JPH11279414A - ビルドアップ用絶縁樹脂及びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹脂フィルム並びに多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

ビルドアップ用絶縁樹脂及びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹脂フィルム並びに多層プリント配線板の製造方法

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JPH11279414A
JPH11279414A JP8303998A JP8303998A JPH11279414A JP H11279414 A JPH11279414 A JP H11279414A JP 8303998 A JP8303998 A JP 8303998A JP 8303998 A JP8303998 A JP 8303998A JP H11279414 A JPH11279414 A JP H11279414A
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Yuji Tosaka
祐治 登坂
Tetsuro Irino
哲朗 入野
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム形状維持を損なうことなく、タック
性がなく取扱性に優れ、絶縁性とTgに優れたビルドア
ップ用絶縁樹脂及びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹
脂フィルム並びにそれを用いた多層プリント配線板の製
造方法を提供する。 【解決手段】 アクリロニトリルブタジエンゴム及びそ
の硬化剤を前反応させ、その前反応物を絶縁樹脂材料に
配合するビルドアップ用絶縁樹脂。このビルドアップ用
絶縁樹脂をフィルム状に形成しビルドアップ用絶縁樹脂
フィルムとする。更に、絶縁基板に形成された第1の回
路上にビルドアップ用絶縁樹脂フィルムにより絶縁層を
形成し、この絶縁層の上に第1の回路に達する接続穴を
レーザー加工により形成して、絶縁層の上に第2の回路
を形成すると共に接続穴を介して第1の回路と第2の回
路を接続して多層プリント配線板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルドアップ用絶
縁樹脂及びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹脂フィル
ム並びにそれを用いた多層プリント配線板の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように半導体チップ等の電子部品
はその集積密度が非常に高くなって来ており、そのため
これを実装するプリント配線板も高密度化が行われてい
る。一般に多層プリント配線板は予め複数の基板に導体
回路を形成しておき、これらをお互いに接合することに
よりより一層の高密度化を図っている。この多層プリン
ト配線板は、予め導体回路を形成したプリント配線板を
ガラスクロスプリプレグで多層化しているが、薄形化、
ファインピッチ化においてプリプレグを用いた多層板で
はプリプレグ自体のコスト高や多層プリント配線板の厚
みを薄くできない問題がある。そこで、プリプレグを用
いずに絶縁樹脂のみを用いて多層化する手法が近年開発
されている。この方法は、内層処理されたプリント配線
板上に絶縁樹脂層を形成し、その上に配線パターンを形
成して多層化する。この方法には、樹脂の塗布と銅箔を
同時に連続的に張り合わせて積層しその後内層回路と外
層回路の接続穴を開けるもの(特開平7−202426
号公報,特開平5−136575号公報)、印刷法で光
硬化性樹脂層を形成し露光後、写真処理で接続穴を開け
るもの(特開平6−342984号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子機器の小型
化、多機能化に伴ってプリント配線板はより配線密度を
増す必要が生じており、配線幅の細線化が急激に進行し
ている。このような背景から回路導体間を埋める樹脂層
は、絶縁性が重要な特性となり、また、部品実装時に行
われるワイヤボンディングには高剛性(高弾性)の材料
が要求されるため、絶縁層には高Tg樹脂や高硬度な特
性を有する樹脂が望まれている。また、多層プリント配
線板の製造面からは、製造コストが低いロールラミネー
ト等による簡便な方法による多層化が望まれている。ま
た、製造上から、多層プリント配線板の外層の回路形成
において内層回路の凹凸に影響されない外層導体の平坦
性が要求される。この為、一般的には、絶縁性が低下し
たりTgの低下する原因となるアクリロニトリルブタジ
エンゴムの配合量を減らし、エポキシ樹脂の配合量を増
やして架橋密度の高いエポキシ樹脂にする手法、また、
外層導体の平坦性のため樹脂の硬化度を下げ樹脂流れ性
を大きくする等の手法が実施されている。しかしなが
ら、この場合には、絶縁層となる樹脂をフィルムに形成
する場合に可撓性が低下し、折れたり、割れたりするな
どのフィルム形状維持が困難となったり、絶縁層樹脂の
硬化度が不足しベタつくなどのタック性が有り取扱性が
低下するなどの等の問題が発生する。本発明は、フィル
ム形状維持を損なうことなく、タック性がなく取扱性に
優れ、絶縁性とTgに優れたビルドアップ用絶縁樹脂及
びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹脂フィルム並びに
それを用いた多層プリント配線板の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決させる
ために本発明者らは、前反応処理により予め部分架橋し
たアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を可撓性
材料として絶縁樹脂材料に配合するとタック性がなく取
扱性に優れ、しかも絶縁性とTgに優れたフィルム形状
維持を損なうことが無いビルドアップ用絶縁樹脂が得ら
れることを見出した。本発明は、アクリロニトリルブタ
ジエンゴム及びその硬化剤を前反応させ、その前反応物
を絶縁樹脂材料に配合することを特徴とするビルドアッ
プ用絶縁樹脂である。また、本発明は、上記のビルドア
ップ用絶縁樹脂をフィルム状に形成したビルドアップ用
絶縁樹脂フィルムである。さらに、本発明は、絶縁基板
に形成された第1の回路上に上記のビルドアップ用絶縁
樹脂フィルムにより絶縁層を形成し、この絶縁層の上に
第1の回路に達する接続穴をレーザー加工により形成し
て、絶縁層の上に第2の回路を形成すると共に接続穴を
介して第1の回路と第2の回路を接続することを特徴と
する多層プリント配線板の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】ここでアクリロニトリルブタジエ
ンゴム(NBR)は、アクリロニトリルとブタジエンを
主体とする共重合体で、メタクリル酸、アクリル酸、イ
ソプレン等を共重合したものや末端がカルボキシル基、
メルカプト基、水酸基等で修飾したものも含まれる。本
発明のアクリロニトリルブタジエンゴムとその硬化剤を
前反応させ部分架橋するのに使用する硬化剤としては、
アルキルフェノール樹脂、硫黄、過酸化物、金属酸化物
等が挙げられる。反応の制御性からは、アルキルフェノ
ール樹脂を使用し、液相で行うのが好ましい。この時に
使用する溶剤としては、3−メトキシブチルアセテー
ト、2−エチルブチルアセテート等のゴムの溶解性が良
好な溶剤で、130℃以上の沸点を有する溶剤が望まし
い。本発明のアクリロニトリルブタジエンゴムとその硬
化剤を前反応させ部分架橋させた反応物であるゴムの配
合量は、絶縁樹脂材料に対して10体積%から35体積
%が好ましい。10体積%未満では、塗布硬化後の可撓
性が十分でなくフィルム形成性に効果が見られず、ま
た、35体積%を超えるとフィルム成形性は良好になる
ものの他の絶縁樹脂材料の成分減少による絶縁性等の電
気的特性やTgが著しく悪化してくる。
【0006】本発明で使用する絶縁樹脂材料として、エ
ポキシ樹脂、フエノール樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の単独又は
混合物を硬化剤、硬化促進剤、光硬化開始剤等を含む一
般的な樹脂組成物が適用できる。好ましくは、耐熱性、
電気絶縁性、安全性等を考慮して、エポキシ樹脂、ノボ
ラック型フェノール樹脂等が好適である。また、機械的
特性や熱的特性を向上させるため本目的を損なわない範
囲で無機系、または有機系充填剤を配合することもでき
る。
【0007】本発明のビルドアップ用絶縁樹脂をビルド
アップ用絶縁樹脂フィルムとする場合、キャリアフィル
ムを用いて、このフィルムの上に塗布し、溶剤を乾燥さ
せて形成することができる。キャリアフィルムの材質
は、金属系、有機系を問わず、箔状やフィルム状のもの
で有れば使用できる。ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム、紙、銅箔、アルミニウム箔のように溶
剤を乾燥したり、ビルドアップ用絶縁樹脂を硬化するた
めの加熱処理で形状が極端に変化しないものが望まし
い。
【0008】本発明において、絶縁樹脂材料中に無電解
銅めっきの析出核となるめっき触媒を含有することがで
きる。めっき触媒としては、元素周期律表の8,1B及
び2B属の金属及び金属塩あるいは酸化物が使用でき
る。例えば、銅、金、銀、白金、パラジウム、鉄、コバ
ルト、ニッケルなどが使用できる。めっき触媒の形態は
樹脂中に粉体を分散させたもの、樹脂の極性基を利用し
て溶解したものまたは固体の表面に付着、析出させたも
のを充填材として絶縁樹脂材料中に混合することができ
る。めっき触媒の絶縁樹脂材料中への配合量は、2〜1
5重量%の範囲であれば無電解めっきによって銅が析出
する。
【0009】前記ビルドアップ用絶縁樹脂フィルムは、
絶縁基板に回路加工を行い形成された第1の回路上にラ
ミネーター、プレス等の手段で絶縁層として形成され
る。第1の回路と絶縁層の密着性を向上させるために第
1の回路を構成する銅の酸化還元処理による処理や含浸
性の向上のため希薄樹脂溶液によるプライマー処理を行
っても良い。それらの処理後、絶縁基板に形成された第
1の回路上にビルドアップ用絶縁樹脂フィルムにより絶
縁層を形成し、この絶縁層の上に第1の回路に達する接
続穴をレーザー加工により形成し、更に必要により貫通
穴をドリルやレーザーで形成し、絶縁層の上に第2の回
路を形成すると共に接続穴を介して穴あけ加工し、めっ
きを行う。絶縁基板や絶縁層にめっき触媒が含まれてい
ない場合はPdC12を主成分とするシーディング処理
を行う。無電解めっき銅との接着力を向上するために前
処理としてクロム−硫酸などの酸性の酸化性エッチング
液または過マンガン酸金属塩などのアルカリ性の酸化性
エッチング液で第2の回路形成部や接続穴を選択的に化
学粗化してもよい。その後、中和及び水洗工程を経て無
電解めっき液に浸漬し、スルーホール、非貫通接続穴、
絶縁層に銅を必要厚みまで析出させる。必要ならば電解
めっきを行い厚つけしても良い。その後第2の回路とな
る配線パターンをエッチングにより形成し、多層プリン
ト配線板とする。若しくは、第2の回路形成部以外をめ
っきレジストでマスクし、無電解めっき銅との接着力を
向上するために前処理としてクロム−硫酸などの酸性の
酸化性エッチング液又は過マンガン酸金属塩などのアル
カリ性の酸化性エッチング液で回路形成部や接続穴を選
択的に化学粗化してもよい。その後、中和及び水洗工程
を経て無電解めっき液に浸漬し、スルーホール、非貫通
接続穴、第2の回路部に銅を析出させて配線パターンを
形成し多層プリント配線板とすることもできる。第2の
回路を、次は第1の回路として以上の工程を繰り返し
て、更に層数の多い多層配線板とすることもできる。
【0010】本発明は、アクリロニトリルブタジエンゴ
ム及びその硬化剤を前反応させ、その前反応物を絶縁材
料に配合するため、フィルム形成時にゴムを架橋し硬化
するのに必要な熱量が少なく、絶縁材料中に未反応成分
が多い場合でも予め前反応させたゴムはフィルム形状を
維持でき、第1の回路の段差をボイド無く埋めることが
でき、絶縁層表面が平滑となる回路充填性に優れ、且つ
フィルムが裂けたり、割れたり、折れることのないフィ
ルム形状の維持に優れた可撓性のあるビルドアップ用絶
縁樹脂フィルムを作製することが出来る。
【0011】
【実施例】 (実施例1) 以下に示す樹脂成分を配合してビルドアップ用絶縁樹脂ワニスを作製した。 ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1004:油化シェルエポキシ 株式会社製商品名) 40重量部 ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1007:油化シェルエポキシ 株式会社製商品名) 7重量部 ・アクリロニトリルブタジエンゴムの前反応物(固形分として) 8重量部 ・充填剤(微粉砕Si02)アエロジル#200(日本アエロジル株式会社製商 品名) 2重量部 ・充填剤(水酸化アルミニウム)CL−310(住友化学工業株式会社製商品名 ) 15重量部 ・無電解めっき用触媒(塩化パラジウム付加充填材、Cat#14F:日立化成 工業株式会社製商品名) 6重量部 ・フェノールノボラック樹脂(HP850N:日立化成工業株式会社製商品名) 12重量部 ・硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール、2E4MZ:四国化成工 業株式会社製商品名) 2重量部 上記樹脂、これに下記のようにして得られたアクリロニ
トリルブタジエンゴムと硬化剤を前反応させた前反応物
と充填剤を加え、溶剤ブタノン(エチルメチルケトン)
に溶解、分散させ樹脂固形分65重量%のビルドアップ
用絶縁樹脂ワニスを作製した。なお、上記のアクリロニ
トリルブタジエンゴムの前反応物は、アクリロニトリル
ブタジエンゴム(PNR−1H:日本合成ゴム株式会社
製商品名)と硬化剤(H−2400:アルキルフェノー
ルフォルムアルデヒド樹脂、日立化成工業株式会社製商
品名)をPNR−1H(85):H−2400(15)
重量比となるように3−メトキシブチルアセテート(酢
酸−3−メトキシブチル)に室温で溶解し12重量%溶
液とし、それを攪拌しながら125℃で2.5時間反応
させてアクリロニトリルブタジエンゴムと硬化剤の前反
応物を得た。
【0012】このビルドアップ用絶縁樹脂ワニスを、表
面を離型剤で離型処理したアルミ箔(セパニウム:サン
アルミ社製商品名)に乾燥硬化後の絶縁層の厚みが10
0μmになるように塗布し、半硬化し(80℃で3分、
110℃で4分)ビルドアップ絶縁樹脂フィルムを作製
した。厚み0.6mmのガラス布基材エポキシ樹脂両面
銅張積層板(MCL E−679:日立化成工業株式会
社製商品名)の銅箔を回路加工し第1の回路を形成し、
酸化還元処理を行った配線板の最外層に前記で得られた
ビルドアップ用絶縁樹脂フィルムを絶縁層を内側に向け
てラミネート(ロール温度130℃、圧力5Kgf/c
2)し、その後180℃で1時間の熱硬化処理を行っ
た。そして貫通スルーホールをドリルで形成し、アルミ
箔を剥離して除去し、第1の回路に達する直径100μ
mの非貫通接続穴をレーザー加工(炭酸ガスレーザー)
で形成した。そして、第2の回路形成部以外をめっきレ
ジスト(SR−3000:日立化成工業株式会社製商品
名)でマスクし、クロム−硫酸溶液で粗化処理を行い、
中和及び水洗工程を経て無電解めっき液(L−59めっ
き液:日立化成工業株式会社製商品名)に浸漬し、スル
ーホール、第2の回路部、非貫通穴に銅を25μm析出
させて多層プリント配線板を作製した。
【0013】(実施例2)実施例1と同様にビルドアッ
プ用絶縁樹脂ワニスを作製し、銅箔に乾燥硬化後の絶縁
層の厚みが120μmになるように塗布し、半硬化(8
0℃で3分、120℃で3分)し、ビルドアップ用絶縁
樹脂フィルムを作製した。その後、この銅箔付きビルド
アップ用絶縁樹脂フィルムを穴あけ加工し、内層回路処
理を行った配線板の最外層に絶縁層を内側に向けて、温
度170℃、圧力30Kgf/cm2、70分間プレス
し、さらに、170℃で30分間後硬化処理を行った。
そして最外層の銅をエッチング後、貫通スルーホールを
ドリルで、直径100μmの非貫通スルーホールをレー
ザ加工(YAGレーザー)で形成後、アルカリ性過マン
ガン酸溶液で粗化処理を行い、中和及び水洗工程を経て
無電解めっき液(L−59めっき液:日立化成工業株式
会社製商品名)に浸漬し、2μmの銅めっきを行い、1
50℃で30分乾燥後、電解めっきを行って全体で30
μmの銅めっきを形成した。そして、銅を残す部分をレ
ジストで覆い、エッチングによって最外層パターンを作
製し多層プリント配線板をした。
【0014】(比較例1)実施例1で用いたアクリロニ
トリルブタジエンゴムを硬化剤と前反応させないこと以
外は実施例1の配合(アクリロニトリルブタジエンゴ
ム:PNR−1H7重量部、硬化剤ヒタノール2400
1重量部をそれぞれ配合)と同様に行い得られたワニス
を表面を離型剤で離型処理したアルミ箔(セパニウム:
サンアルミ社製商品名)に塗布した。そして実施例1と
同様にして多層プリント配線板を得た。
【0015】(比較例2)実施例1で用いたアクリロニ
トリルブタジエンゴムを硬化剤と前反応させないこと以
外は実施例1の配合(アクリロニトリルブタジエンゴ
ム:PNR−1H7重量部、硬化剤ヒタノール2400
1重量部をそれぞれ配合)と同様に行い得られたワニス
を実施例2と同様の銅箔に塗布し、べとつき無くするた
めに温度を高めて半硬化処理を90℃で3分、150℃
で4分間とすることに変更した他は、実施例2と同様に
して多層プリント配線板を得た。
【0016】以上の実施例1、2及び比較例1、2で得
られた多層プリント配線板の内層回路充填性、ビルドア
ップ用絶縁樹脂フィルムを作製した際のフィルムの形成
性及び得られたフィルムのタック性を評価して、その結
果を表1に示した。なお、多層プリント配線板の内層回
路充填性は、多層配線板をダイアモンドカッターで切断
し、切断面を研磨して第1の回路へビルドアップ用絶縁
樹脂フィルムがボイドを生じることなく充填されている
か顕微鏡により調べた。ボイドを生じることなく充填で
きているものを○で、ボイドを生じたものを×で示し
た。更に、絶縁基板として用いた、内層回路板のスルー
ホールをビルドアップ用絶縁樹脂フィルムで埋める充填
性について調べ、スルーホールを埋めることができたも
のを○で、ボイドがあり十分に埋めることができないも
のを×で示した。フィルム形成性は、ビルドアップ用絶
縁樹脂ワニスをキャリアフィルムとして離型剤処理した
PETフィルムに塗布、乾燥(80℃で3分、120℃
で3分)した後、PETフィルムから剥がしたときにキ
ャリアフィルムが無くても可撓性がありフィルム形状を
維持できるものを○で、キャリアフィルムの存在により
フィルム形状を維持しているが、剥がしたときには折れ
てしまったり、割れてしまいフィルム形状を維持できな
いものを△で、また、キャリアフィルムから剥がすと脆
く割れてしまうなどのフィルムに形成できないものを×
として評価した。べとつきは、得られたビルドアップ用
絶縁樹脂フィルムを触指して、べとつきが無いものを無
しとして、べとつきのあるものを有りとして評価した。
【0017】
【表1】 項目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 フィルム形成性 ○ ○ △ △ べとつき 無し 無し 有り 無し 内層回路充填性 ○ ○ × × スルーホール充填性 ○ ○ ○ ×
【0018】以上の実施例1、2及び比較例1、2よ
り、本発明のアクリロニトリルブタジエンゴムを硬化剤
で予め前反応させた前反応物を配合することにより、得
られたビルドアップ用絶縁樹脂フィルムのべとつきが無
くて取扱性が良好となる。フィルム形成性のないエポキ
シ樹脂にゴム成分を比較的多く配合し可撓性を発現しフ
ィルム形成性を持たせた本発明により得られたフィルム
に、タックが有るとフィルム同士がくっつくと、もはや
剥離が困難となり取扱性が極端に悪くなる。アクリロニ
トリルブタジエンゴムを前反応させない絶縁樹脂を用い
た比較例1では、離型剤で離型処理したキャリアフィル
ムに塗工し、乾燥させると樹脂が凝集しフィルム化が困
難であるが、何とか得られたフィルムを用いた場合、べ
とつき(タック性)のためラミネートも困難でボイドが
発生した。このべとつきをなくすため乾燥温度を高めた
比較例2では、エポキシ樹脂とアクリロニトリルブタジ
エンゴムの硬化が進みべとつきは解消され、また、離型
処理してない銅箔を使用しているためワニスがはじかれ
ることなくフィルム化は良好となる。しかし、硬化がよ
り進んだエポキシ樹脂となるためゴムによる可撓化が不
足するためかフィルムが折れたり、割れたりしてしま
い、フィルム形状を維持でき無くなる。また、これを用
いて多層プリント配線板としても、絶縁層の流動性が不
足し内層回路充填性、スルーホール充填性が悪くなっ
た。
【0019】
【発明の効果】本発明の予めアクリロニトリルブタジエ
ンゴムを硬化剤で前反応させた前反応物を配合すること
を特徴としたビルドアップ用絶縁樹脂、それを用いたビ
ルドアップ用絶縁樹脂フィルム、それを用いた多層プリ
ント配線板の製造方法により、回路充填性やスルーホー
ル充填性が良好で、また、フィルム形状維持に優れると
共に可撓性を有し、タック性が無いことから取扱性に優
れ電子材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 15:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルブタジエンゴム及びそ
    の硬化剤を前反応させ、その前反応物を絶縁樹脂材料に
    配合することを特徴とするビルドアップ用絶縁樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のビルドアップ用絶縁樹
    脂をフィルム状に形成したビルドアップ用絶縁樹脂フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 絶縁基板に形成された第1の回路上に請
    求項2に記載のビルドアップ用絶縁樹脂フィルムにより
    絶縁層を形成し、この絶縁層の上に第1の回路に達する
    接続穴をレーザー加工により形成して、絶縁層の上に第
    2の回路を形成すると共に接続穴を介して第1の回路と
    第2の回路を接続することを特徴とする多層プリント配
    線板の製造方法。
JP8303998A 1998-03-30 1998-03-30 ビルドアップ用絶縁樹脂及びそれを用いたビルドアップ用絶縁樹脂フィルム並びに多層プリント配線板の製造方法 Pending JPH11279414A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055486A (ja) * 2001-05-24 2003-02-26 Hitachi Chem Co Ltd プリプレグ及び積層板

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JP2003055486A (ja) * 2001-05-24 2003-02-26 Hitachi Chem Co Ltd プリプレグ及び積層板

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