JPH11277974A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JPH11277974A
JPH11277974A JP10292358A JP29235898A JPH11277974A JP H11277974 A JPH11277974 A JP H11277974A JP 10292358 A JP10292358 A JP 10292358A JP 29235898 A JP29235898 A JP 29235898A JP H11277974 A JPH11277974 A JP H11277974A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一度の筆記で色彩感覚や立体感が得られる色
調が異なる複数のインクを紙面に連続的に転写し得るマ
ーブル調筆記を可能とし、しかも、インクタンク内に収
容されている色調が異なる複数のインクによりインクタ
ンクの外観的装飾効果(美的効果)が得られ、更にはチ
ップ先端の乾燥防止とインクの逆流防止を図った筆記具
を提供することにある。 【解決手段】転写ボール2を回転可能に抱持するチップ
3を先端に具備するインクタンク1内に、剪断減粘性で
且つ色調の異なる複数のインク、例えば2色のインクM
1,M2が互いの界面6を軸方向に連続接触させた状態で
充填されることで、一度の筆記で色彩感覚や立体感が得
られる色調の異なる2色のインクM1 ,M2 が紙面Pに
連続的に転写されるマーブル調筆記が可能になる。つま
り、色調の異なる2色のインクM1 ,M2 からなるマー
ブル調筆記にて筆跡を紙面Pに描くことができるように
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、転写ボールを回転
可能に抱持するチップが、インクタンクの先端に具備さ
れてなるボールペン等の筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているこの種のボールペ
ン等の筆記具は、一色のインクをインクタンクに収容し
てなるものが主流であった。例えば、黒色のインクや黄
色のインク等をインクタンクに夫々収容してなる夫々の
筆記具を使用目的に応じて使い分けているのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、単に
一色のインク(筆記具)を用いて文字を書く一般的な使
用法のみならず、色調の異なる別色のインク(筆記具)
を用いて既に書き終えた文字に沿わせて再度書いて文字
に色彩感覚や立体感を付ける等のマーブル調筆記にて文
字を書く等その使用形態が実施されつつある。例えば、
しおりの表紙を作る場合等には文字に色彩感覚や立体感
を付けることが幅広く行われている。
【0004】本発明はこの様な使用形態に着目し、本発
明に至ったものであり、その目的とする処は、一度の筆
記で色調の異なる複数のインクを紙面に連続的に転写し
て色彩感覚や立体感が得られるマーブル調筆記を可能と
し、しかも、インクタンク内に収容されている色調の異
なる複数のインクによりインクタンクの外観的装飾効果
(美的効果)の向上が得られ、更にはチップ先端の乾燥
防止とインクの逆流防止を図った筆記具を提供すること
にある。
【0005】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、転写ボールを抱持するチップが先端に具備され
てなる筆記具に於いて、剪断減粘性で且つ色調の異なる
複数のインクが互いの界面を軸方向へ連続接触させた状
態でインクタンク内に充填されると共に、インクの消耗
に追随するグリース等の高粘度液体からなるインク追随
体が最後尾に充填され、チップ先端の転写ボールを抱持
するボールハウスに対して前記複数のインクが連続的且
つ同時に供給されるように構成したことを要旨とする。
そして、上記インクタンクは、インクを直接充填する軸
筒であり、或いは軸筒内に取換え可能に装填されるリフ
ィルのインク収容管であり、透明並びに透視可能な合成
樹脂材料を用いて成形することが好ましい。斯かる技術
的手段によれば、筆記をすると、互いの界面を軸方向へ
連続接触させた状態でインクタンク内に収容されている
剪断減粘性で且つ色調の異なる複数のインクが、例えば
パールライトブルー色とパールパープル色のこれら2色
のインクが、インクタンク内からチップのインク通路を
通って先端の転写ボールに連続的且つ同時に供給されて
該転写ボールの回転により紙面に転写される。この際、
インクの消耗と共にグリース等の高粘度液体からなるイ
ンク追随体が追随する。そして、インクタンク内に収容
されている前述したパールライトブルー色とパールパー
プル色の2色のインクが透明並びに透視可能なインクタ
ンクを通して目視される。即ち、パールライトブルー色
とパールパープル色の2色のインクが軸方向に連なった
状態でインクタンクの表面に現出されることから、イン
クタンク全体の外観的装飾効果(美的効果)が得られ
る。
【0006】又、先端のボールハウスに転写ボールを回
転可能に抱持するチップが先端に具備されてなる筆記具
に於いて、インクタンク内を区画する径方向の区画壁が
内設され、該区画壁により区画された軸方向に連通する
複数のインク室に剪断減粘性で且つ色調の異なる複数の
インクが各色調毎に充填されると共に、インクの消耗に
追随するグリース等の高粘度液体からなるインク追随体
が最後尾に充填され、各インク室の前記複数のインクが
チップ先端の転写ボールを抱持するボールハウスへ連続
的且つ同時に供給されるように構成したことを要旨とす
る。そして、内部が区画壁により区画された上記インク
タンクは、インクを直接充填する軸筒であり、或いは軸
筒内に取換え可能に装填されるリフィルのインク収容管
である。斯かる技術的手段によれば、筆記をすると、イ
ンクタンク内の各インク室に収容されている剪断減粘性
で且つ色調の異なる夫々のインク、例えば前述したパー
ルライトブルー色とパールパープル色の2色のインクで
あれば、こられ2色のインクは区画壁により夫々独立さ
れた状態でチップへと供給されると共に、該チップ内の
インク通路を通って転写ボールが保持されているボール
ハウスへ連続的且つ同時に供給されて転写ボールの回転
により紙面に転写される。この際、各インク室の色調が
異なるインクの消耗と共に各インク室のグリース等の高
粘度液体からなるインク追随体が追随する。
【0007】又、上記チップ先端のボールハウスに抱持
されている転写ボールを、弾発部材により前方へ弾発せ
しめてボールハウスの内向きの先端縁に接触させてなる
ことを要旨とし、更に、上向きの筆記時や衝撃等時にイ
ンクタンク内のインクの逆流を防ぐ弁ボールを弁室に遊
動可能に内在させて構成してなるインク逆流防止機構
を、チップの後方に具備してなることを要旨とする。斯
かる技術的手段によれば、筆記終了後、転写ボールの紙
面に対する押圧(筆圧)が解放されると、転写ボールは
弾発部材により直ちにボールハウスの内向きの先端縁に
密接状に接触する。それにより、空気との接触によるチ
ップ先端の乾燥を防ぐ。又、例えば上向きの筆記姿勢を
取ると、弁ボールが自重で弁室の弁座側に移動して該弁
座に開口されているインク導入孔を閉鎖する。それによ
り、上向きの筆記時においてインクタンク内の剪断減粘
性で且つ色調の異なる複数のインクの逆流を防ぐ。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図1乃至図5は請求項1乃至2、6に
係る本発明筆記具の実施の一例を示し、1はインクタン
ク(図示例ではインクを直接充填させる軸筒の例を示
す)であり、このインクタンク1の先細状に絞られた先
端開口に転写ボール2を回転可能に抱持するチップ3が
圧入により具備され、その後端開口には尾栓4を介して
弁ボール5を有するインク流出防止機構Xを具備してな
る。そして、剪断減粘性で且つ色調の異なるインク、例
えばパールライトブルー色のインクM1 とパールパープ
ル色のインクM2 が互いの界面6を軸方向へ連続接触さ
せた状態でインクタンク1内に充填され(図1の状
態)、該2色のインクM1 ,M2 が転写ボール2の回転
により紙面Pに転写されるように構成してなる。つま
り、パールライトブルー色とパールパープル色の2色の
インクM1 ,M2 からなるマーブル調筆記にて筆跡を紙
面Pに描くことができるように構成してなる。
【0009】因みに、剪断減粘性を有するインクは、静
的には高い粘性を有し、転写ボール2の回転が加わるこ
とで粘性が低下して紙面Pに転写される物理的特性を有
するものである。又、剪断減粘性で且つ色調の異なる2
色のインクM1 ,M2 としては前述したパールライトブ
ルー色とパールパープル色との組み合わせの他に、パー
ルパープル色とパールブルーグリーン色、パールブルー
色とパールブルーグリーン色、パールブルー色とパール
ピンク色、パールイエロー色とパールパープル色、パー
ルライトブルー色とパールレッド色等の組み合わせが好
ましい。
【0010】インクタンク1は、透明並びに透視可能な
所望の合成樹脂材料にて円筒状に成形され、先細状に絞
られている先端開口にチップ3を圧入により具備し、そ
の後端開口にはインク流出防止機構Xが内設される尾栓
4を圧入により具備してなる。チップ3は、金属等を用
いて切削加工してなり、その後端から先細状に絞られて
いるその先端側に向けてインク通路7を形成すると共
に、先端内部には転写ボール2が回転可能に抱持される
ボールハウス8を形成し、このボールハウス8と前記イ
ンク通路7を連絡する周面にインク誘導溝9を放射状に
有するインク誘導孔10を形成してなる。転写ボール2
は、金属、セラミック等の所望な超硬材料を用いて適宜
の球径に形成して、チップ3のボールハウス8に回転可
能に抱持させてなる。
【0011】ボール弁5を有するインク流出防止機構X
は、空気流通孔11を開口する尾栓4内にボール弁5を内
臓具備せしめてなるもので、空気流通孔11に連設させた
弁座12と、この弁座12の前方部位において周方向数カ所
に突出する突起13とを尾栓4内に設けて、弁座12と突起
13との間に形成された弁室14にボール弁5を遊動自在に
内在させて構成してなる。
【0012】而して、インク流出防止機構Xは筆記具を
床等に落下させてしまってその衝撃(通称、バックショ
ックと称されている)によりインクタンク1内のインク
M1,M2 が万が一尾栓4側に逆流したとしても該イン
クM1 ,M2 が空気流通孔11から外部へ流出するのを防
止する。つまり、ペン先側(チップ3側)を上に向けた
上向きの筆記姿勢を取ったり、或いはその上向きで衣服
のポケット等に収納したとしても、上向きにした時点で
ボール弁5が自重より突起13から離れて弁座12に載り、
該弁座12の空気流通孔11はボール弁5により閉鎖(閉
弁)される(図1拡大図の実線の状態から二点鎖線の状
態)。これにより、尾栓4側に逆流してきたインクタン
ク1内のインクM1 ,M2が空気流通孔11から外部へ流
出するその流出防止が図られる。
【0013】一方、ペン先側を下に向けた下向きの筆記
姿勢を取ると、ボール弁5が自重にて弁座12から離れて
空気流通孔11を開口(開弁)すると共に、数カ所の突起
13により受け止められる(図1拡大図の二点鎖線の状態
から実線の状態)。これにより、下向きの筆記姿勢にお
いては空気流通孔11とインクタンク1内とは弁室14を介
して常時流通状態が保たれる。つまり、筆記に伴うイン
クタンク1内のインクの消耗に準じて該タンク1内の空
気交換が成される。
【0014】次に、インクタンク1に対し、前述したパ
ールライトブルー色のインクM1とパールパープル色の
インクM2 との充填方法の一例を図6に例示した充填装
置を参照しながら説明すると、斯る充填装置は2色のイ
ンクM1 ,M2 を個々に貯溜する貯溜タンク15と、この
両貯溜タンク15から夫々の充填経路16を介して接続され
たスタティックミキサー(STATIC MIXER)
17と、このスタティックミキサー17に充填経路18を介し
て接続されたボール弁19と、前記各充填経路16の配管途
中に夫々接続された連続分注用のポンプ20とから構成さ
れ、両ポンプ20の同時動作とボール弁19の開弁操作によ
り、両貯溜タンク15から夫々の充填経路16を通してスタ
ティックミキサー17へ、そしてこのスタティックミキサ
ー17から充填経路18を通して開弁されたボール弁19へと
2色のインクM1 ,M2 が送り出され、このボール弁19
から充填ノズル21を通してインクタンク1に2色のイン
クM1 ,M2 が互いの界面6を軸方向へ接触させた状態
で同時に充填されるものである。この場合、2色のイン
クM1 ,M2 は先細状に絞られているインクタンク1の
先端開口側から順次、その後端開口側へと充填される。
【0015】尚、2色のインクM1 ,M2 の充填が終了
した後はインクタンク1の先端開口にチップ3を具備す
ると共に、後端開口からインクタンク1内にグリース等
からなるインク追随体Nを充填し、最後に尾栓4を具備
せしめて後端開口を閉鎖(封止)せしめて遠心分離を掛
けることで、マーブル調筆記が可能な筆記具の完成とな
る。図1乃至図3においてはインクタンク1内に充填さ
れた2色のインクM1,M2 が軸方向へ互いの界面6を
波形状に接触させた状態で収容されているが、実際には
更に捩じれた状態で互いの界面6が接触する等の乱れ現
象が生じるものであり、この乱れ現象は同じ充填条件で
行っても種々変化するものである。つまり、全く同じ収
容状態で2色のインクM1 ,M2 がインクタンク1内に
充填されることはなく、個々のインクタンク1によって
その収容形態に変化が生じるものであり、再現性がない
ものである。
【0016】而して、以上の如く構成した実施例詳述の
筆記具によれば、筆記をすると、インクタンク1内の互
いの界面6を軸方向に接触させた状態で収容されている
2色のインクM1 ,M2 はチップ3内のインク通路7を
通ってインク誘導孔10からチップ3先端の転写ボール2
が回転可能の抱持されているボールハウス8へと連続的
且つ夫々独立して同時に供給される。従って、転写ボー
ル2の回転により2色のインクM1 ,M2 は紙面Pに転
写される。つまり、前述したパールライトブルー色とパ
ールパープル色の2色のインクM1 ,M2 からなるマー
ブル調筆記にて紙面Pに文字J等の筆跡を描くことがで
きる(図4参照)。
【0017】又、筆記具を床等に落下させた時の衝撃等
によりインクタンク1内の2色のインクM1 ,M2 が万
が一尾栓4側に逆流したとしても、該尾栓4内のボール
弁5を有するインク流出防止機構Xにより空気流通孔11
から外部へのインクM1 ,M2の流出は防止される。
又、図5に示したように、互いの界面6を軸方向に接触
させた状態でインクタンク内に収容されている前述した
パールライトブルー色とパールパープル色の2色のイン
ク1 ,M2 が透明並びに透視可能なインクタンク1を通
してその表面に現出することから、インクタンク1全体
の外観的装飾効果(美的効果)が得られる。
【0018】図7は、請求項1乃至3、5及び6に係る
本発明筆記具の実施の一例を示し、斯かる実施例におい
ては前述した実施例詳述の筆記具において、ボールハウ
ス8内に回転可能に抱持されている転写ボール2を前方
に弾発せしめてボールハウス8の内向きの先端縁8-1に
接触させるスプリング等からなる弾発部材25をチップ3
内に弾装せしめ、且つチップ3の後方部位には弁ボール
26を有するインク逆流防止機構Zを具備せしめてなる。
尚、斯かる実施例においては斯様のように、チップ3内
に弾発部材25を付加し且つその後方にはインク収容管1
内のインクM1,M2の逆流を防ぐインク逆流防止機構Z
を付加した以外の構成部分においては前述した実施例詳
述と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用
いることでその説明は省略する。
【0019】然るに、斯かる実施例においては前方に棒
状のストレート部25-1を有するスプリング等からなる弾
発部材25を、チップ3の後端開口から挿入内在させると
共に該後端開口内に円筒状の入子27を圧入により内在さ
せることで、チップ3内に弾発部材25を抜出不能に弾装
せしめ、ボールハウス8内の転写ボール2がストレート
部25-1で前方へ弾発せしめられてボースハウス8の内向
きの先端縁8-1に密接状に接触されるように構成してな
る。而して、筆記終了後、転写ボール2の紙面Pに対す
る押圧(筆圧)が解放されると、転写ボール2は弾発部
材25により直ちにボールハウス8の内向きの先端縁8-1
に密接状に接触し、ボールハウス8のインク吐出口を閉
弁せしめて空気との接触によるチップ3先端の乾燥防止
を図る。
【0020】弁ボール26を有するインク逆流防止機構Z
は、インクタンク1の内面におけるチップ3の後方部位
にインク導入孔27を有する弁座28を設け、この弁座28か
らチップ3側に適宜の間隔をおいた周方向数カ所には突
起29を設けて、この突起29と前記弁座28との間に形成さ
れた弁室30に弁ボール26を遊動可能に内在させて構成し
てなる。
【0021】而して、インク逆流防止機構Zはペン先側
を上に向けた上向きの筆記姿勢を取ると、弁ボール26が
自重により突起29から離れて弁座28上に載り、該弁座28
のインク導入孔27は弁ボール26により閉鎖(閉弁)され
る(図7拡大図の実線の状態から二点鎖線の状態)。こ
れにより、2色のインクM1 ,M2 からなるマーブル調
筆記にて紙面Pに文字J等の筆跡を描く上向きの筆記姿
勢を継続してもインクタンク1内にインクM1 ,M2 の
逆流が起こる心配はない。つまり、上向きの筆記時に、
転写ボールの真下のチップ3内インクM1 ,M2 が無く
なり、転写ボール5とボールハウス8との間から当該真
下に空気が巻き込んできても、インクタンク1内に通じ
る弁座28のインク導入孔27が弁ボール26により閉鎖され
ていることで、インクタンク1内にインクM1 ,M2の
逆流が起こることはない。
【0022】一方、ペン先側(チップ3側)を下に向け
た通常の下向き筆記姿勢を取ると、弁ボール26は自重に
て弁座28から離れてインク導入孔27を開口(開弁)する
と共に、数カ所の突起29に受け止められる(図7拡大図
の二点鎖線の状態から実線の状態)。これにより、イン
クタンク1内の2色のインクM1 ,M2 が開口されたイ
ンク導入孔27から弁室30へ導入され、この弁室30から突
起29間のインク流通溝を通ってチップ3側に継続的に流
入され、チップ3内のインク通路7を通ってインク誘導
孔10からチップ3先端のボールハウス8へと連続的且つ
夫々独立して同時に供給されて転写ボール2の回転によ
り紙面Pに転写される。つまり、マーブル調筆記にて紙
面Pに文字J等の筆跡を描くように該紙面Pに転写され
る。
【0023】図8乃至図11は、請求項4及び6に係る本
発明筆記具の実施の一例を示し、斯かる実施例において
は前述した2色のインクM1 ,M2 を、インクタンク1
内からチップ3近傍に向けて内設した区画壁22により径
方向に区画されて軸方向へ連通するインクタンク1内の
2つのインク室23,24に各色調毎に充填し、該2色のイ
ンクM1 ,M2 が転写ボール2の回転により紙面Pに連
続的に転写されるように構成してなるものである。斯る
実施例はパールライトブルー色とパールパープル色の2
色のインクM1 ,M2 を各色調毎に充填する2つのイン
ク室23,24をインクタンク1内に区画形成するための区
画壁22を内設した以外の構成においては前述した図1乃
至図5に示す実施例詳述と基本的に同じであることから
同じ構成部分に同じ符号を用いることでその説明は省略
する。
【0024】区画壁22は、インクタンク1内をチップ3
近傍に向けて軸方向に区画するもので、インクタンク1
内に軸方向に連通させた2つのインク室23,24を区画形
成するように、インクタンク1の尾栓4にて閉鎖される
後端開口側からその先端22-1をチップ3近傍に向けて内
設して(図8の拡大図参照)、筆記に伴い(インクM1
,M2 の消耗に連れて)インクタンク1内の2つのイ
ンク室23,24に各色調毎に収容されている2色のインク
M1 ,M2 が、該インク室23,24からチップ3内のイン
ク通路7を通して転写ボール2が回転可能に抱持される
ボールハウス8へと連続的且つ夫々独立して供給される
ようにしてなる。
【0025】然るに、区画壁22により区画形成されたイ
ンクタンク1内の2つのインク室23,24に剪断減粘性で
且つ色調の異なるパールライトブルー色とパールパープ
ル色の2色のインクM1 ,M2 を各色調毎に充填すると
共に、それらの最後尾にインクM1,M2の消耗に追随す
るグリース等の高粘度液体からなるインク追随体Nを夫
々充填する。
【0026】而して、以上の如く構成した実施例詳述の
筆記具によれば、筆記をすると、インクタンク1内の区
画壁22により区画された各インク室23,24に各色調毎に
収容されている2色のインクM1 ,M2 はチップ3内の
インク通路7を通ってインク誘導孔10からチップ3先端
の転写ボール2が回転可能に抱持されているボールハウ
ス8へと連続的且つ夫々独立して同時に供給される。従
って、転写ボール2の回転により2色のインクM1 ,M
2 は紙面Pに転写される。つまり、前述した実施例詳述
と同様にパールライトブルー色とパールパープル色の2
色のインクM1,M2 からなるマーブル調筆記にて紙面
Pに文字J等の筆跡を描くことができる(図4参照)。
【0027】尚、区画壁22によりインクタンク1内を径
方向に区画するその区画形態としては、軸方向に連通す
る3つのインク室を形成するように、又は図9に二点鎖
線で例示したように、軸方向に連通する4つのインク室
を形成する等のように、区画壁22をインクタンク1内に
放射状(三方向や十字状)に内設する等、その区画形態
は自由である。この場合、各インク室に剪断減粘性で且
つ色調の異なるインクを夫々充填し、その最後尾にイン
ク追随体を夫々充填するものである。
【0028】又、区画壁22はインクタンク1と同時成形
により内設するも、又は区画壁22全体をインクタンク1
とは別当に成形して、組み込み挿入(後加工)によりイ
ンクタンク1の後端開口からチップ3近傍に亘り挿入内
設する等でも良く、自由である。
【0029】
【発明の効果】本発明の筆記具は叙上の如く構成してな
るから、下記の作用効果を奏する。 .互いの界面を軸方向に連続接触させた状態でインク
タンク内に収容されている剪断減粘性で且つ色調の異な
る複数のインク、例えば実施例詳述のパールライトブル
ー色とパールパープル色の2色のインクがチップ内を通
って先端の転写ボールへと連続的に供給されて該転写ボ
ールの回転により紙面に転写されるように構成してなる
ことから、パールライトブルー色とパールパープル色の
2色のインクからなるマーブル調筆記にて筆跡を描くこ
とができる。
【0030】.転写ボールの紙面に対する押圧(筆
圧)が解放されると、転写ボールは弾発部材により直ち
にボールハウスの内向きの先端縁に密接状に接触するよ
うに構成してなることから、チップ先端の乾燥を防止す
ることができる。
【0031】.上向きの筆記姿勢を取ると、弁ボール
が自重で弁室の弁座側に移動して該弁座に開口されてい
るインク導入孔を閉鎖するように構成されたインク逆流
防止機構をチップの後方に具備してなることから、上向
きの筆記時においてインクタンク内の剪断減粘性で且つ
色調の異なる複数のインクの逆流を確実に防止すること
ができる。
【0032】.筆記に伴い区画壁により区画された各
インク室に、各色調毎に収容されている剪断減粘性で且
つ色調の異なる複数のインクが夫々独立された状態でチ
ップ内のインク通路へと案内流動されて該インク通路か
ら転写ボールが抱持されているボールハウスへと連続的
に供給される。つまり、各インク室に収容されている色
調が異なる複数のインクは区画壁にて確実に独立された
状態にて転写ボールが抱持されているボールハウスへと
連続的に供給されて転写ボールの回転により紙面に転写
されるように構成してなることから、例えば前述したパ
ールライトブルー色とパールパープル色の2色のインク
からなるマーブル調筆記にて筆跡を描き、当該マーブル
調筆記の確実性が図られ、品質の向上が期待できる。
【0033】.互いの界面を軸方向に連続接触させた
状態でインクタンク内に収容されている前述したパール
ライトブルー色とパールパープル色の2色のインクが透
明並びに透視可能なインクタンクを通して目視される。
即ち、パールライトブルー色とパールパープル色の2色
のインクが軸方向に連なった状態でインクタンクの表面
に現出することから、インクタンク全体の外観的装飾効
果(美的効果)が期待できる。
【0034】従って、本発明によれば、剪断減粘性で且
つ色調の異なる複数のインクを紙面に転写し得ることか
ら、一度の筆記で色彩感覚や立体感が得られるマーブル
調筆記にて筆跡を描くことができる。しかも、インクタ
ンク内に収容されている色調の異なる複数のインクによ
りインクタンク全体の外観的装飾効果(美的効果)が得
られ、ひいては商品としてのデザインの向上が図られる
等、今までにはない装飾性に優れた画期的な筆記具を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1乃至2、6に係る本発明筆記具の実
施の一例を示した縦断面図
【図2】 図1のII−II線拡大横断面図
【図3】 図1の III−III 線拡大横断面図
【図4】 マーブル調筆記が得られた状態の一例を示し
た斜視図
【図5】 本発明筆記具の外観を示した正面図
【図6】 インクタンクに対して剪断減粘性で色調が異
なる複数のインクを充填する充填方法の一例を示した充
填装置の概略ブロック図
【図7】 請求項1乃至3、5及び6に係る本発明筆記
具の実施の一例を示した縦断面図である。
【図8】 請求項4及び6に係る本発明筆記具の実施の
一例を示した縦断面図
【図9】 図8のIX−IX線拡大横断面図
【図10】 図8のX−X線拡大横断面図
【図11】 図8のXI−XI線拡大横断面図
【符号の説明】
1…インクタンク 2…転写ボール 3…チップ 4…尾栓 5,26…弁ボール 6…界面 7…インク通路 8…ボールハウス 8-1…内向きの先端縁 9…インク誘導溝 10…インク誘導孔 11…空気流通孔 12,28…弁座 13,29…突起 14,30…弁室 25…弾発部材 27…インク導入孔 M1 ,M2 …インク N…インク追随体 P…紙面 Y…インク流出防止機構 Z…インク逆流防止機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写ボールを抱持するチップが先端に具
    備されてなる筆記具に於いて、 剪断減粘性で且つ色調の異なる複数のインクが互いの界
    面を軸方向へ連続接触させた状態でインクタンク内に充
    填され、チップ先端の転写ボールに対して前記複数のイ
    ンクが連続的に供給されるように構成してなることを特
    徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の筆記具において、 インクタンク内に、インクの消耗に追随して移動するイ
    ンク追随体を充填してなることを特徴とする筆記具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の筆記具において、 転写ボールが、弾発部材により前方に弾発されてチップ
    の内向きの先端縁に接触するように構成してなることを
    特徴とする筆記具。
  4. 【請求項4】転写ボールを抱持するチップが先端に具備
    されてなる筆記具に於いて、 インクタンク内を区画する径方向の区画壁が内設され、
    該区画壁により区画された軸方向に連通する複数のイン
    ク室に剪断減粘性で且つ色調の異なる複数のインクが各
    色調毎に充填され、チップ先端の転写ボールに対して各
    インク室の前記複数のインクが連続的に供給されるよう
    に構成してなることを特徴とする筆記具。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の筆記具
    において、 チップの後方に、インクの逆流を防ぐインク逆流防止機
    構が具備されてなることを特徴とする筆記具。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれかに記載の筆記具
    において、 インクタンクが、透明並びに透視可能な材料からなるこ
    とを特徴とする筆記具。
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CN103568635A (zh) * 2012-08-03 2014-02-12 谭昇 一种圆珠笔

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