JP3375422B2 - ボールペン - Google Patents

ボールペン

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JP3375422B2
JP3375422B2 JP17492594A JP17492594A JP3375422B2 JP 3375422 B2 JP3375422 B2 JP 3375422B2 JP 17492594 A JP17492594 A JP 17492594A JP 17492594 A JP17492594 A JP 17492594A JP 3375422 B2 JP3375422 B2 JP 3375422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太径の軸筒内に粘性の
低いインクが充填されたインクの逆流防止機構付きのボ
ールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】同出願人は実公平4ー52067号でボ
ールを遊嵌した弁室を設けたボールペンのインクの逆流
防止機構を開示している。此のものは、樹脂製の口プラ
(先軸部)にボール弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜
出不能とする突条を所要数設けて、筆記時には突条と突
条との間に形成される隙間を連通してチップにインクが
流動されるように成されている。又、粘性の低いインク
又は筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインク
が流出される剪断減粘性を有したインクを使用したボー
ルペンが知られている。
【0003】一般に粘性の低いインク又は剪断減粘性を
有したインクを使用したボールペンは、インクの流出量
が多く(筆記濃度を上げるため)インク収容管の径を太
くしてインクの搭載量を多くしている。又、インクの粘
度は油性ボールペンのインクに比べて小さいのでインク
収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、インクの自
重や衝撃によりインク漏れ(インク収容管の後端にイン
クが逆流する)が生じやすい。その為に、通常はインク
の後端に筆記時のインクの消耗に追随して移動するが、
インクの自重や衝撃に対してインクの逆流を抑制するグ
リース状のフォロアが、又、必要によりフォロア棒がフ
ォロア内に遊挿されて設けられている。しかしながら、
フォロアを設けても上向き筆記をした時にはチップのボ
ール直下のインクが無くなると、インクのヘッドが直に
加わる為に顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険があ
る。又、インクの粘度が低く流出量が多いが故に、チッ
プ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の
隙間が生じるとインクが滲みでる(直流)問題が存在す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、粘性
の低いインク又は筆記時のボールの回転で粘性が低下し
てインクが流出される剪断減粘性を有したインクを使用
したボールペンであって上向き筆記や衝撃によって生じ
るインクの逆流とチップ側を下向きに置いた時の直流を
防止可能とし、ボールペンの軸筒内や手、衣服の汚損を
防止可能とする。又、上向き筆記、衝撃が加わった時の
先端ボール直下の空気巻き込みに伴うインク切れで起き
る筆記掠れの防止を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
案出された本発明のボールペンは、第1の手段として先
軸部の先端にボールペンのチップを、先軸の後方にイン
クが充填された軸筒を圧着して成るボールペンであっ
て、チップ内孔に内挿されたスプリングの先端で先端ボ
ールを押圧して、先端ボールがチップのボール抱持部の
内縁を密接してインクの直流と逆流を阻止すると共に、
軸筒の先端内孔の後端にボール受け座とインク収容部に
連通して導孔が形成され、先軸の後方軸部でその後端内
孔前方の周壁に所要数のリブを形成し、更に内孔前端の
前方がチップ後端に開通して設けられ、軸筒の先端内孔
に先軸の後方軸部が圧着されて相互間に弁室が形成さ
れ、弁室内にボール弁が遊嵌されてチップ上向きでボー
ル弁がボール受け座に密接してその後方に位置する大容
量のインクヘッドを支えて、上記先端ボールの密接状態
が不完全(チップのボール抱持部の加工バラツキ、固形
物の付着に係わる)であってもインクの逆流が防止可能
となる。又、大きなインクヘッドが支えられることで上
向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボール直下の空気巻
き込みが抑制されるので筆記掠れの防止が可能となる。
【0006】第2の手段として先軸の先端にボールペン
チップを、先軸の後方にインクが充填された軸筒を圧着
して成るボールペンであって、軸筒の先端内孔の後端に
ボール受け座とインク収容部に連通して適宜細径の第1
の導孔が形成され、先軸の後方軸部でその後端内孔前方
の周壁に所要数のリブを形成して、更に内孔前端の前方
に適宜細径の第2の導孔が形成され、その導孔の前方が
チップ後端に連通されて成り、軸筒の先端内孔に先軸の
後方軸部が圧着されて相互間に弁室が形成され、弁室内
にはチップ後端の外径より大径のボール弁が遊嵌され
て、チップ上向きでボール弁がボール受け座に敏速に密
接してインクの逆流が防止される。又、上記第1及び第
2の導孔をインクの流動性(インクの粘性、インク収容
部の断面径等に係わる)に合わせて適宜細径に設けるこ
とでインクの直流と上向き筆記、衝撃が加わった時の先
端ボール直下の空気巻き込みが抑制されて筆記掠の防止
が可能となる。
【0007】
【実施例】図1及び図2は本発明の実施例を示してい
る。先ず、図1に示すように本願のボールペンはチップ
11、先軸5、軸筒1、尾栓19で外観上構成され、筆
記具の最終形態としては先軸部位を被嵌するキャップ
(図示せず)を具備する。軸筒1は樹脂成形品(通常は
透明樹脂)で、先端に内孔4が形成され、内孔4の後端
にはテーパー状又は球面状のボール受け座2とボール受
け座2の後方にインク収容部と連通して第1の導孔3が
形成されている。
【0008】先軸5は先方に先細テーパー状の外周部を
有し、後方に軸部7を一体に有した樹脂成形品で形成さ
れている。又、軸部7後端に開口した内孔前方の周壁に
所要数のリブ9が設けられ、リブとリブとの間には隙間
(溝)が形成されている。又、リブ9が周設された内孔
前端には適宜細径の第2の導孔8が形成されている。
【0009】前記軸筒1先端の内孔4に先軸5後方の軸
部7が圧着されて相互間に弁室18が形成される。尚、
その際に弁室18内にはボール弁10が遊嵌される。
【0010】一方、チップ11はインク流入可能なチャ
ンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で
先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられ
ている。又、チップ内孔13にスプリング16が内挿さ
れチップ後方の軸部14の後端が適宜カシメられてスプ
リング16の後端が抜出不能に設けられている。又、ス
プリング16の先方には直立状の棒軸部17が形成さ
れ、当該棒軸部17の先端が先端ボール12の後端に押
圧状に当接している。尚、先端ボール12はその押圧で
チップ11のボール抱持部(カシメ等で形成)の内縁に
密接状態と成される。又、チップ11は前記先軸5先端
の内孔6に圧着される。
【0011】以上により、チップ側が下向きの時に前記
ボール弁10が前記リブ9の後端に当接して、インクが
第1の導孔3、弁室18、第2の導孔8を通じてチップ
内孔13に流入し先端ボール12の後端まで導通する。
【0012】又、軸筒1は前記第1の導孔3の後方に延
設されたインク収容部を有しており、インク収容部内に
は粘性の低いインク又は静的には高い粘性を有し、筆記
時のボールの回転で粘性が低下してインクが流出可能と
なる剪断減粘性を有したインク21が充填され、インク
21の後端にインクの消耗と共にインク面に接触して追
随して移動可能なグリース状のフォロア22が充填され
る。又、フォロア22内に樹脂製のフォロア棒23が遊
挿される。尚、フォロア棒23は必要により(インク収
容部断面径が大きく、インクのヘッドが大きくなる。
又、インクの粘性が低く、インクのヘッドが支えきれな
い等の場合)設けられる。又、軸筒1の後端には外気と
連通する通気孔20を有した尾栓19が圧着される。
【0013】
【作用】先ず、図1はチップ11を上向きにした状態を
示しており、その時ボール弁10が弁室18のボール受
け座2に密接して第1の導孔3を密閉するので、上向き
筆記で先端ボール12直下のインクがなくなってもイン
クが逆流しない。従って、チップ11を下向きにした時
にインクが即流出可能となり、筆記で掠れが防止され
る。(因みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記
でインクのヘッドが逆流方向に作用するのでチップ内に
空気を巻き込み、下向き筆記で即インクが追随せず掠れ
が生じる。又、上向き筆記の繰り返しで空気の巻き込み
が徐々に累積される)
【0014】図2のチップ11を下向きにした筆記前の
状態では、ボール弁10が弁室内のリブ9の前端に当接
状態となり、第1の導孔3が開放される。インク収容部
から第1の導孔3を経て弁室18に入ったインク21は
リブとリブとの間に形成された溝を通じてチップ内孔1
3に流入し、先端ボール12の後端まで導通される。
尚、この状態ではスプリング16の棒軸部17の押圧で
先端ボール12がチップ抱持部の内縁に密接されるので
インク21の直流が防止される。又、筆圧により先端ボ
ール12が微小に後退するので隙間を生じてインクが流
出可能となり、筆記により先端ボール12の回転でイン
クが流出されて筆記が可能となる。
【0015】尚、先端ボール12の直下にはチャンネル
(チップ内孔に向かって貫通したインク流入溝を複数箇
所に有した先端ボールの受け座)がありチャンネルの中
心孔にはスプリング16の棒軸部17が貫通する。チッ
プ内のインクは上記インク流入溝及び中心孔と棒軸部1
7との間の隙間を通じて先端ボール12直下に誘導され
る。
【0016】又、先端ボール12は常時チップ抱持部の
内縁に密接しているので先端部位の乾燥で筆記掠れが防
止される。又、先端ボール12とボール弁10の共同作
用で上向き筆記や衝撃が加わっても空気の巻き込みが緩
和されるので筆記掠れが防止される。尚、インクの直流
及び逆流はスプリング16による先端ボール12への押
圧で果たされるが、上記チップ抱持部の加工バラツキに
よる先端ボール12との密接不完全状態や、チップ抱持
部と先端ボール12との隙間に固形物が付着した場合の
密接不完全状態を補足して、インクの大きなヘッドを支
えてインクの逆流を確実に防止することと、空気巻き込
みの緩和(掠れ防止)をするようスプリング16と共同
する。
【0017】又、前記のようにチップ内孔13にスプリ
ング16を設けない場合に於いても、ボール弁10の外
径をチップ後端の軸部14の外径(略1.8mm)より
大きく設けることでボール弁の作動が敏速となりインク
の逆流が防止される。又、弁室の前後に第1及び第2の
導孔3、8を適宜細径に設けることでインクの直流や上
向き筆記、衝撃に対するチップ内の空気巻き込みが緩和
されて筆記掠れが防止可能となる。
【0018】
【発明の効果】本発明のボールペンの構成及び作用は以
上の如くであり、粘性の低いインク又は剪断減粘性を有
したインクを太径の軸筒に充填したボールペンであって
も、インクの逆流や下向きに置かれた時に直流が防止さ
れ、軸筒内や手や衣服等を汚す事故が防止される。又、
上向き筆記や衝撃後にインクが即追随して筆記掠れが防
止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるボールペンの縦断面図
で、チップが上向きの状態を示している。
【図2】実施例であるボールペンの縦断面図で、チップ
が下向きの状態を示している。
【符号の説明】
1 軸筒 2 ボール受け座 3 第1の導孔 4 内孔 5 先軸 6 内孔 7 軸部 8 第2の導孔 9 リブ 10 ボール弁 11 チップ 12 先端ボール 13 チップ内孔 14 軸部 15 カシメ部 16 スプリング 17 棒軸部 18 弁室 19 尾栓 20 通気孔 21 インク 22 フォロア 23 フォロア棒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先軸の先端にボールペンのチップを、先
    軸の後方にインクが充填された軸筒を圧着して成るボー
    ルペンであって、チップ内孔にスプリングが内挿されて
    スプリングがチップ後端より抜出不能に設けられ、スプ
    リングの先方でチップ先端部に回転自在に抱持された先
    端ボールの後端を押圧して、先端ボールがチップのボー
    ル抱持部の内縁に密接されてインクの流出が阻止される
    ものに於いて、軸筒の先端内孔の後端にボール受け座と
    インク収容部に連通して導孔が形成され、一方、先軸の
    後方軸部でその後端内孔前方の周壁に所要数のリブを形
    成し、更に内孔前端の前方がチップ後端に開通して設け
    られると共に、上記軸筒の先端内孔に先軸の後方軸部が
    圧着されて相互間に弁室が形成され、弁室内にボール弁
    が遊嵌されてチップ上向きでボール弁がボール受け座に
    密接し、チップ下向きでボール弁がリブの端部に当接し
    てリブとリブの間に形成される隙間よりインクがチップ
    内孔に疎通可能に構成されたことを特徴とするボールペ
    ン。
  2. 【請求項2】 先軸の先端にボールペンのチップを、先
    軸の後方にインクが充填された軸筒を圧着して成るボー
    ルペンに於いて、軸筒の先端内孔の後端にボール受け座
    とインク収容部に連通して適宜細径の第1の導孔が形成
    され、一方、先軸の後方軸部でその後端内孔前方の周壁
    に所要数のリブを形成して、更に内孔前端の前方に適宜
    細径の第2の導孔が形成され、その導孔の前方がチップ
    後端に連通されて成り、上記軸筒の先端内孔に先軸の後
    方軸部が圧着されて相互間に弁室が形成され、弁室内に
    ボール弁が遊嵌されてチップ上向きでボール弁がボール
    受け座に密接し、チップ下向きでボール弁がリブの端部
    に当接してリブとリブの間に形成される隙間よりインク
    がチップ内孔に疎通可能と成され、更に、上記ボール弁
    の外径がチップ後端の軸部外径より大径となるように設
    けられたことを特徴とするボールペン。
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