JPH11282535A - 平面状物体のハンドリング方法及びその装置 - Google Patents

平面状物体のハンドリング方法及びその装置

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JPH11282535A
JPH11282535A JP8338198A JP8338198A JPH11282535A JP H11282535 A JPH11282535 A JP H11282535A JP 8338198 A JP8338198 A JP 8338198A JP 8338198 A JP8338198 A JP 8338198A JP H11282535 A JPH11282535 A JP H11282535A
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JP
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planar object
collision
air table
planar
handling
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JP8338198A
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English (en)
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Sadao Kawamura
貞夫 川村
Shinichi Hirai
慎一 平井
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HOOEI HOME KK
Ritsumeikan Trust
Original Assignee
HOOEI HOME KK
Ritsumeikan Trust
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種製品等で平面状の底面部を有する平面状
物体を高速で自動的にハンドリングすることができる平
面状物体のハンドリング方法及びその装置を提供するこ
と。 【解決手段】 平面状の底面部を有する平面状物体23
をエアーテーブル2上に誘導し、このエアーテーブル2
の上面に設けた多数の噴出孔8から上方へ噴出される圧
縮空気により平面状物体23を所定高さに浮上させなが
らエアーテーブル2上に配置された衝突手段3側へ平面
状物体23をその慣性により誘導し、平面状物体23を
衝突手段3と衝突させることによりその移動方向を予め
定めた目標位置側へ転換させて上記目標位置へ誘導する
ようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面状の底面部を
有する平面状物体をエアーテーブル上で高速でハンドリ
ングして所望の目標位置へ誘導する平面状物体のハンド
リング方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、化粧品及び日用雑貨等、同一製品
を大量生産する製造分野においては、従来、製造された
製品を順次コンベア等で搬送し、出荷等に際して、作業
者がこれらの製品を手作業で箱詰め等するのが一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、箱詰め等を
手作業で行った場合、作業効率が低下しがちな問題があ
る。そのため、順次搬送されてくる多数の製品を高速で
ハンドリングすることにより、箱詰め等の作業を自動で
行えるハンドリング装置の開発が望まれているが、ハン
ドリングを自動で行う場合、製品が所定位置に到達した
段階での速度や姿勢(水平面内の基準方向に対してなす
角度)を一定に調整することが困難であり、特に、コン
ベア等で搬送されてきた製品の移動方向を箱詰め等の作
業に先立って転換させる場合、上記速度や姿勢の調整が
極めて困難になるものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決し、各種製品等で平面状の底面部を有する平面状物体
を高速で自動的にハンドリングすることができる平面状
物体のハンドリング方法及びその装置を提供することを
目的とする。そのため、本発明の請求項1の平面状物体
のハンドリング方法は、平面状の底面部を有する平面状
物体をエアーテーブル上に誘導し、このエアーテーブル
の上面に設けた多数の噴出孔から上方へ噴出される圧縮
空気により上記平面状物体を所定高さに浮上させながら
上記エアーテーブル上に配置された衝突手段側へ上記平
面状物体をその慣性により誘導し、上記平面状物体を上
記衝突手段と衝突させることによりその移動方向を予め
定めた目標位置側へ転換させて上記目標位置へ誘導する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0005】本ハンドリング方法では、上記平面状物体
がエアーテーブル上で浮上させられるので、平面状物体
とエアーテーブルとの間での摩擦力が生じず、そのた
め、上記平面状物体は慣性の法則に従って、エアーテー
ブル上を略一定速度で略水平方向へ移動し、上記衝突手
段と衝突して跳ね返されることにより目標位置側へと方
向転換し、目標位置に到達する。
【0006】請求項2の平面状物体のハンドリング方法
は、平面状の底面部を有する平面状物体をエアーテーブ
ル上に誘導してこのエアーテーブルの上面に設けた多数
の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気により上記平面
状物体を所定高さに浮上させその慣性により上記エアー
テーブル上で移動させながら撮像手段により上記平面状
物体の位置変化を測定することによって上記エアーテー
ブル上での上記平面状物体の移動軌跡を予測し、予測さ
れた移動軌跡と予め定めた目標位置とに応じて求めた所
定位置に上記衝突手段を移動させて上記平面状物体を上
記所定位置で上記衝突手段と衝突させることにより上記
平面状物体の移動方向を上記目標位置側へ転換させて該
目標位置へ誘導するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0007】上述のように、平面状物体とエアーテーブ
ルとの間では摩擦力が発生しないので、平面状物体と衝
突手段とが衝突する前の平面状物体の移動軌跡と、平面
状物体と衝突手段との衝突位置とが分かれば、衝突後の
平面状物体の移動軌跡は動力学方程式により解析可能で
ある。逆に、上記撮像手段により衝突前の平面状物体の
移動軌跡を求めるとともに、衝突後の平面状物体が到達
すべき目標位置を定めれば、上記移動軌跡上のいかなる
位置で衝突手段を平面状物体に衝突させればよいかを上
記動力学方程式に基づいて定めることができ、当該位置
に衝突手段を移動させて平面状物体と衝突させることに
より、衝突後の平面状物体を上記目標位置に到達させる
ことができる。
【0008】請求項3の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項2のハンドリング方法において、上記撮像手
段により上記平面状物体の姿勢(水平面内の基準方向、
例えば、衝突手段との衝突前の平面状物体の移動方向に
対して平面状物体がなす角度)の変化を検出し、上記目
標位置における平面状物体の姿勢が所望の姿勢となる位
置に上記衝突手段を移動させて平面状物体と衝突させる
ことを特徴とするものである。
【0009】請求項4の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項2または3のハンドリング方法において、上
記平面状物体と衝突手段との衝突時に衝突手段に所定の
速度を与えることにより、上記目標位置における上記平
面状物体の速度が所望速度となるように調整することを
特徴とするものである。
【0010】請求項5の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項1乃至4のいずれかのハンドリング方法にお
いて、上記衝突手段としてピンを用いることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項6の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項1乃至4のいずれかのハンドリング方法にお
いて、上記衝突手段として壁体を用いることを特徴とす
るものである。
【0012】請求項7の平面状物体のハンドリング方法
は、平面状の底面部を有する平面状物体をエアーテーブ
ル上に誘導し、このエアーテーブルの上面に設けた多数
の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気により上記平面
状物体を所定高さに浮上させながら上記エアーテーブル
上にその一端部を中心に回動可能に配置された壁体側へ
上記平面状物体をその慣性により誘導して該平面状物体
を壁体に衝突させた直後に上記壁体を上記一端部を中心
として衝突前の平面状物体の移動方向と同一方向へ回動
させ、引き続き上記壁体を上記一端部を中心として逆方
向へ回動させることにより、上記平面状物体を上記目標
位置側へ送り出すようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項8の平面状物体のハンドリング装置
は、上面に圧縮空気を上方へ噴出する多数の噴出孔が設
けられるとともに供給配管を介して圧縮空気供給部に接
続されたエアーテーブルと、このエアーテーブル上に配
置され該エアーテーブル上で上記圧縮空気により浮上し
ながら移動する平面状物体が衝突することにより該平面
状物体の移動方向を目標位置側へ転換させて該目標位置
に誘導する衝突手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項9の平面状物体のハンドリング装置
は、請求項8の構成において、上記エアーテーブル上で
の上記平面状物体の位置変化を測定する撮像手段と、上
記衝突手段を移動させる駆動手段と、上記撮像手段によ
り測定された位置変化に基づいて上記エアーテーブル上
での上記平面状物体の移動軌跡を予測し、予測された移
動軌跡と予め定めた目標位置とに応じて求めた所定位置
に上記衝突手段が移動するように上記駆動手段を制御す
る制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】請求項10の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項9の構成において、上記撮像手段は上記平
面状物体の姿勢を測定するとともに、上記制御手段は上
記測定された姿勢と、上記目標位置における平面状物体
の目標姿勢とに基づいて求められた所定位置に上記衝突
手段が移動するように上記駆動手段を制御することを特
徴とするものである。
【0016】請求項11の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項8乃至10の構成において、上記衝突手段
がピンであることを特徴とするものである。
【0017】請求項12の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項8乃至10の構成において、上記衝突手段
が壁体であることを特徴とするものである。
【0018】請求項13の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項8乃至12の構成において、上記エアーテ
ーブルは上記多数の噴出孔が明けられた天板と、この天
板の下方に所定の間隔を隔てて天板と略平行に配置され
た底板と、天板と底板とを連結する側板とからなるケー
スを有し、上記底板には上記供給配管の端部が嵌合・固
定される孔が形成されて上記供給配管の端部が底板の上
方のケース内へ突出するとともに、この供給配管の端部
の突出部上に下方が開いた被覆部材が被せられているこ
とを特徴とするものである。
【0019】係る構成において、上記圧縮空気供給部か
ら供給配管を介して供給される圧縮空気は、供給配管の
底板上に突出した上記突出部から上記被覆部材に向けて
噴出され、被覆部材で下向きに押し戻された後、ケース
内で側方へ拡散し、上記天板に設けた多数の噴出孔から
上方へ噴出される。
【0020】請求項14の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項13の構成において、上記エアーテーブル
内において上記側板の上下方向中間部付近に略水平な当
て板が取り付けられていることを特徴とするものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、平面状物体の
ハンドリング装置1は、エアーテーブル2と、このエア
ーテーブル2上に配置された円柱状のピン3(衝突手
段)と、エアーテーブル2の上方に所定の間隔を隔てて
配置されたCCD(Charge Coupled Device) カメラ4
(撮像手段)とを備えている。ピン3は図示しない駆動
手段により水平方向(例えば、図1の左右方向)への移
動自在に支持され且つこの駆動手段は、エアーテーブル
2とは独立に設けられた不図示の支持部材によって支持
されている。該支持部材は、エアーテーブル2上での後
述の平面状物体23の動きを妨げないように、例えば、
エアーテーブル2の上方から吊下げ状態で設けることが
できる。ピン3のサイズは、例えば、半径5mm、高さ
20mm程度とできるが、特に限定されない。
【0022】CCDカメラ4には、広い視野での撮像が
可能となるように、必要により、図示しない魚眼レンズ
等を取り付けることができる。また、CCDカメラ4
は、パーソナルコンピュータ或いはマイクロコンピュー
タ等からなる図示しない制御手段に接続され、この制御
手段はCCDカメラ4からの入力データに基づいてエア
ーテーブル2上での後述の平面状物体23の移動軌跡を
予測し、予測された移動軌跡と、平面状物体23を誘導
すべき目標位置とに応じた最適な衝突位置を定めて、必
要により、上記駆動手段を制御してピン3を当該衝突位
置へ移動させるようになっている。
【0023】図2の垂直断面部分図にも示すように、エ
アーテーブル2は、水平方向を向けて配置された矩形状
の天板5と、この天板5の下方に所定の間隔を隔てて平
行に配置された矩形状の底板6と、天板5及び底板6の
対応する周縁部間で垂直方向に配置された4つの側板7
とで中空の直方体状に形成されており、天板5にはその
2つのコーナ部5a、5b周辺を除く部位に多数の噴出
孔8が厚み方向へ貫通させて設けられている。そして、
噴出孔8から上方へ噴出される圧縮空気Aの圧力によ
り、図示のように、平面状物体23を天板5の上方へ圧
縮空気の圧力に応じた高さで浮上させることができるよ
うになっている。天板5、底板6及び側板7は金属板、
木板または合成樹脂板等の適宜の材料で形成することが
でき、その接合部には気密性を保持するため、必要によ
り、図示しないゴムパッキン等が施される。
【0024】エアーテーブル2の縦横のサイズは用途に
応じて適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、縦
1000mm×横1000mm程度のサイズとすることがで
き、係るサイズのエアーテーブル2において、噴出孔8
の個数は、例えば、1000乃至2000個程度であ
り、各噴出孔8の直径は、例えば、1mm程度である。
【0025】図3にエアーテーブル2に対する圧縮空気
の供給系統を示す。コンプレッサ10から供給される圧
縮空気がクーラー11で冷却された後、バッファタンク
12に蓄積され、さらにドライヤー13で除湿された
後、例えば、3つのタンク14に蓄えられる。そして、
これら3つのタンク14から3本の供給配管15を介し
てエアーテーブル2の3箇所に圧縮空気が供給されるよ
うになっている。
【0026】なお、コンプレッサ10で発生され、上記
各部を介してタンク14、さらにエアーテーブル2へと
供給される圧縮空気の圧力は、ハンドリングすべき平面
状物体23の重量等に応じて可変とすることができる
が、コンプレッサ10乃至タンク14の各部における圧
縮空気の最高圧力は、例えば、10乃至11kgf/m
2 程度とすることができ、係る最高圧力以下の範囲で
実際の圧縮空気の圧力を適宜設定することができる。
【0027】図2に示すように、供給配管15のエアー
テーブル2側の端部には大径部15aが設けられ、この
大径部15aは、エアーテーブル2の底板6に開けた孔
6aを介して底板6の上方のエアーテーブル2内に突出
している。そして、各供給配管15の大径部15aの上
面における圧縮空気の供給開口15bを覆うように3つ
の山形鉄片16(被覆部材)がエアーテーブル2内に配
置され、この山形鉄片16は底板6の上面に固定されて
いる。
【0028】各山形鉄片16は、図4にも示すように、
山形をなすように傾斜配置された2つの傾斜板17を上
端縁17a同士で接合するとともに、これら傾斜板17
の前後端部に各々傾斜板17の傾斜角度に合致した二等
辺三角形をなす端部板18を接合してなり、且つ端部板
18の下端縁18aの位置を傾斜板17の下端縁17b
の位置より若干高くしている。これにより、山形鉄片1
6の前後端部における下端縁18aと底板6の上面との
間に各々隙間19が設けられている。
【0029】また、エアーテーブル2内の側板7の内面
側には、天板5及び底板6との間に各々所定の上下間隔
を有し且つ水平方向に延びる当て板20が取り付けられ
ている。
【0030】供給配管15からエアーテーブル2内に圧
縮空気が供給されると、この圧縮空気が山形鉄片16に
衝突し、前記隙間19から側方へ噴出されることによ
り、山形鉄片16の周囲へ横方向へ拡散し、やがてエア
ーテーブル2内の各部の噴出孔8からエアーテーブル2
の上方へと噴出される。この場合、供給配管15からの
圧縮空気は山形鉄片16で遮られるため、供給開口15
bの上部近傍に位置する噴出孔8のみから集中的にエア
ーテーブル2の上方へ噴出されることがない。
【0031】また、側板7に当て板20を設けたので、
山形鉄片16に衝突して底板6に沿って横方向へ流れ、
やがて側板7に衝突して跳ね返された圧縮空気は当て板
20に誘導されてエアーテーブル2内の中央部側へ押し
戻され、側板7近傍の噴出孔8から多量の圧縮空気が噴
出されることが防止される。
【0032】なお、山形鉄片16及び当て板20を使用
することにより、エアーテーブル2の各部の噴出孔8か
ら略均一に圧縮空気が上方へ噴出されることは、図5に
示す実験用のエアーテーブル2aにより確認した。すな
わち、このエアーテーブル2aは実際に使用するエアー
テーブル2と同程度の縦1000mm×横1000mm
のサイズを有するが、実際のエアーテーブル2の噴出孔
8より遙かに径の大きい噴出孔8aをS1乃至S14の
位置に14個のみ設けたものである。
【0033】この実験用のエアーテーブル2aを用いて
14個の噴出孔8aからの圧縮空気の圧力のばらつきの
有無を測定したところ、前記山形鉄片16及び当て板2
0を使用しない場合、S4及びS14等の位置における
噴出孔8aでは圧縮空気の圧力が大きくなり、逆に、S
3及びS6等の位置における噴出孔8aでは圧縮空気の
圧力が小さくなって、個々の噴出孔8aにおける圧縮空
気の圧力にばらつきが生じた。これに対し、前記山形鉄
片16及び当て板20を用いた場合、14個の噴出孔8
aにおける圧縮空気の圧力が略均一になった。
【0034】図5のエアーテーブル2aの左側の領域に
は噴出孔8aを設けていないが、左側の領域に噴出孔8
aを設けた場合の圧縮空気の圧力は右側の領域の対称位
置における噴出孔8aと略同一になると考えられるの
で、中央部及び右側の領域の噴出孔8aについてのみ圧
縮空気の圧力を測定すれば充分である。また、実際のエ
アーテーブル2は実験用のものより噴出孔8が小さく、
個数が多いが、山形鉄片16及び当て板20を設ける場
合と設けない場合の圧力のばらつきの有無については、
実験用のエアーテーブル2aと略同様の結果が出るもの
と考えられる。なお、当て板20は側板7の内面の全て
の領域に設けるのではなく、上記S4及びS14の位置
の近傍等における圧縮空気の圧力が大きくなりやすい領
域に設けることが好ましく、エアーテーブル2の内方へ
の当て板20の突出量C(図2)も、各部の噴出孔8に
おける圧縮空気の圧力を均一にするのに適当な値とすれ
ばよい。
【0035】次に、上記ハンドリング装置1を用いて、
平面状物体の箱詰め作業を行う手順につき説明する。図
6に示すように、例えば、コンベア22で順次搬送され
てくる、食品、化粧品または日用雑貨等である平面状物
体23をエアーテーブル2上に誘導し、噴出孔8(図6
では図示省略)から上方へ噴出される圧縮空気流により
エアーテーブル2上で所定高さに浮上させながら平面状
物体23の有する慣性によりピン3に向けて誘導し、ピ
ン3と衝突させることにより方向転換させ、エアーテー
ブル2の側方に隣接して配置した箱24内の所定位置へ
順次供給する。衝突手段としてピン3を用いた係るハン
ドリング方法を仮にピンヒッティング法と呼ぶ。
【0036】このピンヒッティング法では、例えば、図
6に衝突後の平面状物体23の移動軌跡をD1乃至D3
で示すように、個々の平面状物体23毎に順次、ピン3
との衝突時における方向転換角度E1、E2、E3を変
更するのであるが、そのため、個々の平面状物体23の
衝突時におけるピン3の位置を順次微妙に変化させる必
要がある。また、個々の平面状物体23が箱24内に供
給された段階で図6に示すような、例えば、横向きの姿
勢を取るように、ピン3と衝突した後の平面状物体23
の水平面内での回転の角速度ωを衝突位置と目標位置と
の間の距離等との関係で所定の値となるように調整する
必要がある。
【0037】そこで、本発明では、エアーテーブル2上
では、平面状物体23が浮上しているため、エアーテー
ブル2と平面状物体23との間の摩擦力が発生せず、平
面状物体23が基本的に動力学方程式に基づいて運動す
ることに着目し、前記CCDカメラ4によりエアーテー
ブル2上での平面状物体23の位置変化を測定すること
により、エアーテーブル2上での平面状物体23の移動
軌跡を予測し、予測された移動軌跡と当該平面状物体2
3を誘導する目標位置とに基づいて、上記動力学方程式
により、平面状物体23とピン3とをいずれの位置で衝
突させればよいかを前記制御手段により求め、前記駆動
手段によりピン3を当該位置に移動させて平面状物体2
3と衝突させることにより、衝突後に平面状物体23を
上記目標位置に誘導するようにしている。さらに、ピン
3と衝突した後の平面状物体23の水平面内での回転の
角速度が所定の値になり、これにより、箱24内に到達
した段階で平面状物体23が図6に示す姿勢を取るよう
に衝突時のピン3の位置を定めるものである。
【0038】なお、図6では、ピン3との衝突前の平面
状物体23がコンベア22の搬送方向、つまり、衝突前
の平面状物体23の移動方向と平行な方向を向いている
場合を図示したが、衝突前の平面状物体23がその移動
方向に対し傾斜している場合であっても、箱24内に到
達した段階で所定の姿勢となるように制御することが可
能である。
【0039】次に、上記動力学方程式につき簡単に説明
する。平面状物体23のモデルとして、辺の長さが各々
a及びbの長方形を採用する。また、ピン3は円柱状の
ものとする。ピン3には平面状物体23がコーナ部以外
の辺の部分で衝突するものとする。その際、平面状物体
23の重心の並進運動に関しては、ピン3に衝突した平
面状物体23の側面を壁とみたて、平面状物体23の速
度を有する質点がその壁に衝突したものと考えることが
できる。
【0040】図7において、ピン3に衝突する直前の上
記質点の速度をv1 (>0)、速度と壁の垂線Lのなす
角度をα1 、平面状物体23とピン3の跳ね返り係数を
eとする。ピン3の表面が滑らかであるとして、平面状
物体23の衝突後の速度をv 2 と、衝突後の速度と壁の
垂線のなす角度α2 を求める。衝突直前の速度v1 を壁
に対して平行方向と垂直方向に分解すると、平行方向の
速度はv1 ・ sinα1、垂直方向の速度はv1 ・ cosα
1 となる。
【0041】壁に対して平行方向の速度の変化はないの
で、 v2 ・ sinα2 =v1 ・ sinα1 となる。水平方向では、反発の法則から、 v2 ・ cosα2 =e・v1 ・ cosα1 となる。以上より、 v2 =v1 ・ cosα1 ・√(e2 ・tan2α1) tanα2 = tan(α1 /e) となる。
【0042】次に、ピン3と衝突した後の平面状物体2
3の水平面内での回転について求める。図8において、
衝突直前の平面状物体23の速度をv1 、平面状物体2
3の重心とコーナ部との間の距離をγ、この重心からコ
ーナ部への線と速度v1 の方向とのなす角度をβ、平面
状物体23の慣性モーメントをI、水平面内での角速度
をωとすると、 ω=γ・ sinβ・m・v1 /I が成り立つ。
【0043】また、平面状物体23が90°回転するの
に要する時間tは t=π/2ω =π・I/2・γ・ sinβ・m・v1 となり、 I=(a2 +b2 )m/12 γ・ sinβ=a/2 より、 t=π(a2 +b2 )/12av1 となる。
【0044】従って、これらの動力学方程式を用いるこ
とにより、エアーテーブル2上のいずれの位置で平面状
物体23にピン3を衝突させれば、衝突後に平面状物体
23に所望の目標位置に所望の姿勢で到達させることが
できるかを前記制御手段で算出することができ、算出し
た位置にピン3を移動させて平面状物体23を待機させ
ればよい。また、目標位置に到達した段階で平面状物体
23に所定の速度を持たせたい場合、衝突位置において
ピン3に所定の速度を持たせることにより、目標位置に
おける平面状物体23の速度を所望の値に制御すること
も可能である。
【0045】以下、ピンヒッティング法によるピン3と
の衝突後の平面状物体23の位置決め精度(速度または
姿勢制御の精度を含む)を評価するため、上記動力学方
程式により求められるピン3との衝突後の平面状物体2
3の移動軌跡(及び速度または姿勢)と、実際の平面状
物体23との移動軌跡(及び速度または姿勢)とがどの
程度合致しているかを実験により求めた結果を示す。
【0046】まず、実験に用いたハンドリング装置につ
き説明すると、エアーテーブル2は図1に示したような
外形を有し、その寸法は天板5及び底板6については縦
1000mm×横1000mm×厚み7mmとし、側板
7については幅1000mm×高さ200mm×厚み7
mmとした。噴出孔8は天板5の2つのコーナ部5a、
5bの周辺を除く部位に1601個設けた。また、前記
撮像手段及び制御手段としては、図9に示すように、2
個のCCDカメラ4と、これらのCCDカメラ4が接続
されるビデオデッキ25と、このビデオデッキ25を介
して各CCDカメラ4で撮影された画像を表示する2個
のモニタ26と、パーソナルコンピュータ27とを用い
た。
【0047】次に、平面状物体23の試験片として縦5
0mm×横50mmのアクリル板を用いた場合のエアー
テーブル2上での計算上の移動軌跡等と実際の移動軌跡
等との関係を図10以下の各図に示す。図10の横軸は
エアーテーブル2のx座標(図1中のエアーテーブル2
の左端からの距離をmmで表した値)、図10の縦軸は
エアーテーブル2のx座標(図1中のエアーテーブル2
の下端からの距離をmmで表した値)であり、縦軸方向
の直線Mはピン3との衝突位置のx座標を示している。
【0048】図10中の各黒点FはCCDカメラ4で測
定した試験片の重心の実際の移動軌跡であり、x座標の
値の大きい側から小さい側へ移動し、直線Mと交差する
位置でピン3と衝突して移動方向を変え、引き続きx座
標の値の小さい側へ移動したことが分かる。これに対し
て、白抜きで示す2つの点Gは前記動力学方程式を用い
てパーソナルコンピュータ27で求めた移動軌跡上の点
であり、実際の移動軌跡と略合致している。
【0049】図11は上記試験片の重心の移動軌跡と重
心の速度との関係を示すものであり、図11中の各黒点
Fは試験片の重心のx座標の変化に伴って当該重心の速
度がどのように変化するかを示すものであり、直線Mと
交差する点でピン3と衝突した後の速度は衝突前の速度
より小さくなっていることが分かる。一方、2つの白抜
きの点Gは前記動力学方程式により算出した衝突後の試
験片の重心の速度を示し、実際の速度と略合致してい
る。
【0050】図12はピン3との衝突後、試験片がどの
ように回転するかを示すものであり、各黒点Fは試験片
の重心のx座標の変化に伴う角速度の変化を表してい
る。図12からピン3との衝突前には試験片はほとんど
回転していないが、衝突後に略一定の角速度で回転を開
始することが分かる。一方、2つの白抜きの点G、前記
動力学方程式により算出した衝突後の角速度であり、実
際の角速度と略合致している。
【0051】図13及び図14は試験片の重心位置の時
間的変化を示しており、縦軸方向に延びる直線Nは試験
片がピン3と衝突する時刻を示している。両図中各黒点
Fは試験片がエアーテーブル2上で移動し始めてからの
時間経過と試験片の重心位置の実際のx座標またはy座
標との関係を示しており、一方、各2つの白抜きの点G
は試験片がピン3に衝突した後の時間経過とx座標また
はy座標との関係を前記動力学方程式より算出した結果
を示している。両図から明らかなように、x座標及びy
座標の値は実測値と理論値とで略合致している。
【0052】図15は試験片がエアーテーブル2上で移
動し始めてからの時間経過と試験片がピン3との衝突前
の移動方向との間で成す角度(試験片の姿勢)との関係
を示しており、各黒点Fは実際の角度である。衝突前に
は移動方向との間で成す角度が略0°であるのに対し、
衝突後には略一定の角速度で回転していることが分か
る。また、2つの白抜きの点Gは衝突後の時間と角度と
の関係を前記動力学方程式により算出したものであり、
実際の角度と略合致している。
【0053】なお、上記した縦50mm×横50mmの
長方形のアクリル板からなる試験片以外に、縦100m
m×横50mmの長方形のアクリル板及び縦50mm×
横40mmの長方形のアクリル板からなる他の2種類の
試験片を用いて同様の実験を行ったが、いずれの場合
も、CCDカメラ4で測定した試験片の実際の移動軌跡
等と前記動力学方程式に基づいて計算で求めた移動軌跡
等とが略合致した。従って、本発明の移動可能なピン3
を用いたピンヒッティング法は、箱詰め等の作業を高速
で自動的に行う上で極めて有用であることが立証され
た。
【0054】そして、上記のピンヒッティング法では、
ハンドリング装置1の構成を比較的簡単なものとして、
低コストでのハンドリングが可能になる利点がある他、
平面状物体23とピン3の一点との衝突により、衝突後
の平面状物体23を目標位置に到達させるものであるか
ら、高い位置決め精度を確保しやすくなる。
【0055】上記実施の形態では、ハンドリング装置1
を用いて平面状物体23の箱詰めを行う場合を説明した
が、例えば、1つのコンベアから供給された平面状物体
23を当該コンベアに対し所定の角度を成して配置され
た別のコンベアに移す作業を上記ハンドリング装置1で
行うようにしてもよい。その場合、箱詰め時と異なり、
エアーテーブル2上での個々の平面状物体23の方向転
換角度は略一定としてよいので、例えば、上記1つのコ
ンベアから本ハンドリング装置1のエアーテーブル2に
対する各平面状物体23の導入位置及び導入方向が略一
定であれば、ピン3を移動させることなく、エアーテー
ブル2上の固定位置に配置しておくのみでもよい。勿
論、2つのコンベア間での平面状物体23の移載を行う
場合でも、個々の平面状物体23のエアーテーブル2上
での移動軌跡の微妙な相違に応じて、ピン3を微妙に移
動させることにより、下流側のコンベアに対する平面状
物体23の供給位置、方向等をより正確に揃えるように
してもよい。
【0056】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。図16に示すように、このハンドリング装置1aで
は、ピン3に代わる衝突手段として、エアーテーブル2
上に壁体30を設けている。この壁体30は一端部の支
軸31により回動自在に支持されている。また、壁体3
0の長さは、平面状物体23のエアーテーブル2に対す
る進入時における平面状物体23のエアーテーブル幅方
向位置(図16の左右方向位置)のばらつきに対応し
て、ある一定の幅方向範囲W内の進入経路でエアーテー
ブル2上に進入した全ての平面状物体23が壁体30の
長手方向のいずれかの位置に衝突し得る程度の長さとさ
れている。
【0057】図16のハンドリング装置1aでは、図示
しないCCDカメラ4によりエアーテーブル2上に進入
した平面状物体23の位置変化を測定して当該平面状物
体23のエアーテーブル2上での移動軌跡を予測し、予
測された移動軌跡と目標位置Pとに応じて壁体30の水
平面内での角度Qを調整することにより、壁体30と衝
突した後に平面状物体23が目標位置Pに所定の姿勢で
到達するように制御するものである。この場合、平面状
物体23の衝突時に壁体30は所定の角度Qを有して静
止している。
【0058】このような所定角度で静止した壁体30に
より平面状物体23をハンドリングする方法を、仮にウ
ォールヒッティング法と呼ぶ。このウォールヒッティン
グ法によれば、平面状物体23が壁体30に衝突する
際、壁体30のいかなる位置に衝突しても平面状物体2
3と壁体30のなす角度が一定となり、高精度の位置決
めが期待できる。
【0059】本発明のさらに他の実施の形態は、図16
のハンドリング装置1aを用いるが、平面状物体23が
壁体30に衝突する際に壁体30を回動させるものであ
る。すなわち、図17に示すように、平面状物体23が
壁体30に衝突した後、壁体30を前記支軸31を中心
に衝突前の平面状物体23の移動方向と同一方向、つま
り、支軸31を中心として反時計方向Rへ回動させ(図
18、図19)、続いて、壁体30を上記と逆方向、つ
まり、支軸31を中心に時計方向Tへ回動させることに
より(図20)、平面状物体23を目標位置P側へ送り
出し、平面状物体23を所定の角速度で回動させながら
目標位置Pに所定の姿勢で到達させる(図21、図2
2)。
【0060】上記のように、壁体30を一旦衝突前の平
面状物体23の移動方向へ回動させた後、逆方向へ回動
させて平面状物体23を目標位置へ送りだす方法を仮に
トラップ法と呼ぶ。係るトラップ法によれば、平面状物
体23が壁体30に衝突する際の平面状物体23の速度
を壁体30が吸収できるため、衝突時の衝撃を緩和で
き、平面状物体23の変形等を抑制できる利点がある。
【0061】なお、上記の各実施の形態では、平面状物
体23のハンドリングにつき説明したが、ハンドリング
すべき物体が平面状の底面部を有していない場合、平面
状の底面部を有するトレイ等に当該物体を載置して、こ
の状態で本ハンドリング装置1または1aでハンドリン
グすることができる。この場合、トレイと物体とを組み
合わせたものを本発明における平面状物体と考えること
ができる。また、撮像手段としては、CCDカメラ4以
外に種々のカメラを用いることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の平面状物体のハンドリング方法は、平面状の底面部を
有する平面状物体をエアーテーブル上に誘導し、このエ
アーテーブルの上面に設けた多数の噴出孔から上方へ噴
出される圧縮空気により上記平面状物体を所定高さに浮
上させながら上記エアーテーブル上に配置された衝突手
段側へ上記平面状物体をその慣性により誘導し、上記平
面状物体を上記衝突手段と衝突させることによりその移
動方向を予め定めた目標位置側へ転換させて上記目標位
置へ誘導するようにしたものであり、上記平面状物体が
エアーテーブル上で浮上させられるので、平面状物体と
エアーテーブルとの間での摩擦力が生じず、そのため、
エアーテーブルに対する上記平面状物体の進入位置及び
進入方向が略一定であれば、該平面状物体は慣性の法則
に従って、エアーテーブル上を略一定の軌跡で略水平方
向へ移動し、エアーテーブル上の所定位置に配置された
上記衝突手段と衝突してはじき返されることにより上記
目標位置側へと方向転換して目標位置に到達することに
なり、係るハンドリング方法を箱詰め等の作業を自動で
行う場合に利用することができる。
【0063】請求項2の平面状物体のハンドリング方法
は、平面状の底面部を有する平面状物体をエアーテーブ
ル上に誘導してこのエアーテーブルの上面に設けた多数
の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気により上記平面
状物体を所定高さに浮上させその慣性により上記エアー
テーブル上で移動させながら撮像手段により上記平面状
物体の位置変化を測定することによって上記エアーテー
ブル上での上記平面状物体の移動軌跡を予測し、予測さ
れた移動軌跡と予め定めた目標位置とに応じて求めた所
定位置に上記衝突手段を移動させて上記平面状物体を上
記所定位置で上記衝突手段と衝突させることにより上記
平面状物体の移動方向を上記目標位置側へ転換させて該
目標位置へ誘導するようにしたものであるから、上記エ
アーテーブルに対する平面状物体の進入位置や進入方向
等が多少異なる結果、エアーテーブル上での平面状物体
の移動軌跡が一定しない場合でも、上記衝突手段を上記
撮像手段により求めた移動軌跡と目標位置とに対応した
所定位置に移動させて当該位置で平面状物体と衝突させ
ることにより、上記目標位置に到達させることができ
る。
【0064】請求項3の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項2のハンドリング方法において、上記撮像手
段により上記平面状物体の姿勢の変化を検出し、上記目
標位置における平面状物体の姿勢が所望の姿勢となる位
置に上記衝突手段を移動させて平面状物体と衝突させる
ものであるから、目標位置において平面状物体に予め定
めた一定の姿勢を取らせることができ、例えば、本ハン
ドリング方法を箱詰め等に利用した場合に、多数の平面
状物体を一定の姿勢で順次箱詰めすることができる。
【0065】請求項4の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項2または3のハンドリング方法において、上
記平面状物体と衝突手段との衝突時に衝突手段に所定の
速度を与えることにより、上記目標位置における上記平
面状物体の速度が所望速度となるように調整するもので
あるから、例えば、箱詰め等の作業において、箱詰め位
置に到達した段階での平面状物体の移動速度を一定に制
御することができ、箱詰めにおける位置決め精度を良好
なものとすることができる。
【0066】請求項5の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項1乃至4のハンドリング方法において、上記
衝突手段としてピンを用いたものであるから、係るピン
の一点と平面状物体とを衝突させてピンではじき返され
た後の平面状物体の移動方向を定めるものであり、この
場合、衝突後の平面状物体の移動方向を正確に制御し
て、より正確に上記目標位置へ誘導することが可能とな
る。
【0067】請求項6の平面状物体のハンドリング方法
は、請求項1乃至4のハンドリング方法において、上記
衝突手段として壁体を用いるものであるから、平面状物
体の壁体に対する衝突位置にかかわらず、平面状物体は
一定の角度をなしてはじき返されることになり、上記目
標位置に対する高精度の位置決めが可能となる。
【0068】請求項7の平面状物体のハンドリング方法
は、平面状の底面部を有する平面状物体をエアーテーブ
ル上に誘導し、このエアーテーブルの上面に設けた多数
の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気により上記平面
状物体を所定高さに浮上させながら上記エアーテーブル
上にその一端部を中心に回動可能に配置された壁体側へ
上記平面状物体をその慣性により誘導して該平面状物体
を壁体に衝突させた直後に上記壁体を上記一端部を中心
として衝突前の平面状物体の移動方向と同一方向へ回動
させ、引き続き上記壁体を上記一端部を中心として逆方
向へ回動させることにより、上記平面状物体を上記目標
位置側へ送り出すようにしたものであり、上述のよう
に、上記壁体により平面状物体を受け止めた際、一旦、
壁体を衝突前の平面状物体の移動方向と同一方向へ回動
させた後、逆方向へ回動させるものであるから、平面状
物体が壁体に衝突する際の平面状物体の速度を吸収して
衝突時に平面状物体が受ける衝撃を緩和し、衝突に伴う
平面状物体の損傷等を少なくすることができる利点があ
る。
【0069】請求項8の平面状物体のハンドリング装置
は、上面に圧縮空気を上方へ噴出する多数の噴出孔が設
けられるとともに供給配管を介して圧縮空気供給部に接
続されたエアーテーブルと、このエアーテーブル上に配
置され該エアーテーブル上で上記圧縮空気により浮上し
ながら移動する平面状物体が衝突することにより該平面
状物体の移動方向を目標位置側へ転換させて該目標位置
に誘導する衝突手段とを備えたものであるから、上記エ
アーテーブル上に所定の初速度を有して送り込まれた平
面状物体は、該平面状物体との間での摩擦力を生じさせ
ない上記エアーテーブル上をその慣性により上記衝突手
段側に移動し、該衝突手段と衝突してはじき返されるこ
とにより、予め定めた目標位置側へ誘導される。係るハ
ンドリング装置は、例えば、平面状の底面部を有する各
種製品を箱詰めする際等に用いることができ、大量の製
品を高速で位置決めしてハンドリングすることができ
る。
【0070】請求項9のハンドリング装置は、請求項8
の構成において、上記エアーテーブル上での上記平面状
物体の位置変化を測定する撮像手段と、上記衝突手段を
移動させる駆動手段と、上記撮像手段により測定された
位置変化に基づいて上記エアーテーブル上での上記平面
状物体の移動軌跡を予測し、予測された移動軌跡と予め
定めた目標位置とに応じて求めた所定位置に上記衝突手
段が移動するように上記駆動手段を制御する制御手段と
を備えたものであるから、上記エアーテーブルに対する
平面状物体の導入位置または導入方向が多少変動した場
合であっても、上記撮像手段により求められたエアーテ
ーブル上での平面状物体の移動軌跡上の所定位置に上記
衝突手段を移動させて平面状物体と衝突させることによ
り、衝突後に平面状物体を上記目標位置側へ誘導するこ
とができる。
【0071】請求項10の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項9の構成において、上記撮像手段は上記平
面状物体の姿勢を測定するとともに、上記制御手段は上
記測定された姿勢と、上記目標位置における平面状物体
の目標姿勢とに基づいて求められた所定位置に上記衝突
手段が移動するように上記駆動手段を制御するものであ
るから、目標位置において上記平面状物体が予め定めた
所定姿勢を取るように該平面状物体を目標位置に誘導す
ることができ、これにより、本ハンドリング装置を箱詰
め等の作業に用いた場合に、箱詰め位置に平面状物体を
一定の姿勢で供給することができるようになる。
【0072】請求項11の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項10の構成において、上記衝突手段がピン
であることを特徴とするものであるから、このピンの一
点と平面状物体とを衝突させてピンではじき返された後
の平面状物体の移動方向を定めるものであり、この場
合、衝突後の平面状物体の移動方向を正確に制御して、
より正確に上記目標位置へ誘導することが可能となる。
【0073】請求項12の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項8乃至10のいずれかの構成において、上
記衝突手段が壁体であることを特徴とするものであるか
ら、平面状物体の壁体に対する衝突位置にかかわらず、
平面状物体は一定の角度をなしてはじき返されることに
なり、上記目標位置に対する高精度の位置決めが可能と
なる。
【0074】請求項13の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項8乃至12のいずれかの構成において、上
記エアーテーブルは上記多数の噴出孔が明けられた天板
と、この天板の下方に所定の間隔を隔てて天板と略平行
に配置された底板と、天板と底板とを連結する側板とか
らなるケースを有し、上記底板には上記供給配管の端部
が嵌合・固定される孔が形成されて上記供給配管の端部
が底板の上方のケース内へ突出するとともに、この供給
配管の端部の突出部上に下方が開いた被覆部材が被せら
れているものであるから、上記圧縮空気供給部から供給
配管を介して供給される圧縮空気は、供給配管の底板上
に突出した上記突出部から上記被覆部材に向けて噴出さ
れ、被覆部材で下向きに押し戻された後、ケース内で側
方へ拡散し、上記天板に設けた多数の噴出孔から上方へ
噴出されるようになり、エアーテーブルの各部で圧縮空
気を略均一に噴出させることができるようになる。
【0075】請求項14の平面状物体のハンドリング装
置は、請求項13の構成において、上記エアーテーブル
内において上記側板の上下方向中間部付近に略水平な当
て板が取り付けられているものであるから、エアーテー
ブル内部で側板方向へ流れた圧縮空気が側板の周辺の噴
出孔から大量に上方へ噴出されることが上記当て板によ
り防止され、側板周辺における噴出量を適正な範囲に調
整してエアーテーブル各部の噴出孔から圧縮空気を略均
一に噴出させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るハンドリング装置を
示す斜視図。
【図2】上記ハンドリング装置におけるエアーテーブル
を示す部分縦断面図。
【図3】上記エアーテーブルに圧縮空気を供給する供給
系統を示す説明図。
【図4】上記エアーテーブル内に配置される山形鉄片を
示す斜視図。
【図5】上記エアーテーブルの各部における圧縮空気の
圧力を測定するための試験用のエアーテーブルを示す平
面図。
【図6】上記ハンドリング装置を用いて平面状物体の箱
詰めを行う様子を示す平面図。
【図7】平面状物体の衝突前後の速度及び跳ね返り角度
等を表す動力学方程式を求めるための説明図。
【図8】平面状物体の衝突後の角速度等を表す動力学方
程式を求めるための説明図。
【図9】本ハンドリング装置による平面状物体のハンド
リング状況を測定する実験装置を示す説明図。
【図10】平面状物体のピンとの衝突前後の移動軌跡を
実測値と計算値とを比較して示すグラフ。
【図11】平面状物体のピンとの衝突前後の重心の位置
と速度との関係を実測値と計算値を比較して示すグラ
フ。
【図12】平面状物体のピンとの衝突前後の重心の位置
と角速度との関係を実測値と計算値を比較して示すグラ
フ。
【図13】平面状物体のピンとの衝突前後の経過時間と
重心のx座標との関係を実測値と計算値を比較して示す
グラフ。
【図14】平面状物体のピンとの衝突前後の経過時間と
重心のy座標との関係を実測値と計算値を比較して示す
グラフ。
【図15】平面状物体のピンとの衝突前後の経過時間と
平面状物体が衝突前の移動方向に対してなす角度との関
係を実測値と計算値を比較して示すグラフ。
【図16】本発明の別の実施の形態におけるハンドリン
グ装置を示す平面図。
【図17】図16のハンドリング装置の壁体に平面状物
体が衝突する状態を示す概略平面図。
【図18】上記平面状物体が衝突した後の上記壁体の動
きを示す概略平面図。
【図19】上記平面状物体が衝突した後の上記壁体の後
続の動きを示す概略平面図。
【図20】上記平面状物体が衝突した後の上記壁体の後
続の動きを示す概略平面図。
【図21】上記壁体が平面状物体を目標位置側へ送り出
した状態を示す概略平面図。
【図22】上記平面状物体が目標位置に到達した状態を
示す概略平面図。
【符号の説明】
1、1a ハンドリング装置 2 エアーテーブル 3 ピン(衝突手段) 4 CCDカメラ(撮像手段) 5 天板 6 底板 7 側板 8 噴出孔 15 供給配管 16 山形鉄片 20 当て板 23 平面状物体 30 壁体(衝突手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 慎一 滋賀県草津市野路東1−1−1 立命館大 学 びわこ・くさつキャンパス 理工学部 内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状の底面部を有する平面状物体をエ
    アーテーブル上に誘導し、このエアーテーブルの上面に
    設けた多数の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気によ
    り上記平面状物体を所定高さに浮上させながら上記エア
    ーテーブル上に配置された衝突手段側へ上記平面状物体
    をその慣性により誘導し、上記平面状物体を上記衝突手
    段と衝突させることによりその移動方向を予め定めた目
    標位置側へ転換させて上記目標位置へ誘導するようにし
    たことを特徴とする平面状物体のハンドリング方法。
  2. 【請求項2】 平面状の底面部を有する平面状物体をエ
    アーテーブル上に誘導してこのエアーテーブルの上面に
    設けた多数の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気によ
    り上記平面状物体を所定高さに浮上させその慣性により
    上記エアーテーブル上で移動させながら撮像手段により
    上記平面状物体の位置変化を測定することによって上記
    エアーテーブル上での上記平面状物体の移動軌跡を予測
    し、予測された移動軌跡と予め定めた目標位置とに応じ
    て求めた所定位置に上記衝突手段を移動させて上記平面
    状物体を上記所定位置で上記衝突手段と衝突させること
    により上記平面状物体の移動方向を上記目標位置側へ転
    換させて該目標位置へ誘導するようにしたことを特徴と
    する平面状物体のハンドリング方法。
  3. 【請求項3】 上記撮像手段により上記平面状物体の姿
    勢の変化を検出し、上記目標位置における平面状物体の
    姿勢が所望の姿勢となる位置に上記衝突手段を移動させ
    て平面状物体と衝突させることを特徴とする請求項2記
    載の平面状物体のハンドリング方法。
  4. 【請求項4】 上記平面状物体と衝突手段との衝突時に
    衝突手段に所定の速度を与えることにより、上記目標位
    置における上記平面状物体の速度が所望速度となるよう
    に調整することを特徴とする請求項2または3記載の平
    面状物体のハンドリング方法。
  5. 【請求項5】 上記衝突手段としてピンを用いることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の平面状物体
    のハンドリング方法。
  6. 【請求項6】 上記衝突手段として壁体を用いることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の平面状物体
    のハンドリング方法。
  7. 【請求項7】 平面状の底面部を有する平面状物体をエ
    アーテーブル上に誘導し、このエアーテーブルの上面に
    設けた多数の噴出孔から上方へ噴出される圧縮空気によ
    り上記平面状物体を所定高さに浮上させながら上記エア
    ーテーブル上にその一端部を中心に回動可能に配置され
    た壁体側へ上記平面状物体をその慣性により誘導して該
    平面状物体を壁体に衝突させた直後に上記壁体を上記一
    端部を中心として衝突前の平面状物体の移動方向と同一
    方向へ回動させ、引き続き上記壁体を上記一端部を中心
    として逆方向へ回動させることにより、上記平面状物体
    を上記目標位置側へ送り出すようにしたことを特徴とす
    る平面状物体のハンドリング方法。
  8. 【請求項8】 上面に圧縮空気を上方へ噴出する多数の
    噴出孔が設けられるとともに供給配管を介して圧縮空気
    供給部に接続されたエアーテーブルと、このエアーテー
    ブル上に配置され該エアーテーブル上で上記圧縮空気に
    より浮上しながら移動する平面状物体が衝突することに
    より該平面状物体の移動方向を目標位置側へ転換させて
    該目標位置に誘導する衝突手段とを備えたことを特徴と
    する平面状物体のハンドリング装置。
  9. 【請求項9】 上記エアーテーブル上での上記平面状物
    体の位置変化を測定する撮像手段と、上記衝突手段を移
    動させる駆動手段と、上記撮像手段により測定された位
    置変化に基づいて上記エアーテーブル上での上記平面状
    物体の移動軌跡を予測し、予測された移動軌跡と予め定
    めた目標位置とに応じて求めた所定位置に上記衝突手段
    が移動するように上記駆動手段を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする請求項8記載の平面状物体のハ
    ンドリング装置。
  10. 【請求項10】 上記撮像手段は上記平面状物体の姿勢
    を測定するとともに、上記制御手段は上記測定された姿
    勢と、上記目標位置における平面状物体の目標姿勢とに
    基づいて求められた所定位置に上記衝突手段が移動する
    ように上記駆動手段を制御することを特徴とする請求項
    9記載の平面状物体のハンドリング装置。
  11. 【請求項11】 上記衝突手段がピンであることを特徴
    とする請求項8乃至10のいずれか記載の平面状物体の
    ハンドリング装置。
  12. 【請求項12】 上記衝突手段が壁体であることを特徴
    とする請求項8乃至10のいずれか記載の平面状物体の
    ハンドリング装置。
  13. 【請求項13】 上記エアーテーブルは上記多数の噴出
    孔が明けられた天板と、この天板の下方に所定の間隔を
    隔てて天板と略平行に配置された底板と、天板と底板と
    を連結する側板とからなるケースを有し、上記底板には
    上記供給配管の端部が嵌合・固定される孔が形成されて
    上記供給配管の端部が底板の上方のケース内へ突出する
    とともに、この供給配管の端部の突出部上に下方が開い
    た被覆部材が被せられていることを特徴とする請求項8
    乃至12いずれか記載の平面状物体のハンドリング装
    置。
  14. 【請求項14】 上記エアーテーブル内において上記側
    板の上下方向中間部付近に略水平な当て板が取り付けら
    れていることを特徴とする請求項13記載の平面状物体
    のハンドリング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068333A3 (de) * 2004-01-20 2006-03-02 Giesecke & Devrient Gmbh Vorrichtung und verfahren zum bearbeiten von blattgut, insbesondere zum abbremsen von transportiertem blattgut

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WO2005068333A3 (de) * 2004-01-20 2006-03-02 Giesecke & Devrient Gmbh Vorrichtung und verfahren zum bearbeiten von blattgut, insbesondere zum abbremsen von transportiertem blattgut

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