JPH11276480A - 複合圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

複合圧電振動子およびその製造方法

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JPH11276480A
JPH11276480A JP8674398A JP8674398A JPH11276480A JP H11276480 A JPH11276480 A JP H11276480A JP 8674398 A JP8674398 A JP 8674398A JP 8674398 A JP8674398 A JP 8674398A JP H11276480 A JPH11276480 A JP H11276480A
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piezoelectric
rod
rods
composite
resin
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JP8674398A
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English (en)
Inventor
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
Masaki Esashi
正喜 江刺
Shidan O
詩男 王
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密度が大きく微細・高精度な形状の圧電体ロ
ッドを有し、この圧電体ロッドと樹脂との間の密着性が
高い、超音波トランスデューサー用の複合圧電振動子を
提供する。 【解決手段】 樹脂ブロックと、このブロック内に上下
端面が露出するように互いに長軸が略平行にかつ所望の
距離をあけて埋設された複数の圧電体ロッドからなる複
数組の圧電体ロッド群と、該各圧電体ロッドの上下端面
が露出する該ブロック面に該各ロッド群の単位でそれぞ
れ設けられた超音波を送受するための共通電極とを具備
し、該複数組の圧電体ロッド群は互いに相互の超音波振
動伝達を減衰し得る距離をあけて該ブロック内に配置さ
れていることを特徴とする複合圧電振動子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合圧電振動子に関
し、特に複数の微小な超音波トランスデューサーエレメ
ントを順次駆動して超音波を走査しながら放出するアレ
イ型超音波トランスデューサに使用される複合圧電振動
子に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波トランスデューサー、特に医用診
断を目的とする超音波トランスデューサは、超音波パル
スを生体内に送信するとともに、その生体内からの反射
超音波(エコー)を受信して電気信号に変換することが
できる素子である。この電気信号を解析することで、生
体の断層像描画などの生体内部に関する情報を得ること
ができる。
【0003】超音波トランスデューサーの基本的な構造
は、例えば「医用超音波機器ハンドブック」((社)日
本電子機械工業会編、(株)コロナ社発行、p.186
〜190)に示されている。すなわち、電圧パルスを超
音波パルスに、また反射超音波を電気信号に相互変換す
るための圧電振動子と、圧電振動子と生体の間の超音波
パルスの伝達ロスを低減するための音響整合層と、超音
波パルス波形を短縮することで分解能を向上するための
背面負荷材と、さらに超音波をフォーカスするための音
響レンズとから構成される。
【0004】特に、複数の微小な(0.5〜1.5mm
またはそれ以下の)幅の超音波トランスデューサエレメ
ントから構成される超音波トランスデューサーを、アレ
イ型または電子走査型超音波トランスデューサと呼ぶ。
アレイ型超音波トランスデューサーには、これらのエレ
メントが数10から数100個、平面上または曲面上に
配列されており、圧電振動子をエレメントごとにまたは
エレメント群ごとに選択的に駆動することで超音波ビー
ムを走査しながら放出することができる。
【0005】近年、アレイ型超音波トランスデューサー
に用いる圧電振動子として、複合圧電振動子が用いられ
ている。複合圧電振動子は、超音波ロスの低減、不用な
共振モードの低減、ならびに電気機械結合係数および圧
電定数の向上などを実現することができる圧電振動子で
ある。
【0006】複合圧電振動子として、特に1−3型複合
圧電振動子が上記性能を実現する振動子として有望視さ
れている。1−3型複合圧電振動子は、圧電振動子の厚
みと同じ高さの微細な圧電体ロッドを多数配列し、これ
らの圧電体ロッド間に樹脂等の非圧電材料を充填した構
造を有している。
【0007】従来、複合圧電振動子の製造方法の一つの
例として、特開昭60−85699(以下、先行文献1
と記す)に示されているように、バルクの圧電セラミク
スを裁断して製造する方法がある。すなわち、バルクの
圧電セラミクスを接着剤を用いて基台に貼り付けたの
ち、基台上のバルク圧電セラミクスを精密切断砥石を用
いてマトリクス状に裁断して複数の圧電体ロッドを形成
する。そして、裁断により形成された溝の部分にエポキ
シやウレタン製の樹脂を充填して硬化した後に、この樹
脂で固められた圧電体ロッドを基台から取り外して、複
合圧電振動子を得る。
【0008】また、複合圧電振動子を製造する別の方法
として、マイクロマシン技術を応用した方法がある。こ
の方法は、シンクロトロン放射光を用いたX線リソグラ
フィー技術により樹脂型を成形し、この樹脂型に圧電セ
ラミクスを充填してロストワックス法にて圧電体ロッド
アレーを成形した後、ロッド間にエポキシ樹脂などを充
填して複合圧電振動子とするものである。
【0009】この方法は、例えば、住友電気第148号
(1996)P129「ディープエッチX線リソグラフ
ィによる複合圧電振動子の製作」(以下、先行文献2と
記す)に記載されている。先行文献2には、図20に示
すように、圧電セラミクスとしてPZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)を用いた場合の方法が以下の工程として記載
されている。(a)図20(a)に示すように、400
μmの厚さのMMA(メタクリル酸メチル)/MAA
(メタクリル酸)共重合体のレジストにマスクを介して
シンクロトロン放射光を照射後、現像してレジスト構造
体を得る。(b)図20(b)に示すように、上記レジ
スト構造体を樹脂型として用いて、PZT粉体、バイン
ダー、および、水からなるPZTスラリーを注入する。
そして、PZTスラリーを室温で乾燥・固化させてPZ
Tグリーン体を得る。(c)図20(c)に示すよう
に、酸素プラズマにより樹脂型を除去する。次に、PZ
Tグリーン体を500℃で脱脂(バインダー除去)し、
1200℃で本焼成を行って圧電体ロッドアレイとして
のPZTロッドアレイ(直径20μm、高さ140μ
m)を成形する。(d)図20(d)に示すように、P
ZTロッドアレイにエポキシ樹脂を真空含浸し、硬化す
る。(e)図20(e)に示すように、PZTロッド両
端の表面が露出するまでエポキシ樹脂を研磨して、平坦
化する。(f)図20(f)に示すように、平坦化した
両面に金をスパッタ蒸着して電極を形成する。そして、
オイルバス中で電極に電圧をかけてPZTロッドアレイ
に電界を印加し分極処理を行い、圧電性を付与する。こ
のようにして、PZTロッドアレイを含む複合圧電振動
子を完成する。得られた振動子の周波数定数は、700
kHz・mm以下となり、小型・薄型な振動子を作成す
ることが出来る。
【0010】また、特開平6−45664号(以下、先
行文献3と記す)には、上記樹脂型の代わりに金属型を
使用した方法が記載されている。すなわち、樹脂型を作
成した後に電気メッキ工程により金属型を作り、この金
属型に圧電セラミックススラリーを注入して圧電体ロッ
ドアレイを成形し、複合圧電振動子を製造するものであ
る。
【0011】しかし、上述の方法には、以下のような問
題点があった。 (1)先行文献1に記載された方法においては、精密切
断砥石により裁断して製造するため、裁断時に圧電セラ
ミックス内にマイクロクラックが発生して信頼性・歩留
まり・性能が低下してしまう、裁断による切りしろに下
限があるために微細ピッチ化・小型化に制限がある、脆
性材料である圧電セラミックスが割れ易いために複合圧
電子を曲面上に配列することが難しい等の欠点がある。
【0012】(2)先行文献1に記載された方法におい
ては、直線上に裁断せざるを得ないため、複合圧電振動
子内の圧電体ロッドの形状・配置・密度等に設計上の制
限が発生する。
【0013】(3)先行文献2に記載された方法におい
ては、PZTなどの圧電セラミックスのスラリーを注入
する際に真空引き、超音波撹拌を用いた場合でも、残留
空気、圧電セラミックススラリーの表面張力の為に、圧
電セラミックススラリーの樹脂型への十分な注入が難し
く、それ故十分密度の高い圧電セラミックスグリーン体
が得られず、ひいては最終的に空孔度が大きい圧電セラ
ミックスしか得られない。
【0014】(4)先行文献2に記載された方法におい
ては、圧電セラミクスの密度を上げるために高温・高圧
で圧電セラミックスグリーンを充填すると、樹脂型が変
形してしまう。
【0015】(5)先行文献2に記載された方法におい
ては、圧電セラミックスグリーン体を単体で焼成してい
るため、圧電セラミックス単体の持つ初期内部応力や構
造のわずかな非対称性等により焼成後の圧電体ロッドが
傾いてしまい、微細な形状が得られない。
【0016】(6)先行文献2に記載された方法におい
ては、直進性に優れたX線リソグラフィを用いて樹脂型
を作成しているため、この樹脂型によって成形された圧
電体ロッド側面は平滑となり、圧電体ロッド間に充填さ
れた樹脂と圧電体ロッドの間の接着にアンカー効果が期
待できず、密着性に限度がある。そのため、充填された
樹脂の剥離という事故が発生し易い。
【0017】(7)先行文献3に記載された方法におい
ては、圧電セラミクスの密度を上げるために金属型に高
温・高圧で圧電セラミックスグリーン体を充填すると、
圧電セラミックスと金属型が反応してしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、密度
が大きく微細・高精度な形状の圧電体ロッドを有し、こ
の圧電体ロッドと樹脂との間の密着性が高い、超音波ト
ランスデューサー用の複合圧電振動子およびその製造方
法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、樹脂ブロックと、このブロック
内に上下端面が露出するように互いに長軸が略平行にか
つ所望の距離をあけて埋設された複数の圧電体ロッドか
らなる複数組の圧電体ロッド群と、該各圧電体ロッドの
いずれか一方の端面が露出する該ブロック面に該各ロッ
ド群の単位でそれぞれ設けられた超音波を送受するため
の第1の共通電極と該各圧電体ロッドの他方の端面が露
出する該ブロック面に該各ロッド群全体もしくは該各ロ
ッド群の単位で設けられた超音波を送受するための第2
の共通電極とを具備し、該複数組の圧電体ロッド群は互
いに相互の超音波振動伝達を減衰し得る距離をあけて該
ブロック内に配置されていることを特徴とする複合圧電
振動子が提供される。
【0020】本発明においては、該圧電体ロッド群の間
に位置する少なくとも1つのブロック部を屈曲させるこ
とにより、多数の超音波送受信面を形成することが好ま
しい。
【0021】また、本発明によれば、(a)シリコン基
材に反応性イオンエッチング法を用いて、互いに分離さ
れた複数の穴からなり、互いに所望の距離をあけて分離
された穴群を複数組設けたのち、少なくとも各穴群のそ
れぞれの穴内部に圧電セラミクス粉体とバインダーとを
含むスラリーを充填する工程と、(b)該スラリーを加
圧加熱して該圧電セラミクスを焼成させたのち、該シリ
コン基材をエッチング法により除去して、所定の距離を
あけて分離された複数組の圧電体ロッド群を形成する工
程と、(c)該複数組の圧電体ロッド群の内部および該
圧電体ロッド群間に樹脂を充填して硬化させる工程と、
(d)各圧電体ロッドの両端を研磨・除去して圧電体ロ
ッド両端面を露出させ、該各圧電体ロッドのいずれか一
方の端面が露出する樹脂面に該各ロッド群の単位でそれ
ぞれ設けられた第1の共通電極と該各圧電体ロッドの他
方の端面が露出する樹脂面に該各ロッド群全体もしくは
該各ロッド群の単位で設けられた第2の共通電極とを形
成し、該第1および第2の共通電極に電圧を印加して各
圧電体ロッドを分極処理する工程とを含むことを特徴と
する複合圧電振動子の製造方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。図1は、本発明に係る超音波トランスデューサ
ーの一例を示す図であって、特にリニアアレイ型超音波
トランスデューサーの例を示す概略斜視図である。
【0023】超音波トランスデューサーは、複合圧電振
動子1の表面に音響整合層2が設けられ、複合圧電振動
子1の背面側に背面負荷材3が設けられた構造をなして
いる。超音波が放出される音響整合層2の前面には、場
合によりさらに音響レンズ(図示せず)が設けられる。
【0024】複合圧電振動子1は、電圧パルスを超音波
パルスに、また生体などの対象物からの反射超音波を電
気信号に相互変換する。音響整合層2は複合圧電振動子
1と対象物との間の超音波パルスの伝達ロスを低減する
ためのものである。また、背面負荷材3は超音波パルス
波形を短縮することで分解能を向上するためのものであ
り、音響レンズは放出された超音波をフォーカスするた
めのものである。
【0025】複合圧電振動子1は、アレイを構成する複
数の超音波トランスデューサーエレメント4がギャップ
5を介して配列された構造をなす。このエレメント4の
駆動を順次にかつ電気的に高速に行うことにより、リア
ルタイムの超音波画像を得ることができる。
【0026】図2は、複合圧電振動子1のみを取出して
示した一例を示す概略斜視図である。超音波トランスデ
ューサーエレメント4は間隙5を介して1次元に配列さ
れている。ギャップ5はそれぞれのエレメント4間で超
音波が伝達しないために設けられており、超音波が伝達
しない距離を有している。それぞれのエレメント4は、
エレメント4ごとに、その上面および下面に電極(図示
せず)が設けられている。
【0027】図3は、複合圧電振動子1の一部を取出し
て示した一例を示す概略斜視図である。なお、見やすく
するために内部が見えるようにしてある。複合圧電振動
子1は、長手軸を互いに実質的に平行にして互いに離間
に配置された複数の圧電体ロッド6、およびこの圧電体
ロッド6の間に充填されたエポキシ系樹脂などの樹脂7
からなる。圧電体ロッド6の直径Dとしては例えば16
μm、圧電体ロッド6の高さhとしては例えば100μ
m、従ってアスペクトとして比は例えば6.25であ
る。
【0028】圧電体ロッド6は、圧電体ロッド6が配置
された圧電体ロッド群、およびこの圧電体ロッド群を分
離するための超音波振動が伝達しない距離を有する間隙
を形成するように配置されている。間隙の部分は樹脂7
が充填されている。
【0029】すなわち、圧電体ロッド群がエレメント4
を形成し、間隙がギャップ5を形成している。エレメン
ト4の長さlは、例えば50〜700μmであり、エレ
メント4内でのそれぞれの圧電体ロッド6の間隔pは例
えば5〜50μmである。
【0030】ギャップ5はエレメント4間で超音波が伝
達しないために設けられているため、その幅gは、エレ
メント4に充填された樹脂7の材質による。すなわち、
樹脂7の材質が超音波を伝達しにくいものであればギャ
ップ幅gは小さくて良く、また、樹脂7の材質が超音波
を伝達しやすいものであればギャップ幅gは大きくする
必要がある。例えば、樹脂7としてエポキシ系樹脂を用
いた場合には、幅gとしては、例えば20〜100μm
である。
【0031】前述したように、それぞれのエレメント4
の上面および下面には、エレメント4ごとに超音波を送
信または受信するための導体薄膜などからなる電極(図
示せず)が設けられている。ギャップ5の上面および下
面には電極は設けられていない。
【0032】電極は、各圧電体ロッドのいずれか一方の
端面が露出する面に各ロッド群の単位でそれぞれ設けら
れた超音波を送受するための第1の共通電極と、各圧電
体ロッドの他方の端面が露出する面に各ロッド群全体も
しくは各ロッド群の単位で設けられた超音波を送受する
ための第2の共通電極とからなる。
【0033】図4は、それぞれの圧電体ロッド6の形状
の一例を詳細に示す斜視図である。本発明に係る圧電体
ロッド6は、例えば樹脂7と接触する側面が起伏を有す
るように形成された概略柱状をなしている。側面の起伏
としては、例えば、圧電体ロッド6の長手軸に垂直なロ
ッド6の断面の大きさが、ロッド6の長手軸に沿って増
減することで形成されるようなものである。
【0034】圧電体ロッド6の側面が起伏を有している
ために、樹脂7との間でのアンカー効果が高まり樹脂7
との密着強度が向上する。そのため、圧電体ロッド6と
樹脂7との間で剥離する可能性が著しく減少する。
【0035】また、密着強度が向上するために複合圧電
振動子1の曲げに対する強度が向上し、凹面状をはじめ
とする複雑な形状に複合圧電振動子1を変形させること
が可能となる。
【0036】次に、図3に示した複合圧電振動子1の製
造方法について、以下に説明する。この製造方法は、ロ
ストモールド法であり、以下の工程からなる。すなわ
ち、(1)シリコン型を作成する工程、(2)PZTス
ラリーをキャスティングする工程、(3)HIP処理を
する工程、(4)シリコン型を除去する工程、(5)有
機物2を充填する工程、および(6)研磨、電極付与、
圧電性付与を行う工程である図5〜7を参照して、各工
程について詳細に説明する。
【0037】(1)シリコン型を作成する工程 図5(a)に示すように、シリコン(Si)基板20上
にフォトレジスト2121を塗布する。レジスト21層
に所望のパターンを露光したのちに現像する。
【0038】パターンは、製造する複合圧電振動子1の
圧電体ロッド6の形状、寸法、および配置による。圧電
体ロッド6の形状としては、例えば円柱形状などが挙げ
られる。圧電体ロッド6の寸法としては前述した直径D
に従う。圧電体ロッド6の配置としては、前述したよう
に、エレメント4に対応する圧電体ロッド群、およびギ
ャップ5に対応する間隙が形成されるようなものとす
る。そして、前述したエレメント4の長さl、圧電体ロ
ッド6の間隔p、およびギャップ5の幅gに従うような
パターンとする。
【0039】次に、図5(b)〜(c)に示すように、
ディープRIE(反応性イオンエッチング)法により、
レジスト21層のパターンに従ってシリコン基板に穴2
2を開ける。
【0040】ディープRIE法は、マスキングとエッチ
ングを繰り返すことにより、アスペクト比が大きくシリ
コン基板面に対して垂直な側面を有する穴22を形成す
ることができるエッチング方法であり、当該技術分野で
良く知られている方法である。
【0041】ディープRIE法は、マスキングとエッチ
ングの条件を調整することにより、一回のエッチング
で、図5(b)に示すような側面がややエッチングされ
た穴22を形成することができる。
【0042】そして、条件を変えながらマスキングとエ
ッチングを繰り返すことにより、図5(c)に示すよう
に起伏のある側面を有する深い穴22を形成することが
できる。
【0043】所定の深さの穴22を形成したのち、現像
してレジスト21層を除去することで、図6(a)に示
したようなシリコン型23が得られる。図6(a)のシ
リコン型23に形成された穴22は、穴22の深さ方向
に垂直な断面の大きさが穴22の深さ方向に沿って増減
することで起伏している側面を有している。穴22の深
さは、製造する圧電体ロッド6の高さhによる。また、
穴22はシリコン基板を貫通していても良いし、貫通し
ていなくても良い。
【0044】なお、図8に示したように、穴22を開け
た後に、穴22底部および穴22側面部を含めたシリコ
ン型23表面に、窒化シリコンまたは酸化シリコンなど
からなるセラミクス保護膜24を設けることが好まし
い。シリコン型23表面にこのようなセラミクス保護膜
24を設けることにより、後述する(3)HIP処理を
する工程において圧電セラミクスとシリコン型23との
反応を最小限に抑えることができる。
【0045】(2)圧電セラミクスのスラリーをキャス
ティングする工程 図6(b)に示すように、圧電セラミクス25のスラリ
ーを、超音波攪拌などによる加振によってまたは減圧脱
泡によって、(1)の工程で作成したシリコン型23に
流し込む。スラリーは、圧電セラミクス25粉体、バイ
ンダーおよび水などから構成される混合物からなる。圧
電セラミクス25粉体の平均粒子サイズとしては、例え
ば0.3μmである。
【0046】圧電セラミクス25としては、圧電性が得
られるセラミクス材料であれば特に限定はされない。こ
のようなセラミクス材料としては、例えばPZT(チタ
ン酸ジルコン酸鉛)系材料などが挙げられる。PZT系
材料を使用した場合には、例えば周波数定数が、Ntが
約2000Hz−m、N33が約1300Hz−mの材
料を用いることができる。
【0047】バインダーとしては、PVA(ポリビニル
アルコール)などが挙げられる。スラリーの流し込み
は、シリコン型23の穴22に圧電セラミクス25を充
填するとともに、圧電セラミクス25が充填されたシリ
コン型23の上を圧電セラミクス25が覆うように行
う。シリコン型23の表面を覆う圧電セラミクス25
は、それぞれの穴22に充填された圧電セラミクス25
と一体化される。
【0048】次に、シリコン型23に流し込んだスラリ
ーを乾燥させて、圧電セラミクス25をグリーン状態と
する。乾燥方法としては例えば12時間以上自然乾燥さ
せる方法などが挙げられる。
【0049】最後に、グリーン状態の圧電セラミクス2
5を脱脂する。脱脂とは圧電セラミクス25粉体のバイ
ンダーなどの有機物を除去することである。脱脂の方法
としては、2時間以上空気中で500℃などの高温に保
つ方法などが挙げられる。なお、脱脂した状態では、穴
22の中の圧電セラミクス25の密度は十分には高くな
い。
【0050】(3)HIP処理をする工程 前述の脱脂した試料にHIP(ホットアイソスタティッ
クプレシング:熱間等方圧プレス)処理を行う。HIP
処理はシリコン型23中の圧電セラミクス25粉体の密
度を大きくするためであり、当該技術分野で良く知られ
た方法で行うことができる。
【0051】図9および図10にHIP処理の手順を示
す。なお、図9および図10においては、前述の穴22
の起伏のある側面を省略してある。最初に、図9に示す
ようにして、試料にCIP(コールドアイソスタティッ
クプレシング)処理を行う。つまり、図6(b)の脱脂
した試料をBN(窒化ボロン)粉末などの反応性の低い
保護用セラミクス粉体26で包み込んだ後、ゴムチュー
ブ27、テープ28で周囲を包んで保持する。この試料
を水中に置き、例えば約100MPaの等方圧をかけ
る。CIP処理によって、圧電セラミクス25粉体をか
なり高密度に圧縮することができる。
【0052】次に、図10(a)に示すようにして、保
護用セラミクス粉体26で包んだ試料をパイレックスガ
ラスなどのガラスカプセル29内に封じ込める。つま
り、ガラス管30の中の真空度が10-3Pa以下になるま
で排気を行い、次にガラス管30を約750℃まで加熱
し試料を包むようにガラス管30を軟化させる。その
後、ガスバーナーでガラスカプセル29をガラス管30
から切り離す。保護用セラミクス粉体26によって試料
を包み込むことで、ガラスカプセル29内への封じ込め
時、または次のHIP処理時に、試料とガラスカプセル
29の間の反応を防ぐことができる。
【0053】なお、保護用セラミクス粉体26としては
窒化ボロンに限らず、該試料とガラスカプセル29との
間の反応を防いだり、それ自身がシリコンや圧電セラミ
クス25との反応性が低いようなセラミクス材料ならば
他の材料でも構わない。
【0054】最後に、図10(b)に示すようにして、
試料にHIP処理を行う。つまり、試料を封じ込めたガ
ラスカプセル29をArなどの不活性ガス中で加熱しな
がら、このカプセル29に等方圧を印加する。
【0055】HIP処理の際の、試料に印加する温度と
圧力のプログラムの一例を図11に示す。最初に、例え
ば約1MPaの低い圧力をかけながら、試料の温度をガ
ラスの軟化点(パイレックスガラスの場合、約750
℃)まで上昇させる。
【0056】次に、温度と圧力を同時に上昇させて、圧
電セラミクス25粉末が焼結する温度(PZT粉末の場
合、約1000〜1100℃)および約70MPa〜1
00MPaの高圧力を印加する。そして、この状態のも
とで例えば約2時間、保持する。
【0057】上述したHIP処理の後、温度、圧力を徐
々に下げる。所定の温度、圧力まで下げた後に、試料を
ガラスカプセル29および保護用セラミクス粉体26か
ら取り出す。
【0058】なお、前述したように、(1)のシリコン
型23を作成する工程で、窒化シリコンまたは酸化シリ
コンなどからなるセラミクス保護膜24をシリコン型2
3に設けておくことによって、HIP処理の際に、圧電
セラミクス25とシリコン型23との間に相互拡散など
の反応が起きることを最小限に抑えることができる。反
応が抑えられることで、圧電セラミクス25の成分、例
えばPZT中の鉛などがシリコン型23中へと拡散して
圧電セラミクス25の圧電性が失われることなどを抑制
することが可能となる。
【0059】(4)シリコン型23を除去する工程 図6(c)に示すように、HIP処理を行った試料を、
XeF2 ガスなどのエッチング材を用いてエッチング
し、圧電セラミクス25を残してシリコン型23のみを
エッチング除去する。XeF2 ガスは、PZTなどの圧
電セラミクス25を残してシリコンのみを選択的にエッ
チングすることができるエッチング材である。
【0060】以上説明した(1)〜(4)の工程によっ
て、例えば図6(c)に示すように、側面が起伏を有す
る概略柱状の圧電体ロッド6を圧電セラミクス25板の
上に林立させた構造を製造することができる。より詳細
には、図3に示したような、間隙によって分離された圧
電体ロッド群が圧電セラミクス25板の上に形成された
構造が製造される。なお、図6(c)に示した構造以外
の圧電体ロッド6についても、上述の方法によって同様
にしてシリコン型23から製造できることは言うまでも
ない。
【0061】本発明に係る圧電体ロッド6の製造方法に
おいては、シリコンからなる型を使用している。そのた
め、高温・高圧下で圧電セラミクス25を充填すること
ができる。
【0062】すなわち、シリコン型23に圧電セラミク
ス25を充填したまま、高圧下で圧電セラミクス25を
焼成することができる。これは、シリコンの融点(約1
414℃)が圧電セラミクス25の焼結温度(PZTの
場合、約1000℃)よりも十分に高く、またシリコン
の強度が十分に高いために、高温・高圧下でもシリコン
型23が溶融または変形しないからである。
【0063】圧電セラミクス25を高圧下で焼成できる
ため、高密度な圧電体ロッド6を得ることが可能とな
る。また、型に圧電セラミクス25を充填したまま焼成
できるため、圧電セラミクス25の持つ初期内部応力や
構造のわずかな非対称性等によって焼成後の圧電セラミ
クス25が傾くということを防ぐことができる。また、
密度の高く均一な圧電セラミクス25を得ることができ
るため、初期内部応力のバラツキに起因する焼成後の圧
電セラミクス25の傾斜を防止できる。このように、圧
電セラミクス25が焼成後に変形しないので、所望の微
細で高精度な形状の圧電体ロッド6を得ることが出来
る。そのために、理想に近い状態の圧電定数、電気機械
結合係数等の圧電特性が得られるとともに、抗折強度お
よび、絶縁耐圧が向上する。
【0064】また、焼成後に圧電セラミクス25が傾か
ないため、アスペクト比の高い圧電体ロッド6を成形し
ても、焼成後にロッド6が互いに接触することがない。
従って、数十μm程度の細い形状のアスペクト比の高い
圧電体ロッド6を容易に成形することができる。
【0065】さらに、シリコン型23はエッチング処理
によって成形後に容易に除去することが可能である。 (5)樹脂7を充填する工程 図6(d)に示すように、図6(c)に示す圧電体ロッ
ド6の間隙に、樹脂7を充填する。より詳細には、図3
に示したような、圧電体ロッド群内の各圧電体ロッドの
間、および間隙に樹脂7を充填する。樹脂7としては、
圧電体セラミクス25との密着強度の高い樹脂7であれ
ば特に限定されないが、柔軟性のある樹脂7が好まし
い。このような樹脂7としては、例えばエポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、シリコーンなどが挙げられる。
【0066】樹脂7の充填の仕方としては、圧電体ロッ
ド6を密閉容器の中に置いて容器内を真空引きしなが
ら、容器に別に設けた注入口から樹脂7を注入して、圧
電体ロッド6に樹脂7を充填する方法などが挙げられ
る。充填した後、樹脂7を加熱などによる硬化などによ
って固化させる。
【0067】(6)研磨、電極付与、圧電性付与を行う
工程 図6(d)に示すように、樹脂7を充填した圧電体ロッ
ド6を、例えば破線部Aまで研削・研磨して圧電セラミ
クス25板を除去し、圧電体ロッド6と樹脂7の両方を
露出させる。このようにして作製した圧電体ロッド6と
樹脂7の複合体の厚みは、例えば約100μmである。
【0068】次に、図7に示すようにして、圧電体ロッ
ド6が露出した試料の上下面に電極35を設ける。ただ
し、図3に示したような圧電体ロッド群の上下面にのみ
電極を設け、圧電体ロッド群を分離している樹脂のみの
間隙上には電極は設けない。
【0069】電極35としては、電極35の形成時に樹
脂7に大きなダメージを与えないものであれば特に限定
されない。このような電極35の材料としては、金属材
料、化合物材料などが挙げられる。金属材料としては、
例えば、金、銅、チタン、ニッケル、銀、白金、および
これらを組み合わせたクロム/金などの積層体が挙げら
れる。化合物材料としては、例えばITO(酸化インジ
ウム錫)などが挙げられる。電極35の形成の仕方とし
ては特に限定されないが、例えばスパッタリング、蒸
着、イオンプレーティングなどが挙げられる。
【0070】電極35を設けたのち、電極35間にDC
電圧を印加して、圧電体ロッド群の圧電体ロッド6の分
極処理を行って圧電体ロッド6に圧電性を付与する。最
後に、外形加工を行うことにより、図3に示したような
複合圧電振動子を完成させる。
【0071】前述したように、本発明に係る複合圧電振
動子は、圧電セラミクス25の密度が高く、微細・高精
度な形を有し、またアスペクト比の高い圧電体ロッド6
を用いている。
【0072】圧電セラミクス25の密度が高いために、
複合圧電振動子の性能を高くすることができる。また、
圧電体ロッド6が微細・高精度な形を有しているため、
複合圧電振動子自体も容易に小型化することができる。
さらに、圧電体ロッド6のアスペクト比が高いために、
複合圧電振動子の発振音圧を高くでき、ひいては発振信
号のS/N比を高くすることができる。そのため、電気
機械結合係数が大きく、生体との音響インピーダンスが
近い複合圧電振動子が得られる。このような複合圧電振
動子を用いた超音波トランスデューサーは、高感度であ
ると共に分解能に優れる。
【0073】なお、この発明の実施の形態の各構成は、
当然、各種の変形、変更が可能である。なお、前述のシ
リコン型23を形成する工程における図5(b)〜
(c)に示したディープRIE法において、マスキング
とエッチングの条件を変えてエッチングを繰り返すこと
により、起伏のある側面を有する圧電体ロッド6を、概
略柱状以外の他の形状にすることもできる。
【0074】図12は、概略柱状以外の形状を示す圧電
体ロッド6の例を示す概略斜視図である。例えば、図1
2(a)に示したように、レジスト層21のパターンと
して円形パターンを用いて、圧電体ロッド6の長手軸に
垂直な断面が、円形を保ちながらその大きさが長手軸に
沿って単調増加する円錐台の圧電体ロッド6を形成する
ことができる。
【0075】また、例えば図12(b)に示したよう
に、六角形などの多角形のパターンを用いて、圧電体ロ
ッド6の長手軸に垂直な断面が多角形である多角柱の圧
電体ロッド6を形成することもできる。
【0076】さらに、図示しないが、六角形などの多角
形のパターンを用いて、圧電体ロッド6の長手軸に垂直
な断面が、多角形を保ちながらその大きさが長手軸に沿
って単調増加する角錐台などの圧電体ロッド6を形成す
ることも可能である。
【0077】なお、これらの様々な形状の圧電体ロッド
6の側壁には、前述したように、起伏が形成されている
ことは言うまでもない。また、本発明に係る複合圧電振
動子の製造方法においては、前述の研磨、電極付与、圧
電性付与を行う工程(6)において、研磨時に複合圧電
振動子1の上下面が平行とならないように研磨しても良
い。こうすることにより、長手軸の高さが異なる圧電体
ロッド6を有する複合圧電振動子1を作製することがで
きる。長手軸の高さが異なる圧電体ロッド6は共振周波
数が異なる。従って、複合圧電振動子1は異なる共振周
波数を有することになり、複合圧電振動子全体として広
い周波数帯域を持つことが可能となる。
【0078】本発明に係る複合圧電振動子1は、分離用
間隙を介して隣接する少なくとも1組の圧電体ロッド
が、異なる径方向の共振周波数を有することが好まし
い。つまり、隣り合う2つの圧電体ロッド群において、
分離用間隙を介して隣接するそれぞれの圧電体ロッド群
の圧電体ロッドが異なる径方向の共振周波数を有するこ
とが好ましい。
【0079】このように、分離用間隙を介して隣接する
1組の圧電体ロッドの径方向の共振周波数が異なること
で、一方の圧電体ロッドで発生した超音波が、他方の圧
電体ロッドに共振して伝わる可能性が著しく減少する。
従って、隣り合う圧電体ロッド群間においてノイズとな
るような超音波が送受される可能性が著しく減るため、
超音波画像に虚像をもたらす原因となる圧電体ロッド群
間のクロストークを低減することが可能となる。クロス
トークが低減される結果、S/N比が高く画像の信頼性
が高い、高性能の超音波トランスデューサを実現するこ
とができる。
【0080】図13に上述のように圧電体ロッド6を有
する複合圧電振動子1の例を示す。なお、図13におい
て、圧電体ロッド6の起伏部は省略する。図13におい
て、分離用間隙5を介して隣り合う圧電体ロッド群4a
および4bには、断面形状が異なる複数種の圧電体ロッ
ドがそれぞれ配置されている。図13においては、一例
として断面形状が異なる2種の圧電体ロッド6aおよび
6bが各圧電体ロッド群4a、4bに配置されている。
圧電体ロッドの断面形状が異なることで圧電体ロッドの
径方向の共振周波数が異なるため、圧電体ロッド6aお
よび6bの径方向の共振周波数が異なっている。
【0081】さらに、圧電体ロッド群4a内の圧電体ロ
ッド6aは分離用間隙5を介して圧電体ロッド群4b内
の圧電体ロッド6bと隣接し、また圧電体ロッド群4a
内の圧電体ロッド6bは分離用間隙5を介して圧電体ロ
ッド群4b内の圧電体ロッド6aと隣接するように配置
されている。
【0082】このように、異なる径方向の共振周波数を
有する圧電体ロッドが分離用間隙5を介して隣接するよ
うに配置されているため、分離用間隙を介して隣り合う
2つの圧電体ロッド群間において、一方の圧電体ロッド
群から他方圧電体ロッド群への超音波振動の伝播を極め
て低く抑えることができる。
【0083】上述のように、分離用間隙を介して隣接す
る1組の圧電体ロッドが異なる径方向の共振周波数を有
するような複合圧電振動子1を形成する方法としては、
例えば以下のように行う。
【0084】つまり、前述の(1)シリコン型23を作
成する工程において、レジスト層21に露光するパター
ンとして、間隙を介して隣り合う2つの圧電体ロッド群
において、間隙を介して隣接するそれぞれの圧電体ロッ
ド群の圧電体ロッドが、例えば異なる断面形状を有する
ようなパターンを用いれば良い。
【0085】また、本発明に係る複合圧電振動子は、そ
れぞれの圧電体ロッド群内において、少なくとも1つの
圧電体ロッドが他の圧電体ロッドと異なる組成を有する
ことが好ましい。
【0086】さらに、本発明に係る複合圧電振動子は、
圧電体ロッド群内のそれぞれの圧電体ロッドは同じ組成
を有し、少なくとも1つの圧電体ロッド群が他の圧電体
ロッド群と異なる組成を有することが好ましい。
【0087】このように異なる組成を有する結果、1つ
の複合圧電振動子が複数の性能を有するため、超音波ト
ランスデューサーとしての特性を向上させることが可能
となる。
【0088】例えば、それぞれの圧電体ロッド群内にお
いて、少なくとも1つの圧電体ロッドが他の圧電体ロッ
ドと異なる組成を有する場合には、それぞれの圧電体ロ
ッド群は複数の周波数定数を有することになるため、複
合圧電振動子1全体として広い周波数帯域を有すること
が可能となる。
【0089】また、各圧電体ロッド群内でのそれぞれの
圧電体ロッドの組成は同じとし、少なくとも1つの圧電
体ロッド群が他の圧電体ロッド群と異なる組成を有する
場合には、例えば超音波の送信に使用する圧電体ロッド
群についてはそれぞれの圧電体ロッドの組成はd定数が
大となるようなものとし、超音波の受信に使用する圧電
体ロッド群についてはそれぞれの圧電体ロッドの組成は
g定数が大となるようなものとする。こうすることによ
り、送受信の効率が共に高い超音波トランスデューサを
得ることが可能となる。この様な特性を有するトランス
デューサは、特に高出力送信と高感度受信が要求される
ようなドプラ方式に適している。
【0090】このような複合圧電振動子を形成する方法
の一例を図14に示す。なお、図6および図7で行った
説明と重複する部分は省略する。まず、図14(a)に
示すように、ディープRIE法エッチングによりシリコ
ン基板の両側に穴22および55を開ける。
【0091】前述したように、各圧電体ロッド群内にお
いて少なくとも1つの圧電体ロッドが他の圧電体ロッド
と異なる組成を有するようにする場合には、シリコン基
板の両側への穴22および55の開口は、各圧電体ロッ
ド群内のそれぞれの圧電体ロッドの組成に対応して行う
ようにする。
【0092】また、前述したように、各圧電体ロッド群
内でのそれぞれの圧電体ロッドの組成は同じとし少なく
とも1つの圧電体ロッド群が他の圧電体ロッド群と異な
る組成を有するようにする場合には、例えば1つの圧電
体ロッド群についてはシリコン基板の一方の側へ穴22
を開口させて各圧電体ロッドを作成し、他の圧電体ロッ
ド群についてはシリコン基板の他方の側へ穴55を開口
させて各圧電体ロッドを形成するなどを行えば良い。
【0093】次に、図14(b)に示すように、両面の
穴22および55に異なる組成の圧電セラミクス56、
57のスラリーを充填する。スラリーを乾燥、脱脂させ
たのち、HIP処理、シリコン型23の除去を行う。シ
リコン型23の除去は、図6(c)で説明したのと同じ
ように、XeF2 ガスなどのエッチング材を用いてエッ
チングすれば良い。エッチングは、シリコン型23の側
面に露出したシリコンからシリコン型23の内部のシリ
コンへと進行するため、異なる組成の圧電セラミクス5
6、57にはさまれたシリコン型23を容易に除去する
ことができる。
【0094】次に、図14(c)に示したように、シリ
コン型23を除去したあとに残った異なる組成の圧電セ
ラミクス56、57を互いに向き合わせのち、樹脂7を
充填して固化させる。そして、例えば、破線部Aおよび
Bまで研削・除去する。
【0095】最後に、図14(d)に示したように、異
なる組成の圧電体ロッド58、59が露出した上下面に
電極35を設ける。その後、分極処理を行う。以上のよ
うにして、それぞれの圧電体ロッド群内において少なく
とも1つの圧電体ロッドが他の圧電体ロッドと異なる組
成を有するような複合圧電振動子、および圧電体ロッド
群内のそれぞれの圧電体ロッドは同じ組成を有し少なく
とも1つの圧電体ロッド群が他の圧電体ロッド群と異な
る組成を有するような複合圧電振動子を作製することが
できる。
【0096】また、本発明に係る複合圧電振動子は、各
圧電体ロッド群は圧電体ロッドとともに外部と配線可能
な配線端子部を有し、圧電体ロッドの上端面および下端
面とともに配線端子部の表面の一部が露出するように圧
電体ロッド間および圧電体ロッドと配線端子部の間に樹
脂が充填され、それぞれの圧電体ロッド群ごとに各圧電
体ロッドの上端面を含む平面および下端面を含む平面の
それぞれに、少なくとも一方の平面が配線端子部と接続
するように共通電極が形成されていることが好ましい。
【0097】配線端子部を設けることにより、超音波ト
ランスデューサー圧電体ロッド群として使用する際に、
電極への配線を電極上で直接行うのではなく、配線端子
部上で行うことができる。配線端子部上で配線を行うこ
とができる結果、電極の下の圧電体ロッド6および樹脂
7に熱による損傷を与えることなく、半田、ワイヤーボ
ンディング、BGA、フリップチップなどの配線手段を
用いた配線が容易に行える。圧電体ロッド6および樹脂
7に熱による損傷を与えることがないため、超音波トラ
ンスデューサとしての効率を低下させることなく配線が
行える。
【0098】形成する配線端子部は、1つであっても良
いし、複数であっても良い。配線端子部を形成する材料
としては特に限定されないが、耐熱性の高い材料である
ことが好ましい。耐熱性が高いことで、結線のさいに配
線端子部自体が熱による損傷を受けることを極力抑える
ことができる。
【0099】耐熱性の高い材料としては、例えばセラミ
クス材料、金属材料などが挙げられる。絶縁体である必
要はない。セラミクス材料としては、例えば、アルミナ
などの圧電性を持たないセラミクスのほか、PZTなど
の各種圧電セラミクス材料などが挙げられる。また、金
属材料としては例えば銅、ステンレス鋼などが挙げられ
る。
【0100】圧電セラミクス材料を用いる場合には、前
述の(6)研磨、電極付与、圧電性付与を行う工程にお
いて複合圧電振動子の両面に電極を形成するときに、両
面の電極が同じ配線端子部に接触しないようにして用い
る。
【0101】例えば、2つの配線端子部を設けた場合
に、一方の面の電極は第1の配線端子部にのみ接触し、
他方の面の電極は第2の配線端子部にのみ接触するよう
に形成する。こうすることで、圧電セラミクス25から
なる配線端子部に両面の電極によって電圧が印加される
ことがない。電圧が印加されないので、電極付与後の分
極処理時に配線端子部に圧電性が付与されない。従っ
て、超音波トランスデューサーとして使用するときに、
配線端子部から超音波が発振されないので、放射される
超音波の音場に影響を与えずに、配線端子部を用いるこ
とができる。
【0102】また、金属材料を用いる場合にも、上述の
圧電セラミクス材料を使用するときと同様に、複合圧電
振動子の両面へ電極を付与するときに、両面の電極が同
じ配線端子部に接触しないように形成する。こうするこ
とで、金属からなる配線端子部によって両面に形成され
た電極が短絡することを防止しながら、配線端子部を用
いることができる。
【0103】また、配線端子部は硬度の高い材料、特に
圧電体ロッドおよび樹脂よりも硬度の高い材料から形成
されていることが好ましい。このような材料からなる配
線端子部を配置することで、研削加工時に配線端子部を
スペーサとして、簡単に厚み精度よく研削ができ、安定
した品質のものを歩留りよく作製可能になる。
【0104】さらに、配線端子部が電極材料と密着性の
良い材料によって形成されていることが好ましく、こう
することで、配線端子部ひいては複合圧電振動子の耐久
性能が向上する。
【0105】また、電極端子の形状は特に限定されない
が、例えば複合圧電振動子の外周を覆うように形成され
たものや、林立する圧電体ロッドの中に形成されたもの
などが挙げられる。
【0106】図15は、一例として、それぞれの圧電体
ロッド群4内に配置された、アルミナなどの圧電性を持
たないセラミックスのブロックからなる配線端子部8を
示す。なお、図15において、圧電体ロッド6の起伏部
は省略する。
【0107】セラミックスブロックの上下面の少なくと
も一方の面が圧電体ロッド6の上端面を含む平面または
下端面を含む平面と接続されるように、圧電体ロッド群
4の上下面に図示しない電極が形成されている。このよ
うに電極が形成されることで、セラミックスブロックの
上下面を圧電体ロッド群の配線端子として用いることが
できる。
【0108】配線端子部8を形成する方法としては、前
述の(4)シリコン型23を除去する工程においてシリ
コン型23をエッチング除去したのち、(5)樹脂7を
充填する工程を行う前に、圧電体ロッド6とともに配線
端子部8を配置し、圧電体ロッド6の間、および圧電体
ロッド6と配線端子部8との間に樹脂7を充填して両者
を一体化することなどが挙げられる。
【0109】なお、前述したように、硬度の高い材料で
配線端子部8を形成したときには、最終的に得たい圧電
体ロッド6の高さを有する配線端子部8を配置して樹脂
7により一体化したのち、配線端子部8をスペーサとし
て研削を行って、容易に所望の高さの圧電体ロッド6を
得ることができる。
【0110】なお、ここで説明した本発明の実施の形態
の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。ま
た、本発明に係る複合圧電振動子は、圧電体ロッド群の
間に位置する少なくとも1つの分離用間隙の樹脂を屈曲
させることにより、多数の超音波送受信面を形成するこ
とが好ましい。例えば、少なくとも1つの分離用間隙を
折り目として変形させることで、この分離間隙を辺と
し、各圧電体ロッド群を面とする多面を有することが好
ましい。
【0111】間隙は、圧電体ロッド6が配置されておら
ず樹脂7が充填されているのみであるため、剛性が低く
変形しやすい。そのため、複合圧電振動子全体を曲げて
も、変形は間隙の部分のみで起こり、圧電体ロッドが配
置されている圧電体ロッド群に割れなどの損傷が生じる
可能性が少ない。従って、各圧電体ロッド群内の圧電体
ロッドの配置の安定を保ったまま、間隙の部分を折り目
として複合圧電振動子全体を変形させることが可能であ
る。
【0112】複合圧電振動子を変形させることができる
結果、それぞれの圧電体ロッド群の超音波を放出する面
が様々な方向に向いている複合圧電振動子を形成するこ
とができる。超音波を様々な方向に放出できることによ
り、広い角度範囲にある対象物に対して超音波画像など
の信号を得ることが可能な超音波トランスデューサーを
得ることができる。
【0113】図16に、このように間隙の部分を折り目
として変形させた複合圧電振動子を使用した超音波トラ
ンスデューサーの例を示す。この超音波トランスデュー
サーは、音波を放出する面が凸面となっているコンベッ
クス(カーブドリニア)アレイ型超音波トランスデュー
サの一例である。
【0114】図16において、複合圧電振動子1は間隙
の部分を折り目としてほぼ半円弧状に変形させられた多
面を有している。そして、各圧電体ロッド群から放出さ
れる音波がほぼ180度の角度範囲をカバーするように
放射状に広がる構造となっている。この半円弧状の複合
圧電振動子1の音波が放出する面には、この複合圧電振
動子1と密着するように音響整合層2が取付けられてい
る。複合圧電振動子1の背面には、複合圧電振動子1と
密着するように形成された背面負荷材3が取付けられて
いる。背面負荷材3は、超音波トランスデューサー全体
を支持するためのベース9に接着されている。
【0115】図17に、図16に示した超音波トランス
デューサーの概略断面図を示す。複合圧電振動子1は、
樹脂7のみが充填されている間隙5の部分を辺とし、圧
電体ロッド6を含む圧電体ロッド群4を面としたほぼ半
円弧状の多面を構成している。それぞれの圧電体ロッド
6で発生する超音波は、ほぼ180度の角度範囲に渡っ
て走査される。
【0116】図18に、間隙の部分を折り目として変形
させた複合圧電振動子を使用した超音波トランスデュー
サーの他の例を示す。この超音波トランスデューサー
は、音波を放出する面がほぼ円筒面となっているラジア
ルアレイ型超音波トランスデューサの一例である。
【0117】図18において、複合圧電振動子1は間隙
の部分を折り目としてほぼ環状に変形させられた多面を
形成している。そして、各圧電体ロッド群から放出され
る音波が360度の角度範囲をカバーするように放射状
に広がる構造となっている。この環状の複合圧電振動子
1の音波が放出する面には、この複合圧電振動子1と密
着するように音響整合層2が取付けられている。複合圧
電振動子1の背面には、複合圧電振動子1と密着するよ
うに背面負荷材3が挿入されている。
【0118】図19に、図18に示した超音波トランス
デューサーの概略断面図を示す。複合圧電振動子1は、
樹脂7のみが充填されている間隙5の部分を辺とし、圧
電体ロッド6を含む圧電体ロッド群4を面とした多面体
を構成している。それぞれの圧電体ロッド6で発生する
超音波は、ほぼ360度の角度範囲に渡って走査され
る。
【0119】本発明に係る複合圧電振動子は、上述の他
にも様々な形に形成できることは言うまでもない。例え
ば、図1に示した平面状の複合圧電振動子1を含む複合
圧電振動子に、図16に示した半円弧状の複合圧電振動
子1を接続させた構造であっても良い。
【0120】また、複合圧電振動子の音波を放出する面
が凹面となるように変形させても良い。このような構造
の複合圧電振動子を用いることにより、音響レンズなど
を用いずとも超音波ビーム収束させることが可能な超音
波トランスデューサーを作製することができる。
【0121】以上のようにして、様々な超音波ビーム走
査経路を持つアレイ型超音波トランスデューサを得るこ
とができる。以上、本発明に係る実施形態について説明
してきたが、本明細書には以下の発明が含まれる。
【0122】(1)分離用間隙を介して隣接する少なく
とも1組の圧電体ロッドが、異なる径方向の共振周波数
を有することを特徴とする複合圧電振動子。 (2)各圧電体ロッド群内において、少なくとも1つの
圧電体ロッドが他の圧電体ロッドと異なる組成を有する
ことを特徴とする複合圧電振動子。
【0123】(3)各圧電体ロッド群内のそれぞれの圧
電体ロッドは同じ組成を有し、少なくとも1つの圧電体
ロッド群が他の圧電体ロッド群と異なる組成を有するこ
とを特徴とする複合圧電振動子。
【0124】(4)各圧電体ロッド群は圧電体ロッドと
ともに外部と配線可能な配線端子部を有し、圧電体ロッ
ドの上端面および下端面とともに配線端子部の表面の一
部が露出するように圧電体ロッド間および圧電体ロッド
と配線端子部の間に樹脂が充填され、それぞれの圧電体
ロッド群ごとに各圧電体ロッドの上端面を含む平面およ
び下端面を含む平面のそれぞれに、少なくとも一方の平
面が配線端子部と接続するように共通電極が形成されて
いることを特徴とする複合圧電振動子。
【0125】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、密度が大きく微細・高精度な形状の圧電体ロッドを
有し、この圧電体ロッドと樹脂との間の密着性が高い、
超音波トランスデューサー用の複合圧電振動子およびそ
の製造方法が提供される。その結果、分解能が高い超音
波トランスデューサーが得られる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波トランスデューサーの一例
を示す概略斜視図。
【図2】本発明に係る複合圧電振動子の一例を示す概略
斜視図。
【図3】本発明に係る複合圧電振動子の一例を示す概略
斜視図。
【図4】本発明に係る圧電体ロッドの形状の一例を示す
概略図。
【図5】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
一例を示す工程図。
【図6】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
一例を示す工程図。
【図7】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
一例を示す工程図。
【図8】本発明に係るセラミクス保護膜の形成工程の一
例を示す概略図。
【図9】本発明に係るHIP処理工程の一例を示す概略
図。
【図10】本発明に係るHIP処理工程の一例を示す概
略図。
【図11】本発明に係るHIP処理時の温度および圧力
の変化の一例を示す図。
【図12】本発明に係る圧電体ロッドの形状の一例を示
す概略斜視図。
【図13】本発明に係る複合圧電振動子の一例を示す概
略斜視図。
【図14】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法
の一例を示す工程図。
【図15】本発明に係る配線端子部を有する複合圧電振
動子の一例を示す概略斜視図。
【図16】本発明に係る超音波トランスデューサーの一
例を示す概略斜視図。
【図17】本発明に係る超音波トランスデューサーの一
例を示す概略断面図。
【図18】本発明に係る超音波トランスデューサーの一
例を示す概略斜視図。
【図19】本発明に係る超音波トランスデューサーの一
例を示す概略断面図。
【図20】従来技術における複合圧電振動子を製造する
方法を示す工程図。
【符号の説明】
1…複合圧電振動子 2…音響整合層 3…背面負荷材 4、4a、4b…圧電体ロッド群 5…分離用間隙 6、6a、6b…圧電体ロッド 7…樹脂 8…配線端子部 20…シリコン基板 21…レジスト 22、55…穴 23…シリコン型 24…セラミクス保護膜 25、56、57…圧電セラミクス 26…保護用セラミクス粉体 29…ガラスカプセル 30…ガラス管 35…電極
フロントページの続き (72)発明者 江刺 正喜 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉無番地 東 北大学内 (72)発明者 王 詩男 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉無番地 東 北大学内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂ブロックと、 このブロック内に上下端面が露出するように互いに長軸
    が略平行にかつ所望の距離をあけて埋設された複数の圧
    電体ロッドからなる複数組の圧電体ロッド群と、 該各圧電体ロッドのいずれか一方の端面が露出する該ブ
    ロック面に該各ロッド群の単位でそれぞれ設けられた超
    音波を送受するための第1の共通電極と該各圧電体ロッ
    ドの他方の端面が露出する該ブロック面に該各ロッド群
    全体もしくは該各ロッド群の単位で設けられた超音波を
    送受するための第2の共通電極とを具備し、 該複数組の圧電体ロッド群は互いに相互の超音波振動伝
    達を減衰し得る距離をあけて該ブロック内に配置されて
    いることを特徴とする複合圧電振動子。
  2. 【請求項2】 (a)シリコン基材に反応性イオンエッ
    チング法を用いて、互いに分離された複数の穴からな
    り、互いに所望の距離をあけて分離された穴群を複数組
    設けたのち、少なくとも各穴群のそれぞれの穴内部に圧
    電セラミクス粉体とバインダーとを含むスラリーを充填
    する工程と、 (b)該スラリーを加圧加熱して該圧電セラミクスを焼
    成させたのち、該シリコン基材をエッチング法により除
    去して、所定の距離をあけて分離された複数組の圧電体
    ロッド群を形成する工程と、 (c)該複数組の圧電体ロッド群の内部および該圧電体
    ロッド群間に樹脂を充填して硬化させる工程と、 (d)各圧電体ロッドの両端を研磨・除去して圧電体ロ
    ッド両端面を露出させ、該各圧電体ロッドのいずれか一
    方の端面が露出する樹脂面に該各ロッド群の単位でそれ
    ぞれ設けられた第1の共通電極と該各圧電体ロッドの他
    方の端面が露出する樹脂面に該各ロッド群全体もしくは
    該各ロッド群の単位で設けられた第2の共通電極とを形
    成し、該第1および第2の共通電極に電圧を印加して各
    圧電体ロッドを分極処理する工程とを含むことを特徴と
    する複合圧電振動子の製造方法。
  3. 【請求項3】 該圧電体ロッド群の間に位置する少なく
    とも1つのブロック部を屈曲させることにより、多数の
    超音波送受信面を形成することを特徴とする請求項1記
    載の複合圧電振動子。
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Cited By (4)

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