JPH11277240A - 建設車両用ホイールの溶接方法 - Google Patents

建設車両用ホイールの溶接方法

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JPH11277240A
JPH11277240A JP8483598A JP8483598A JPH11277240A JP H11277240 A JPH11277240 A JP H11277240A JP 8483598 A JP8483598 A JP 8483598A JP 8483598 A JP8483598 A JP 8483598A JP H11277240 A JPH11277240 A JP H11277240A
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克己 森
Yoshiyuki Tono
義之 東野
Masaru Kobayashi
勝 小林
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武仁 草野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設車両用ホイールの溶接における溶接時間
の短縮。 【解決手段】リム1とディスク2を溶接して作製した建
設車両用ホイールのリム1とディスク2とを溶接接合す
る際に、溶接線に対して垂直に向けられて先行する第1
トーチ5と、第1トーチ5よりトーチ送り方向後方に位
置しトーチ進行方向に対して横から見た場合第1トーチ
5に対し傾斜した第2トーチ6とにより同時に溶接を行
う、建設車両用ホイールの溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設車両用ホイー
ルの、リムとディスクとの溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建設車両に用いられる特別にサイズの大
きいホイールは、従来、図5に示すように、リム1とデ
ィスク2を溶接により接合した構造となっている。リム
1とディスク2の溶接は、従来、図6に示すように、単
一の電極3を用いて行われている。そして、必要なビー
ド端部形状を得るために2回または3回溶接していた。
この場合、1回目の溶接で基本的な溶接ビード断面形状
を得、2回目の溶接でビード端部形状を補正していた。
溶接は、図7に示すように、フラックスサブマージアー
ク溶接(溶加材である電極のアーク端を、継手の表面に
供給した粉状フラックスの中に埋めこんだままアークを
発生させて行う溶接)によっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、平均的サイズ
の建設車両用ホイールの、リムとディスクとの溶接には
長時間を要していた。すなわち、1回目の溶接で1周溶
接するのに12から13分かかり、2回目の溶接の場合
はスラグの除去、トーチ合わせをその都度行う必要があ
りそれに4〜8分要する。従って、2回溶接の場合で約
28分、3回溶接の場合で約44分かかり、効率アップ
が求められていた。本発明の目的は、必要な基本溶接ビ
ード形状および溶接ビード端部形状を得るのに、従来と
比べて短時間でリムとディスクとの溶接を行うことがで
きる建設車両用ホイールの溶接方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) リムとディスクを溶接して作製した建設車両用
ホイールのリムとディスクとを溶接接合する際に、溶接
線に対して垂直に向けられ先行する第1トーチと、前記
第1トーチの後方に位置し、前記第1トーチと交差する
方向に傾斜した第2トーチとにより同時に溶接を行う、
建設車両用ホイールの溶接方法。 (2) 前記第1トーチと前記第2トーチとの傾斜角度
は10〜20度である(1)記載の建設車両用ホイール
の溶接方法。
【0005】上記(1)の建設車両用ホイールの溶接方
法では、2本のトーチを溶接進行方向にタンデム(直
列)に配置して同時に溶接を実行する。溶接進行方向前
方のトーチ(第1トーチ)で必要な溶け込み深さ(のど
厚)、基本ビード断面形状を確保し、溶接進行方向後方
のトーチ(第2トーチ)でビードの止端形状を所望の形
状(疲労破壊を生じにくい形状)にする。1回の周方向
溶接で、ビード形状とビード端部形状が得られるので、
従来のように2回、3回周方向溶接する場合に比べて溶
接時間が大幅に短縮される。上記(2)の建設車両用ホ
イールの溶接方法では、第2トーチを第1トーチに対し
て10〜20度の角度をもって傾けたので、2本のトー
チの互いの干渉を防止でき、第2トーチの配置を比較的
自由に選定でき、それによってビードの断面形状の止端
形状を母材に滑らかにつながる形状にすることができ、
応力集中を少なくでき、疲労破壊を生じにくくすること
ができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図4に、本発明実施例の建
設車両用ホイールの溶接方法とその装置を示す。図1に
おいて、溶接装置は静止しており、溶接すべきホイール
がホイール軸芯まわりに回転する。ホイールは、リム1
とディスク2とを溶接接合したものからなり、溶接線4
(リムとディスクとの接合部位)は円弧をなしている。
【0007】溶接装置は、図1、図3に示すように溶接
線4の延びる方向に直列(タンデム)に並べられた2本
の溶接トーチ5、6を備えている。溶接進行方向前方の
溶接トーチである第1トーチ5は溶接線4の円弧に垂直
の方向に延びており、溶接進行方向後方の溶接トーチで
ある第2トーチ6は、トーチ進行方向に対し横から見た
場合、第1トーチ5に対して所定の角度傾けられてい
る。第1トーチ5および第2トーチ6の進行方向前方か
ら第1トーチ5および第2トーチ6を見た場合、第2ト
ーチ6は第1トーチ5からずれており、第2トーチ6の
電極の軸芯の延長線は溶接ビードの止端部7a(リム側
の止端部)に通過している。第1トーチ5で必要な溶け
込み深さ(のど厚、したがってビード基本形状)を得、
第2トーチ6でビード7の止端部7a(リム側の止端
部)の形状を形成する(なめらかにリムの母材につなが
る形状に形成する)。トーチ進行方向に対し横から見た
場合、第2トーチ6の溶接ワイヤの先端側の延長線は、
第1トーチ5の溶接ワイヤの先端側の延長線と交差する
方向に所定角度傾けられており、この所定角度は10か
ら20度に設定されている。この場合、10度以下であ
ると第1トーチ5と第2トーチ6が干渉を生じるおそれ
があり、ビード止端部を狙えなくなって母材に滑らかに
つながるビード止端形状が出しにくく、20度以上であ
るとビードが凹んでしまう。
【0008】2本のトーチ5、6のワイヤ先端間隔は、
溶接進行方向に15〜30mmとされており、ワイヤ電
極の突出長さは20〜40mmとされている。トーチの
ワイヤ先端間隔を15〜30mmとする理由は、15m
m以下であるとトーチ5、6同士が干渉してしまい、3
0mm以上であると図2において溶融池8が2プールに
なってしまい、所定の溶け込みおよびビード形状を得に
くくなるためである。
【0009】上記装置を用いて実行される本発明実施例
の溶接方法は、タンデムに配置した2本のトーチ5、6
に同時に溶接電流を流しながら、第1トーチ5をリム1
とディスク2の溶接線4に沿って動かすとともに、第2
トーチ6も第1トーチ5に追随させて動かし、サブマー
ジアーク溶接を実行することにある。図2に示すよう
に、母材1、2と溶接ワイヤ(ワイヤ電極)との間にア
ークを飛ばし、ワイヤを溶かすとともに母材を溶かし、
リム1とディスク2とを溶接接合する。8は溶融池、9
はそれが凝固した溶接金属(ビード)を示す。フラック
ス10はフラックス補給部11から補給される。図1で
は、溶接装置を静止させてホイールを回転させるように
したが、ホイールを静止させ第1、第2トーチを回転さ
せてもよい。
【0010】本発明方法では、2本のトーチ5、6をタ
ンデムに配置して溶接を実行するので、トーチ5、6に
各々役割を持たせることが容易にできる。その場合、前
方の第1トーチ5でビード7ののど厚、脚長(したがっ
て、溶接ビードの基本形状)をほぼ形成させるように
し、後方の第2トーチ6でビード7の(リム側の)止端
形状7aをリム母材に滑らかにつながる形状に形成させ
るようにすることにより、1回の周方向溶接により所望
の溶接ビードを得ることでき、従来のように、2回目、
3回目の溶接のために2回、3回と周方向溶接をする必
要がなくなり、溶接時間を従来の2回以上の溶接の場合
に比べほぼ1/2以下にすることができる。また、第2
トーチ6でビード止端形状を所望形状にできることによ
り、応力集中の少ない、疲労破壊を生じにくいホイール
を製造することができる。
【0011】
【発明の効果】請求項1の建設車両用ホイールの溶接方
法によれば、第1トーチ、第2トーチをタンデムに配置
して同時にホイール周方向に1回溶接するので、従来の
溶接をホイール周方向に2回以上実行していた場合に比
べて、溶接時間をほぼ1/2以下にすることができる。
また、第2トーチの溶接でビード止端形状を所望形状に
することにより、疲労強度が向上したホイールを製造で
きる。請求項2の建設車両用ホイールの溶接方法によれ
ば、第1トーチと第2トーチとがなす角度を10〜20
度にしたので、第1トーチと第2トーチとの干渉を防止
でき第2トーチの姿勢、配置が比較的自由になってビー
ド止端形状が出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の建設車両用ホイールの溶接方法
の実施に用いる溶接装置の正面図である。
【図2】本発明実施例の溶接方法実施中における溶融
池、ビード生成を示す断面図である。
【図3】本発明実施例の溶接方法を実施する装置におけ
る第1、第2トーチの配置関係図である。
【図4】本発明実施例の溶接方法で形成された溶接ビー
ドの断面図である。
【図5】従来の建設車両用ホイールの破断斜視図であ
る。
【図6】従来の単極トーチの場合の溶接装置の構成図で
ある。
【図7】従来の単極トーチの場合の溶融池、ビード生成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 リム 2 ディスク 5 第1トーチ 6 第2トーチ 7 ビード 7a ビード止端部 10 フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 武仁 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リムとディスクを溶接して作製した建設
    車両用ホイールのリムとディスクとを溶接接合する際
    に、溶接線に対して垂直に向けられ先行する第1トーチ
    と、 前記第1トーチの後方に位置し、前記第1トーチと交差
    する方向に傾斜した第2トーチとにより同時に溶接を行
    う、建設車両用ホイールの溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記第1トーチと前記第2トーチとの傾
    斜角度は10〜20度である請求項1記載の建設車両用
    ホイールの溶接方法。
JP08483598A 1998-03-31 1998-03-31 建設車両用ホイールの溶接方法 Expired - Lifetime JP3813018B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009504410A (ja) * 2005-08-08 2009-02-05 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 揺動する電極による狭開先サブマージアーク溶接法
CN108907513A (zh) * 2018-06-15 2018-11-30 建科机械(天津)股份有限公司 一种桁架焊接装置

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JP2009504410A (ja) * 2005-08-08 2009-02-05 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 揺動する電極による狭開先サブマージアーク溶接法
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