JPH11279354A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11279354A
JPH11279354A JP8333798A JP8333798A JPH11279354A JP H11279354 A JPH11279354 A JP H11279354A JP 8333798 A JP8333798 A JP 8333798A JP 8333798 A JP8333798 A JP 8333798A JP H11279354 A JPH11279354 A JP H11279354A
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vinyl chloride
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meth
polymer
alkyl
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JP8333798A
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Akira Kamimura
晃 上村
Akira Takagi
彰 高木
Koji Yui
孝治 由井
Takenobu Sunakawa
武宣 砂川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 アクリル重合体65〜95重量%に、塩
化ビニル単量体35〜5重量%および重合可能な反応性
単量体0〜30重量%をグラフト共重合した重合体1〜
30重量部を、塩化ビニル樹脂100重量部に添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性と引張強度に
優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は安価で透明性に優れた
熱可塑性樹脂であるため、透明性を生かして包装用に広
く用いられている汎用樹脂である。またそればかりでな
く、機械的強度や耐候性、耐薬品性等の長所を生かして
外壁、窓枠、サッシ等の建材、パイプ、継手等の硬質製
品にも用いられている。しかしそのような用途に使用す
る場合、耐衝撃性などの機械的強度が十分ではないた
め、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンから
なる耐衝撃性改質剤(MBS)や、耐候性に優れるアクリ
ルゴムを用いた耐衝撃性改質剤等を添加し、耐衝撃強度
を付与することが広く行われている。
【0003】また特開昭60−255813号、特開平
8−225622号、特開平9−124749号あるい
は特開平9−263673号公報には、アクリル系共重
合体に塩化ビニルをグラフト共重合させた、耐衝撃性、
耐候性に優れた塩化ビニル系樹脂を製造する技術が開示
されている。しかし特開昭60−255813号、特開
平8−225622号、特開平9−124749号ある
いは特開平9−263673号公報の方法では、アクリ
ル重合体に塩化ビニルをグラフト共重合させた樹脂を単
独で成形加工するために、従来からの塩化ビニル樹脂に
耐衝撃性改質剤を添加し耐衝撃性を付与する簡便な方法
は用いられない。そのため、当該分野における一般的な
配合や成形加工方法が応用できないため、汎用性にかけ
る等の欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況に鑑み、アクリレート系重合体に塩化ビニル単量
体をグラフト重合させることによってこれまでにはない
耐衝撃性改質剤を作成し、さらに従来のごとく塩化ビニ
ル系樹脂に該耐衝撃性改質剤を添加し、成形加工するこ
とで高い引張強度を保ち、かつ耐衝撃性を付与した塩化
ビニル系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような課
題、すなわちアクリレート系重合体に塩化ビニル単量体
をグラフト重合させた、これまでにはない耐衝撃性改質
剤を作成し、さらに従来のごとく塩化ビニル系樹脂に耐
衝撃性改質剤を添加し、成形加工することで耐衝撃性を
付与した塩化ビニル系樹脂組成物を提供するために、ガ
ラス転移温度が−20℃以下であるアルキル(メタ)ア
クリレート系重合体65〜95重量%の存在下に塩化ビ
ニル単量体35〜5重量%および重合可能な反応性単量
体0〜30重量%(以上あわせて100重量%)をグラフ
ト重合した重合体1〜30重量部と塩化ビニル系樹脂1
00重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を説明する。アルキル(メタ)アクリレート系重合体
のガラス転移温度(Tg)はホモポリマーの場合、ウイ
リーの「ポリマーハンドブック」に記載されている。共
重合体の場合、ここに記載されているホモポリマーのT
gからFoxの式を用いて算出される。ガラス転移温度
が−20℃以下であるアルキル(メタ)アクリレートと
しては特に限定されず、例えばエチルアクリレート、n
−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t
−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
等があげられ、これらは単独で用いてもよく、また2種
以上を組み合わせて用いてもよい。またガラス転移温度
が−20℃となる範囲でその他共重合性単量体を一部用
いて共重合させてもよい。その他共重合性単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どの芳香族ビニル化合物やアクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのシアン化ビニル等があげられる。ガ
ラス転移温度が−20℃以下であるアルキル(メタ)ア
クリレート系重合体の使用される割合としては、65〜
95重量%であることが望ましい。使用される割合が6
5重量%未満では、最終の成形加工物である塩化ビニル
系樹脂組成物の耐衝撃性の改良効果が乏しく、また95
重量%より多いと、これにグラフト共重合させる単量体
の割合が少なくなるために、成形加工時に塩化ビニルと
十分に相溶しないために強度改良効果がなくなってしま
うために望ましくない。また更に優れた耐衝撃性を得る
ためには、70〜90重量%であることが好ましい。
【0007】ガラス転移温度が−20℃以下であるアル
キル(メタ)アクリレート系重合体の製造には、必要に
応じて、架橋性単量体を使用することができる。架橋性
単量体としては分子中に2つ以上の重合性官能基を有す
る化合物、例えばアリルメタクリレート、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート等がある。これらの架橋性単
量体を使用する場合単独であるいは2つ以上を組み合わ
せて使用することができ、使用する場合の使用量として
はアルキル(メタ)アクリレート100重量%に対して
0〜5重量%、最終生成物の耐衝撃性の点からは0.2
〜2.5重量%であることが望ましい。
【0008】本発明において、アルキル(メタ)アクリ
レート系重合体にグラフト重合させる塩化ビニル単量体
は、35〜5重量%使用することができる。塩化ビニル
単量体の使用量が35重量%を越えると、アルキル(メ
タ)アクリレート系重合体が65重量%未満となるため
に、最終生成物の耐衝撃性が低下し、また5重量%より
も少ないと、重合ラテックスから粉末に処理する段階に
おいて、粉状ではなく塊状のものしか得られないばかり
でなく、成形加工時に塩化ビニル樹脂と十分に相溶しな
いために強度改良効果がなくなってしまうために望まし
くない。
【0009】さらにガラス転移温度が−20℃以下のア
ルキル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニル単量
体を重合させるとき、その他重合可能な反応性単量体0
〜30重量%を、アルキル(メタ)アクロレート系重合
体と塩化ビニル単量体と合わせて100重量%になるよ
うに使用することができる。その他重合可能な単量体の
例としては、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1
〜12を有するアルコールとのエステル化合物、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
あるいは芳香環を有するビニル化合物、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、あるいはシアン化ビニル化合
物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
が挙げられる。これらを使用する場合、単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】前記反応性単量体をアクリル重合体の存在
下で塩化ビニル単量体と共に重合させる場合、反応性単
量体は塩化ビニル単量体と同時に重合系に加えて重合さ
せてもよく、または別々に加えて重合させてもよい。上
記のアルキル(メタ)アクリレート系重合体の存在下に
塩化ビニル単量体等を重合させる方法としては、特に限
定されないが、例えば乳化重合法、懸濁重合法、溶液重
合法、塊状重合法などが挙げられるが、耐衝撃性の発現
と関係のある、重合体の粒子径の制御のしやすさの点か
らは乳化重合法が望ましい。
【0011】また上記重合を例えば乳化重合法で行う
際、乳化重合法において通常使用される乳化安定化のた
めの乳化分散剤を使用することができる。乳化分散剤と
してはアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、
ポリビニルアルコールなどがあげられ、重合開始剤とし
ては、アゾ系化合物のラジカル開始剤として、アゾビス
イソブチロニトリリル、アゾビスバレロニトリルなどが
あげられる。また、過酸化物系のラジカル重合開始剤と
して、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイドや過硫酸カリウムなどが挙げられ
る。これらは全ての重合を通じて、同じものを使用して
もよいし、重合の各段階に応じて使い分けてもよい。ま
た必要であれば適当な酸化還元剤を用い、レドックス系
の重合開始剤として使用することもできる。
【0012】また各重合法において必要な添加物、例え
ば乳化剤、分散剤、安定剤、pH調整剤等を使用しても
よい。以上のようにして得られた、アルキル(メタ)ア
クリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト共重合させ
た重合体ラテックスを粉末にするためには、特に限定は
されないが、例えば重合体ラテックスに塩化カルシウム
や塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の塩類や塩
酸、リン酸等の酸類を必要量添加してラテックスを不安
定化した後、攪拌しながら60〜100℃に昇温し、脱
水乾燥して粉末を得ることができる。
【0013】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、アル
キル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラ
フト重合させた重合体の粉末と塩化ビニル系樹脂のブレ
ンド物を成形加工することにより得ることができる。前
記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単位80〜1
00%、塩化ビニルと共重合可能なその他の単量体から
の単位0〜20%からなる重合体である。
【0014】前記塩化ビニルと共重合可能なその他の単
量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピレン、スチ
レン、アクリル酸エステルなどがあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。このような塩化ビニル系樹脂の具体例としては、た
とえばポリ塩化ビニル、80%以上の塩化ビニル単量体
とその他の共重合可能な単量体(たとえば酢酸ビニル、
プロピレン、スチレン、アクリル酸エステルなど)との
共重合体、後塩素化塩化ビニル樹脂などがあげられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0015】アルキル(メタ)アクリレート系重合体に
塩化ビニルをグラフト重合させた重合体のブレンドの割
合としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1
〜30重量部が好ましい。添加部数が1重量部未満では
成形加工物の耐衝撃性の改良が十分ではなく、30重量
部を超えると、塩化ビニル系樹脂組成物が高価になり、
塩化ビニル系樹脂の安価な汎用樹脂である長所を損なう
ために望ましくない。
【0016】これらブレンド物のブレンド方法として
は、例えばハンドブレンドやリボンブレンダーやヘンシ
ェルミミサーなど各種ブレンダーを用いて行うことがで
きる。このようにして得られる本発明の塩化ビニル系樹
脂組成物には、実用に際してその他各種安定剤や滑剤、
顔料、充填剤、加工助剤等を1種または2種以上を組み
合わせて添加してもよい。
【0017】塩化ビニル系樹脂組成物の成形加工は組成
物の調整時の溶融混練にひき続いて成形してもよく、ま
た溶融混練した後一旦ペレット化した後、押出成形法、
射出成形法、ブロー整形法、カレンダー成型法等により
成形するこができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の組成物を実施例に基づいて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) (1)アルキル(メタ)アクリレート系重合体の製造 8リットルガラス製重合器中に水250重量部、オレイ
ン酸ナトリウム0.002重量部をいれて攪拌下40℃
に昇温し、充分に窒素置換を行った後にブチルアクリレ
ート10重量部、アリルメタクリレート0.1重量部、
クメンハイドロパーオキサイド0.02重量部を加え、
10分間攪拌させた後、ナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレート0.2重量部、硫酸第一鉄0.02重量
部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム0.00
8重量部を投入し、重合を開始した。
【0019】30分後、オレイン酸ナトリウム0.15
重量部を添加し、引き続いてブチルアクリレート90重
量部、アリルメタクリレート0.9重量部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.15重量部の混合物を、微量ポ
ンプを用い15重量部/時間の速さで連続的に系中に滴
下追加し、さらに追加中にオレイン酸ナトリウム0.2
重量部を3回、1時間おきに追加投入した。連続追加終
了後1時間攪拌し、重合を完了させた。重合転化率は9
9.5重量%、アルキル(メタ)アクリレート系重合体
ラテックスの平均粒子径は0.18μm、ガラス転移温
度は−40℃(計算値)であった。 (2)グラフト重合体の製造 3リットル耐圧重合器中に、(1)で製造したアルキル
(メタ)アクリレート系重合体70重量部(固形分)と
水30重量部(アクリレート系重合体からの持ち込み水
を除く)を仕込み、攪拌下で窒素置換を充分に行った後
50℃に昇温した。硫酸第一鉄0.004重量部、エチ
レンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム0.001重量部
を加えた後、塩化ビニル単量体30重量部を系中に添加
した。さらに20分間攪拌し、重合器内温が50℃であ
ることを確認した後、過硫酸カリウム0.2重量部、ナ
トリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1重量
部を続けて添加し、塩化ビニル単量体を重合させた。重
合にはほぼ2時間を要したが、さらに1時間攪拌し重合
を完了させた。重合転化率は95重量%であった。
【0020】10リットルステンレスポットに製造した
グラフト重合体ラテックス100重量部(固形分)と水
100重量部をいれた。5重量%に調整した塩化カルシ
ウム水溶液(塩化カルシウム固形分で4重量部)を攪拌
しながら加え、ラテックスを不安定にし、85℃まで昇
温し、冷却後脱水し粉末を得た。 (3)塩化ビニル系樹脂組成物の製造 (2)で得られたアルキル(メタ)アクリレート系重合
体に塩化ビニルをグラフト重合した重合体の粉末10重
量部、ジオクチル錫メルカプタイド2重量部、ポリオー
ルエステル0.8重量部、モンタン酸ジオールエステル
0.2重量部、塩化ビニル樹脂(鐘淵化学工業社製S−
1007)100重量部をブレンダーで混合し、塩化ビ
ニル系樹脂組成物のコンパウンドを得た。
【0021】得られた塩化ビニル系樹脂組成物コンパウ
ンドを160℃のロールで5分間混練りした後、190
℃のプレスで10分間加圧して厚さ5.0mmの板状成
形体を得た。この成形体よりJIS−2号Aのアイゾッ
ト衝撃試験用テストピースを切り出し作成した。得られ
た塩化ビニル系樹脂組成物の成形体のテストピースを用
い、JIS K7110に従って、23℃のアイゾット
衝撃強度を測定した。また、JIS−1号ダンベルを用
いJISK7113に従い、引張試験を行い降伏応力を
測定した。結果を表1に示す。
【0022】(実施例2)実施例1の(1)でえられた
アルキル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルを
グラフト重合した重合体の製造において、アルキル(メ
タ)アクリレート系重合体ラテックスを80重量部(固
形分)で仕込み、グラフト重合させる塩化ビニル単量体
が20重量部であることのみが異なり、実施例1と同様
にして製造、ブレンド、成形加工、強度評価を行った。
結果を表1に示す。
【0023】(実施例3)実施例1(1)のアルキル
(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト
重合した重合体の製造において、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスを90重量部(固形分)で
仕込み、グラフト重合させる塩化ビニル単量体が10重
量部であることのみが異なり、実施例1と同様にして製
造、ブレンド、成形加工、強度評価を行った。結果を表
1に示す。
【0024】(比較例1)塩化ビニル系樹脂組成物にお
いて、アルキル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビ
ニルをグラフト重合した重合体を全く使用せず、塩化ビ
ニル樹脂と各安定剤のみをブレンドし、実施例1の成形
加工、強度評価を行った。結果を表1に示した。
【0025】(比較例2)実施例1(1)のアルキル
(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト
重合した重合体の製造において、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体にグラフト重合させる反応性単量体が
メチルメタクリレート25.5重量部、ブチルアクリレ
ート4.5重量部であることのみが異なり、実施例1と
同様にして製造、ブレンド、成形加工、強度評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0026】(比較例3)実施例1(1)のアルキル
(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト
重合した重合体の製造において、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスを80重量部(固形分)で
仕込み、グラフト重合させる反応性単量体がメチルメタ
クリレート17重量部、ブチルアクリレート3重量部で
あることのみが異なり、実施例1と同様にして製造、ブ
レンド、成形加工、強度評価を行った。結果を表1に示
す。
【0027】(比較例4)実施例1(1)のアルキル
(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト
重合した重合体の製造において、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスを90重量部(固形分)で
仕込み、グラフト重合させる反応性単量体がメチルメタ
クリレート8.5重量部、ブチルアクリレート1.5重
量部であることのみが異なり、実施例1と同様にして製
造、ブレンド、成形加工、強度評価を行った。結果を表
1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施例1〜3と比較例1〜4の比較を
行うと、本発明に基づく実施例1〜3は、比較例1との
比較から、耐衝撃性が改良されている。さらにグラフト
重合体に塩化ビニル単量体を使用しない比較例2〜4と
の比較においても、耐衝撃性が改良されている。 (実施例4)実施例1(1)のアルキル(メタ)アクリ
レート系重合体に塩化ビニルをグラフト重合した重合体
の製造において、アルキル(メタ)アクリレート系ル重
合体ラテックスを80重量部(固形分)で仕込み、塩化
ビニル単量体15重量部とブチルアクリレート5重量部
を同時に系に投入しグラフト重合させることのみが異な
り、実施例1と同様にして製造、ブレンド、成形加工、
強度評価を行った。結果を表2に示す。
【0030】(実施例5)実施例1(1)のアルキル
(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビニルをグラフト
重合した重合体の製造において、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスを80重量部(固形分)仕
込み、塩化ビニル単量体15重量部とメチルメタクリレ
ート5重量部を同時に系に投入しグラフト重合させるこ
とのみが異なり、実施例1と同様にして製造、ブレン
ド、成形加工、強度評価を行った。結果を表2に示す。
【0031】実施例4、5の結果から、アルキル(メ
タ)アクリレート系重合体にグラフト重合させる反応性
単量体の組成として、塩化ビニル単独ではなく、ブチル
アクリレートおよびメチルメタクリレートと共重合させ
た場合も良好な結果が得られている。
【0032】
【表2】
【0033】(比較例5)塩化ビニル系樹脂組成物にお
いて、アルキル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビ
ニルをグラフト重合した重合体を使用せず、かわりに従
来から使用されているアクリル系改質剤鐘淵化学工業
(株)製カネエースFM−20(BA−MMA系共重合
体)を使用し、実施例1のブレンド、成形加工、強度評
価を行った。結果を表3に示した。
【0034】(比較例6)塩化ビニル系樹脂組成物にお
いて、アルキル(メタ)アクリレート系重合体に塩化ビ
ニルをグラフト重合した重合体を使用せず、かわりに従
来から使用されているアクリル系改質剤鐘淵化学社製カ
ネエースFM−21(BA−MMA系共重合体)を使用
し、実施例1のブレンド、成形加工、強度評価を行っ
た。結果を表3に示した。
【0035】比較例5、6の結果から、本発明に基づき
製造した耐衝撃性改質剤は従来からの改質剤と比較し
て、同等以上のアイゾット衝撃強度を有し、アイゾット
衝撃強度と降伏応力のバランスに優れることがわかる。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を用い
ると、従来と同様の方法を用い、耐衝撃性と降伏応力の
バランスに優れた成形品が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度が−20℃以下であるアル
    キル(メタ)アクリレート系重合体65〜95重量%の
    存在下に、塩化ビニル単量体35〜5重量%および重合
    可能な反応性単量体0〜30重量%(以上あわせて10
    0重量%)をグラフト重合して得られる重合体1〜30
    重量部と塩化ビニル樹脂100重量部からなる塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
JP8333798A 1998-03-30 1998-03-30 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH11279354A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012526884A (ja) * 2009-05-15 2012-11-01 アルケマ フランス エラストマー上にグラフトされるpvcの懸濁液の製造方法
CN109438874A (zh) * 2018-10-25 2019-03-08 宜宾天原集团股份有限公司 一种高强高韧聚氯乙烯注塑组合物及其制备方法

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