JPH11281581A - 表面欠陥検査装置,表面欠陥検査方法及び表面欠陥検査用のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

表面欠陥検査装置,表面欠陥検査方法及び表面欠陥検査用のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JPH11281581A
JPH11281581A JP10044698A JP10044698A JPH11281581A JP H11281581 A JPH11281581 A JP H11281581A JP 10044698 A JP10044698 A JP 10044698A JP 10044698 A JP10044698 A JP 10044698A JP H11281581 A JPH11281581 A JP H11281581A
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JP10044698A
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Yoshihiro Yamahana
義博 山華
Hitoshi Kubota
整 久保田
Katsuichi Ono
勝一 小野
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で高精度で被検査面の欠陥を検査
できる表面欠陥検査装置及び表面欠陥検査方法、更に表
面欠陥検査用のプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体を提供すること。 【解決手段】 被検査面に所定の検査光を照射する照明
手段と、被検査面を撮像する撮像手段と、この撮像手段
で得られた画像に基づいて被検査面の欠陥を抽出する画
像処理手段とを備える。そして、照明手段を、検査光を
照射する光源と、この光源の照明状態を変化させる照明
制御部とにより構成し、画像処理手段は、相互に異なる
照明状態での画像を比較して欠陥を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面欠陥検査装置
およびこれを用いた表面欠陥検査方法,更には表面欠陥
検査用のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体に係り、特に、被検査面(塗装面)の状態
の検査作業を光学的に自動で行うことができる発明に関
する。尚、本発明は、金属表面等の微小欠陥の検査にも
好適に応用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の生産行程において、
自動車ボディ等に塗装が施された場合の表面の検査は、
塗装工程の後に人間が目視によって行っていた。このと
き、塗装条件によっては、塗装後の塗装面にはゴミや塵
等に起因するいわゆる「ブツ」や、塗装面に残留してい
る油脂分に起因する「はじき」と呼ばれる欠陥が生じる
ことがあり、人間が時間を費やして欠陥検査を行ってい
た。
【0003】この不都合を改善するために、この塗装面
の検査作業を、光学的に自動で行う表面欠陥検査装置と
して、種々の方式が提案されている。たとえば、特開平
8−086634号公報(表面欠陥検査装置)に開示さ
れているものがある。当該従来例の表面欠陥検査装置
は、光源として直線状に配列された蛍光灯、レーザ、L
EDなどを用い、スリット光やスリットパターン光をつ
くり出して、これを塗装後のボディ表面に照射して、表
面に凸凹があったときに生じる明度差や明度変化を受光
画像として検査し、塗装面の欠陥を検査する装置であ
る。
【0004】また、特開平8−145906号公報に開
示されている発明は、図1に示すように、スリットパタ
ーンを形成できる照明手段57を用いた表面欠陥検査装
置である。具体的な構成としては、先ず、被検査面(塗
装面)53若しくは撮像手段61のいずれかを移動さ
せ、撮像時刻の異なる複数枚の画像から欠陥候補点を抽
出する。そして、被検査面53若しくは撮像手段61の
移動量と欠陥候補点の移動量とを比較して欠陥の真偽を
決定するものである。この従来例が目的とするのは、正
常な塗装面を欠陥であると誤検査したり、逆に本来欠陥
であるものを正常な塗装面である、と検査するような誤
りを抑制することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例には以下のような不都合があった。即ち、単純に
スリット光を照射して、この画像を取り込んで画像処理
をする装置では、1枚の画像しか用いないので、僅かな
画像の乱れ(明度の変化)を欠陥として検査してしまう
場合がある。逆に、検査感度の設定によっては、小さな
欠陥を見逃してしまう、という不具合が存在する。
【0006】また、特開平8−145906号公報に開
示された発明では、被検査面53若しくは撮像手段61
の移動量が、欠陥検査のための重要な構成要素となって
いる。従って、これらの移動量を検査するための装置お
よび処理(画像処理、計算処理等)を必要とし、装置自
体が複雑なものになる、という不都合を生じていた。
【0007】さらに、特開平8−145906号公報に
開示された発明では、スリットパターンを形成する照明
手段57を用いているため、スリット照明を用いるより
も、欠陥部と正常部との明暗(コントラスト)が生じに
くく、欠陥検査の能力が低い、という不都合を生じてい
た。
【0008】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、簡易な構造で高精度で被検査面の欠陥
を検査できる表面欠陥検査装置及び表面欠陥検査方法、
更に表面欠陥検査用のプログラムを記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体を提供することを、その目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明では、被検査面に所定の検
査光を照射する照明手段と、前記被検査面を撮像する撮
像手段と、この撮像手段で得られた画像に基づいて被検
査面の欠陥を抽出する画像処理手段とを備える。そし
て、前記照明手段を、前記検査光を照射する光源と、こ
の光源の照明状態を変化させる照明制御部とにより構成
し、前記画像処理手段は、相互に異なる照明状態での画
像を比較して前記欠陥を検出する、という構成を採って
いる。
【0010】以上のように構成されたことにより、一定
の検査領域を撮像手段で撮像し、得られた画像から欠陥
候補点を抽出することができる。このとき、異なる照明
状態での欠陥候補点同士を比較して、いずれの照明状態
の時にも欠陥として含まれているものを欠陥として検出
することができる。
【0011】請求項2記載の発明では、前記画像処理手
段は、前記撮像手段から得られた画像の明度の変化が所
定値を超える部分を欠陥候補点として抽出し、この抽出
した欠陥候補点の画像上の座標を記録し、更に異なる照
明状態での画像から得られた欠陥候補点の座標を記録す
ると共に、これら記録された欠陥候補点のうち座標が一
致するものを欠陥として決定する欠陥決定機能を有する
という構成を採り、その他の構成は請求項1記載の発明
と同様である。
【0012】請求項3記載の発明では、前記照明手段に
おいて、前記光源は複数に分割された光源ユニットであ
り、前記照明制御部は前記各光源ユニットの点灯を切り
換える切換機能を有するという構成を採り、その他の構
成は請求項1又は2記載の発明と同様である。以上のよ
うに構成されたことにより、照明制御部が各光源ユニッ
トへの電流を切り換え制御すると、これに伴い迅速に被
検査面における照明状態が切り換わる。従って、この切
り換えの前後について迅速に画像を取り込むことがで
き、結果として欠陥検出が迅速に行える。
【0013】請求項4記載の発明では、前記照明手段の
照明制御部は、前記被検査面の照明状態が明部,暗部及
び明暗遷移部となるように前記光源ユニットの動作を制
御するという構成を採り、その他の構成は請求項3記載
の発明と同様である。以上のように構成されたことによ
り、撮像手段で撮影される検査領域は、それぞれ異なる
光強度が含まれるように照明がなされる。被検査面の欠
陥は明暗遷移部において特にその明暗(コントラスト)
が生じやすく、欠陥として検出しやすい。
【0014】以上のように構成されたことにより、被検
査面に欠陥が存在すると、この欠陥において光が乱反射
する。このため、一方向から検査領域を撮像すると、欠
陥の部分の光強度はその周囲の光強度と大きく異なる。
一方、照明手段によって照射される検査光は、被検査面
に明部,明暗遷移部及び暗部を形成し、光強度の変化は
滑らかである。従って、光強度の変化が大きい部分を欠
陥として検出できる。
【0015】請求項5記載の発明では、前記画像処理手
段は、少なくとも3つの異なる照明状態での画像に基づ
いて欠陥の検出をするという構成を採り、その他の構成
は請求項1,2,3又は4記載の発明と同様である。以
上のように構成されたことにより、各照明状態から得ら
れた欠陥候補点を比較することにより、誤検出や検出漏
れを抑制することができる。
【0016】請求項6記載の発明では、被検査面に所定
の検査光を照射し、この被検査面を撮像して欠陥を検出
する表面欠陥検査方法において、被検査面に所定の検査
光を照射する工程と、前記被検査面を撮像する工程と、
撮像して得られた画像から明度の変化が所定値を超える
部分を欠陥候補点として抽出する工程と、この欠陥候補
点の座標を記録する工程と、しかる後、検査光の照明状
態を変化させて更に欠陥候補点を抽出してその座標を記
録する工程と、これら各欠陥候補点の座標を相互に比較
する工程と、この比較によって同一座標であると判断さ
れた欠陥候補点を欠陥として決定する工程とを備える、
という方法を採っている。
【0017】更に、請求項7記載の発明では、表面欠陥
検査用プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能
な記録媒体であって、被検査面に所定の検査光を照射す
るために照明手段を制御する処理と、被検査面の画像を
得るために撮像装置を制御する処理と、得られた画像か
ら明度の変化が所定値を超える部分を欠陥候補点として
抽出してこの欠陥候補点の座標値を記録する処理と、更
に、検査光の照明状態を変化させるために前記照明手段
を制御する処理と、変化後の照明状態で欠陥候補点を抽
出してその座標値を記録する処理と、これら各欠陥候補
点の座標を相互に比較する処理と、この比較によって同
一座標であると判断された欠陥候補点を欠陥として決定
する処理、とをコンピュータに実行させることを特徴と
している。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の表面欠陥検査装置1の
全体の概略図を示す。本発明の表面欠陥検査装置1で
は、被検査物の被検査面3に対向して所定の照明手段7
が設けられている。また、照明手段7の近傍には、被検
査面3からの反射光を受光して画像情報を形成する所定
の撮像手段11が配設されている。更に、撮像手段11
から得られた情報は所定の画像処理を行う画像処理手段
45に入力される。そしてこれらの動作は主制御部18
によって制御される。
【0019】以下詳細に説明する。 [照明手段]本発明の表面欠陥検査装置1に使用される
照明手段7は、図2に示すように、LEDによるスリッ
ト照明を用い、披検査物を徐々に暗くなるように照明す
るものである。具体的には、各光源ユニット7a,7b
…に分割されている。そして、各光源ユニット7a,7
b…は曲折部材15で連結されている。また、各光源ユ
ニット7a,7b…の相互間の曲折部材15には所定の
駆動モータ19が係合されている。この駆動モータ19
は、後述するように隣接する各光源ユニット7a,7b
…の角度を変えるためのものである。具体的には、駆動
モータ19の回転軸(図示略)は隣接する2つの光源ユ
ニットの一方側(例えば7a)に固定され、駆動モータ
19の本体は他方の光源ユニット(例えば7b)に固定
されている。
【0020】各光源ユニット7a,7b…は、図3に示
すように、複数のLED21と、このLED21を担持
する基板23と、LED21の前面に配設される拡散板
25により構成されている。本発明の光源ユニット7
a,7b…は、平面形状が長方形となっており、LED
21は図3(A)に示すように幅方向に5個配列され、
図3(B)に示すように、長さ方向には12個配列され
ている。従って、一つの光源ユニット7aには全体で6
0個のLED21が装備されている。尚、基板23に実
装するLED21の個数については一例であり、光源ユ
ニット7a,7b…の幅方向及び長さ方向とも、LED
21の数を増減することは可能である。
【0021】また、光源ユニット7a,7b…の各LE
D21には、照明制御部34の光強度調整回路33から
の電力線31が接続されている。より詳しくは、光源ユ
ニット7a,7b…の長さ方向に配列された12個のL
ED21は同一系統の電力線31で接続され、幅方向に
隣接するLED同士は異なる系統の電力線に接続されて
いる(図2,図3参照)。従って、本発明の表面欠陥検
査装置1では、各光源ユニット7a,7b…に5系統の
電力線がそれぞれ接続されることになる。このため、各
系統毎の発光のオン/オフおよび光強度の調節が可能と
なっている。尚、LED21の数が増えた場合にはこれ
に合わせて上記電力線31の数を増やす必要がある。
【0022】また、図3に示すように、LED21の前
面に配設される拡散板25は、所定の脚部材27を介し
て基板23に取り付けられている。この拡散板25は、
LED21が発した光を僅かに拡散させて、被検査物3
に検査光5を照射するためのものである。各光源ユニッ
ト7a,7b…のLED21の光強度は、光強度調整手
段33によって適切に制御され、各光源ユニット毎に異
なる光強度の検査光5を被検査物3に照射することがで
きる。尚、図2に示すように、本発明の表面欠陥検査装
置1では、光源ユニット7a,7b…の数は全体で5組
であるが、これは一例であって任意の個数とすることが
できる。
【0023】また、照明手段7の各駆動モータ19には
それぞれ角度調整回路35からの制御線37が接続され
ている(図2参照)。この制御線37は、主制御部18
から駆動モータ19に対して各光源ユニット7a,7b
…の相互の角度を変更するための制御信号を送信するも
のである。各駆動モータ19は主制御部18からの制御
信号に基づいて、それぞれ独立に制御される。従って、
相互に連結された各光源ユニット7a,7b…は任意の
曲折形状を採ることができる。より詳しくは、被検査物
3の曲率に応じて、各光源ユニット7a,7b…はその
曲折角度が決定される。
【0024】以上のように構成された照明手段7を用い
ることで、被検査面3での明度の照明状態を高速に切り
換えることができる。
【0025】[撮像手段]次に、本実施形態にかかる表
面欠陥検査装置1に用いられる撮像手段11について説
明する。撮像手段11は被検査物3の表面から反射され
る反射光9を受光して、画像を取り込むものである。具
体的には、本実施形態では、エリア型のCCDカメラが
用いられている。そして、撮像手段11によって得られ
た画像情報が画像処理手段45に伝達されるようになっ
ている。尚、撮像手段11は、被検査面3の画像を撮影
することができるものであればその種類は不問である。
【0026】[画像処理手段]画像処理手段45は、撮
像手段11から取り込まれた画像情報に基づいて、被検
査面3の欠陥の有無を特定するものである。具体的に
は、取り込まれた画像情報に基づいて二値化処理、欠陥
候補点の座標値特定及び座標値の記録を行い、複数の画
像から得られた欠陥候補点の情報に基づいて、欠陥を検
査するものである。詳しい動作については後述する。
【0027】[主制御部]主制御部18は、照明制御部
34を介して光源ユニット7a,7b…を制御する。ま
た、画像処理手段45を制御することにより欠陥検査を
行い、得られた欠陥情報を受信して所定の出力手段(図
示略)に出力する。
【0028】[表面欠陥検査工程]次に、表面欠陥検査
の工程を説明する。先ず、図4は、上記した照明手段7
の特定の光源ユニットを発光させ、被検査面3を照射し
た図を示す。特に、図4は検査領域の内、P3の部分を
中心に検査光5が照射されている明部を示している。従
って、P1とP2の領域は僅かに検査光5が照射されて
いる明暗遷移部である。更に、P1及びPnは全く検査
光5が照射されていない暗部領域である。
【0029】図5は、被検査面3に欠陥が有る場合に、
照明手段7で検査光5を照射した時に得られる画像を示
す図である。左側の図5の符号(A)は、照明ユニット
7aを点灯させた場合の状態を示す。この図では、検査
領域の左端部に最も検査光5が強く照射されており、こ
の領域が明部となっている。そして、この明部の右隣が
明暗遷移部であり、更に右方は全く検査光5が照射され
ていない暗部領域である。欠陥は中央部に存在してお
り、光の乱反射によって欠陥の部分が周辺の領域より明
るくなっている。
【0030】検査領域の画像を表す図の下のグラフは、
欠陥のある位置を走査したときの画像における光強度を
表すものである。このグラフから判るように、左端の光
強度が最も高く、右に行くに従い徐々に光強度が低下す
る。しかし、欠陥のある部分は光強度が高いので、グラ
フのように、スパイク状の変化が現れる。さらに光強度
のグラフの下は、光強度を微分した場合のグラフであ
る。尚、微分値は絶対値をグラフに表している。
【0031】図5の符号(A)のグラフのように、微分
値が算出されれば、所定のしきい値を設定し、このしき
い値を超える部分を欠陥と判定できる。
【0032】図5の符号(B)は、光源ユニット7bを
点灯させ、明部を僅かに右方にずらした状態を示す画像
を表す図である。この場合も図5の符号(A)の場合と
同様に、欠陥の部分を走査すると、光強度及びその微分
値を表すグラフが得られる。欠陥の部分では、光強度が
大きく変化しているので、欠陥として検査できる。
【0033】更に図5の符号(C)は、欠陥が存在して
いる領域(ほぼ中央部)に検査光5が照射されている状
態の画像を示す図である。特に図5の符号(C)では、
検査光5の照射の仕方によって、欠陥からの反射光の光
強度が低く、その周囲の光強度が高い状態である。この
ような場合にも、光強度の違いにより、欠陥を検査する
ことができる。
【0034】図6は、上記した図4若しくは図5に示し
た欠陥検査の手法を用いて、欠陥検査の精度を向上させ
るための工程を示すフローチャートである。また、図7
は、上から順に、被検査面3の照明状態,撮像装置11
によって撮像された原画像、図5に示した手法によって
原画像を二値化して欠陥候補点として抽出した図、更
に、抽出された欠陥候補点のそれぞれの座標、そして得
られた欠陥候補点の情報から欠陥として決定された検査
した座標をそれぞれ示している。
【0035】順を追って欠陥検査の工程を説明する。こ
こでの前提条件は、図7の符号(A)に示すように検査
領域内に4個(1,3,4,5,)の欠陥が有る場合で
ある。尚、図7の符号(A)の番号1,4,5は凸状の
欠陥であるいわゆる「ブツ」を示し、番号3は凹状の欠
陥である「はじき」をそれぞれ示している。番号2は塗
装面の欠陥ではないが、表面が滑らかでない部分を示し
ている。
【0036】先ず、光源ユニット7aが点灯した場合
に、P1部の光強度が最も高いと仮定する(図7の符号
(B)の場合)。このとき、図6に示すようにi=1が
入力され(図6中のステップS1)、これに伴ってi=
1に対応した光源ユニット7aが点灯し、P1領域が明
部となる(図6中のステップS2)。照明状態は図7の
符号(B)に示すように、P1領域から右方に行くに従
い明暗遷移部を介して暗部になって行く。このとき、各
欠陥部では光の乱反射が生じ、この状態の画像を取り込
むことで(図6中のステップS3)、原画像においてこ
れらの欠陥が撮像できる。撮像した原画像を走査して光
強度の微分値を計算することにより、欠陥候補点の抽出
をすることができる(図6中のステップS4)、ここ
で、図7の符号(B)は、番号1,2,3の部分を欠陥
候補点として抽出した場合を示している。
【0037】欠陥候補点が抽出されると、画像処理手段
45は、各欠陥の候補点の座標を求める。そして、欠陥
の候補点の情報としてi=1のときの欠陥候補点をK1
とおいて、各欠陥の座標(x1,y1)、(x2,y
2)、(x3,y3)を登録する。登録は、画像処理手
段45内のメモリに記憶して行う(図6中のステップS
5)。
【0038】次に、既に抽出されている欠陥候補点K1
−1,K1−2が記録されているか否かが判断される
(図6中のステップS6)。i=1の場合は当然Ki−
1,Ki−2は存在しないので、更に欠陥候補点の抽出
が行われる。具体的にはi=i+1(図6中のステップ
S13)によってi=2となる。そして、今度はP2に
対応した光源ユニット7bが点灯し(図6中のステップ
S2)、図7の符号(C)に示すように、P2領域が明
部となる(図6中のステップS2)。このとき、各欠陥
部では光の乱反射が生じ、この状態の画像を取り込むこ
とで(図6中のステップS3)、原画像においてこれら
の欠陥が撮像できる。撮像した原画像をから同様に欠陥
候補点の抽出をする(図6中のステップS4)。ここ
で、図7の符号(C)は、番号1,3,4の部分を欠陥
候補点として抽出した場合を示している。
【0039】欠陥候補点が抽出されると、画像処理手段
45は、各欠陥候補点の座標を求める。そして、欠陥候
補点の情報としてi=2のときの欠陥候補点をK2とお
いて、各欠陥候補点の座標(x1,y1)、(x3,y
3)、(x4,y4)を登録する。登録は、画像処理手
段45内の図示しないメモリに記憶して行う(図6中の
ステップS5)。
【0040】このようにして、i=3となるまで欠陥候
補点の抽出を行う。図7の符号(D)では、P3部に検
査光5が照射されている状態を示している。そして、欠
陥候補点として、番号1,3,4,5が抽出され(x
1,y1)、(x3,y3)、(x4,y4)、(x
5,y5)がK3として登録される(図6中のステップ
S5)。
【0041】このとき、初めて3回の抽出結果がそろう
ので、各測定回ごとの欠陥候補点がK1,K2,K3に
基づいて比較される(図6中のステップS7)。比較
は、i=3のとき、それぞれ3パターンの欠陥候補点K
1,K2,K3を比較し、全てのパターンの中に欠陥と
して存在する欠陥候補点が有るか否かを判断する(図6
中のステップS8)。そして、全てのパターンの中に存
在しているものを実際の欠陥と決定する(図6中のステ
ップS9)。図7の符号(D)においては、i=1,
2,3のいずれにも欠陥候補点として抽出された2点
(x1,y1)及び(x3,y3)が欠陥として決定さ
れる。
【0042】そして、次の検査のために、Ki−2で記
録した欠陥の候補点のデータを削除する(図6中のステ
ップS10)。一方、全てのパターンの中に欠陥候補点
が無いと判断された場合には、検査領域には欠陥が無い
と判断される(図6中のステップS14)。そして、次
の領域の欠陥を検査するために、Ki−2で記録した欠
陥候補点のデータを削除する(図6中のステップS1
0)。
【0043】続いて、iが所定のnの値に達したか否か
が判断される(図6中のステップS11)。本実施形態
では、n=4まで検査を行う場合を説明する。従って、
現在i=3であるので、更にi=i+1によりi=4と
する(図6中のステップS13)。これにより、P4の
領域に対応する光源ユニット7d(図2参照)が点灯し
(図6中のステップS2)、P4の領域が明部となる
(図7の符号(E)参照)。
【0044】このとき、各欠陥部では上記したように光
の乱反射が生じ、この状態の画像を取り込むことで(図
6中のステップS3)、原画像においてこれらの欠陥が
撮像できる。撮像した原画像により欠陥候補点を抽出す
る手法は同様である(図6中のステップS4)、ここ
で、図7の符号(E)は、番号3,4,5の部分を欠陥
候補点として抽出できた場合を示している。即ち、今回
の検査では、i=1の時に欠陥候補点とされた番号1,
2の点は欠陥として抽出されていない。これは、番号
1,2における光強度の変化(微分値)がしきい値を超
えなかったからである。
【0045】欠陥候補点が抽出されると、画像処理手段
45は、各欠陥候補点の座標を求める。そして、欠陥候
補点の情報としてi=4のときの欠陥候補点をK4とお
いて、各欠陥候補点の座標(x3,y3)、(x4,y
4)、(x5,y5)を登録する。登録は、画像処理手
段45内の図示しないメモリに記憶して行う(図6中の
ステップS5)。
【0046】次に、既に抽出されている欠陥候補点K
2,K3が記録されているか否かが判断される(図6中
のステップS6)。欠陥候補点K2,K3は既に登録さ
れているので、K1,K2,K3に登録された座標情報
に基づいて比較される(図6中のステップS7)。比較
は、i=4のとき、それぞれ3パターンの欠陥候補点を
比較し、全てのパターンの中に欠陥として存在する欠陥
候補点が有るか否かを判断する(図6中のステップS
8)。この点は上記と同様である。そして、全てのパタ
ーンの中に存在しているものを実際の欠陥と決定する
(図6中のステップS9)。図7の符号(D)において
は、i=2,3,4のいずれにも欠陥として抽出された
2点(x3,y3)及び(x4,y4)が欠陥として決
定される。
【0047】そして次に、iが目的の値まで到達したか
否かが判断される(図6中のステップS11)。例え
ば、n=4が最終であると仮定すると、i=4か否かが
判断される。そして、今回の検査でi=4に達している
ので、次に検査の終了指令が発せられているか否かが判
断される(図6中のステップS12)。このとき、未だ
終了指令が発せられていない場合には、被検査面3の検
査領域を変更して(図6中のステップS15)、新たに
表面欠陥検査を開始する。一方、終了指令が発せられて
いる場合には、表面欠陥検査を終了する。
【0048】以上の一連の工程により、検査領域の表面
欠陥検査が終了する。上記した実施形態では、最終的に
図7の符号(A)における番号1,3,4を欠陥として
検出することができた。尚、P5領域を明部にするよう
に光源ユニット7eを点灯させて同様の表面欠陥検査を
行うことにより、図7の符号(A)における番号5も欠
陥として検査することは可能である。
【0049】また、以上の工程によって欠陥が検査され
た場合には、以下のような利用が考えられる。即ち、塗
装のやり直しや塗装面の修正のために、正常なラインと
は異なる製造ラインに自動車ボディを流すことが考えら
れる。本発明では、これを自動でなし得るので、人間の
目視にたよって欠陥を検査する場合と比較して、検査漏
れ等が飛躍的に低減できる。
【0050】尚、上記の場合、欠陥候補点から欠陥とし
て決定する場合の判定を、Ki,Ki−1,Ki−2の
全てに登録されている欠陥候補点を用いて行った。しか
し、誤検査(欠陥でないものを欠陥として検査するこ
と)よりも検査漏れ(欠陥を見逃してしまうこと)が多
い場合には、Ki,Ki−1の2つに登録されている場
合としてもよい。具体的には、図7の符号(B)と図7
の符号(C)における欠陥候補点を比較し、両者に存在
する欠陥候補点である番号1,3を欠陥として決定す
る。
【0051】また、被検査面3の形状などにより、検査
エリアを一度で照明できないときは、Ki,Ki−1,
Ki−2に、Ki−3以前若しくはKi+1以降の欠陥
候補点を保持し、これらを追加して比較することで補う
ことができる。この場合でも、P1部を照明し、原画像
を取り込み、欠陥抽出し、欠陥候補点として登録すると
いう一連の工程は上記した実施形態と同様である。
【0052】尚、本発明の表面欠陥検査方法は、電子計
算機を用いることにより、容易に実施することができ
る。即ち、照明手段7を制御する処理と、照明された検
査領域を撮像手段11で撮像する処理と、得られた画像
から欠陥候補点を抽出してメモリに保持する処理と、以
上の処理を複数回行って各回の欠陥候補点の比較をする
処理と、各回に欠陥として抽出された欠陥候補点を欠陥
として決定する処理を電子計算機で実行させるためのプ
ログラムを表面欠陥検査装置の一部として備えるように
してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、画像
処理手段は、相互に異なる照明状態での画像を比較して
前記欠陥を検出する。このため、従来のように1つの画
像に基づいて欠陥を検出する場合に比較して、後検出や
検出漏れを確実に低減することができる。このことは、
欠陥を抽出する際に、欠陥か否かを判断する時のしきい
値の設定の自由度を向上させることができる、という優
れた効果を生じる。
【0054】また、本発明では、異なる照明状態での画
像中で明度が大きく変化する部分を欠陥候補点として抽
出し、得られた欠陥候補点の座標を記録すると共に、こ
れら記録された欠陥候補点のうち座標が一致するものを
欠陥として決定する欠陥決定機能を有する。このため、
複雑な計算処理をすることなく、真に欠陥である部分の
みを検出することができる、という優れた効果を生じ
る。
【0055】また、本発明では、前記照明手段の光源は
複数に分割された光源ユニットであり、前記照明制御部
は前記各光源ユニットの点灯を切り換える切換機能を有
している。このため、照明手段及び被検査面のいずれを
も移動させることなく、被検査面に対する照明状態を変
化させることができる。加えて、照明状態を変化させる
ための切り替えは、全て電気的に行われるので、照明状
態の切り替え高速に行うことができる、という優れた効
果を生じる。
【0056】また、本発明では、前記照明手段の照明制
御部は、前記被検査面の照明状態が明部,暗部及び明暗
遷移部となるように前記光源ユニットの動作を制御する
ことを特徴としている。このため、特に明暗遷移部に欠
陥が有る場合には、周囲とのコントラストが強く現れ
て、欠陥の検出精度を更に向上させることができる、と
いう優れた効果を生じる。
【0057】更に、本発明では、前記画像処理手段は、
少なくとも3つの異なる照明状態での画像に基づいて欠
陥の検出をすることとしている。従って、真に欠陥であ
る部分のみ検出することができると共に、欠陥とは言え
ないような被検査面の変化は誤検出しない、という優れ
た効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体概要図である。
【図2】図1に開示した表面欠陥検査装置に使用される
照明手段を示す斜視図である。
【図3】図2に開示した照明手段のを示す図であり、図
3(A)は正面図を示し、図3(B)は側面図を示す。
【図4】図2に開示した照明手段によって形成された検
査領域での照明状態を示す図である。
【図5】図2に開示した照明手段によって形成された検
査領域での照明状態を撮像して画像処理をした図であ
る。
【図6】欠陥候補点の抽出及び欠陥の決定工程を示すフ
ローチャートである。
【図7】図6に開示したフローチャートに基づいて各照
明状態での欠陥を決定する場合の、照明状態、原画像、
欠陥抽出、欠陥候補点の抽出及び欠陥の決定との関係を
示す図である。
【図8】従来の表面欠陥検査装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 表面欠陥検査装置 3 被検査面 5 検査光 7 照明手段(可変照明手段) 7a,7b,7c,7d,7e 光源ユニット 11 撮像装置 18 主制御部 34 照明制御部 45 画像処理手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査面に所定の検査光を照射する照明
    手段と、前記被検査面を撮像する撮像手段と、この撮像
    手段で得られた画像に基づいて被検査面の欠陥を抽出す
    る画像処理手段とを備え、 前記画像処理手段は、相互に異なる照明状態での画像を
    比較して前記欠陥を検出するものであり、 前記照明手段を、前記検査光を照射する光源と、この光
    源の照明状態を変化させる照明制御部とにより構成した
    ことを特徴とした表面欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 前記画像処理手段は、前記撮像手段から
    得られた画像の明度の変化が所定値を超える部分を欠陥
    候補点として抽出し、この抽出した欠陥候補点の画像上
    の座標を記録し、更に異なる照明状態での画像から得ら
    れた欠陥候補点の座標を記録すると共に、これら記録さ
    れた欠陥候補点のうち座標が一致するものを欠陥として
    決定する欠陥決定機能を有することを特徴とした請求項
    1記載の表面欠陥検査装置。
  3. 【請求項3】 前記照明手段において、前記光源は複数
    に分割された光源ユニットであり、前記照明制御部は前
    記各光源ユニットの点灯を切り換える切換機能を有する
    ことを特徴とした請求項1又は2記載の表面欠陥検査装
    置。
  4. 【請求項4】 前記照明手段の照明制御部は、前記被検
    査面の照明状態が明部,暗部及び明暗遷移部となるよう
    に前記光源ユニットの動作を制御することを特徴とした
    請求項3記載の表面欠陥検査装置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理手段は、少なくとも3つの
    異なる照明状態での画像に基づいて欠陥の検出をするこ
    とを特徴とした請求項1,2,3又は4記載の表面欠陥
    検査装置
  6. 【請求項6】 被検査面に所定の検査光を照射し、この
    被検査面を撮像して欠陥を検出する表面欠陥検査方法に
    おいて、 被検査面に所定の検査光を照射する工程と、前記被検査
    面を撮像する工程と、撮像して得られた画像から明度の
    変化が所定値を超える部分を欠陥候補点として抽出する
    工程と、この欠陥候補点の座標を記録する工程と、 しかる後、検査光の照明状態を変化させて更に欠陥候補
    点を抽出してその座標を記録する工程と、これら各欠陥
    候補点の座標を相互に比較する工程と、この比較によっ
    て同一座標であると判断された欠陥候補点を欠陥として
    決定する工程とからなる表面欠陥検査方法。
  7. 【請求項7】 被検査面に所定の検査光を照射するため
    に照明手段を制御する処理と、被検査面の画像を得るた
    めに撮像装置を制御する処理と、得られた画像から明度
    の変化が所定値を超える部分を欠陥候補点として抽出し
    てこの欠陥候補点の座標値を記録する処理と、 更に、検査光の照明状態を変化させるために前記照明手
    段を制御する処理と、変化後の照明状態で欠陥候補点を
    抽出してその座標値を記録する処理と、これら各欠陥候
    補点の座標を相互に比較する処理と、この比較によって
    同一座標であると判断された欠陥候補点を欠陥として決
    定する処理、とをコンピュータに実行させるためのプロ
    グラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒
    体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003028805A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Kurabo Ind Ltd 表面性状評価装置
JP2012208084A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Anritsu Sanki System Co Ltd X線異物検出装置
JP2016534329A (ja) * 2013-10-24 2016-11-04 フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ 欠陥検査システム及び方法

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