JPH0814867A - 表面状態検査方法及びその装置 - Google Patents
表面状態検査方法及びその装置Info
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- JPH0814867A JPH0814867A JP6152287A JP15228794A JPH0814867A JP H0814867 A JPH0814867 A JP H0814867A JP 6152287 A JP6152287 A JP 6152287A JP 15228794 A JP15228794 A JP 15228794A JP H0814867 A JPH0814867 A JP H0814867A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被検査面上の光照射部分の撮像画像を画像処
理して被検査面の表面状態を検査するに際して、照明光
の映し込み部分とその外側領域との境界部分における物
品表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥の誤検知を防
止する。 【構成】 被検査面に光度勾配が付けられた照明光を照
射しながらその照射部分を撮像領域中に映し込むように
して上記被検査面を撮像し、得られた撮像画像を2値化
処理した後、上記照明光の映し込み部分とその境界部分
とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次施し、
この処理後の画像上において被検査面の欠陥部を示す画
素領域のうち、画素個数が所定値よりも少ないものを真
の欠陥として認識することを特徴とし、また、上記膨張
処理の前に、上記撮像画像における検査対象部分の所定
の光学特性を特定方向について微分する微分処理を上記
2値化処理と共に施すことを特徴とする。
理して被検査面の表面状態を検査するに際して、照明光
の映し込み部分とその外側領域との境界部分における物
品表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥の誤検知を防
止する。 【構成】 被検査面に光度勾配が付けられた照明光を照
射しながらその照射部分を撮像領域中に映し込むように
して上記被検査面を撮像し、得られた撮像画像を2値化
処理した後、上記照明光の映し込み部分とその境界部分
とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次施し、
この処理後の画像上において被検査面の欠陥部を示す画
素領域のうち、画素個数が所定値よりも少ないものを真
の欠陥として認識することを特徴とし、また、上記膨張
処理の前に、上記撮像画像における検査対象部分の所定
の光学特性を特定方向について微分する微分処理を上記
2値化処理と共に施すことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面状態検査方法及
びその装置、特に、被検査面に照明光を照射しながらそ
の照射部分を撮像領域中に映し込むようにして上記被検
査面を撮像し、得られた撮像画像を画像処理することに
よって上記被検査面の表面状態を検査するようにした表
面状態検査方法及びその装置に関する。
びその装置、特に、被検査面に照明光を照射しながらそ
の照射部分を撮像領域中に映し込むようにして上記被検
査面を撮像し、得られた撮像画像を画像処理することに
よって上記被検査面の表面状態を検査するようにした表
面状態検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品の表面状態を検査する場合、
検査員の目視による検査方法が慣用されている。例え
ば、自動車の車体の表面状態検査を例にとって説明すれ
ば、自動車の車体表面には、通常、製造ライン中に設け
た塗装ステーションにおいて所定の塗装が施され、この
塗装後における車体の表面状態の検査(つまり、主とし
て塗装欠陥の検査)は、従来、検査員の目視によって行
なわれている。しかしながら、車体表面の塗膜における
微小な欠陥部を目視検査で正確に検出することは一般に
困難であり、これを漏れなく発見するために、検査員は
大きな神経的負担と肉体的にもかなり厳しい作業が強い
られることになる。
検査員の目視による検査方法が慣用されている。例え
ば、自動車の車体の表面状態検査を例にとって説明すれ
ば、自動車の車体表面には、通常、製造ライン中に設け
た塗装ステーションにおいて所定の塗装が施され、この
塗装後における車体の表面状態の検査(つまり、主とし
て塗装欠陥の検査)は、従来、検査員の目視によって行
なわれている。しかしながら、車体表面の塗膜における
微小な欠陥部を目視検査で正確に検出することは一般に
困難であり、これを漏れなく発見するために、検査員は
大きな神経的負担と肉体的にもかなり厳しい作業が強い
られることになる。
【0003】このような検査員の負担を軽減するため
に、物品の表面状態検査を自動化する方法が種々考えら
れており、例えば、特開平4−204314号公報に
は、光照射手段によって物品表面に光を照射しながら該
物品表面を撮像し、得られた撮像画像に所定の画像処理
を施して当該表面の欠陥を自動的に検出する方法が開示
されている。また、上記従来公報では、被検査面に照明
光を照射するに際して、所定の方向に沿って光度が大か
ら小に徐々に変化するように設定された光度分布を与え
る方法が提案されている。このように照明光に光度勾配
を付与することにより、より微細な表面欠陥の検出が可
能になる。
に、物品の表面状態検査を自動化する方法が種々考えら
れており、例えば、特開平4−204314号公報に
は、光照射手段によって物品表面に光を照射しながら該
物品表面を撮像し、得られた撮像画像に所定の画像処理
を施して当該表面の欠陥を自動的に検出する方法が開示
されている。また、上記従来公報では、被検査面に照明
光を照射するに際して、所定の方向に沿って光度が大か
ら小に徐々に変化するように設定された光度分布を与え
る方法が提案されている。このように照明光に光度勾配
を付与することにより、より微細な表面欠陥の検出が可
能になる。
【0004】上記のような画像処理技術を利用して表面
状態検査を行う場合、撮像画像を所定の閾値に基づいて
(つまり、各画素の濃淡値を予め設定された基準値と比
較して)いわゆる2値化処理し、この2値化処理で得ら
れた画像に基づいて欠陥検出を行う方法が、一般に良く
知られている。また、他の方法としては、上記撮像画像
における検査対象部分の光学特性(例えば輝度など)を特
定方向について微分処理し、その処理結果に基づいて欠
陥検出を行う方法が知られている。すなわち、被検査領
域に欠陥が存在すれば、この欠陥部位において上記映し
込み部分の光学特性レベルが大きく変化するので、微分
値の絶対値が所定値以上であることをもって、その部位
に欠陥有りと判定することができる。この方法は、換言
すれば、上記特定方向において隣接する画素を相対比較
して欠陥検出を行うもので、各画素の濃淡値に対して絶
対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の方法に加え
て、本方法を併用することにより、より一層精度の高い
欠陥検出を行うことができる。
状態検査を行う場合、撮像画像を所定の閾値に基づいて
(つまり、各画素の濃淡値を予め設定された基準値と比
較して)いわゆる2値化処理し、この2値化処理で得ら
れた画像に基づいて欠陥検出を行う方法が、一般に良く
知られている。また、他の方法としては、上記撮像画像
における検査対象部分の光学特性(例えば輝度など)を特
定方向について微分処理し、その処理結果に基づいて欠
陥検出を行う方法が知られている。すなわち、被検査領
域に欠陥が存在すれば、この欠陥部位において上記映し
込み部分の光学特性レベルが大きく変化するので、微分
値の絶対値が所定値以上であることをもって、その部位
に欠陥有りと判定することができる。この方法は、換言
すれば、上記特定方向において隣接する画素を相対比較
して欠陥検出を行うもので、各画素の濃淡値に対して絶
対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の方法に加え
て、本方法を併用することにより、より一層精度の高い
欠陥検出を行うことができる。
【0005】ところで、上記のような光照射を用いた表
面状態検査において被検査面を撮像する場合、被検査面
上の照明光による照射部分の大きさよりも撮像範囲(つ
まりビデオカメラ等の撮像手段の視野の大きさ)の方が
大きいときには、被検査面の照明光による照射部分を撮
像領域中に映し込むようにして撮像することになる。こ
の場合には、撮像画像のうち上記照明光の映し込み部分
に対して画像処理が行なわれる。
面状態検査において被検査面を撮像する場合、被検査面
上の照明光による照射部分の大きさよりも撮像範囲(つ
まりビデオカメラ等の撮像手段の視野の大きさ)の方が
大きいときには、被検査面の照明光による照射部分を撮
像領域中に映し込むようにして撮像することになる。こ
の場合には、撮像画像のうち上記照明光の映し込み部分
に対して画像処理が行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに被検査面の照明光による照射部分を撮像領域中に映
し込むようにして撮像して画像を得た場合、上記照明光
の映し込み部分とその外側領域との境界部分で物品表面
の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥の誤検知が多くなる
という問題があった。すなわち、物品の表面(例えば、
自動車の車体であれば塗膜の表面)は完全な鏡面状では
ないので、上記映し込み部分とその外側領域との境界を
示す輪郭線には多少の凹凸が生じる。このため、この境
界部分あるいはその近傍では、特に欠陥がなくても、隣
接する画素どうしで光学特性レベルが大きく変化する部
位が生じることとなり、かかる部位が欠陥と誤認される
のである。尚、上記のような撮像画像では、上記照明光
の映し込み部分の外側領域は、照明光の正反射がない領
域であるので、実際には欠陥がなくてもその領域内の画
素全部が欠陥部の場合と同様の光学特性を示すことにな
る。
うに被検査面の照明光による照射部分を撮像領域中に映
し込むようにして撮像して画像を得た場合、上記照明光
の映し込み部分とその外側領域との境界部分で物品表面
の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥の誤検知が多くなる
という問題があった。すなわち、物品の表面(例えば、
自動車の車体であれば塗膜の表面)は完全な鏡面状では
ないので、上記映し込み部分とその外側領域との境界を
示す輪郭線には多少の凹凸が生じる。このため、この境
界部分あるいはその近傍では、特に欠陥がなくても、隣
接する画素どうしで光学特性レベルが大きく変化する部
位が生じることとなり、かかる部位が欠陥と誤認される
のである。尚、上記のような撮像画像では、上記照明光
の映し込み部分の外側領域は、照明光の正反射がない領
域であるので、実際には欠陥がなくてもその領域内の画
素全部が欠陥部の場合と同様の光学特性を示すことにな
る。
【0007】ところで、画像処理における処理技術の一
種として、いわゆる膨張処理および収縮処理はこの分野
において良く知られている。これらの処理は、2値化画
像において、1の画素領域をその境界からそれぞれ所定
の方向(例えば4連結であれば上下左右の各方向)に広げ
る、もしくは縮める処理で、2値図形を膨張もしくは収
縮させるものである。この膨張処理と収縮処理とを組み
合わせることにより、種々の効果的な図形処理を行うこ
とが可能となる。
種として、いわゆる膨張処理および収縮処理はこの分野
において良く知られている。これらの処理は、2値化画
像において、1の画素領域をその境界からそれぞれ所定
の方向(例えば4連結であれば上下左右の各方向)に広げ
る、もしくは縮める処理で、2値図形を膨張もしくは収
縮させるものである。この膨張処理と収縮処理とを組み
合わせることにより、種々の効果的な図形処理を行うこ
とが可能となる。
【0008】そこで、この発明は、上記膨張処理および
収縮処理を適用することにより、照明光の映し込み部分
とその外側領域との境界部分における物品表面の欠陥以
外の肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止するこ
とができる表面状態検査方法及びその装置を提供するこ
とを主目的としてなされたものである。
収縮処理を適用することにより、照明光の映し込み部分
とその外側領域との境界部分における物品表面の欠陥以
外の肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止するこ
とができる表面状態検査方法及びその装置を提供するこ
とを主目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、被検査面に
照明光を照射しながらその照射部分を撮像領域中に映し
込むようにして上記被検査面を撮像し、得られた撮像画
像を画像処理することによって上記被検査面の表面状態
を検査する表面状態検査方法であって、上記撮像画像を
2値化処理した後、上記照明光の映し込み部分とその境
界部分とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次
施し、この処理後の画像上において上記被検査面の欠陥
部を示す画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少な
いものを真の欠陥として認識することを特徴としたもの
である。
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、被検査面に
照明光を照射しながらその照射部分を撮像領域中に映し
込むようにして上記被検査面を撮像し、得られた撮像画
像を画像処理することによって上記被検査面の表面状態
を検査する表面状態検査方法であって、上記撮像画像を
2値化処理した後、上記照明光の映し込み部分とその境
界部分とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次
施し、この処理後の画像上において上記被検査面の欠陥
部を示す画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少な
いものを真の欠陥として認識することを特徴としたもの
である。
【0010】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
膨張処理の前に、上記撮像画像における検査対象部分の
所定の光学特性を特定方向について微分する微分処理を
上記2値化処理と共に施すことを特徴としたものであ
る。
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
膨張処理の前に、上記撮像画像における検査対象部分の
所定の光学特性を特定方向について微分する微分処理を
上記2値化処理と共に施すことを特徴としたものであ
る。
【0011】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1または第2の発明にお
いて、上記照明光は、所定の方向に沿って光度が大から
小に徐々に変化するように設定された光度分布を有して
いることを特徴としたものである。
第3の発明という)は、上記第1または第2の発明にお
いて、上記照明光は、所定の方向に沿って光度が大から
小に徐々に変化するように設定された光度分布を有して
いることを特徴としたものである。
【0012】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、被検査面に照明光を照射
する光照射手段と、該光照射手段による照射部分を撮像
領域中に映し込むようにして上記被検査面を撮像する撮
像手段と、該撮像手段で得られた撮像画像を画像処理す
る画像処理手段と、該画像処理手段の出力データに基づ
いて、上記被検査領域内の表面欠陥部を認識する欠陥認
識手段とを備えた表面状態検査装置であって、上記画像
処理手段は、上記撮像画像を2値化処理した後、照明光
の映し込み部分とその境界部分とを含む画像領域に膨張
処理と収縮処理とを順次施し、上記欠陥認識手段は、上
記処理後の画像上において上記被検査面の欠陥部を示す
画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少ないものを
真の欠陥として認識することを特徴としたものである。
(以下、第4の発明という)は、被検査面に照明光を照射
する光照射手段と、該光照射手段による照射部分を撮像
領域中に映し込むようにして上記被検査面を撮像する撮
像手段と、該撮像手段で得られた撮像画像を画像処理す
る画像処理手段と、該画像処理手段の出力データに基づ
いて、上記被検査領域内の表面欠陥部を認識する欠陥認
識手段とを備えた表面状態検査装置であって、上記画像
処理手段は、上記撮像画像を2値化処理した後、照明光
の映し込み部分とその境界部分とを含む画像領域に膨張
処理と収縮処理とを順次施し、上記欠陥認識手段は、上
記処理後の画像上において上記被検査面の欠陥部を示す
画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少ないものを
真の欠陥として認識することを特徴としたものである。
【0013】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第4の発明におい
て、上記画像処理手段は、上記膨張処理の前に、上記撮
像画像における検査対象部分の所定の光学特性を特定方
向について微分する微分処理を上記2値化処理と共に施
すことを特徴としたものである。
(以下、第5の発明という)は、上記第4の発明におい
て、上記画像処理手段は、上記膨張処理の前に、上記撮
像画像における検査対象部分の所定の光学特性を特定方
向について微分する微分処理を上記2値化処理と共に施
すことを特徴としたものである。
【0014】また、更に、本願の請求項6に係る発明
(以下、第6の発明という)は、上記第4または第5の発
明において、上記光照射手段は、所定の方向に沿って光
度が大から小に徐々に変化するように設定された光度分
布を有する照明光を上記被検査面に照射することを特徴
としたものである。
(以下、第6の発明という)は、上記第4または第5の発
明において、上記光照射手段は、所定の方向に沿って光
度が大から小に徐々に変化するように設定された光度分
布を有する照明光を上記被検査面に照射することを特徴
としたものである。
【0015】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記撮像画
像を2値化処理した後、上記照明光の映し込み部分とそ
の境界部分とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを
順次施すようにしたので、上記照明光の映し込み部分と
その外側領域との境界部分に、物品表面の欠陥以外の肌
特性に起因する欠陥表示部が含まれている場合でも、上
記膨張処理を施すことにより、境界部分に存在する上記
欠陥表示部は外側領域に合体される。一方、上記境界部
分以外の映し込み部分に欠陥があった場合、上記膨張処
理の後に収縮処理を施すことにより、欠陥を示す画素領
域は一旦膨張させられた後もとの大きさに戻される。そ
して、この処理後の画像上において上記被検査面の欠陥
部を示す画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少な
い(画素領域の面積が所定値よりも小さい)ものを真の欠
陥として認識するようにしたので、上記境界部分以外の
映し込み部分に欠陥が存在する場合には支障なくこれを
検出することができる一方、上記映し込み部分の外側領
域に合体された上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認される
ことはなくなる。すなわち、照明光の映し込み部分とそ
の外側領域との境界部分における物品表面の欠陥以外の
肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止し、より精
度の高い表面状態検査を行うことができる。
像を2値化処理した後、上記照明光の映し込み部分とそ
の境界部分とを含む画像領域に膨張処理と収縮処理とを
順次施すようにしたので、上記照明光の映し込み部分と
その外側領域との境界部分に、物品表面の欠陥以外の肌
特性に起因する欠陥表示部が含まれている場合でも、上
記膨張処理を施すことにより、境界部分に存在する上記
欠陥表示部は外側領域に合体される。一方、上記境界部
分以外の映し込み部分に欠陥があった場合、上記膨張処
理の後に収縮処理を施すことにより、欠陥を示す画素領
域は一旦膨張させられた後もとの大きさに戻される。そ
して、この処理後の画像上において上記被検査面の欠陥
部を示す画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少な
い(画素領域の面積が所定値よりも小さい)ものを真の欠
陥として認識するようにしたので、上記境界部分以外の
映し込み部分に欠陥が存在する場合には支障なくこれを
検出することができる一方、上記映し込み部分の外側領
域に合体された上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認される
ことはなくなる。すなわち、照明光の映し込み部分とそ
の外側領域との境界部分における物品表面の欠陥以外の
肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止し、より精
度の高い表面状態検査を行うことができる。
【0016】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、上記膨張処理の前に、上記2値化
処理と共に上記微分処理を施すようにしたので、2値化
処理で得られた上記映し込み部分の各画素の濃淡値を予
め設定された絶対的な基準値と比較して欠陥部位の検出
を行うだけでなく、検査対象部分の所定の光学特性(例
えば輝度など)を特定方向について微分処理した処理結
果に基づいて欠陥検出を行うことができる。すなわち、
各画素の濃淡値に対して絶対的な基準値を設けて欠陥検
出を行う上述の方法に加えて、上記特定方向において隣
接する画素を相対比較して欠陥検出を行う方法を併用す
ることが可能になり、より一層精度の高い欠陥検出を行
うことができる。
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、上記膨張処理の前に、上記2値化
処理と共に上記微分処理を施すようにしたので、2値化
処理で得られた上記映し込み部分の各画素の濃淡値を予
め設定された絶対的な基準値と比較して欠陥部位の検出
を行うだけでなく、検査対象部分の所定の光学特性(例
えば輝度など)を特定方向について微分処理した処理結
果に基づいて欠陥検出を行うことができる。すなわち、
各画素の濃淡値に対して絶対的な基準値を設けて欠陥検
出を行う上述の方法に加えて、上記特定方向において隣
接する画素を相対比較して欠陥検出を行う方法を併用す
ることが可能になり、より一層精度の高い欠陥検出を行
うことができる。
【0017】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。しかも、その上、上記照明光は、所定の
方向に沿って光度が大から小に徐々に変化するように設
定された光度分布を有しているので、より微細な表面欠
陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精度
を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮像
領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を高
めることが可能になる。
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。しかも、その上、上記照明光は、所定の
方向に沿って光度が大から小に徐々に変化するように設
定された光度分布を有しているので、より微細な表面欠
陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精度
を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮像
領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を高
めることが可能になる。
【0018】また、更に、本願の第4の発明によれば、
上記画像処理手段により、上記撮像画像を2値化処理し
た後、上記照明光の映し込み部分とその境界部分とを含
む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次施すことがで
きるので、上記照明光の映し込み部分とその外側領域と
の境界部分に、物品表面の欠陥以外の肌特性に起因する
欠陥表示部が含まれている場合でも、上記膨張処理を施
すことにより、境界部分に存在する上記欠陥表示部は外
側領域に合体される。一方、上記境界部分以外の映し込
み部分に欠陥があった場合、上記膨張処理の後に収縮処
理を施すことにより、欠陥を示す画素領域は一旦膨張さ
せられた後もとの大きさに戻される。そして、この処理
後の画像上において上記被検査面の欠陥部を示す画素領
域のうち、画素個数が所定値よりも少ない(画素領域の
面積が所定値よりも小さい)ものを真の欠陥として認識
するようにしたので、上記境界部分以外の映し込み部分
に欠陥が存在する場合には支障なくこれを検出すること
ができる一方、上記映し込み部分の外側領域に合体され
た上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認されることはなくな
る。すなわち、照明光の映し込み部分とその外側領域と
の境界部分における物品表面の欠陥以外の肌特性に起因
する欠陥の誤検知を有効に防止し、より精度の高い表面
状態検査を行うことができる。
上記画像処理手段により、上記撮像画像を2値化処理し
た後、上記照明光の映し込み部分とその境界部分とを含
む画像領域に膨張処理と収縮処理とを順次施すことがで
きるので、上記照明光の映し込み部分とその外側領域と
の境界部分に、物品表面の欠陥以外の肌特性に起因する
欠陥表示部が含まれている場合でも、上記膨張処理を施
すことにより、境界部分に存在する上記欠陥表示部は外
側領域に合体される。一方、上記境界部分以外の映し込
み部分に欠陥があった場合、上記膨張処理の後に収縮処
理を施すことにより、欠陥を示す画素領域は一旦膨張さ
せられた後もとの大きさに戻される。そして、この処理
後の画像上において上記被検査面の欠陥部を示す画素領
域のうち、画素個数が所定値よりも少ない(画素領域の
面積が所定値よりも小さい)ものを真の欠陥として認識
するようにしたので、上記境界部分以外の映し込み部分
に欠陥が存在する場合には支障なくこれを検出すること
ができる一方、上記映し込み部分の外側領域に合体され
た上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認されることはなくな
る。すなわち、照明光の映し込み部分とその外側領域と
の境界部分における物品表面の欠陥以外の肌特性に起因
する欠陥の誤検知を有効に防止し、より精度の高い表面
状態検査を行うことができる。
【0019】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏すること
ができる。しかも、その上、上記画像処理手段により、
上記膨張処理の前に上記2値化処理と共に上記微分処理
を施すことができるので、2値化処理で得られた上記映
し込み部分の各画素の濃淡値を予め設定された絶対的な
基準値と比較して欠陥部位の検出を行うだけでなく、検
査対象部分の所定の光学特性(例えば輝度など)を特定方
向について微分処理した処理結果に基づいて欠陥検出を
行うことができる。すなわち、各画素の濃淡値に対して
絶対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の方法に加
えて、上記特定方向において隣接する画素を相対比較し
て欠陥検出を行う方法を併用することが可能になり、よ
り一層精度の高い欠陥検出を行うことができる。
基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏すること
ができる。しかも、その上、上記画像処理手段により、
上記膨張処理の前に上記2値化処理と共に上記微分処理
を施すことができるので、2値化処理で得られた上記映
し込み部分の各画素の濃淡値を予め設定された絶対的な
基準値と比較して欠陥部位の検出を行うだけでなく、検
査対象部分の所定の光学特性(例えば輝度など)を特定方
向について微分処理した処理結果に基づいて欠陥検出を
行うことができる。すなわち、各画素の濃淡値に対して
絶対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の方法に加
えて、上記特定方向において隣接する画素を相対比較し
て欠陥検出を行う方法を併用することが可能になり、よ
り一層精度の高い欠陥検出を行うことができる。
【0020】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第4または第5の発明と同様の効果を
奏することができる。しかも、その上、上記光照射手段
により、所定の方向に沿って光度が大から小に徐々に変
化するように設定された光度分布を有する照明光を上記
被検査面に照射することができるので、より微細な表面
欠陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精
度を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮
像領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を
高めることが可能になる。
基本的には、上記第4または第5の発明と同様の効果を
奏することができる。しかも、その上、上記光照射手段
により、所定の方向に沿って光度が大から小に徐々に変
化するように設定された光度分布を有する照明光を上記
被検査面に照射することができるので、より微細な表面
欠陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精
度を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮
像領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を
高めることが可能になる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を、例えば、自動車
の車体表面の塗装欠陥検査に適用した場合について、添
付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例に係
る表面状態検査装置30を備えた塗装検査ステーション
20の全体構成を概略的に示す構成説明図である。この
図に示すように、上記表面状態検査装置30は、車体2
6の塗装検査ステーション20において台座Bに載せら
れたロボット装置21を備えるとともに、ホストコンピ
ュータ31とロボットコントローラ32と画像処理プロ
セッサ33を主要な構成要素として備えている。上記ロ
ボット装置21には、その先端アーム22に本願請求項
に記載された光照射手段としての検査用の照明装置23
と、本願請求項に記載された撮像手段としてのCCDカ
メラ24とが支持金具25を介して取り付けられる。こ
れら照明装置23とCCDカメラ24とは、塗装検査ス
テーション20に搬入された車体26の塗膜面27をト
レースし、その際、照明装置23によって照射された光
が、車体26の表面の塗膜面27で反射してCCDカメ
ラ24に入射する。
の車体表面の塗装欠陥検査に適用した場合について、添
付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例に係
る表面状態検査装置30を備えた塗装検査ステーション
20の全体構成を概略的に示す構成説明図である。この
図に示すように、上記表面状態検査装置30は、車体2
6の塗装検査ステーション20において台座Bに載せら
れたロボット装置21を備えるとともに、ホストコンピ
ュータ31とロボットコントローラ32と画像処理プロ
セッサ33を主要な構成要素として備えている。上記ロ
ボット装置21には、その先端アーム22に本願請求項
に記載された光照射手段としての検査用の照明装置23
と、本願請求項に記載された撮像手段としてのCCDカ
メラ24とが支持金具25を介して取り付けられる。こ
れら照明装置23とCCDカメラ24とは、塗装検査ス
テーション20に搬入された車体26の塗膜面27をト
レースし、その際、照明装置23によって照射された光
が、車体26の表面の塗膜面27で反射してCCDカメ
ラ24に入射する。
【0022】また、このような照明装置23とCCDカ
メラ24による塗装欠陥検査においては、ホストコンピ
ュータ31によって与えられる指令によって、ロボット
コントローラ32が駆動される。そして、それによるロ
ボットコントローラ32の信号がロボット装置21に送
られる。上記ロボット装置21は、内蔵されている図示
しないアクチュエータが作動し、これにより、ロボット
装置21は照明装置23およびCCDカメラ24が車体
26の表面をなぞるように、これら照明装置23および
CCDカメラ24を移動させるとともに、CCDカメラ
24によって得られるビデオ信号を画像処理プロッセッ
サ33に出力する。
メラ24による塗装欠陥検査においては、ホストコンピ
ュータ31によって与えられる指令によって、ロボット
コントローラ32が駆動される。そして、それによるロ
ボットコントローラ32の信号がロボット装置21に送
られる。上記ロボット装置21は、内蔵されている図示
しないアクチュエータが作動し、これにより、ロボット
装置21は照明装置23およびCCDカメラ24が車体
26の表面をなぞるように、これら照明装置23および
CCDカメラ24を移動させるとともに、CCDカメラ
24によって得られるビデオ信号を画像処理プロッセッ
サ33に出力する。
【0023】上記画像処理プロッセッサ33では、ビデ
オ信号を増幅した後に微分し、その微分信号が予め設定
したしきい値を越えるビデオ信号の走査線とこの走査線
上でのタイミングの検出を行い、そのデータをホストコ
ンピュータ31に伝送して解析させる。これにより、欠
陥部12の位置の座標および欠陥部12が凸状であるか
凹状であるかを検出する。この検出結果により、車体2
6の塗装面に存在する塗装の欠陥部12の凹凸に応じた
補修が行われ、欠陥部12が凸状であるときは、その突
出部分は小さく削り取られ、上記欠陥部12が凹状であ
るときは、欠陥部12を含んで比較的広い範囲で塗膜が
削り取られる。この補修は、人手により行うこともでき
るが、より好ましくは、上記ロボット装置21もしくは
それとは別に設けた図示しない補修用のロボット装置に
より、自動的に行われる。
オ信号を増幅した後に微分し、その微分信号が予め設定
したしきい値を越えるビデオ信号の走査線とこの走査線
上でのタイミングの検出を行い、そのデータをホストコ
ンピュータ31に伝送して解析させる。これにより、欠
陥部12の位置の座標および欠陥部12が凸状であるか
凹状であるかを検出する。この検出結果により、車体2
6の塗装面に存在する塗装の欠陥部12の凹凸に応じた
補修が行われ、欠陥部12が凸状であるときは、その突
出部分は小さく削り取られ、上記欠陥部12が凹状であ
るときは、欠陥部12を含んで比較的広い範囲で塗膜が
削り取られる。この補修は、人手により行うこともでき
るが、より好ましくは、上記ロボット装置21もしくは
それとは別に設けた図示しない補修用のロボット装置に
より、自動的に行われる。
【0024】図2に示すように、上記照明装置23は、
より好ましくは、紙面に直交する方向に延びる帯状の発
光面23aを有し、この発光面23aから出射される光の
光度(線分mの長さで表されている)がこの発光面23aに
沿って矢印A1で示す一つの方向に強から弱に変化する
ように構成されており、上記照明装置23は、その光の
出射面23aから出射する光で被検査面27(塗膜面)を
照射するようになっている。上記塗膜面27は、鏡面に
近い表面性状を有しており、発光面23aから照射され
た光は塗膜面27で略正反射してCCDカメラ24に入
射することとなるが、この照射光には矢印A1で示され
る光度勾配が付けられているので、塗膜面27には、こ
の矢印A1に対応する方向に、上記光度勾配に対応した
照度勾配を有する光照射領域Sが生じ、光照射領域Sm
の照度勾配に応じた反射光がCCDカメラ24のカメラ
視野F内にとらえられる。
より好ましくは、紙面に直交する方向に延びる帯状の発
光面23aを有し、この発光面23aから出射される光の
光度(線分mの長さで表されている)がこの発光面23aに
沿って矢印A1で示す一つの方向に強から弱に変化する
ように構成されており、上記照明装置23は、その光の
出射面23aから出射する光で被検査面27(塗膜面)を
照射するようになっている。上記塗膜面27は、鏡面に
近い表面性状を有しており、発光面23aから照射され
た光は塗膜面27で略正反射してCCDカメラ24に入
射することとなるが、この照射光には矢印A1で示され
る光度勾配が付けられているので、塗膜面27には、こ
の矢印A1に対応する方向に、上記光度勾配に対応した
照度勾配を有する光照射領域Sが生じ、光照射領域Sm
の照度勾配に応じた反射光がCCDカメラ24のカメラ
視野F内にとらえられる。
【0025】これにより、図3に示すように、CCDカ
メラ24の撮像領域35には撮像画像Pが得られるが、
この撮像画像P中において、上記帯状の発光面23aは
(つまり、この発光面23aから照射された照明光は)X
方向に延びる映し込み像Psとして映し込まれる。この
映し込み像Psは、上記矢印A1で示される方向に対応し
た方向(Y方向)に明から暗に明るさが漸変する一方、Y
方向と直交するX方向には明るさがほぼ一定の画像とな
る。
メラ24の撮像領域35には撮像画像Pが得られるが、
この撮像画像P中において、上記帯状の発光面23aは
(つまり、この発光面23aから照射された照明光は)X
方向に延びる映し込み像Psとして映し込まれる。この
映し込み像Psは、上記矢印A1で示される方向に対応し
た方向(Y方向)に明から暗に明るさが漸変する一方、Y
方向と直交するX方向には明るさがほぼ一定の画像とな
る。
【0026】このような照明状態において、塗膜面27
に凹状の欠陥部6が生じていると、この欠陥部6で照明
装置23からの光の正反射方向が変化する。この光の正
反射方向の変化により、上記映し込み像Psは、上記欠
陥部6に対応する部位において画素の輝度(つまり明る
さ)の変化状態が他の部分とは異なったものとなる。す
なわち、照明装置23の発光面23aの光度が比較的大
きい位置23Aからの光が、主として凹状欠陥部6の発
光面23aと対向する側の面6aに当たって正反射の方向
が変化し、その一部がCCDカメラ24に入射する。一
方、凹状欠陥部6の上記面6aと反対側の面6bには、上
記発光面23aの光度が比較的小さい位置23Bからの
光しか入射せず、CCDカメラ24には凹状欠陥部6の
上記反対側の面6bからは光が殆ど入射しない。
に凹状の欠陥部6が生じていると、この欠陥部6で照明
装置23からの光の正反射方向が変化する。この光の正
反射方向の変化により、上記映し込み像Psは、上記欠
陥部6に対応する部位において画素の輝度(つまり明る
さ)の変化状態が他の部分とは異なったものとなる。す
なわち、照明装置23の発光面23aの光度が比較的大
きい位置23Aからの光が、主として凹状欠陥部6の発
光面23aと対向する側の面6aに当たって正反射の方向
が変化し、その一部がCCDカメラ24に入射する。一
方、凹状欠陥部6の上記面6aと反対側の面6bには、上
記発光面23aの光度が比較的小さい位置23Bからの
光しか入射せず、CCDカメラ24には凹状欠陥部6の
上記反対側の面6bからは光が殆ど入射しない。
【0027】従って、CCDカメラ24の撮像領域35
中の照明光の映し込み像Psは、図3に示すように、Y
方向で凹状欠陥部6の左側部に位置する画素が他の一般
部位の画素よりも暗くなり、この左側部を過ぎた部位に
位置する画素は他の一般部位の画素よりも明るくなる。
尚、欠陥部が凸状のものである場合には、上記と逆にな
り、図3におけるY方向に沿って、欠陥部の左側部に位
置する画素が他の一般部位の画素よりも明るくなり、こ
の左側部を過ぎた部位に位置する画素は他の一般部位の
画素よりも暗くなる。このように、照明光に与えられた
光度勾配の方向と欠陥部での明暗の現れ方によって、欠
陥が検出された場合、それが凹状のものであるか凸状の
ものであるかを容易に検知することができる。
中の照明光の映し込み像Psは、図3に示すように、Y
方向で凹状欠陥部6の左側部に位置する画素が他の一般
部位の画素よりも暗くなり、この左側部を過ぎた部位に
位置する画素は他の一般部位の画素よりも明るくなる。
尚、欠陥部が凸状のものである場合には、上記と逆にな
り、図3におけるY方向に沿って、欠陥部の左側部に位
置する画素が他の一般部位の画素よりも明るくなり、こ
の左側部を過ぎた部位に位置する画素は他の一般部位の
画素よりも暗くなる。このように、照明光に与えられた
光度勾配の方向と欠陥部での明暗の現れ方によって、欠
陥が検出された場合、それが凹状のものであるか凸状の
ものであるかを容易に検知することができる。
【0028】CCDカメラ24は、その撮像画像Pの明
るさの変化に応じて変化するビデオ信号を上記画像処理
プロセッサ33に出力する。画像処理プロセッサ33に
入力された映し込み像Psの明るさを示すビデオ信号
の、凹状欠陥部6の付近におけるY方向の一走査線上の
信号レベルは、図4に示すようになる。このようなビデ
オ信号に基づいて、各画素の濃淡(明るさ)レベルを所定
の閾値によって2値化処理して欠陥検出を行うことがで
きる。つまり、各画素の濃淡値を予め設定された基準値
(閾値)と比較し、この基準値を越えるか否かで欠陥部の
存在を検知することができる。
るさの変化に応じて変化するビデオ信号を上記画像処理
プロセッサ33に出力する。画像処理プロセッサ33に
入力された映し込み像Psの明るさを示すビデオ信号
の、凹状欠陥部6の付近におけるY方向の一走査線上の
信号レベルは、図4に示すようになる。このようなビデ
オ信号に基づいて、各画素の濃淡(明るさ)レベルを所定
の閾値によって2値化処理して欠陥検出を行うことがで
きる。つまり、各画素の濃淡値を予め設定された基準値
(閾値)と比較し、この基準値を越えるか否かで欠陥部の
存在を検知することができる。
【0029】また、上記のようなビデオ信号を微分処理
することにより、信号レベルが大きく変化する部分とし
て欠陥部を検出することができる。すなわち、上記凹状
欠陥部6の付近におけるY方向の一走査線上についての
ビデオ信号を微分処理およびその絶対値化処理を行うこ
とにより、ビデオ信号は図5に示すような3つのピーク
を有する信号に変換される。この3つのピークのうち、
ピークAおよびピークCは凹状欠陥部6の外周縁部分を
表すものであり、ピークBは凹状欠陥部6の領域中にお
いて信号レベルが特に大きく変化する部分を示してい
る。このように、上記ビデオ信号に基づいて撮像画像P
に微分処理を施すことにより、撮像領域内の欠陥検出を
行うことができる。
することにより、信号レベルが大きく変化する部分とし
て欠陥部を検出することができる。すなわち、上記凹状
欠陥部6の付近におけるY方向の一走査線上についての
ビデオ信号を微分処理およびその絶対値化処理を行うこ
とにより、ビデオ信号は図5に示すような3つのピーク
を有する信号に変換される。この3つのピークのうち、
ピークAおよびピークCは凹状欠陥部6の外周縁部分を
表すものであり、ピークBは凹状欠陥部6の領域中にお
いて信号レベルが特に大きく変化する部分を示してい
る。このように、上記ビデオ信号に基づいて撮像画像P
に微分処理を施すことにより、撮像領域内の欠陥検出を
行うことができる。
【0030】上記ホストコンピュータ31は、上記2値
化処理と、より好ましくは、上記微分処理の結果に基づ
いて欠陥判定を行う。この場合、上記ピークA及びピー
クCにより凹状欠陥部6の穴径を算出し、ピークBによ
り欠陥部6の位置を算出することができる。更に、欠陥
部6の位置における信号レベル(ピークB)に基づいて、
映し込み像Ps中における欠陥部6の明るさを検出し、
この検出された明るさと上述のようにして得られた凹状
欠陥部6の穴径から欠陥部6の深さを算出することがで
きる。尚、上記の説明は、図3におけるY方向について
微分処理を行う場合を例にとってその基本的な原理を述
べたものであったが、図3におけるX方向についても微
分処理を行うこともできる。本実施例では、欠陥検出精
度をより高めるために、図3におけるY方向だけでな
く、後述するようにX方向についても微分処理が行なわ
れるようになっている。
化処理と、より好ましくは、上記微分処理の結果に基づ
いて欠陥判定を行う。この場合、上記ピークA及びピー
クCにより凹状欠陥部6の穴径を算出し、ピークBによ
り欠陥部6の位置を算出することができる。更に、欠陥
部6の位置における信号レベル(ピークB)に基づいて、
映し込み像Ps中における欠陥部6の明るさを検出し、
この検出された明るさと上述のようにして得られた凹状
欠陥部6の穴径から欠陥部6の深さを算出することがで
きる。尚、上記の説明は、図3におけるY方向について
微分処理を行う場合を例にとってその基本的な原理を述
べたものであったが、図3におけるX方向についても微
分処理を行うこともできる。本実施例では、欠陥検出精
度をより高めるために、図3におけるY方向だけでな
く、後述するようにX方向についても微分処理が行なわ
れるようになっている。
【0031】ところで、上述ように被検査面(塗膜面2
7)の照明光による照射部分を撮像領域35中に映し込
むようにして撮像して画像Pを得た場合(図3参照)、上
記照明光の映し込み部分(つまり映し込み像Ps)とその
外側領域Poとの境界部分Pbで、塗膜表面の欠陥以外の
肌特性に起因する欠陥の誤検知が生じる場合がある。す
なわち、自動車の車体26の塗膜面27は完全な鏡面状
ではないので、上記映し込み像Psとその外側領域Poと
の境界を示す輪郭線には多少の凹凸が生じるため、その
境界部分Pbあるいはその近傍では、特に欠陥がなくて
も、隣接する画素どうしで光学特性レベルが大きく変化
する部位が生じることとなり、かかる部位が欠陥と誤認
され易くなる。図6に、上記照明光の映し込み像Psと
その外側領域Poとの境界部分Pb及びその近傍を、2値
化処理前の原画像の状態において拡大して示す。この図
に示されるように、上記境界部分Pbでは、境界を示す
輪郭線Lbに微少な凹凸が生じている。尚、上記のよう
な撮像画像Pでは、照明光の映し込み像Psの外側領域
Poは、照明光の正反射がない領域であるので、実際に
は欠陥がなくてもその領域Po内の画素全部が欠陥部の
場合と同様の光学特性を示すことになる。
7)の照明光による照射部分を撮像領域35中に映し込
むようにして撮像して画像Pを得た場合(図3参照)、上
記照明光の映し込み部分(つまり映し込み像Ps)とその
外側領域Poとの境界部分Pbで、塗膜表面の欠陥以外の
肌特性に起因する欠陥の誤検知が生じる場合がある。す
なわち、自動車の車体26の塗膜面27は完全な鏡面状
ではないので、上記映し込み像Psとその外側領域Poと
の境界を示す輪郭線には多少の凹凸が生じるため、その
境界部分Pbあるいはその近傍では、特に欠陥がなくて
も、隣接する画素どうしで光学特性レベルが大きく変化
する部位が生じることとなり、かかる部位が欠陥と誤認
され易くなる。図6に、上記照明光の映し込み像Psと
その外側領域Poとの境界部分Pb及びその近傍を、2値
化処理前の原画像の状態において拡大して示す。この図
に示されるように、上記境界部分Pbでは、境界を示す
輪郭線Lbに微少な凹凸が生じている。尚、上記のよう
な撮像画像Pでは、照明光の映し込み像Psの外側領域
Poは、照明光の正反射がない領域であるので、実際に
は欠陥がなくてもその領域Po内の画素全部が欠陥部の
場合と同様の光学特性を示すことになる。
【0032】本実施例では、上記撮像画像Pを2値化処
理した後、膨張処理および収縮処理を順次適用すること
により、照明光の映し込み部分Psとその外側領域Poと
の境界部分Pbにおける塗膜表面の欠陥以外の肌特性に
起因する欠陥の誤検知を防止するようにしている。以
下、本実施例における欠陥検出の具体例を、図6〜図9
の上記境界部分の拡大説明図および図10のフローチャ
ート等を参照しながら説明する。
理した後、膨張処理および収縮処理を順次適用すること
により、照明光の映し込み部分Psとその外側領域Poと
の境界部分Pbにおける塗膜表面の欠陥以外の肌特性に
起因する欠陥の誤検知を防止するようにしている。以
下、本実施例における欠陥検出の具体例を、図6〜図9
の上記境界部分の拡大説明図および図10のフローチャ
ート等を参照しながら説明する。
【0033】システムがスタートすると、まず、ステッ
プ#1で、CCDカメラ24による被検査面(塗膜面2
7)の撮像が開始され、次いで、得られた撮像画像Pに
ついて2値化処理(ステップ#2)および微分処理(ステ
ップ#3)が行なわれる。上記2値化処理は、撮像画像
P内の各画素について、その輝度が予め設定した基準値
(閾値)以上であるか否かを判定することによって行なわ
れ、輝度がこの基準値に達しない画素については欠陥部
の一部と判定される。従って、映し込み像Psの外側領
域Poについては、この2値化処理の処理結果から、全
ての画素が欠陥部と同様に判定されることになる。
プ#1で、CCDカメラ24による被検査面(塗膜面2
7)の撮像が開始され、次いで、得られた撮像画像Pに
ついて2値化処理(ステップ#2)および微分処理(ステ
ップ#3)が行なわれる。上記2値化処理は、撮像画像
P内の各画素について、その輝度が予め設定した基準値
(閾値)以上であるか否かを判定することによって行なわ
れ、輝度がこの基準値に達しない画素については欠陥部
の一部と判定される。従って、映し込み像Psの外側領
域Poについては、この2値化処理の処理結果から、全
ての画素が欠陥部と同様に判定されることになる。
【0034】上記2値化処理と共に、つまり2値化処理
と並行するようにして、ステップ#3で、より好ましく
は、上記撮像画像Pに微分処理が施される。この微分処
理は、少なくとも、映し込み像Psとその境界部分Pbを
含む画像領域に対して行なわれる。このうち境界部分P
b及びその近傍については、微分処理はX方向について
行なわれ、各画素について、X方向において隣接する画
素との間で輝度の差分を検出し、この差分が所定値以上
の場合には輝度の変化が大きいので欠陥部の一部と判定
される。2値化処理と微分処理の両方が施された画像領
域については、微分処理の処理結果と2値化処理の処理
結果とに基づいて欠陥判定が行なわれる。つまり、両処
理結果の少なくともいずれか一方によって欠陥有りと認
められた部分が欠陥部と判定される。
と並行するようにして、ステップ#3で、より好ましく
は、上記撮像画像Pに微分処理が施される。この微分処
理は、少なくとも、映し込み像Psとその境界部分Pbを
含む画像領域に対して行なわれる。このうち境界部分P
b及びその近傍については、微分処理はX方向について
行なわれ、各画素について、X方向において隣接する画
素との間で輝度の差分を検出し、この差分が所定値以上
の場合には輝度の変化が大きいので欠陥部の一部と判定
される。2値化処理と微分処理の両方が施された画像領
域については、微分処理の処理結果と2値化処理の処理
結果とに基づいて欠陥判定が行なわれる。つまり、両処
理結果の少なくともいずれか一方によって欠陥有りと認
められた部分が欠陥部と判定される。
【0035】以上の処理に基づいて各画素についての欠
陥判定が行なわれ、この処理後の画像上においては欠陥
部の一部であることを示す画素には数字1が付され、欠
陥部の一部でないその他の画素には数字0が付される。
この結果、上記境界部分Pbでは、図7に拡大して示す
ように、原画像において境界輪郭線Lbの凹凸が生じて
いた部分に、実際には塗膜表面の欠陥ではないのに、欠
陥を示す数字1が付された画素が生じ、このままでは、
この3つの画素部分が欠陥と誤認されることになる。
陥判定が行なわれ、この処理後の画像上においては欠陥
部の一部であることを示す画素には数字1が付され、欠
陥部の一部でないその他の画素には数字0が付される。
この結果、上記境界部分Pbでは、図7に拡大して示す
ように、原画像において境界輪郭線Lbの凹凸が生じて
いた部分に、実際には塗膜表面の欠陥ではないのに、欠
陥を示す数字1が付された画素が生じ、このままでは、
この3つの画素部分が欠陥と誤認されることになる。
【0036】次に、ステップ#4で、少なくとも映し込
み像Psとその境界部分Pbを含む画像領域に対して膨張
処理が施される。この膨張処理は、上記のようにして1
と0とに2値化された画像において、1の画素領域をそ
の境界からそれぞれ所定の方向に広げる処理で、これに
より2値図形(1の画素領域で示される図形)がその境界
から1画素分ずつ膨張する。本実施例では、例えば4連
結の膨張処理が行なわれ、2値図形は上下左右の各方向
に1画素分ずつ広げられる。この膨張処理後の境界部分
Pb及びその近傍を、図8に拡大して示す。この図8か
ら良く分かるように、上記膨張処理を施すことにより、
境界部分Pbに存在していた塗膜表面の欠陥以外の肌特
性に起因する欠陥表示部は外側領域Poに合体される。
尚、このとき、上記境界部分Pb以外の映し込み部分Ps
に欠陥があった場合には、この欠陥部分についても、そ
の2値図形が膨張させられることになる。
み像Psとその境界部分Pbを含む画像領域に対して膨張
処理が施される。この膨張処理は、上記のようにして1
と0とに2値化された画像において、1の画素領域をそ
の境界からそれぞれ所定の方向に広げる処理で、これに
より2値図形(1の画素領域で示される図形)がその境界
から1画素分ずつ膨張する。本実施例では、例えば4連
結の膨張処理が行なわれ、2値図形は上下左右の各方向
に1画素分ずつ広げられる。この膨張処理後の境界部分
Pb及びその近傍を、図8に拡大して示す。この図8か
ら良く分かるように、上記膨張処理を施すことにより、
境界部分Pbに存在していた塗膜表面の欠陥以外の肌特
性に起因する欠陥表示部は外側領域Poに合体される。
尚、このとき、上記境界部分Pb以外の映し込み部分Ps
に欠陥があった場合には、この欠陥部分についても、そ
の2値図形が膨張させられることになる。
【0037】この後、ステップ#5で、上記膨張処理が
施された画像領域に対して収縮処理が行なわれる。この
収縮処理は、上記膨張処理と逆の処理を行うもので、上
記2値化画像において1の画素領域をその境界からそれ
ぞれ所定の方向に縮める処理であり、これにより2値図
形(1の画素領域で示される図形)がその境界から1画素
分ずつ収縮する。本実施例では、上記膨張処理に対応し
て、例えば4連結の収縮処理が行なわれ、2値図形は上
下左右の各方向に1画素分ずつ縮められる。この収縮処
理後の境界部分Pb及びその近傍を、図9に拡大して示
す。上記境界部分Pb以外の映し込み部分Psに欠陥があ
った場合、上記膨張処理の後に収縮処理を施すことによ
り、欠陥を示す画素領域は一旦膨張させられた後もとの
大きさに戻される。
施された画像領域に対して収縮処理が行なわれる。この
収縮処理は、上記膨張処理と逆の処理を行うもので、上
記2値化画像において1の画素領域をその境界からそれ
ぞれ所定の方向に縮める処理であり、これにより2値図
形(1の画素領域で示される図形)がその境界から1画素
分ずつ収縮する。本実施例では、上記膨張処理に対応し
て、例えば4連結の収縮処理が行なわれ、2値図形は上
下左右の各方向に1画素分ずつ縮められる。この収縮処
理後の境界部分Pb及びその近傍を、図9に拡大して示
す。上記境界部分Pb以外の映し込み部分Psに欠陥があ
った場合、上記膨張処理の後に収縮処理を施すことによ
り、欠陥を示す画素領域は一旦膨張させられた後もとの
大きさに戻される。
【0038】次に、ステップ#6で、この収縮処理後の
画像上において欠陥部を示す画素領域の画素個数(つま
り面積S)が、予め設定された基準値(基準面積So)を越
えているか否かが判定される。そして、この判定結果が
NOの場合には真の欠陥部であると判定され(ステップ
#8)、YESの場合には、上記欠陥部を示す画素領域
は真の欠陥部ではなく、異常なしと判定される(ステッ
プ#7)ようになっている。この場合、境界部分Pbに存
在していた塗膜表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥
表示部は外側領域Poに合体されているので、真の欠陥
部と判定されることはなく、この部分での誤検知が有効
に防止される。
画像上において欠陥部を示す画素領域の画素個数(つま
り面積S)が、予め設定された基準値(基準面積So)を越
えているか否かが判定される。そして、この判定結果が
NOの場合には真の欠陥部であると判定され(ステップ
#8)、YESの場合には、上記欠陥部を示す画素領域
は真の欠陥部ではなく、異常なしと判定される(ステッ
プ#7)ようになっている。この場合、境界部分Pbに存
在していた塗膜表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥
表示部は外側領域Poに合体されているので、真の欠陥
部と判定されることはなく、この部分での誤検知が有効
に防止される。
【0039】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記撮像画像Pを2値化処理した後、上記照明光の
映し込み像Psとその境界部分Pbとを含む画像領域に膨
張処理と収縮処理とを順次施すようにしたので、上記映
し込み像Psとその外側領域Poとの境界部分Pbに、塗
膜表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥表示部が含ま
れている場合でも、上記膨張処理を施すことにより、境
界部分Pbに存在する上記欠陥表示部は外側領域Poに合
体される。一方、上記境界部分Pb以外の映し込み部分
Pbに欠陥があった場合、上記膨張処理の後に収縮処理
を施すことにより、欠陥を示す画素領域は一旦膨張させ
られた後もとの大きさに戻される。そして、この処理後
の画像上において上記被検査面27の欠陥部を示す画素
領域のうち、画素個数が所定値以下(画素領域の面積S
が所定値So以下)のものを真の欠陥として認識するよう
にしたので、上記境界部分Pb以外の映し込み部分Psに
欠陥が存在する場合には支障なくこれを検出することが
できる一方、上記映し込み部分Psの外側領域Poに合体
された上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認されることはな
くなる。すなわち、照明光の映し込み部分Psとその外
側領域Poとの境界部分Pbにおける塗膜表面の欠陥以外
の肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止し、より
精度の高い表面状態検査を行うことができるのである。
ば、上記撮像画像Pを2値化処理した後、上記照明光の
映し込み像Psとその境界部分Pbとを含む画像領域に膨
張処理と収縮処理とを順次施すようにしたので、上記映
し込み像Psとその外側領域Poとの境界部分Pbに、塗
膜表面の欠陥以外の肌特性に起因する欠陥表示部が含ま
れている場合でも、上記膨張処理を施すことにより、境
界部分Pbに存在する上記欠陥表示部は外側領域Poに合
体される。一方、上記境界部分Pb以外の映し込み部分
Pbに欠陥があった場合、上記膨張処理の後に収縮処理
を施すことにより、欠陥を示す画素領域は一旦膨張させ
られた後もとの大きさに戻される。そして、この処理後
の画像上において上記被検査面27の欠陥部を示す画素
領域のうち、画素個数が所定値以下(画素領域の面積S
が所定値So以下)のものを真の欠陥として認識するよう
にしたので、上記境界部分Pb以外の映し込み部分Psに
欠陥が存在する場合には支障なくこれを検出することが
できる一方、上記映し込み部分Psの外側領域Poに合体
された上記欠陥表示部は真の欠陥と誤認されることはな
くなる。すなわち、照明光の映し込み部分Psとその外
側領域Poとの境界部分Pbにおける塗膜表面の欠陥以外
の肌特性に起因する欠陥の誤検知を有効に防止し、より
精度の高い表面状態検査を行うことができるのである。
【0040】また、本実施例では、上記膨張処理の前
に、上記2値化処理と共に上記微分処理を施すようにし
たので、2値化処理で得られた上記映し込み部分Psの
各画素の輝度を予め設定された絶対的な基準値と比較し
て欠陥部位の検出を行うだけでなく、検査対象部分の輝
度を特定方向について微分処理した処理結果に基づいて
欠陥検出を行うことができる。すなわち、各画素の濃淡
に対して絶対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の
方法に加えて、上記特定方向において隣接する画素を相
対比較して欠陥検出を行う方法を併用することが可能に
なり、より一層精度の高い欠陥検出を行うことができ
る。
に、上記2値化処理と共に上記微分処理を施すようにし
たので、2値化処理で得られた上記映し込み部分Psの
各画素の輝度を予め設定された絶対的な基準値と比較し
て欠陥部位の検出を行うだけでなく、検査対象部分の輝
度を特定方向について微分処理した処理結果に基づいて
欠陥検出を行うことができる。すなわち、各画素の濃淡
に対して絶対的な基準値を設けて欠陥検出を行う上述の
方法に加えて、上記特定方向において隣接する画素を相
対比較して欠陥検出を行う方法を併用することが可能に
なり、より一層精度の高い欠陥検出を行うことができ
る。
【0041】更に、本実施例では、上記照明光は、所定
の方向に沿って光度が大から小に徐々に変化するように
設定された光度分布を有しているので、より微細な表面
欠陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精
度を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮
像領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を
高めることが可能になるのである。
の方向に沿って光度が大から小に徐々に変化するように
設定された光度分布を有しているので、より微細な表面
欠陥を検出することができる。換言すれば、欠陥検出精
度を十分に維持しつつ、上記照明光による照射部分を撮
像領域を越えない範囲でできるだけ広くして検査効率を
高めることが可能になるのである。
【0042】尚、上記実施例は、自動車の車体表面の塗
装欠陥検査に適用した場合についてのものであったが、
本発明は、かかる場合に限らず、その他種々の物品の表
面状態の検査に対して有効に適用することができるもの
である。また、本発明は、以上の実施態様に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言う
までもない。
装欠陥検査に適用した場合についてのものであったが、
本発明は、かかる場合に限らず、その他種々の物品の表
面状態の検査に対して有効に適用することができるもの
である。また、本発明は、以上の実施態様に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言う
までもない。
【図1】 本発明の実施例に係る表面状態検査装置を備
えた塗装検査ステーションの全体構成を概略的に示す説
明図である。
えた塗装検査ステーションの全体構成を概略的に示す説
明図である。
【図2】 上記表面状態検査装置による被検査面の照明
および撮像状態を示す側面説明図である。
および撮像状態を示す側面説明図である。
【図3】 上記表面状態検査装置による撮像画像の一例
を示す平面説明図である。
を示す平面説明図である。
【図4】 被検査面表面に凹状の欠陥部がある場合にお
けるビデオ信号のレベルの一例を示すグラフである。
けるビデオ信号のレベルの一例を示すグラフである。
【図5】 上記ビデオ信号に微分処理および絶対値処理
を施した後の信号波形を示すグラフである。
を施した後の信号波形を示すグラフである。
【図6】 撮像画像中の照明光映し込み部分とその外側
領域との境界部分およびその近傍の原画像を拡大して示
す説明図である。
領域との境界部分およびその近傍の原画像を拡大して示
す説明図である。
【図7】 2値化処理および微分処理後の画像における
上記境界部分およびその近傍を拡大して示す説明図であ
る。
上記境界部分およびその近傍を拡大して示す説明図であ
る。
【図8】 膨張処理後の画像における上記境界部分およ
びその近傍を拡大して示す説明図である。
びその近傍を拡大して示す説明図である。
【図9】 収縮処理後の画像における上記境界部分およ
びその近傍を拡大して示す説明図である。
びその近傍を拡大して示す説明図である。
【図10】 上記表面状態検査装置による表面状態検査
を説明するためのフローチャートである。
を説明するためのフローチャートである。
6…凹状欠陥部 23…検査用照明装置 24…CCDカメラ 27…塗膜面(被検査面) 30…表面状態検査装置 31…ホストコンピュータ 33…画像処理プロセッサ 35…撮像領域 P…撮像画像 Pb…境界部分 Ps…映し込み像
Claims (6)
- 【請求項1】 被検査面に照明光を照射しながらその照
射部分を撮像領域中に映し込むようにして上記被検査面
を撮像し、得られた撮像画像を画像処理することによっ
て上記被検査面の表面状態を検査する表面状態検査方法
であって、 上記撮像画像を2値化処理した後、上記照明光の映し込
み部分とその境界部分とを含む画像領域に膨張処理と収
縮処理とを順次施し、この処理後の画像上において上記
被検査面の欠陥部を示す画素領域のうち、画素個数が所
定値よりも少ないものを真の欠陥として認識することを
特徴とする表面状態検査方法。 - 【請求項2】 上記膨張処理の前に、上記撮像画像にお
ける検査対象部分の所定の光学特性を特定方向について
微分する微分処理を上記2値化処理と共に施すことを特
徴とする請求項1記載の表面状態検査方法。 - 【請求項3】 上記照明光は、所定の方向に沿って光度
が大から小に徐々に変化するように設定された光度分布
を有していることを特徴とする請求項1または請求項2
記載の表面状態検査方法。 - 【請求項4】 被検査面に照明光を照射する光照射手段
と、該光照射手段による照射部分を撮像領域中に映し込
むようにして上記被検査面を撮像する撮像手段と、該撮
像手段で得られた撮像画像を画像処理する画像処理手段
と、該画像処理手段の出力データに基づいて、上記被検
査領域内の表面欠陥部を認識する欠陥認識手段とを備え
た表面状態検査装置であって、 上記画像処理手段は、上記撮像画像を2値化処理した
後、照明光の映し込み部分とその境界部分とを含む画像
領域に膨張処理と収縮処理とを順次施し、上記欠陥認識
手段は、上記処理後の画像上において上記被検査面の欠
陥部を示す画素領域のうち、画素個数が所定値よりも少
ないものを真の欠陥として認識することを特徴とする表
面状態検査装置。 - 【請求項5】 上記画像処理手段は、上記膨張処理の前
に、上記撮像画像における検査対象部分の所定の光学特
性を特定方向について微分する微分処理を上記2値化処
理と共に施すことを特徴とする請求項4記載の表面状態
検査装置。 - 【請求項6】 上記光照射手段は、所定の方向に沿って
光度が大から小に徐々に変化するように設定された光度
分布を有する照明光を上記被検査面に照射することを特
徴とする請求項4または請求項5記載の表面状態検査装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6152287A JPH0814867A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 表面状態検査方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6152287A JPH0814867A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 表面状態検査方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0814867A true JPH0814867A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15537231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6152287A Pending JPH0814867A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 表面状態検査方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0814867A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9271600B2 (en) | 2009-10-05 | 2016-03-01 | Nestec S.A. | Ergonomic capsule extraction device |
CN115338091A (zh) * | 2022-08-04 | 2022-11-15 | 杭州杰牌传动科技有限公司 | 一种5g应用下的高速图像传输与分析系统 |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP6152287A patent/JPH0814867A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9271600B2 (en) | 2009-10-05 | 2016-03-01 | Nestec S.A. | Ergonomic capsule extraction device |
CN115338091A (zh) * | 2022-08-04 | 2022-11-15 | 杭州杰牌传动科技有限公司 | 一种5g应用下的高速图像传输与分析系统 |
CN115338091B (zh) * | 2022-08-04 | 2024-01-19 | 杭州杰牌传动科技有限公司 | 一种5g应用下的高速图像传输与分析系统 |
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