JP2000307162A - 圧電構造体および複合圧電振動子の製造方法、複合圧電振動子 - Google Patents

圧電構造体および複合圧電振動子の製造方法、複合圧電振動子

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JP2000307162A
JP2000307162A JP11218899A JP11218899A JP2000307162A JP 2000307162 A JP2000307162 A JP 2000307162A JP 11218899 A JP11218899 A JP 11218899A JP 11218899 A JP11218899 A JP 11218899A JP 2000307162 A JP2000307162 A JP 2000307162A
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etching
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JP11218899A
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English (en)
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Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Norihiro Yamada
典弘 山田
Masaki Esashi
正喜 江刺
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細加工が可能なぺロブスカイト構造のバル
ク状の圧電体からなる圧電構造体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ぺロブスカイト構造の圧電体ブロックを
エッチング用ガスのプラズマを用いて選択的にエッチン
グすることを特徴とする圧電構造体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な加工が可能
な圧電構造体の製造方法、ならびに超音波探触子等に用
いる複合圧電振動子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探触子の構造は、『医用超音波機
器ハンドブック』((社)日本電子機械工業会編、コロ
ナ社、1985.4.20、p186)に示される様
に、両面に電極を形成した圧電セラミックス板からなる
圧電素子、該圧電素子の超音波を送受する側の面に形成
された音響整合層および音響レンズ、ならびに該圧電素
子の背面側に形成された背面負荷材が一体化された構成
となっている。
【0003】超音波探触子の駆動は、上記圧電素子にパ
ルサから百〜数百ボルト程度の電圧の駆動パルスを印加
して、該圧電素子を逆圧電効果により急速に変形させ、
変形により励起された超音波パルスを音響整合層および
音響レンズを経て放射することにより行われる。
【0004】発振された超音波パルスは、対象物から反
射された後に該音響レンズおよび音響整合層を経て圧電
素子に再入射し、圧電素子を振動させる。超音波パルス
を反射する対象物としては、医療用途に関しては体内の
各組織の界面であり、また非破壊検査用に関しては被測
定物内部の傷等の非連続部である。再入射した超音波パ
ルスにより発生した圧電素子の機械的振動は、圧電効果
により電気信号に変換されたのち、観測装置に送られて
画像化される。
【0005】一般的には、この超音波探触子には圧電セ
ラミックスが用いられるが、近年圧電セラミックスと樹
脂とを複合化した複合圧電体のロッドが、電気−機械エ
ネルギー変換器として実際に利用され始めている。
【0006】従来、複合圧電体のロッドの製造方法の一
つの例として、特開昭60−85699(以下、先行文
献1と記す)に示されているように、バルクの圧電体を
ダイシングして製造する方法がある。すなわち、ジルコ
ン酸チタン酸鉛等のバルクの圧電体を接着剤を用いて基
台に貼り付けたのち、基台上のバルク圧電体をダイシン
グ装置を用いてマトリクス状にダイシングする。そし
て、ダイシングにより形成された溝の部分にエポキシや
ウレタン製の樹脂を充填して硬化した後に、基台から取
り外して複合圧電体のロッドを得る。この方法には、圧
電体をダイシングにより裁断して溝に樹脂を充填して硬
化した後に基台から取り外す方法と、圧電体の途中まで
ダイシングして樹脂を充填して硬化した後に、基台から
取り外して研削もしくはスライスして複合圧電体のロッ
ドを得る方法とがある。
【0007】また、複合圧電体のロッドの製造方法の別
の例として、『Jpn.J.Appl.Phys.Vo
l.36(1997) pp.6062−6064』
(以下、先行文献2と記す)に示されているように、デ
ィープX線リソグラフィーと樹脂モールドなどを組み合
わせて高アスペクト比の圧電体を形成し、圧電体間に樹
脂を充填して複合圧電振動子を製造する方法がある。
【0008】具体的には、はじめに400μmの厚みの
MMA(メタクリル酸メチル)/MAA(メタクリル
酸)共重合体からなるレジスト膜を作製する。次に、該
レジスト膜にマスクを介してシンクロトロン放射光を照
射したのち現像して(ディープエッチX線リソグラフィ
ー)、複数の穴が開口されたレジスト構造体を得る。レ
ジスト構造体の複数の穴にPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)スラリーの注入を行う。スラリーの注入は、上記レ
ジスト構造体を樹脂型として用い、PZT粉体、バイン
ダー、および水からなるPZTスラリーを該穴に注入し
て行う。PZTスラリーを室温で乾燥固化させてPZT
グリーン体を得る。その後、酸素プラズマによって樹脂
型のみを除去して、PZTグリーン体を残す。残ったP
ZTグリーン体を500℃で脱脂(バインダー除去)
し、1200℃で本焼成を行う。焼成の結果、直径20
μm、高さ140μmの形状の複数のPZTロッドから
なるPZTロッドアレイが形成される。次に、このロッ
ドアレイにエポキシ樹脂を真空含浸して硬化させる。硬
化後、ロッドアレイの上下面をPZTロッドの両端の表
面が露出するまで研磨して平坦化し、平坦化した上下面
に金電極をスパッタリングにより成膜する。そして、ロ
ッドアレイをオイルバス中に浸漬した状態で電極に電圧
を印加して分極処理を行い、圧電性が付与された小型・
薄型な複合圧電振動子を得る。
【0009】しかし、上述の従来の方法によって製造さ
れた複合圧電体のロッドには以下のような不具合があっ
た。 (1)先行文献1に記載された方法により作製された複
合圧電体のロッドにおいては、ダイシングにより圧電体
の径を小さくしすぎると圧電体が壊れやすくなるため
に、圧電体の径を例えば100μm以下にすることは困
難であった。圧電体の径をあまり小さくできないため
に、アスペクト比を上げた複合圧電振動子を作製するこ
とが難しかった。そのため、診断装置の分解能を向上さ
せるために必要な、周波数を上げた高アスペクト比の複
合圧電体のロッドを製造することには限界があった。ま
た、圧電体をダイシングによって作製するために圧電体
の側面は平滑面となり、樹脂との接着にはアンカー効果
が期待できず、密着が不十分となり耐久性に問題があっ
た。さらに、圧電体をダイシングによって作製するため
に、圧電体は多角形を基本とする長手軸に沿ってまっす
ぐな形状のものしか得られず、そのため圧電体内で長手
軸に垂直な方向に振動する不要な振動モードが厚さ方向
の共振周波数近傍でも発生し、探触子とした際にノイズ
の原因となることが多かった。
【0010】(2)先行文献2に記載された方法により
作製された複合圧電体のロッドにおいては、圧電体が焼
成時に倒れないようにするために、圧電体の径は数十μ
mが限界であった。このため圧電体のアスペクト比を大
きくすることが難しく、周波数を上げた高アスペクト比
の複合圧電体のロッドを得ることには限界があった。ま
た、圧電体は樹脂型から作製するために、圧電体の側面
は平滑面でかつ決まった方向の傾きのみが許される。そ
のため、圧電体と樹脂との間の接着にはアンカー効果が
期待できず、密着が不十分となり耐久性に問題があると
ともに、圧電体の形状にも制限が多かった。さらに、樹
脂型を使用した際にはホットプレスやHIPがかけられ
ないために、高密度化を達成できず、本来持つ圧電体の
特性を十分に引き出すことができないでいた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微細加工が
可能なぺロブスカイト構造のバルク状の圧電体からなる
圧電構造体の製造方法、および樹脂と圧電体との間の密
着性が高く、不要な振動が発生しない、微細で高密度化
された複合圧電振動子およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ぺロブ
スカイト構造の圧電体ブロックをエッチング用ガスのプ
ラズマを用いて選択的にエッチングすることを特徴とす
る圧電構造体の製造方法が提供される。
【0013】本発明においては、前記エッチング用ガス
が塩素系ガスを含み、反応性イオンエッチング法により
前記圧電体ブロックをエッチングすることが好ましい。
【0014】また、本発明によれば、圧電体ブロックか
ら、塩素系ガスを含むエッチング用ガスによる反応性イ
オンエッチング法を用いて、互いに離間に配置されたま
たは一部が連結された複数の圧電体を作製する工程、圧
電体間に有機充填物を少なくとも部分的に充填する工
程、圧電体の両端を含む上下面に電極を形成する工程の
各工程を含むことを特徴とする複合圧電振動子の製造方
法が提供される。
【0015】さらに本発明によれば、互いに離間に配置
されたまたは一部が連結された複数のペロブスカイト構
造の圧電体と、圧電体間の隙間を少なくとも部分的に充
填する有機充填物と、圧電体の両端面を含む上下面に形
成された電極とを備え、各圧電体はその側面にうろこ状
の構造体が形成されていることを特徴とする複合圧電振
動子が提供される。
【0016】また、本発明においては、前記圧電体ブロ
ックがぺロブスカイト型圧電単結晶からなることが好ま
しい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず、圧電体
ブロックの一方の面(例えば上面)にエッチング用マス
クを形成した後、プラズマエッチングを施して圧電構造
体を製造し、製造した圧電構造体に樹脂を充填するなど
して複合圧電振動子を製造する。
【0018】圧電体ブロックには、大きな圧電特性の得
られるペロブスカイト構造の圧電体材料を用いる。ペロ
ブスカイト構造とは、いわゆる複合ペロブスカイト構造
を含むもので、極めて多様な組合わせが可能である。複
合ペロブスカイトは、各イオンの電荷の組合わせをみる
と、例えば、例えば、A2+(B’2+ 0.5B”6+ 0.5)O 3
やA2+(B’2+ 1/3B”5+ 2/3)O3等の組成式で表わさ
れる。ここで、A:アルカリ土類金属、アルカリ金属お
よび希土類金属のイオン、B’およびB’’:陽イオ
ン、O:酸素である。
【0019】ペロブスカイト構造の圧電体材料として
は、例えば、PbTiO3 (チタン酸鉛)系材料やPZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)系材料などが挙げられる。
PZT系材料としては、PbTiO3−PbZrO3−P
b(Mg1/3Nb2/3)O3系、PbTiO3−PbZrO
3−Pb(Co1/3Nb2/3)O3系、PbTiO3−Pb
ZrO3−Pb(Zn1/3Nb2/3)O3系などが挙げられ
る。PZT系材料を使用した場合には、例えば周波数定
数が、Ntが約2000Hz−m、N33が約1300
Hz−mの材料を用いることができる。
【0020】また、圧電体ブロックはペロブスカイト型
圧電単結晶であることが好ましい。それは、圧電単結晶
をエッチングした圧電構造体を用いると、非常に圧電特
性の優れた複合圧電振動子を作製することができるから
である。このような複合圧電振動子から作製された超音
波探触子においては、S/N比を向上させ高分解能化を
達成することができる。ペロブスカイト型単結晶として
は、PZN−PT系(亜鉛ニオブ酸鉛とチタン酸鉛系)
の固溶体単結晶の他、PMN−PT系(マグネシウムニ
オブ酸鉛とチタン酸鉛系)の単結晶などのその他の圧電
単結晶を使用しても、エッチング条件を変えることによ
り圧電構造体を作製することができる。圧電単結晶を用
いる場合には、その結晶方位を考慮して圧電体ブロック
を作製する。
【0021】圧電体ブロックに形成するマスクとして
は、圧電体と比較して選択比が大きい(エッチングレー
トの低いもの)であればよく、成膜方法、材料には限定
はされない。例としては、樹脂性レジスト、CVDで成
膜したSiO(酸化珪素)、Si(窒化珪
素)、電解メッキによるNi(ニッケル)、Cu(銅)
などの膜が挙げられる。
【0022】プラズマエッチングにより、圧電体ブロッ
クから例えばロッド状(柱状)の複数の圧電体を形成す
るか、または圧電体ブロックに複数の孔もしくは溝を形
成する。柱状の圧電体の形状としては、円柱、四角柱な
どがあり特に限定されない。孔の深さ方向に垂直な断面
としては、円形または四角形などがあり特に限定されな
い。溝の深さ方向における垂直な断面としても、直線状
または曲線状などがあり特に限定されない。プラズマを
用いたエッチング法は、ドライエッチングとしてSiプ
ロセスの分野で知られている方法である。プラズマエッ
チングとしては、例えば誘導結合型プラズマを用いた反
応性イオンエッチング(ICP-RIE)法を用いる。
【0023】エッチング用の反応ガスとしては、SF
(六弗化硫黄)ガスおよびC2 6(弗化炭酸ガス)な
どのフッ化物ガス、SF6 とKr(クリプトン)との混
合ガス、Cl(塩素)ガスおよびCCl4 (四塩化炭
素)ガスなどの塩素系ガス単独、塩素系ガスとC2 6
との混合ガス、またはプラズマ中で原子量もしくは分子
量の大きなイオンとなる物質を含む反応ガスと塩素系ガ
スとの混合ガスなどが挙げられる。原子量等の大きなイ
オンとなる物質を含む反応ガスとしては、例えば原子番
号が36のKrもしくはそれ以上の原子番号を持つ重い
元素(例えばKrやXe(キセノン))を含むガスなど
が挙げられる。以上のガスのうち、塩素などの塩素系ガ
ス、または原子量等の大きなイオンとなる物質を含む反
応ガスと塩素系ガスとの混合ガスを用いることが好まし
い。それは、塩素やフッ素による化学的なエッチングお
よび物理的なエッチングによって、圧電体側面のテーパ
形状の制御が容易に行えるからである。プラズマ中で原
子量等の大きなイオンとなる物質は、プラズマと試料と
の間のセルフバイアスを大きくすることで、被エッチン
グ体である圧電体への衝突速度そして衝突時のエネルギ
ーが増すため、物理的なエッチングに寄与する。
【0024】また、塩素系ガスを含む反応ガスを用いる
ことにより、エッチング加工された圧電体の側面または
孔もしくは溝の側面に、起伏を有する「うろこ状」の構
造体を形成することもできる。ここで、「うろこ状」で
あるとは、複数の島状の凸部が互いに接触しながら連続
して側面を覆っており、深さ方向に上下に接触し合う2
つの凸部については、接触部において下の凸部が上の凸
部の上に重なっている状態をいう。突起物である各凸部
は側面に密着して堆積しており、その形状は必ずしも他
の凸部と同じではない。各凸部はエッチングガスの反応
生成物からなる。例えば、弗化鉛、弗化ジルコニウム、
弗化イットリウム等が挙げられる。うろこ状の構造体の
状態は、エッチングの条件によって変えることができ
る。同一の条件でエッチングを続けると、エッチングが
進むにつれて、すなわち圧電体間の隙間または孔もしく
は溝が深くなるほど、側面上での各凸部の寸法は大きく
なる。言い換えれば、圧電体の断面積は底部においてほ
ど大きくなる。
【0025】上述した反応ガスにAr(アルゴン)、K
r、Xeなどの不活性ガスを混入してプラズマの安定化
を図ったり、O2 (酸素)などの種々の活性ガスを導入
してエッチングしても良い。Kr、Xeは前述した物理
的なエッチングの他、低圧下でのプラズマの安定化にも
寄与する。
【0026】本発明においては、バルクの圧電体ブロッ
クをプラズマエッチングして圧電構造体を作製する。そ
のため、圧電構造体は微細・高精度な形状を有する。従
って、圧電構造体から作製される複合圧電振動子も微細
で高密度なものとなり、また容易に小型化することがで
きる。また、圧電特性の優れたバルクの圧電セラミック
スを直接加工して作製するために、圧電特性が優れた複
合圧電振動子となる。さらに、エッチング加工によって
アスペクト比の高い圧電体を作製することができるた
め、複合圧電振動子の送受信特性を高くでき、ひいては
送受信信号のS/N比を向上させることができる。この
圧電構造体の製造方法は、圧電体を直接加工して溝(イ
ンクの流路)や孔(インク供給室)を形成し、インクジ
ェットプリンタヘッドを製造することにも適用できる。
【0027】また、エッチングによって圧電体の側面に
テーパーが付いていることにより、圧電体の長手軸以外
の振動モードが抑制され、不要な振動が低減する。その
ため、超音波探触子とした際にS/N比が向上し、高分
解能化を達成することができる。
【0028】さらに、圧電体の側面がうろこ状になって
いることにより、充填される樹脂との間でのアンカー効
果が高まり樹脂との密着強度が向上する。また、圧電体
はプラズマを利用したドライエッチング加工によって形
成されているため、その側面は切削屑や油分が付着して
おらず、清浄であり改質された状態である。そのため、
樹脂との密着強度はさらに向上し、最終的に作製される
超音波探触子の耐久性が向上する。さらに、樹脂との密
着強度が向上するために複合圧電振動子の曲げに対する
強度が向上し、凹面状をはじめとする複雑な形状に圧電
振動子を変形させることが可能となる。
【0029】前述したようにプラズマを発生維持させる
ガスを導入する以外に、エッチングの反応容器内で試料
を載置するステージ上もしくはステージ近傍に、プラズ
マエッチングによって揮発してプラズマ中でラジカルや
イオンとなる物質を載置してもよい。例えば、ステージ
上でサンプル近傍にテフロン(PTFE)等を載置して
SF6ガスによりプラズマを発生させると、反応生成物
でも揮発性の高い大きな分子量を持つラジカルやイオン
を発生させることができる。このようなラジカルやイオ
ンによって、エッチングした圧電体の側壁のテーパの角
度を制御することが容易になる。
【0030】また、エッチング時の圧電体の側壁等の形
状を制御するには、試料を載置したステージに対して高
周波を間欠的に印加した方が良い。間欠的に高周波を印
加することで、材料によって問題となるエッチング時の
側壁の角度を、プラズマを維持しながら改善することが
できる。これは、特に絶縁物である圧電体がチャージア
ップしてイオンが圧電体に垂直に入射しない場合に有効
である。また、間欠的なプラズマの発生は、反応生成物
を滞留させずに排気できるため、反応容器内の堆積物を
減らす効果もある。
【0031】ステージに印加する高周波は大きい方がエ
ッチングレートが向上して生産性が向上するため好まし
い。具体的にはセルフバイアスで−300V以下となる
ように高周波を印加することが好ましい。
【0032】また、ステージにあらかじめ正のバイアス
電圧を印加した上で高周波を乗せて、接地された反応容
器に対してステージ側を正電圧とし、負イオンによるエ
ッチングを行うことも可能である。例えば、Cl(塩
素)などのハロゲンが主となる負イオンを利用すること
で、圧電体に対するマスクの選択比を上げたエッチング
が可能になる。
【0033】エッチング加工する時の反応容器内の圧力
は、20mTorr(約2.7Pa)以下の低圧が好ま
しい。これは圧力を下げることによってイオンが他の分
子等に衝突する回数が減少するため、物理的なエッチン
グの速度が高まるからである。また、イオンやラジカル
が圧電体と反応してエッチングが行われる際に、反応生
成物が揮発しやすくエッチング速度が向上する効果もあ
る。
【0034】また、エッチング時の試料の温度は室温以
上である方が量産性に優れる。実際の圧電体には多くの
添加物が入っているため反応生成物は多種多様である。
添加物の中にエッチング中に揮発性の低い反応生成物に
なる物質があると、低温でのエッチングでは反応生成物
が堆積してエッチングが阻害される。室温以上の温度で
エッチングすることが、圧電体の主平面に対して垂直に
エッチングするためには好ましく、またエッチング速度
も向上する。例としては、添加物が多く入ったPZTな
どに対しては、基板温度は50〜300℃であることが
好ましい。エッチング中のプラズマの密度は高い方が高
速でエッチング加工可能であるため好ましい。ICP−
RIE法を行う際にコイルへ印加する高周波を100W
以上とし、ステージと対向する反応容器の内壁(例えば
石英板)とのギャップを狭くする方がプラズマ密度を上
げることが出来る。具体的にはギャップは50mm以下
が良い。
【0035】また、圧電体ブロックの背面に予め電極を
設けてから、マスクを形成した上面をエッチングしても
良い。背面電極の材料は、複合圧電振動子を製造する際
に圧電体に付与する電極の材料と同様である。そのた
め、背面電極の選択比は圧電体に対して大きく、背面電
極を終点としたエッチングを行うことができる。従っ
て、エッチング時間を厳密に管理する必要がなくなり、
エッチング加工の管理が容易となる。特に、エッチング
によって圧電体ブロック上面に形成する開口部の断面積
が異なると、開口部によって深さ方向のエッチレートに
差が生じることがある。このような場合でも、背面電極
を設けることにより、このエッチレートの差を背面電極
の部分で補正して、開口部の深さを背面電極の位置に揃
えることが可能である。また、背面電極を予め設けてお
くことによって、複合圧電振動子を製造する際に圧電体
の背面を研削して背面電極を設ける必要がないために、
歩留りが大幅に向上する。
【0036】プラズマエッチングをディープRIE法の
ICP法を用いて行っても良い。ディープRIE法は、
マスキングとエッチングの条件を調整してこれらを繰り
返すことにより、起伏のある側面を有するアスペクト比
の高い圧電体を形成することができるエッチング法であ
る。すなわち、塩素系ガス等を反応ガスとして用いたエ
ッチングだけでなく、プラズマ処理により活性化したガ
スと反応させて圧電体に膜を形成してマスキングするこ
とを、エッチングと交互に繰り返す。具体的には、例え
ば、塩素ガスのようなエッチングガスをチャンバー内に
導入する時間と、例えばC(弗化炭素)ようなマ
スキングのためのガスをチャンバー内に導入する時間と
を繰り返す。数秒から数分の間隔で繰り返すことによ
り、エッチング開口部のアスペクト比を大きくでき、か
つ圧電体の側面形状のようなエッチング形状の制御を容
易に行うことができる。また、マスキングとエッチング
の条件を変えてエッチングを繰り返すことにより、圧電
体の側面を概略柱状以外の他の形状にすることもでき
る。
【0037】ディープRIE法によって圧電体の側面が
起伏を有することにより、圧電体の長手軸以外の振動モ
ードが抑制されて不要な振動が低減する。また、樹脂と
の間でのアンカー効果が高まるため、樹脂との密着強度
が向上する。
【0038】以上のように製造した圧電構造体に樹脂等
の有機充填物を充填した後、研磨、電極付与、圧電性付
与を含む工程を施して複合圧電振動子を製造する。
【0039】有機充填物は、上述のエッチング工程によ
って形成された複数の圧電体間の隙間か、または圧電体
ブロックに形成された複数の孔もしくは溝に充填する。
充填する有機充填物としては、圧電体との密着強度の高
いものであれば特に限定されないが、柔軟性のあるもの
が好ましい。このような有機充填物としては、例えば、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙
げられる。
【0040】圧電構造体に有機充填物を充填すると圧電
振動子としての密度が下がるため、音響インピーダンス
(密度と音速の積)を人体の音響インピーダンスに近づ
けることができる。そのため、医療用超音波探触子を作
製した際、効率よく超音波を送受することができるよう
になる。つまり、感度が向上して分解能も向上するた
め、高精度の画像診断が可能となる。
【0041】有機充填物を充填したのち、圧電体ブロッ
クの背面を研磨して有機充填物を露出させ、圧電体ブロ
ックの上面および背面に電極を付与する。電極を形成す
る材料としては、電極の形成時に有機充填物に大きなダ
メージを与えないものであれば特に限定されない。この
ような電極材料としては、金属材料、化合物材料などが
ある。金属材料としては、例えば金(Au)、銅、チタ
ン、ニッケル、クロム(Cr)、銀、白金、およびこれ
らを組み合わせたクロム/金などの積層体が挙げられ
る。化合物材料としては、例えばITO(酸化インジウ
ム錫)などが挙げられる。電極の形成方法は特に限定さ
れないが、例えばスパッタリング、蒸着、イオンプレー
ティングなどを用いる。
【0042】なお、圧電体ブロックの背面を研磨せずに
電極を付与しても良い。つまり、柱状の複数の圧電体を
作製した場合に、各圧電体は背面部分で互いに連結され
ていても良い。それは、各圧電体は、圧電体の長手方
向、つまり分極軸の方向に沿って80%以上の部分で互
いに離れていれば、最終的な複合圧電振動子としては同
様な効果が得られるからである。電極を付与したのち、
必要に応じ電極にDC電圧を印加して各圧電体を分極す
る。分極により各圧電体に圧電性が付与される。
【0043】以上のようにして、複合圧電振動子が製造
される。
【0044】図1は、本発明に係る複合圧電振動子の一
例を示す概略斜視図である。図1(a)の複合圧電振動
子10は、互いに平行な複数の円柱状の圧電体1、各圧
電体1間に充填された有機充填物2、および圧電体1の
両端を含む上下面に形成された電極(図示せず)を備え
ている。圧電体1は、長手軸を互いに実質的に平行にし
て互いに離間に配置され、それぞれ長手軸と実質的に直
行する両端面を有している。有機物2は、各圧電体1の
両端面が露出するように圧電体1間に充填されている。
各圧電体1の両端面と有機物2とにそれぞれ接して電極
(図示せず)が形成されている。各圧電体1の有機物2
と接触する側面には、前述したようにうろこ状の突起が
形成され、起伏をなしている。
【0045】図1(b)の複合圧電振動子11は、図1
の複合圧電振動子とは逆の構造、つまり圧電体と有機充
填物とが逆になった構造をなしている。すなわち、圧電
体1、圧電体1に形成された複数の円形の孔に充填され
た有機充填物2、および圧電体1の上下面に形成された
電極(図示せず)を備えている。
【0046】図2は、図1(a)に示した複合圧電振動
子を用いて作製した超音波探触子の先端部の一例を示す
概略断面図である。図2の超音波探触子20は、以下の
ような構造を有している。導電性を有するハウジング2
1の内面に固着された絶縁筒22内に、背面負荷材23
が充填されている。背面負荷材23の前面に曲率を持た
せた複合圧電振動子10が固定されている。音響放射面
側となる複合圧電振動子10の前面には音響整合層24
が取付けられている。複合圧電振動子10の前面の一部
は、導電性樹脂、または半田とリード線25などによっ
てハウジング21に結線されている。シグナル側となる
複合圧電振動子10の背面には、外部からのリード線2
5の信号線が低温半田もしくは導電性樹脂26により結
線されている。リード線25のGND(グランド)線
は、ハウジング22に低温半田もしくは導電性樹脂27
により結線されている。
【0047】次に、図1に示した複合圧電振動子10、
11の製造方法の一例について、以下に説明する。微細
加工が可能な圧電構造体の製造方法、および圧電構造体
から複合圧電振動子を製造する方法は、以下の工程を含
んでいる。すなわち、(1)圧電体ブロックを作製する
工程、(2)圧電体ブロックにマスクを形成する工程、
(3)圧電体ブロックをエッチング加工する工程、
(4)有機物を充填する工程、および(5)研磨、電極
付与を行う工程である。
【0048】図3の工程図を参照して、各工程について
詳細に説明する。
【0049】(1)圧電体ブロックを作製する工程(図
3(a)) 一般的な方法によってバルクの圧電体ブロック31を作
製する。例えば、所望の組成で混合した圧電体材料の粉
体を仮焼し、粉砕し、成形性を向上させるためのバイン
ダーと混ぜ、整粒し、プレスによりペレットを作製す
る。次いで、含有する有機物を600℃程度で加熱して
除去し、1200℃程度の温度のもとでホットプレスに
よって焼結させて焼成体を得る。その後、スライサー、
平面研削盤、そして必要に応じて両面ラップ盤を用い
て、図3(a)に示すような、加工前の圧電体ブロック
31を成形準備する。
【0050】(2)圧電体ブロックにマスクを形成する
工程 図3(b)に示すように、圧電体ブロック31の表面に
スパッタリングによりCrそしてAuの下地電極32を
成膜する。
【0051】次に、図3(c)に示すように、下地電極
32上にフォトレジスト33を塗布する。レジスト33
層に所望のパターンを露光したのちに現像して、図3
(d)のようにレジストのパターン34を形成する。パ
ターン34は、図1に示したような圧電体1の形状、寸
法によるが、例えば圧電体1に対応する部分が残るよう
なパターンである。具体的なパターンの形状としては、
例えば、図1(a)に示すような円柱形状の圧電体1の
径に対応して、複数の円形部分が残るようなパターンで
ある。円形部分の径などの寸法は特に限定されない。レ
ジスト34のパターンを変えることで、いろいろな形状
の圧電体1を形成することができる。
【0052】次に、図3(e)に示すように、下地電極
32に負の電圧を印加して電解ニッケルメッキを行い、
レジストパターン34の開口部にニッケル35を堆積さ
せる。次に、図3(f)に示すように、レジスト34を
溶剤で除去して、ニッケルからなるエッチング用のマス
クパターン36を形成する。マスクパターン36の開口
部は、前述したレジストパターン34の残存部に対応し
ており、例えば前述したような円形をなしている。
【0053】(3)圧電体ブロックをエッチング加工す
る工程 図3(g)に示すように、プラズマを用いたエッチング
により、ニッケル層のパターン36に従って圧電体ブロ
ック31に開口部37を形成する。こうして、図3
(h)に示すように、例えば図1(a)で示したような
複数の圧電体1からなる圧電構造体が作製される。な
お、図1(b)で示した孔などを形成する場合には、そ
の深さは、圧電体1の形状、寸法によるが例えば120
μmであり、また孔などは圧電体ブロック31を貫通し
ていても貫通していなくても良い。
【0054】図4は、エッチングによって形成された圧
電体ブロック31の開口部37の側面の一例を示すため
の概略断面図である。前述したように、開口部37の側
面(すなわち圧電体1の側面)にはうろこ状の突起物4
0が堆積する。
【0055】(4)有機物を充填する工程 図3(i)に示すように、圧電体ブロック31の開口部
37に、有機充填物2を充填する。有機物2の充填の仕
方としては、図3(h)で作製した圧電ブロック31
(圧電構造体)を密閉容器の中に置いて容器内を真空引
きしながら、容器に別に設けた注入口から有機物2を注
入して、開口部37に有機物2を充填する方法などが挙
げられる。充填した後、有機物2を加熱などによる硬化
などによって固化させる。
【0056】(5)研磨、電極付与を行う工程 図3(j)に示すように、有機充填物2が充填された圧
電体ブロック31を、例えば背面を図3(i)の破線部
Aまで研削・研磨して背面の圧電体部分を除去し、圧電
体1と有機物2の両方を露出させる。こうして作製した
圧電体1と有機物2の複合体の厚みは、例えば約100
μmである。
【0057】次に、図3(k)に示すように、圧電体1
が露出する試料の上下面に電極38を設ける。電極38
を設けたのち、未分極の圧電体を用いた場合や分極が消
極した際には、電極38間にDC電圧を印加して圧電体
1の分極処理を行って圧電体1に圧電性を付与する。最
後に外形加工を行って、図1(a)に示したような複合
圧電振動子を完成させる。なお、下地電極32、マスク
として利用するニッケル36も複合圧電振動子の電極と
しての機能を有することは言うまでもない。
【0058】図5は、上述した(3)のエッチング工程
を行う上で好適な装置の一例を示す概略断面図である。
アルミ製のチャンバー51のほぼ中央に温調用のステー
ジ52が配置され、このステージ52の上に絶縁層53
を介してアルミ製のサンプル載置用ステージ54が取り
付けられている。ステージ54の上にサンプル55(圧
電体ブロック31)が載置される。ステージ54は、導
線56によってマッチングボックス(図示せず)を介し
て、高周波印加用の電源(図示せず)に接続されてい
る。温調用ステージ52に温調用媒体(フッ素系不活性
液体、水など)を流すための配管57が、外部からチャ
ンバー51の両側壁を貫通してステージ52に接続され
ている。温調用媒体によって載置用ステージ54の温度
が調節される。なお、エッチング用ガスとして塩素系ガ
スを含むガスを用いる場合には、チャンバー51および
ステージ54はアルミではなく耐食性のあるSUS(例
えば、SUS316)を用いて作製する。
【0059】チャンバー51の天井部に設けられた開口
部の大気側には、Oリング58を介して石英ガラスから
なる蓋59が配置されている。蓋59の下には、チャン
バー51の開口部の内周に沿ってリング状のガス導入管
60が配置されている。蓋59の上面のほぼ中央には、
上下方向に磁極が並んだ複数個の磁石61が、円周上に
所定の距離だけ離れて配置されている。なお、隣接する
磁石は極性が反転した構成に配置されている。これらの
磁極間に発生する磁力線が、蓋59の下のリング状のガ
ス導入管60の中心付近に及んでいる。両磁石61の上
端は、磁力線を強めるために、鉄などの磁性体62によ
って接続されている。磁石61の周囲の蓋59上には、
内部に冷却水が流れる一巻き型の誘導コイル63が配置
されている。コイル63は、導線64によってマッチン
グボックス(図示せず)を介して、高周波印加用の電源
(図示せず)と接続されている。
【0060】チャンバー51の床部に設けられた開口部
には、チャンバー51内を排気するためのターボ分子ポ
ンプ(TMP)65が接続されている。ポンプ65はさ
らにロータリーポンプ(図示せず)と接続されている。
ターボ分子ポンプ65を用いるなどして時間当たりに大
容量で排気できる装置ほど、エッチングレートが早くな
るため、一度に大量にエッチング処理ができる優れた装
置となる。
【0061】図5のエッチング装置は以下のように動作
する。チャンバ51内を排気しながら、ガス導入管60
からチャンバー51内に均一にエッチング用の反応ガス
を導入する。コイル63に13.56MHz等の高周波
電圧を印加して、石英ガラス59とステージ54との間
でプラズマを発生維持させる。磁石61から発生する磁
力線によって、プラズマが直接に蓋59に触れることが
防がれている。ステージ54に高周波電圧を印加して、
試料55とプラズマとの間でセルフバイアス電圧を発生
させ、試料のエッチングを行う。エッチング条件は、ス
テージ54の温度、チャンバー51内の圧力、コイル6
3およびステージ54へ印加する高周波の出力等の条件
を変えて調整する。
【0062】なお、エッチングによって圧電体1の側壁
のテーパの角度を調整するには、載置用ステージ54に
対してサンプル55のエッチング面が斜めになるように
取り付けると良い。具体的には、ステージ54とサンプ
ル55との間にクサビ型のスペーサを挟んでもよいし、
サンプル55自体が斜めに加工された物を用いてもよ
い。そして、ステージ54またはサンプル55を回転さ
せることで、圧電体1の側壁の角度を調整できる。ま
た、サンプル55が厚い場合には、ステージ54をサン
プル55の形状に合せて削っておくと、安定したプラズ
マが得られ安定したエッチングが可能となるため、歩留
り向上につながる。
【0063】図6は、本発明に係る複合圧電振動子の製
造方法の他の例を示す工程図である。図3に示した部材
と同一の部材には同一の符号を付けて、説明を省略す
る。
【0064】図6に示した製造方法は、予め圧電体ブロ
ック31の背面に無電界メッキを施してニッケルからな
る背面電極69を形成した以外は、図3に示した方法と
基本的に同様である。また、圧電体ブロック31には、
ソフト系のPZT系材料で厚みが130μmのものを使
用する。
【0065】エッチングの反応ガスには、塩素ガスとC
の混合ガスを用いる。そして、図6(h)に示す
ように、開口部37がニッケルメッキ電極69に到達す
るところまでエッチングを続ける。エッチングは、圧電
体1の側面に図4に示したようなうろこ状の突起物40
が形成されるように行う。さらに、エッチング中の反応
条件を変化させて、圧電体1の断面積が上面側と比較し
て下面側で大きくなり、側面がテーパを有するように調
整する。テーパの形状としては、圧電体1の上面側の直
径が10μmで下面側の径が20μmから、上面側が60
μmで下面側が70μmまでの複数の形状を含むようにす
る。
【0066】エッチング後、図6(i)に示すように、
開口部37に室温硬化して硬化後に硬度がショアーA9
0程度のエポキシ樹脂を充填する。そして、圧電体ブロ
ック31の上面に残ったニッケル36をつなぐように、
電極38を形成する。その後、80℃程度に加温して分
極処理を行い複合圧電振動子を得る。
【0067】なお、背面電極69を設けてエッチングす
る際に、予め圧電体ブロック31上面の下地電極32と
背面電極69とを接続するための導電層を圧電体ブロッ
ク31の側面部に設けておくことが好ましい。側面部の
導電層はスパッタリングなどによって形成する。このよ
うに下地電極32と背面電極69とが電気的に接続する
ことによって、エッチング中に絶縁物である圧電体ブロ
ック31がチャージアップすることを防止できる。その
ため、マイクロローディング効果を低減でき、またエッ
チングの際に圧電体1の側面のテーパの角度を調整する
ことが容易となる。側面部の導電層は、エッチング後、
除去する。
【0068】図7は、本発明に係る複合圧電振動子の製
造方法の他の例を示す工程図である。図3に示した部材
と同一の部材には同一の符号を付けて、説明を省略す
る。
【0069】図7に示した製造方法は、エッチングにデ
ィープRIE法を用いた以外は、図3に示した方法と基
本的に同様である。なお、下地電極32にはCr/Ti
の積層電極を用いる。
【0070】具体的には、まず図7(g)に示すよう
に、エッチングによって開口部37を形成する。次に、
図7(h)に示すように、マスキング用の膜を生成する
ためのガスのプラズマを用いて、開口部37を含む試料
の表面にマスキング用の膜71を形成する。次に、図7
(i)に示すように、膜37の上から再びエッチングを
行う。エッチングにより、ニッケル膜36の上面および
開口部37の底面はエッチングされるが、エッチングレ
ートの低い開口部37の側面はマスキング用の膜71に
よって保護されているためエッチングされない。こうし
て、開口部37の側面がエッチングされずに底面のみが
エッチングされることによって、開口部37の深さが増
加する。
【0071】上述の図7(h)および(i)に示したエ
ッチングおよびマスキングを、それぞれの条件を調整し
ながら繰り返すことで、図7(j)に示したように深さ
が非常に大きい開口部37を形成することができる。ま
た、エッチングおよびマスキングの工程を、それぞれの
条件を調整しながら繰り返すことにより、圧電体1の側
面に起伏を設けることができる。
【0072】図8に、側面に起伏が設けられた圧電体1
の例を示す。例えばマスクパターン36として円形の開
口部を有するものを用いれば、図8(a)に示したよう
に、圧電体ロッド1の長手軸に垂直な断面が円形を保っ
たまま、この断面の大きさがロッド1の長手軸に沿って
増減することで側面が起伏している概略柱状のロッド1
が得られる。また、四角形のパターン36を用いれば、
図8(b)に示したように、該垂直な断面が四角形を保
ったまま、この断面の大きさが長手軸に沿って増減する
ことで側面が起伏している概略柱状のロッド1が得られ
る。さらに、扇型のパターン36を用いれば、図8
(c)に示したように、該垂直な断面が扇型を保ったま
ま、この断面の大きさが長手軸に沿って増減することで
側面が起伏している概略柱状の圧電体1が作製できる。
なお、図8(a)〜(c)に示したように、圧電体1の
側面の起伏を長手軸に沿って周期的に増減させることも
できる。なお、図4に示したようなうろこ状の突起物4
0は、図8(a)〜(c)に示した圧電体1の起伏する
側面の上に形成される。
【0073】さらに、ディープRIE法のマスキングと
エッチングの条件を変えてエッチングを繰り返すことに
より、圧電体1の側面を概略柱状以外の他の形状にする
こともできる。図9に概略柱状以外の圧電体1の例を示
す。図9は、円形の開口部を有するマスクパターン36
を用いた例であるが、他の形状のパターンを用いても良
い。
【0074】例えば、図9(a)に示したように、圧電
体1の長手軸に垂直な断面の大きさが長手軸に沿って増
加と減少を繰り返しながら、増加する量が減少する量よ
りも常に大きいような圧電体1の形状を得ることができ
る。この場合、該断面積の増減の繰り返しにより圧電体
1の側面は起伏しているが、それとともに、該断面積は
平均として長手軸に沿って単調増加している。
【0075】また、図9(b)に示したように、圧電体
1の長手軸に垂直な断面の大きさが長手軸に沿って増加
と減少を繰り返しながら、最初はこの増加量が減少量よ
りも大きいが、途中で増加量が減少量よりも小さくなる
ような圧電体1の形状を得ることができる。この場合、
該断面積の増減の繰り返しにより圧電体1の側面は起伏
しているが、それとともに、該断面積は平均として長手
軸に沿って増加および減少している。さらに、図9
(c)に示すように、図9(b)に示した圧電体1の形
状が繰り返されている圧電体1を得ることも可能であ
る。
【0076】以上、説明した本発明に係る各形態におい
ては、変形例がいくつも考えられる。以下、代表的なも
のについて説明する。
【0077】(1)複合圧電振動子は、圧電構造体の有
する少なくとも1つの圧電体が他の圧電体と異なる体積
を有することが好ましい。圧電体1の体積が異なると圧
電体1の共振周波数が異なり、圧電体1が送受する超音
波の周波数が異なる。従って、少なくとも1つの該圧電
体1が他の該圧電体1と異なる体積を有することで、振
動子全体としての帯域が広くなり、探触子とした際に比
帯域が広がる。
【0078】少なくとも1つの圧電体1が他の圧電体1
と異なる体積を有するというのは、例えば100本の圧
電体1のうち1本だけが他の99本の圧電体1と異なる
体積を有していても良いし、例えば100本の圧電体1
のうち2本だけが他の98本の圧電体1と異なる体積を
有していても良いし、または、例えば100本の圧電体
1がすべて異なる体積を有していても良いという意味で
ある。
【0079】このように少なくとも1つの圧電体1が他
の圧電体1と異なる体積を有するように配列する仕方
は、特に限定されない。例えば、最も体積の小さい圧電
体1を中心にして、その周りに放射状に体積が増加する
ように圧電体1が配置されていても良い。また、最も体
積の大きい圧電体1を中心部にして、その周りに放射状
に体積が減少するように圧電体1が配置されていても良
い。または、ある圧電体1を中心部にして、その周りに
放射状に圧電体1の体積が増加と減少を繰り返すように
配列されていても良い。または、少なくとも1つの圧電
体1が他と異なる体積を有する複数の圧電体1が、振動
子内で不規則に配列されていても良い。
【0080】図1(a)に示した複合圧電振動子は、体
積の最も小さい圧電体1を中心部にして、その周りに放
射状に圧電体1の体積が増加するように配置されている
例である。中心部の圧電体1は体積が小さいために、例
えば細い棒の縦振動(N33)モードで振動し、圧電体
1の共振周波数としては例えば約13MHzとなる。一
方、外周部の圧電体1は体積が大きいために、例えば板
の厚み振動(Nt)モードで振動し、圧電体1の共振周
波数としては例えば約20MHzとなる。また、中心部
と外周部の中間に位置する圧電体1は、その体積がやは
り中心部のものと外周部のものとの中間であり、中心周
波数も例えば約13MHzと約20MHzのほぼ中間の
値を取る。
【0081】(2)同一高さの複数の圧電体1を作製
し、有機物充填後の研削工程で、片面もしくは両面が凹
面状もしくは凸面状となるように研削加工して複合圧電
振動子を作製しても良い。こうすることで、少なくとも
1つの圧電体1が他と異なる長さを有するように複数の
圧電体1を形成することでできる。そして、例えば片面
のみが凹型である複合圧電振動子、または片面のみが凸
型である複合圧電振動子、または両面が凹型または凸型
である複合圧電振動子を形成することができる。なお、
上述の(1)の方法と(2)の方法とは、併用しても良
い。
【0082】(3)本発明に係る複合圧電振動子は、複
数の圧電体1の両端面に形成された両電極38のうち、
少なくとも一方の電極38が分割されていることが好ま
しい。そして、分割された電極ごとに独立して、圧電体
1を駆動させるための電圧を印加し、圧電体1からの信
号を受けられることが好ましい。
【0083】電極38を分割することで、超音波を送受
する面積および位置が異なる圧電体1を、一枚の複合圧
電振動子の中に配置することができる。そのため、超音
波探触子としての性能を高めることができ、例えば、超
音波の焦点を切換えることができる。例えば、分割した
電極38の一部を使用して圧電体1の一部のみを駆動す
れば、細い超音波ビームを発振させることができ、近距
離の対象物との間で超音波を送受することに適する。ま
た、電極38のすべてを使用して全部の圧電体1を駆動
すれば、強力な超音波ビームを発振させることができ、
遠距離の対象物との間で超音波を送受することができ
る。
【0084】特に、前述した少なくとも1つの圧電体1
が他と異なる体積を有する複数の圧電体1において、異
なる体積の圧電体1ごとに電極38を分割して、分割し
た電極38ごとに独立して信号をやりとりできることが
好ましい。前述したように、圧電体1の体積が異なる
と、圧電体1が送受する超音波の周波数が異なる。従っ
て、異なる体積の圧電体1ごとに電極38を設けること
で、異なる周波数の超音波を一つの圧電振動子で送受す
ることが可能となる。高い周波数の超音波は分解能は高
いが、音波の減衰が大きいために深達度が浅い。一方、
低い周波数の超音波は分解能は低いが深達度が深い。従
って、異なる体積の圧電体1ごとに電極38を分割し
て、分割した電極38ごとに独立して信号をやりとりす
れば、一枚の振動子で多周波の機能を有する。加えて、
音響放射軸を合わせることが容易となり、超音波探触子
として観察している時に周波数を切り替えても同位置に
対する診断が可能となる。
【0085】分割する電極38の形状および数は、使用
用途によって様々に変えることができる。例えば、上述
の超音波の焦点を切換える場合には、細い超音波ビーム
を発振させるための電極38を複合圧電振動子の中央部
に配置することなどが挙げられる。さらに、複合圧電振
動子の片面の電極38のみを分割しても良いし、両面の
電極38を分割しても良い。例としては、複合圧電振動
子の中心部と外周部とで異なる体積の圧電体1を配置
し、電極38を中心部と外周部とに分割して形成しても
良い。
【0086】図10(a)は、上述のように少なくとも
1つの圧電体1が他と異なる体積を有する複合圧電振動
子に分極電極を付与した例である。小さい体積の圧電体
1が中心部に集まり、その周りに放射状に体積が増加す
るように圧電体1が配置されている。電極38は、中心
部の電極38aと、外周部の電極38bとにギャップに
よって分割されている。複合圧電振動子の図示しない反
対側の面には、電極が全面に形成されている。中心部の
電極38aは、小さい体積の圧電体1が集まる部分に対
応し、外周部の電極38bは大きな体積の圧電体1が集
まる部分に対応する。なお、図10(a)においては、
見やすくするために、分割電極38a、38bの下にあ
る圧電体1も見えるようにしてある。符号80は、後述
する電極端子接続部である。
【0087】より詳細には、中心部の電極38aによっ
て駆動される圧電体1は、体積が小さく、例えばアスペ
クト比が5程度であるような形状をなす。そのため、前
述したように、例えば棒の縦振動(N33)モードで振
動する。一方、外周部の電極38bによって駆動される
圧電体1は、体積が大きく、例えばアスペクト比が0.
5以下であるような形状をなす。そのため、例えば板の
厚み振動(Nt)モードで振動する。従って、N33と
Ntとが異なる圧電材料を使用すれば、中心部と外周部
とでは探触子として送受する周波数が異なる。こうし
て、例えば中心部で約13MHz程度の中心周波数で駆
動できるとともに、外周部で約20MHz程度の中心周
波数で駆動できる探触子を作製することが可能となる。
【0088】図10(b)は、前述の図3(i)で示し
たように樹脂2を充填した後、複数に分割したCr/A
u電極38を圧電体ブロック31の表面にスパッタによ
り成膜した例である。各圧電体1は、電極38を分割す
ることを想定してあらかじめ配列されており、電極38
の無い部分には圧電体1が無く樹脂2のみが配置される
構成となっている。図10(b)の複合圧電振動子は、
電子走査型の振動子として利用するものである。なお、
複合圧電体を湾曲してもちいるコンベックス型やラジア
ル型の振動子の場合には、湾曲させた状態で電極38を
成膜する方が、電極38の断線がなく信頼性が高いもの
となるため、好ましい。
【0089】(4)本発明に係る複合圧電振動子は、圧
電体1とともに電極端子接続部を有し、それぞれの圧電
体1の両端面とともに電極端子接続部の両端面が露出す
るように、圧電体1間および圧電体1と電極端子接続部
の間に有機物2が充填されていることが好ましい。ま
た、圧電体1と有機物2と電極端子接続部とは一体に形
成されていることが好ましい。
【0090】図11に示すように、電極端子接続部80
を設けることにより、探触子として使用する際に、電極
38への配線を電極38上で直接行うのではなく、電極
端子接続部80上で行うことができる。電極端子接続部
80上で配線を行うことができる結果、電極38の下に
充填されている有機物2に熱による損傷を与えることな
く、半田やワイヤーボンディングといった結線が容易に
行える。電極端子接続部80は、1つであっても良い
し、複数であっても良い。
【0091】電極端子接続部80を形成する材料として
は特に限定されないが、耐熱性の高い材料であることが
好ましい。耐熱性が高いことで、結線のさいに電極端子
接続部80自体が熱による損傷を受けることを極力抑え
ることができる。耐熱性の高い材料としては、例えばセ
ラミックス材料、金属材料などが挙げられる。絶縁体で
ある必要はない。セラミックス材料としては、例えば、
アルミナなどのほか、PZTなどの各種圧電セラミック
ス材料などが挙げられる。また、金属材料としては例え
ば銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0092】圧電セラミックス材料を用いる場合には、
図3(k)に示したように複合圧電振動子の両面に電極
38を形成するときに、両面の電極38が同じ1つの電
極端子接続部80に接触しないようにする。すなわち、
2つの電極端子接続部80を設けた場合に、一方の面の
電極38は第1の電極端子接続部80のみに接触し、他
方の面の電極38は第2の電極端子接続部80のみに接
触するように形成する。こうすることで、圧電セラミッ
クスからなる電極端子接続部80に両面の電極によって
電圧が印加されることがない。電圧が印加されないの
で、電極付与後の分極処理時に電極端子接続部80に圧
電性が付与されない。従って、超音波探触子として使用
するときに、電極端子接続部80から超音波が発振され
ない。こうして、放射される超音波の音場に影響を与え
ずに、電極端子接続部80を用いることができる。
【0093】なお、以上、説明した本発明の実施の形態
の各構成には、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0094】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、微細加工が可能なぺロブスカイト構造のバルク状の
圧電体からなる圧電構造体の製造方法、および樹脂と圧
電体との間の密着性が高く、不要な振動が発生しない、
微細で高密度化された複合圧電振動子およびその製造方
法が提供される。その結果、耐久性が向上し、高感度、
高分解能な画像を提供できる超音波探触子が実現できる
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合圧電振動子の一例を示す概略
斜視図。
【図2】本発明に係る超音波探触子の先端部の一例を示
す概略断面図。
【図3】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
一例を示す工程図。
【図4】本発明に係る圧電体の側面に形成されるうろこ
状の突起物を示すための概略断面図。
【図5】本発明に係るエッチング装置の一例を示すため
の概略断面図。
【図6】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
他の例を示す工程図。
【図7】本発明に係る複合圧電振動子を製造する方法の
他の例を示す工程図。
【図8】本発明に係る起伏を有する圧電体の一例を示す
概略斜視図。
【図9】本発明に係る起伏を有する圧電体の他の例を示
す概略斜視図。
【図10】本発明に係る複合圧電振動子の他の例を示す
概略平面図。
【図11】本発明に係る複合圧電振動子の他の例を示す
概略斜視図。
【符号の説明】
1…圧電体 2…有機充填物 10、11…複合圧電振動子 21…ハウジング 22…絶縁筒 23…背面負荷材 24…音響整合層 25…リード線 26、27…導電性樹脂 31…圧電体ブロック 32…下地電極 33…フォトレジスト 34…レジストパターン 35…ニッケル 36…マスクパターン 37…開口部 38、38a、38b…電極 40…突起物 51…チャンバー 52…温調用ステージ 53…絶縁層 54…サンプル載置用ステージ 55…サンプル 56、64…導線 58…Oリング 59…蓋 60…ガス導入管 61…磁石 62…磁性体 64…誘導コイル 65…ポンプ 69…背面電極 71…マスキング用膜 80…電極端子接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04R 1/00 330 H01L 41/18 101A 31/00 330 41/22 Z (72)発明者 舟窪 朋樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 沢田 之彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山田 典弘 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 江刺 正喜 宮城県仙台市太白区八木山南一丁目11番9 号 Fターム(参考) 2G047 CA01 GB11 GB30 GB32 GB35 4C301 EE16 EE20 GB14 GB20 GB22 GB33 GB37 5D019 AA26 BB03 BB08 BB20 BB25 BB28 GG11 HH01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ぺロブスカイト構造の圧電体ブロックを
    エッチング用ガスのプラズマを用いて選択的にエッチン
    グすることを特徴とする圧電構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング用ガスが塩素系ガスを含
    み、反応性イオンエッチング法により前記圧電体ブロッ
    クをエッチングすることを特徴とする請求項1記載の圧
    電構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記圧電体ブロックがぺロブスカイト型
    圧電単結晶からなることを特徴とする請求項1または2
    記載の圧電構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 圧電体ブロックから、塩素系ガスを含む
    エッチング用ガスによる反応性イオンエッチング法を用
    いて、互いに離間に配置されたまたは一部が連結された
    複数の圧電体を作製する工程、 圧電体間に有機充填物を少なくとも部分的に充填する工
    程、 圧電体の両端を含む上下面に電極を形成する工程の各工
    程を含むことを特徴とする複合圧電振動子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記圧電体ブロックがぺロブスカイト型
    圧電単結晶からなることを特徴とする請求項4記載の複
    合圧電振動子の製造方法。
  6. 【請求項6】 互いに離間に配置されたまたは一部が連
    結された複数のペロブスカイト構造の圧電体と、圧電体
    間の隙間を少なくとも部分的に充填する有機充填物と、
    圧電体の両端面を含む上下面に形成された電極とを備
    え、各圧電体はその側面にうろこ状の構造体が形成され
    ていることを特徴とする複合圧電振動子。
  7. 【請求項7】 前記圧電体がぺロブスカイト型圧電単結
    晶からなることを特徴とする請求項6記載の複合圧電振
    動子。
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