JPH11277881A - インクジェット用被記録材 - Google Patents

インクジェット用被記録材

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JPH11277881A
JPH11277881A JP10085627A JP8562798A JPH11277881A JP H11277881 A JPH11277881 A JP H11277881A JP 10085627 A JP10085627 A JP 10085627A JP 8562798 A JP8562798 A JP 8562798A JP H11277881 A JPH11277881 A JP H11277881A
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Japan
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particle
layer
ink
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receiving layer
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JP10085627A
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Inventor
Yoshikuni Aoyanagi
禎城 青柳
Takao Kadokura
孝雄 門倉
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が良好で、インク受容性を損なうこと
なくインク受容層の強度の向上したインクジェット用被
記録材を提供する。 【解決手段】 基材上にインク受容層を設けたインクジ
ェット用被記録材において、該インク受容層は、一層以
上の層構成を有し、その少なくとも一層に、無機粒子及
び/又は有機粒子並びに疎水性有機バインダーを含む粒
子含有インク受容層を有し、且つインク受容層の表層に
粒子を含有する粒子含有オーバーコート層を設けてなる
ことを特徴とするインクジェット用被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
被記録材、特にインク受容性に優れ、且つ耐水性及び受
容層表面強度のよいインクジェット用被記録材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、文書だけ
でなく広告その他の展示物の作成にも広く用いられるよ
うになってきている。インクジェットプリンターのイン
クは、主として水に色素及び各種の助剤を溶解させた水
溶性インクであり、このインクを受容する被記録材とし
ては、基材に水溶性高分子化合物の塗布層を設けたもの
や、この塗布層のなかに種々の粒子を含有させたもの
や、塗布層の表面に水溶性高分子化合物を塗布したもの
などが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
用被記録材の問題点の一つは、耐水性に乏しいことであ
る。すなわちインク受容層が水溶性高分子化合物を主体
としているので、これに水性インクで文字や画像を形成
した記録物は、水と接触すると滲みが生じ、甚だしい場
合には記録層そのものが溶出してしまう。この耐水性に
乏しいという問題に対する対策の一つとして、記録面に
透明フイルムを貼付することが行われている。この方法
は長期間に亘り耐水性を確保する方法として有効である
が、フイルムの貼付操作が煩雑である。また、最近では
広告等の展示物で、せいぜい数カ月程度の比較的短期間
の耐久性を満足すればよいという分野に適した被記録材
が要求されつつある。本発明は、このような要求に応え
ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ット用被記録材は、基材上にインク受容層を設けたイン
クジェット用被記録材において、該インク受容層は、一
層以上の層構成を有し、その少なくとも一層に無機粒子
及び/又は有機粒子並びに疎水性有機バインダーを含む
粒子含有インク受容層を有し、且つインク受容層表層中
でも粒子含有インク受容層表層面に、粒子を含有する粒
子含有オーバーコート層を有することにより粒子含有イ
ンク受容層強度向上を図ることができる。粒子含有オー
バーコート層中の粒子として無機粒子を用いることが好
ましい。
【0005】粒子含有インク受容層は、疎水性有機バイ
ンダーの有機溶媒溶液に、無機粒子及び/又は有機粒子
が懸濁しているスラリーを基材に塗布して乾燥すること
により容易に形成することができ、粒子含有オーバーコ
ート層は、有機バインダーの樹脂溶液に無機粒子が懸濁
しているスラリーを粒子含有インク受容層表層へ塗布し
乾燥することにより容易に形成でき、粒子含有インク受
容層がインク受容性に優れ、且つ耐水性及び粒子含有イ
ンク受容層強度向上を図ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてより詳細に
説明する。被記録材の基材としては、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどのプ
ラスチックフイルムや、紙、布、金属箔など、従来から
インクジェット用被記録材の基材として知られている任
意のものを用いることができる。通常は耐水性が良く、
かつ取り扱い性も良いプラスチックフイルム、なかでも
ポリエチレンテレフタレートフイルムが好んで用いられ
る。基材の厚さは通常10〜150μm、特に25〜1
20μmであり、記録物の用途や取り扱い性を考慮して
適宜選択すればよい。
【0007】粒子含有インク受容層は、無機粒子及び/
又は有機粒子並びに疎水性有機バインダーを含み、無機
粒子及び/又は有機粒子を疎水性有機バインダーで基材
に密着した構造を有している。無機粒子としては、炭酸
カルシウム、タルク、クレー、シリカ、珪藻土、珪酸ア
ルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、アル
ミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなど
が挙げられる。なかでもインク吸収性に優れている炭酸
カルシウムを用いるのが好ましい。通常は炭酸カルシウ
ムを単独で用いるが、他の無機粒子を併用する場合でも
少なくとも50重量%は炭酸カルシウムであるのが好ま
しい。無機粒子としては、通常は粒径0.01〜25μ
m、好ましくは0.01〜10μm、BET比表面積が
3〜90m2 /g、好ましくは5〜80m2 /g、JI
S K−5421法による吸油量が5〜250ml/1
00g、好ましくは10〜200ml/100gのもの
を用いるのがよく、特に炭酸カルシウムとしては、通常
は粒径1〜20μm、好ましくは2〜8μm、BET比
表面積が3〜70m2 /g、好ましくは5〜50m2
g、JIS K−5421法による吸油量が30〜20
0ml/100g、好ましくは50〜170ml/10
0gのものが用いられる。
【0008】有機粒子としては、アクリル樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂など
が挙げられる。なかでも尿素樹脂を用いるのが好まし
い。尿素樹脂としては、粒径0.1〜50μm、好まし
くは1〜5μm、JIS K−5101法による吸油量
が200〜1500ml/100g、好ましくは400
〜1100ml/100gのものを用いるのが好まし
い。有機粒子としては、通常は尿素樹脂を単独で用い
る。勿論、他のものを併用することもできるが、その場
合でも、有機粒子の50重量%は尿素樹脂を用いるのが
好ましい。無機粒子と有機粒子との比率(重量比)は、
通常20:80〜80:20である。
【0009】疎水性有機バインダーとしては、通常は溶
剤可溶性のものが用いられる。例えば、ポリビニルブチ
ラール、ポリエステル、アクリル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、
ポリウレタンなどが用いられる。なかでもポリエステル
を単独で用いるか、又はポリエステルと他の溶剤可溶性
樹脂との混合物でポリエステルが50重量%以上占める
ものを用いるのが好ましい。このような混合物として
は、例えばポリエステルにその5〜30重量%のポリア
クリル酸エステルを配合したものが用いられる。このも
のはポリエステル単独のものよりもインク吸収性の良い
インク受容層を与える。なおポリアクリル酸エステルを
配合すると記録時のインク耐水定着性が低下する傾向が
あるので、ステアリン酸マグネシウムなどの耐水性向上
剤をバインダーに対して2〜30重量%併用するのが好
ましい。粒子含有インク受容層は、本質的に上記した無
機粒子及び/又は有機粒子並びに疎水性有機バインダー
より成り、粒子含有インク受容層の特性に悪影響を与え
ない範囲で後述するような助剤等を使用することもでき
る。
【0010】バインダーと粒子の比率は、通常は疎水性
有機バインダー100重量部につき無機粒子及び/又は
有機粒子との合計が30〜220重量部、好ましくは5
0〜180重量部である。粒子含有インク受容層を形成
する疎水性有機バインダーの比率が大きすぎると、イン
ク受容性が低下し、その結果、記録時にインクの乾燥に
時間を要したり、甚だしい場合にはインク液だれが発生
したりする。また、形成された記録物も耐水性が低く、
水ぬれ時にインクの滲み出しが起き易い。これは、イン
クは本来的には粒子と粒子との間隙や粒子内の孔隙に吸
収されてそこに保持されるべきものなので、粒子に対す
る疎水性有機バインダーの比率が大きくなり過ぎて粒子
表面の相当部分がバインダーで被覆されるようになる
と、インク吸収が阻害され且つインクがバインダー上に
そのまま保持されることによるものと考えられる。逆に
疎水性有機バインダーの比率が小さすぎると、粒子の接
着強度が弱くて粒子含有インク受容層から粒子が脱落す
る粉落ちが発生するようになる。また、記録時にインク
の吸収が良すぎて、所望の濃度や色調がえられないこと
もある。
【0011】粒子含有インク受容層は、上述の疎水性有
機バインダーを有機溶剤に溶解し、この溶液に無機粒子
及び/又は有機粒子を添加して懸濁させたスラリーを、
基材に塗布して乾燥することにより容易に形成すること
ができる。有機溶媒としては、疎水性有機バインダーを
溶解し、かつ有機粒子を溶解しないものであればよく、
乾燥し易いように比較的低沸点のものを用いるのが好ま
しい。通常はメチルエチルケトン、イソプロピルアルコ
ール、トルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、キシレンなどの汎
用の溶媒が用いられる。
【0012】粒子含有インク受容層を形成するスラリー
中には、所望により、界面活性剤、分散剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤な
ど、各種の助剤を添加してもよい。例えば、粒子含有イ
ンク受容層に適量の界面活性剤を含有させると、記録時
におけるインクの定着性が向上する。これは界面活性剤
がインクの移動を助長することによるものと思われる。
しかし界面活性剤が多すぎると、記録時にインクの横方
向への拡散による滲みが発生したり、形成された記録物
の耐水性が低下して、水ぬれ時にインクの滲み出しが起
きやすくなる。粒子含有インク受容層中における界面活
性剤の濃度は、疎水性有機バインダー100重量部につ
き0.1重量部以下、特に0.05重量部以下とするの
が好ましい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤が挙げられるが、中でも陰イオン界面活性剤若
しくは陽イオン界面活性剤をそれぞれ単独で用いるか、
又はこれらを併用することが好ましい。一般に両者を併
用した方がより優れた粒子含有インク受容層を与える。
これらの界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン
酸ソーダ、アルカンスルホン酸ソーダ、高級アルコール
の硫酸エステル塩、長鎖アルキル基を有するアミン塩や
第4級アンモニウム塩など、常用のものを用いることが
できる。
【0013】耐候性を向上させるための紫外線吸収剤や
光安定剤としては、通常のヒンダードアミン系、ベンゾ
トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系化
合物などを、単独で又はいくつか併用して用いればよ
い。
【0014】スラリーを基材上に塗布するには、バーコ
ート、ブレードコード、ダイコート、リバースロールコ
ート、グラビアロールコートなど常用の任意の塗布方式
によることができる。塗布膜厚、すなわち粒子含有イン
ク受容層の厚さは、10〜100μm、特に20〜80
μmであるのが好ましい。粒子含有インク受容層が薄す
ぎると、記録時のインク吸収性及び定着性が不良でイン
クの液だれが発生したり、形成された記録物の耐水性が
不良で、水ぬれ時にインクの滲み出しが起きたりする。
なお、粒子含有インク受容層と基材との接着性を高める
ため、基材に接着剤層を塗布により形成し、その上に粒
子含有インク受容層を形成してもよい。該接着剤層は後
述する展示物用の基材の接着剤層と同様でよい。
【0015】粒子含有オーバーコート層は、無機粒子を
含有することが好ましく、中でも粒子含有インク受容層
をインク受容層最表層面に設け、粒子含有インク受容層
の無機粒子及び/又は有機粒子並びに疎水性有機バイン
ダーの表面に密着した構造とすることが好ましい。粒子
含有オーバーコート層に使用する有機バインダーとして
は、粒子含有オーバーコート層と粒子含有インク受容層
から成る被記録材としての使用方法及び用途により適宜
選択することができる。有機バインダーとしては、通常
は溶剤可溶性のものが用いられる。例えば、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセ
タール、ポリエステルポリウレタン、ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、ま
たいくつかを併用してもよい。
【0016】無機粒子としては、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、珪藻土、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシ
ウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、鉛白等を挙げるこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、またいくつ
かを併用してもよい。なかでも後述のオーバーコート層
の膜厚設定より粒子径が比較的微細なもので、インク吸
収性を促す孔隙を有し、特に被記録材として白色性を有
する無機系白色顔料として常用の、硫酸バリウム、酸化
チタン、亜鉛華等が好ましく、通常は粒径が0.01〜
1μm、好ましくは0.01〜0.5μm、吸油量が5
〜100ml/100g、好ましくは10〜70ml/
100g、比表面積が3〜90m2 /g、好ましくは5
〜80m 2 /gのものを用いる。これは無機粒子をオー
バーコート層へ添加することにより、粒子含有オーバー
コートのスラリーを粒子含有インク受容層表層へ塗布し
た際、粒子含有インク受容層表層における粒子と粒子の
空隙へ上述の微細な無機粒子が入り込むことによる一種
のアンカー効果により、粒子含有オーバーコート層と粒
子含有インク受容層の密着性を高め、被記録層全体の強
度向上が図れ、さらに僅かであるが、表面光沢性も付与
できる。特にゼラチン、かんてん等のタンパク質を粒子
含有オーバーコート表層に塗布、乾燥し皮膜を設けるこ
とにより一層の表面光沢性を与えることもできる。
【0017】粒子含有オーバーコート層は、例えば、上
記した無機粒子と有機バインダーよりなるが、粒子含有
オーバーコート層の特性に悪影響を与えない範囲で後述
するような助剤等を使用することができる。バインダー
と粒子の比率は、通常は有機バインダー100重量部に
つき1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部であ
る。粒子の比率が多すぎると、粒子のバインダーへの接
着強度が低下し、甚だしい場合には粒子含有オーバーコ
ート層から粒子が脱落する粉落ちが発生したり、所望と
する粒子含有インク受容層強度向上が図れなくなる。粒
子含有オーバーコート層は、上述の有機バインダーを溶
剤に溶解し、この溶液に無機粒子を添加して懸濁させた
スラリーを、粒子含有インク受容層表層に塗布して乾燥
することにより容易に形成することができる。溶媒とし
ては、有機バインダーを溶解しうるものであればよく、
通常は、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコー
ル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シクロヘキサノン等が用いられる。
【0018】粒子含有オーバーコート層を形成するスラ
リー中には、所望により、界面活性剤、分散剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、染料、蛍光増白剤など、各種の助剤
を添加してもよい。例えば、粒子含有オーバーコート層
に適量の界面活性剤を含有させると記録時におけるイン
クの定着性が向上する。これは界面活性剤がインクの移
動を助長することによるものと思われる。粒子含有オー
バーコート層中における界面活性剤の濃度は、有機バイ
ンダー100重量部につき0.1重量部以下、特に0.
05重量部以下とするのが好ましい。なお、界面活性剤
はオーバーコート層を形成するスラリー中に配合してお
く以外に、インク受容層表層に、塗布、乾燥により形成
された粒子含有オーバーコート層を有する被記録層に後
から添加してもよい。例えば、インク受容層表層に粒子
含有オーバーコート層を形成したのち、これを界面活性
剤溶液中に浸漬したり、粒子含有オーバーコート層表層
に界面活性剤溶液を塗布したりする方法を用いることが
できる。粒子含有オーバーコート層に用いる界面活性剤
及び耐候性向上剤としては、前述の受容層に用いた界面
活性剤並びに、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることが
できる。
【0019】粒子含有オーバーコート層のスラリーを粒
子含有インク受容層表層に塗布するには、前述の粒子含
有インク受容層塗布形成に用いた常用の任意の塗布方式
によることができる。塗布膜の乾燥膜厚、すなわち粒子
含有オーバーコート層の膜厚は、0.1〜5μm、特に
0.1〜0.8μmであるのが好ましい。粒子含有オー
バーコート層が薄すぎると、粒子含有オーバーコート層
に含有される無機粒子の欠落が発生したり、粒子含有イ
ンク受容層表層の強度向上を図ることができない。逆
に、粒子含有オーバーコート層が厚すぎると、記録時の
粒子含有インク受容層へのインク受容性を阻害したり、
粒子含有オーバーコート層でのインクハジケによるイン
ク液だれが発生し鮮明な記録物を得ることができない。
なお、粒子含有インク受容層及び粒子含有オーバーコー
ト層より形成される被記録層は所望ならば基材の両面に
設けることもできるが、通常は基材の一面にのみ設けら
れる。他面はそのままにしておいてもよいが、広告等の
展示物用の基材の場合には、他面に接着剤層を形成して
おくのが好ましい。
【0020】接着剤としては、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
イソブチレンなどの常用のものを用い、これらを溶媒に
溶解して乾燥膜厚が2〜50μm、好ましくは5〜30
μmとなるように塗布すればよい。通常は耐候性、耐光
性などの点からしてアクリル系樹脂やポリエステル系樹
脂を用いるのが好ましい。接着剤層には、シリコン樹脂
等の剥離剤を塗布したポリエステルフイルム等の保護層
を設けておくのが、被記録材の製造及び取り扱い、さら
には記録時の操作上好ましい。なお粒子含有インク受容
層は、複数の異なる種類の粒子含有インク受容層を組合
せることもできる。また、粒子含有インク受容層の特性
に悪影響を与えない限りにおいて、任意のインク受容層
を組合せて積層することもできる。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。 実施例1〜24及び比較例1〜16 (1)粒子含有インク受容層の形成 疎水性有機バインダー溶液として、疎水性ポリエステル
樹脂のトルエン−メチルエチルケトン混合溶液(日本合
成化学工業社製品、ポリエスターLP−044、固形分
濃度30重量%)を用い、これにアラゴナイト質炭酸カ
ルシウム(白石工業社製品、カルライトSA、平均粒径
3.3μm)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(日本化成社
製品、有機フィラー、平均粒径3.8μm)及び界面活
性剤を添加してよく攪拌し、均一組成とした。このスラ
リーを、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート
の二軸延伸フイルムの表面に、乾燥膜厚さが40μmと
なるように塗布して粒子含有インク受容層を形成した。
形成された粒子含有インク受容層は、いずれも表面が平
滑であった。
【0022】(2)粒子含有オーバーコート層の作成 有機バインダー溶液として、ポリビニルブチラール樹脂
(積水化学社製品、BMS)をイソプロピルアルコール
を用い固形分濃度40重量%の樹脂溶液に調製した、ア
クリル酸エステル樹脂のイソプロピルアルコール樹脂溶
液(三菱化学社製品、サフトマー2100NSA、固形
分濃度40重量%)を用い、これに無機粒子として硫酸
バリウム(境化学社製品、BF−1、平均粒径0.05
μm)、亜鉛華(境化学社製品、超微粒子酸化亜鉛FI
NEX−75、平均粒径0.01μm)、酸化チタン
(堺化学社製品、R−62N、0.26μm)及び界面
活性剤を添加してよく攪拌し均一組成とした。このスラ
リーを前述の粒子含有インク受容層の表層に塗布し、乾
燥することにより粒子含有オーバーコート層を形成し
た。形成された粒子含有オーバーコート層は、いずれも
表面が平滑であった。
【0023】(3)被記録層の評価 上記で形成した被記録材について、下記によりその強
度、記録時のインク滲みと乾燥性を評価した。結果を表
−1及び表−2に示す。 (3−1)被記録層の剥離強度 被記録材を温度23℃、湿度55%の雰囲気中に24時
間放置したのち、これから幅25mm、長さ200mm
の試料を切り出した。この試料の粒子含有オーバーコー
ト層表面に、同じく幅25mm、長さ200mmの粘着
テープ(リンデック社製品、ネオクラフトテープ)の粘
着面を重ね、粘着テープ側から重さ2kgのゴムローラ
ーを一往復させて圧着した。なお試料の一端から長さ5
0mmの範囲は、剥離紙をおいて粘着テープが接着しな
いようにした。これを上記と同じ雰囲気中に1時間放置
したのち、引っ張り試験機を用いて300mm/分の一
定速度で、被記録材と粘着テープを180°方向に剥離
し、剥離に要する力を測定した。
【0024】(3−2)被記録層の耐水性 被記録材を23℃の水中に静置し、最初は10分毎に6
回、次いで30分毎に14回、その後は24時間毎に、
被記録層の表面を親指で5往復こすり、オーバーコート
層及びインク受容層の溶けだし、欠損発生の有無を50
日間にわたり観察した。 ○:溶け出し、欠損発生観察されず。
【0025】(3−3)記録時のインク滲みと乾燥性 被記録材を温度23℃、湿度55%の雰囲気中に24時
間放置したのち、同一雰囲気中でインクジェットプリン
ター(シャープ社製品、IO−735)を用いて、市販
のシアン、マゼンタ、イエローの各顔料系水性インク
(ENCAD社製品、20681GO、206862G
O、206863GO)による印字(各インクの単独印
字、並びにシアン+イエロー、シアン+マゼンタ及びイ
エロー+マゼンタの重ね印字)を行ない、インクの滲み
状態及び乾燥状態を観察した。 滲み ○:滲みが観察されず。 乾燥 ◎:重ね印字が30秒以内にインク受容層に吸収、印字
部表面が乾燥した状態であった。 ○:重ね印字が50秒以内にインク受容層に吸収、印字
部表面が乾燥した状態であった。
【0026】(3−4)被記録層の光沢性 被記録材を室温23℃、湿度55%の雰囲気中に24時
間放置したのち、縦298mm×横210mmのAサイ
ズに切出し、室内用蛍光灯の下で高さ0.7mの平坦な
机上に被記録層のオーバーコート層面を上面にし照度8
00ルックス部へ静置し、机より2m離れ、眼の高さ約
1.7mより目視にて光沢度合いを観察した。 ○:光沢性が僅かに見られる。 ×:光沢性がない。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、耐水性が良好で、イン
ク受容性を損なうことなくインク受容層の強度の向上し
たインクジェット用被記録材を得ることができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にインク受容層を設けたインクジ
    ェット用被記録材において、該インク受容層は、一層以
    上の層構成を有し、その少なくとも一層に、無機粒子及
    び/又は有機粒子並びに疎水性有機バインダーを含む粒
    子含有インク受容層を有し、且つインク受容層の表層に
    粒子を含有する粒子含有オーバーコート層を設けてなる
    ことを特徴とするインクジェット用被記録材。
  2. 【請求項2】 粒子含有オーバーコート層が、無機粒子
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット用被記録材。
  3. 【請求項3】 粒子含有オーバーコート層が、有機バイ
    ンダーの樹脂溶液に無機粒子が懸濁しているスラリーを
    インク受容層表層に塗布することにより形成されたもの
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク
    ジェット用被記録材。
  4. 【請求項4】 粒子含有オーバーコート層が、有機バイ
    ンダー100重量部につき、無機粒子を1〜50重量部
    含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のインクジェット用被記録材。
  5. 【請求項5】 粒子含有オーバーコート層が、界面活性
    剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のインクジェット用被記録材。
  6. 【請求項6】 粒子含有インク受容層が、疎水性有機バ
    インダーの有機溶媒溶液に無機粒子及び/又は有機粒子
    が懸濁しているスラリーを基材に塗布することにより形
    成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載のインクジェット用被記録材。
  7. 【請求項7】 粒子含有インク受容層が、界面活性剤を
    含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のインクジェット用被記録材。
  8. 【請求項8】 粒子含有インク受容層の無機粒子の少な
    くとも50重量%が、粒径1〜20μm、BET比表面
    積が3〜70m2 /g、吸油量が30〜200ml/1
    00gである炭酸カルシウムであることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用被記録
    材。
  9. 【請求項9】 粒子含有インク受容層の有機粒子の少な
    くとも50重量%が、粒径0.1〜50μm、吸油量が
    200〜1500ml/100gの尿素樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジ
    ェット用被記録材。
  10. 【請求項10】 粒子含有インク受容層の疎水性有機バ
    インダーの少なくとも50重量%が、ポリエステル樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    のインクジェット用被記録材。
  11. 【請求項11】 粒子含有インク受容層が、疎水性有機
    バインダー100重量部につき、無機粒子及び/又は有
    機粒子を合計で30〜220重量部含有しており、かつ
    無機粒子と有機粒子との重量比が20:80〜80:2
    0であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
    記載のインクジェット用被記録材。
  12. 【請求項12】 基材とインク受容層との間に接着層を
    有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記
    載のインクジェット用被記録材。
  13. 【請求項13】 オーバーコート層と接するインク受容
    層最表層面に粒子含有インク受容層を有することを特徴
    とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェッ
    ト用被記録材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009285558A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装板
JP2009285626A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装板

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JP2009285558A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装板
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