JP3476971B2 - ボールペン - Google Patents
ボールペンInfo
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- JP3476971B2 JP3476971B2 JP19263995A JP19263995A JP3476971B2 JP 3476971 B2 JP3476971 B2 JP 3476971B2 JP 19263995 A JP19263995 A JP 19263995A JP 19263995 A JP19263995 A JP 19263995A JP 3476971 B2 JP3476971 B2 JP 3476971B2
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- Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太径の軸筒内に粘性の
低いインクが充填されたインクの逆流防止機構付きの両
頭式のボールペンに関する。 【0002】 【従来の技術】同出願人は実公平4ー52067号でボ
ールを遊嵌した弁室を設けたボールペンのインキの逆流
防止機構を開示している。此のものは、樹脂製の口プラ
(先軸部)にボール弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜
出不能とする突条を所要数設けて、筆記時には突条と突
条との間に形成される隙間を連通してチップにインキが
流動されるように成されている。又、粘性の低いインキ
又は筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインキ
が流出される剪断減粘性を有したインキを使用したボー
ルペンが知られている。 【0003】一般に粘性の低いインキ又は剪断減粘性を
有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量
が多く(筆記濃度を上げるため)インキ収容管の径を太
くしてインキの搭載量を多くしている。特に両頭式のボ
ールペンは軸全長を抑える為にそれぞれの筆記体は短寸
としなければならず、従ってインキ収容管は一層太くな
る。又、インキの粘度は油性ボールペンのインキに比べ
て小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さい。
従って、インキの自重や衝撃によりインキ漏れ(インキ
収容管の後端にインキが逆流する)が生じやすい。その
為に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追
随して移動するが、インキの自重や衝撃に対してインキ
の逆流を抑制するグリース状のフォロアが、又、必要に
よりフォロア棒がフォロア内に遊挿されて設けられてい
る。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をし
た時にはチップのボール直下のインキが無くなると、イ
ンキのヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じて手や
衣服を汚す危険がある。又、インキの粘度が低く流出量
が多いが故に、チップ側を下向きにした場合に先端ボー
ルとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる
(直流)問題が存在する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、粘性
の低いインキや筆記時のボールの回転で粘性が低下して
インキが流出される剪断減粘性を有したインキを使用し
た便利な両頭式のボールペンであって、携帯に適した長
さとそれぞれの筆記体が十分な筆記寿命を有して容易に
差し替えが可能であり、上向き筆記や衝撃によって生じ
るインクの逆流とチップ側を下向きに置いた時の直流を
防止可能とし、ボールペンの軸筒内や手、衣服の汚損を
防止可能とする。又、上向き筆記、衝撃が加わった時の
先端ボール直下の空気巻き込みに伴うインク切れで起き
る筆記掠れの防止を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
案出された本発明のボールペンは、先端にボールペンの
チップを、後方に低粘度のインキが充填された軸筒を有
して成る2本の筆記体を、その軸筒の後端で着脱可能に
連結して構成される両頭式のボールペンに於いて、それ
ぞれの筆記体には筆記先端部とインキ収容部との間にイ
ンキの逆流を防止する為のボールバルブ機構が設けら
れ、インキ後端には筆記に伴うインキの消耗に追随して
移動するグリース状のフォロアが設けられて、更にそれ
ぞれの軸筒の後端には軸筒内と外気とを連通する通気溝
を有した尾栓が固着されると共に尾栓間に連結可能な係
止部が設けられて成る。先軸の先端にボールペンのチッ
プを、先軸の後方にインキが充填された軸筒を圧着して
成り、チップ内孔にスプリングが内挿されてスプリング
がチップ後端より抜出不能に設けられ、スプリングの先
方でチップ先端部に回転自在に抱持された先端ボールの
後端を押圧して、先端ボールがチップのボール抱持部の
内縁に密接されてインキの流出が阻止され、更に軸筒の
先端内孔の後端にボール受け座とインキ収容部に連通し
て導孔が形成され、一方、先軸の後方軸部でその後端内
孔前方の周壁に所要数のリブを形成し、更に内孔前端の
前方がチップ後端に開通して設けられると共に、上記軸
筒の先端内孔に先軸の後方軸部が圧着されて相互間に弁
室が形成され、弁室内にボール弁が遊嵌されてチップ上
向きでボール弁がボール受け座に密接し、チップ下向き
でボール弁がリブの端部に当接してリブとリブの間に形
成される隙間よりインキがチップ内孔に疎通可能に構成
されたことを特徴とする。尚,この場合,先端ボールの
密接状態が不完全(チップのボール抱持部の加工バラツ
キ、固形物の付着に係わる)であってもインクの逆流が
防止可能となる。又、大きなインクヘッドが支えられる
ことで上向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボール直下
の空気巻き込みが抑制されるので筆記掠れの防止が確実
となる。 【0006】 【実施例】図1は本発明の実施例を示している。先ず、
図に示すように本願のボールペンは両頭式で、分離可能
な2本のボールペン筆記体を一体に連結して成る。2本
の筆記体は基本的には相似形で連結部のみ異なる。一方
の筆記体で説明すると、チップ11、先軸5、軸筒1、
尾栓22で外観上構成され、筆記具の最終形態としては
先軸部位を被嵌するキャップ(図示せず)を具備する。
軸筒1は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先端に内孔
4が形成され、内孔4の後端にはテーパー状又は球面状
のボール受け座2とボール受け座2の後方にインキ収容
部と連通して第1の導孔3が形成されている。 【0007】先軸5は先方に先細テーパー状の外周部を
有し、後方に軸部7を一体に有した樹脂成形品で形成さ
れている。又、軸部7後端に開口した内孔前方の周壁に
所要数のリブ9が設けられ、リブとリブとの間には隙間
(溝)が形成されている。又、リブ9が周設された内孔
前端には適宜細径の第2の導孔8が形成されている。 【0008】前記軸筒1先端の内孔4に先軸5後方の軸
部7が圧着されて相互間に弁室18が形成される。尚、
その際に弁室18内にはボール弁10が遊嵌される。 【0009】一方、チップ11はインキ流入可能なチャ
ンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で
先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられ
ている。又、チップ内孔13にスプリング16が内挿さ
れチップ後方の軸部14の後端が適宜カシメられてスプ
リング16の後端が抜出不能に設けられている。又、ス
プリング16の先方には直立状の棒軸部17が形成さ
れ、当該棒軸部17の先端が先端ボール12の後端に押
圧状に当接している。尚、先端ボール12はその押圧で
チップ11のボール抱持部(カシメ等で形成)の内縁に
密接状態と成される。又、チップ11は前記先軸5先端
の内孔6に圧着される。 【0010】以上により、チップ側が下向きの時に前記
ボール弁10が前記リブ9の後端に当接して、インキが
第1の導孔3、弁室18、第2の導孔8を通じてチップ
内孔13に流入し先端ボール12の後端まで導通する。 【0011】又、軸筒1は前記第1の導孔3の後方に延
設されたインキ収容部を有しており、インキ収容部内に
は粘性の低いインキや静的には高い粘性を有し、筆記時
のボールの回転で粘性が低下してインキが流出可能とな
る剪断減粘性を有したインキ19が充填され、インキ1
9の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随
して移動可能なグリース状のフォロア20が充填され
る。又、フォロア20内に樹脂製のフォロア棒21が遊
挿される。尚、フォロア棒21は必要により(インキ収
容部断面径が大きく、インキのヘッドが大きくなる。
又、インキの粘性が低く、インキのヘッドが支えきれな
い等の場合)設けられる。 【0012】又、軸筒1の後端孔には軸筒内と外気と連
通する通気溝26を有した尾栓22が鍔部24を軸筒後
端に当接した状態で係止突起25により圧着される。
又,当接面に於いて上記通気溝26と連通して通気口2
7が形成されている。又、鍔部24の後方には後端閉塞
状の軸部28が形成され、該軸部28の外周には溝及び
突部より構成される係止部29が形成されている。 【0013】ところで、他方のボールペンの筆記体は前
記筆記体と基本的には同じ構成である。以下、相違する
点に付いて説明すると、前記筆記体に対し描線巾を変え
る為に先端ボール径の異なるチップを取り付けるか、イ
ンキの色を変えるかが成される。又、軸筒30の後端孔
には軸筒内と外気と連通する通気溝37を有した尾栓3
4が鍔部35を軸筒後端に当接した状態で係止突起36
により圧着される。又、軸心部には前端閉塞状の内孔3
9が形成され,且つ内孔周面には突状の係止部40が形
成されている。 【0014】 【作用】先ず、図1は軸筒1側の一方の筆記体がチップ
11を上向きにした状態を示しており、その時ボール弁
10が弁室18のボール受け座2に密接して第1の導孔
3を密閉するので、上向き筆記で先端ボール12直下の
インキがなくなってもインキが逆流しない。従って、チ
ップ11を下向きにした時にインキが即流出可能とな
り、筆記で掠れが防止される。(因みにボール弁を有し
ない構造では、上向き筆記でインキのヘッドが逆流方向
に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記
で即インキが追随せず掠れが生じる。又、上向き筆記の
繰り返しで空気の巻き込みが徐々に累積される) 【0015】図1の軸筒30側の他方の筆記体に於いて
はチップが下向きとなっている。チップを下向きにした
筆記前の状態では、ボール弁33が弁室内のリブ32の
前端に当接状態となり、第1の導孔が開放される。イン
キ収容部から第1の導孔を経て弁室に入ったインキはリ
ブとリブとの間に形成された溝を通じてチップ内孔に流
入し、先端ボールの後端まで導通される。尚、この状態
ではスプリングの棒軸部の押圧で先端ボールがチップ抱
持部の内縁に密接されるのでインキの直流が防止され
る。又、筆圧により先端ボールが微小に後退するので隙
間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボ
ールの回転でインキが流出されて筆記が可能となる。
又、軸筒を反転させると軸筒1側の筆記体が下向きとな
り筆記状態となる。 【0016】又、そのとき先端ボール12の直下にはチ
ャンネル(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝
を複数箇所に有した先端ボールの受け座)がありチャン
ネルの中心孔にはスプリング16の棒軸部17が貫通す
る。チップ内のインキは上記インキ流入溝及び中心孔と
棒軸部17との間の隙間を通じて先端ボール12直下に
誘導される。 【0017】又、先端ボール12は常時チップ抱持部の
内縁に密接しているので先端部位の乾燥で筆記掠れが防
止される。又、先端ボール12とボール弁10の共同作
用で上向き筆記や衝撃が加わっても空気の巻き込みが緩
和されるので筆記掠れが防止される。尚、インキの直流
及び逆流はスプリング16による先端ボール12への押
圧で果たされるが、上記チップ抱持部の加工バラツキに
よる先端ボール12との密接不完全状態や、チップ抱持
部と先端ボール12との隙間に固形物が付着した場合の
密接不完全状態を補足して、インキの大きなヘッドを支
えてインキの逆流を確実に防止することと、空気巻き込
みの緩和(掠れ防止)をするようスプリング16と共同
する。 【0018】又、前記のようにチップ内孔13にスプリ
ング16を設けない場合に於いても、ボール弁10の外
径をチップ後端の軸部14の外径(略1.8mm)より
大きく設けることでボール弁の作動が敏速となりインキ
の逆流が防止される。又、弁室の前後に第1及び第2の
導孔3、8を適宜細径に設けることでインキの直流や上
向き筆記、衝撃に対するチップ内の空気巻き込みが緩和
されて筆記掠れが防止可能となる。 【0019】又、軸筒1側の筆記体と軸筒30側の筆記
体はそれぞれの尾栓22、34の係止部により係脱可能
に固定される。即ち,尾栓22の軸部28の係止部29
が尾栓34の係止部40に弾性的に係合する。尚、それ
ぞれの尾栓と軸筒との固着方法は相互間の螺合であって
もよい。又、尾栓と軸筒との固着が回転不可であれば軸
筒28と内孔39間の連結は螺合であってもよい。 【0020】 【発明の効果】本発明のボールペンの構成及び作用は以
上の如くであり、携帯性に適した長さで、それぞれの筆
記体が十分な筆記寿命を有した両頭式のボールペンが提
供可能となり、粘性の低いインキや剪断減粘性を有した
インキを使用したボールペンであっても、インキの逆流
や下向きに置かれた時に直流が防止され、軸筒内や手や
衣服等を汚す故が防止される。又、上向き筆記や衝撃後
にインキが即追随して筆記掠れが防止される。
低いインクが充填されたインクの逆流防止機構付きの両
頭式のボールペンに関する。 【0002】 【従来の技術】同出願人は実公平4ー52067号でボ
ールを遊嵌した弁室を設けたボールペンのインキの逆流
防止機構を開示している。此のものは、樹脂製の口プラ
(先軸部)にボール弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜
出不能とする突条を所要数設けて、筆記時には突条と突
条との間に形成される隙間を連通してチップにインキが
流動されるように成されている。又、粘性の低いインキ
又は筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインキ
が流出される剪断減粘性を有したインキを使用したボー
ルペンが知られている。 【0003】一般に粘性の低いインキ又は剪断減粘性を
有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量
が多く(筆記濃度を上げるため)インキ収容管の径を太
くしてインキの搭載量を多くしている。特に両頭式のボ
ールペンは軸全長を抑える為にそれぞれの筆記体は短寸
としなければならず、従ってインキ収容管は一層太くな
る。又、インキの粘度は油性ボールペンのインキに比べ
て小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さい。
従って、インキの自重や衝撃によりインキ漏れ(インキ
収容管の後端にインキが逆流する)が生じやすい。その
為に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追
随して移動するが、インキの自重や衝撃に対してインキ
の逆流を抑制するグリース状のフォロアが、又、必要に
よりフォロア棒がフォロア内に遊挿されて設けられてい
る。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をし
た時にはチップのボール直下のインキが無くなると、イ
ンキのヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じて手や
衣服を汚す危険がある。又、インキの粘度が低く流出量
が多いが故に、チップ側を下向きにした場合に先端ボー
ルとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる
(直流)問題が存在する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、粘性
の低いインキや筆記時のボールの回転で粘性が低下して
インキが流出される剪断減粘性を有したインキを使用し
た便利な両頭式のボールペンであって、携帯に適した長
さとそれぞれの筆記体が十分な筆記寿命を有して容易に
差し替えが可能であり、上向き筆記や衝撃によって生じ
るインクの逆流とチップ側を下向きに置いた時の直流を
防止可能とし、ボールペンの軸筒内や手、衣服の汚損を
防止可能とする。又、上向き筆記、衝撃が加わった時の
先端ボール直下の空気巻き込みに伴うインク切れで起き
る筆記掠れの防止を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
案出された本発明のボールペンは、先端にボールペンの
チップを、後方に低粘度のインキが充填された軸筒を有
して成る2本の筆記体を、その軸筒の後端で着脱可能に
連結して構成される両頭式のボールペンに於いて、それ
ぞれの筆記体には筆記先端部とインキ収容部との間にイ
ンキの逆流を防止する為のボールバルブ機構が設けら
れ、インキ後端には筆記に伴うインキの消耗に追随して
移動するグリース状のフォロアが設けられて、更にそれ
ぞれの軸筒の後端には軸筒内と外気とを連通する通気溝
を有した尾栓が固着されると共に尾栓間に連結可能な係
止部が設けられて成る。先軸の先端にボールペンのチッ
プを、先軸の後方にインキが充填された軸筒を圧着して
成り、チップ内孔にスプリングが内挿されてスプリング
がチップ後端より抜出不能に設けられ、スプリングの先
方でチップ先端部に回転自在に抱持された先端ボールの
後端を押圧して、先端ボールがチップのボール抱持部の
内縁に密接されてインキの流出が阻止され、更に軸筒の
先端内孔の後端にボール受け座とインキ収容部に連通し
て導孔が形成され、一方、先軸の後方軸部でその後端内
孔前方の周壁に所要数のリブを形成し、更に内孔前端の
前方がチップ後端に開通して設けられると共に、上記軸
筒の先端内孔に先軸の後方軸部が圧着されて相互間に弁
室が形成され、弁室内にボール弁が遊嵌されてチップ上
向きでボール弁がボール受け座に密接し、チップ下向き
でボール弁がリブの端部に当接してリブとリブの間に形
成される隙間よりインキがチップ内孔に疎通可能に構成
されたことを特徴とする。尚,この場合,先端ボールの
密接状態が不完全(チップのボール抱持部の加工バラツ
キ、固形物の付着に係わる)であってもインクの逆流が
防止可能となる。又、大きなインクヘッドが支えられる
ことで上向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボール直下
の空気巻き込みが抑制されるので筆記掠れの防止が確実
となる。 【0006】 【実施例】図1は本発明の実施例を示している。先ず、
図に示すように本願のボールペンは両頭式で、分離可能
な2本のボールペン筆記体を一体に連結して成る。2本
の筆記体は基本的には相似形で連結部のみ異なる。一方
の筆記体で説明すると、チップ11、先軸5、軸筒1、
尾栓22で外観上構成され、筆記具の最終形態としては
先軸部位を被嵌するキャップ(図示せず)を具備する。
軸筒1は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先端に内孔
4が形成され、内孔4の後端にはテーパー状又は球面状
のボール受け座2とボール受け座2の後方にインキ収容
部と連通して第1の導孔3が形成されている。 【0007】先軸5は先方に先細テーパー状の外周部を
有し、後方に軸部7を一体に有した樹脂成形品で形成さ
れている。又、軸部7後端に開口した内孔前方の周壁に
所要数のリブ9が設けられ、リブとリブとの間には隙間
(溝)が形成されている。又、リブ9が周設された内孔
前端には適宜細径の第2の導孔8が形成されている。 【0008】前記軸筒1先端の内孔4に先軸5後方の軸
部7が圧着されて相互間に弁室18が形成される。尚、
その際に弁室18内にはボール弁10が遊嵌される。 【0009】一方、チップ11はインキ流入可能なチャ
ンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で
先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられ
ている。又、チップ内孔13にスプリング16が内挿さ
れチップ後方の軸部14の後端が適宜カシメられてスプ
リング16の後端が抜出不能に設けられている。又、ス
プリング16の先方には直立状の棒軸部17が形成さ
れ、当該棒軸部17の先端が先端ボール12の後端に押
圧状に当接している。尚、先端ボール12はその押圧で
チップ11のボール抱持部(カシメ等で形成)の内縁に
密接状態と成される。又、チップ11は前記先軸5先端
の内孔6に圧着される。 【0010】以上により、チップ側が下向きの時に前記
ボール弁10が前記リブ9の後端に当接して、インキが
第1の導孔3、弁室18、第2の導孔8を通じてチップ
内孔13に流入し先端ボール12の後端まで導通する。 【0011】又、軸筒1は前記第1の導孔3の後方に延
設されたインキ収容部を有しており、インキ収容部内に
は粘性の低いインキや静的には高い粘性を有し、筆記時
のボールの回転で粘性が低下してインキが流出可能とな
る剪断減粘性を有したインキ19が充填され、インキ1
9の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随
して移動可能なグリース状のフォロア20が充填され
る。又、フォロア20内に樹脂製のフォロア棒21が遊
挿される。尚、フォロア棒21は必要により(インキ収
容部断面径が大きく、インキのヘッドが大きくなる。
又、インキの粘性が低く、インキのヘッドが支えきれな
い等の場合)設けられる。 【0012】又、軸筒1の後端孔には軸筒内と外気と連
通する通気溝26を有した尾栓22が鍔部24を軸筒後
端に当接した状態で係止突起25により圧着される。
又,当接面に於いて上記通気溝26と連通して通気口2
7が形成されている。又、鍔部24の後方には後端閉塞
状の軸部28が形成され、該軸部28の外周には溝及び
突部より構成される係止部29が形成されている。 【0013】ところで、他方のボールペンの筆記体は前
記筆記体と基本的には同じ構成である。以下、相違する
点に付いて説明すると、前記筆記体に対し描線巾を変え
る為に先端ボール径の異なるチップを取り付けるか、イ
ンキの色を変えるかが成される。又、軸筒30の後端孔
には軸筒内と外気と連通する通気溝37を有した尾栓3
4が鍔部35を軸筒後端に当接した状態で係止突起36
により圧着される。又、軸心部には前端閉塞状の内孔3
9が形成され,且つ内孔周面には突状の係止部40が形
成されている。 【0014】 【作用】先ず、図1は軸筒1側の一方の筆記体がチップ
11を上向きにした状態を示しており、その時ボール弁
10が弁室18のボール受け座2に密接して第1の導孔
3を密閉するので、上向き筆記で先端ボール12直下の
インキがなくなってもインキが逆流しない。従って、チ
ップ11を下向きにした時にインキが即流出可能とな
り、筆記で掠れが防止される。(因みにボール弁を有し
ない構造では、上向き筆記でインキのヘッドが逆流方向
に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記
で即インキが追随せず掠れが生じる。又、上向き筆記の
繰り返しで空気の巻き込みが徐々に累積される) 【0015】図1の軸筒30側の他方の筆記体に於いて
はチップが下向きとなっている。チップを下向きにした
筆記前の状態では、ボール弁33が弁室内のリブ32の
前端に当接状態となり、第1の導孔が開放される。イン
キ収容部から第1の導孔を経て弁室に入ったインキはリ
ブとリブとの間に形成された溝を通じてチップ内孔に流
入し、先端ボールの後端まで導通される。尚、この状態
ではスプリングの棒軸部の押圧で先端ボールがチップ抱
持部の内縁に密接されるのでインキの直流が防止され
る。又、筆圧により先端ボールが微小に後退するので隙
間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボ
ールの回転でインキが流出されて筆記が可能となる。
又、軸筒を反転させると軸筒1側の筆記体が下向きとな
り筆記状態となる。 【0016】又、そのとき先端ボール12の直下にはチ
ャンネル(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝
を複数箇所に有した先端ボールの受け座)がありチャン
ネルの中心孔にはスプリング16の棒軸部17が貫通す
る。チップ内のインキは上記インキ流入溝及び中心孔と
棒軸部17との間の隙間を通じて先端ボール12直下に
誘導される。 【0017】又、先端ボール12は常時チップ抱持部の
内縁に密接しているので先端部位の乾燥で筆記掠れが防
止される。又、先端ボール12とボール弁10の共同作
用で上向き筆記や衝撃が加わっても空気の巻き込みが緩
和されるので筆記掠れが防止される。尚、インキの直流
及び逆流はスプリング16による先端ボール12への押
圧で果たされるが、上記チップ抱持部の加工バラツキに
よる先端ボール12との密接不完全状態や、チップ抱持
部と先端ボール12との隙間に固形物が付着した場合の
密接不完全状態を補足して、インキの大きなヘッドを支
えてインキの逆流を確実に防止することと、空気巻き込
みの緩和(掠れ防止)をするようスプリング16と共同
する。 【0018】又、前記のようにチップ内孔13にスプリ
ング16を設けない場合に於いても、ボール弁10の外
径をチップ後端の軸部14の外径(略1.8mm)より
大きく設けることでボール弁の作動が敏速となりインキ
の逆流が防止される。又、弁室の前後に第1及び第2の
導孔3、8を適宜細径に設けることでインキの直流や上
向き筆記、衝撃に対するチップ内の空気巻き込みが緩和
されて筆記掠れが防止可能となる。 【0019】又、軸筒1側の筆記体と軸筒30側の筆記
体はそれぞれの尾栓22、34の係止部により係脱可能
に固定される。即ち,尾栓22の軸部28の係止部29
が尾栓34の係止部40に弾性的に係合する。尚、それ
ぞれの尾栓と軸筒との固着方法は相互間の螺合であって
もよい。又、尾栓と軸筒との固着が回転不可であれば軸
筒28と内孔39間の連結は螺合であってもよい。 【0020】 【発明の効果】本発明のボールペンの構成及び作用は以
上の如くであり、携帯性に適した長さで、それぞれの筆
記体が十分な筆記寿命を有した両頭式のボールペンが提
供可能となり、粘性の低いインキや剪断減粘性を有した
インキを使用したボールペンであっても、インキの逆流
や下向きに置かれた時に直流が防止され、軸筒内や手や
衣服等を汚す故が防止される。又、上向き筆記や衝撃後
にインキが即追随して筆記掠れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるボールペンの縦断面図
である。 【符号の説明】 1 軸筒 2 ボール受け座 3 第1の導孔 4 内孔 5 先軸 6 内孔 7 軸部 8 第2の導孔 9 リブ 10 ボール弁 11 チップ 12 先端ボール 13 チップ内孔 14 軸部 15 カシメ部 16 スプリング 17 棒軸部 18 弁室 19 インキ 20 フォロア 21 フォロア棒 22 尾栓 23 軸部 24 鍔部 25 係止突起 26 通気溝 27 通気口 28 軸部 29 係止部 30 軸筒 31 先軸 32 リブ 33 ボール弁 34 尾栓 35 鍔部 36 係止突起 37 通気溝 38 通気口 39 内孔 40 係止部
である。 【符号の説明】 1 軸筒 2 ボール受け座 3 第1の導孔 4 内孔 5 先軸 6 内孔 7 軸部 8 第2の導孔 9 リブ 10 ボール弁 11 チップ 12 先端ボール 13 チップ内孔 14 軸部 15 カシメ部 16 スプリング 17 棒軸部 18 弁室 19 インキ 20 フォロア 21 フォロア棒 22 尾栓 23 軸部 24 鍔部 25 係止突起 26 通気溝 27 通気口 28 軸部 29 係止部 30 軸筒 31 先軸 32 リブ 33 ボール弁 34 尾栓 35 鍔部 36 係止突起 37 通気溝 38 通気口 39 内孔 40 係止部
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 先端にボールペンのチップを、後方に低
粘度のインキが充填された軸筒を有して成る2本の筆記
体を、その軸筒の後端で着脱可能に連結して構成される
両頭式のボールペンに於いて、それぞれの筆記体は、チ
ップ内孔にスプリングが内挿されてスプリングがチップ
後端より抜出不能に設けられ、スプリングの先方でチッ
プ先端部に回転自在に抱持された先端ボールの後端を押
圧して、先端ボールがチップのボール抱持部の内縁に密
接されてインキの逆流及び流出が阻止されるよう構成さ
れ、更にチップ後端とインキ収容部との間に弁室が設け
られ、弁室内にボール弁が遊嵌されてボール弁が弁室後
端のボール受け座に密接してインキの逆流が阻止される
よう構成され、インキ後端に筆記に伴うインキの消耗に
追随して移動するグリース状のフォロアが設けられて成
り、また、それぞれの軸筒の後端には軸筒内と外気とを
連通する通気溝を有した尾栓が固着されると共に尾栓間
に連結可能な係止部が設けられて成るボールペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19263995A JP3476971B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | ボールペン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19263995A JP3476971B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | ボールペン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0920094A JPH0920094A (ja) | 1997-01-21 |
JP3476971B2 true JP3476971B2 (ja) | 2003-12-10 |
Family
ID=16294601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19263995A Expired - Fee Related JP3476971B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | ボールペン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3476971B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001219693A (ja) | 2000-02-09 | 2001-08-14 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 両頭式直液筆記具 |
-
1995
- 1995-07-06 JP JP19263995A patent/JP3476971B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0920094A (ja) | 1997-01-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030916 |
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