JP2000028595A - 圧電構造体の製造方法および複合圧電振動子 - Google Patents

圧電構造体の製造方法および複合圧電振動子

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JP2000028595A
JP2000028595A JP19613398A JP19613398A JP2000028595A JP 2000028595 A JP2000028595 A JP 2000028595A JP 19613398 A JP19613398 A JP 19613398A JP 19613398 A JP19613398 A JP 19613398A JP 2000028595 A JP2000028595 A JP 2000028595A
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etching
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JP19613398A
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Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Masaki Esashi
正喜 江刺
Shidan O
詩男 王
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細に加工された圧電構造体を製造すること
が可能な圧電構造体の製造方法を提供する。 【解決手段】 圧電体ブロックをエッチング用ガスのプ
ラズマを用いて選択的にエッチングすることを特徴とす
る圧電構造体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細に加工された
圧電セラミックス構造体を製造することが可能な圧電セ
ラミックス構造体の製造方法およびこの圧電セラミック
ス構造体を用いた複合圧電振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探触子の構造は、『医用超音波機
器ハンドブック』((社)日本電子機械工業会編、コロ
ナ社、1985.4.20、p186)に示される様
に、両面に電極を形成した圧電セラミックス板からなる
圧電素子、該圧電素子の超音波を送受する側の面に形成
された音響整合層および音響レンズ、ならびに該圧電素
子の背面側に形成された背面負荷材が一体化された構成
となっている。
【0003】超音波探触子の駆動は、上記圧電素子にパ
ルサから百〜数百ボルト程度の電圧の駆動パルスを印加
して、該圧電素子を逆圧電効果により急速に変形させ、
変形により励起された超音波パルスを音響整合層および
音響レンズを経て放射することにより行われる。
【0004】発振された超音波パルスは、対象物によっ
て反射される。反射する対象物としては、医療用途に関
しては体内の各組織の界面であり、また非破壊検査用に
関しては被測定物内部の傷等の非連続部である。対象物
から反射された超音波パルスは、該音響レンズおよび音
響整合層を経て圧電素子に再入射し、圧電素子を振動さ
せる。このような圧電素子の機械的振動は、圧電効果に
より電気信号に変換されたのち、観測装置に送られて画
像化される。
【0005】一般的には、この超音波探触子には圧電セ
ラミックスが用いられるが、近年圧電セラミックスと樹
脂とを複合化した複合圧電体のロッドが、電気−機械エ
ネルギー変換器として実際に利用され始めている。
【0006】従来、複合圧電体のロッドの製造方法の一
つの形態として、特開昭60−85699(以下、先行
文献1と記す)に示されているように、バルクの圧電体
をダイシングする方法がある。すなわち、ジルコン酸チ
タン酸鉛(PZT)等のバルクの圧電体を接着剤を用い
て基台に貼り付けたのち、基台上のバルク圧電体をダイ
シング装置を用いてマトリクス状にダイシングする。ダ
イシングにより形成された溝の部分にエポキシやウレタ
ン製の樹脂を充填して硬化した後に、ダイシングしたバ
ルク圧電体を基台から取り外して、複合圧電体のロッド
を得る。この方法には、圧電体をダイシングにより裁断
してから溝に樹脂を充填して硬化した後に圧電体を基台
から取り外して複合圧電体のロッドを得る方法と、圧電
体の途中までダイシングしてから樹脂を充填して硬化し
た後、圧電体を基台から取り外して研削もしくはスライ
スして複合圧電体のロッドを得る方法とがある。
【0007】また、複合圧電体のロッドの製造方法の別
の形態として、『Jpn.J.Appl.Phys.V
ol.36(1997) pp.6062−6064』
(以下、先行文献2と記す)に示されているように、デ
ィープX線リソグラフィーおよび樹脂モールドを組み合
わせて高アスペクト比の圧電体ロッドを形成し、形成し
た圧電体間に樹脂を充填して複合圧電振動子を製造する
方法がある。
【0008】具体的には、はじめに基台に400μmの
厚みのMMA(メタクリル酸メチル)/MAA(メタク
リル酸)共重合体からなるレジスト膜を作製する。
【0009】次に、該レジスト膜にマスクを介してシン
クロトロン放射光を照射したのち現像して、複数の穴が
開口されたレジスト構造体を得る。レジスト構造体の複
数の穴にPZTスラリーの注入を行う。スラリーの注入
は、上記レジスト構造体を樹脂型として用い、PZT粉
体、バインダー、および水からなるPZTスラリーを該
穴に注入して行う。
【0010】さらに、PZTスラリーを室温で乾燥固化
させてPZTグリーン体を得る。その後、酸素プラズマ
によって樹脂型のみを除去して、PZTグリーン体を残
す。残ったPZTグリーン体を500℃で脱脂(バイン
ダー除去)し、1200℃で本焼成を行う。焼成の結
果、直径20μm、高さ140μmの形状の複数のPZ
TロッドからなるPZTロッドアレイが形成される。
【0011】次に、このロッドアレイにエポキシ樹脂を
真空含浸して硬化させる。硬化させた後、ロッドアレイ
の上下面をPZTロッドの両端の表面が露出するまで研
磨して平坦化し、平坦化した上下両面に金電極をスパッ
タリングにより成膜する。そして、ロッドアレイをオイ
ルバス中に浸漬した状態で電極に電圧を印加して分極処
理を行い、圧電性が付与された複合圧電振動子を得る。
得られた振動子の周波数定数は、700kHz・mm以
下であり、小型・薄型な振動子を作製することが出来
る。
【0012】しかし、上述の従来の方法によって製造さ
れた複合圧電体のロッドには以下のような不具合があっ
た。
【0013】(1)先行文献1に記載された方法により
作製された複合圧電体のロッドにおいては、作製する圧
電体の径を小さくしすぎるとダイシングのときに圧電体
が壊れる可能性があった。そのため、圧電体の径をあま
り小さく、例えば100μm以下にすることが難しく、
高周波化して厚さの薄くなった複合圧電振動子の圧電体
ロッドのアスペクト比を上げることが困難であった。裁
断により圧電体の径を小さくしアスペクト比を上げるこ
とが困難であるため、複合圧電振動子が送受する超音波
の周波数を上げることが難しく、複合圧電振動子を用い
た診断装置の分解能を向上させることには限界があっ
た。
【0014】また、圧電体をダイシングによって作製す
るために圧電体の側面は平滑面となっていた。平滑面で
あるために、樹脂との接着にはアンカー効果が期待でき
ず、密着が不十分となり耐久性に問題があった。
【0015】(2)先行文献2に記載された方法により
作製された複合圧電体のロッドにおいては、圧電体が焼
成時に倒れないようにするために、圧電体の径は数十μ
mが限界であった。このため、圧電体のアスペクト比を
大きくすることが難しく、周波数を上げた高アスペクト
比の複合圧電体のロッドを得ることには限界があった。
【0016】また、圧電体は樹脂型から作製するため
に、圧電体の側面は平滑面でかつ傾きが一定であった。
そのため、圧電体と樹脂との間の接着にはアンカー効果
が期待できず、密着が不十分となり耐久性に問題がある
とともに、圧電体の形状にも制限が多かった。
【0017】さらに、樹脂型を使用した際にはホットプ
レスや熱間等方圧プレス(HIP)処理がかけられない
ために、高密度化を達成できず、本来持つ圧電体の特性
を十分に引き出すことができないでいた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微細
に加工された圧電構造体を製造することが可能な圧電構
造体の製造方法、および、樹脂と圧電体との間の密着性
が高く微細で高密度化された複合圧電振動子を提供する
ことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、圧電体ブロックをエッチング用ガ
スのプラズマを用いて選択的にエッチングすることを特
徴とする圧電構造体の製造方法が提供される。
【0020】本発明においては、該エッチング用ガスと
してフッ化物を用い、反応性イオンエッチング法により
該圧電体ブロックをエッチングすることが好ましい。
【0021】また、本発明によれば、離間配置された複
数の柱状の圧電体と、該柱状圧電体間の隙間を少なくと
も部分的に充填する有機充填物と、該柱状圧電体の各端
面に電気的に接続される第1および第2の電極とを含む
複合圧電振動子であって、該柱状圧電体はその側面にフ
ッ化物が形成されていることを特徴とする複合圧電振動
子が提供される。
【0022】また、本発明によれば、少なくとも一方の
表面から少なくとも1つの貫通もしくは未貫通の孔もし
くは溝が形成された圧電体ブロックと、該孔もしくは溝
を少なくとも部分的に充填する有機充填物と、該圧電体
ブロックの該一方の表面および他方の表面に電気的に接
続される第1および第2の電極とを含む複合圧電振動子
であって、該孔もしくは溝の側面にフッ化物が形成され
ていることを特徴とする複合圧電振動子が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。
【0024】<本発明に係る複合圧電振動子および圧電
構造体の構造>まず、本発明に係る複合圧電振動子およ
び圧電構造体の構造を説明する図1は、本発明に係る複
合圧電振動子の例を示す図である。図1(a)は一例と
して直方体の外形を有する複合圧電振動子を示す概略斜
視図であり、図1(b)は一例として円柱体の外形を有
する複合圧電振動子を示す平面図である。
【0025】複合圧電振動子は、例えば複数の柱状の圧
電体1から形成された圧電構造体、圧電体1の隙間に充
填された有機充填物2、および各圧電体1のそれぞれの
端面を含む面に電気的に接続される電極(図示せず)を
含んでいる。
【0026】圧電体1は、例えばセラミックスなどから
形成される。セラミックスとしては、圧電性が得られる
セラミックスであれば特に限定されない。圧電性が得ら
れるセラミックスとしては、例えばチタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)系セラミックス、亜鉛ニオブ酸鉛とチタン
酸鉛(PZN−PT)系セラミックス、マグネシウムニ
オブ酸鉛とチタン酸鉛(PMN−PT)系セラミックス
などが挙げられる。PZT系セラミックスを使用した場
合には、例えば、周波数定数としてNtが約2000H
z−m、N33が約1300Hz−mの材料を用いるこ
とができる。
【0027】圧電体1は、例えば上述のセラミックス材
料の粉体を焼成したもの、またはセラミックス材料の単
結晶から研削または切出したものからなる。粉体を焼成
したものよりも単結晶から研削または切出したものの方
が好ましい。単結晶の方が焼結したものよりも配向性と
密度が高く圧電特性に優れるからである。単結晶として
は、特に固溶体単結晶のような単結晶が好ましい。単結
晶は、結晶欠陥が非常に少ないために圧電特性がとても
良好であるからである。そのため、圧電単結晶からなる
圧電構造体を使用して超音波探触子としたときには、S
/N比が向上し、高分解能化を達成することができる。
【0028】圧電体1から形成された圧電構造体の構造
については後述する。
【0029】圧電体1の隙間に充填される有機充填物2
としては、圧電体1との密着強度の高い有機充填物2で
あれば特に限定されないが、柔軟性のある有機充填物2
が好ましい。このような有機充填物2としては、例えば
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの樹
脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、室温
硬化して硬化後に硬度がショアーA90程度となるよう
なものが好ましい。
【0030】また、有機充填物2は、複合圧電振動子を
用いて製造される超音波探触子に使用する音響整合層の
材料と同じものからなることが好ましい。有機充填物2
が音響整合層をなす材料と同じものからなると、必要十
分な特性を有する超音波探触子の製造が容易になる。
【0031】有機充填物2は、例えば、それぞれの圧電
体1の両端面が露出するように、圧電体1間の隙間に少
なくとも部分的に充填されている。
【0032】圧電構造体に有機充填物2を充填すること
で、複合圧電振動子全体としての密度を下げることがで
きる。従って、有機充填物2の充填する量などを調整す
ることによって、複合圧電振動子の音響インピーダンス
(密度と音速の積)を人体の音響インピーダンスに近づ
けることができる。音響インピーダンスが人体のそれに
近づくことで、この複合圧電振動子を用いた医療用超音
波探触子においては、効率よく超音波を送受することが
可能となり感度および分解能が向上するため、高精度の
画像診断が可能となる。
【0033】電極は、各圧電体1の両端面、例えば第1
および第2の端面を含む面に電気的に接続される第1お
よび第2の電極からなる。通常、電極は、各端面におい
て共通電極として機能するように、各端面の全面に形成
される。
【0034】電極の材料としては、電極の形成時に有機
充填物2に大きなダメージを与えないものであれば特に
限定されない。このような電極の材料としては、金属材
料、化合物材料などが挙げられる。金属材料としては、
例えば、金、銅、チタン、ニッケル、銀、白金、クロム
などの金属単体、およびこれらの金属単体を組み合わせ
たクロム/金などの積層体が挙げられる。化合物材料と
しては、例えばITO(酸化インジウム錫)などが挙げ
られる。電極の形成の仕方としては特に限定されない
が、例えばスパッタリング、蒸着、イオンプレーティン
グなどが挙げられる。
【0035】本発明に係る圧電構造体は、例えば以下に
示すような第1〜第5の形態の構造をなす。
【0036】第1の形態の圧電構造体は、図1(a)、
図1(b)に示したように、複数の円柱状の圧電体1が
長手軸を互いに実質的に平行にして互いに離間して配置
された構造となっている。圧電体1は、それぞれ長手軸
と実質的に垂直な第1の端面と第2の端面とを有してお
り、また側面は長手軸と実質的に平行となっている。
【0037】第2の形態の圧電構造体は、図2に示した
円錐台の圧電体1が、複数個、長手軸を互いに実質的に
平行にして互いに離間に配置された構造となっている。
【0038】図2の圧電体1は、例えばそれぞれ長手軸
と実質的に垂直な第1の端面と第2の端面とを有してい
る。そして、図2の圧電体1の第1の端面と第2の端
面、例えば上端面と下端面の面積が異なっているため、
圧電体1の側面には一定のテーパが設けられている。図
2では、例として上端面よりも下端面の方が面積が大き
い圧電体1を示している。図2に示すような圧電体1の
形状としては、例えば、長さが約150μmで、長手軸
に垂直な断面が円形で、PZT系材料から形成されてい
るときに、上端面の直径が10ないし50μmで、下端
面の直径が20ないし60μmである。
【0039】図2に示す圧電体1はその側面にテーパー
が付いているため、圧電体1の長手軸方向以外の振動モ
ードが抑制され、不要振動が低減する。不要振動が低減
するため、本形態の圧電構造体を用いた超音波探触子に
おいては、S/N比が向上し、高分解能化を達成するこ
とができる。
【0040】第3の形態の圧電構造体は、図3に示した
ように、角柱体と角錐台とを組み合わせた柱状の圧電体
1が、複数個、長手軸を互いに実質的に平行にして互い
に離間に配置された構造となっている。
【0041】図3の圧電体1は、より具体的には、四角
柱体1aとその上端部に一体に連接された四角錐台部1
bからなり、その長手軸と実質的に垂直な第1の端面と
第2の端面とが異なる面積を有している。なお、図3で
は、一例として四角柱と四角錐台とを組み合わせた柱状
の圧電体1を示したが、例えば円柱と円錐台とを組み合
わせた柱状でも良い。
【0042】図3に示す圧電体1の両端面の形状として
は、例えば、圧電体1が全長が約100μmでPZT系
材料から形成されているときに、上端面が約20μm×
20μm、下端面が約50μm×50μmとなるような
端面である。
【0043】図3に示す圧電体1の側面は、四角錐台部
1bを除いて四角柱体1bにおいて長手軸と実質的に平
行となっており、四角錐台部1bは長手軸に対して一定
のテーパを有している。四角柱体1aの長手軸方向の長
さとしては、例えば50μm程度である。
【0044】本形態の圧電構造体においては、図3に示
す圧電体1が、四角柱体1aの側面同士が対向して配置
されている。対向する側面の間には、非常に狭い隙間
4、例えば数10nmから数μm程度の隙間4が形成さ
れている。
【0045】有機充填物2は、数μm以下の隙間4には
入らないほどに高い粘性のものが使用されている。従っ
て、有機充填物2は、四角錐台部1bのテーパの付いた
側面の間のみを埋めるように充填され、四角柱体1aの
側面の間の隙間4には充填されていない。隙間4には、
従って、空気があるだけとなっている。
【0046】図3に示す圧電体1の四角錐台部1bの側
面にテーパーが設けられているため、圧電体1の長手軸
方向以外の振動モードが抑制され、不要振動が低減す
る。不要振動が低減するため、本形態の圧電構造体を用
いた超音波探触子においても、S/N比が向上し、高分
解能化を達成することができる。
【0047】また、図3に示す各圧電体1は、四角柱体
1aの側面部分において、有機充填物2ではなく空気を
介して数μmの間隔で高密度に隣接して振動絶縁されて
いる。このことにより、本形態の圧電構造体を用いた超
音波探触子においては、より高いS/N比と高い送受信
効率とが実現される。第4の形態の圧電構造体は、図4
および図5に示した柱状の圧電体1が、複数個、長手軸
を互いに実質的に平行にして互いに離間に配置された構
造となっている。
【0048】図4および図5の圧電体1は、例えば、そ
れぞれ長手軸と実質的に垂直な第1の端面と第2の端面
とを有しており、側面が起伏を有している。
【0049】図4および図5に示す圧電体1の側面が起
伏を有していることにより、アンカー効果により圧電体
1と有機充填物2との間の密着性が高まるとともに、圧
電体1の長手軸方向以外の振動モードが抑制されて不要
振動が低減する。不要振動が低減するため、本形態の圧
電構造体を用いた超音波探触子においても、S/N比が
向上し、高分解能化を達成することができる。
【0050】起伏としては、例えば、長手軸に垂直な圧
電体1の断面の形状が相似形を保ったまま、この断面の
大きさが長手軸に沿って増減することで側面が起伏して
いるものが挙げられる。増減としては、例えば、同じ増
減を繰り返すものと、そうでないものが挙げられる。
【0051】図4は、圧電体1の長手軸に垂直な断面の
大きさが同じ増減を繰り返している例である。このよう
な断面としては、例えば円形、四角形、扇形の一部をな
す形状などが挙げられる。
【0052】扇形の一部をなす形状とは、2つの同心の
円弧と2本の直径によって囲まれた図形のことを意味す
る。2本の直径のなす角度は、例えば180度以下であ
る。または、2つの同心円によって囲まれた帯状の領域
が2本の直径によって切取られた図形のことを意味す
る。2本の直径のなす角度は、例えば180度以下であ
る。
【0053】図4(a)は、円形の断面を有する圧電体
1を示す斜視図である。図4(a)に示したように、圧
電体1の長手軸に垂直な断面が相似な円形を保ったま
ま、この円形の直径が圧電体1の長手軸に沿って増減す
ることで側面が起伏している柱状の圧電体1となってい
る。
【0054】図4(b)は、四角形の断面を有する圧電
体1を示す斜視図である。図4(b)に示したように、
圧電体1の長手軸に垂直な断面が相似な四角形を保った
まま、この四角形の大きさが長手軸に沿って増減するこ
とで側面が起伏している柱状の圧電体1となっている。
【0055】図4(c)は、扇形の一部をなす形状の断
面を有する圧電体1を示す斜視図である。図4(c)
は、圧電体1の長手軸に垂直な断面が扇形の一部なす形
状の相似形を保ったまま、この形状の大きさが長手軸に
沿って増減することで側面が起伏している柱状の圧電体
1となっている。
【0056】なお、図4に示す圧電体1の断面の大きさ
の増減は、長手軸に沿って周期的であっても良いし、周
期的でなく不規則であっても良い。
【0057】図5は、圧電体1の長手軸に垂直な断面の
大きさが同じ増減を繰り返さない例である。
【0058】図5では、例として円形の断面を有する圧
電体1の場合の概略斜視図を示すが、圧電体1の断面と
しては、円形以外のもの、例えば前述した四角形や扇形
の一部をなす形状であっても良い。
【0059】図5(a)は、長手軸に垂直な圧電体1の
断面の大きさが長手軸に沿って増加と減少を繰り返しな
がら、圧電体1の断面積は平均として長手軸に沿って単
調増加または減少している。
【0060】図5(b)は、長手軸に垂直な圧電体1の
断面の大きさが長手軸に沿って増加と減少を繰り返しな
がら、圧電体1の断面積は平均として長手軸に沿って増
加および減少をしている。
【0061】図5(c)は、図5(b)に示した圧電体
1が長手軸に沿って繰り返されている柱状の圧電体1を
示す。圧電体1の断面積は平均として長手軸に沿って増
加および減少を繰り返している。
【0062】なお、図5に示す圧電体1の断面の大きさ
の増減は、長手軸に沿って周期的であっても良いし、周
期的でなく不規則であっても良い。
【0063】第5の形態の圧電構造体は、少なくとも一
方の表面から少なくとも1つの貫通もしくは未貫通の孔
もしくは溝が形成された圧電体ブロックからなる。該孔
もしくは溝は、圧電体ブロックの1つの表面から形成さ
れても良いし、前面と背面などの2つの表面から形成さ
れても良い。
【0064】例として、図6(a)においては1つの表
面から孔5が形成された圧電体ブロック6を示し、図6
(b)においては1つの表面から溝7が形成された圧電
体ブロック6を示す。
【0065】図6(a)において、孔5の深さ方向に垂
直な断面としては円形または四角形などがあり特に限定
されない。また、図6(b)においても、溝7の深さ方
向に垂直な断面としては直線状または曲線状などがあり
特に限定されない。孔5もしくは溝7の深さとしては、
例えば約120μmである。
【0066】該孔もしくは溝に少なくとも部分的に有機
充填物2を充填して、有機充填物2が充填された前面、
および背面に電極を形成することにより、複合圧電振動
子が形成される。
【0067】以上、説明した第1〜第5の形態を有する
本発明に係る圧電構造体は、後述するようにエッチング
用の反応性ガスのプラズマを用いて圧電体ブロックをド
ライエッチングすることによって製造される。エッチン
グ時の基板温度、ガス圧、誘導電力等のエッチング条件
を調整するなどして、例えば、第1〜第4の形態のよう
な柱状の圧電体からなる圧電構造体、または第5の形態
のような孔もしくは溝が形成された圧電体ブロックを製
造する。
【0068】ドライエッチングを用いて製造するため、
微細な形状の圧電構造体、ひいては微細な形状の複合圧
電振動子が製造でき、高分解能な複合圧電振動子が得ら
れる。また、圧電体ブロックは、例えばセラミックス材
料の粉末を焼成したものか、または単結晶であるために
密度が高い。そのため高密度な圧電構造体が製造でき、
やはり高分解能な複合圧電振動子が得られる。
【0069】また、ドライエッチングを用いているた
め、有機充填物と接触する圧電体の面、例えば柱状圧電
体の側面または孔もしくは溝の側面、には切削屑や油分
が付着しておらず清浄であり、その表面が改質された状
態となっている。圧電体の面が清浄で改質されているた
め、有機充填物との密着強度が高い。有機充填物との密
着強度が高いために、最終的に製造される超音波探触子
の耐久性が向上するとともに、複合圧電振動子の曲げに
対する強度が向上して、凹面状をはじめとする複雑な形
状に複合圧電振動子を変形させることが可能となる。
【0070】なお、本発明に係る圧電構造体において
は、圧電体の有機充填物と接触する面にはフッ化物が形
成されていることが好ましい。後述するように、反応性
ガスとしてフッ化物を用いてエッチングすることによっ
て、圧電体の有機充填物と接触する面にフッ化物を形成
することができる。
【0071】図7は、一例として、柱状の圧電体1の側
面にフッ化物3が形成されている様子を模式的に示す斜
視図である。
【0072】フッ化物3は、圧電体1の側面に密着して
形成されており、圧電体1の側面に起伏を起こしてい
る。フッ化物3は、例えば網の目状にまたは点在した状
態で不均一に形成されており、大きさ、厚みは一定して
いない。フッ化物3の大きさ、厚みなどは、例えば走査
型電子顕微鏡(SEM)などを用いて測定することがで
きる。フッ化物3の組成としては、フッ化鉛(Pb
x )(Xは組成比)や、フッ化ジルコニウム(ZrF
)、フッ化イットリウム(YF)などが挙げら
れる。フッ化物3の組成は、例えばSEM・EDX(走
査型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光)などを用
いて、測定することができる。フッ化物3の大きさ、厚
み、組成等は、後述するように、圧電構造体を製造する
ときのエッチング条件によって調整できる。
【0073】圧電体1の有機充填物2と接触する面がフ
ッ化物3により起伏を有しているために、有機充填物2
との間でのアンカー効果が高まり有機充填物2との密着
強度がより高まる。
【0074】<本発明に係る複合圧電振動子および圧電
構造体の製造方法>次に、本発明に係る複合圧電振動子
および圧電構造体の製造方法を説明する。
【0075】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方
法は、(I)最初に背面電極を形成しない製造方法、
(II)最初に背面電極を形成する製造方法に分類され
る。
【0076】それぞれの製造方法において、以下の工程
が含まれる。
【0077】すなわち、(1)圧電構造体を製造する工
程、(2)有機充填物を充填する工程、(3)電極付与
および圧電性付与の工程である。
【0078】また、(1)圧電構造体を製造する工程に
は、以下の工程が含まれる。
【0079】すなわち、(1−a)圧電体ブロックを作
製する工程、(1−b)圧電体ブロックにマスクを形成
する工程、(1−c)圧電体ブロックをエッチング加工
する工程である。
【0080】(I)最初に背面電極を形成しない製造方
法 図8を参照して、上述の各工程について順番に説明す
る。
【0081】(1)圧電構造体を製造する工程 (1−a)圧電体ブロックを作製する工程 図8(a)に示すように、まず圧電体ブロック8、つま
りバルクの圧電体を作製して用意する。
【0082】圧電体ブロック8を形成する材料として
は、例えばセラミックスなどが挙げられ、圧電性が得ら
れるセラミックスであれば特に限定されない。圧電性が
得られるセラミックスとしては、前述したように、例え
ばPZT系セラミックス、PZN−PT系セラミック
ス、PMN−PT系セラミックスなどが挙げられる。
【0083】圧電体ブロック8の作製は、例えば、上述
のセラミックス材料の粉体を焼成するか、またはセラミ
ックス材料の単結晶を研削または切出すなどして行う。
前述したように、焼成したものよりも単結晶から研削ま
たは切り出したものの方が好ましい。また、単結晶とし
ては、特に固溶体単結晶のような単結晶が好ましい。
【0084】焼成による圧電体ブロック8の作製には、
当該技術分野において良く知られた方法を用いることが
できる。例えば、上述のセラミック材料の粉体を所望の
組成で混合し、混合した粉体を仮焼したのち粉砕し、粉
砕したものを成形性を向上させるためのバインダーと混
ぜたのち整粒し、整粒したものをプレスしてセラミック
スのペレットを作製する。このペレットを600℃程度
で加熱して、含有されている有機物を除去したのち、1
200℃程度のもとでホットプレスして焼結して焼成体
を得る。焼成体を、スライサー、平面研削盤、そして必
要に応じて両面ラップ盤などを用いて成形して、圧電体
ブロック8を作製する。
【0085】なお、圧電体ブロック8として単結晶を用
いるときには、単結晶の結晶方位を考慮して圧電体ブロ
ック8を作製する。例えば、単結晶の<111>などの
圧電特性が最も良い結晶方位が圧電体の長手軸となるよ
うに、単結晶を研削または切り出して圧電体ブロックと
する。
【0086】(1−b)圧電体ブロックにマスクを形成
する工程 圧電体ブロック8をエッチングするためのマスクを圧電
体ブロック8に形成する。このマスクに従って圧電体ブ
ロック8をエッチングして、前述したように圧電構造体
を作製する。
【0087】マスクは、例えば、以下のようにして形成
する。
【0088】図8(b)に示すように、まず、圧電体ブ
ロック8にスパッタリングなどによりクロム(Cr)そ
して金(Au)を成膜して、Cr/Au電極9を形成す
る。
【0089】図8(c)に示すように、Cr/Au電極
9上に樹脂性のフォトレジスト10を塗布する。
【0090】図8(d)に示すように、製造する圧電構
造体に基づいたパターンをレジスト層10に露光したの
ちに現像して、Cr/Au電極9上にパターニングされ
たレジスト層11を形成する。レジスト層11は、圧電
体ブロック8の例えば柱状圧電体として残すべき部分に
対応して窓が開いているようにパターニングされてい
る。レジスト層11のパターンの形状、寸法は、製造す
る圧電構造体の形状、寸法による。例えば、圧電構造体
が複数の円柱形状の圧電体1を含むときには、この円柱
の直径を有する複数の円形の窓が開いているなどであ
る。
【0091】図8(e)に示すように、レジスト層11
およびCr/Au電極9が形成された圧電体ブロック8
をニッケルイオン溶液中に浸漬してCr/Au電極9に
負の電圧を印加して電解ニッケルメッキを行い、Cr/
Au電極9上にニッケル膜12を形成する。電解ニッケ
ルメッキを用いることによって、膜厚の大きいニッケル
膜12を比較的短い時間で形成することができる。ニッ
ケル膜12は、レジスト層11が形成されていないCr
/Au電極9上にのみ形成される。すなわち、圧電体ブ
ロック8の残すべき部分に対応してニッケル膜12が形
成される。
【0092】図8(f)に示すように、レジスト層11
を溶剤で除去することにより、Cr/Au電極9上にパ
ターニングされたニッケル膜13が形成される。このニ
ッケル膜13は、圧電体ブロック8のエッチング除去す
べき部分に対応して窓が開いているパターンを有してお
り、圧電体ブロック8をエッチングするためのマスクと
なる。また、このニッケル膜13は圧電構造体に付与す
べき電極の一部ともなる。
【0093】なお、上述の方法では、エッチング用のマ
スクを電解ニッケルメッキによって形成したが、これに
限定されるものではない。つまり、マスクとしてはエッ
チングの選択比(エッチングレート)が圧電体ブロック
8と比較して低いものであればよく、材料および形成方
法には特に限定されない。例えば、樹脂性のフォトレジ
スト自体をエッチング用のマスクとしても良いし、CV
D法で成膜した酸化珪素(SiO)膜もしくは窒化
珪素(Si)膜、または電解メッキによる銅
(Cu)膜などをマスクとして用いても良い。
【0094】(1−c)圧電体ブロックをエッチング加
工する工程 上述のようにして形成したマスクのパターンに従って、
圧電体ブロック8をエッチング加工する。エッチング加
工により、前述したように、例えば圧電体ブロック8か
ら柱状圧電体を形成するか、または圧電体ブロック8に
孔もしくは溝を形成することによって、圧電構造体を作
製する。
【0095】エッチングは反応性ガスのプラズマを用い
たドライエッチングにより行う。すなわち、反応性ガス
のラジカルを生成してこのラジカルによってエッチング
を行う。ラジカルを用いるエッチング技術は、シリコン
プロセスの分野において良く知られている技術である。
エッチングは一度だけでなく繰り返して行っても良い。
【0096】ラジカルを生成するための反応性ガスとし
ては、例えば、四塩化炭素(CCl4 )などの塩化物、
六フッ化硫黄(SF)、四フッ化炭素(CF4 )な
どのフッ化物を用いる。塩化物よりもフッ化物の方が好
ましい。それは、フッ化物を用いた方が、エッチレート
が高く、また前述したようにエッチング後の圧電体の側
面にフッ化物の残滓が残るからである。また、CF4
りもSF6 の方が好ましい。それは、SF6 の方がエッ
チングレートがより高いからである。
【0097】上述した反応性ガスを用いたドライエッチ
ング方法としては、例えば反応性イオンエッチング(R
IE)法、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング法、
ディープRIE法などが挙げられる。
【0098】RIE法は、反応性ガスのラジカルおよび
中性活性種の両方を用いる方法である。ICP法は、高
周波誘導磁場により生じる誘導電界によって電子を加速
し、この加速された電子によって生成された反応性ガス
のプラズマを用いるエッチング方法である。ディープR
IE法は、圧電体ブロックに対して反応性イオンエッチ
ングとマスキングを繰り返すものである。エッチング条
件およびマスキング条件を調整することにより、側面に
起伏のある深い開口部を形成することができる。
【0099】まず、RIE法およびICP法によるエッ
チングを用いた製造方法について説明する。ディープR
IE法によるエッチングを用いた製造方法については、
後述する。
【0100】図8(g)から(h)に示したように、マ
スクに従ってRIE法またはICP法によるエッチング
を行うことで、圧電体ブロック8に例えば側面が深さ方
向に平行である開口部14を形成する。エッチング時の
基板温度、ガス圧、誘導電力などのエッチング条件を調
整することで、後述するように、いろいろな形状の側面
を有する開口部14を形成することができる。
【0101】なお、エッチング中に、エッチングを妨げ
るフッ化ニッケル(NiFx )(Xは組成比)などのよ
うな堆積物が開口部14内に析出することがある。この
ように堆積物が析出したときには、アルゴンなどの不活
性ガスをエッチング反応炉内に導入して、このガスのイ
オンによるスパッタリング等によって堆積物を物理的に
除去するなどの方法を行えば良い。
【0102】本発明においては、反応性ガスとしてフッ
化物を用いて上述のように圧電体ブロックをエッチング
することで、エッチングにより形成された開口部14の
側面にフッ化物を堆積させることができる。
【0103】図9に、開口部8の側面にフッ化物3が堆
積された様子を示す概略断面図を示す。フッ化物3は、
例えば、網の目状でもしくは点在した状態で、開口部1
4の側面に密着して形成される。フッ化物3の大きさ、
厚みは一定していない。フッ化物3の大きさ、厚みなど
は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)などによって測
定することができる。開口部14の側面にフッ化物3が
形成されることで、最終的に、側面にフッ化物3が形成
された柱状圧電体、または側面にフッ化物3が形成され
た孔もしくは溝を有する圧電体ブロックを作製すること
ができる。
【0104】フッ化物3の組成としては、フッ化鉛(P
bFx )(Xは組成比)や、フッ化ジルコニウム(Zr
x )、フッ化イットリウム(YFx )などである。フ
ッ化物3の組成、はSEM・EDX法などによって測定
することができる。
【0105】フッ化物3の大きさ、厚み、組成などの形
成状態は、エッチング時の基板温度、ガス圧などのエッ
チング条件によって調整することが可能である。
【0106】以上の工程により製造した圧電構造体を用
いて、以下の工程に従って複合圧電振動子を製造する。
【0107】(2)有機充填物を充填する工程 図8(i)に示すように、エッチングにより形成された
開口部14に少なくとも部分的に有機充填物2を充填す
る。有機充填物2としては、前述したように、圧電体1
との密着強度の高い有機充填物2であれば特に限定され
ないが、柔軟性のある有機充填物2が好ましい。
【0108】有機充填物2の充填の仕方としては、圧電
構造体を密閉容器の中に置いて容器内を真空引きしなが
ら、容器に別に設けた注入口から有機充填物2を注入し
て、圧電構造体に有機充填物2を充填する方法などが挙
げられる。充填した後、有機充填物2を固化させる。固
化させる方法としては、例えば有機充填物2が熱硬化性
樹脂の場合には加熱により硬化させるなどが挙げられ
る。
【0109】(3)電極付与および圧電性付与の工程 図8(j)に示すように、有機充填物2を充填した圧電
構造体の背面から研削・研磨を行う。研削・研磨は、充
填した有機充填物2が背面に露出するまで行う。例え
ば、図8(i)に示したような破線部Aまで、背面から
研削・研磨を行う。このように有機充填物2が露出する
まで研削・研磨を行うことで、エッチングによって柱状
圧電体1からなる圧電構造体が形成された場合には、各
柱状圧電体1が互いに完全に離れた圧電構造体に有機充
填物2が充填された複合体を得ることができる。
【0110】なお、背面からの研削・研磨は行わなくて
も良い場合がある。そのような場合としては、例えば、
柱状圧電体1が互いに完全に離れていなくても、複合圧
電振動子としての特性がほとんど変わらない場合であ
る。例えば、複合圧電振動子の電気機械結合係数の値
は、柱状圧電体1の側面が完全に離れていなくても、長
手軸に沿った80%以上の側面において離れていれば、
言い換えれば長手軸に沿った20%以下において互いに
接続されていても、ほとんど同様である。
【0111】また、ニッケルなどからなるマスクをエッ
チング除去し、その後、再度スパッタなどにより再度均
一な電極を成膜しても良いことは言うまでもない。
【0112】次に、図8(k)に示すように、有機充填
物2が露出した圧電構造体の前面および背面に電極15
を付与する。通常、電極15は、圧電構造体の前面全面
および背面全面に形成され、各面において共通電極とし
て機能する。すなわち、例えば圧電構造体の前面におい
ては、エッチング除去されずに残った圧電体ブロック8
上に残存するニッケル13などからなるマスクがすべて
つながるように、露出する有機充填物2を含む前面の全
面に電極15は形成される。
【0113】前面および背面に電極15を付与したの
ち、両電極15間にDC電圧を印加して圧電体1の分極
処理を行って圧電体1に圧電性を付与する。分極処理
は、例えば図8(k)に示した構造を80℃程度に加温
しながら電極15間にDC電圧を印加して行う。
【0114】最後に、外形を四角形または円形などに加
工することにより、複合圧電振動子が得られる。
【0115】次に、図10を参照して、ディープRIE
法によるエッチングを用いて複合圧電振動子を製造する
方法について説明する。
【0116】本方法は、エッチング工程の部分以外は、
図8を参照して説明した前述の製造方法と同じである。
【0117】つまり、図10(a)〜(f)の工程は、
図8(a)〜(f)の工程と同様である。そして、図1
0(g)〜(j)に示したディープRIE法によるエッ
チング工程を、図8(g)〜(h)に示したエッチング
工程の代わりに行う。エッチングのあとの図10(k)
〜(m)の工程は、図8(i)〜(k)の工程と同様で
ある。
【0118】以下、図10(g)〜(j)のエッチング
工程の部分についてのみ説明する。
【0119】ディープRIE法を用いる場合には、前述
したエッチング用の反応性ガスの他に、マスキング用の
膜の生成に用いるイオンを生成するためのガスも用い
る。このようなガスとしては、例えばC4 8 である。
【0120】本製造方法のエッチング工程においては、
まず、図10(g)に示すように、上述の反応性ガスを
用いた反応性イオンエッチングを行って開口部14を形
成する。次に、図10(h)に示すように、マスキング
用の膜を生成するためのガスのプラズマを用いて、エッ
チングにより形成された開口部14を含む試料の表面に
マスキング用の膜16を形成する。次に、図10(i)
に示すように、膜16の上から再び反応性イオンエッチ
ングを行う。反応性イオンエッチングにより、ニッケル
膜13の上面および開口部14の底面はエッチングされ
るが、エッチングレートの低い開口部14の側面はマス
キング用の膜16によって保護されているためエッチン
グされない。このように、開口部14の側面がエッチン
グされず底面のみがエッチングされることで、開口部1
4の深さが増加する。
【0121】図10(h)〜(i)に示したエッチング
およびマスキングを、それぞれの条件を調整しながら繰
り返す。工程を繰り返す間隔としては、例えば数秒から
数分である。
【0122】このように工程を繰り返すことで、図10
(j)に示したように深さが非常に大きい開口部14を
形成することができる。非常に深い開口部14が形成さ
れることで、最終的に、高アスペクト比の柱状圧電体、
または非常に深い孔もしくは溝が形成された圧電体を作
製することができる。
【0123】また、エッチングおよびマスキングの工程
を、それぞれの条件を調整しながら繰り返すことによ
り、開口部14の側面に起伏を設けることができる。開
口部14の側面に起伏を設けることで、最終的に、起伏
のある側面を有する柱状圧電体、または起伏の設けられ
た側面を有する孔もしくは溝が形成された圧電体を作製
することができる。
【0124】なお、本製造方法においても、エッチング
用の反応性ガスとしてフッ化物を用いることで、前述し
たように、エッチングにより形成された開口部14の側
面にフッ化物を堆積させることができる。
【0125】また、本製造方法においても、エッチング
を妨げるフッ化ニッケル(NiFx)(Xは組成比)な
どのような堆積物が開口部14内に析出したときには、
前述したように、アルゴンなどの不活性ガスのイオンに
よるスパッタリング等によって堆積物を物理的に除去す
るなどを行えば良い。
【0126】(II)最初に背面電極を形成する製造方
法 図11を参照して、各工程について説明する。
【0127】(1)圧電構造体を製造する工程 (1−a)圧電体ブロックを作製する工程(図11
(a)) まず、図8(a)での説明と同様に、圧電体ブロック8
を作製する。
【0128】次に、作製した圧電体ブロック8の背面全
面に背面電極17を形成する。
【0129】この背面電極17は、後述するように、エ
ッチングの終点を定めること、および圧電構造体に付与
すべき電極の一方となることに寄与する。
【0130】背面電極17としては、エッチングの選択
比(エッチングレート)が圧電体ブロック8と比較して
低い導電性材料であれば特に限定されず、また形成方法
も特に限定されない。このような背面電極17として
は、例えば、無電解メッキで形成されたニッケル膜など
が挙げられる。
【0131】(1−b)圧電体ブロックにマスクを形成
する工程(図11(b)〜(f)) 図8(b)〜(f)での説明と同様に、圧電体ブロック
8をエッチングするためのニッケル膜13などからなる
マスクを圧電体ブロック8に形成する。
【0132】(1−c)圧電体ブロックをエッチング加
工する工程(図11(g)〜(h)) 図8(g)〜(h)で説明したエッチング方法を用い
て、上述のようにして形成したマスクのパターンに従っ
て、圧電体ブロック8をエッチングする。
【0133】エッチングは、エッチングにより形成され
る開口部14が前述の背面電極17に到達するまで続け
る。前述したように、背面電極17は圧電体ブロック8
よりも低いエッチングレートを有しているため、エッチ
ング速度は背面電極17に到達したところで遅くなる。
そのため、それぞれの開口部14の深さを背面電極17
の位置に揃えることができる。つまり、背面電極17を
終点としてそれぞれの開口部14のエッチングを行うこ
とができる。
【0134】なお、ディープRIE法によるエッチング
を用いる場合には、前述したように、エッチングとマス
キングの工程をそれぞれの条件を調整しながら繰り返し
て、開口部14が背面電極17に到達するまで続ける。
【0135】背面電極17を終点としたエッチングが行
えるため、エッチング時間を厳密に管理する必要がなく
なり、エッチング工程の管理が容易となる。
【0136】また、断面積の大きさの違う開口部14を
同時に圧電体ブロック8に形成するときに、断面積の大
きさが違う開口部14ごとに深さ方向のエッチングレー
トが異なることがある。このように開口部14によって
深さ方向のエッチングレートが異なる場合であっても、
背面電極17を終点としてエッチングが行えるために、
それぞれの開口部14の深さを背面電極17の位置に揃
えることが可能となる。
【0137】また、前述したように、背面電極17は圧
電構造体に付与すべき電極の一方となる。つまり、後述
の電極付与の工程において圧電体ブロック8に背面電極
17を付与する必要がない。そのため、電極付与の工程
において、電極を付与するために圧電体ブロック8の背
面を研削・研磨する必要がなくなるため、圧電構造体ひ
いては複合圧電振動子を製造する際の歩留まりを大幅に
向上させることができる。
【0138】なお、本製造方法においても、エッチング
用の反応性ガスとしてフッ化物を用いることで、前述し
たように、エッチングにより形成された開口部14の側
面にフッ化物を堆積させることができる。
【0139】また、本製造方法においても、エッチング
を妨げるフッ化ニッケル(NiFx)(Xは組成比)な
どのような堆積物が開口部14内に析出したときには、
前述したように、アルゴンなどの不活性ガスのイオンに
よるスパッタリング等によって堆積物を物理的に除去す
るなどを行えば良い。
【0140】(2)有機充填物を充填する工程(図11
(i)) 図8(i)で説明した有機充填物2、および充填の仕方
によって、開口部14に有機充填物2を充填する。
【0141】(3)電極付与および圧電性付与の工程
(図11(j)) 図8(k)で説明した電極材料および電極形成の方法を
用いて、有機充填物2が露出した圧電構造体の前面にの
み電極15を付与する。圧電構造体の背面から研削・研
磨をする必要はない。
【0142】前面に電極15を付与したのち、前面の電
極15および背面電極17の両方にDC電圧を印加して
圧電体1の分極処理を行って圧電体1に圧電性を付与す
る。分極処理は、例えば図11(j)に示した構造を8
0℃程度に加温しながら電極15、17にDC電圧を印
加して行う。
【0143】最後に、外形を四角形または円形などの加
工することにより、複合圧電振動子が得られる。
【0144】<第1〜第5の形態の圧電構造体を用いた
複合圧電振動子の製造方法の例>次に、前述した第1〜
第5の形態の圧電構造体を用いた複合圧電振動子を製造
する方法について説明する。
【0145】図1に示した第1の形態の圧電構造体を用
いた複合圧電振動子は、例えば、SF6 ガスを用いたR
IE法のエッチングにより、図8に示した工程に従って
製造することができる。そして、図8(h)に示したよ
うに、側面が深さ方向に平行である開口部14を圧電体
ブロック8に形成することができる。その結果、図1に
示したような側面が長手軸と実質的に平行となっている
柱状圧電体1からなる圧電構造体を作製することができ
る。
【0146】この圧電構造体に有機充填物2を充填した
複合体の厚みは、例えば約100μmである。この複合
体に電極付与および圧電性付与を行い、複合圧電振動子
を得る。
【0147】図2に示した第2の形態の圧電構造体を用
いた複合圧電振動子は、例えば、CF4 ガスを用いたR
IE法のエッチングにより、図11に示した工程に従っ
て製造することができる。
【0148】エッチング時の基板温度およびガス圧など
のエッチング条件を変えることで、図11(h)に示し
たように、深さ方向を示す軸に対して側面がほぼ一定の
角度で傾斜している開口部14を圧電体ブロック8に形
成することができる。その結果、図2に示したような側
面には一定のテーパが設けられた圧電体1からなる圧電
構造体を作製することができる。
【0149】図3に示した第3の形態の圧電構造体を用
いた複合圧電振動子は、例えば、SF6 ガスを用いたI
CP法のエッチングにより、図12に示した工程に従っ
て製造することができる。
【0150】図12に示した(a)〜(j)の工程は、
エッチング条件が異なる以外は、図11に示した(a)
〜(j)の工程と同様である。
【0151】図12(g)〜(h)のエッチング工程に
おいて、エッチング条件としては、例えば、自己バイア
スを−400V、ガス圧を10mTorr、エッチング
時の圧電体ブロックの温度を−50℃とする。また、エ
ッチングは磁場をかけながら行う。
【0152】そして、エッチング時の誘導電力などのエ
ッチング条件を調整することにより、図12(g)に示
すように、深さ方向を示す軸に対して側面がほぼ一定の
角度で傾斜しており、この傾斜した側面が底部で衝突し
て一つの点または辺を形成している開口部14を、圧電
体ブロック8に形成することができる。さらにエッチン
グ条件を調整することにより、図12(h)に示すよう
に、側面が衝突した一つの点または辺からまっすぐ下方
に非常に狭い隙間4、例えば数10nmから数μmの直
径または幅の隙間4を形成することができる。このよう
な隙間4を形成することによって、図3に示したよう
に、一方の端部の付近にテーパが設けられた柱状の圧電
体1を非常に狭い隙間4で互いに離間に配置した圧電構
造体を形成することができる。
【0153】図4および図5に示した第4の形態の圧電
構造体を用いた複合圧電振動子は、例えば、反応性ガス
としてSF6 ガス、およびマスキング用の膜を生成する
ためのガスとしてC4 8 ガスを用いたディープRIE
法によって、図10に示した工程に従って製造すること
ができる。
【0154】そして、エッチング時およびマスキング時
の条件を調整することによって、側面に起伏のある開口
部14を圧電体ブロック8に形成することができる。側
面が起伏している開口部14を形成することによって、
図4および図5に示したような側面に起伏のある柱状圧
電体1からなる圧電構造体を製造することができる。
【0155】図6に示した第5の形態の圧電構造体を用
いた複合圧電振動子は、例えば、反応性ガスとしてSF
6 ガス、およびマスキング用の膜を生成するためのガス
としてC4 8 ガスを用いたディープRIE法によっ
て、図10に示した工程に従って製造することができ
る。
【0156】そして、エッチング時およびマスキング時
の条件を調整することによって、圧電体ブロック8に非
常に深い開口部14を形成することができる。このよう
な開口部14を形成する結果、図6に示したような、一
方の表面から少なくとも1つの貫通もしくは未貫通の孔
5もしくは溝7が形成された圧電体ブロック6からなる
圧電構造体を製造することができる。
【0157】以上、説明した本発明に係る複合圧電振動
子には、以下に示すような変形例が考えられる。
【0158】(1)複合圧電振動子は、圧電構造体の有
する少なくとも1つの圧電体が他の圧電体と異なる体積
を有することが好ましい。
【0159】圧電体の体積が異なると圧電体の共振周波
数が異なり、圧電体が送受する超音波の周波数が異な
る。従って、少なくとも1つの圧電体が他の圧電体と異
なる体積を有することで、複合圧電振動子全体としての
帯域が広くなり、超音波探触子とした際に比帯域が広が
る。
【0160】少なくとも1つの圧電体が他の圧電体と異
なる体積を有するというのは、例えば複数の100本の
圧電体1のうち1本だけが他の99本の圧電体と異なる
体積を有していても良いし、または、複数の100本の
圧電体のうち2本だけが他の98本の圧電体と異なる体
積を有していても良いし、または、複数の100本の圧
電体がすべて異なる体積を有していても良いという意味
である。
【0161】このように少なくとも1つの圧電体が他の
圧電体と異なる体積を有する複数の圧電体を、複合圧電
振動子内に配置する仕方としては、特に限定されない。
【0162】例えば、最も小さい体積を有する圧電体を
中心部に配置して、その周りに中心から周囲に向かって
例えば放射状に圧電体の体積が増加するように圧電体が
配置されていても良い。また、最も大きい体積を有する
圧電体を中心部に配置して、その周りに中心から周囲に
向かって例えば放射状に圧電体の体積が減少するように
圧電体が配置されていても良い。または、ある圧電体を
中心部に配置して、その周りに中心から周囲に向かって
例えば放射状に圧電体の体積が増加と減少を繰り返すよ
うに圧電体が配置されていても良い。または、少なくと
も1つの圧電体が他の圧電体と異なる体積を有する複数
の圧電体が、振動子内で不規則に配置されていても良
い。
【0163】図13は、最も小さい体積を有する圧電体
1を中心部にして、その周りに中心から周囲に向かって
圧電体1の体積が増加するように圧電体1が配置されて
いる複合圧電振動子の形態を示す図である。図13
(a)は四角形の形状の複合圧電振動子の例を示す平面
図であり、図13(b)は円形の形状の複合圧電振動子
の例を示す平面図である。
【0164】このような複合圧電振動子において、中心
部の圧電体1は体積が小さいために、例えば細い棒の縦
振動(N33)モードで振動し、圧電体1の共振周波数
としては例えば約13MHzとなる。
【0165】一方、外周部の圧電体1は体積が大きいた
めに、例えば板の厚み振動(Nt)モードで振動し、圧
電体1の共振周波数としては例えば約20MHzとな
る。
【0166】また、中心部と外周部の中間に位置する圧
電体1は、その体積がやはり中心部のものと外周部のも
のとの中間であり、中心周波数も例えば約13MHzと
約20MHzの中間の値を取る。
【0167】このように少なくとも1つの圧電体1が他
の圧電体1と異なる体積を有する複数の圧電体1を作製
する方法としては、圧電体1の長手軸に垂直な断面積に
ついて少なくとも1つの圧電体1が他の圧電体1と異な
る断面積を有するように複数の圧電体1を形成するか、
または少なくとも1つの圧電体1が他の圧電体1と異な
る長手方向の長さを有するように複数の圧電体1を形成
することなどが挙げられる。
【0168】圧電体1の長手軸に垂直な断面積について
少なくとも1つの圧電体1が他の圧電体1と異なる断面
積を有するように複数の圧電体1を形成する場合には、
例えば前述のエッチング用のマスクのパターンとして、
少なくとも1つの窓が他の窓と異なる断面積を有するよ
うに開けられているパターンを用いれば良い。そして、
例えば円柱状の圧電体1の体積が中心部で小さく外周部
で大きくなるようにするためには、中心部で例えば20
μm程度の小さな直径の円形の窓、外周部で例えば30
0μm程度の大きな直径の円形の窓、中心部と外周部の
間では例えば20μmと300μmの間の大きさ程度の
直径の円形の窓を有するようなパターンを用いれば良
い。
【0169】少なくとも1つの圧電体が他の圧電体と異
なる長手方向の長さを有するような複数の圧電体を形成
するには、例えば次のように行う。すなわち、前述のエ
ッチング用のマスクとして、長い圧電体のみをエッチン
グによって形成するための第1のマスクと、短い圧電体
のみをエッチングによって形成するための第2のマスク
とを用意する。そして、圧電体ブロック8に、まず、第
1のマスクを用いてエッチングを行って第1の圧電体を
形成する。次に、同じ圧電体ブロック8に、第2のマス
クを用いてエッチングを行って第2の圧電体を形成す
る。第1の圧電体を形成するエッチング時間は、第2の
圧電体を形成するエッチング時間よりも長くする。こう
して、同じ圧電体ブロック8に、第1の圧電体が第2の
圧電体よりも長手方向の長さが長いような、長手方向の
長さの異なる第1および第2の圧電体を形成することが
できる。
【0170】または、長手方向の長さが等しい圧電体1
を有する圧電構造体をエッチングによって作製して圧電
体1の隙間に有機充填物2を充填したのち、圧電構造体
の背面を研削・研磨するときに、背面が凹面状または凸
面状となるように研削・研磨する。
【0171】圧電構造体の背面を凹面状または凸面状と
することにより、圧電構造体の有する圧電体1の長手方
向の長さは等しくなくなる。つまり、背面が凹面状であ
るときには、圧電構造体の中心部に配置された圧電体1
の長さは、圧電構造体の外周部に配置された圧電体1よ
りも短い。また、背面が凸面状であるときには、圧電構
造体の中心部に配置された圧電体1の長さは、圧電構造
体の外周部に配置された圧電体1よりも長くなる。こう
して、少なくとも1つの圧電体1が他の圧電体1と異な
る長手方向の長さを有するような複数の圧電体1を形成
することができる。研削・研磨された背面に電極を形成
したのち、複合圧電振動子を製造する。
【0172】なお、研削・研磨は、背面だけでなく、背
面および前面の両面について行っても良い。つまり、両
面とも凹面状または凸面状となるように研削・研磨して
も同様の効果が得られる。研削・研磨された両面に電極
を形成したのち、複合圧電振動子を製造する。
【0173】なお、上述したように、圧電体1の長手軸
に垂直な断面積について少なくとも1つの圧電体1が他
の圧電体1と異なる断面積を有するように複数の圧電体
1を形成する方法、および少なくとも1つの圧電体1が
他の圧電体1と異なる長手方向の長さを有するように複
数の圧電体1を形成する方法は併用しても良い。
【0174】(2)また、本発明に係る複合圧電振動子
は、圧電体1の2つの端面を含む面にそれぞれ全面に形
成された2つの電極のうち、少なくとも一方の電極が複
数に分割されていることが好ましい。そして、分割され
た電極ごとに独立して、圧電体1を駆動させるための電
圧を印加し、圧電体1からの信号を受信できることが好
ましい。
【0175】電極を分割することで、超音波を送受する
面積および位置が異なる複数の超音波送受面を、一枚の
複合圧電振動子の中に形成することができるため、超音
波探触子としての性能を高めることができる。
【0176】例えば、超音波の焦点を切換えることがで
きる。つまり、例えば、分割した電極の一部を使用して
複合圧電振動子内の一部の圧電体1のみを駆動すれば、
細い超音波ビームを発振させることができ、近距離の対
象物との間で超音波を送受することに適する。また、電
極のすべてを使用して全部の圧電体1を駆動すれば、強
力な超音波ビームを発振させることができ、遠距離の対
象物との間で超音波を送受することができる。
【0177】特に、前述した少なくとも1つの圧電体1
が他の圧電体1と異なる体積を有する複数の圧電体1を
有する複合圧電振動子において、異なる体積の圧電体1
ごとに電極を分割して、分割した電極ごとに独立して信
号をやりとりできることが好ましい。
【0178】前述したように、圧電体1の体積が異なる
と、圧電体1が送受する超音波の周波数が異なる。従っ
て、異なる体積の圧電体1ごとに異なる電極を設けるこ
とで、異なる周波数の超音波を一つの複合圧電振動子で
送受することが可能となる。
【0179】高い周波数の超音波は分解能は高いが、音
波の減衰が大きいために深達度が浅い。一方、低い周波
数の超音波は分解能は低いが深達度が深い。従って、異
なる体積の圧電体1ごとに電極を分割して、分割した電
極ごとに独立して信号をやりとりすれば、一枚の振動子
で多周波数の超音波を送受する機能を有するとともに、
音響放射軸を合わせることが容易となる。音響放射軸を
合わせることが容易となるため、超音波探触子として観
察する際に周波数を切り替えても同位置にある対象物を
観察することが可能となる。
【0180】分割する電極の形状および数は、使用用途
によって様々に変えることができる。例えば、上述の超
音波の焦点を切換える場合には、細い超音波ビームを発
振させるための電極を複合圧電振動子の中央部に配置す
ることなどが挙げられる。また、複合圧電振動子の片面
の電極のみを分割しても良いし、両面の電極を分割して
も良い。
【0181】例としては、複合圧電振動子の中心部と外
周部とで異なる体積の圧電体1を配置し、電極を中心部
と外周部とに分割して形成しても良い。
【0182】図14は、前面に形成された電極が15a
および15bに分割されている複合圧電振動子の一例を
示す平面図である。図14においては、見やすくするた
めに、分割された電極15aおよび15bの下に配置さ
れている圧電体1も見えるようにしてある。
【0183】この複合圧電振動子は、少なくとも1つの
圧電体1が他の圧電体1と異なる体積を有する複合圧電
振動子である。すなわち、小さい体積の圧電体1が中心
部に集まり、その周りに大きい体積の圧電体1が配置さ
れている。なお、部材18は、後述する電極端子接続部
である。また、複合圧電振動子の図示しない反対側の面
には、背面電極が全面に形成されている。
【0184】前面の電極は、中心部の電極15aと、こ
の電極15aの周囲に位置する外周部の電極15bとに
ギャップにより分割されている。中心部の電極15a
は、小さい体積の圧電体1が集まっている部分に対応
し、外周部の電極15bは大きな体積の圧電体1が集ま
っている部分に対応している。
【0185】より詳細には、中心部の電極15aにより
駆動される圧電体1は、体積が小さく、例えばアスペク
ト比が5程度であるような形状をなす。そのため、前述
したように、例えば棒の縦振動(N33)モードで振動
する。一方、外周部の電極15bにより駆動される圧電
体1は、体積が大きく、例えばアスペクト比が0.5以
下であるような形状をなす。そのため、例えば板の厚み
振動(Nt)モードで振動する。
【0186】従って、N33とNtとが異なる圧電材料
を圧電体1に使用すれば、中心部と外周部とでは探触子
として送受する周波数が異なる。従って、例えば中心部
では約13MHz程度の中心周波数で駆動できるととも
に、外周部では約20MHz程度の中心周波数で駆動で
きる探触子を作製することが可能となる。
【0187】(3)また、本発明に係る複合圧電振動子
は、図14に示したように、圧電体1とともに電極端子
接続部18を有していることが好ましい。そして、圧電
体1の2つの端面とともに電極端子接続部18の少なく
とも一部の表面が露出するように、圧電体1間および圧
電体1と電極端子接続部18との間に有機充填物が充填
されていることが好ましい。また、圧電体1と有機充填
物と電極端子接続部とは、一体に形成されていることが
好ましい。
【0188】電極端子接続部18を設けることにより、
探触子として使用する際に、電極への配線を電極上で直
接行うのではなく、電極端子接続部18上で行うことが
できる。電極端子接続部18上で配線を行うことができ
る結果、電極の下に充填されている有機充填物に熱によ
る損傷を与えることなく、半田やワイヤーボンディング
といった結線が容易に行える。
【0189】形成する電極端子接続部18は、1つであ
っても良いし、複数であっても良い。
【0190】電極端子接続部18を形成する材料として
は特に限定されないが、耐熱性の高い材料であることが
好ましい。耐熱性が高いことで、結線のさいに電極端子
接続部18自体が熱による損傷を受けることを極力抑え
ることができる。
【0191】耐熱性の高い材料としては、例えばセラミ
ックス材料、金属材料などが挙げられる。絶縁体である
必要はない。セラミックス材料としては、例えば、アル
ミナなどのほか、PZTなどの各種圧電セラミックス材
料などが挙げられる。また、金属材料としては例えば
銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0192】なお、電極端子接続部18に圧電セラミッ
クス材料を用いる場合には、有機充填物が充填された圧
電構造体に電極を付与するときに、圧電構造体の両面に
付与される電極が同じ電極端子接続部18と接続するこ
とがないようにする。
【0193】こうすることにより、圧電セラミックスか
らなる電極端子接続部18に両面の電極から電圧が印加
されることがない。電圧が印加されないので、電極付与
後の分極処理時に電極端子接続部18には圧電性が付与
されない。電極端子接続部18に圧電性が付与されない
ため、超音波探触子として使用するときに、電極端子接
続部18から超音波が発振されることはない。従って、
超音波探触子から放射される超音波の音場に影響を与え
ずに電極端子接続部18を用いることができる。
【0194】圧電構造体の両面に付与される電極が同じ
電極端子接続部18と接続することがないようにする方
法としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0195】すなわち、圧電構造体に2つの電極端子接
続部を設けて、圧電構造体の一方の面に付与された電極
は第1の電極端子接続部のみと接続され、他方の面の電
極は第2の電極端子接続部のみと接続されるように、電
極を付与する。
【0196】以上、説明した本発明に係る複合圧電振動
子を用いて製造する超音波探触子について、以下に説明
する。
【0197】図15は、本発明に係る複合圧電振動子を
用いて製造した超音波探触子の先端部の一例を示す概略
断面図である。
【0198】図15において、超音波探触子は、以下の
ような構造となっている。つまり、導電性を有するハウ
ジング19の内面に固着された絶縁筒20内に、背面負
荷材21が充填されている。背面負荷材21の前面に、
曲率を持たせた複合圧電振動子22が固定されている。
さらに、音響放射面となる複合圧電振動子22の前面に
音響整合層23が取付けられている。この音響放射面側
である複合圧電振動子22の前面は、導電性樹脂、また
は半田とリード線24などによってハウジング19に結
線されている。シグナル側となる複合圧電振動子22の
背面には、外部からのリード線25の信号線が低温半田
もしくは導電性樹脂26により結線されている。リード
線25のGND(グランド)線は、またハウジング19
にも低温半田もしくは導電性樹脂26により結線されて
いる。
【0199】図15に示した超音波探触子においては、
複合圧電振動子22はドライエッチング法を用いて製造
されている。そのため、前述したように、複合圧電振動
子22は微細で高密度に形成され圧電体と有機充填物と
の間の密着性が高いため、超音波探触子の分解能および
耐久性が向上している。
【0200】以上、本発明に係る実施形態に基づいて説
明してきたが、本明細書には以下の発明が含まれる。
【0201】エッチングを繰り返して行うことを特徴と
する圧電構造体の製造方法。
【0202】エッチングの途中で圧電体の試料をエッチ
ング反応容器から取り出し、この試料に再度マスクを形
成したのちエッチング反応容器へ戻して、再びエッチン
グを行うことを特徴とする圧電構造体の製造方法。
【0203】圧電体が圧電単結晶であることを特徴とす
る圧電構造体の製造方法および複合圧電振動子。
【0204】プラズマを用いたエッチング時に使用する
マスクが導電材料からなり、該マスクが複合圧電振動子
の電極を兼ねることを特徴とする圧電構造体の製造方法
および複合圧電振動子。
【0205】圧電体がリラクサー系強誘電体からなるこ
とを特徴とする圧電構造体の製造方法、および複合圧電
振動子。ここで、リラクサー系強誘電体とは、一般的に
鉛(Pb)を含むペロブスカイト化合物、すなわちPb
(B’B”)O3 の組成式(ここで、B’はマンガン
(Mg)や亜鉛(Zn)などの2価または3価の陽イオ
ンであり、B”はニオブ(Nb)やタングステン(W)
などの5価または6価の陽イオンである)を有する材料
である。リラクサー系強誘電体は、PZT系材料よりも
電気機械結合係数が大きく、圧電体として用いたときに
複合圧電振動子の圧電特性が向上する。
【0206】複合圧電振動子の有する第1および第2電
極のうち少なくとも一方の電極が分割されていることを
特徴とする複合圧電振動子。
【0207】圧電体とともに外部と配線可能な電極端子
接続部を有し、圧電体の両端面とともに電極端子接続部
の少なくとも一部の表面が露出するように圧電体間およ
び圧電体と電極端子接続部の間に有機充填物が充填さ
れ、各圧電体の両端面を含む平面の少なくとも一方の平
面が電極端子接続部と接続するように、各圧電体の両端
面を含む平面に電極が形成されていることを特徴とする
複合圧電振動子。
【0208】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明に係る圧
電構造体の製造方法によって微細に加工された圧電構造
体を製造することが可能となる。また、本発明に係る複
合圧電振動子によって、樹脂と圧電体との間の密着性が
高く微細で高密度化された複合圧電振動子を提供するこ
とができる。これらの結果、複合圧電振動子を用いた超
音波探触子の耐久性および分解能が向上する等の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合圧電振動子の一例を示す概略
斜視図および平面図。
【図2】本発明に係る圧電体の一例を示す概略斜視図。
【図3】本発明に係る圧電体の他の例を示す概略斜視
図。
【図4】本発明に係る圧電体の他の例を示す概略斜視
図。
【図5】本発明に係る圧電体の他の例を示す概略斜視
図。
【図6】本発明に係る圧電構造体の一例を示す概略斜視
図。
【図7】本発明に係る側面にフッ化物が形成された圧電
体の一例を示す概略斜視図。
【図8】本発明に係る複合圧電振動子の製造方法の一例
を示す概略工程図。
【図9】本発明に係るエッチング工程により形成された
側面にフッ化物が形成された開口部を示す概略断面図。
【図10】本発明に係る複合圧電振動子の製造方法の他
の例を示す概略工程図。
【図11】本発明に係る複合圧電振動子の製造方法の他
の例を示す概略工程図。
【図12】本発明に係る複合圧電振動子の製造方法の他
の例を示す概略工程図。
【図13】本発明に係る複合圧電振動子の他の例を示す
概略平面図。
【図14】本発明に係る複合圧電振動子の他の例を示す
概略平面図。
【図15】本発明に係る超音波探触子の先端部の一例を
示す概略断面図。
【符号の説明】
1…圧電体 2…有機充填物 3…フッ化物 4…隙間 5…孔 6…溝 7、8…圧電体ブロック 9…電極 10、11…フォトレジスト 12、13…ニッケル膜 14…開口部 15、15a、15b…電極 16…マスキング用の膜 17…背面電極 18…電極端子接続部 19…ハウジング 20…絶縁筒 21…背面負荷材 22…複合圧電振動子 23…音響整合層 24、25…リード線 26…導電性樹脂
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 3/02 H01L 41/08 C H04R 17/00 41/22 Z // H01L 21/3065 21/302 F (72)発明者 舟窪 朋樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 沢田 之彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 江刺 正喜 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉無番地 東 北大学内 (72)発明者 王 詩男 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉無番地 東 北大学内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体ブロックをエッチング用ガスのプ
    ラズマを用いて選択的にエッチングすることを特徴とす
    る圧電構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該エッチング用ガスとしてフッ化物を用
    い、反応性イオンエッチング法により該圧電体ブロック
    をエッチングすることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 離間配置された複数の柱状の圧電体と、 該柱状圧電体間の隙間を少なくとも部分的に充填する有
    機充填物と、 該柱状圧電体の各端面に電気的に接続される第1および
    第2の電極とを含む複合圧電振動子であって、 該柱状圧電体はその側面にフッ化物が形成されているこ
    とを特徴とする複合圧電振動子。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の表面から少なくとも1
    つの貫通もしくは未貫通の孔もしくは溝が形成された圧
    電体ブロックと、 該孔もしくは溝を少なくとも部分的に充填する有機充填
    物と、 該圧電体ブロックの該一方の表面および他方の表面に電
    気的に接続される第1および第2の電極とを含む複合圧
    電振動子であって、 該孔もしくは溝の側面にフッ化物が形成されていること
    を特徴とする複合圧電振動子。
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