JPH11132963A - 亀裂検出装置 - Google Patents

亀裂検出装置

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Publication number
JPH11132963A
JPH11132963A JP30969197A JP30969197A JPH11132963A JP H11132963 A JPH11132963 A JP H11132963A JP 30969197 A JP30969197 A JP 30969197A JP 30969197 A JP30969197 A JP 30969197A JP H11132963 A JPH11132963 A JP H11132963A
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JP
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panel
work
light
crack
arm
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Application number
JP30969197A
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English (en)
Inventor
Koji Fujiwara
孝司 藤原
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Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11132963A publication Critical patent/JPH11132963A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部の形状に拘らずほぼ全面において溶接
部の亀裂の有無を検出し得る亀裂検出装置を提供する。 【解決手段】 亀裂検出装置30は、パネル22の搬送
側に位置する上部22aの溶接部23aに沿って覆う腕
部40と、腕部40のパネル22側に設けられた発光部
44と、パネル22の反腕部40側に溶接部23aに沿
って配設される受光部34とを備える。これにより、パ
ネル22の側部22bの溶接部23bの他に、搬送方向
に位置するパネル22の上部22aの溶接部23aにも
発光部44から発せられる光が照射されることから、溶
接部23aまたは溶接部23bに生じた亀裂を介してこ
の光が受光部34に到達することにより、溶接部23
a、23bのほぼ全面にわたって亀裂の存在を検出でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合溶接工法によ
り接続された鋼板素材の溶接部に生ずる亀裂を検出する
亀裂検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、板厚の異なる2枚の鋼板を接
続する工法として接合溶接工法、即ち鋼板の端面同士を
突き合わせて溶接(突き合わせ溶接)する工法や端部を
所定量重ね合わせて溶接(マッシュシーム溶接)する工
法が採られていることが知られいる。そして、このよう
な接合溶接工法により接続された板厚の異なる鋼板素材
を例えば幅方向断面コ字状の鋼板材(以下「パネル」と
いう。)にプレス加工して、自動車のセンターフレーム
やフロントフレーム等に用いることにより、安全な自動
車のボディ構造を構築可能にしている。つまり、自動車
の衝突事故等において、強度上、板厚の薄い部分をつぶ
れ易くして衝撃を吸収させる一方で、板厚の厚い部分に
よって車室内を保護するために、板厚の異なるパネルが
自動車のフレーム等に用いられている。
【0003】ところが、このような部分的に板厚の異な
るパネルは2枚の鋼板を溶接して構成することから、絞
り、外抜き、曲げ、寄せ曲げ等の各種プレス工程を経て
所定の形状に成形されるまでに、溶接部において亀裂等
を生ずる場合がある。そのため、溶接部における亀裂の
有無を検出し、亀裂のあるパネルは廃棄処分にし、亀裂
のないパネルだけを次工程に流していた。つまり、プレ
ス工程の後工程において、図9に示すような亀裂検出装
置90の蛍光灯92から発せられた光を溶接部に照射す
ることによって溶接部に亀裂があればパネルWを介して
受光部94に光が到達することから、受光部94の光の
検出により亀裂の存在を判断し、そのパネルを不良品と
し廃棄していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、図9に示す亀裂検出装置9
0によると、蛍光灯92の光はパネルWの両側から照射
されるものの、パネルWの上方からは照射されないこと
から、パネルWの上面に位置する溶接部については、こ
の亀裂検出装置90では亀裂の検出をすることができ
ず、専ら目視検査に頼らなければならない。これは、亀
裂検出装置90の上面方向がパネルWの搬送経路91に
あたるため、亀裂検出装置90の上方に光源となる蛍光
灯を設けることができないことによるものである。その
ため、この検査担当者による目視検査が亀裂検査の自動
化の障害となり、検査工数の削減を妨げるという問題を
生じている。
【0005】また、蛍光灯92から到達する光ではパネ
ルWの直線的な側面における溶接部は検査できても、例
えば階段状等の複雑な形状に形成される側面を有するパ
ネルでは側面の溶接部であっても亀裂検査を十分に行う
ことができない。つまり、蛍光灯92に対向するパネル
Wの側面であっても、その側面形状が複雑であるが故に
光の到達方向に平行な位置関係になる面には、光が照射
されないことから亀裂検査がなされない。そのため、図
9に示すような亀裂検出装置90では、単純曲げによる
直線的な側面における溶接部でなければ十分な亀裂検査
を行うことができないという問題も生じている。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、溶接部
の形状に拘らずほぼ全面において溶接部の亀裂の有無を
検出し得る亀裂検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の亀裂検出装置では、接合溶接工法により
接続された鋼板素材にプレス加工を施し成形したワーク
の溶接部における亀裂の有無を検査する亀裂検出装置で
あって、前記ワークの搬送側の面を前記溶接部に沿って
覆う腕部材と、前記腕部材の前記ワーク側に設けられた
発光体と、前記ワークの反腕部材側に前記溶接部に沿っ
て配設される受光体と、を備えることを技術的特徴とす
る。
【0008】また、請求項2の亀裂検出装置では、請求
項1において、前記腕部材は、前記ワークの長手方向に
対し交差する方向に開閉可能に軸支されるとともに、載
置されるワークの自重による力により閉方向に付勢する
支持部と、前記ワークを載置した前記支持部による閉方
向に付勢する力よりも小さい付勢力によって開方向に付
勢する付勢手段と、を有することを技術的特徴とする。
【0009】さらに、請求項3の亀裂検出装置では、請
求項1または2において、前記発光体は、複数の発光ダ
イオードからなることを技術的特徴とする。
【0010】請求項1の発明では、ワーク側に発光体を
設けた腕部材がワークの搬送側の面をその溶接部に沿っ
て覆い、受光体がワークの反腕部材側に溶接部に沿って
配設される。これにより、腕部材の発光体から発せられ
た光がワークの搬送側の面の溶接部に照射されるため、
ワークの反腕部材側に配設される受光部がこの光を受け
る場合には、その光はワークの搬送側の面の溶接部を通
過したことになる。つまり、ワークの搬送側の面に位置
する溶接部に亀裂を生じていることが検出できる。
【0011】請求項2の発明では、ワークの長手方向に
対して交差する方向に開閉可能に軸支される腕部材は、
載置されるワークの自重による力(以下「自重力」とい
う。)により閉方向に付勢する支持部と、ワークを載置
した支持部による閉方向に付勢する力よりも小さい付勢
力によって開方向に付勢する付勢手段とを有する。これ
により、腕部材は、支持部にワークが載置されると開方
向に付勢する付勢手段の付勢力に抗してワークの自重力
によって閉じ、支持部にワークが載置されていないと付
勢手段の開方向の付勢力によって開く。即ち、ワークを
支持部に降下させることによりワークの自重力によって
腕部材を閉じ、またワークを支持部から上昇させること
により付勢手段の付勢力によって腕部材を自動的に開く
ことができる。
【0012】請求項3の発明では、発光体は複数の発光
ダイオードからなることから、点状の光源である発光ダ
イオードを多数敷き詰めて並べることにより、ワークの
断面形状に合わせた面状の光源を容易に得ることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の亀裂検出装置の実
施形態について図1〜図8を参照して説明する。まず、
本発明の一実施形態による亀裂検出装置30によって検
査されるパネル22の成形工程等を図2に基づいて説明
する。図2に示すように、パネル22は、(1) 絞り工
程、(2) 外抜き工程、(3) 曲げ工程および(4) 寄せ曲げ
工程の一連のプレス工程を経て成形される。つまり、板
厚の異なる2枚の平板21a、21bの端面同士を突き
合わせてレーザ溶接することにより構成される鋼板素材
21は、まず上型27aと下型28aにより所定形状に
絞り込まれる(絞り工程)。そして、上型27bと下型
28bにより絞り込まれたワークの形状を整えながら不
要部分を切取り(外抜き工程)、さらに上型27cと下
型28cにより必要な曲げ部分に2段曲げ等を施し(曲
げ工程)、最後に上型27dと下型28dにより目的の
形状に整えられる(寄せ曲げ工程)。
【0014】このようにして成形されたパネル22は、
前述したように接合溶接工法(本実施形態ではレーザ溶
接)により平板21a、21bを接続した鋼板素材21
を成形したものあることから、その中間部に溶接部23
を有する。そのため、この溶接部23にもプレス加工に
よる延びや引っ張り等による塑性変形が生じ、ワークと
プレス型との位置関係、プレス型の劣化、または金属材
料のバラツキ等の諸条件によって溶接部23にひび割れ
を起こす場合がある。このような溶接部23のひび割れ
は、パネル22の構造上の強度に影響を及ぼし得るた
め、図2に示すようにプレス工程の後工程に亀裂検査工
程を設け、溶接部23a、23bにおける亀裂の有無を
検査する。この亀裂検査工程では、本実施形態による亀
裂検出装置30が用いられる。つまり、搬送装置25に
より搬送されるパネル22が亀裂検出装置30に搬入さ
れた後、亀裂検出が行われ、亀裂等の検出がなければ完
成品のパネル22として次工程に搬送され、亀裂等の検
出があれば不良品のパネル22として廃棄される。
【0015】次に、亀裂検出装置30の構成を図1、図
3〜図5に基づいて説明する。なお、図1には亀裂検出
装置30の正面右側半分の縦断面形状が示されており、
省略されている左側半分の縦断面形状は右側半分の縦断
面形状と左右対称に構成されている。亀裂検出装置30
は、主に、ベース32、受光部34、腕部40および発
光部44から構成される。
【0016】ベース32は工場内の床面等に亀裂検出装
置30を据え付けるとともに、受光部34をほぼ中央に
固定し、この受光部34の両側に位置する軸受部33に
より腕部40を回動可能に支持している。またこの軸受
部33の近傍には後述するスイッチ38が取付けられて
おり、このスイッチ38により腕部40の開閉を検知し
ている。
【0017】受光部34は縦断面形状を台形とする箱
状、即ち断面コ字状のパネル22を伏せたときにパネル
22内に収まる形状に形成されており、その上面35a
および側面35bには、光を受けると電気抵抗値が増大
または減少する素子(以下「CdSセル」という。)3
6が受光面を外側に向けて複数箇所に取付けられてい
る。つまり、図3(A) または図4(B) に示すように、パ
ネル22の溶接部23a、23bにおけるパネル内空間
をほぼ占有可能な形状に受光部34が形成され、この受
光部34の上面35aおよび側面35bには溶接部23
a、23bに沿って並べられる複数のCdSセル36
が、後述する所定距離を隔てて同一直線上に位置してい
る。なお、CdSセル36にはそれぞれ電気配線が施さ
れており、図示しない制御盤に接続されている。
【0018】腕部40は、上面部42a、側面部42
b、垂直支持部42cおよび水平支持部42dから構成
されており、上面部42aおよび側面部42bによりパ
ネル22の幅方向断面形状の半分に相当する形状を形成
し、また垂直支持部42cおよび水平支持部42dによ
りL字形状を形成している。つまり、前述した受光部3
4上にパネル22が位置したとき、パネル22の上方か
らパネル22の上部22aに覆いかぶさるように上面部
42aおよび側面部42bが位置し、さらに複数のCd
Sセル36を内蔵した水平支持部42dがパネル22の
下部22cに潜り込むように位置する。このように腕部
40がパネル22を覆うように構成されることにより、
後述する発光部44から発せられる光(以下「検査光」
という。)をパネル22の溶接部23のほぼ全面に照射
することができる。つまり、パネル22の両側に位置す
る溶接部23bに加え、搬送方向にあたるパネル22の
上側に位置する溶接部23aにも検査光の照射が可能に
なる。
【0019】腕部40のL字形状の屈曲部、即ち垂直支
持部42cと水平支持部42dとの接続部には、ベース
32の軸受部33によりに軸支される軸部48が形成さ
れることから、この軸部48を中心に垂直支持部42c
および水平支持部42dが回動可能に構成されている。
さらに、垂直支持部42cには、ベース32の端部に一
端側が固定される引っ張りコイルスプリング50(以下
「スプリング50」という。)の他端側が取付けられて
いることから、このスプリング50の付勢力によって垂
直支持部42cが反受光部34方向、即ち外方向に起き
上がるように引っ張られる。そのため、スプリング50
の付勢力に抗する力が腕部40に加わらないときには、
図3に示すように腕部40は外側に開いた状態を保持し
ている。一方、スプリング50の付勢力よりも大きな力
がスプリング50の反付勢方向に加わると、垂直支持部
42cは、受光部34方向、即ち内方向に倒れることか
ら、図4に示すように腕部40は内側に閉じる。したが
って、水平支持部42d上にパネル22の下部22cが
載置されると、パネル22の自重力によって腕部40が
閉じるようにスプリング50の付勢力が設定されてい
る。これにより、図3(A) に示すように、搬送装置25
のバキュームカップ25aに吸着されて搬送されるパネ
ル22が、受光部34を目標に降下してくると、パネル
22の下部22cが腕部40の水平支持部42dに当接
することから、パネル22の自重力によって腕部40を
閉じることができる。
【0020】発光部44はLEDアレー46からなり、
腕部40の上面部42aおよび側面部42bの受光部3
4側に取付けられている。つまり、比較的高い輝度を有
するいわゆる高輝度発光ダイオード47(以下「LED
47」という。)を図5(A)に示すように列状または面
状に敷き詰めてLEDアレー46を構成し、上部発光体
46a、側部発光体46bおよび下部発光体46cに配
設している。このLEDアレー46にはスイッチ38を
介して外部電源Eが接続されており、このスイッチ38
には、例えばレバーが押下げられるとオン状態になるマ
イクロスイッチが用いられる。そして、前述した腕部4
0が閉状態になるとスイッチ38のレバーに水平支持部
42dが当接するように軸受部33の近傍にスイッチ3
8が取付けられている。
【0021】このようにパネル22を覆うように構成さ
れる腕部40の受光部34側に、その上部から側部を経
て下部に至るまで連続的にLEDアレー46を設けるこ
とによって、上部発光体46aから発せられる検査光を
パネル22の上部22aに、また側部発光体46bから
発せられる検査光を側部22bに、さらに下部発光体4
6cから発せられる検査光を下部22cにそれぞれ照射
することができる。つまり、溶接部23のほぼ全面にわ
たって検査光を照射することができる。これにより、パ
ネル22の側面の溶接部23bの他に搬送方向に位置す
るパネル22の上面の溶接部23aにも検査光を照射す
ることができる。
【0022】また、水平支持部42dの当接によりレバ
ーが押下げられスイッチ38をオフ状態からオン状態に
移行させることにより腕部40の開閉を検知できるた
め、腕部40が閉じると発光部44に所定電圧を印加
し、腕部40が開くと印加電圧を遮断するようにスイッ
チ38により制御することができる。これにより、腕部
40が閉じたときだけパネル22の溶接部23に検査光
を照射するように制御することができる。なお、発光部
44は、光を放つものであれば発光ダイオードに限られ
ることはなく、例えば図5(B) に示すような複数の光フ
ァイバー61を束ねた光導体60と光源により、光源か
ら発せられた光を列状または面状に放つように構成して
も良い。
【0023】続いて、亀裂検出装置30の作動を図3お
よび図4に基づいて説明する。図3(A) に示すように、
前述した一連のプレス工程を経て所定形状に成形された
パネル22は、搬送装置25のバキュームカップ25a
に吸着されて亀裂検出装置30に搬入される。パネル2
2が搬入される前の亀裂検出装置30は、スプリング5
0の付勢力により腕部40が開いた状態を保持している
ため、搬入経路にあたる亀裂検出装置30の上方からパ
ネル22を受光部34上に位置させることができる。こ
れは、図3(B) に示すように、腕部40が開くことによ
ってパネル22の搬入経路(図中の矢印)を腕部40が
遮断しないことによる。また、腕部40が開状態にある
ことから、軸部48の近傍に位置するスイッチ38には
水平支持部42dが当接することなく、スイッチ38は
オフ状態を維持している。
【0024】搬送装置25の移動によりパネル22が受
光部34上に徐々に降下すると、開いた状態にある腕部
40の水平支持部42dにパネル22の下部22cが当
接し、さらにパネル22が降下することによりパネル2
2の自重力が水平支持部42dに加わり水平支持部42
dを押し倒す方向に付勢する。すると、このパネル22
の自重力によってスプリング50の付勢力より大きな力
がスプリング50の反付勢方向に加わることから、パネ
ル22の降下とともに腕部40が閉じた状態に移行し始
め、パネル22の搬入終了により腕部40の閉状態への
移行も完了する(図4(A) )。
【0025】図4(B) に示すように、腕部40が閉状態
に移行すると、ほぼ同時にスイッチ38のレバーに水平
支持部42dが当接しレバーを押下げるため、スイッチ
38はオフ状態からオン状態に移り、LEDアレー46
に外部電源Eの電圧を印加する。これにより、LEDア
レー46を構成するLED47が発光することから、パ
ネル22の溶接部23の全面に検査光が照射される。こ
のとき、溶接部23a〜23cのいずれかに亀裂があれ
ば、その亀裂を介して漏れ出た検査光が受光部34のC
dSセル36に到達するため、この漏れた検査光を受光
したCdSセル36だけがその抵抗値を変化させ、図示
しない制御盤に「亀裂有り」の情報を伝達する。そし
て、「亀裂有り」の情報を受けた制御盤では、亀裂検出
の警告灯を点灯させてオペレータに該当パネルの不良を
通知する。一方、溶接部23a〜23cのいずれにも亀
裂がなければ、各受光部34には検査光が到達しないこ
とから、いずれのCdSセル36もその抵抗値を変化さ
せることなく、制御盤に「亀裂有り」の情報を伝達する
ことはない。したがって、制御盤では亀裂検出の警告灯
が点灯しないため、オペレータはパネル22を良品と断
定して次工程に搬送するためパネル22の搬出操作に移
る。
【0026】パネル22の搬出は、前述した搬入操作を
逆に行うものである。つまり、搬送装置25の移動によ
りパネル22が受光部34から上昇し始めると、それま
でパネル22の自重力により押し倒されていた水平支持
部42dがスプリング50により引っ張られるため、水
平支持部42dが立ち上がり始め、腕部40が開状態に
移行し始める。この開状態への移行とほぼ同時に、当接
することによりスイッチ38のレバーを押下げていた水
平支持部42dがスイッチ38から離れるため、スイッ
チ38はオン状態からオフ状態に移り、外部電源Eから
LEDアレー46への電力供給が遮断される。これによ
り、LEDアレー46を構成するLED47が発光を止
めることから、パネル22の溶接部23bへの検査光の
照射が停止する。そして、パネル22の上昇が進むにつ
れて腕部40の開度が徐々に大きくなり、さらにパネル
22が上昇すると、水平支持部42dからパネル22の
下部22cが離れる。これにより、腕部40の開状態へ
の移行およびパネル22の搬出が完了し、図3に示す腕
部40の開状態に戻る。
【0027】このようにパネル22の搬送を利用して腕
部40の開閉を操作することから、亀裂検出装置30へ
の搬入、搬出に伴う作業員を配置する必要がなく、しか
もパネル22の搬送方向の溶接部23aも含めてパネル
22の溶接部のほぼ全面にわたり亀裂検出装置30によ
って亀裂検査を行うことができる。これにより、従来は
検査光を照射できなかった搬入方向に位置するパネル2
2の溶接部23aにおいても亀裂検出装置30により亀
裂検査を行うことができるため、検査担当者による亀裂
有無の目視検査を行う必要がなくなる。したがって、亀
裂検査工数を大幅に削減する効果がある上に、さらに亀
裂検査工程の自動化に貢献し得る効果もある。
【0028】また、パネル22の溶接部23の形状に合
わせて腕部40を構成しその腕部40の受光部34側に
連続的にLEDアレー46を設けることによって、溶接
部23のほぼ全面にわたって検査光を照射することがで
きる。これにより、パネル22の溶接部が単純曲げによ
る直線的な形状でなく、例えば階段状等の複雑な形状で
あっても、溶接部の形状に拘らずほぼ全面において溶接
部の亀裂の有無を検出することができる。したがって、
複雑な形状を有する溶接部であっても、作業担当者によ
る亀裂有無の目視検査を行う必要がなくなるため、この
点においても亀裂検査工数を削減する効果がある。
【0029】次に、前述した発光部44、パネル22お
よび受光部34の距離関係、即ち発光部44からパネル
22までの距離Xおよびパネル22から受光部34まで
の距離xの設定、また受光部34を構成するCdSセル
36の配置間隔y’の設定に関して行った評価実験の結
果を図6〜図8に基づいて説明する。この評価実験の目
的は、発光部44からパネル22までの距離の変動によ
るCdSセル36の光検出範囲の変化を調べることにあ
り、これにより発光部44、パネル22および受光部3
4の間において許容される距離を求められる。
【0030】図6(A) に示すように、この評価実験に
は、発光部44の代わりに投光器52、パネル22の代
わりに板厚1mm程度の鉄板54を用い、この鉄板54に
形成された直径0.5mmの孔54aを亀裂の代わりに用
いた。また、CdSセル36は箱56に取付けた。な
お、投光器52には松下電器産業株式会社製の型番NF21
779Kを用い、CdSセル36には同社製の型番MPB2-5H4
9 を用いた。図6(A) に示す符号Xは投光器52から鉄
板54までの距離を表しており、0mm、80mm、130
mm、200mm、300mmと段階的に変化させた。また符
号xは鉄板54からCdSセル36までの距離(箱の大
きさ)を表しており、5mm〜50mmまで5mmまたは10
mm刻みに変化させた。さらに符号yは孔54aを通過す
る光の光軸からの偏心距離、即ち光検出範囲を表してい
る。
【0031】図7に示す評価結果は、投光器52から鉄
板54までの距離Xと鉄板54からCdSセル36まで
の距離xをそれぞれ変化させた場合において、孔54a
を通過した光の光軸からy方向にずれて位置しても、そ
の光を検出することができるCdSセル36の光検出範
囲を測定したもので、光の検出はCdSセル36に接続
され感度を最大に設定した増幅器(松下電器産業株式会
社製、型番BA30)の出力信号がオン状態になることによ
り確認した。図7に示す評価結果によると、CdSセル
36の受光開口径である6mmを超えた偏心を許容するも
のは、X=0mmにおいては(5≦x≦40)mmであり、
X=80mmにおいては(10≦x≦15)mmであること
が判る。これをグラフ化した特性図が図8に示されてい
る。
【0032】以上の評価実験により、投光器52から鉄
板54までの距離Xが大きくなるほどCdSセル36の
光検出範囲が狭くなり、直径8mmの光検出範囲(y=4
mm以上)を確保するためには、鉄板54からCdSセル
36までの距離xを80mm以下に設定する必要があると
いうことが判明した。ここで、CdSセル36の光検出
範囲を直径8mmに設定したのは、CdSセル36の製品
のバラツキを考慮したためで、8mmというのは受光開口
径の最大値を示す。つまり、この評価実験から、図6
(B) に示す受光部34を構成するCdSセル36の配置
間隔y’を8mmに設定した場合には、図8に示す丸印の
プロットから判るように、投光器52から鉄板54まで
の距離Xは80mm以下、鉄板54からCdSセル36ま
での距離xは10mm以上15mm以下に設定すると、鉄板
54の孔54aを良好に検出できることが評価結果とし
て得られた。
【0033】したがって、この評価結果を上述した亀裂
検出装置30に適用すると、受光部34を構成するCd
Sセル36の配置間隔y’を8mmに設定した場合、発光
部44からパネル22までの距離を80mm以下に設定
し、パネル22から受光部34までの距離を10mm〜1
5mmに設定することによってパネル22の溶接部23
a、23bに生じ得る亀裂を良好に検出できる。なお、
この場合、発光部44の輝度が評価実験に用いた投光器
52と同程度の輝度であること、またCdSセル36が
評価実験に用いたものと同程度の電気的仕様を有するこ
と等が条件とされる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明では、ワーク側に発光体
を設けた腕部材がワークの搬送側の面をその溶接部に沿
って覆うため、腕部材の発光体から発せられた光がワー
クの搬送側の面の溶接部に照射される。これにより、ワ
ークの搬送側の面に位置する溶接部に亀裂等が生じてい
ることがワークの反腕部材側に溶接部に沿って配設され
る受光体により検出できるため、溶接部のほぼ全面にお
いて亀裂の有無を検出できる効果がある。したがって、
ワークの搬送経路にあたる面であっても、検査担当者に
よる目視検査に頼ることなくして、溶接部の亀裂の有無
を検査できるため、亀裂検査工数を削減する効果もある
上に、さらに亀裂検査工程の自動化に貢献し得る効果も
ある。
【0035】請求項2の発明では、腕部材は、支持部に
ワークが載置されると開方向に付勢する付勢手段の付勢
力に抗してワークの自重力によって閉じ、支持部にワー
クが載置されていないと付勢手段の開方向の付勢力によ
って開く。これにより、搬送装置による亀裂検出装置へ
の搬入または亀裂検査装置からの搬出が容易にできるた
め、亀裂検査工程の自動化をより前進させる効果があ
る。
【0036】請求項3の発明では、点状の光源である発
光ダイオードを多数敷き詰めて並べることにより、ワー
クの断面形状に合わせた面状の光源を容易に得ることが
できる。これにより、例えば溶接部の断面形状が複雑な
形状であっても、溶接部の形状に合わせた発光体を比較
的簡易に実現できるため、溶接部の形状に拘らずほぼ全
面において溶接部の亀裂の有無を検出できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による亀裂検出装置の構成
を示す模式的断面図である。
【図2】プレス工程および亀裂検査工程を示す模式的工
程図である。
【図3】図3(A) はパネルを搬入する前または搬出した
後の亀裂検出装置を示す模式的斜視図であり、図3(B)
は図3(A) に示すα−α線による模式的断面図である。
【図4】図4(A) はパネルの亀裂検査中の亀裂検出装置
を示す模式的斜視図であり、図4(B) は図4(A) に示す
β−β線による模式的断面図である。
【図5】図5(A) はLEDアレーを示す模式的構成図で
あり、図5(B) は光ファイバーを束ねた光導体を示す模
式的構成図である。
【図6】図6(A) は評価実験における投光器、鉄板およ
びCdSセルの位置関係を示す説明図であり、図6(B)
は受光部のCdSセルの配置間隔を示す説明図である。
【図7】発光部、パネルおよび受光部の距離関係を評価
した実験における評価結果を示す表である。
【図8】図7に示す評価結果をグラフ化した特性図であ
る。
【図9】従来の亀裂検出装置を示す模式的構成図であ
る。
【符号の説明】
21 鋼板素材 22 パネル(ワーク) 23a、23b 溶接部 25 搬送装置 30 亀裂検出装置 33 軸受部(軸支) 34 受光部(受光体) 36 CdSセル(受光体) 40 腕部(腕部材) 42c 垂直支持部(支持部) 42d 水平支持部(支持部) 44 発光部(発光体) 46a、46b、46c LEDアレー(発光体) 48 軸部(軸支) 50 スプリング(付勢手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合溶接工法により接続された鋼板素材
    にプレス加工を施し成形したワークの溶接部における亀
    裂の有無を検査する亀裂検出装置であって、 前記ワークの搬送側の面を前記溶接部に沿って覆う腕部
    材と、 前記腕部材の前記ワーク側に設けられた発光体と、 前記ワークの反腕部材側に前記溶接部に沿って配設され
    る受光体と、 を備えることを特徴とする亀裂検出装置。
  2. 【請求項2】 前記腕部材は、 前記ワークの長手方向に対し交差する方向に開閉可能に
    軸支されるとともに、 載置されるワークの自重による力により閉方向に付勢す
    る支持部と、 前記ワークを載置した前記支持部による閉方向に付勢す
    る力よりも小さい付勢力によって開方向に付勢する付勢
    手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の亀裂検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記発光体は、複数の発光ダイオードか
    らなることを特徴とする請求項1または2記載の亀裂検
    出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012135799A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Daihatsu Motor Co Ltd プレス金型

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JP2012135799A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Daihatsu Motor Co Ltd プレス金型

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