JPH11277331A - ダイヤモンドチップソー - Google Patents

ダイヤモンドチップソー

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JPH11277331A
JPH11277331A JP10033998A JP10033998A JPH11277331A JP H11277331 A JPH11277331 A JP H11277331A JP 10033998 A JP10033998 A JP 10033998A JP 10033998 A JP10033998 A JP 10033998A JP H11277331 A JPH11277331 A JP H11277331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤモンドチップと硬質チップとを組み合
わせて使用し、難削材に対し硬質チップの摩擦抵抗の少
ないダイヤモンドチップソーの提供。 【解決手段】 円盤状本体台金1の外周のチップ取付用
刃体にダイヤモンドチップ2と硬質チップ3とを固着
し、硬質チップ3は刃厚と同じ最大刃幅を有し刃先の刃
厚中央位置が山形に凸の左右対称形となし、望ましくは
ダイヤモンドチップ2に対する硬質チップ3の切削半径
差を−0.1mm乃至+0.1mmとなしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木材や難削材等種々
の材料の切削に使用されるチップソーに関するものであ
り、更に詳しくは円盤状本体の外周にダイヤモンド焼結
体からなるダイヤモンドチップと他の硬質材からなる硬
質チップとを任意に配置固着を行ったダイヤモンドチッ
プソーに関するものである。尚、ここでのダイヤモンド
焼結体とは、超硬合金等の支持部材に多結晶ダイヤモン
ド層が形成されたものを指す。
【0002】
【従来の技術】パーティクルボードやMDF等の木質系
ボード,サイディングボード等の窯業系ボード、及びF
RP等の複合材料、これらはいずれも一般に難削材と呼
ばれている材料である。チップソーを用いてこれら難削
材を切削する場合には、通常著しくチップソーの刃先摩
耗が進行する。そのため耐摩耗性の高い材質のチップを
チップソーの刃先に固着して使用することにより工具の
長寿命化が図られている。耐摩耗性の高い材質のチップ
としてはダイヤモンドチップが最適であるが、チップソ
ーのチップ全数をダイヤモンドチップに置き替えること
はダイヤモンドが高価なため、現状では全面的に採用す
ることが困難である。
【0003】そこでチップソーとして円盤外周に配置す
る刃体数を減らしてダイヤモンドチップを設けた刃体の
みを配置することも考えられるが、これではチップ刃先
の相互の間隔が大きくなりすぎ、被削材10の板厚によ
っては図8(a)(b)に示すように被削材10を切削
した場合に形成されるスリット状の削除部分としての挽
き溝10a内にチップ12が全く存在しない状態が瞬間
的に生じる。この状態となったときには、挽き溝10a
の左右の溝壁や溝底に接しているチップが存在しない。
従って溝10aの幅はチップソーの刃厚と原理的には同
一の幅を有しているが、チップソー台金11の円盤部の
厚さは刃厚よりも小さく、溝10aの幅とチップソー台
金11円盤部とに間隙ができ、また溝底に接している部
分もないのでチップソー自体が左右に振れやすくなり、
被削材10の切断面の品質が劣化する。尚、刃厚の意味
はJISのB4805の定義に従う。また、本明細書で
は刃幅とは正面視においてチップの刃厚方向の寸法を指
し、半径方向の位置が変わればその寸法は同一とは限ら
ない。
【0004】この欠点を解消するために通常は刃体数を
減少させることなくダイヤモンドよりも安価な硬質材料
からなる硬質チップをダイヤモンドチップと組み合わせ
て使用することにより可能な限り振れを予防している。
硬質材料としては超硬合金,サーメット,セラミック,
工具鋼,ステライト等が考えられる。そしてこれら硬質
材料からなる硬質チップとダイヤモンドチップとを混在
させた従来のダイヤモンドチップソーでは硬質チップの
刃先の形状とダイヤモンドチップの刃先の形状とを同一
形状となし、最大刃幅は正面視で刃厚と同じかこれに近
く切削半径も同様となしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたダ
イヤモンドチップソーでは硬質チップの刃先の形状をダ
イヤモンドチップの刃先の形状と同一となし切削半径も
同一となしていたので、硬質チップがダイヤモンドチッ
プと同一切削作用を行うことになる。そのため硬質チッ
プの刃先がダイヤモンドチップの刃先よりも早く摩耗す
る。そして難削材を切削した場合にはこの摩耗速度が一
層大きくなる。
【0006】このように硬質チップの摩耗が進行すると
刃先が後退して切削半径が小さくなり被削材を切削しな
くなる。その結果切削はダイヤモンドチップのみで行
い、硬質チップはダイヤモンドチップが切削を行った個
所において単に被削材と強く接触を行い擦るだけの状態
となる。
【0007】硬質チップはダイヤモンドチップと同一形
状から摩耗したものであるため切刃部分全面にわたって
被削材と接触し摩擦することとなり、摩擦抵抗が非常に
大きく、チップソー全体としての切削動力が著しく大き
くなるという問題を有していた。その上摩擦による熱の
発生も増大し、被削材やチップソーに好ましくない影響
を与える可能性が生じるという問題を有していた。
【0008】本発明は従来の技術の有するこのような問
題に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、ダイヤモンドチップと硬質チップとを混在させたダ
イヤモンドチップソーにおいて難削材を切削した場合で
あっても硬質チップの摩耗に対し被削材との摩擦抵抗の
少ないダイヤモンドチップソーを提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載された本発明のダイヤモンドチップソ
ーは、円盤状台金の外周複数個所にダイヤモンド焼結体
からなるダイヤモンドチップを設けた刃体を配置し、こ
れらダイヤモンドチップを設けた刃体間の任意位置に硬
質材からなるチップの形状が正面視で刃厚と同じかこれ
に近い最大刃幅を有する硬質チップを設けた刃体を配置
したダイヤモンドチップソーであって、硬質チップの形
状は刃先の刃厚中央位置が山形で左右対称形をなすもの
である。
【0010】上述のダイヤモンドチップソーによれば硬
質チップの刃先の形状(正面視の形状)をダイヤモンド
チップの刃先の形状と異ならしめ、刃先部を山形となし
たので、硬質チップの摩耗が進んでいない切削初期に
は、山形の先端部分が挽き溝の溝底中央をさらに細い溝
を削成しながら通過するので、従来の硬質チップを混在
させたダイヤモンドチップソーより全体的な切削動力が
低減し、横揺れに対する安定性もよい。また挽き溝の左
右の溝壁や溝底に接する硬質チップでありながら、被削
材により摩耗させられる硬質チップの刃先部が狭小な面
積となり、被削材との摩擦抵抗が大きくなることはな
く、切削動力の増大につながることはない。そのため摩
擦による発熱も僅かで、被削材及びチップソーに悪影響
を与えることはない。従って被削材の切削面を良好な状
態に保ちながら切削を続行させることが出来る。
【0011】また請求項2に記載された本発明のダイヤ
モンドチップソーは、刃厚中央位置におけるダイヤモン
ドチップの切削半径に対する同位置の硬質チップの切削
半径差を−0.1mm乃至+0.1mmとなしたもので
ある。また請求項3に記載された本発明のダイヤモンド
チップソーは、刃厚中央位置におけるダイヤモンドチッ
プの切削半径よりも0.1mm小さい半径位置における
硬質チップの刃幅を刃厚寸法に対し0〜1/3となした
ものである。また請求項4に記載された本発明はのダイ
ヤモンドチップソーは、刃厚中央位置におけるダイヤモ
ンドチップの切削半径よりも0.1mm小さい切削半径
位置において、硬質チップの山形先端を平状に形成させ
たものである。これら請求項のダイヤモンドチップソー
によれば、請求項1に記載した作用がより確実に得られ
るものである。
【0012】また請求項5に記載された本発明のダイヤ
モンドチップソーは、ダイヤモンドチップとして、被削
材の右側切削用のダイヤモンドチップ右と被削材の左側
切削用のダイヤモンドチップ左とを形成し、この二種類
のダイヤモンドチップと硬質チップとを刃体に適宜配置
したものである。上述のダイヤモンドチップソーによれ
ば実際に切削に大きく関与するダイヤモンドチップソー
を被削材の右側切削用と左側切削用とに分けたので、全
体としての切削抵抗が減少し、例えば手で扱う電動工具
の場合には作業者への負担が軽くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
もとづき説明する。図1は本発明のダイヤモンドチップ
ソーの部分側面図であり、円盤状の台金1の外周には全
周にわたって複数個所にチップ取付用の刃体1aが配設
されている。この刃体1aにはダイヤモンドチップ2を
ろう付した刃体が配置されている。上記刃体は通常は等
間隔であるが不等間隔でもよい。また2つのダイヤモン
ドチップ2の刃体間に存在する複数の刃体1aにはそれ
ぞれ硬質チップ3が配置されている。
【0014】図2(a)は図1のA−A視図であり、台
金1の板厚よりも大きな厚さの刃厚に等しい刃幅を有す
るダイヤモンドチップ2が取り付けられている。ダイヤ
モンドチップ2は先端側の刃幅方向両端2a,2bと台
金1の中心側の刃幅方向両端2c,2dとにより台形状
の鍬形をなしていて、先端2a,2b間が直線の平刃状
で、2a,2b間が刃厚Tと同じ最大の刃幅寸法を有し
ている。
【0015】図2(b)は図1のB−B視図であり、台
金1の板厚よりも大きな厚さの刃幅を有する硬質チップ
3が取り付けられている。硬質チップ3は刃幅方向にお
いて等辺山形に突出した先端3a、台金1の中心側両端
3b,3c及び中間部の突き出した両端3d,3eによ
り左右対称の五角形状をなしていて、3d,3e間が刃
厚Tと同じかこれに近い刃幅を有している。
【0016】ダイヤモンドチップソーの未使用状態にお
いて、ダイヤモンドチップ2の先端2a,2bの平刃状
の位置に対する硬質チップ3の山形先端である刃幅中央
の刃先位置3aとはほぼ同一円周上望ましくは切削半径
差で−0.1mm乃至+0.1mmの範囲内に位置して
いる。
【0017】ダイヤモンドチップ2の刃幅方向の刃先形
状としては図2(a)に示す平刃状に代えて図3(a)
に示すように円弧状の凹形としてもよい。この場合には
刃先の両端12a,12b部分が鋭角状をなしていて、
12a,12b間が刃厚Tと同じ最大刃幅寸法を有して
いる。そして刃先の円弧状凹形の底の位置12gが硬質
チップ13の刃幅中央先端位置13aとほぼ同一円周上
に位置している。
【0018】また図4(a)に示すように刃先形状を円
弧状の山形としてもよい。この場合には刃先の両端22
a,22b部分が鈍角状をなしていて、22a,22b
間が刃厚Tに等しい最大刃幅寸法を有している。そして
刃先の円弧状凸部の山頂位置22gが硬質チップ23の
刃幅中央先端位置23aとほぼ同一円周上に位置してい
る。
【0019】更にダイヤモンドチップ32及び硬質チッ
プ33について図5(a)(b)に示すように側部切刃
32a・32c,32b・32d及び33d・33b,
33e・33cを仮想線にて示す図2(a)(b)の形
状に比して短くして切削抵抗を小さくすることも可能で
ある。
【0020】各実施例においては、刃先の両端及び山形
先端に角部を形成するように説明したが、状況によりC
面取り、丸面取りを設けてもよい。これにより角部の欠
けを防止できる。
【0021】〔実験結果〕硬質チップ3の先端山形を種
々変形させ,また取り付け位置を変更させて、被削材と
して窯業系ボードを切削する実験を行った。その結果ダ
イヤモンドチップ2の直前に位置する硬質チップ3の刃
先山形尖端が最も大きく摩耗するが、硬質チップの形状
や切削条件の変更等により値にバラツキがあるものの刃
厚中央位置におけるダイヤモンドチップ切削半径よりも
概ね0.05〜0.1mm切削半径が小さくなった時点
で摩耗の進行が鈍化し、ダイヤモンドチップとの切削半
径差がほぼ平衡状態となることが判明した。
【0022】そしてこの切削半径の減少により硬質チッ
プの刃先刃幅が尖鋭状態から徐々に拡大されるが、刃先
刃幅が多くの場合T/3に達するまでは切削抵抗が大き
く変わることがなく、測定値の変動範囲内にとどまり隠
れてしまうため、目立つものではないことが判明した。
これに反し切削条件の変更等により刃先刃幅がT/3を
越えて大きくなった場合には切削抵抗が大きく増大し目
立つようになるという結果となった。
【0023】従って硬質チップ3の刃幅方向の形状とし
ては、刃厚中央位置におけるダイヤモンドチップの切削
半径よりも0.1mm小さい半径位置における硬質チッ
プの刃幅を刃厚寸法の1/3を越えないようにすること
が望ましい。尚、切削抵抗の増大は切削動力値を測定す
ることで判断した。
【0024】通常硬質チップ3の刃先はダイヤモンドチ
ップ2の刃先位置から多ければ約0.1mm小さくなる
点まで摩耗が進行する。そこで硬質チップ3の取り付け
位置を順次変更させて、硬質チップ3の山頂点3aの位
置を下げていき切削をくり返し行ったところ、ダイヤモ
ンドチップ2の刃先から約0.1mm切削半径方向に小
さい位置における硬質チップ3の刃幅を刃厚の1/4と
なした場合には、硬質チップ3の刃先が摩耗してもほぼ
確実に切削抵抗が増大しないことが判明した。このこと
から硬質チップ3の山形先端は通常尖端状をなしている
が、幅寸法をもたせる場合にはダイヤモンドチップの切
削半径よりも0.1mm小さい半径位置で硬質チップの
刃幅を望ましくは刃厚Tの1/4を越えないようになす
と良好な切削を行うことが出来ると思われる。
【0025】即ちこれ以降硬質チップ3の取り付け位置
を切削半径方向に下げても摩耗により切削抵抗に変化が
生じることはなく、例えば硬質チップ3の刃先山頂点3
aをダイヤモンドチップ3の刃先位置から0.1mm切
削半径方向に小さい位置に一致させた場合には硬質チッ
プ3の刃先は殆ど摩耗することがない。このとき硬質チ
ップ3は切削には殆ど関与するものではなく、単に切削
時のチップソー全体の横振れを防止するためにのみ作用
することになる。
【0026】〔考察〕切削中の刃先の様子を実際に観察
することは困難であるため,上記実験結果にもとづき説
明図として1例を図6に示し考察する。
【0027】直径が110mmのダイヤモンドチップソ
ー本体台金の外周に等間隔に24個所のチップ取付用の
刃体を設け、このうち3個所に等間隔にダイヤモンドチ
ップを固着し、残り7個所ずつ計21個所に硬質チップ
を取り付けるものとする。チップソー本体の回転数を1
2000rpm、被削材5の送り速度を5m/minと
すればダイヤモンドチップ第1刃が通過してから第2刃
が通過するまでに移動する被削材5の進み量fzは、f
z=被削材の送り速度/(チップソー回転数×ダイヤモ
ンドチップ刃数)=5000/(1200×3)=0.
14mmである。
【0028】被削材5に対しダイヤモンドチップ第1刃
の先端が通過した軌跡をイ、ダイヤモンドチップ第2刃
の先端が通過した軌跡をロとする。これら2つの軌跡の
うちダイヤモンドチップ第1刃が被削材5を削り始める
点を5a,削り終わる点を5bとし、ダイヤモンドチッ
プ第2刃が被削材5を削り始める点を5c、削り終わる
点を5dとする。
【0029】この5a,5b,5c,5dにより囲まれ
た帆布状の部分を2つのダイヤモンドチップの刃体間に
設けられた7個の硬質チップが通過し切削することにな
る。ダイヤモンドチップ第1刃の直後に通過する硬質チ
ップについては、被削材5の進み量は0.14mm÷8
=0.0175mmという僅かの量であり、硬質チップ
の山形先端の0.0175mmという僅かの突出量で被
削材を切削することになる。
【0030】しかしダイヤモンドチップ第1刃から遠い
硬質チップほど山形先端部を多く突出させたと同じ状態
で山の斜面で切削を行うことになり、順次大きな切削力
を受けるようになる。従ってダイヤモンドチップ第2刃
の直前にある硬質チップが最も大きく先端部を突出させ
て山の斜面で切削を行い、最も大きな切削力を受けるこ
とになり、そのため最も大きく摩耗することになる。
【0031】このような状態に対し更に次の如き条件が
加味される。即ちチップソーは使用開始直前においては
各硬質チップ共切れ味が鋭く、被削材5の上記帆布状の
部分5a,5b,5c,5d内をそれぞれ切り残しなく
切削すると考えられる。しかし使用開始後ある時間が経
過すると徐々に硬質チップの摩耗が進行する。そして各
硬質チップの摩耗が大きくなると、それぞれの硬質チッ
プによる切削時に切り残し部が生じるようになり、後か
ら切削に関与する硬質チップほど、それ以前の硬質チッ
プによる切り残し部分を余分に切削しなければならない
という状態になる。従ってより一層摩耗が促進される。
【0032】上記例ではダイヤモンドチップ1刃分に対
する被削材5の送り量は0.14mmであるが、これは
被削材5が送られる移動方向の量である。この移動方向
の量を各チップの切削半径方向の寸法tmに変換する
と、被削材とチップソーとの一般的な切断位置の関係か
ら被削材5の板厚のほぼ中間部において半分程度になる
ので、tm=fz/2=0.14/2=0.07mmと
なる。即ち本例では硬質チップが0.07mm摩耗した
時点で摩耗の進行は鈍化し、ダイヤモンドチップとの半
径差がほぼ平衡状態になると考えられる。
【0033】〔他の実施例〕図7は他の実施例を示した
ものであって、上述の説明で示したダイヤモンドチップ
を二種類に区分して被削材に挽き溝を切削加工する場合
の溝の左半分を切削するダイヤモンドチップ左6と、溝
の右半分を切削するダイヤモンドチップ右7とに分割す
る。そしてこの二種類のダイヤモンドチップ6,7を交
互に円盤状本体台金1のチップ取り付け用の刃体1aに
固着させたものである。
【0034】図7(b)は図7(a)のC−C視図であ
り、ダイヤモンドチップ左6を示したものであって、左
先端6aと右側中央の最も突出した点6dとの間が最大
刃幅T1を有していて、先端中央位置6eにて折れ曲が
った変形5角形状をなしている。
【0035】図7(c)は図7(a)のD−D視図であ
りダイヤモンドチップ右7を示したものであって、右先
端7dと左側中央の最も突出した点7aとの間が最大刃
幅T1を有していて、先端中央位置7eにて折れ曲がっ
た変形5角形状をなしている。尚、ダイヤモンドチップ
左6にダイヤモンドチップ右7を重ねた時に現れる左先
端6aと右先端7dとの間隔が刃厚Tとなる。
【0036】図7(d)は図7(a)のE−E視図であ
り硬質チップ63を示している。硬質チップ63は刃幅
方向において山形に突出した先端部が頂上点63aから
削り取られていて、この位置の切削半径はダイヤモンド
チップ左6及び右7の刃厚中央位置における切削半径よ
り0.1mm小さく、平状に形成されている。他の部分
は図2(b)と同一である。
【0037】
【発明の効果】本発明のダイヤモンドチップソーは上述
の如き構成をなしているため次に示す効果を奏する。請
求項1の発明は硬質チップの刃幅方向の形状として山形
の刃先を有する形状となしたので、切削により摩耗させ
られた場合刃先部が狭小な面積となり、被削材との摩擦
抵抗が大きくならず、切削動力も増大しない。そのため
摩擦による発熱も僅かで被削材やチップソーに悪影響を
与えることがない。更に硬質チップの刃先山形を左右対
称となしたので切削時に右または左方向に指向的に作用
する切削抵抗や摩擦抵抗の分力がなく、チップソーの横
振れが発生しない。
【0038】また請求項2〜4の発明は、請求項1の発
明の効果をより確実に実行できるものである。
【0039】また請求項5の発明はダイヤモンドチップ
を被削材の左側切削用と右側切削用とに分けてチップソ
ー本体に固着させたので、全体として切削抵抗が減少
し、チップソーに対する被削材の相対的な送りが軽くな
り、例えば手で扱う電動工具の場合には作業性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイヤモンドチップソーの部分側面図である。
【図2】チップの刃幅方向正面視図で、(a)は図1の
A−A視図、(b)は図1のB−B視図である。
【図3】ダイヤモンドチップの変形図である。
【図4】ダイヤモンドチップの変形図である。
【図5】チップの変形図で(a)はダイヤモンドチッ
プ、(b)は硬質チップである。
【図6】切削状態を示す説明図である。
【図7】他の実施例を示す図で、(a)はダイヤモンド
チップソーの部分側面図、(b)は(a)のC−C視
図、(c)は(a)のD−D視図、(d)は(a)のE
−E視図、(e)は(d)のF−F視図である。
【図8】従来技術を示す図で、(a)はチップソーと被
削材との関係を示す部分側面図、(b)は(a)のG−
G視図である。
【符号の説明】
1 チップソー本体台金 1a チップ取り付け用刃体 2 ダイヤモンドチップ 3 硬質チップ 5 被削材 6 ダイヤモンドチップ左 7 ダイヤモンドチップ右

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状台金の外周複数個所にダイヤモン
    ド焼結体からなるダイヤモンドチップを設けた刃体を配
    置し、これらダイヤモンドチップを設けた刃体間の任意
    位置に硬質材からなるチップの形状が正面視で刃厚と同
    じかこれに近い最大刃幅を有する硬質チップを設けた刃
    体を配置したダイヤモンドチップソーであって、硬質チ
    ップの形状は刃先の刃厚中央位置が山形で左右対称形を
    なすことを特徴とするダイヤモンドチップソー。
  2. 【請求項2】 刃厚中央位置におけるダイヤモンドチッ
    プの切削半径に対する同位置の硬質チップの切削半径差
    を−0.1mm乃至+0.1mmとなした請求項1に記
    載のダイヤモンドチップソー。
  3. 【請求項3】 刃厚中央位置におけるダイヤモンドチッ
    プの切削半径よりも0.1mm小さい半径位置における
    硬質チップの刃幅を刃厚寸法に対し0〜1/3となした
    請求項1または2に記載のダイヤモンドチップソー。
  4. 【請求項4】 刃厚中央位置におけるダイヤモンドチッ
    プの切削半径よりも0.1mm小さい切削半径位置にお
    いて、硬質チップの山形先端を平面状に形成させた請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載のダイヤモンドチップ
    ソー。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンドチップとして、被削材の右
    側切削用のダイヤモンドチップ右と被削材の左側切削用
    のダイヤモンドチップ左とを形成し、この二種類のダイ
    ヤモンドチップと硬質チップとを刃体に適宜配置した請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイヤモンドチッ
    プソー。
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