JP3852495B2 - 多層配線板の製造法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インタスティシャルバイアホール(以下、IVHという。)を有する高密度多層配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、高機能化に伴い、配線板はより一層の高密度化が要求されてきているため、配線板は配線層数を増やす多層化、同一層内の配線収容量を増やすための微細配線化、層間の接続を行うための接続穴の微細化が行われてきた。
しかし、高密度化に伴い必要とする接続穴数が増大し、従来の貫通穴では穴数の増加と共に、必要とする層以外の層にも配線できない領域(貫通穴部分)が増加するため、配線収容量を充分に増やすことができないという問題があった。
そこで、このような問題点を克服するための方法として、必要な層間だけを接続するIVHを用いた構造の多層配線板が注目されてきた。
【0003】
このような多層配線板は、例えば、図3に示すように、貫通穴を明け、穴内をめっきし、不要な導体をエッチング除去して配線形成した両面板を内層配線板として使用し、このものの必要枚数をプリプレグと共に積層して多層化し(図3(a)に示す。)、必要な箇所に貫通穴を明け(図3(b)に示す。)、再度のめっきによってスルーホールの導体化を行い(図3(c)に示す。)、配線形成する(図3(d)に示す。)ことによってIVH構造の配線板を製造する方法があったが、工程数が多いことやめっき回数が多く、その結果、外層の配線形成前の導体厚さが厚くなり、微細な配線形成が難しいという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、発明者らは金属箔とBステージの接着剤を一体化した接着剤付金属箔に予め穴を明けた後、配線形成した内層配線板と積層接着して多層化し、必要に応じ貫通穴の形成、穴内の導体化、エッチングによる配線形成によってIVH付多層配線板を製造する方法を提案している。
【0004】
この方法の場合、穴明けを接着剤付金属箔に行えば良く、ガラス布を含まない材料に穴明けすれば良いこと、両面銅張りのガラス布強化基材に比べて厚さが薄いことなどから、多数枚重ねてドリルで穴明けができ、生産効率に優れているという特長がある。また、この製造法の場合、特別な設備を用いることなく、従来の製造設備をそのまま使って微細なIVHを形成できるということも利点の一つである。
【0005】
また別の方法として、内層配線板に絶縁層と銅箔を多層接着後、銅箔のIVH形成予定部分を予めエッチング除去して絶縁層を露出させておき、その後、そのエッチング除去した部分から露出した樹脂をレーザによって、または化学的に除去してIVH用の穴を形成し、その後のめっきによって接続する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術のうち、穴明けを接着剤付金属箔に行う製造方法は、接着剤付金属箔の接着剤で内層配線板の配線部分を完全に埋める必要があるが、一方、予め明けた穴内への樹脂のしみだしは小さいことが望ましい。この両性質が相矛盾することから、接着剤層の物性(積層時の流動性等)、積層条件などの許容範囲が狭く厳密な管理が要求されるという課題がある。
【0007】
そこで、この対策のため、積層物と積層治具(鏡板)との間に加熱加圧の状態で塑性流動するシートを挿入することにより、積層時の接着剤樹脂の流動に先立ち、このシート材料が穴内を充填して樹脂のしみだしを抑え、また積層物表面の圧力を均一化する効果もあるため、内層配線の間隙部へも接着剤樹脂が流動し、この結果、ボイドの発生も抑制され、製造管理条件の範囲が広がるということを見い出した。
しかし、穴径の微細化に伴い、シート材料も従来より流動し易い材料を用いる必要が生じ、この場合、シートを物理的に引き剥がす時に、穴内に充填したシート材料の一部が引きちぎれて残存したりすることがあった。また、内層配線板の配線部分と接着剤層との接着力向上のために、黒化(酸化銅)処理等を行うと、この部分の接着力が高くシート材料が薄膜状に残るという問題もあった。このように穴内に残ったシート材料は、その後の処理によっても除去されにくく、0.3mm径以下といったIVHの穴径の微細化を行う上でネックとなっていた。
【0008】
またレーザ穴明けや化学的に樹脂を除去する方法は、微細な穴の形成に適している方法であるが、レーザ穴明けの場合、特別にそのためのレーザ装置が必要なこと、ドリルのように重ねての穴明けができず、穴明け効率があまり高くないことなどの課題がある。化学的に絶縁層を除去する方法の場合、一括して処理できるという利点があるが、やはり特別な処理装置が必要なこと、液管理を厳密に行う必要があること、絶縁層の厚さも管理する必要があることなど、ドリル穴明け方式等に比べて管理に手間がかかる。これ以外にも絶縁層の樹脂組成は化学除去に適した組成とする必要があり、目的に応じて組成を変更することには大幅な制限があった。
【0009】
本発明は、通常使われている多層配線板の製造設備、方法を大幅に変更することなく、効率的に、微細なIVHを有する多層配線板の製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層配線板の製造法は、
a.内層配線板を作製する工程、
b.金属箔と接着性の樹脂層とからなる接着剤付金属箔に、穴明けする工程、
c.前記内層配線板と前記該接着剤付金属箔とを重ね、積層治具との間に加熱加圧状態で塑性流動するシートを介在させて、加熱加圧して積層接着する工程、
d.積層接着後に、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートを、物理的に剥離除去する工程、
e.積層接着したものを、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して分解性もしくは溶解性を有する溶液で処理する工程、
f.前記内層配線板の回路と前記金属箔とを電気的に接続するためのめっきを行う工程、
g.めっき導体及び金属箔を加工して回路を形成する工程、
からなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の内層配線板の基材には、ガラス布と熱硬化性樹脂を主体とする基材を用いることができ、中でもエポキシ樹脂は、耐熱性も高く、好ましい。
【0012】
接着性の樹脂層には、エポキシ樹脂を主体とする樹脂層を用いることが好ましく、さらには、高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂を用いる場合、可撓化剤や変性をしなくとも硬化後にある程度の可撓性を保ち、また積層接着時の加熱時にも樹脂粘度を高く保つことができ、より好ましい。
【0013】
このような高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂には、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、加熱して重合させたフィルム形成能を有する分子量100,000以上のエポキシ重合体及び架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする熱硬化性エポキシ樹脂を用い、ワニス状の前記熱硬化性エポキシ樹脂を銅箔の粗化面に塗布し、加熱により半硬化状態にして、銅箔上に直接エポキシ樹脂層を形成したり、前記熱硬化性エポキシ樹脂をフィルム基材上に塗布しフィルム化した後に、銅箔とラミネートして形成することもできる。
【0014】
(熱硬化性エポキシ樹脂の組成)
本発明で使用する、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、加熱して重合させたフィルム形成能を有する分子量100,000以上のエポキシ重合体及び架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、フィルム形成能を有するエポキシ重合体および架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする。
【0015】
(エポキシ重合体)
フィルム形成能を有するエポキシ重合体は、重量平均分子量が100,000以上の、いわゆる高分子量エポキシ重合体であり、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比を、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、沸点が130℃以上のアミド系またはケトン系溶媒中、反応固形分濃度50重量%以下で、加熱し重合させて得られる。
【0016】
二官能エポキシ樹脂は、分子内に二個のエポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。また、二官能エポキシ樹脂以外の成分が少量含まれていてもかまわない。
【0017】
ハロゲン化二官能フェノール類は、ハロゲン原子が置換し、しかも二個のフェノール性水酸基を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビスフェノール類、およびこれらのアルキル基置換体などのハロゲン化物などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。また、ハロゲン化二官能フェノール類以外の成分が少量含まれていてもかまわない。
【0018】
触媒は、エポキシ基とフェノール性水酸基のエーテル反応を促進させるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イミダゾール類、有機りん化合物、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩などがある。中でもアルカリ金属化合物が最も好ましい触媒であり、アルカリ金属化合物の例としては、ナトリウム、リチウム、カリウムの水酸化物、有機酸塩、アルコラート、フェノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミドなどがある。これらの触媒は併用することができる。
【0019】
反応溶媒としては、アミド系またはケトン系溶媒が好ましく、アミド系溶媒としては、沸点が130℃以上で、原料となるエポキシ樹脂とフェノール類を溶解すれば、特に制限はないが、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カルバミド酸エステルなどがある。これらの溶媒は併用することができる。また、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒などに代表されるその他の溶媒と併用してもかまわない。また、ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノンなどがある。
【0020】
重合体の合成条件としては、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比は、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1とされる。
重合反応温度は、60〜150℃であることが好ましく、60℃未満であると、高分子量化反応が著しく遅く、150℃を越えると、副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しない。
溶媒を用いた重合反応の際の固形分濃度は、50重量%以下であればよいが、さらには30重量%以下にすることが好ましい。
【0021】
このようにすることにより、フィルム形成能を有する分子量が100,000以上の、いわゆる高分子量エポキシ重合体が得られる。
この高分子量エポキシ重合体の架橋剤として、架橋剤の反応性制御が容易でワニスの保存安定性が確保し易い、イソシアネート類を他の活性水素を持つ化合物でマスク(ブロック)したマスクイソシアネート類を用いるのが好ましい。
【0022】
イソシアネート類は分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、フェノール類、オキシム類、アルコール類などのマスク剤でマスクされたヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどが挙げられる。特に、硬化物の耐熱性の向上のためフェノール類でマスクされたイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが好ましい。
この架橋剤の量は、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1.0当量に対し、イソシアネート基が0.1〜1.0当量にすることが好ましい。
【0023】
(多官能エポキシ樹脂)
多官能エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂などのフェノール類のグリシジルエーテルであるフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂などであり、エポキシ樹脂ならば何を用いてもかまわないが、特にフェノール型エポキシ樹脂、または、フェノール型エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂との混合物が、耐熱性の向上のために好ましい。
この多官能エポキシ樹脂の量は、高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、20〜100重量部にすることが好ましい。
また、この多官能エポキシ樹脂は、接着成分および成形時の樹脂流れとして働くため、内層銅箔の厚さやその回路の密度によって、適正な量に調節することができる。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上混合して用いてもかまわない。
【0024】
(添加剤)
さらに、多官能エポキシ樹脂の硬化剤および硬化促進剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤および硬化促進剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、酸無水物、アミン類、イミダゾール類、フォスフィン類などが挙げられる。また、これらを組み合わせて用いてもかまわない。
さらにシランカップリング剤を添加することは、エポキシ樹脂層の接着力、特に銅箔との接着力を向上させるので好ましい。添加するシランカップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、尿素シラン等が好ましい。
【0025】
(塗布)
このような組成の混合物を、溶剤により希釈し、銅箔の表面に塗布する。このときの塗布方法は、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、リップコータ、ダイコータ等により塗布すことができる。
また、塗布した後に、130〜150℃、2〜30分の条件で乾燥し、半硬化状にする。
【0026】
また、本発明の、加熱加圧状態で塑性流動するシートには、ポリスチレン、酢酸ビニル、ポリスチレンの共重合体、酢酸ビニルの共重合体のいずれかを主体とする樹脂を用いることができる。
積層工程で塑性流動するシートの厚さは、クッション効果が得られる厚さであればよく、不必要に厚くすると積層工程で塑性流動するシートの価格が高くなるだけでなく、熱盤から積層物への伝熱性が悪くなるという問題がある。これらのことから厚さは30μm〜2mmの範囲が望ましく、積層接着時の温度で粘度低下が充分に大きければ30〜200μmの範囲で充分である。
【0027】
積層接着後には、一旦、鏡板、シートを積層物から除去し、その後、少なくともシートに対して溶解性もしくは分解性を有する溶液で処理を行う。このような溶液には、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル系溶剤やアミド系溶剤等を用いることができる。
【0028】
なお、接着性樹脂に高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いる場合、溶液として強塩基を含むアミド系溶剤を用いれば、高分子量エポキシ重合体も分解することができ、強塩基の種類、濃度、アミド系溶剤の種類、濃度、処理温度、時間を適当に選ぶことによって、しみだした樹脂を除去することができる。
このようなアミド系溶剤としては、例えば、Nメチルホルムアミド、アセトアミド、Nメチルアセトアミド、N,N,N′,N′テトラメチル尿素、2ピロリドン、Nメチル2ピロリドン、カルバミド酸エステルなどが使用できる。
強塩基源としては、アルカリ金属化合物を用いることができ、特にその水酸化物が適しているが、他の形態であっても本発明に有効な強塩基源を提供できるものであればよい。これらの塩基を溶解する目的で、多価アルコールやその他の有機溶媒を用いてもよい。この場合、結果的に先のアミド系溶剤との混合液となるが、この時のアミド系溶剤の比率が全溶液に対して50%以上が望ましい。
【0029】
接着性樹脂の流動性が大きい場合には、IVHの穴内への接着性樹脂のしみだしが大きくなることがあり、絶縁樹脂とシートの両方に対して溶解性もしくは分解性を有する溶液による処理が望ましい。
なお、絶縁樹脂とシートの両方に対して、溶解性もしくは分解性を有する溶液としては、通常、多層配線板のめっき前処理の一つとして用いられるデスミア処理液などもある。
【0030】
このような溶液としては、例えばアルカリ過マンガン酸、クロム混酸、濃硫酸などがあり、これらの液を本発明の処理液として用いることもできる。しかし、シートと絶縁樹脂層に対するこれらの液の溶解または分解性のバランスが適しているとは言えず、好適な処理液とは言い難い。即ち、シートに対する溶解もしくは分解性が接着剤層に対するそれよりも大きいことが望ましい。逆の場合には、シートの溶解もしくは分解が律速となり、その結果、接着剤層の分解または溶解が過剰になり、たこ壷状の穴になってしまう。このような穴は、その後のめっき付性が低下するのみならず各種の液処理時の液交換が悪く、種々の不具合の原因となる。
アルカリ過マンガン酸、クロム混酸の場合がこのようなケースに当てはまる。一方、濃硫酸の場合、溶解能力が大きく、その適正な制御が困難なこと、液の危険性が大きいことなどから好適とは言えない。
【0031】
このような加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して、分解性もしくは溶解性を有する溶液に、前記接着性の樹脂層に対しても分解性もしくは溶解性を有するものを用いることができる。
このような溶液には、アミド系溶剤を主体とする溶液を用いることができ、さらには、強塩基性物質を含有させることもできる。
【0032】
金属箔には、銅箔やアルミニウム箔などを用いることができるが、特に銅箔が適しており、厚さは5〜80μmの範囲が望ましく、より望ましくは5〜40μmの範囲である。
なお、配線を形成する金属箔の厚さが特に薄くなる場合には、取扱性の点から支持体強度を得るためのキャリアを設けた金属箔を使ってもよい。
そのような金属箔としては、市販されているアルミニウムキャリア付の極薄銅箔等がある。
【0033】
上記の溶液処理後、必要箇所に貫通穴を明け、めっきによってスルーホールの導体化とIVHの導体化とを同時に行い、配線形成を行って多層配線板が得られる。
なお、IVHの接続方法としては、上記のめっきで接続する方法の他、導電物、例えば銅ペーストや銀ペーストを充填し接続する方法を用いることもできる。
【0034】
本発明では、積層時に塑性流動するシートを介在させて、一旦、積層接着した後、物理的にこのシートを除去し、更に塑性流動するシートと絶縁樹脂の両方を分解もしくは溶解する溶液で処理を行う。
ここで、積層時に塑性流動するシートを介在させているのは、内層配線間の間隙の埋め込みとIVH形成用穴部分への樹脂のしみだしの抑制のバランスをとるためである。即ち、通常の鏡板によるプレスでは、予め明けたIVH用の穴内に樹脂がしみだしてしまうので、樹脂の流動性と積層時の温度や圧力の条件を適当に選ぶ必要があるが、内層配線の間隙部への接着剤付金属箔の樹脂層の埋まり込み性も確保する必要がある。鏡板の間に目的とする積層物を配設する通常の方法では、これらの相矛盾する要求のバランスを取ることが極めて難しい。本発明では、積層時に塑性流動するシートを用いることによって、このような不具合を解決している。
しかし、積層工程で塑性流動するシートを用いて積層を行った場合、積層後に物理的にそのシートを剥離すると、シートの微小片が引きちぎられて微細なIVH穴内に残ったり、薄膜状のものがIVHの底部に付着し、その部分の導通不良や信頼性低下の原因となる。
【0035】
本発明では、このシートを溶解もしくは分解し得る溶液で処理を行うことにより、そのような残留物を完全に除去しIVH部分の信頼性向上を図っている。
この時、シートの残留物は微量なので短時間、溶解液に浸漬等するだけで良く、それ程管理が煩雑になることはない。さらに、シートに対する溶解もしくは分解速度が絶縁樹脂に対する溶解もしくは分解速度よりも大きい液を用いることによって、溶解時間が過大となっても、絶縁樹脂層の溶解もしくは分解量は少なくIVH用の穴形成が適性に行われる。
なお、塑性流動するシートを物理的に剥離するだけの場合、微細な剥離片や薄膜状物質が残らないようにすることは不可能ではなかったが、剥離時の温度や剥離の仕方、その後の液処理等を含めて極めて多くの条件管理を厳密に行う必要があり、また、このために他の要求による条件変更が実質上困難であった。しかし、本発明ではシートを物理的に剥離後、化学的に除去することによって上記の問題の解決を行っている。
また、本発明では上記の溶液に積層物の絶縁樹脂層も同時に溶解もしくは分解し得るものを選ぶことによって、IVH用の穴内への絶縁樹脂のしみだし抑制が仮に不充分であり、微量の樹脂が穴内底部にしみだしても、その樹脂を溶解することができる。従って、その後のめっきによる接続が不充分となる恐れはなく、また他の製造上、特性上の要求によって製造条件を選ぶことが可能となる。
ここで、本発明で示した高分子量エポキシ重合体の場合、強塩基を含有するアミド系溶剤で分解が可能なことから、本発明に特に好適に利用することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1
a.内層配線板作製
ガラス布にエポキシ樹脂を含浸した基材の両面に銅箔を積層した銅張り積層板の、導体の不要な箇所をエッチング除去して、IVH接続部分の必要箇所にランドを設けた内層配線を形成することにより、内層配線板4を作製した。
b.穴付の接着剤付金属箔の作製
接着剤31として高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を、Bステージ状態を保つように、銅箔32の表面に50μmの厚さに形成後、この接着剤付金属箔3にIVH接続用の直径0.15mmの穴6をドリルで明けた。
c.積層
図1(a)に示すように、内層配線板4に、穴付の接着剤付銅箔3を重ねて、塑性流動するシート2として厚さ150μmのポリスチレンシートを、鏡板と積層物の間に挿入し、170℃で、2MPa、1時間、加熱加圧して、図1(b)に示すように積層接着した。
積層後、図1(c)に示すように、鏡板1、ポリスチレンシート(2)を積層物から剥がし、N,Nジメチルホルムアミド85g/l、メチルカルビトール13g/l及び水酸化ナトリウム2g/lからなる溶液に、40℃で15分間浸漬し、微細なシートの残存物7を除去した(図1(d)に示す。)。このものを水洗乾燥後、必要箇所にドリルでスルーホール接続用の穴明けを行った(図示せず。)。
この後、アルカリ過マンガン酸処理、触媒処理など一連のめっき前処理を行った後、無電解銅めっきで15μmの厚さのめっきを行い(図1(e)に示す。)、不要な導体をエッチング除去して、配線形成を行って(図1(f)に示す。)、IVH付多層配線板を得た。
【0037】
実施例2
a.内層配線板作製
ガラス布にエポキシ樹脂を含浸した基材の両面に銅箔を積層した銅張り積層板の、導体の不要な箇所をエッチング除去して、IVH接続部分の必要箇所にランドを設けた内層配線を形成することにより、内層配線板4を作製した。
b.穴付の接着剤付金属箔の作製
接着剤31として高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を、Bステージ状態を保つように、厚さ5μmの銅箔32と厚さ50μmのアルミニウム箔33からなる金属箔の表面に50μmの厚さに形成後、この接着剤付金属箔3にIVH接続用の直径0.15mmの穴6をドリルで明けた。
c.積層
図2(a)に示すように、内層配線板4に、穴付の接着剤付銅箔3を重ねて、塑性流動するシート2として厚さ150μmのポリスチレンシートを、鏡板と積層物の間に挿入し、170℃で、2MPa、1時間、加熱加圧して、図2(b)に示すように積層接着した。
積層後、図2(c)に示すように、鏡板1、ポリスチレンシート(2)を積層物から剥がし、さらにアルミニウム箔33を引き剥がし、N,Nジメチルホルムアミド96g/lと水酸化ナトリウム4g/lからなる溶液に、40℃で15分間浸漬し、微細なシートの残存物7を除去した(図2(d)に示す。)。このものを水洗乾燥後、必要箇所にドリルでスルーホール接続用の穴明けを行った(図示せず。)。
この後、アルカリ過マンガン酸処理、触媒処理など一連のめっき前処理を行った後、無電解銅めっきで15μmの厚さのめっきを行い(図2(e)に示す。)、不要な導体をエッチング除去して、配線形成を行って(図2(f)に示す。)、IVH付多層配線板を得た。
【0038】
比較例
実施例1でN,Nジメチルホルムアミドと水酸化ナトリウムからなる溶液の処理を行わなかった他は、全く同じにして多層配線板を得た。
【0039】
(評価)
実施例と比較例1でIVH部分の導通を調べたところ、比較例1のものでは約40%のIVHで導通が得られなかったが、実施例1、2ではともに全てのIVHで導通が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、微細なIVHを有する高密度な配線板を、特別な設備を用いることもなく容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施例を説明するための各工程における断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施例を説明するための各工程における断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、それぞれ従来例を説明するための各工程における断面図である。
【符号の説明】
1.鏡板 2.塑性流動するシート
3.接着剤付金属箔 4.内層配線板
5.積層物 6.IVH用穴
7.微細なシートの残存物 8.めっき
9.IVH 31.接着剤
32.銅箔 33.アルミニウム箔
102.外層板 103.プリプレグ
104.内層板 105.積層物
106.IVH用穴 107.積層物
108.スルーホール 109.IVH
【発明の属する技術分野】
本発明は、インタスティシャルバイアホール(以下、IVHという。)を有する高密度多層配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の軽薄短小化、高機能化に伴い、配線板はより一層の高密度化が要求されてきているため、配線板は配線層数を増やす多層化、同一層内の配線収容量を増やすための微細配線化、層間の接続を行うための接続穴の微細化が行われてきた。
しかし、高密度化に伴い必要とする接続穴数が増大し、従来の貫通穴では穴数の増加と共に、必要とする層以外の層にも配線できない領域(貫通穴部分)が増加するため、配線収容量を充分に増やすことができないという問題があった。
そこで、このような問題点を克服するための方法として、必要な層間だけを接続するIVHを用いた構造の多層配線板が注目されてきた。
【0003】
このような多層配線板は、例えば、図3に示すように、貫通穴を明け、穴内をめっきし、不要な導体をエッチング除去して配線形成した両面板を内層配線板として使用し、このものの必要枚数をプリプレグと共に積層して多層化し(図3(a)に示す。)、必要な箇所に貫通穴を明け(図3(b)に示す。)、再度のめっきによってスルーホールの導体化を行い(図3(c)に示す。)、配線形成する(図3(d)に示す。)ことによってIVH構造の配線板を製造する方法があったが、工程数が多いことやめっき回数が多く、その結果、外層の配線形成前の導体厚さが厚くなり、微細な配線形成が難しいという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、発明者らは金属箔とBステージの接着剤を一体化した接着剤付金属箔に予め穴を明けた後、配線形成した内層配線板と積層接着して多層化し、必要に応じ貫通穴の形成、穴内の導体化、エッチングによる配線形成によってIVH付多層配線板を製造する方法を提案している。
【0004】
この方法の場合、穴明けを接着剤付金属箔に行えば良く、ガラス布を含まない材料に穴明けすれば良いこと、両面銅張りのガラス布強化基材に比べて厚さが薄いことなどから、多数枚重ねてドリルで穴明けができ、生産効率に優れているという特長がある。また、この製造法の場合、特別な設備を用いることなく、従来の製造設備をそのまま使って微細なIVHを形成できるということも利点の一つである。
【0005】
また別の方法として、内層配線板に絶縁層と銅箔を多層接着後、銅箔のIVH形成予定部分を予めエッチング除去して絶縁層を露出させておき、その後、そのエッチング除去した部分から露出した樹脂をレーザによって、または化学的に除去してIVH用の穴を形成し、その後のめっきによって接続する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術のうち、穴明けを接着剤付金属箔に行う製造方法は、接着剤付金属箔の接着剤で内層配線板の配線部分を完全に埋める必要があるが、一方、予め明けた穴内への樹脂のしみだしは小さいことが望ましい。この両性質が相矛盾することから、接着剤層の物性(積層時の流動性等)、積層条件などの許容範囲が狭く厳密な管理が要求されるという課題がある。
【0007】
そこで、この対策のため、積層物と積層治具(鏡板)との間に加熱加圧の状態で塑性流動するシートを挿入することにより、積層時の接着剤樹脂の流動に先立ち、このシート材料が穴内を充填して樹脂のしみだしを抑え、また積層物表面の圧力を均一化する効果もあるため、内層配線の間隙部へも接着剤樹脂が流動し、この結果、ボイドの発生も抑制され、製造管理条件の範囲が広がるということを見い出した。
しかし、穴径の微細化に伴い、シート材料も従来より流動し易い材料を用いる必要が生じ、この場合、シートを物理的に引き剥がす時に、穴内に充填したシート材料の一部が引きちぎれて残存したりすることがあった。また、内層配線板の配線部分と接着剤層との接着力向上のために、黒化(酸化銅)処理等を行うと、この部分の接着力が高くシート材料が薄膜状に残るという問題もあった。このように穴内に残ったシート材料は、その後の処理によっても除去されにくく、0.3mm径以下といったIVHの穴径の微細化を行う上でネックとなっていた。
【0008】
またレーザ穴明けや化学的に樹脂を除去する方法は、微細な穴の形成に適している方法であるが、レーザ穴明けの場合、特別にそのためのレーザ装置が必要なこと、ドリルのように重ねての穴明けができず、穴明け効率があまり高くないことなどの課題がある。化学的に絶縁層を除去する方法の場合、一括して処理できるという利点があるが、やはり特別な処理装置が必要なこと、液管理を厳密に行う必要があること、絶縁層の厚さも管理する必要があることなど、ドリル穴明け方式等に比べて管理に手間がかかる。これ以外にも絶縁層の樹脂組成は化学除去に適した組成とする必要があり、目的に応じて組成を変更することには大幅な制限があった。
【0009】
本発明は、通常使われている多層配線板の製造設備、方法を大幅に変更することなく、効率的に、微細なIVHを有する多層配線板の製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層配線板の製造法は、
a.内層配線板を作製する工程、
b.金属箔と接着性の樹脂層とからなる接着剤付金属箔に、穴明けする工程、
c.前記内層配線板と前記該接着剤付金属箔とを重ね、積層治具との間に加熱加圧状態で塑性流動するシートを介在させて、加熱加圧して積層接着する工程、
d.積層接着後に、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートを、物理的に剥離除去する工程、
e.積層接着したものを、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して分解性もしくは溶解性を有する溶液で処理する工程、
f.前記内層配線板の回路と前記金属箔とを電気的に接続するためのめっきを行う工程、
g.めっき導体及び金属箔を加工して回路を形成する工程、
からなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の内層配線板の基材には、ガラス布と熱硬化性樹脂を主体とする基材を用いることができ、中でもエポキシ樹脂は、耐熱性も高く、好ましい。
【0012】
接着性の樹脂層には、エポキシ樹脂を主体とする樹脂層を用いることが好ましく、さらには、高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂を用いる場合、可撓化剤や変性をしなくとも硬化後にある程度の可撓性を保ち、また積層接着時の加熱時にも樹脂粘度を高く保つことができ、より好ましい。
【0013】
このような高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂には、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、加熱して重合させたフィルム形成能を有する分子量100,000以上のエポキシ重合体及び架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする熱硬化性エポキシ樹脂を用い、ワニス状の前記熱硬化性エポキシ樹脂を銅箔の粗化面に塗布し、加熱により半硬化状態にして、銅箔上に直接エポキシ樹脂層を形成したり、前記熱硬化性エポキシ樹脂をフィルム基材上に塗布しフィルム化した後に、銅箔とラミネートして形成することもできる。
【0014】
(熱硬化性エポキシ樹脂の組成)
本発明で使用する、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、加熱して重合させたフィルム形成能を有する分子量100,000以上のエポキシ重合体及び架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、フィルム形成能を有するエポキシ重合体および架橋剤、多官能エポキシ樹脂を構成成分とする。
【0015】
(エポキシ重合体)
フィルム形成能を有するエポキシ重合体は、重量平均分子量が100,000以上の、いわゆる高分子量エポキシ重合体であり、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比を、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1とし、触媒の存在下、沸点が130℃以上のアミド系またはケトン系溶媒中、反応固形分濃度50重量%以下で、加熱し重合させて得られる。
【0016】
二官能エポキシ樹脂は、分子内に二個のエポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。また、二官能エポキシ樹脂以外の成分が少量含まれていてもかまわない。
【0017】
ハロゲン化二官能フェノール類は、ハロゲン原子が置換し、しかも二個のフェノール性水酸基を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビスフェノール類、およびこれらのアルキル基置換体などのハロゲン化物などがある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを併用することができる。また、ハロゲン化二官能フェノール類以外の成分が少量含まれていてもかまわない。
【0018】
触媒は、エポキシ基とフェノール性水酸基のエーテル反応を促進させるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イミダゾール類、有機りん化合物、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩などがある。中でもアルカリ金属化合物が最も好ましい触媒であり、アルカリ金属化合物の例としては、ナトリウム、リチウム、カリウムの水酸化物、有機酸塩、アルコラート、フェノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミドなどがある。これらの触媒は併用することができる。
【0019】
反応溶媒としては、アミド系またはケトン系溶媒が好ましく、アミド系溶媒としては、沸点が130℃以上で、原料となるエポキシ樹脂とフェノール類を溶解すれば、特に制限はないが、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カルバミド酸エステルなどがある。これらの溶媒は併用することができる。また、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒などに代表されるその他の溶媒と併用してもかまわない。また、ケトン系溶媒としては、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノンなどがある。
【0020】
重合体の合成条件としては、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比は、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1とされる。
重合反応温度は、60〜150℃であることが好ましく、60℃未満であると、高分子量化反応が著しく遅く、150℃を越えると、副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しない。
溶媒を用いた重合反応の際の固形分濃度は、50重量%以下であればよいが、さらには30重量%以下にすることが好ましい。
【0021】
このようにすることにより、フィルム形成能を有する分子量が100,000以上の、いわゆる高分子量エポキシ重合体が得られる。
この高分子量エポキシ重合体の架橋剤として、架橋剤の反応性制御が容易でワニスの保存安定性が確保し易い、イソシアネート類を他の活性水素を持つ化合物でマスク(ブロック)したマスクイソシアネート類を用いるのが好ましい。
【0022】
イソシアネート類は分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、フェノール類、オキシム類、アルコール類などのマスク剤でマスクされたヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどが挙げられる。特に、硬化物の耐熱性の向上のためフェノール類でマスクされたイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが好ましい。
この架橋剤の量は、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1.0当量に対し、イソシアネート基が0.1〜1.0当量にすることが好ましい。
【0023】
(多官能エポキシ樹脂)
多官能エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂などのフェノール類のグリシジルエーテルであるフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂などであり、エポキシ樹脂ならば何を用いてもかまわないが、特にフェノール型エポキシ樹脂、または、フェノール型エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂との混合物が、耐熱性の向上のために好ましい。
この多官能エポキシ樹脂の量は、高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、20〜100重量部にすることが好ましい。
また、この多官能エポキシ樹脂は、接着成分および成形時の樹脂流れとして働くため、内層銅箔の厚さやその回路の密度によって、適正な量に調節することができる。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上混合して用いてもかまわない。
【0024】
(添加剤)
さらに、多官能エポキシ樹脂の硬化剤および硬化促進剤を用いることが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤および硬化促進剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、酸無水物、アミン類、イミダゾール類、フォスフィン類などが挙げられる。また、これらを組み合わせて用いてもかまわない。
さらにシランカップリング剤を添加することは、エポキシ樹脂層の接着力、特に銅箔との接着力を向上させるので好ましい。添加するシランカップリング剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、尿素シラン等が好ましい。
【0025】
(塗布)
このような組成の混合物を、溶剤により希釈し、銅箔の表面に塗布する。このときの塗布方法は、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、リップコータ、ダイコータ等により塗布すことができる。
また、塗布した後に、130〜150℃、2〜30分の条件で乾燥し、半硬化状にする。
【0026】
また、本発明の、加熱加圧状態で塑性流動するシートには、ポリスチレン、酢酸ビニル、ポリスチレンの共重合体、酢酸ビニルの共重合体のいずれかを主体とする樹脂を用いることができる。
積層工程で塑性流動するシートの厚さは、クッション効果が得られる厚さであればよく、不必要に厚くすると積層工程で塑性流動するシートの価格が高くなるだけでなく、熱盤から積層物への伝熱性が悪くなるという問題がある。これらのことから厚さは30μm〜2mmの範囲が望ましく、積層接着時の温度で粘度低下が充分に大きければ30〜200μmの範囲で充分である。
【0027】
積層接着後には、一旦、鏡板、シートを積層物から除去し、その後、少なくともシートに対して溶解性もしくは分解性を有する溶液で処理を行う。このような溶液には、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル系溶剤やアミド系溶剤等を用いることができる。
【0028】
なお、接着性樹脂に高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いる場合、溶液として強塩基を含むアミド系溶剤を用いれば、高分子量エポキシ重合体も分解することができ、強塩基の種類、濃度、アミド系溶剤の種類、濃度、処理温度、時間を適当に選ぶことによって、しみだした樹脂を除去することができる。
このようなアミド系溶剤としては、例えば、Nメチルホルムアミド、アセトアミド、Nメチルアセトアミド、N,N,N′,N′テトラメチル尿素、2ピロリドン、Nメチル2ピロリドン、カルバミド酸エステルなどが使用できる。
強塩基源としては、アルカリ金属化合物を用いることができ、特にその水酸化物が適しているが、他の形態であっても本発明に有効な強塩基源を提供できるものであればよい。これらの塩基を溶解する目的で、多価アルコールやその他の有機溶媒を用いてもよい。この場合、結果的に先のアミド系溶剤との混合液となるが、この時のアミド系溶剤の比率が全溶液に対して50%以上が望ましい。
【0029】
接着性樹脂の流動性が大きい場合には、IVHの穴内への接着性樹脂のしみだしが大きくなることがあり、絶縁樹脂とシートの両方に対して溶解性もしくは分解性を有する溶液による処理が望ましい。
なお、絶縁樹脂とシートの両方に対して、溶解性もしくは分解性を有する溶液としては、通常、多層配線板のめっき前処理の一つとして用いられるデスミア処理液などもある。
【0030】
このような溶液としては、例えばアルカリ過マンガン酸、クロム混酸、濃硫酸などがあり、これらの液を本発明の処理液として用いることもできる。しかし、シートと絶縁樹脂層に対するこれらの液の溶解または分解性のバランスが適しているとは言えず、好適な処理液とは言い難い。即ち、シートに対する溶解もしくは分解性が接着剤層に対するそれよりも大きいことが望ましい。逆の場合には、シートの溶解もしくは分解が律速となり、その結果、接着剤層の分解または溶解が過剰になり、たこ壷状の穴になってしまう。このような穴は、その後のめっき付性が低下するのみならず各種の液処理時の液交換が悪く、種々の不具合の原因となる。
アルカリ過マンガン酸、クロム混酸の場合がこのようなケースに当てはまる。一方、濃硫酸の場合、溶解能力が大きく、その適正な制御が困難なこと、液の危険性が大きいことなどから好適とは言えない。
【0031】
このような加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して、分解性もしくは溶解性を有する溶液に、前記接着性の樹脂層に対しても分解性もしくは溶解性を有するものを用いることができる。
このような溶液には、アミド系溶剤を主体とする溶液を用いることができ、さらには、強塩基性物質を含有させることもできる。
【0032】
金属箔には、銅箔やアルミニウム箔などを用いることができるが、特に銅箔が適しており、厚さは5〜80μmの範囲が望ましく、より望ましくは5〜40μmの範囲である。
なお、配線を形成する金属箔の厚さが特に薄くなる場合には、取扱性の点から支持体強度を得るためのキャリアを設けた金属箔を使ってもよい。
そのような金属箔としては、市販されているアルミニウムキャリア付の極薄銅箔等がある。
【0033】
上記の溶液処理後、必要箇所に貫通穴を明け、めっきによってスルーホールの導体化とIVHの導体化とを同時に行い、配線形成を行って多層配線板が得られる。
なお、IVHの接続方法としては、上記のめっきで接続する方法の他、導電物、例えば銅ペーストや銀ペーストを充填し接続する方法を用いることもできる。
【0034】
本発明では、積層時に塑性流動するシートを介在させて、一旦、積層接着した後、物理的にこのシートを除去し、更に塑性流動するシートと絶縁樹脂の両方を分解もしくは溶解する溶液で処理を行う。
ここで、積層時に塑性流動するシートを介在させているのは、内層配線間の間隙の埋め込みとIVH形成用穴部分への樹脂のしみだしの抑制のバランスをとるためである。即ち、通常の鏡板によるプレスでは、予め明けたIVH用の穴内に樹脂がしみだしてしまうので、樹脂の流動性と積層時の温度や圧力の条件を適当に選ぶ必要があるが、内層配線の間隙部への接着剤付金属箔の樹脂層の埋まり込み性も確保する必要がある。鏡板の間に目的とする積層物を配設する通常の方法では、これらの相矛盾する要求のバランスを取ることが極めて難しい。本発明では、積層時に塑性流動するシートを用いることによって、このような不具合を解決している。
しかし、積層工程で塑性流動するシートを用いて積層を行った場合、積層後に物理的にそのシートを剥離すると、シートの微小片が引きちぎられて微細なIVH穴内に残ったり、薄膜状のものがIVHの底部に付着し、その部分の導通不良や信頼性低下の原因となる。
【0035】
本発明では、このシートを溶解もしくは分解し得る溶液で処理を行うことにより、そのような残留物を完全に除去しIVH部分の信頼性向上を図っている。
この時、シートの残留物は微量なので短時間、溶解液に浸漬等するだけで良く、それ程管理が煩雑になることはない。さらに、シートに対する溶解もしくは分解速度が絶縁樹脂に対する溶解もしくは分解速度よりも大きい液を用いることによって、溶解時間が過大となっても、絶縁樹脂層の溶解もしくは分解量は少なくIVH用の穴形成が適性に行われる。
なお、塑性流動するシートを物理的に剥離するだけの場合、微細な剥離片や薄膜状物質が残らないようにすることは不可能ではなかったが、剥離時の温度や剥離の仕方、その後の液処理等を含めて極めて多くの条件管理を厳密に行う必要があり、また、このために他の要求による条件変更が実質上困難であった。しかし、本発明ではシートを物理的に剥離後、化学的に除去することによって上記の問題の解決を行っている。
また、本発明では上記の溶液に積層物の絶縁樹脂層も同時に溶解もしくは分解し得るものを選ぶことによって、IVH用の穴内への絶縁樹脂のしみだし抑制が仮に不充分であり、微量の樹脂が穴内底部にしみだしても、その樹脂を溶解することができる。従って、その後のめっきによる接続が不充分となる恐れはなく、また他の製造上、特性上の要求によって製造条件を選ぶことが可能となる。
ここで、本発明で示した高分子量エポキシ重合体の場合、強塩基を含有するアミド系溶剤で分解が可能なことから、本発明に特に好適に利用することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1
a.内層配線板作製
ガラス布にエポキシ樹脂を含浸した基材の両面に銅箔を積層した銅張り積層板の、導体の不要な箇所をエッチング除去して、IVH接続部分の必要箇所にランドを設けた内層配線を形成することにより、内層配線板4を作製した。
b.穴付の接着剤付金属箔の作製
接着剤31として高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を、Bステージ状態を保つように、銅箔32の表面に50μmの厚さに形成後、この接着剤付金属箔3にIVH接続用の直径0.15mmの穴6をドリルで明けた。
c.積層
図1(a)に示すように、内層配線板4に、穴付の接着剤付銅箔3を重ねて、塑性流動するシート2として厚さ150μmのポリスチレンシートを、鏡板と積層物の間に挿入し、170℃で、2MPa、1時間、加熱加圧して、図1(b)に示すように積層接着した。
積層後、図1(c)に示すように、鏡板1、ポリスチレンシート(2)を積層物から剥がし、N,Nジメチルホルムアミド85g/l、メチルカルビトール13g/l及び水酸化ナトリウム2g/lからなる溶液に、40℃で15分間浸漬し、微細なシートの残存物7を除去した(図1(d)に示す。)。このものを水洗乾燥後、必要箇所にドリルでスルーホール接続用の穴明けを行った(図示せず。)。
この後、アルカリ過マンガン酸処理、触媒処理など一連のめっき前処理を行った後、無電解銅めっきで15μmの厚さのめっきを行い(図1(e)に示す。)、不要な導体をエッチング除去して、配線形成を行って(図1(f)に示す。)、IVH付多層配線板を得た。
【0037】
実施例2
a.内層配線板作製
ガラス布にエポキシ樹脂を含浸した基材の両面に銅箔を積層した銅張り積層板の、導体の不要な箇所をエッチング除去して、IVH接続部分の必要箇所にランドを設けた内層配線を形成することにより、内層配線板4を作製した。
b.穴付の接着剤付金属箔の作製
接着剤31として高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂であるAS3000(日立化成工業株式会社製、商品名)を、Bステージ状態を保つように、厚さ5μmの銅箔32と厚さ50μmのアルミニウム箔33からなる金属箔の表面に50μmの厚さに形成後、この接着剤付金属箔3にIVH接続用の直径0.15mmの穴6をドリルで明けた。
c.積層
図2(a)に示すように、内層配線板4に、穴付の接着剤付銅箔3を重ねて、塑性流動するシート2として厚さ150μmのポリスチレンシートを、鏡板と積層物の間に挿入し、170℃で、2MPa、1時間、加熱加圧して、図2(b)に示すように積層接着した。
積層後、図2(c)に示すように、鏡板1、ポリスチレンシート(2)を積層物から剥がし、さらにアルミニウム箔33を引き剥がし、N,Nジメチルホルムアミド96g/lと水酸化ナトリウム4g/lからなる溶液に、40℃で15分間浸漬し、微細なシートの残存物7を除去した(図2(d)に示す。)。このものを水洗乾燥後、必要箇所にドリルでスルーホール接続用の穴明けを行った(図示せず。)。
この後、アルカリ過マンガン酸処理、触媒処理など一連のめっき前処理を行った後、無電解銅めっきで15μmの厚さのめっきを行い(図2(e)に示す。)、不要な導体をエッチング除去して、配線形成を行って(図2(f)に示す。)、IVH付多層配線板を得た。
【0038】
比較例
実施例1でN,Nジメチルホルムアミドと水酸化ナトリウムからなる溶液の処理を行わなかった他は、全く同じにして多層配線板を得た。
【0039】
(評価)
実施例と比較例1でIVH部分の導通を調べたところ、比較例1のものでは約40%のIVHで導通が得られなかったが、実施例1、2ではともに全てのIVHで導通が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、微細なIVHを有する高密度な配線板を、特別な設備を用いることもなく容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施例を説明するための各工程における断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施例を説明するための各工程における断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、それぞれ従来例を説明するための各工程における断面図である。
【符号の説明】
1.鏡板 2.塑性流動するシート
3.接着剤付金属箔 4.内層配線板
5.積層物 6.IVH用穴
7.微細なシートの残存物 8.めっき
9.IVH 31.接着剤
32.銅箔 33.アルミニウム箔
102.外層板 103.プリプレグ
104.内層板 105.積層物
106.IVH用穴 107.積層物
108.スルーホール 109.IVH
Claims (9)
- a.内層配線板を作製する工程、
b.金属箔と接着性の樹脂層とからなる接着剤付金属箔に、穴明けする工程、
c.前記内層配線板と前記該接着剤付金属箔とを重ね、積層治具との間に加熱加圧状態で塑性流動するシートを介在させて、加熱加圧して積層接着する工程、
d.積層接着後に、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートを、物理的に剥離除去する工程、
e.積層接着したものを、前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して分解性もしくは溶解性を有する溶液で処理する工程、
f.前記内層配線板の回路と前記金属箔とを電気的に接続するためのめっきを行う工程、
g.めっき導体及び金属箔を加工して回路を形成する工程、
からなることを特徴とする多層配線板の製造法。 - 前記内層配線板の基材に、ガラス布と熱硬化性樹脂を主体とする基材を用いることを特徴とする請求項1に記載の多層配線板の製造法。
- 前記接着性の樹脂層に、エポキシ樹脂を主体とする樹脂層を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線板の製造法。
- 前記エポキシ樹脂を主体とする樹脂層に、高分子量エポキシ重合体を主体とする樹脂層を用いることを特徴とする請求項3に記載の多層配線板の製造法。
- 前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに、ポリスチレン、酢酸ビニル、ポリスチレンの共重合体、酢酸ビニルの共重合体のいずれかを主体とする樹脂を用いることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれかに記載の多層配線板の製造法。
- 前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して、分解性もしくは溶解性を有する溶液に、前記接着性の樹脂層に対しても分解性もしくは溶解性を有するものを用いることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載の多層配線板の製造法。
- 前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して分解性もしくは溶解性を有する溶液に、アミド系溶剤を主体とする溶液を用いることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれかに記載の多層配線板の製造法。
- 前記加熱加圧状態で塑性流動するシートに対して分解性もしくは溶解性を有する溶液に、アミド系溶剤を主体とし、強塩基性物質を含有する溶液を用いることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれかに記載の多層配線板の製造法。
- 接着剤付金属箔のうち金属箔に、配線形成より前に物理的もしくは化学的に剥離除去可能なキャリア層を有する複合金属箔を用いることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれかに記載の多層配線板の製造法。
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