JPH11281626A - 亀裂検出装置 - Google Patents

亀裂検出装置

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JPH11281626A
JPH11281626A JP10100116A JP10011698A JPH11281626A JP H11281626 A JPH11281626 A JP H11281626A JP 10100116 A JP10100116 A JP 10100116A JP 10011698 A JP10011698 A JP 10011698A JP H11281626 A JPH11281626 A JP H11281626A
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sound
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JP10100116A
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English (en)
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Masami Yamanaka
万三三 山中
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/048Transmission, i.e. analysed material between transmitter and receiver

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部の形状に拘らず全面において溶接部の
亀裂の有無を検出し得る亀裂検出装置を提供する。 【解決手段】 パネル22の溶接部23a、23b、2
3cを含む凹部内壁とゴムパッド40とにより区画形成
される密閉空間内に集音マイク36が取付けられ、この
ゴムパッド40の左右に位置する内壁20の上方に取付
けられたツイータ32からパネル22の溶接部23a、
23b、23cを中心にパネル22の全面に向けて所定
周波数の超音波が発射される。これにより、溶接部23
a、23b、23cのいずれかに亀裂23xがあれば、
その亀裂23xを介して連通する密閉空間内に伝播した
所定周波数の超音波が集音マイク36によって捉えられ
るため、検出判定しきい値を超えた音圧レベルの電気信
号を判定装置38によって判定し、亀裂23xの存在を
検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合溶接工法によ
り接続された鋼板素材の溶接部に生ずる亀裂を検出する
亀裂検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、板厚の異なる2枚の鋼板を接
続する工法として接合溶接工法、即ち鋼板の端面同士を
突き合わせて溶接(突き合わせ溶接)する工法や端部を
所定量重ね合わせて溶接(マッシュシーム溶接)する工
法が採られていることが知られいる。そして、このよう
な接合溶接工法により接続された板厚の異なる鋼板素材
を例えばハット形状の鋼板材(以下「パネル」とい
う。)にプレス加工して、自動車のセンターフレームや
フロントフレーム等に用いることにより、安全な自動車
のボディ構造を構築可能にしている。つまり、自動車の
衝突事故等において、強度上、板厚の薄い部分をつぶれ
易くして衝撃を吸収させる一方で、板厚の厚い部分によ
って車室内を保護するために、板厚の異なるパネルが自
動車のフレーム等に用いられている。
【0003】ところが、このような部分的に板厚の異な
るパネルは2枚の鋼板を溶接して構成することから、絞
り、外抜き、曲げ等の各種プレス工程を経て所定の形状
に成形されるまでに、溶接部において亀裂等を生ずる場
合がある。そのため、溶接部における亀裂の有無を検出
し、亀裂のあるパネルは廃棄処分にし、亀裂のないパネ
ルだけを次工程に流していた。つまり、プレス工程の後
工程において、図7に示すような亀裂検出装置90の蛍
光灯92から発せられた光を溶接部に照射することによ
って溶接部に亀裂があればパネルWを介して受光部94
に光が到達することから、受光部94の光の検出により
亀裂の存在を判断し、そのパネルを不良品とし廃棄して
いた。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、図7に示す亀裂検出装置9
0によると、蛍光灯92の光はパネルWの両側から照射
されるため、パネルWの側面に位置する溶接部Wbに生
ずる亀裂等を検出できても、パネルWの上方からは照射
されないからパネルWの上面や下面に位置する溶接部W
a、Wcについては、この亀裂検出装置90では亀裂検
出が困難である。これは、受光部94を構成する受光セ
ンサ96の配設位置がそのサイズにより制約を受けるこ
とから検出可能な位置を限定せざるを得ないことによる
ものである。そのため、溶接部Wa、Wcに生ずる亀裂
等の有無は、検査担当者による目視に頼らなければ検査
することができず、この目視検査が亀裂検査の自動化の
障害となり、検査工数の削減を妨げるという問題を生じ
ている。
【0005】また、蛍光灯92から到達する光ではパネ
ルWの直線的な側面における溶接部Wbは検査できて
も、例えば階段状等の複雑な形状に形成される側面を有
するパネルでは、その側面の溶接部の亀裂検査を十分に
行うことができない。つまり、蛍光灯92に対向するパ
ネルWの側面であっても、その側面形状が複雑であるが
故に光の到達方向に平行な位置関係になる面には、光が
照射されないことから亀裂検査がなされない。そのた
め、図7に示すような亀裂検出装置90では、単純曲げ
による直線的な側面における溶接部でなければ十分な亀
裂検査を行うことができないという問題も生じている。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、溶接部
の形状に拘らず全面において溶接部の亀裂の有無を検出
し得る亀裂検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の亀裂検出装置では、接合溶接工法により
接続された鋼板素材にプレス加工を施し成形したワーク
の溶接部における亀裂の有無を検査する亀裂検出装置で
あって、ワークの一端面側に位置し、この一端面側の溶
接部およびこの溶接部の周囲空間を、ワークの一端面に
密着して密閉可能に設けられる遮音部と、前記ワークの
一端面と前記遮音部の内壁面とから区画形成される空間
内に配設される集音部と、前記空間外に位置し、前記ワ
ークの他端面に向けて所定周波数の音波を発射可能に設
けられる発音部と、を備えることを技術的特徴とする。
【0008】また、請求項2の亀裂検出装置では、請求
項1において、前記所定周波数は、超音波周波数帯域内
にあることを技術的特徴とする。
【0009】さらに、請求項3の亀裂検出装置では、請
求項1または2において、前記ワークの断面形状は、前
記一端面側を凹状とするハット形状であることを技術的
特徴とする。
【0010】請求項1の発明では、ワークの一端面側に
位置する遮音部がワークの一端面の溶接部およびこの溶
接部の周囲空間を密閉し、この溶接部を含むワークの一
端面と遮音部の内壁面とから区画形成される空間内に集
音部が配設され、この空間外に設けられる発音部がワー
クの他端面に向けて所定周波数の音波を発射する。これ
により、集音部は溶接部を含むワークの一端側と遮音部
とにより外部空間から遮断された密閉空間内に位置する
ことから、外部空間に位置する発音部から発せられた所
定周波数の音波を空間伝播によって直接集音部に伝わる
ものよりも低い音圧レベルで捉えることができ、また発
音部はこの外部空間に位置しワークの他端面に向けて所
定周波数の音波を発射することから、ワークの他端面の
形状に拘らず他端面の全面に音波を当てることができ
る。
【0011】請求項2の発明では、発音部が発する音波
の所定周波数は超音波周波数帯域内にあることから、工
場構内の他の設備機器から発せられることが多い比較的
周波数の低い稼動音による音波と、発音部が発する音波
とを区別することができる。
【0012】請求項3の発明では、ワークの断面形状は
一端面側を凹状とするハット形状であることから、遮音
部によって密閉される密閉空間の内側に向かってワーク
の一部が飛び出したり、密閉空間の容積を減少させるよ
うなワークの部位が少ない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の亀裂検出装置の実
施形態について図1〜図6を参照して説明する。まず、
本発明の一実施形態による亀裂検出装置30によって検
査されるパネル22の成形工程等を図2に基づいて説明
する。図2に示すように、パネル22は、絞り工程、外
抜き工程、その他のプレス工程を経てハット形状に成形
される。成形されたパネル22は、接合溶接工法(本実
施形態ではレーザ溶接)により板厚の異なる平板21
a、21bを接続した鋼板素材21を成形したものであ
ることから、その中間部には溶接部23を有する。そし
て、この溶接部23にもプレス加工による延びや引っ張
り等による塑性変形が生じるため、ワークとプレス型と
の位置関係、プレス型の劣化、または金属材料のバラツ
キ等の諸条件によって溶接部23にひび割れを起こす場
合がある。このような溶接部23のひび割れは、パネル
22の構造上の強度に影響を及ぼす恐れがあるため、図
2に示すように絞り工程に後続するアイドルに亀裂検査
工程を設け、溶接部23a、23b、23cにおける亀
裂の有無を検査する。
【0014】この亀裂検査工程では、本実施形態による
亀裂検出装置30が用いられる。つまり、トランスファ
ーラム27に取付けられた搬送装置28により搬送され
るパネル22が亀裂検出装置30に搬入された後、亀裂
検出が行われ、亀裂が検出されなければ完成品のパネル
22として次工程に搬送され、亀裂が検出されれば不良
品のパネル22として廃棄される。以下、この亀裂検出
装置30について説明する。
【0015】亀裂検出装置30の構成を図1、図3〜図
5に基づいて説明する。図1に示すように、亀裂検出装
置30は、主に、ベース50、ゴムパッド40、超音波
発振器34、集音マイク36、判定装置38等から構成
される。ベース50は工場内の床面等に亀裂検出装置3
0を据え付けるとともにゴムパッド40をほぼ中央に固
定し、搬送装置28によって搬送されるパネル22がゴ
ムパッド40上に載置されたとき、それらを安定して支
持できるように構成されている。
【0016】図3に示すように、ゴムパッド40は例え
ば硬質ゴムからなり、断面U字状の前後を台形状の板部
で塞ぐ箱形状に成形されている。つまり、パネル22の
凹部を器形状の湾曲部42で蓋をして筒形状を形成する
とともにその両端開口を前板部44および後板部46に
よりそれぞれ閉塞するように、湾曲部42、前板部44
および後板部46が一体に成形されている。そして、亀
裂有無の検査時には、パネル22の溶接部23a、23
b、23cを中心にしてゴムパッド40が跨ぐようにゴ
ムパッド40上にパネル22が載置される。
【0017】図4(B) に示すように、ゴムパッド40を
構成する後板部46は、ハット断面状にプレス加工され
たパネル22の横断面(図3に示すB−B線断面)形状
に合わせて板状に成形されており、後板部46の上端面
46aおよび側端面46bがパネル22の凹部内壁面に
密着可能に構成されている(図4(A) 参照)。また、図
4(A) に示すように、後板部46は、反前板部44方向
に傾けて成形されていることから、パネル22の凹部の
深さに合わせて反前板部44側に後板部46が倒れるよ
うに変形することができる。これにより、パネル22の
プレス加工による誤差を吸収するため、パネル22の凹
部内壁面への上端面46aの密着を確実なものにすると
ともに、前板部44側に後板部46が倒れ込まないよう
にしている。なお、前板部44も後板部46と同様に板
状に成形され、パネル22の凹部の深さに合わせて反後
板部46側に倒れるように変形可能に構成されている。
【0018】一方、図4(B) に示すように、ゴムパッド
40を構成する器形状の湾曲部42は、ハット断面状に
プレス加工されたパネル22を載置可能に成形されてお
り、湾曲部42の上縁部42aがパネル22の下部22
cに密着可能に構成されている。これにより、前述した
前板部44および後板部46とともに湾曲部42によっ
てパネル22の凹部空間の一部を密閉し、パネル22の
凹部内壁、前板部44、後板部46および湾曲部42に
より密閉空間を区画形成している。そして、この密閉空
間内に位置するように、湾曲部42の底部42bには後
述する集音マイク36が取付けられている。
【0019】図1に示すように、超音波発振器34は、
所定周波数(例えば40KHz)を中心に超音波を発生可
能に構成されており、搬送装置28の所定の作動に連動
して超音波を発振する。この超音波発振器34の出力端
子は、ゴムパッド40の左右に位置する内壁20の上方
に取付けられたツイータ32に電気的に接続されてい
る。このように発音部として、超音波を発生可能な超音
波発振器34を用いたのは、工場構内の他の設備機器か
ら発せられることが多い比較的周波数の低い稼動音(特
にプレス環境音域内の雑音)による音波と、超音波発振
器34が発する音波(以下「検査音波」という。)とを
区別するためである。これにより、他のプレス機等が発
する雑音の影響を最小限に抑えて、後述する集音マイク
36が検査音波を捉えることができる。なお、内壁20
などによる密閉空間は、プレス機械とプレス機械との間
を遮蔽するパネル等で構成することができる
【0020】また、2組の超音波発振器34とツイータ
32を用いてゴムパッド40の左右からパネル22に検
査音波を当てているのは、パネル22の両側からほぼ同
じ音圧レベルの検査音波をパネル22の左右に当てるた
めである。つまり、パネル22の上方は搬送装置28が
位置しパネル22の搬送経路にあたるため、パネル22
の上方ほぼ中央の固定した位置にツイータ32を設ける
ことが困難だからであり、このようなツイータ32の設
置位置に制約がない場合には、パネル22の上方ほぼ中
央にツイータ32を1つ取付けることにより、1組の超
音波発振器34とツイータ32を設けても良い。
【0021】さらに、パネル22は前述したハット形状
に成形されていることから、密閉空間の内側に向かって
パネル22の凹部内壁の一部が飛び出したり、密閉空間
の容積を減少させるようなパネル22の部位がない。こ
れにより、パネル22に生じた亀裂を介して到来する検
査音波が、密閉空間内のパネル22の内壁形状によって
不要な乱反射や減衰をしないため、検査音波の伝播障害
を抑制することができる。したがって、僅かな亀裂であ
ってもその亀裂を介して到来する検査音波を集音マイク
36が捉えることができる。
【0022】図1および図4に示すように、集音マイク
36は、前述したゴムパッド40の湾曲部42の底部4
2bに取付けられており、パネル22の凹部内壁、前板
部44、後板部46および湾曲部42により区画形成さ
れる密閉空間内に位置している。そして、集音マイク3
6の出力端子は、次に説明する判定装置38に電気的に
接続されている。つまり、集音マイク36の指向性パタ
ーンに合わせて最適な集音が可能な位置、例えば無指向
性パターンの場合には底部42bのほぼ中央に集音マイ
ク36が取付けらている。これにより、密閉空間内のパ
ネル22の亀裂の有無を万遍なく検査できる。また特に
亀裂の生じ易い部位があればその位置に専用に向けられ
る集音マイクを設ければ、その部位をさらに重点的に検
査することができる。
【0023】集音マイク36と電気的に接続されている
判定装置38は、図5に示すように、増幅器38a、バ
ンドパスフィルタ(以下「BPF」という。)38b、
コンパレータ38c、アラーム回路38d等から構成さ
れている。入力端子38iから入力された集音マイク3
6による電気信号は、増幅器38aにより所定信号レベ
ル以上に増幅された後、BPF38bよって不必要な周
波数成分が除去される。つまり、図6に示すように集音
マイク36により捉えた音波は、幅広い周波数成分を含
むことから、必要のない周波数成分、特に他のプレス機
等が発する雑音信号等(図6に示す符号α)を除去し
て、超音波発振器34から発せられた検査音波の周波数
成分だけを選択的に取出す。ここで、図6に示すfcは
BPF38bの中心周波数を示し、またfwはBPF3
8bの通過帯域幅を示している。本実施形態では、超音
波発振器34の発振中心周波数が40KHzであることか
ら、BPF38bはfc=40KHz、fw=20KHzに
設定されている。なお、図6の符号βで示す信号は超音
波発振器34によって発せられる信号を示している。
【0024】BPF38bによって不必要な周波数成分
が除去された電気信号は、検波回路によって直流電圧に
変換された後、所定電圧以上であるか否かをコンパレー
タ38cによって比較される。そして、所定電圧値以上
であればその旨を知らせる信号がアラーム回路38dに
伝達され、所定の制御信号が出力端子38jから出力さ
れる。つまり、BPF38bを通過し得る電気信号は、
超音波発振器34から発せられた検査音波がその大部分
を占めることから、その信号強度、即ち直流電圧に変換
した後の電圧値を調べることによって、集音マイク36
により捉えられた検査音波が、パネル22またはゴムパ
ッド40を介して間接的に密閉空間内に伝播したもの
か、あるいはパネル22の溶接部23a、23b、23
c等に生じた亀裂により密閉空間の内外が連通したこと
により直接的に密閉空間内に伝播したものかを判断する
ことができる。具体的には、図6に示すように、予め設
定された検出判定しきい値Vthを音圧レベルが超えれば
亀裂が生じていると判断し、アラーム回路38dによっ
て亀裂検出の警告灯を点灯させてオペレータに該当パネ
ルの不良を通知し、また所定の制御信号により設備の稼
動を停止させる。
【0025】続いて、亀裂検出装置30の作動を図1〜
図3、図6に基づいて説明する。図1および図2に示す
ように、前述した絞り工程を経て所定形状に成形された
パネル22は、搬送装置28によって亀裂検出装置30
に搬入される。図3に示すように、溶接部23a、23
b、23cを中心にしてパネル22がゴムパッド40上
に徐々に降下すると、ゴムパッド40の上端面44aお
よび上端面46aにパネル22の内壁面がそれぞれ当接
する。続けてパネル22が降下することにより、パネル
22の自重力が前板部44および後板部46に加わるた
め、前板部44と後板部46とが互いに離れる方向に押
し倒され変形しながらパネル22の内壁面に密着する。
やがてゴムパッド40の上縁部42aにパネル22の下
部22cが当接すると、さらにパネル22の自重力等に
よって上縁部42aがベース50方向に押し下げられる
ように変形しパネル22の下部22cが上縁部42aに
密着する。これにより、パネル22の搬入が完了する。
【0026】パネル22の搬入が完了すると、搬送装置
28の作動に連動してオン状態に移行する図示しないス
イッチによって超音波発振器34の電源が投入される。
すると、所定周波数(例えば40KHz)を中心とした超
音波がツイータ32から発せられるため、パネル22の
溶接部23a、23b、23cを中心にパネル22の全
面に向けて検査音波が発射される。このとき、溶接部2
3a、23b、23cのいずれかに亀裂23xがあれ
ば、その亀裂23xを介して連通する密閉空間内に伝播
した検査音波が集音マイク36によって捉えられるた
め、図6に示す検出判定しきい値Vthを超えた音圧レベ
ル(図6に示す符号γ)の電気信号が検出され、亀裂検
出の警告灯の点灯、設備の停止などの措置がとられる。
【0027】一方、溶接部23a、23b、23cのい
ずれにも亀裂がなければ、パネル22またはゴムパッド
40を介して間接的に密閉空間内に検査音波が伝播して
集音マイク36によって捉えられるため、図6に示す検
出判定しきい値Vthを超えない音圧レベル(図6に示す
符号δ)の電気信号が検出される。したがって、亀裂検
出の警告灯の点灯、設備の停止等はなく、オペレータは
パネル22を良品と断定して次工程に搬送するためパネ
ル22の搬出操作に移る。
【0028】パネル22の搬出は、前述した搬入操作を
逆に行うものである。つまり、搬送装置28の移動によ
りパネル22がゴムパッド40から離れて上昇し始める
と、それまで発振していた超音波発振器34の電源が切
断され、超音波の発振が停止する。そして、さらに搬送
装置28が上昇し、次工程への搬送ルートにパネル22
が投入されることによってパネル22の搬出が完了す
る。
【0029】以上説明したように、本実施形態による
と、パネル22の溶接部23a、23b、23cを含む
凹部内壁とゴムパッド40とにより区画形成される密閉
空間内に集音マイク36が取付けられ、このゴムパッド
40の左右に位置する内壁20の上方に取付けられたツ
イータ32からパネル22の溶接部23a、23b、2
3cを中心にパネル22の全面に向けて検査音波が発射
される。これにより、溶接部23a、23b、23cの
いずれかに亀裂23xがあれば、その亀裂23xを介し
て連通する密閉空間内に伝播した検査音波が集音マイク
36によって捉えられるため、検出判定しきい値Vthを
超えた音圧レベルの電気信号を判定装置38によって判
定し、亀裂23xの存在を検出することができる。した
がって、パネル22の溶接部の形状に拘らず、溶接部2
3a、23b、23cの全面にわたって亀裂検査を行う
ことができるため、従来の光による検査装置では困難だ
った溶接部位であっても、亀裂の有無を検査し得る効果
がある。また、検査担当者による亀裂有無の目視検査を
行う必要がなくなるため、亀裂検査工数を大幅に削減す
る効果がある上に、さらに亀裂検査工程の自動化に貢献
し得る効果もある。さらにまた、超音波発振器34、集
音マイク36、判定装置38、ゴムパッド40等といっ
た比較的簡易な構成で、しかも低い設備コストにより、
パネル22の溶接部23a、23b、23cの全面にわ
たり亀裂の有無を検出する亀裂検出装置30を実現し得
る効果がある。
【0030】なお、本実施形態による亀裂検出装置30
では、溶接部に生じた亀裂の有無を検出したが、本発明
ではこれに限られることはなく、鋼板素材を貫通する空
間であれば、例えば孔、隙間等の検出に適用しても、上
述した各効果が同様に得られることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明では、集音部は溶接部を
含むワークの一端側と遮音部とにより外部空間から遮断
された密閉空間内に位置し、外部空間に位置する発音部
から発せられた所定周波数の音波を空間伝播によって直
接集音部に伝わるものよりも低い音圧レベルで捉え、ま
た発音部はこの外部空間に位置してワークの他端面に向
けて所定周波数の音波を発し、ワークの他端面の形状に
拘らず他端面の全面に音波を当てる。これにより、ワー
クの他端面の全面に向けて発射された所定周波数の音波
は、ワークに生じた亀裂等を介して内部空間と外部空間
とが連通しない限り、ワークまたは遮音部を介して空間
伝播のものよりも低い音圧レベルで集音部に伝搬するた
め、音圧レベル値によって集音部が捉えた所定周波数の
音波がワークの亀裂等を介して到来したものか否か、即
ちワークの亀裂等の有無を判断することができる。した
がって、溶接部の形状に拘らず全面において溶接部の亀
裂の有無を検出し得る効果がある。また、光による検査
装置では困難だった溶接部位であっても、検査担当者に
よる目視検査に頼ることなくして、溶接部の亀裂の有無
を検査できるため、亀裂検査工数を削減する効果もある
上に、さらに亀裂検査工程の自動化に貢献し得る効果も
ある。
【0032】請求項2の発明では、発音部が発する音波
の所定周波数は超音波周波数帯域内にあり、工場構内の
他の設備機器から発せられることが多い比較的周波数の
低い稼動音による音波と、発音部が発する音波とを区別
することができるため、他の設備機器から発せられる音
波の影響を最小限に抑えて発音部が発する音波を集音部
によって捉えられる。これにより、ワークに生じた亀裂
等を介して到来する所定周波数の音波の音圧レベル値を
正確に把握できるため、亀裂等の有無の誤検出を防止し
得る効果がある。
【0033】請求項3の発明では、ワークの断面形状は
一端面側を凹状とするハット形状であり、遮音部によっ
て密閉される密閉空間の内側に向かってワークの一部が
飛び出したり、密閉空間の容積を減少させるようなワー
クの部位が少ないことから、ワークに生じた亀裂等を介
して到来する音波の伝播が密閉空間内のワーク形状によ
って妨げられるという事態が生じ難い。これにより、密
閉空間内のワーク形状による音波の伝播障害を抑制する
ことができるため、僅かな亀裂等であってもその亀裂等
を介して到来する音波を集音部が捉え得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による亀裂検出装置の構成
を示す模式的断面図である。
【図2】プレス工程および亀裂検査工程(アイドル)を
示す模式的工程図である。
【図3】パネルとゴムパッドとの位置関係を示す模式的
斜視図である。
【図4】図4(A) は図3に示すA−A線断面図であり、
図4(B) は図3に示すB−B線断面図である。
【図5】本実施形態による判定装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】操業時の工場構内に発生する音波および超音波
発振器から発生する超音波の周波数に対する音圧レベル
の一例を示す特性図である。
【図7】従来の亀裂検出装置を示す模式的構成図であ
る。
【符号の説明】
21 鋼板素材 22 パネル(ワーク) 23a、23b、23c 溶接部 23x 亀裂 30 亀裂検出装置 32 ツイータ(発音部) 34 超音波発振器(発音部) 36 集音マイク(集音部) 38 判定装置 40 ゴムパッド(遮音部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合溶接工法により接続された鋼板素材
    にプレス加工を施し成形したワークの溶接部における亀
    裂の有無を検査する亀裂検出装置であって、 ワークの一端面側に位置し、この一端面側の溶接部およ
    びこの溶接部の周囲空間を、ワークの一端面に密着して
    密閉可能に設けられる遮音部と、 前記ワークの一端面と前記遮音部の内壁面とから区画形
    成される空間内に配設される集音部と、 前記空間外に位置し、前記ワークの他端面に向けて所定
    周波数の音波を発射可能に設けられる発音部と、 を備えることを特徴とする亀裂検出装置。
  2. 【請求項2】 前記所定周波数は、超音波周波数帯域内
    にあることを特徴とする請求項1記載の亀裂検出装置。
  3. 【請求項3】 前記ワークの断面形状は、前記一端面側
    を凹状とするハット形状であることを特徴とする請求項
    1または2記載の亀裂検出装置。
JP10100116A 1998-03-27 1998-03-27 亀裂検出装置 Pending JPH11281626A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109374736A (zh) * 2018-10-31 2019-02-22 四川工程职业技术学院 一种检测隔音材料隔音性能的装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109374736A (zh) * 2018-10-31 2019-02-22 四川工程职业技术学院 一种检测隔音材料隔音性能的装置

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