JPH1128217A - 完全再現性咬合器 - Google Patents

完全再現性咬合器

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JPH1128217A
JPH1128217A JP13193198A JP13193198A JPH1128217A JP H1128217 A JPH1128217 A JP H1128217A JP 13193198 A JP13193198 A JP 13193198A JP 13193198 A JP13193198 A JP 13193198A JP H1128217 A JPH1128217 A JP H1128217A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体の顎の運動特に咬合運動を、その個体差
を含めて、忠実かつ正確に再現する。 【解決手段】 下顎模型部材10と、この下顎模型部材
10に立設された基台11と、この基台11から突出し
て設けられた2個の顆頭球12と、これらの顆頭球12
に対して前後方向、左右方向、上下方向の移動を規制す
るコンダイルボックス17を介して連結された上顎模型
部材13とを備えた咬合器において、上記基台11に、
前記上顎模型部材の左右方向の側方移動の際に、作業側
顆頭12から、その作業側コンダイルボックス17と独
立して上顎模型部材13をリフトするベネットリフト機
構15を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補綴物(例えば義
歯等の欠損歯を補うもの)を製作の際に人体の顎運動、
特に咬合運動の再現を図るために用いられる咬合器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に、従来知られている咬合器につい
て述べるとともに、その限界について説明する。
【0003】(1)咬合器とは何か 顎は、食べる、喋る等の機能を営み、それらを達成する
ために実に様々な動き方をしている。補綴物製作は失わ
れた機能回復のために歯科治療上の主要なひとつである
が、この時、顎の動きを理解・把握することは重要な事
である。中でも顎の運動の再現は、製作された義歯が良
好に装着されて、上下義歯の歯列が良好に咬合し、咀嚼
運動が営めるようにするためには不可欠な事項である。
【0004】個々人の咬合運動は個々人の個体性が極め
て強く、良好な義歯を制作するには、顎運動とりわけ咬
合運動の再現を計る装置、即ち咬合器が不可欠であり、
その開発には多くの努力が傾けられてきている。しか
し、個々人の生体に応じた忠実で正確な完全再現性咬合
器は、未だ出現していない。
【0005】(2)咬合再現の条件 顎に限らず、物体の運動の再現(規定)にはその物体の
運動の前後の位置が規定されればよい。即ち、ある物体
Kの運動前の位置をK0,運動後の位置をK1とすると
K0→K1の位置の変化がその物体Kの運動である。顎
を剛体と考えたとき、顎の位置は剛体に属する3点の位
置が規定されれば剛体全体、即ち顎の位置は規定され
る。臨床的には、これら3点は図26に示す3点A,
B,Cが用いられるが、これらの点は便宜的なものであ
り、顎が含まれる剛体上の点であればどこでも良い。こ
れらの点をA,B,Cとし、図27に示すように、運動
前・運動後をそれぞれ,A0,B0,C0,A1,B
1,C1とすると、A0,A1,B0,B1,C0,C
1が規定されれば、顎運動は再現されることとなる(図
27中の矢印参照)。
【0006】(3)咬合運動を記述する際の用語につい
て 一般に用いられている正面、側面、平面は歯科学では、
図28に示すように、前頭面、矢状面、咬合面と呼ばれ
る。また、顎の運動方向側を作業側、その反対側を非作
業側(または平衡側)と呼ぶ。なお、近時、平衡側の呼
称を旧称とする傾向があるが、本願明細書では当該側を
平衡側ということにする。
【0007】顎は上顎と下顎から成り、各々の歯が咬合
する事によって咀嚼が営まれる。上顎は頭骨に含まれ、
下顎は頭蓋から筋肉や健によって吊り下げられた状態で
あり、専ら下顎が運動するのである。下顎は歯列、下顎
体、顆頭から成り、図のA点の顆頭は運動方向側の顆頭
であるから作業側顆頭と呼ばれ、B点の顆頭は平衡側顆
頭と呼ばれる。下顎の中央は切歯部で、左右中切歯の近
心切端を切歯点と言い、顆頭の中心点を顆頭点と言う。
咬合運動の再現は左右の顆頭点と切歯点の3点の運動で
規定されることになる。
【0008】(4)下顎の運動について a)切歯路、顆路 下顎の運動は、前方・左右の側方・開ロ・後方の5方向
に行われる。この時、図29に示すように、顆頭は顆頭
が収まる関節窩の形態により運動の規制を受ける。左右
の顆頭点を結んだ線を「顆頭間軸」と呼ぶ。両顆頭が関
節窩面上を滑走運動する時、その時々の顆頭間軸を中心
に切歯点は回転運動をする事が出来る。運動した顆頭点
並びに切歯点の軌跡をそれぞれ顆路、切歯路という。
【0009】b)前方運動 前方運動をする場合、図29及び図30に示すように、
顆頭は関節窩の形状に従って、前下方に運動する。咬合
平面を基準に取れば平均的には約30゜であり、前方運
動時矢状顆路傾斜度、略して前方矢状顎路傾斜度と呼
ぶ。左右の顆頭で前方矢状顆路傾斜度が異なる場合も多
い。切歯点は上顎の切歯の形態に規制されてやはり前下
方に運動し、咬合平面に対して臨床的標準値は10゜で
ある。
【0010】c)側方運動 図31に示すように、側方運動(顎が右または左に運動
すること)の場合は、作業側顆頭が僅かしか運動しない
のに対して、平衡側顆頭は大きく運動する。平衡側顆頭
は前方運動時と同じく関節窩の形状に従って前下方に運
動し、その時の矢状顆路傾斜度を側方矢状顆路傾斜度と
呼び、一般的には前方顆路傾斜度よりも大きくそれらの
角度の差をフィッシャー角という(平均的には約15゜
とされる)。
【0011】また、側方運動時において、作業側顆頭は
作業側方向へ外方に運動することが知られている。この
外方への運動はその発見者の名にちなんで「ベネット運
動」と呼ばれている。下顎は一体のものであるから、作
業側顆頭が外方に動くのであれば、平衡側顆頭は内方に
引き込まれるため、結果として平衡側顆頭は前下内方に
運動することになる。この時、矢状方向に対する内方へ
の角度、つまり側方顆路角を「ベネット角」と呼ぶ。
【0012】(5)下顎の運動規定について 3点(左右顆頭と切歯)の各点が上下・左右・前後にど
れだけ移動するかが規定できれば下顎全体の運動は規定
する事が出来る。また、ある点の運動方向はその点の運
動方向を規制する2つの平面の交線方向である。つま
り、ある点の運動方向を規定するためには2つの平面が
必要であり、かつ十分である。
【0013】以下、3点(左右顆頭と切歯)の各点を規
定する平面について述べる。
【0014】先にも述べたように、下顎の運動は、開
口、前方、後方、側方(作業側と平衡側)、後方に行わ
れる。この内、開ロ運動は咬合が開離する運動であるか
ら咬合器の要件から外れる。また、後方運動は前方運動
の規定面を使用することにすれば、規定平面からすれ
ば、前方、作業側、平衡側の3つの運動を規定する平面
が得られればよいことになる。だから、各々の点は1つ
の運動につき2つの平面が必要なわけであるから、各々
の点が3つの運動を再現するには6つの平面が必要であ
る。また両顆頭点の位置が規定されれば、切歯点の左右
的・前後的位置は両顆頭点から相対的に規定され、その
上下的開口量は術者の任意、又は上下模型の接触によっ
て規定されるため、顎運動の再現に関して考慮の対象は
左右顆頭の運動だけで良いだけとなる。更に、前方運動
に際しては必要なのは矢状顆路傾斜度を規定する1平面
だけでよいため、現実には5つの平面が要るだけであ
る。また、両顆頭点の位置が規定されれば、切歯点の位
置は両顆頭点から相対的に規定され、しかも切歯点の開
ロ量の設定は任意であるため顎運動再現に関して考慮の
対象は左右顆頭の運動だけで良いだけとなる。結局、咬
合器において顎運動の再現にとって必要なのは、顆頭の
前方、平衡側、作業側の3つの運動再現だけであり、そ
のためには先述したように、前方規定は1平面でよいか
ら左右の顆頭の運動が各々5つの規定平面によって規定
できればよいことになる。
【0015】また、3次元的な顆頭の運動規定要素は以
下のようになる。
【0016】 上下規定 矢状顆路顆路傾斜板 内外規定 ベネット板 前後規定 リヤウォール (6)従来の咬合器の機構とその問題点 図32は顎を右に動かした場合の状態である。平衡側顆
頭は前下内方に運動するがこの運動は平衡側矢状顆路傾
斜度と平衡側側方顆路角(ベネット角)の2つの角度
(平面)によって規定される。つまり、平衡側顆頭の上
下規定は平衡側矢状顆路傾斜度により、また内外規定は
ベネット角によって規定される。
【0017】一方、作業側顆頭はベネット運動のため外
方へ押し出されながら(内外規定は平衡側顆頭のベネッ
ト角で規定される)、残る前後規定と上下規定を従来の
咬合器では図32のようにリヤウォールと作業側矢状顆
路傾斜板とによって規定した。つまり、図32に示すよ
うに、側方運動を4枚の板(4つの角度)で規定したの
である。
【0018】しかし、右だけではなく、左右に動かした
場合においても「完全再現性咬合器」を達成させようと
することはそう簡単ではない。というのは、今までの考
察は顎が右に運動した場合であったが、今度は顎が左に
運動した場合も上で考察したのと同じ調整をしなくては
ならないからである。右が作業側顆頭であった場合の上
下的規定に使用した作業側矢状顆路傾斜度を今度は右が
平衡側顆頭になった場合に平衡側矢状顆路傾斜度として
使用しなくてはならない。一般に作業側矢状顆路傾斜度
と平衡側矢状顆路傾斜度は異なるから一枚の矢状顆路傾
斜板で作業顆頭の上下規定と平衡顆頭の矢状顆路傾斜度
を合わせ表現することはできない。1枚の矢状顆路傾斜
板では作業側と平行側の場合との両方について満足させ
ることはできない。1枚の平面を異なる運動規定に併用
すことはできないからである。したがって、従来の咬合
器においては、下顎を右側に動かす場合のために咬合器
を調整して義歯を調整し、次いで、下顎を左側に動かす
場合のために咬合器を再度調整するようにしなければな
らなかった。このため、再調整に余分な時間がかかると
いった問題点があるため、作業時の矢状顎路傾斜度は平
衡時のものを流用して代用してきたのである。
【0019】1枚の矢状顆路傾斜板を用いて作業時・平
衡時の矢状顆路傾斜度を規定する方法 (i )矢状顆路傾斜板を分割する方法 ここで、この難局を乗り越えるために、作業時と平衡時
の矢状顆路傾斜板をそれぞれの運動時に分離する図33
(a),(b)のような分割された矢状顆路傾斜板が提
案されるかもしれない。しかし、この方法では作業時の
傾斜が平衡時の傾斜よりも強い場合には図33(c),
(d)に見られるように溝Dが生じて円滑な顆頭運動が
再現できない。つまり、矢状顆路傾斜板は作業側顆頭の
上下規定か、平衡側顆頭の下降量の規定かいずれか一方
の規定にしか利用する事はできないのである。理由は後
述するが、ここでは矢状顎路傾斜板は平衡側顆頭の下降
量の規定に使用するのが便宜上賢明であることだけを述
べておこう。
【0020】(ii)矢状顆路傾斜板を顆路傾斜軸を中心軸
として傾斜させる方法 現在全調節性咬合器と呼ばれている咬合器が採用してい
る方法である。図7で見るように、矢状顆路傾斜板を顆
頭間軸を中心軸とした(図7のN)顆路傾斜板の回転傾
斜と、顆路傾斜板と矢状面とが交わる矢状顆路傾斜軸を
中心軸とした(図7のM)顆路傾斜板の回転傾斜(以後
フィッシャースライドと呼ぶ)とを、併用することによ
り、一枚の顆路傾斜板で平衡側矢状顆路傾斜度と作業側
矢状顆路傾斜度の2つの角度を規定できる。しかし、こ
の方法には次のような問題がある。
【0021】(7)従来の咬合器の改良すべき点 (a) フィッシャー角(Fischer 角)の再現について 顎運動の完全再現のためには前方運動も再現されなくて
はならない。ここが問題点なのである。それは、顎は前
方に運動するときは左右の顆頭が矢状顆路傾斜度をもっ
て下降しつつ前方に運動するのであるが、前述したよう
に前方運動時の前方矢状顆路傾斜度と側方運動時の矢状
顆路傾斜度とは一般には異なる。したがって、顆路傾斜
板は平衡側顆路傾斜度、作業側顆路傾斜度、前方
顆路傾斜度の3つの顆路傾斜度を表現しなくてはならな
いことになるが、それはできない。先に、フィッシャー
スライドを用いることによって、平衡側顆路傾斜度
と、作業側顆路傾斜度の2つを表現できることを述べ
たが、この方法は、平衡側顆路傾斜度と、前方顆路
傾斜度の2つを表現することにも使用することができ
る。どの2つをとるかだが、平衡側顆路傾斜度と、
前方顆路傾斜度の2つを表現することが賢明である。残
された作業側顆頭の上下規定は顆路傾斜板からは独立し
た機構によって規定される必要がある。
【0022】(b) 後方運動の再現について 従来の咬合器では後方運動をすることができなかった。
それにはこれ以上は後退できない最後退位を出発点とし
た学術がその背景にあった。しかし、生体は事実僅かな
がら後退運動も行う。顎関節症の患者の中には、後方運
動において有害な咬合接触する補綴物が原因ではないか
と思われる症例が結構多い。歯科医の側においても、従
来の咬合器を使用していたのではチェックが不能なので
あるから口腔に補綴物を装着してみないと、後方運動で
早期接触があるかどうか判らないのである。咬合器上で
補綴物製作段階で後方運動をさせることができ、また後
方運動時に有害な咬合接触があるかどうかチェックが出
来ることは意義あることと思われる。
【0023】(8)まとめ 従来、種々の全調節性咬合器があり、細部においては個
々に特徴があるが、基本的な原理においては共適してい
て以下の5つの要素の規定が可能である。
【0024】(イ)顆頭間距離の規定(第1 要素) (ロ)平衡側顆頭の規定 上下規定−−矢状顆路傾斜板(第2要素) 内外規定−−べネット板(第3要素) (ハ)作業側顆頭の規定 前後規定−−リヤウォール(第4要素) 上下規定−−矢状顆路傾斜板の矢状顆路傾斜軸回転傾
斜(フィッシャースライド)(第5要素) 上記規定の中には前方運動時の顆頭規定がない。顆路傾
斜板に平衡側顆路傾斜度と作業側顆路傾斜度の2つを規
定させたから、3番目の前方顆路傾斜度は規定できない
のである。上記第一要素の顆頭間距離の規定は側方運動
回転中心点の規定ならともかく、顆頭間を計測規定して
も顆頭運動の規定には関係しないから上記5要素は実質
4要素でしかない。
【0025】つまり、上記の4つの規定からでは完全な
顆頭運動の再現は出来ないのである。残る一つの規定の
欠落によってどの部分の再現に支障をきたすかと言え
ば、前方顆路傾斜度の規定が出来ないため、前方運動が
再現できないのである。現実的には矢状顆路傾斜板の一
部を削除したりまたは肉盛り等の添加して調節してい
る。この原因は矢状顆路傾斜板の矢状顆路傾斜軸を中心
軸とした回転傾斜(フィッシャースライド)を作業側顆
頭の上下規定に用いてしまったからである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように従
来の咬合器では、全調節性咬合器と呼ばれた咬合器です
ら生体の顎の前方運動を再現することができなかった。
ましてや、従来の半調節性咬合器を用いて製作された補
綴物は生体の咬合運動に調和しないため、不快感を与え
るものが多かった。本発明は、上記事情に鑑みてなされ
たもので、生体の顎の全ての運動特に咬合運動を、その
個体差を含めて、忠実かつ正確に再現することができる
完全再現性咬合器を提供することを目的とする。
【0027】また、生体の顎運動を忠実かつ正確に再現
するのみならず、咬合器が治療に供するものであるから
には、忠実・正確な再現がかえって生体に障害をもたら
すと診断された場合には、咬合器において新たな理想と
する下顎位並びに顎の運動様式を現出させることができ
なくてはならない。本発明は上記臨床事情に鑑みてなさ
れたもので、生体の現状のままに忠実・正確に取り付け
た下顎模型の位置から生体に最適と診断された下顎の位
置に咬合器上で任意に再設定することを可能にし、か
つ、必要あればいつでも、現状の位置に復帰できる下顎
位再設定機能を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明は、下顎模型部材と、この下顎模型
部材に立設された基台と、この基台から突出して設けら
れた2個の顆頭球と、これらの顆頭球に対して前後方
向、左右方向、上下方向の移動を規制するコンダイルボ
ックスを介して連結された上顎模型部材とを備えた咬合
器において、上記基台に、前記上顎模型部材の左右方向
の側方移動の際に、作業側顆頭球から、その作業側コン
ダイルボックスと独立して上顎模型部材をリフトするベ
ネットリフト機構を設けた完全再現性咬合器である。
【0029】請求項2の発明は、前記リフト機構は、前
記基台又は上顎模型部材の一方に調節可能に取り付けら
れたカムと、前記基台又は上顎模型部材の他方に形成さ
れ前記カムに当接するピンとを備えた請求項1記載の完
全再現性咬合器である。
【0030】請求項3の発明は、上顎模型部材に対して
下顎義歯模型の位置再設定を可能にする下顎位再設定機
構を設けた請求項1又は2記載の完全再現性咬合器であ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本実施の形態の完全再現性咬合器
は、請求項1において主張するところは第1に作業側顆
頭の上下調節を矢状顆路傾斜板とは独立機構としたこ
と、第2にフィッシャー角を再現することができるよう
にしたことを大きな特徴とするものである。請求項3に
おいて主張するところは、臨床的には顎関節と下顎とが
最初から正常な位置関係にあるのではなく、上下顎の位
置関係が狂っている場合が多いのであるから、咬合器使
用中に上下の顎の位置を修正しなくてはならない場合に
対応ができることを大きな特徴としている。
【0032】以下、本発明の実施の一形態の完全再現性
咬合器を添付図面に基づいて説明する。
【0033】I. 咬合器の構造 1 )概略 図1に示すように、咬合器は、基本的には、下部義歯
(図示せず)が装着される板状の下顎模型部材10と、
この下顎模型部材10に立設された門形の基台11と、
この基台11の梁部11aから突出して設けられた2個
の顆頭球12と、これらの顆頭球12に対して前後方
向、左右方向、上下方向に移動を規制するコンダイルボ
ックス17を介して連結される、上部義歯(図示せず)
が装着される板状の上顎模型部材13とを備えて概略構
成される。
【0034】顆頭球12は生体の下顎の顆頭を模したも
のであるが、生体の顆頭間距離を必ずしも必要としな
い。顆頭球12の基端部は棒状となっており棒状部に目
盛りが切られている。基台11に形成された穴に挿入さ
れており、その挿入量を調整すると共にネジ14で固定
することによって顆頭球12の高さを調整できるように
なっている。
【0035】上顎模型部材13は、本体部13aと、こ
の本体部13aの基端部13bの両側に一体に形成され
た突出部13cと、基端部13bに固定された断面ほぼ
台形状のブロック部材18とを備えて構成される。
【0036】本体部13aの先端部には上顎模型部材1
3の下方への移動を規制する切歯指導釘23がネジ24
の締め付け・緩めによりその突出長さが調整可能に取り
付けられている。
【0037】2 )コンダイルボックス 上顎模型部材13の両突出部13cに着脱自在にコンダ
イルボックス17が取り付けられ、このコンダイルボッ
クス17が左右の顆頭球12,12に当接し、顎運動の
際の上顎模型部材13を前後方向、左右方向、上下方向
の移動を規制するようになっている。
【0038】コンダイルボックス17は、図2に示すよ
うに、平衡側の顆頭球12に当接してべネット角を調整
可能とするべネット角調整板20と、このべネット角調
整板20と一体に形成され、矢状顆路傾斜度を調整可能
とする矢状顆路傾斜調整板21と、作業側の顆頭球12
の前後運動方向を調整可能とするリヤウォール部材22
とを備えている。
【0039】先ず、上顎模型部材13の両突出部13c
には、軸受ブロック33が一体に設けられ、その軸受ブ
ロック33に、L字状のコンダイル部材31の内側の辺
31bに設けたシャフト32が挿入され、軸受ブロック
33に螺合されたネジ38を締め付け・緩めることによ
ってコンダイル部材31が、その回転角度が調整可能と
なるように着脱自在に装着される。
【0040】このコンダイル部材31の後方側の辺31
aには、L字状の支持部材28が、回転位置調整自在に
設けられる。すなわち、コンダイル部材31の辺31a
には、貫通孔31cが形成されており、ネジ34を支持
部材28の前側から貫通孔28c、貫通孔31cに挿通
して、そのネジ34に蝶ナット35を螺合する。これに
より、支持部材28をネジ34の軸回りに回転可能に支
持している。
【0041】この支持部材28に、ベネット角調整板2
0と一体に形成された矢状顆路傾斜調整板21とリヤウ
ォール部材22とがネジ29と蝶ネジ30にて角度調整
自在に取り付けられる。
【0042】すなわち、矢状顆路傾斜調整板21には、
板面に平行に延出部21aが形成され、リヤウォール部
材22には、その板面に直角に延出部22aが形成さ
れ、各延出部21a,22aには相互に対応して貫通孔
21b,22bが形成されている。他方、支持部材28
の上辺28aには、前記貫通孔21b,22bに対応し
て略半円状の貫通孔28bが形成されており、各貫通孔
21b,22b,28bに図中下側からネジ29を挿入
してネジ29に蝶ナット30を螺合することによりこれ
らを一体化している。
【0043】ネジ29は、図3(b)に示すように、頭
部29aとこれに連設された軸部29bとを有し、軸部
の先端部付近にのみネジ部29cが形成され、ネジ部2
9cの一面がカットされたカット部29dが形成され、
そのカット部29dが支持部材28の貫通孔28bが嵌
合することで、ネジ29自体の回転が阻止されて、矢状
顆路傾斜調整板21とリヤウォール部材22のみが支持
部材28に対して回転できるようにされる。
【0044】また、矢状顆路傾斜調整板21の下面に
は、目隠し板36がネジ37により固定されており、こ
れによりネジ29の頭部29aを覆い隠すようにし、顆
頭球12とネジ29とが接触することを防いでいる。
【0045】このコンダイルボックス17は、ネジ38
を緩めて、コンダイル部材31の回転角度を調整するこ
とで、矢状顆路傾斜調整板21の矢状顎路傾斜度を調整
でき、ネジ34と蝶ネジ35とにより支持部材28の回
転角度を調整することで、フィッシャースライドを調整
でき、さらにネジ29の廻りに、ベネット角調整板20
を回転することでべネット角の調整が行えると共にリヤ
ウォール部材22を回転することで、リヤウォール角を
調整することができる。
【0046】この機構によってフィッシャー角が発現す
ることを図6について説明をしておく。
【0047】図6は関節窩の中を運動する顆頭を表した
もので、咬合器についていえばコンダイルボックスの中
の顆頭球の運動を示したものであり、左の顎関節または
コンダイルボックスを前上左斜方から見た図である。
【0048】矢状顆路傾斜板Jは前頭面に対して傾斜
(回転)しているとし、相対的に顆頭が、矢状顆路傾斜
板Jの勾配に沿ってFからGに前方移動すると、咬合面
ではF1からG1に移動し、矢状面では、F2からG2
に移動する。
【0049】次に、平衡側方運動(図では右方向に移
動、つまり、向かって左へ移動)の際には、平衡側の顆
頭は、FからHに移動する。この場合、咬合面では、F
1からH1の移動となり、線(F1→G1)と線(F1
→H2)の角度がべネット角となる。また矢状面では、
F2からH2に移動し、前方運動の際の経路(F2→G
2)より、勾配に沿って深く沈む経路をとり、矢状顎路
傾斜度は大きくなる。つまり、前方運動時の線(F2→
G2)に対して、側方運動の線(F2→H2)とは異な
ることが知られており、この線(F2→G2)と線(F
2→H2)の差が、フィッシャー角と呼ばれており、臨
床的には、その平均値は5゜とされていることは前にも
述べた。
【0050】3 )ベネットリフト 本発明は、このコンダイルボックス17の機能に加え
て、側方運動時に、すなわち平衡側コンダイルボックス
17の矢状顆路傾斜調整板21上を当接しながら顆頭球
12が滑走する際に、作業側顆頭球12は作業側コンダ
イルボックス17の矢状顆路傾斜調整板21に規制され
ることなく、独立して上下的位置規定をすることができ
るべネットリフト機構15を設けたものである。この際
に、作業側顆頭球17は矢状顆路傾斜板の規制から乖離
し、作業側の上顎模型部材13は作業側顆頭球してから
浮き上がる。これをべネットリフトと呼び、この機構を
ベネットリフト機構ということにする。
【0051】これが臨床的にどのような意味を持つかを
述べておく。
【0052】平衡側の顆頭が、矢状顆路傾斜板Jとベネ
ット板Kの勾配に沿って運動するとき、作業側の顆頭
は、前後的には個人によりまちまちだが、上下的には自
然な咬合の場合はおおむね上方ではなく下方に運動す
る。
【0053】この作業側顆頭がおおむね下方へ運動する
ことは、ベネットが発見した現象で、私がベネットリフ
ト運動と呼ぶ現象である。ベネットの言葉で言えば、
「上下の歯牙が咬合しながら側方運動した場合には、歯
牙が咬合しないで側方運動した場合に比して、顆頭が関
節窩から離れるように運動する」ことを指す。これは側
方運動時の咬合力が加わった状態で、歯牙があれば顆頭
は関節窩を直撃しないこと、つまり、歯牙の存在が顎関
節の保護に直結することを意味する。
【0054】このべネットリフト機構15を、図1,図
4,図5により説明する。
【0055】このべネットリフト機構15は、顆頭球1
2の後方の基台11に設けた下顎模型部に属するカム1
6と、上顎模型部材13の後方のブロック部材18の両
端に設けた上顎模型部に属するピン25とから構成され
る。
【0056】先ず、基台11の梁部11aの背面には、
2個の円弧状の溝11bとこれに連設する円柱状の溝1
1cが形成されており、この溝11b,11c内には円
柱状のカム16が軸心回りに揺動自在に取り付けられ、
梁部11aに螺合したネジ40を締めることによりカム
16を基台11に固定することができるようになってい
る。カム16は、図5に示すように、溝11cに挿入さ
れる円柱状の本体部16aと、ピン26の先端に当接
し、かつ本体部16aが回転しても、そのピン26の先
端に常時接するような接線位置で切り欠いて形成された
カム面16bとを備えている。すなわち、ピン26の先
端が球状に形成され、その球の中心が本体部16aの回
転中心と一致し、カム面16bが、そのピン26の先端
の半円に対して接線となる位置に形成されることで、本
体部16aを回転しても、そのカム面16bに当接する
ピン26は、カム面16bが接線位置のために上下動す
ることがなく、リフト量の調整を正確に再現できる。本
体部16aとカム面16bとの境界部は基台11の外面
から0mm〜約4mm突出可能としておく。これは、作
業側の上顎模型部材13の後方運動ができるようにする
ためである。そして、カム16を軸線回りに回転させる
ことによりカム面16bの角度を変更することができる
ようになっている。
【0057】ブロック部材18の両端には、ピン25が
ネジ26の締め付け・緩めによりその突出長さが調整可
能に取り付けられ、図4に示すように、基台11の梁部
11aに設けられたカム16のカム面16bに当接する
ようになっている。ピン25及びカム16とは本発明の
リフト機構を構成する。
【0058】このような機構がどのような機能を発現す
るかを述べてみよう。
【0059】側方運動する際、平衡側の顆頭球12は上
顎部の矢状顆路傾斜板上を当接しながら内下前方に進む
ため平衡側の下顎部のカム16と上顎部のピン25は離
れる。一方、下顎部の作業側顆頭球12並びに作業側カ
ム16は上顎部に対して外側に移動し、相対的に上顎部
のコンダイルボックス17並びに作業側ピン25は下顎
部に対して内側に移動する。この時、作業側カム面16
bの上下規定角度が作業側顆路傾斜板の誘導角度よりも
大きい場合には作業側ピン25は当接したままそのカム
面16bに当接しながら内側に移動する。この場合には
作業側顆頭球12は顆路傾斜板の誘導によるよりも、相
対的に上顎部から下方に下がることになり、作業側のコ
ンダイルボックス17の矢状顆路傾斜調整板21から乖
離・浮上することになる。
【0060】なお、どれだけ乖離・浮上させるかは生体
の関節部の実態や治療方針により決められる。希な症例
によっては作業側顆頭がその顆頭の平衡時の矢状顆路傾
斜度よりも大きくて関節窩への深い沈下を示す場合があ
るかも知れない。その場合は顆頭球間距離を短くした本
咬合器を使用することが考えられるが、生体にとっては
そのような関節窩への深い沈下は危険な再現であり、臨
床的には沈下をさせない平衡時の顆路傾斜板によって誘
導が与えられる。
【0061】つまり、本発明においては、前方運動並び
に左右の側方運動の再現において、ベネットリフト機構
とフィッシャースライドを導入することによって、左右
のコンダイルボックスの矢状顆路傾斜度、ベネット角、
リヤウォール角度の調節を相互に侵害せず各々の独立し
て調節できるようにしたものである。
【0062】II 咬合器の取り扱い 以下これを、図1〜図6により説明する。
【0063】1)初期設定 先ず、マウンティングプレート(図示せず)に、下側の
義歯模型を石膏を介して取り付け、そのマウンティング
プレートを下顎模型部材10上に取り付けて下側義歯模
型を固定し、同様に上側の義歯模型を石膏を介して取り
付けたマウンティングプレート(図示せず)を上顎模型
部材13の下面に取り付けて上側義歯模型を固定する。
【0064】その後、図1に示すように、上顎模型部材
13の両側に設けられたコンダイルボックス17を基台
11に設けられた各顆頭球12上に載置する。この際、
図5に示すように、ベネットリフト機構15である、ブ
ロック部材18から突出する2つのピン25の先端を基
台11に設けられたカム16のカム面16b上に載置す
る。
【0065】2)咬合器の調整法 i)調整量の決定(1) パントグラフ法 ここで、生体では顎の形状、大きさや咬合運動には個人
差があり、生体の顎の運動を忠実に再現しなければ、完
全な義歯の調整はできない。そこで、左右のコンダイル
ボックス17,17のコンダイル部材31、矢状顆路傾
斜調整板21、支持部材28、ベネット角調整板20及
びリヤウォール部材22の各回転角度の調整は、予め生
体の下顎の動きを描記装置により計測して、その計測結
果を基にして、左右の矢状顆路傾斜度、フィッシャース
ライド、ベネット角、リヤウォール角を決定し、それに
基づいて左右のコンダイルボックス17,17を調整す
ることで、顎の運動を個人差に応じて調整するようにし
ている。
【0066】ii) 調整量の決定(2) チェックバイト法 先ず、上下の歯列模型を中心位で咬合した状態を咬合器
に装着しておく。スプリットキャスト法で装着するのが
望ましい。チェックバイト法の場合は、先でパントグラ
フ法を持ち込まないのであればフェースボーは不必要で
ある。運動後の上下の歯列の位置関係を石膏、又はレジ
ンなどで採取し、咬合器上で再現させるべく5つの平面
を次の順序で調整する。
【0067】1.前方運動時の左右矢状顆路傾斜板 2.平衡側顆路傾斜板のフィッシャースライド 3.ベネット板 4.作業側リアーウォール 5.作業側ベネットリフトのカム面 本咬合器では、従来の全調節性咬合器のように、後続の
調整が先行の調整を損なうことはない。
【0068】3)各種運動とコンダイルボックスの調整 そして、概略的には上顎模型部材13のコンダイルボッ
クス17を上顎模型部材13とともに各顆頭球12に対
して前後、左右、上下に移動させて義歯を咬合させて噛
み合い状態を観察し、義歯の調整を行う。
【0069】(a)前方運動 上顎模型部材13の前方移動は、左右のコンダイルボック
ス17,17の矢状顆路傾斜調整板21の矢状傾斜度に
沿って左右の顆頭球12が接した状態で移動することで
行われる。
【0070】(b)側方運動 側方通勤を行う場合、平衡側では、顆頭球12はコンダ
イルボックス17の矢状顆路傾斜調整板21とべネット
角調整板20に接した状態で移動するが、作業側では、
コンダイルボックス17の矢状顆路傾斜調整板21と独
立して作業側のべネットリフト機構15により、すなわ
ち、ピン25がカム16のカム面16bに当接して移動
する結果、矢状顎路傾斜調整板21が顆頭球12から離
れて上昇することでべネットリフト運動が行える。この
際、作業側のコンダイルボックス17のリヤウォール部
材22は、矢状顆路傾斜調整板21が、顆頭球12から
離れても、顆頭球12と接して前後方への移動量を規制
する。
【0071】また、平衡側のべネットリフト機構15で
あるピン25とカム16とは、側方運動の開始時は当接
しているが、側方運動と共に離れるため機能することは
ない。
【0072】4)他のコンダイルボックス実施例 (a)三日月型 次に、本発明の他の実施の形態について説明する。前記
実施の形態と同様な構成要素には同一符合を付して説明
する。
【0073】図8は、コンダイルボックス18の変形例
を示したものである。
【0074】図1,2のコンダイルボックス18では、
ネジ29と蝶ナット30の一箇所で、矢状顆路傾斜調整
板21及びべネット角調整板20と、リヤウォール22
とを支持部材28に固定する例を示したが、本形態で
は、2箇所で固定できるようにしたものである。
【0075】先ず、矢状顆路傾斜調整板21及びべネッ
ト角調整板20と、リヤウォール22とを、貫通孔21
b,22b,28bに挿入されたネジ41により支持部
材28に回転可能に支持し、支持部材28の上辺28a
に、ネジ41を挟んで三日月状の貫通孔42,43を形
成し、この貫通孔42,43に対応して、矢状顎路傾斜
調整板21及びリヤウォール部材22の延出部22cに
ネジ穴21c,22dを形成し、各三日月状の貫通孔4
2,43にネジ44,45を挿入してネジ穴21c,2
2dに螺合させている。
【0076】これにより、それぞれネジ44,45の頭
部を貫通孔42、43に沿って移動させると、矢状顆路
傾斜調整板21及びべネット角調整板20と、リヤウォ
ール22とがネジ41を中心として回転し、ネジ44、
45を締め付けることで固定することができ、より確実
な固定ができる。なお、図に示すように貫通孔42,4
3に沿って目盛りを付しておけば目盛りによりべネット
角とリヤウォール角が簡単に調整することができる。
【0077】(b)円筒スライド型 図9に示したコンダイルボックス18は、支持部材28
の側面を円弧面28dとし、コンダイル部材31の内面
を円弧面28dに対応した円弧面31dとし、この円弧
面28d,31dで摺動自在に配置し、コンダイル部材
31に、貫通孔31eを形成し、貫通孔31e内にネジ
50を挿入して支持部材28の円弧面28dに形成され
たネジ穴(図示せず)に螺台して固定するようにしたも
のである。
【0078】この形態では、支持部材28をコンダイル
部材31の円弧面31dに沿って摺動させることによ
り、コンダイル部材31に対する支持部材28の位置を
シャフト32とほぼ直交する仮想軸の回りに回転させる
ことができ、フィッシャー角を調整することができると
共にその固定を確実にできるようにしたものである。
【0079】(c)カニ鋏型 図10〜図13に示したコンダイルボックス17は、矢
状顎路傾斜調整板61,べネット角調整板60、リヤウ
ォール部材62の支持構造の変形例を示すものである。
【0080】すなわち、図11及び図12に示すよう
に、矢状顆路傾斜調整板61には溝部61aと張出部6
1bとが形成され、ベネット角調整板60は矢状顆路傾
斜調整板61の側面に一体に形成されている。リヤウォ
ール部材62には、溝部61aに糟動自在に挿入される
延出部62aと、外方に張り出す張出部62bとが形成
されている。
【0081】図13に示すように、矢状顆路傾斜調整板
61の溝部61aに対応した上側部分には貫通孔61c
が形成され、その下側部分には貫通孔61cと対向した
部分にねじ穴61dが形成されている。前記リヤウォー
ル部材62の延出部62aには、貫通孔61cおよびネ
ジ穴61dに対応して貫通孔62cが形成されている。
貫通孔61c、貫通孔62c内にネジ63を挿入してネ
ジ穴61dに螺合することにより矢状顆路傾斜調整板6
1に対してリヤウォール部材62をネジ63を中心とし
て回転可能としている。
【0082】一方、上顎模型部材にはコンダイル部材6
4がシャフト65により回転可能に支持されている。コ
ンダイル部材64には円弧面64aが形成されており、
この円弧面64aには支持部材66が回転可能に支持さ
れている。すなわち、支持部材66の側板66bには円
弧面64aに対応した円弧面66aが形成されており、
当該円弧面64aで支持部材66を摺動させることによ
り回転が可能となっている。支持部材66は、ネジ(図
示せず)と蝶ナット67によりコンダイル部材64に固
定できるようになっている。支持部材66の側板66b
には夫板66cが一体に形成されており、この天板66
cと所定距離離間して張出部66dが突出して形成され
ている。張出部66dに対応する天板66cには、ネジ
穴66eが貫通して形成されている。張出部66dと天
板66cとの間には矢状顎路傾斜調整板61の張出部6
1b及びリアウォール62の張出部62bが挿入される
ようになっている。天板66cに形成されたネジ穴にネ
ジ68を螺台することにより、ネジ68の先端がネジ穴
66eから突出し、矢状顆路傾斜調整板61の張出部6
1b及びリアウォール部材62の張出部62bがネジ6
8と張出部66dとの間で挟持されて矢状顆路傾斜調整
板61及びリアウォール62が支持部材66に支持され
るようになっている。したがって、矢状顆路傾斜調整板
61およびリヤウォール62はネジ68が押圧している
部分を中心として回転可能である。支持部材66の天板
66cには前記ネジ63が挿入される貫通孔66fが形
成されている。
【0083】(d)一軸規定型 図14に示したコンダイルボックス17は、上記実施の
形態の要素を組み合わせたものである。すなわち、支持
部材31を上顎模型部材にシャフト32により回転自在
に支持するとともに、コンダイル部材31に形成された
曲面部31dに支持部材28に形成された曲面部28d
を摺動自在に当接させて、支持部材28をコンダイル部
材部材31に支持している。支持部材28に形成された
貫通孔28b及びリヤウォール部材22に形成された貫
通孔22bに、貫通孔22b側からネジ70を挿入して
蝶ナット71を螺合することにより、リヤウォール部材
22を支持部材28に回転自在に連結している。支持部
材28には三日月状の貫通孔28gが形成されており、
この貫通孔28g内に矢状顆路傾斜調整板21の上面に
突段されたネジ21kを挿入するとともに、矢状顆路傾
斜調整板21に形成された貫通孔21b内にネジ70の
先端に形成されたネジ無し部70aを挿入する。そし
て、ネジ21kにナット73を螺合することにより矢状
顆路傾斜調整板21及びべネット角調整板20を支持部
材28にネジ70の軸線回りに回転可能に取り付けてい
る。
【0084】5)ベネットリフト機構の設置場所を異な
えた他のベネットリフトの実施例 このべネットリフト機構15は、図1の実施の形態で
は、顆頭球12間の内側に位置した例で示したが、内側
になればなるほどカム16の調整角度を大きくせざるを
得なくなるため、図5に示すように顆頭球12の真後
ろ、またはその外側に設けるようにすることが好まし
い。
【0085】(a) ベネットリフト50mm型 図15に示すものは、本発明の他の実施の形態を示すも
のである。すなわち、図1に示したものと同様な機構を
備えたものであり、図1に示したものとの相違点は、以
下のとおりである。なお、カム面がV字形にしてあり、
その全面が見えるようにピン25は半分引き抜いてあ
る。
【0086】コンダイル部材31の後端部には切欠部3
1gが形成され、後端側から支持部材28の後端部を臨
めるようになっている。切欠部31gには目盛りが付さ
れており、支持部材28の後端に示されたマークとの関
係で、支持部材28のコンダイル部材31に対する相対
回転を知ることができるようになっている。また、上顎
模型部材13のコンダイル部材31が隣接する部分に
は、半円弧状の板13fが一体に取り付けられており、
コンダイル部材31の側壁に突起31fが突出して形成
されている。板13fには目盛りが付されており、この
目盛りと突起31fとの相対関係で、コンダイル部材3
1の上顎模型部材13に対する相対回転を知ることがで
きるようになっている。
【0087】また、上顎模型部材13の後端部には、2
個の張出部13gが形成され、各張出部13gにはピン
25が下方に突出した状態で取り付けられている。張出
部13gに設けられたピン25の下端間の距離は約50
mmとなっている。これは顎頭球12間の距離の約半分
となっている。ピン25間の距離は大きい方が安定する
が、本形態ではコンダイル部材31等と干渉しないよう
に配置すると上顎模型部材13の後端部の寸法が大きく
なり、取り扱いが不便になりがちである。そこで、上顎
模型部材13の後端部の寸法をあまり大きくせずにコン
ダイル部材31等の内側に配置するようにしたのであ
る。なお、ピン25間の距離は大きくしてもよく、後述
する図16、図19にその実施の形態を示す。
【0088】(b) ベネットリフト70mm型 図16及び図17は、本発明の更に他の実施の形態を示
すものであり、図15において上顎模型部材13の後端
部に形成した張出部13gに更に外方に延長した張出部
13hを形成し、当該張出部13hに同様にピン25を
取り付けたものである。各ピン25間の間隔は約70m
mとなっている。この実施例では、上顎模型部材の取り
扱いとその安定性の両立を図ることができる。
【0089】(c)ベネットリフト110mm型 図19は、顆頭球12よりも更に外側にピン25をもっ
てきた実施形態である。安定が良く咬合器も動かし易い
が、長い分だけ調整時に煩わしい。
【0090】6)ピン25のあり方 上記実施の形態ではピン25を水平面に対して約45゜
の角度をもって配置しているが、この場合上顎模型部材
13を約45゜回転させて開放させると、ピン25の周
面がカム面16bに接触しそれ以上上顎模型部材13を
開くことができない。図18に示すように、ピン25を
垂直に近く立てた状態で配置するようにすれば、上顎模
型部材13はほぼ90゜近く回転させて開放させること
ができる。これにより、義歯の調整作業が非常にやり易
くなる。
【0091】7)カムのV形態 なお、上記実施の形態ではリフト機構の一部として平面
なカム面を持つカム16を用いているが、ピン25の移
動を規制するものであれば、カム面は平坦でなくV字状
のアングルであってもよい。
【0092】8)上顎部材のピン、下顎部材のカムは互
いに上下入れ替わっても同じ目的を達成する。これは本
願請求項2で主張したところである。
【0093】9)その他の付随機構 (a)描記装置連結機構 図19は本発明の更に他の実施の形態を示すものであ
り、描記装置を連結する描記装置連結部材76を取り付
けるとともに、上顎模型部材13に設けたコンダイルボ
ックス17のべネット角調整板20、矢状顎路傾斜調整
板21、リヤウォール部材22が顆頭球12に当接する
ように、上顎模型部材13を押圧付勢する付勢部材80
を取り付けたものである。
【0094】すなわち、上顎模型部材13の後端部に図
16よりも長い張出部13fを形成し、この張出部13
fの先端部にキャップ部材75を着脱自在に彼冠し、こ
のキャップ部材75の他端に形成されたネジ穴75aに
ネジ78を螺合することにより、描記装置連結部材76
をネジ78を中心として揺動自在でかつ描記装置連結部
材76に形成された長穴76aに沿ってスライド可能に
連結したものである。描記装置連結部材76には描記装
置が連結される連結部79が形成されている。そして、
ネジ78を緩めて描記装置連結部材76の連結部79が
顆頭球12の中心を通る線上にほぼ位置するように配置
してネジ78を締めて固定する。
【0095】(b)上下連結装置 また、図19および図20に示すように、梁部11aの
後端部中央に後方に延びる突出部11fが形成され、こ
の突出部11fの下面に円弧状をした板バネである付勢
部材80の一端80aがネジ81により連結され、付勢
部材80の他端80bを上顎模型部材13に形成された
貫通孔13kの綾部に係合させてある。上顎模型部材1
3は付勢部材80により下方に付勢されている。ここで
図20の二点鎖線に示すように義歯調整のため上顎模型
部材13を開こうとすると、付勢部材80が貫通孔13
kの綾部に接しつつたわみ上顎模型部材13の開閉が許
容される。
【0096】この実施の形態では、描記装置連結部材7
6の連結部に描記装置(図示せず)を連結し、予め生体
の顎の動きを計測した計測結果に基づいて上顎模型部材
13を揺動等させ、生体の顎の動きを咬合器に反映させ
るために使用される。なお、描記装置を連結するための
構造としては、支持部材28の外側面に壁を形成し、こ
の壁に連結部を突設したものでもよい。
【0097】III. 下顎位の再設定の機構 1)治療装置としての咬合器が持たねばならない機能 また、本発明の完全再現性咬合器は、単に顎運動の再現
装置に留まらず、現状の分析装置であり、治療のあるべ
き姿を予測する予測装置でもある。したがって、どのよ
うに治療されねばならないかを診断する診断・治療装置
であることを考えると、臨床上の咬合器への要請事項も
機構として搭載しておくことが好ましい。 すなわち、
顎関節症のために、 顆頭球が上下方向に延長できるようにすること。
【0098】後方運動が可能なようにすること。
【0099】下顎の位置を下顎模型部材10上で前後
左右に位置を再設定できること。
【0100】上記を満たすことにより下顎の位置
を3次元的に再設定できることになるが、その時微量で
はあるが、顆頭球間距離とコンダイルボックス間距離の
不一致が生じる。それを修正するためにコンダイルボッ
クス17が外方に向けて移動・調節できるようにするこ
と、以上の4点が調整できるようにすることが好まし
い。
【0101】なお、については次ぎに説明する。
【0102】2)下顎位再設定機能について a)形態と機能 図21〜図25により本発明の請求項3の形態を説明す
る。
【0103】従来の咬合器並びに上述の実施の形態だけ
の状態においては、上下の顎模型部材13,10に義歯
を一度取り付けてしまうと、上下の義歯の位置関係を修
正することはできないが、現実の臨床では顎関節症、並
びに関節顆頭部や下顎枝の骨折などの症例において顎位
を修正しなくてはならない場合が少なくない。
【0104】本実施の形態では、そのような場合に上下
の顎模型部材13,10に義歯を取り付けるマウンティ
ングプレートから取り外すことなく、顎位の修正を可能
ならしめ、かつ必要あれば、元通りの顎位に復元するこ
ともまた可能としたものである。
【0105】このためには、(1 )下側義歯模型90
は、下顎模型部材10のフレーム面上を自由に平行移動
・回転移動できること(但し、臨床的には十分満足でき
る範囲として前後方向7mm、左右方向2mm移動でき
ればよい)、(2 )切歯指導釘23の高さを調節できる
こと、(3 )左右の顆頭球12,12の高さを調節でき
ること、(3 )左右の顆頭球12,12を受ける左右の
コンダイルボックス17,17の間の距離を調節できる
こと、の3つの要件を満たせばよい。
【0106】この要件のうち(2 )については、図21
に示すように、基台11に対して顆頭球12がネジ等で
高さ調整自在に設けられればよく、(3 )については、
左右のコンダイルボックス17のシャフト32が、上顎
模型部材13の後部の軸受部材33aに対して、その軸
方向の位置が調整できるようにすればよい。
【0107】また(2 )については、図1の実施の形態
で説明した通りであり、さらに(1)については、下側
義歯模型90を取り付けたマウンティングプレート96
を下顎模型部材10のプレート10f上で、移動可能に
設けると共に固定できるようにする。
【0108】すなわち、図23に示すように、下顎模型
部材10のプレート10fに長円形穴97を形成し、こ
の長円形穴97に長円形柱状のアダプター98を嵌合
し、そのアダプター98上に、下側義歯模型90を取り
付けたマウンティングプレート96を取り付け、下顎模
型部材10の下方から固定ネジ99をマウンティングプ
レート96にねじ込んで固定するが、このアダプター9
8のサイズを種々用意しておき、長円形穴97内で適宜
の方向に移動させてプレート10fに設けた5本の位置
決めネジ100でアダプター98の位置を調整した後、
図24に示すように固定ネジ99をマウンティングプレ
ート96にねじ込んで固定する。
【0109】このアダプター99は、図25(a)に示
すように、プレート10fの長円形穴97に密に嵌合す
るアダプター98a、図25(b)に示すように、左右
の幅方向は密に嵌合して前後方向のみ移動可能なように
その前後の長さlが、長円形穴97の前後長さより短い
アダプター98b、図25(c)に示すように、左右幅
wが長円形穴97の幅より狭く、前後長さ1も短いアダ
プター98cと種々のもの予め用意し、これらアダプタ
ー98a,98b,98cを、マウンティングプレート
96を固定する際に、適宜選ぶことで、位置調整が行え
る。
【0110】また、アダプター98には、固定ネジ99
を挿通する穴102と、マウンティングプレート96に
設けた一対の穴103に嵌合する一対の突起104と、
位置決めネジ100を係合してアダプター98の抜け止
めを防止する溝106が形成される。
【0111】b)以上の構造で再設定が可能な説明 この(1 )〜(3 )の要件を満たすことで、顎位の修正
を行うことが可能となる。
【0112】図22は、適合していない下側義歯模型9
0Lと上側義歯模型92Uを上記3条件で重ね合わせる
ことができることを模式的に示したものである。
【0113】今、下側義歯模型90Lの三点(AL,B
L,CL)と上側義歯模型92Uの三点(AU,BU,
CU)を重ね合わせるとすると、 (1 )下側義歯模型90Lをプレート10f上でスライ
ドさせ、かつ切歯指導釘23の長さを調節することによ
り、AUとALとを一致させることができる。
【0114】(2 )AUとALとを一致させたままで、
下側義歯模型90Lをプレート10f上で回転させなが
ら、右のコンダイルボックス17Rを上下させること
で、CUとCLとを一致させることができる。
【0115】(3 )AUとALとが一致し、かつCUと
CLとが一致した状態で、左右のコンダイルボックス1
7L,17Rを上下させることで、BUとBLとを一致
させることができる。
【0116】(4 )(2 ), (3 )の操作により、両顆
頭間の距離が変化する。この変化量は極めて小さいため
に臨床的には無視できるが、左右のコンダイルボックス
17R,17Lの調整機構を与えておく。
【0117】このように、上下の義歯模型90,92の
重ね合わせを調整できることで、顎関節症、並びに関節
顆頭部や下顎枝の骨折などの症例においても、上下の義
歯模型90,92をマウンティングプレートから取り外
すことなく、顎位の修正が行える。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように本発明の完全再現性
咬合器では、生体の顎の運動特に咬合運動を、その個体
差を含めて、忠実かつ正確に再現することができると共
に忠実・正確に再現してはならない臨床例において、理
想とする顎位並びに顎運動を診断・設計・実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の完全再現性咬合器の一実施の形態を示
す図である。
【図2】図1の要部を示す分解斜視図である。
【図3】図2中のイーイ断面図とネジを示す斜視図であ
る。
【図4】図1中のロ方向から見た図である。
【図5】図1の要部を示す斜視図である。
【図6】コンダイルボックスでの顆頭球の動きを示す斜
視図である。
【図7】コンダイルボックスでのベネットリフトの調整
を説明する概略図である。
【図8】本発明のコンダイルボックスの他の実施の形態
を示す分解斜視図である。
【図9】図8の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】同じく図8の他の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図11】図10の一部の部品を示す斜視図である。
【図12】図11中のハ方向から見た斜視図である。
【図13】図10中のニ−ニ矢視断面図である。
【図14】本発明におけるコンダイルボックスの更に他
の形態を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の更に他の実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図16】本発明の更に他の実施の形態を示す平面図で
ある。
【図17】図16中のホ方向から見た図である。
【図18】本発明の更に他の実施例の要部を示す図であ
る。
【図19】本発明の更に他の実施の形態を示す分解斜視
図である。
【図20】図19の要部を示す断面図である。
【図21】本発明の更に他の実施の形態を示す全体斜視
図である。
【図22】図21における上下義歯模型の重ね合わせを
説明する模式図である。
【図23】図22の下顎模型部材の詳細を示す斜視図で
ある。
【図24】図22において、下顎模型部材に下側義歯模
型を取り付けたときの要部断面図である。
【図25】図23におけるアダプターの詳細を示す図で
ある。
【図26】生体の下顎を示す図である。
【図27】下顎の運動を示す図である。
【図28】歯科学上の用語を説明するための図である。
【図29】下顎の運動をモデル化した図である。
【図30】下顎を矢状面から見た場合の運動の方向を示
す図である。
【図31】下顎を咬合面の上方から見た場合の運動方向
を示す図である。
【図32】従来の咬合器の概略の機構を示す図である。
【図33】従来の咬合器のコンダイルボックスでベネッ
トリフトを行う場合の説明図である。
【符号の説明】
10 下顎模型部材 11 基台 12 顆頭球 13 上顎模型部材 15 ベネットリフト機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下顎模型部材と、この下顎模型部材に立
    設された基台と、この基台から突出して設けられた2個
    の顆頭球と、これらの顆頭球に対して前後方向、左右方
    向、上下方向の移動を規制するコンダイルボックスを介
    して連結された上顎模型部材とを備えた咬合器におい
    て、上記基台に、前記上顎模型部材の左右方向の側方移
    動の際に、作業側顆頭球から、その作業側コンダイルボ
    ックスと独立して上顎模型部材をリフトするベネットリ
    フト機構を設けたことを特徴とする完全再現性咬合器。
  2. 【請求項2】 前記リフト機構は、前記基台又は上顎模
    型部材の一方に調節可能に取り付けられたカムと、前記
    基台又は上顎模型部材の他方に形成され前記カムに当接
    するピンとを備えた請求項1記載の完全再現性咬合器。
  3. 【請求項3】 上顎模型部材に対して下顎義歯模型の位
    置再設定が可能にする下顎位再設定機構を設けた請求項
    1又は2記載の完全再現性咬合器。
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