粉状等の必要に応じた任
意の形状で使用することができ、且つ水上において完全
に浮遊させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海上での油流出事
故や、薬品工場や機械工場などでの有機薬品や油の流出
事故等に使用される油吸収材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海上での油流出事故時に油の海水中への
分散による環境汚染を防止するために、油吸収材に油を
吸収させて回収することが行なわれている。同様に工場
廃水から河川や海などに流出した油等についても油吸収
材に吸収させて回収することが行なわれている。
【0003】そしてこのような油吸収材としては有機系
高分子の繊維によるバルクや不織布が一般的である。こ
の有機系高分子の油吸収材は、油吸収性能には優れてい
るが、油とともに水も吸収し易く、水を吸収すると油吸
収性能が低下すると共に、一旦吸収した油が水に分散す
るおそれがあるという問題があった。またこのものはバ
ルク状や不織布状で使用されるため、表面積が小さく、
油の吸収速度が遅く、海上での油流出事故のように水の
流れや波による分散で油が著しい速度で拡散する場合に
は十分には回収することができないという問題があっ
た。さらに油を回収した後に焼却処理するにあたって、
有機系高分子の油吸収材は自身も燃焼されて有毒ガスを
発生するおそれがあるという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、必要に応じて各種の形状を選
択して使用することができ、油の吸収速度が速く、水上
に浮上させた状態で油を吸収することができ、吸収した
油は水に分散されるようなことがなく、さらに回収後の
焼却処理で有毒ガスを発生するおそれのない油吸収材を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る油吸収材
は、疎水性シリカエアロゲルを含有して成ることを特徴
とするものである。また請求項2の発明は、疎水性シリ
カエアロゲルと形状維持部材とから成ることを特徴とす
るものである。
【0006】また請求項3の発明は、形状維持部材とし
て不織布を用い、疎水性シリカエアロゲルを不織布で包
囲して袋状に形成して成ることを特徴とするものであ
る。また請求項4の発明は、形状維持部材として不織布
を用い、疎水性シリカエアロゲルを不織布と積層してシ
ート状に形成して成ることを特徴とするものである。
【0007】また請求項5の発明は、疎水性シリカエア
ロゲルとして空孔率が85〜99%のものを用いること
を特徴とするものである。また請求項6の発明は、疎水
性シリカエアロゲルとして比表面積が100〜1000
2 /gのものを用いることを特徴とするものである。
また請求項7の発明は、疎水性シリカエアロゲルが、ケ
イ酸エステル含有溶液のゲル状化合物を疎水化処理及び
超臨界乾燥して得られたものであることを特徴とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。疎水性シリカエアロゲルは優れた疎水性と親油性
を有するものであり、直径1〜20mm程度の粉状、粒
状、バルク状など、用途に応じて自由な形状を選択して
形成することができる。疎水性シリカエアロゲルはそれ
単独で油吸収材として用いることができるが、取り扱い
性を考慮して、疎水性シリカエアロゲルと形状維持部材
とから油吸収材を形成するようにしてもよい。例えば形
状維持部材として不織布2を用い、図1(a)に示すよ
うに疎水性シリカエアロゲル1を不織布2で包囲した袋
状に形成したり、図1(b)に示すように疎水性シリカ
エアロゲル1の層と不織布2とを交互に積層したシート
状に形成したりすることができるものである。
【0009】疎水性シリカエアロゲルの空孔率は85〜
99%のものが好ましく、より好ましくは95〜99%
である。疎水性シリカエアロゲルの油吸収能力はこの空
孔率に依存するものであり、空孔率が85%未満である
と、十分に油を吸収する効果を期待することができな
い。従って空孔率は高い程好ましいが、空孔率が高過ぎ
ると、疎水性シリカエアロゲルは風で吹き飛ばされ易
く、取り扱いが困難になるので、実用上、空孔率の上限
は99%である。ちなみに、空孔率が95%の疎水性シ
リカエアロゲルは容積の95%の油を吸収し、疎水性シ
リカエアロゲル1g当たり9.5ccの油を吸収するこ
とができる また疎水性シリカエアロゲルの比表面積は100〜10
00m2 /gのものが好ましい。比表面積が大きい程、
毛細管現象による油の吸収性能が高くなり、特に油の吸
収速度が速くなるものであり、比表面積が100m2
g未満であると、迅速に且つ十分に油を吸収する効果を
期待することができない。従って比表面積は高い程好ま
しいが、比表面積が高過ぎると、疎水性シリカエアロゲ
ルは風で吹き飛ばされ易く、取り扱いが困難になるの
で、実用上、比表面積の上限は1000m2 /gであ
る。ここで、疎水性シリカエアロゲルを粉状や粒状で油
吸収材として使用する場合、油吸収材全体の表面積が大
きくなるので、油吸収効率をさらに向上させることがで
きるものである。
【0010】上記のような疎水性シリカエアロゲルは、
ケイ酸エステル含有溶液のゲル状化合物(湿潤ゲル化合
物)を疎水化処理した後、超臨界乾燥することによって
得ることができるものである。ケイ酸エステルとしては
アルコキシシランと水ガラスを用いることができる。ア
ルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン及びこれらのオリゴマー、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、
メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン等が挙げることがで
きるが、勿論これらに限定されるものではない。そして
このアルコキシシランをアルコールやアセトンに代表さ
れるような水溶性の有機溶剤へ溶解させ、水と必要に応
じて加水分解触媒を添加することによって、湿潤ゲル化
合物を得ることができる。
【0011】一方、水ガラスは、分子式がm(M2 O)
・n(SiO2 )〔m,nは正の整数、Mはアルカリ金
属原子)で表されるものであり、JIS K 1408
に規格されている。本発明ではこの中でも、水ガラスと
してケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムの水溶液を用い
るのが好ましい。水ガラス溶液中のシリカ濃度は、嵩密
度、屈折率、断熱性、透光性等の求められる物性に応じ
て適宜、調整されるものである。
【0012】そしてまず、水ガラス溶液をイオン交換樹
脂を用いてイオン交換することによってヒドロゾルを調
製する。イオン交換樹脂としては、スチレン系、アクリ
ル系、メタクリル系等の陽イオン交換樹脂を用いること
ができる。このようなイオン交換樹脂を用いてイオン交
換することにより、水ガラス溶液中のナトリウム原子な
どアルカリ金属原子を除去するものである。ここで、イ
オン交換樹脂の量は、イオン交換しようとする水ガラス
溶液中に含まれるアルカリ金属原子を全て水素と交換す
ることが可能な量に設定する必要がある。すなわち、イ
オン交換しようとする水ガラス溶液中のアルカリ金属原
子のモル数に対して、イオン交換樹脂が水素イオンの交
換可能なモル数(総交換容量)の比が1以上になるよう
に、イオン交換樹脂の量を設定する必要がある。
【0013】水ガラス溶液をイオン交換樹脂でイオン交
換する方法としては、イオン交換樹脂を充填した充填層
に水ガラス溶液を通過させてアルカリ金属イオンを水素
イオンに置換する方法、あるいは、イオン交換樹脂を水
ガラス溶液と混合し、攪拌してアルカリ金属イオンを水
素イオンに置換した後にイオン交換樹脂を濾過するなど
して分離する方法が挙げられる。このようにしてイオン
交換された水ガラス溶液は、溶液中のアルカリ金属原子
が水素原子に置換され、酸性溶液となったヒドロゾルと
なる。
【0014】上記のように水ガラス溶液をイオン交換し
てpH値を低下させることによって得られるヒドロゾル
をゲル化させる方法として、塩基性物質を添加する方法
がある。この塩基性物質としては、アンモニア、ピリジ
ン、ヒドラジン、ピベリジン等を挙げることができる。
これらの塩基性物質を添加することによってヒドロゾル
のpH値を中性付近にすると、ヒドロゾルは所定の時間
が経過した時点でゲル化する。このようにして湿潤ゲル
化合物を得ることができる。
【0015】上記のようにしてケイ酸エステルから得ら
れた湿潤ゲル状化合物を疎水化剤で疎水化処理した後、
さらに超臨界乾燥することによって、疎水化シリカエア
ロゲルを得ることができる。疎水化処理剤としては、ヘ
キサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、ト
リメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、
トリエチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン
等の有機シラン化合物を挙げることができ、これら以外
にも、酢酸、ギ酸、コハク酸等のカルボン酸や、メチル
クロリド等のハロゲン化アルキルなどの有機化合物を挙
げることができる。
【0016】ここで、疎水化処理は超臨界乾燥を行なう
前に、予め液体を媒体として媒体中にゲル状化合物と疎
水化処理剤を混合して行なうことができる。この媒体と
しては、疎水化処理剤との反応性が低く、且つ、疎水化
処理剤を溶解するものであればよく、特に制限されるも
のではない。疎水化の反応の際には必要に応じて加熱を
行なう。また、超臨界乾燥に使用される超臨界流体を媒
体として用い、この媒体中にゲル状化合物と疎水化処理
剤を混合することによって、超臨界乾燥と同時に疎水化
処理を行なうこともできる。
【0017】超臨界乾燥は、超臨界流体を媒体として用
いて行なわれるものであり、この媒体として使用される
溶媒としては、特に限定されないが、例えばエタノー
ル、メタノール、イソプロパノール、ジクロロジフルオ
ロメタン、二酸化炭素、水等の単独系又は2種以上の混
合系を挙げることができる。単一の溶媒で超臨界乾燥を
行なう場合は、オートクレーブ中に溶媒と、この溶媒と
同一の溶媒にゲル状化合物中の溶媒を置換したゲル状化
合物とを一緒に入れ、この溶媒の臨界点以上の温度、圧
力まで上昇させた後、溶媒を徐々に除いて最終的に常温
常圧の状態の戻すことによって、乾燥を行なうことがで
きる。また、2種以上の混合系の溶媒で超臨界乾燥を行
なう場合は、乾燥容器内に混合系溶媒と、混合系溶媒と
溶媒置換を行なったゲル状化合物を入れ、その混合系溶
媒が超臨界状態になるように設定した温度、圧力まで上
昇させ、溶媒を除去する方法や、乾燥容器内に混合系溶
媒とゲル状化合物とを入れ、乾燥容器内でゲル状化合物
の溶媒から超臨界状態にしたい溶媒に置換し、ほぼ溶媒
置換を完結させてから、置換した溶媒の超臨界状態でこ
の溶媒を除去する方法などがある。
【0018】上記のようにして得られる疎水性シリカエ
アロゲルは、既述のように大きな空孔率と比表面積を有
し、優れた油吸収性を有するものである。またこの疎水
性シリカエアロゲルは0.02〜0.32の比重(空孔
を含む見掛け比重)に形成することができ、水に完全に
浮遊した状態で流動させることができる。従って、水面
に流出した油を瞬時に吸収することができ、また油を吸
収飽和した状態でも比重は1を超えることはなく、水と
は混ざらずに水面を浮遊し続ける。従って、疎水性シリ
カエアロゲルに吸収された油が水中に分散して環境を汚
染するようなおそれがないものであり、また油を吸収し
た疎水性シリカエアロゲルが沿岸に漂着した場合でも容
易に回収することができるものである。ここで、疎水性
シリカエアロゲルの比重が0.02未満であると、油吸
収性は高いものの、風等で吹き飛ばされて空気中に飛散
して取り扱いが困難になり、油流出部分に的確に油吸収
材を撒くことが難しくなる。逆に疎水性シリカエアロゲ
ルの比重が0.32を超えると、疎水性シリカエアロゲ
ルは油を飽和吸収した状態で水中に沈むおそれがあり、
回収が不可能になる可能性がある。
【0019】また、疎水性シリカエアロゲルからなる本
発明の油吸収材は、油の吸収のみならず、ベンゼン、ト
ルエン、アルコール等の有機溶剤が流出した際の吸収、
回収ににも用いることができるものである。さらに、疎
水性シリカエアロゲルは不燃性であるので、薬品工場や
機械工場など有機薬品や油が頻繁に使用される場所に常
設するにあたって、火災発生に対する注意を特に行なう
必要がないものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)テトラメトキシシランのオリゴマー(コル
コート社製「メチルシリケート51」:平均分子量=約
470)、水、エタノール、25%アンモニア水を1:
120:20:2.16のモル比で混合してゾル溶液を
調製し、これを室温放置してゲル化させることによって
湿潤ゲル状化合物を得た。次にこのゲル状化合物を約5
mm角の粒状に粉砕した後、へキサメチルジシラザンの
0.6mol/リットル濃度のエタノール溶液中で、6
0℃で3時間程度加熱攪拌することによって、疎水化処
理を行った。次いでこの疎水化処理したゲル状化合物
を、20℃、70気圧の二酸化炭素中に入れ、ゲル状化
合物内のエタノールを二酸化炭素に置換する操作を2時
間程度行い、この後、系内を二酸化炭素の超臨界条件で
ある、80℃、160気圧にして、超臨界乾燥を約1時
間行うことによって、粒状の疎水性シリカエアロゲルを
得た。この疎水性シリカエアロゲルの空孔率は98%、
比表面積は900m2 /g、比重は0.04であった。
【0021】(実施例2)ケイ酸ナトリウム水溶液(日
本化学工業(株)製「ケイ酸ソーダJ号」)を水と重量
比で2:3に混合した後、イオン交換樹脂(オルガノ社
製「IR−120B)を通してシリカゾルを調製し、こ
れを室温放置してゲル化させることによって湿潤ゲル状
化合物を得た。次にこのゲル状化合物を平均粒径10m
mの粒状に粉砕した後、この粒状湿潤ゲル化合物をイソ
プロパノールで洗浄した。そしてこれをジメチルジメト
キシシランの1.2mol/リットルの濃度のイソプロ
パノール溶液中で、40℃で6時間程度加熱攪拌するこ
とによって、疎水化処理を行った。次いでこの疎水化処
理したゲル状化合物を、20℃、70気圧の二酸化炭素
中に入れ、ゲル状化合物内のエタノールを二酸化炭素に
置換する操作を2時間程度行い、この後、系内を二酸化
炭素の超臨界条件である、40℃、80気圧にして、超
臨界乾燥を約2時間行うことによって、粒状の疎水性シ
リカエアロゲルを得た。この疎水性シリカエアロゲルの
空孔率は95%、比表面積は750m2/g、比重は
0.10であった。
【0022】(実施例3)実施例1で得た粒状の疎水性
シリカエアロゲル120gを、厚み0.5mmのポリプ
ロピレン繊維製不織布(三井石油化学工業社製「タフネ
ルオイルブロッターAB−50)の袋に充填することに
よって、図1(a)に示すような、150×100×2
0mmの大きさの袋状の油吸収材を作製した。
【0023】(実施例4)実施例2において得た湿潤ゲ
ル状化合物を平均粒径1mmの粉状に粉砕した後、実施
例2と同様にして疎水化処理、超臨界乾燥を行ない、粉
状の疎水性シリカエアロゲルを得た。この粉状の疎水性
シリカエアロゲルを120g用い、疎水性シリカエアロ
ゲルとポリプロピレン繊維製不織布(実施例3のものと
同じ)とを交互に積層し、加圧プレス成形することによ
って、3層の疎水性シリカエアロゲルと4層の不織布か
らなる、図1(b)に示すような、120×100×1
0mmの大きさのシート状の油吸収材を作製した。
【0024】実施例1で得た粒状疎水性シリカエアロゲ
ルからなる油吸収材、実施例2で得た粉状疎水性シリカ
エアロゲルからなる油吸収材、実施例3で得た袋状の油
吸収材、実施例4で得たシート状の油吸収材について、
重油吸収速度と重油吸収量を測定した。これらの結果
を、表1の重油吸収時間と重油吸収量の欄に示す。重油
吸収速度の試験は次のようにして行なった。50リット
ル容器に約半分の水を入れ、さらにこれに1リットルの
重油を添加し、これを攪拌しているところに実施例1〜
4の油吸収材を投入して、さらに攪拌棒で攪拌した。油
吸収材の投入量は含有される疎水性シリカエアロゲルが
120gになるように設定した。そして油吸収材の投入
後、水上に浮遊する液体状の重油が認められなくなるま
での時間を測定した。
【0025】重油吸収量の試験は次のようにして行なっ
た。実施例1〜4の油吸収材(実施例1,2は120g
の疎水性シリカエアロゲル)に重油を滴下することによ
って重油を吸収させ、吸収しきれなくなった重油が液体
として認められ始めた段階までの重油の吸収量を測定し
た。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】上記のように本発明に係る油吸収材は、
疎水性シリカエアロゲルを含有して形成されるものであ
り、疎水性シリカエアロゲルは疎水親油性であって油の
吸収速度が速く、しかも疎水性シリカエアロゲルはバル
ク状、粒状、粉状等の必要に応じた任意の形状で使用す
ることができるものであって、且つ水上において完全に
浮遊させた状態で使用することができ、水上に流出した
油を瞬時に吸収することができると共に、吸収した油が
水に分散して環境を汚染するおそれがなく、油を容易に
回収することができるものである。また疎水性シリカエ
アロゲルは不燃性であって、回収後の焼却処理で油以外
のものが燃焼して有毒ガスを発生するおそれがないもの
である。
【0028】また請求項2の発明は、疎水性シリカエア
ロゲルと形状維持部材とから成るものであり、疎水性シ
リカエアロゲルを形状維持部材で所定形状に保持して、
取り扱いを容易にすることができるものである。また請
求項3の発明は、形状維持部材として不織布を用い、疎
水性シリカエアロゲルを不織布で包囲して袋状に形成す
るようにしたものであり、粉状や粒状の疎水性シリカエ
アロゲルを袋内に保持して、疎水性シリカエアロゲルが
分散してしまわない状態で使用することができるもので
ある。
【0029】また請求項4の発明は、形状維持部材とし
て不織布を用い、疎水性シリカエアロゲルを不織布と積
層してシート状に形成するようにしたものであり、疎水
性シリカエアロゲルをシート状の形態で使用することが
できるものである。また請求項5の発明は、疎水性シリ
カエアロゲルとして空孔率が85〜99%のものを用い
るようにしたので、多量の油を吸収することができるも
のである。
【0030】また請求項6の発明は、疎水性シリカエア
ロゲルとして比表面積が100〜1000m2 /gのも
のを用いるようにしたので、速い吸収速度で油を吸収す
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油吸収材の実施の形態の例を示すもの
であり、(a)は袋状の油吸収材の断面図、(b)はシ
ート状の油吸収材の断面図である。
【符号の説明】
1 疎水性シリカエアロゲル 2 不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 高坂 啓詞 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性シリカエアロゲルを含有して成る
    ことを特徴とする油吸収材。
  2. 【請求項2】 疎水性シリカエアロゲルと形状維持部材
    とから成ることを特徴とする請求項1に記載の油吸収
    材。
  3. 【請求項3】 形状維持部材として不織布を用い、疎水
    性シリカエアロゲルを不織布で包囲して袋状に形成して
    成ることを特徴とする請求項2に記載の油吸収材。
  4. 【請求項4】 形状維持部材として不織布を用い、疎水
    性シリカエアロゲルを不織布と積層してシート状に形成
    して成ることを特徴とする請求項2に記載の油吸収材。
  5. 【請求項5】 疎水性シリカエアロゲルとして空孔率が
    85〜99%のものを用いることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の油吸収材。
  6. 【請求項6】 疎水性シリカエアロゲルとして比表面積
    が100〜1000m2 /gのものを用いることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の油吸収材。
  7. 【請求項7】 疎水性シリカエアロゲルが、ケイ酸エス
    テル含有溶液のゲル状化合物を疎水化処理及び超臨界乾
    燥して得られたものであることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれかに記載の油吸収材。
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