JPH11280844A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JPH11280844A
JPH11280844A JP10081042A JP8104298A JPH11280844A JP H11280844 A JPH11280844 A JP H11280844A JP 10081042 A JP10081042 A JP 10081042A JP 8104298 A JP8104298 A JP 8104298A JP H11280844 A JPH11280844 A JP H11280844A
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rotating member
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/123Wound springs
    • F16F15/1238Wound springs with pre-damper, i.e. additional set of springs between flange of main damper and hub

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二段の捩り特性を有するダンパー機構におい
て、正負両側の2段目間にわたって振れる捩り振動を効
果的に減衰する。 【解決手段】 入力回転部材2と出力回転部材3とは、
並列配置の第1ダンパー機構4と第2ダンパー機構5と
を介して円周方向に弾性的に連結されている。第1ダン
パー機構4は第1ばね8を含んでいる。第1ばね8は入
力回転部材2と出力回転部材3との間にトルク伝達可能
に配置されている。第1ばね8は第1捩り角度θ1まで
は圧縮が開始されないようになっている。第2ダンパー
機構5は直列に配置された第2ばね13と高ヒステリシ
ストルク発生機構15とを含んでいる。第2ばね13は
第1捩じり角度θ1より小さな第2捩り角度θ2の範囲
内でのみ圧縮可能になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパー機構、特
に、動力伝達系における捩り振動を減衰するためのダン
パー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるクラッチディスク組立
体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能
と、フライホイールからの振動を吸収・減衰するための
ダンパー機能とを有している。一般に車輌の振動には、
アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラ
トル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト
(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除く
ことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能
である。
【0003】アイドル時異音とは、信号待ち等でシフト
をニュートラルに入れ、クラッチペダルを離した時にト
ランスミッションより発生する「ガラガラ」と聞こえる
音である。この振動が生じる原因は、エンジンアイドリ
ング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発
時のトルク変動が大きいことにある。ティップイン・テ
ィップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急
に踏んだり、急に離したりしたときに生じる車体の前後
の大きな振れである。駆動伝達系にステップ的にトルク
が入力されると過渡振動が生じる。この結果、タイヤに
伝達されたトルクが逆にタイヤ側から駆動側に伝わり、
その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その
結果車体を過渡的に前後に大きく振らすものである。
【0004】アイドリング時の異音に対しては、クラッ
チディスク組立体の捩り特性においては0トルク付近が
問題となり、捩り剛性は低い方が良い。そのため、低剛
性のばねを組み合わせることで非線形の捩り特性(1段
目の低剛性と2段目の高剛性からなる2段特性)を実現
したクラッチディスク組立体が提供されている。このク
ラッチディスク組立体では、1段目の捩り剛性及びヒス
テリシストルクを低く抑えているために、アイドリング
時の異音防止効果がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のクラッチデ
ィスク組立体におけるダンパー機構では、低周波振動が
入力されると捩り特性において正側の2段目と負側2段
目との間の広角度範囲で捩り動作を繰り返す。このと
き、非線形でしかも1段目の剛性が低いため、低周波振
動を充分に減衰できないことがある。
【0006】本発明の目的は、2段の捩り特性を有する
ダンパー機構において、正負両側の2段目間にわたって
捩じれる捩り振動を効果的に減衰することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、第1回転部材と、第2回転部材と、第1ダン
パー機構と、第2ダンパー機構とを備えている。第1ダ
ンパー機構は第1回転部材と第2回転部材とを円周方向
に弾性的に連結するための機構である。第1ダンパー機
構は第1弾性部材を含んでいる。第1弾性部材は第1回
転部材と第2回転部材との間に配置され両者間でトルク
伝達可能に配置されている。第1回転部材と第2回転部
材との間で第1捩り角度までは第1弾性部材の圧縮が開
始されないようになっている。
【0008】第2ダンパー機構は、第1回転部材と第2
回転部材との間に第1ダンパー機構と並列に配置されて
第1回転部材と第2回転部材とを円周方向に弾性的に連
結するための機構である。第2ダンパー機構は第1中間
部材と第2弾性部材と摩擦機構とを含んでいる。第1中
間部材は第1回転部材と第2回転部材との間に配置され
第1回転部材に対して第1捩り角度により小さな第2捩
り角度だけ相対回転可能に配置されている。第2弾性部
材は第1中間部材と第2回転部材との間に配置され両者
を円周方向に弾性的に連結している。第2弾性部材は第
1弾性部材より剛性が低い。摩擦機構は第1中間部材と
第2回転部材とを円周方向に滑り可能に摩擦係合する。
【0009】このダンパー機構の静的な捩り特性を説明
する。ここではゼロから第1捩り角度までが捩り特性の
1段目であり、第1捩り角度以上が2段目である。1段
目内で第2捩り角度までの範囲では、第2ダンパー機構
の第1中間部材と第1回転部材との間で第2弾性部材が
圧縮される。捩り角度が第2捩り角度を超えると、第2
弾性部材の圧縮が停止され、第1中間部材と第2回転部
材との間で摩擦機構がヒステリシストルクを発生する。
そのため、ゼロ剛性・高ヒステリシストルクの1段目特
性が得られる。捩り角度が第1捩り角度を超えて2段目
に入ると、第1弾性部材が第1回転部材と第2回転部材
との間で圧縮され、その結果、高剛性・高ヒステリシス
トルクの2段目特性が得られる。
【0010】捩り特性において正負2段目間で捩じれる
ときには、間の正負1段目において高ヒステリシストル
クが発生する。このように、1段目の領域において摩擦
機構を機能させて高ヒステリシストルクを発生させてい
るため、ティップイン・ティップアウトのような低周波
振動を効果的に減衰できる。また、1段目及び2段目に
おいて振幅の小さな微小振動が入力された場合には、摩
擦機構では滑りが生じず、低ヒステリシストルクの特性
が得られる。このときダンパー機構は概ね第2捩り角度
の2倍の角度範囲内で作動する。
【0011】請求項2に記載のダンパー機構では、請求
項1において、第1ダンパー機構は第1弾性部材に係合
する第2中間部材をさらに有している。第2中間部材と
第1及び第2回転部材の一方との間に第1捩り角度に相
当する隙間が形成されている。このダンパー機構では、
第1捩り角度の隙間は、第2中間部材と第1及び第2回
転部材の一方との間に形成されている。
【0012】請求項3に記載のダンパー機構では、請求
項1において、第1弾性部材の円周方向両側における第
1回転部材と第2回転部材との隙間角度は第1弾性部材
の円周方向角度より第1捩り角度だけ大きい。このダン
パー機構では、第1捩り角度は第1弾性部材と第1及び
第2回転部材の一方との間に形成されている。
【0013】請求項4に記載のダンパー機構は、ハブ
と、円板状部材と、プレートと、第1弾性部材と、中間
プレートと、第2弾性部材と、摩擦機構とを備えてい
る。円板状部材はハブの外周側に配置され、ハブに対し
て第1捩り角度だけ相対回転可能に配置されている。1
対のプレートはハブの外周側において円板状部材の軸方
向両側に配置され、互いに固定されている。第1弾性部
材は円板状部材と1対のプレートとの間に配置され両者
を円周方向に弾性的に連結している。中間プレートは、
ハブと1対のプレートの一方との間に配置され、1対の
プレートに対して第1捩り角度より小さな第2捩り角度
だけ相対回転可能に配置されている。第2弾性部材は、
1対のプレートの一方と中間プレートとの間に配置され
両者を円周方向に弾性的に連結している。第2弾性部材
は第1弾性部材より剛性が低い。摩擦機構はハブと中間
プレートとを円周方向に滑り可能に摩擦係合している。
【0014】このダンパー機構の静的な捩り特性を説明
する。ここではゼロから第1捩り角度までが捩り特性の
1段目であり、第1捩り角度以上が2段目である。1段
目内で第2捩り角度までの範囲では、中間プレートと1
対のプレートとの間で第2弾性部材が圧縮される。捩り
角度が第2捩り角度を超えると、第2弾性部材の圧縮が
停止され、ハブとと中間プレートとの間で摩擦機構が滑
りヒステリシストルクを発生する。そのため、ゼロ剛性
・高ヒステリシストルクの1段目特性が得られる。捩り
角度が第1捩り角度を超えて2段目に入ると、第1弾性
部材が円板状部材と1対のプレートとの間で圧縮され、
その結果、高剛性・高ヒステリシストルクの2段目特性
が得られる。
【0015】捩り特性において正負2段目間で捩じれる
ときには、間の正負1段目において高ヒステリシストル
クが発生する。このように、1段目の領域において摩擦
機構を機能させて高ヒステリシストルクを発生させてい
るため、ティップイン・ティップアウトのような低周波
振動を効果的に減衰できる。また、1段目及び2段目に
おいて振幅の小さな微小振動が入力された場合には、摩
擦機構では滑りが生じず、低ヒステリシストルクの特性
が得られる。このときダンパー機構は概ね第2捩り角度
の2倍の角度範囲内で作動する。
【0016】請求項5に記載のダンパー機構は、ハブと
1対のプレートと第1弾性部材と中間プレートと第2弾
性部材と摩擦機構とを備えている。ハブは外周側に延び
るフランジを有する。1対のプレートは、ハブの外周側
において前記フランジの軸方向両側に配置され、互いに
固定されている。第1弾性部材は、フランジと1対のプ
レートとの間に配置され両者を円周方向に弾性的に連結
するように配置されている。中間プレートは、ハブと1
対のプレートの一方との間に配置され、1対のプレート
に対して第2捩り角度だけ相対回転可能に配置されてい
る。第2弾性部材は、1対のプレートの一方と中間プレ
ートとの間に配置され両者を円周方向に弾性的に連結
し、第1弾性部材より剛性が低い。摩擦機構は、ハブと
中間プレートとを円周方向に滑り可能に摩擦係合する。
第1弾性部材の円周方向両側における1対のプレートと
中間プレートとの隙間角度は第1弾性部材の円周方向角
度より第1捩り角度だけ大きい。第1捩り角度第2捩り
角度より大きい、このダンパー機構の静的な捩り特性を
説明する。ここではゼロから第1捩り角度までが捩り特
性の1段目であり、第1捩り角度以上が2段目である。
1段目内で第2捩り角度までの範囲では、中間プレート
と1対のプレートとの間で第2弾性部材が圧縮される。
捩り角度が第2捩り角度を超えると、第2弾性部材の圧
縮が停止され、ハブと中間プレートとの間で摩擦機構が
滑り、ヒステリシストルクを発生する。そのため、ゼロ
剛性・高ヒステリシストルクの1段目特性が得られる。
捩り角度が第1捩り角度を超えて2段目に入ると、第1
弾性部材がフランジと1対のプレートとの間で圧縮さ
れ、その結果、高剛性・高ヒステリシストルクの2段目
特性が得られる。
【0017】捩り特性において正負2段目間で捩じれる
ときには、間の正負1段目において高ヒステリシストル
クが発生する。このように、1段目の領域において摩擦
機構を機能させて高ヒステリシストルクを発生させてい
るため、ティップイン・ティップアウトのような低周波
振動を効果的に減衰できる。また、1段目及び2段目に
おいて振幅の小さな微小振動が入力された場合には、摩
擦機構では滑りが生じず、低ヒステリシストルクの特性
が得られる。このときダンパー機構は概ね第2捩り角度
の2倍の角度範囲内で作動する。
【0018】請求項6に記載のダンパー機構では、請求
項4又は5において、第2弾性部材は1対のプレートの
一方に形成された収容部内に配置されている。このダン
パー機構では、第1弾性部材はハブに直接組み付けられ
ておらず、そのためハブ周辺における設計が容易であ
る。このように第2弾性部材がハブに直接係合する必要
を無くしたのは、低剛性のばねとしての第2弾性部材を
第1弾性部材と並列に、かつ、摩擦機構と直列になるよ
うに配置しているからである。
【0019】請求項7に記載のダンパー機構は、請求項
6において、1対のプレートの一方に固定され第2弾性
部材の円周方向両側及び軸方向外側を支持する支持部材
をさらに備えている。このダンパー機構では、第2弾性
部材を支持する支持部材は一対のプレートの一方に固定
されている。これにより、プレートに支持構造を設ける
必要がなくなくり構造が簡単になる。支持部材は例えば
樹脂による簡単な構造であっても成立する。
【0020】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1に本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組
立体1の部分断面図を示す。クラッチディスク組立体1
は、車輌のクラッチ装置に用いられる動力伝達装置であ
り、クラッチ機能とダンパー機能とを有している。図1
においてO−Oがクラッチディスク組立体1の回転軸す
なわち回転中心線である。
【0021】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転部材2(クラッチディスク、クラッチプレート、リ
テーニングプレート)と、出力回転部材3(ハブ)と、
第1ダンパー機構4と、第2ダンパー機構5と、低ヒス
テリシストルク発生機構6とから構成されている。入力
回転部材2はフライホイール(図示せず)からのトルク
が入力される部材である。入力回転部材2は、主に、ク
ラッチプレート21と、リテーニングプレート22と、
クラッチディスク23とから構成されている。クラッチ
プレート21とリテーニングプレート22は共に板金製
の円板状のプレートであり、軸方向に所定の間隔をあけ
て配置されており、互いに相対回転不能に固定されてい
る。クラッチプレート21はエンジン側に配置され、リ
テーニングプレート22はトランスミッション側に配置
されている。プレート21,22の外周部は複数のスト
ップピン24により固定されている。
【0022】クラッチプレート21の外周縁には、プレ
ート21,22のさらに外周側に配置されるクラッチデ
ィスク23が固定されている。クラッチディスク23
は、環状のプレート43と、プレート43の軸方向両側
に張られた摩擦フェーシング44とからなる。プレート
43は両摩擦フェーシング44間でクッショニング機能
をもたらすものであってもよい。摩擦フェーシング44
すなわちクラッチディスク23の軸方向片側には、フラ
イホイール(図示せず)が配置され、軸方向反対側には
プレッシャープレート(図示せず)が配置されている。
【0023】出力回転部材3は入力回転部材2から入力
されたトルクを他の部材に出力する部材である。出力回
転部材3はこの実施形態ではハブの形状を有している。
出力回転部材3は、プレート21,22の中心孔内に配
置されたボス47を有している。ボス47は、プレート
21,22の中心孔内に相対回転可能に配置された筒状
の部材であり、半径方向外側に延びるフランジ51を有
している。フランジ51はボス47の軸方向中間に形成
されている。ボス47においてフランジ51よりトラン
スミッション側を第1筒部48と呼び、エンジン側を第
2筒部49と呼ぶ。出力回転部材3の内周にはスプライ
ン孔50が形成されている。スプライン孔50はトラン
スミッション側から延びるメインドライブシャフトのス
プラインに係合している。この結果、出力回転部材3は
メインドライブシャフトに対して相対回転不能にかつ軸
方向に移動可能になっており、出力回転部材3からメイ
ンドライブシャフトにトルクを出力可能である。
【0024】次に、第1ダンパー機構4について説明す
る。第1ダンパー機構4は、出力回転部材3と入力回転
部材2とを円周方向に弾性的に連結するとともに両者間
の捩り振動を減衰するためのダンパー機構である。第1
ダンパー機構4はハブフランジ9(第2中間部材)と第
1ばね8(第1弾性部材)とから構成されている。ハブ
フランジ9はボス47のフランジ51から半径方向外方
に配置された円板状又は環状の部材である。フランジ5
1の外周側には複数の外周歯52が形成され、ハブフラ
ンジ9の内周縁には複数の内周歯53が形成されてい
る。外周歯52と内周歯53とは円周方向に間隔を空け
て交互に配置されており、外周歯52とその円周方向両
側の内周歯53との円周方向間にはそれぞれ第1捩り角
度θ1の隙間が確保されている。ここでは内周歯53と
外周歯52とにより第2ストッパー10が形成されてい
る。第2ストッパー10は出力回転部材3とハブフラン
ジ9との捩り動作を規制するものである。
【0025】ハブフランジ9の半径方向中間位置には、
円周方向に並んだ複数の窓孔54が形成されている。窓
孔54内には第1ばね8が配置されている。第1ばね8
は、ハブフランジ9と入力回転部材2とを円周方向に弾
性的に連結するためのものであり、クラッチディスク組
立体1の捩り角度が第1捩り角度θ1以上の領域で入力
回転部材2と出力回転部材3との間で円周方向に圧縮さ
れるようになっている。第1ばね8はコイルスプリング
であり、第1ばね8の両端は窓孔54の円周方向両端に
当接又は近接している。
【0026】プレート21,22において、窓孔54に
対応する位置には窓部39,41がそれぞれ形成されて
いる。窓部39,41はプレート本体から軸方向に突出
又は切り起こされて形成された部分であり、第1ばね8
を収容するとともに第1ばね8の軸方向及び半径方向へ
の移動を規制している。窓部39,41には、第1ばね
8の円周方向両端に当接又は当接可能な当接部40,4
2がそれぞれ形成されている。このようにして、ハブフ
ランジ9とプレート21,22は第1ばね8を介して円
周方向に弾性的に連結されている。また、ハブフランジ
9は第1ばね8を介してプレート21,22に対して半
径方向に位置決めされている。
【0027】ハブフランジ9の外周縁には、ストップピ
ン24が挿通される切欠き55が形成されている。スト
ップピン24とその円周方向両側の切欠き55の円周方
向端との間には、それぞれ捩り角度θ3−θ1の隙間が
確保されている。ストップピン24と切欠き55によっ
て第1ストッパー7が構成されている。第1ストッパー
7はハブフランジ9と入力回転部材2との相対回転を規
制するための構造である。
【0028】第1ワッシャー91及び第2ワッシャー9
2は、ハブフランジ9をプレート21,22に対して軸
方向に位置決めするための部材である。第1ワッシャー
91はクラッチプレート21の半径方向中間部とハブフ
ランジ9との間に配置されている。第2ワッシャー92
はリテーニングプレート22の半径方向中間部とハブフ
ランジ9との間に配置されている。第1ワッシャー91
は、軸方向に突出した突出部がクラッチプレート21に
係合することで、クラッチプレート21と一体回転する
ようになっている。第2ワッシャー92は、軸方向に突
出した突出部がリテーニングプレート22に係合するこ
とで、リテーニングプレート22と一体回転するように
なっている。ワッシャー91,92はハブフランジ9に
対して回転方向に摺動可能に当接しているが、そこでは
大きな摩擦が発生しないようになっている。
【0029】次に、第2ダンパー機構5について説明す
る。第2ダンパー機構5は、入力回転部材2と出力回転
部材3との間において、第1ダンパー機構4と並列に配
置されており、トルクを伝達するとともに捩り振動を減
衰するためのダンパー機構である。第2ダンパー機構5
は、図1から明らかなように、フランジ51の軸方向ト
ランスミッション側に配置されている。第2ダンパー機
構5は、主に、第2ばね13(第2弾性部材)と、中間
プレート14(第1中間部材)と、複数のワッシャー類
からなる高ヒステリシストルク発生機構15(摩擦機
構)とから構成されている。
【0030】リテーニングプレート22の内周部25は
ボス47の第1筒部48のトランスミッション側部分の
周りに配置されている。すなわち、リテーニングプレー
ト22の内周部25はフランジ51から軸方向に離れて
おり、内周部25とフランジ51との軸方向間には空間
が確保されている。この空間内に前述の複数のワッシャ
ー類が配置されている。
【0031】図1及び図2に示すように、内周部25の
内周縁には複数の切欠き27(収容部)が形成されてい
る。各切欠き27は、半径方向内側が開いており、円周
方向に長く延びている。切欠き27の円周方向両側は係
合部28の円周方向端面となっている。言い換えると、
複数の切欠き27によって内周部25の内周縁には半径
方向内側に延びる複数の係合部28が形成されている。
また、切欠き27に対応して、内周部25のトランスミ
ッション側に支持部材30が固定されている。支持部材
30は、各切欠き27内に配置された第2ばね13に円
周方向に係合するとともに、第2ばね13の軸方向及び
半径方向の移動を規制するための部材である。支持部材
30は所定の形状に加工された板金製の部材である。支
持部材30は、図2に示す形状であり、弧状部31と、
弧状部31から延びる抑え部32と、弧状部31の両端
から延びる係止部33とから形成されている。弧状部3
1は、平板な形状であり、リベット34により内周部2
5に固定されている。弧状部31はクラッチディスク組
立体1の円周方向(回転方向)に沿って弧状に延びてい
る。なお、図2に示すR1がクラッチディスク組立体1
の回転方向(正側)であり、R2がその反対方向(負
側)である。抑え部32は弧状部31の円周方向中心部
分から半径方向内側に延びており、第2ばね13の軸方
向トランスミッション側を支持するように湾曲してい
る。係止部33は第2ばね13の円周方向両側に係合
(当接)している。さらに、内周部25において切欠き
27に対応して形成された抑え部29は第2ばね13の
軸方向エンジン側を支持している。
【0032】フランジ51と内周部25との間には、フ
ランジ51側から、第1高摩擦部材64、中間プレート
14、第2付勢部材66,プレート67,第2高摩擦部
材68、第3プレート69,第2低摩擦部材70などの
ワッシャー類が配置されている。これらワッシャー類は
全て第1筒部48の周りに配置された環状の板部材であ
り、軸方向に互い当接するように載置されている。な
お、以下に述べる高摩擦部材は低摩擦部材に対して摩擦
係数がはるかに大きい。 第1高摩擦部材64はフラン
ジ51のトランスミッション側面に当接している。中間
プレート14は第1高摩擦部材64に当接する円板状部
72を有している。さらに、中間プレート14は、円板
状部72の外周縁からトランスミッション側に延びる複
数のアーム73を有している。アーム73は各第2ばね
13の円周方向両側まで延び、第2ばね13の円周方向
両端に係合(当接)している。以上の構造により、支持
部材30(すなわちリテーニングプレート22)と中間
プレート14は第2ばね13を介して円周方向に弾性的
に連結されている。
【0033】アーム73には第2ばね13内に挿入され
る挿入部74が形成されている。アーム73と係合部2
8の円周方向端面(切欠き27の円周方向面)との間に
は第2捩り角度θ2)が確保されている。図2から明ら
かなように、アーム73(すなわち中間プレート14)
は支持部材30(すなわちリテーニングプレート22)
に対して概ね第2捩り角度θ2に対応する範囲内で、よ
り正確には概ね第2捩り角度θ2の2倍のθAC角度範
囲内で捩じれる。言い換えると、第2ばね13の最大捩
り角度範囲はθAC角度範囲である。なお、第2捩り角
度θ2は第1捩り角度θ1に比べて小さく設定されてい
る。
【0034】第2付勢部材66は、コーンスプリングで
あり、円板状部72とプレート67との間で軸方向に圧
縮された状態で配置されている。プレート67は、中間
プレート14のアーム73に対して相対回転不能にかつ
軸方向に移動自在に係合する内側突起67aを有してい
る。第2高摩擦部材68は第3プレート69とプレート
67との間に配置されている。第3プレート69は第2
高摩擦部材68と第2低摩擦部材70との間に配置され
ている。第3プレート69は内周部が第1筒部48の外
周に形成された溝に相対回転不能にかつ軸方向に移動自
在に係合している。第2低摩擦部材70は第3プレート
69とリテーニングプレート22の内周部25との間に
配置されている。
【0035】以上のワッシャー類の配置により、中間プ
レート14の円板状部72は第1高摩擦部材64を介し
てフランジ51に摩擦係合している。また、中間プレー
ト14と一体回転するプレート67は第2高摩擦部材6
8を介して出力回転部材3と一体回転する第3プレート
69に摩擦係合している。このようにして、出力回転部
材3と中間プレート14は間に2カ所において摩擦係合
する高ヒステリシストルク発生機構15を形成してい
る。なお、リテーニングプレート22と第3プレート6
9は第2低摩擦部材70を介して互いに摩擦係合してい
る。第2低摩擦部材70は後述の低ヒステリシストルク
発生機構6の一部を構成している。
【0036】支持部材30を用いることで、リテーニン
グプレート22に第2ばね13を支持するための複雑な
構造を形成しなくてよい。第2ばね13の支持に支持部
材30のようにリテーニングプレート22と別体の部材
を用いることができたのは、第2ばね13がリテーニン
グプレート22の切欠き27内に配置されているからで
ある。第2ばね13をリテーニングプレート22の切欠
き27内に配置可能となったのは、第2ばね13が高ヒ
ステリシストルク発生機構15と直列に配置され、か
つ、剛性の高い第1ばね8と並列に配置されているから
である。
【0037】上述の第2ダンパー機構5では、第2ばね
13は出力回転部材3(ハブ)に直接組み付けられてお
らず、そのためハブ周辺における設計が容易である。特
に、この実施形態の構造では、外周歯52と内周歯53
を全周にわたって設けることで数を増やし、外周歯52
と内周歯53との接触面積を増やせる。このように第2
ばね13が出力回転部材3に直接係合する必要を無くし
たのは、低剛性のばねとしての第2ばね13を第1ばね
8と並列に、かつ、高ヒステリシストルク発生機構15
と直列になるように配置しているからである。
【0038】次に、フランジ51の軸方向エンジン側の
構造について説明する。以下に述べるブッシュ59,第
1低摩擦部材58,第1付勢部材61は第2筒部49の
周りに配置された環状の板部材である。クラッチプレー
ト21の内周部38付近にはブッシュ59が配置されて
いる。ブッシュ59は、フランジ51と内周部38との
間に配置された円板状部59aと、円板状部59aの内
周縁から軸方向エンジン側に延びる筒部59bとから構
成されている。筒部59bは、クラッチプレート21の
内周部38に一体回転可能にかつ軸方向に移動自在に係
合している。筒部59bの内周面はボス47の第2筒部
49外周面に当接している。これによりクラッチプレー
ト21とリテーニングプレート22がハブ3に対して半
径方向に位置決めされている。円板状部59aとフラン
ジ51との間には第1低摩擦部材58が配置され、円板
状部59aと内周部38との間には第1付勢部材61が
配置されている。第1付勢部材61は、コーンスプリン
グであり、円板状部59aと内周部38との間で軸方向
に圧縮されて配置されている。すなわち、ブッシュ59
は第1低摩擦部材58を介してフランジ51に摩擦係合
している。なお、第1付勢部材61は第2付勢部材66
に比べて付勢力が小さい。以上に述べた構造において、
第1低摩擦部材58によって低ヒステリシストルク発生
機構6の一部が構成されている。
【0039】低ヒステリシストルク発生機構6は、入力
回転部材2と出力回転部材3との間に設けられた摩擦発
生機構であり、入力回転部材2と出力回転部材3が相対
回転する際には常に滑りが生じるようになっている。こ
の実施形態では低ヒステリシストルク発生機構6は主に
第1及び第2低摩擦部材58,70とで構成している
が、他の形態であってもよい。低ヒステリシストルク発
生機構6で発生するヒステリシストルクは場合によって
は最大限小さいことが望ましい。
【0040】次に、図4を用いてクラッチディスク組立
体1の構成についてさらに詳細に説明する。図4はクラ
ッチディスク組立体1のダンパー機構の機械回路図であ
る。この機械回路図は、ダンパー機構を模式的に描いた
ものであり、出力回転部材3を入力回転部材2に対して
一方向(例えばR2側)に捩じったときの各部材の動作
や関係を説明するための図である。図から明らかなよう
に、入力回転部材2と出力回転部材3との間には、第1
ダンパー機構4と第2ダンパー機構5とが並列に配置さ
れている。第1ダンパー機構4は第1ばね8とハブフラ
ンジ9とから主に構成されている。第1ばね8はハブフ
ランジ9と入力回転部材2との間に配置されている。ハ
ブフランジ9と入力回転部材2との間には、捩り角度θ
3−θ1だけの隙間(第1ストッパー7)が確保されて
いる。出力回転部材3とハブフランジ9との間には、第
2ストッパー10において第1捩り角度θ1だけの隙間
が確保されている。この隙間により、第1捩り角度θ1
までの範囲内で剛性の高い第1ばね8が機能しない構成
となっている。つまり、第1ばね8は第2ストッパー1
0における隙間とは直列に配置されている。なお、第1
ダンパー機構4内では第1ばね8と第2ストッパー10
における隙間との位置は交換可能である。
【0041】第2ダンパー機構5は、主に、第2ばね1
3と中間プレート14とから構成されている。第2ばね
13は第1ばね8に比べて剛性の低いばねである。第2
ばね13は中間プレート14と入力回転部材2との間に
配置されている。また、中間プレート14と入力回転部
材2との間には円周方向両側に第2捩り角度θ2の隙間
が確保されている。この隙間部分が中間プレート14と
入力回転部材2との捩り角度を規制する第3ストッパー
16となっている。この隙間すなわち第2捩り角度θ2
は、後述するように、ダンパー機構の捩り角度のいかん
に関わらず微小振動が入力された時に中間プレート14
と入力回転部材2とが相対回転可能になるための隙間で
ある。以上に述べたように、中間プレート14と入力回
転部材2との間に、剛性の低い第2ばね13と微小振動
減衰のための隙間すなわち第2捩り角度θ2を有する第
3ストッパー16とが並列に機能するようになってい
る。中間プレート14と出力回転部材3とは高ヒステリ
シストルク発生機構15を介して摩擦連結されている。
すなわち、第2ダンパー機構5では、剛性の低い第2ば
ね13と高ヒステリシストルクを発生するための高ヒス
テリシストルク発生機構15とが直列に配置されてい
る。なお、第2ダンパー機構5内では、第2ばね13及
び第2捩り角度θ2の隙間(第3ストッパー16)と高
ヒステリシストルク発生機構15とは位置を交換可能で
ある。
【0042】さらに、出力回転部材3と入力回転部材2
とは低ヒステリシストルク発生機構6を介して摩擦係合
している。低ヒステリシストルク発生機構6で発生する
摩擦すなわちヒステリシストルクは高ヒステリシストル
ク発生機構15が発生するものに比べて大幅に低い。低
ヒステリシストルク発生機構6は、この位置ではなく、
中間プレート14と入力回転部材2との間、出力回転部
材3とハブフランジ9との間、ハブフランジ9と入力回
転部材2との間に設けられてもよい。
【0043】次に、クラッチディスク組立体1の動作に
ついて説明する。クラッチディスク23がフライホイー
ルに係合すると、トルクは入力回転部材2から第1ダン
パー機構4及び第2ダンパー機構5を介して出力回転部
材3に伝達される。より具体的には、トルクは、第1ダ
ンパー機構4においては第1ばね8及びハブフランジ9
を介して伝達され、第2ダンパー機構5においては第2
ばね13及び中間プレート14を介して伝達される。
【0044】クラッチディスク組立体1の捩り特性を図
11を用いて説明する。図11の捩り特性線図は、入力
回転部材2に対して出力回転部材3をR2(負)側に捩
じった状態(入力回転部材2は出力回転部材3に対して
R1(正)側に捩じれている)から角度0側に戻し、次
に再び負側にねじっていく動作における特性を示してい
る。
【0045】図11のA点(第1捩り角度θ1を越えて
おり、第3捩り角度θ3より小さい)では、図5の機械
回路図に示すように、第1ダンパー機構4においては、
第2ストッパー10が当接しており、第1ばね8はハブ
フランジ9と入力回転部材2との間で回転方向に圧縮さ
れている。第2ダンパー機構5においては、第3ストッ
パー16が当接しており、第2ばね13はそれ以上圧縮
されない状態で保持されている。さらに中間プレート1
4は入力回転部材2に対して第2捩り角度θ2の2倍の
θACだけ負側に捩じれている。この結果、係合部28
の円周方向正側端面は正側にある突起73に当接し、係
合部28の円周方向負側端面は負側にある突起73との
間にθACだけの隙間をあけている。
【0046】以上の状態から出力回転部材3を0角度側
に回転させていくと、第1ばね8と第2ばね13が伸び
ていく。このとき、第3ストッパー16で当接が生じる
図6の機械回路図までの領域(θACを大きさとする角
度範囲)では高ヒステリシストルク発生機構15では滑
りが生じず、主に低ヒステリシストルク発生機構6によ
る低ヒステリシストルクが得られる。
【0047】図11のB点においてに第3ストッパー1
6で当接があると(図6)、以後は中間プレート14が
入力回転部材2と一体回転し、中間プレート14と出力
回転部材3との間で相対回転が生じる。すなわち第1ば
ね8が伸び高ヒステリシストルク発生機構15で滑りが
生じる。この結果、高剛性・高ヒステリシストルクの特
性が得られる。
【0048】捩り角度がC点すなわち第1捩り角度θ1
になると(図7)、以後は第1ばね8は作用しなくな
り、出力回転部材3は入力回転部材2、ハブフランジ9
及び中間プレート14に対して相対回転する。この結
果、0剛性・高ヒステリシストルクの特性が得られる。
次に図11のD点(第1捩り角度θ1未満、図8)で出
力回転部材3を入力回転部材2に対して捩じる向きを逆
転させる。つまり出力回転部材3を入力回転部材2に対
して負側に捩りだす。
【0049】捩り向きを変えてから捩り角度θACの大
きさの角度範囲までは、第2ばね13が圧縮され、低ヒ
ステリシストルク発生機構6で滑りが生じる。このとき
高ヒステリシストルク発生機構15では滑りが生じな
い。図11のE点においては第3ストッパー16が当接
し(図9)、以後第2ばね13は圧縮されず、高ヒステ
リシストルク機構15で滑りが生じる。したがって、0
剛性・高ヒステリシストルクの特性が得られる。
【0050】図11のF点(第1捩り角度θ1)におい
ては、第2ストッパー10が当接し(図10)、以後は
第1ばね8が圧縮されていく。この結果、高剛性・高ヒ
ステリシストルクの特性が得られる。図12の捩り特性
線図は、クラッチディス組立体1を正側最大角度(+θ
3)と負側最大角度(−θ3)との間で捩じったときの
特性を示している。図12からは、正負の一段目と正負
の2段目にわたって捩じれる場合には、1段目と2段目
の両方に高ヒステリシストルクが得られることがわか
る。このため、低周波振動がクラッチディスク組立体1
に入力されると、速やかに減衰される。
【0051】1段目に高ヒステリシストルクを発生可能
としたのは、第1ダンパー機構4においてばね定数の大
きな第1ばね8に対して直列に第1捩り角度θ1の隙間
を設け、その隙間内の範囲で高ヒステリシストルク発生
機構15が作動するようになっている構成である。次
に、例えば通常走行時(出力回転部材3と入力回転部材
2の捩り角度が正側θ1〜θ3の2段目領域にある状
態)において、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り
振動がクラッチディスク組立体1に入力されたとする。
このとき例えば図5に示す状態(図5とは異なり第2ば
ね13によって係合部28は突起73に対して中立位置
に戻されていることもある)から出力回転部材3,中間
プレート14,ハブフランジ9が一体に回転し、入力回
転部材2に対して相対回転する(図11、12のG)。
このとき第1ばね8と第2ばね13が並列に作用し、低
ヒステリシストルク発生機構6で滑りが生じる。この結
果、高剛性・低ヒステリシストルクの特性が得られる。
このときの動作捩り角度は第3ストッパー16の円周方
向両側で当接が生じる範囲すわなちθACの範囲内であ
る。第1ばね8は出力回転部材3に作用するが、中間プ
レート14はθAC範囲内では入力回転部材2に対して
係合せず、したがって高ヒステリシストルク発生機構1
5で滑りが生じない。
【0052】なお、負側の2段目においても同様の動作
(図12のH)が生じる。次に、アイドル時振動等の微
小振動がクラッチディスク組立体1に入力された場合の
動作について説明する。このときは正負1段目(−θ1
〜+θ1)の領域内でダンパー機構が作動する。例えば
図4の状態において微小振動が入力されると、出力回転
部材3及び中間プレート14が一体回転し、入力回転部
材2に対して相対回転する。このとき第2ばね13が作
用し低ヒステリシストルク発生機構6で滑りが生じる。
この結果、低剛性・低ヒステリシストルクの特性が得ら
れる。動作捩り角度は第3ストッパー16が当接が生じ
るまでの範囲つまりθACの範囲内である(図12の
I)。
【0053】以上に述べた構造をさらに別の視点から説
明すると、第3ストッパー16における隙間角度θAC
は、高ヒステリシストルク発生機構15と直列に配置さ
れ、捩り特性の1段目と2段目の両方において微少振動
に対して高ヒステリシストルク発生機構15を作動させ
ないための隙間として機能している。正負1段目(−θ
1〜+θ1)の領域で捩り角度が変動するアイドル時振
動等の微小振動の場合、動作角度θACの両側に高ヒス
テリシストルクの領域(例えば図11のE〜Fの領域)
が存在している。そのため、微少振動入力時に両側の高
ヒステリシストルクがわずかながらも発生し(高ヒステ
リシストルク発生機構15に滑りが生じ)、それにより
いわゆるアイドル時振動によるジャンピング現象が生じ
にくなっている。第2実施形態 図13に示すクラッチディスク組立体1は、前記実施形
態のクラッチディスク組立体1とほぼ同様の構造を有し
ている。ここでは、異なる点のみを説明する。このクラ
ッチディスク組立体1は、一体のフランジ51を有して
おり、前述のハブフランジ9を有していない。そして、
第1ばね8と窓孔54の円周方向両側端部との間にはそ
れぞれ第1捩り角度θ1だけの隙間が確保されている。
この隙間すなわち第1捩り角度θ1は、図14に示すよ
うに、第1ダンパー機構4における隙間となっており、
この隙間により第1捩り角度θ1まで第1ばね8が作用
しない構成となっている。
【0054】図14の機械回路図から明らかなように、
第1ダンパー機構4とは主に第1ばね8と第1捩り角度
θ1の隙間とから構成されている。すなわち、第1ダン
パー機構4は第1捩り角度までは第1ばね8が圧縮開始
されない構成となっている。なお、第1捩り角度θ1に
相当する隙間は、第1ばね8とプレート21,22の当
接部40,42との間に形成されていてもよい。 〔他の実施例〕図3に示す支持部材81は前記実施形態
の支持部材30と同様の機能を有する部材である。この
実施形態で支持部材81は樹脂製品である。支持部材8
1は、第1プレートの内周部25に対して軸方向トラン
スミッション側から取付られている。支持部材81の半
径方向外側部はリベット82によりリテーニングプレー
トの内周部25に固定されている。支持部材81には第
2ばね13を収容する凹部83が形成されている。凹部
83は、第2ばね13の半径方向両側及び軸方向外側を
支持するための構造である。また、凹部83の円周方向
両端に形成された当接部84は第2ばね13の円周方向
両端に当接している。凹部83の半径方向内側部85及
び半径方向外側部86は第2ばね13の半径方向両側を
それぞれ支持している。
【0055】このように、樹脂部材からなる支持部材8
1をリテーニングプレートに軸方向片側から固定すると
いう簡単な構成及び方法でリテーニングプレートにおけ
るばね支持部材を構成できる。ここでは前記実施例のよ
うな形状の支持部材を設ける必要がなく、また、リテー
ニングプレートの内周部25に複雑な加工を施す必要も
ない。このような簡単な構造を実現できるのは、第2ば
ね13がハブのフランジ近傍に設けられているのではな
く、フランジの軸方向外側に配置されているからであ
る。特に、第2ばね13が入力側のプレートの外方に露
出するように、より具体的には入力側のプレートの切欠
き27内に配置されているためである。
【0056】
【発明の効果】本発明に係るダンパー機構では、1段目
の領域において摩擦機構を機能させて高ヒステリシスト
ルクを発生させているため、ティップイン・ティップア
ウトのような低周波振動を効果的に減衰できる。また、
1段目及び2段目において振幅の小さな微小振動が入力
された場合には、摩擦機構では滑りが生じず、低ヒステ
リシストルクの特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのクラッチディス
ク組立体の部分断面図。
【図2】図1のII矢視図。
【図3】他の実施形態における第2ダンパー機構の部分
断面図。
【図4】クラッチディスク組立体の機械回路図。
【図5】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機械
回路図。
【図6】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機械
回路図。
【図7】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機械
回路図。
【図8】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機械
回路図。
【図9】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機械
回路図。
【図10】クラッチディスク組立体の動作状態を示す機
械回路図。
【図11】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【図12】クラッチディスク組立体の捩り特性新図。
【図13】第2実施形態におけるクラッチディスク組立
体の部分断面図。
【図14】第2実施形態におけるクラッチディスク組立
体の機械回路図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転部材 3 出力回転部材(ハブ) 4 第1ダンパー機構 5 第2ダンパー機構 6 低ヒステリシストルク発生機構 7 第1ストッパー 8 第1ばね 9 ハブフランジ 10 第2ストッパー 13 第2ばね 14 中間プレート 15 高ヒステリシストルク発生機構 16 第3ストッパー 21 クラッチプレート 22 リテーニングプレート 23 クラッチディスク 24 ストップピン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1回転部材と、 第2回転部材と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材とを円周方向に弾
    性的に連結するための機構であって、前記第1回転部材
    と前記第2回転部材との間に配置され両者間でトルク伝
    達可能に配置された第1弾性部材を含み、前記第1回転
    部材と前記第2回転部材との間で第1捩り角度までは前
    記第1弾性部材の圧縮が開始されないようになってい
    る、第1ダンパー機構と、 前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に前記第1
    ダンパー機構と並列に配置されて前記第1回転部材と前
    記第2回転部材とを円周方向に弾性的に連結するための
    機構であって、前記第1回転部材と前記第2回転部材と
    の間に配置され前記第1回転部材に対して前記第1捩り
    角度より小さい第2捩り角度だけ相対回転可能に配置さ
    れた第1中間部材と、前記第1中間部材と前記第2回転
    部材との間に配置され両者を円周方向に弾性的に連結し
    前記第1弾性部材より剛性が低い第2弾性部材と、前記
    第1中間部材と前記第2回転部材とを円周方向に滑り可
    能に摩擦係合する摩擦機構とを含む第2ダンパー機構
    と、を備えたダンパー機構。
  2. 【請求項2】前記第1ダンパー機構は前記第1弾性部材
    に係合する第2中間部材をさらに有し、前記第2中間部
    材と前記前記第1及び第2回転部材の一方との間に前記
    第1捩り角度に相当する隙間が形成されている、請求項
    1に記載のダンパー機構。
  3. 【請求項3】前記第1弾性部材の円周方向両側における
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との隙間角度は前
    記第1弾性部材の円周方向角度より前記第1捩り角度だ
    け大きい、請求項1に記載のダンパー機構。
  4. 【請求項4】ハブと、 前記ハブの外周側に配置され、前記ハブに対して第1捩
    り角度だけ相対回転可能に配置された円板状部材と、 前記ハブの外周側において前記円板状部材の軸方向両側
    に配置され、互いに固定された1対のプレートと、 前記円板状部材と前記1対のプレートとの間に配置され
    両者を円周方向に弾性的に連結する第1弾性部材と、 前記ハブと前記1対のプレートの一方との間に配置さ
    れ、前記1対のプレートに対して前記第1捩り角度より
    小さな第2捩り角度だけ相対回転可能に配置された中間
    プレートと、 前記1対のプレートの前記一方と前記中間プレートとの
    間に配置され両者を円周方向に弾性的に連結し、前記第
    1弾性部材より剛性が低い第2弾性部材と、 前記ハブと前記中間プレートとを円周方向に滑り可能に
    摩擦係合する摩擦機構と、を備えたダンパー機構。
  5. 【請求項5】外周側に延びるフランジを有するハブと、 前記ハブの外周側において前記フランジの軸方向両側に
    配置され、互いに固定された1対のプレートと、 前記フランジと前記1対のプレートとの間に配置され両
    者を円周方向に弾性的に連結するように配置される第1
    弾性部材と、 前記ハブと前記1対のプレートの一方との間に配置さ
    れ、前記1対のプレートに対して第2捩り角度だけ相対
    回転可能に配置された中間プレートと、 前記1対のプレートの前記一方と前記中間プレートとの
    間に配置され両者を円周方向に弾性的に連結し、前記第
    1弾性部材より剛性が低い第2弾性部材と、 前記ハブと前記中間プレートとを円周方向に滑り可能に
    摩擦係合する摩擦機構とを備え、 前記第1弾性部材の円周方向両側における前記1対のプ
    レートと前記中間プレートとの隙間角度は前記第1弾性
    部材の円周方向角度より第1捩り角度だけ大きく、前記
    第1捩り角度は前記第2捩り角度より大きい、ダンパー
    機構。
  6. 【請求項6】第2弾性部材は前記1対のプレートの前記
    一方に形成された収容部内に配置されている、請求項4
    又は5に記載のダンパー機構。
  7. 【請求項7】前記1対のプレートの前記一方に固定され
    前記第2弾性部材の円周方向両側及び軸方向外側を支持
    する支持部材をさらに備えている、請求項6に記載のダ
    ンパー機構。
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