JPH11274614A - レーザ共振器のビーム軸ずれ検出装置およびビーム軸位置制御装置 - Google Patents

レーザ共振器のビーム軸ずれ検出装置およびビーム軸位置制御装置

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JPH11274614A
JPH11274614A JP8939898A JP8939898A JPH11274614A JP H11274614 A JPH11274614 A JP H11274614A JP 8939898 A JP8939898 A JP 8939898A JP 8939898 A JP8939898 A JP 8939898A JP H11274614 A JPH11274614 A JP H11274614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ装置のレーザ共振器におけるレーザビ
ーム軸の位置ずれを検出する装置を提供し、さらにレー
ザビーム軸を適正位置に保持するための制御装置を提供
する。 【解決手段】レーザ共振器における共振器ミラー2、3
の間に設置されるアパーチャベース6、7に、少なくと
も3片の光検出板8、9をビーム孔の周辺にほぼ等間隔
に配設してなり、光検出板には温度検出器または反射鏡
と光検出器が取り付けられていて光検出板にレーザ光が
照射するときにこれを検出して、レーザビーム軸がアパ
ーチャ中心からずれた方向および程度を知る。さらにこ
のビーム軸変位検出装置で求めたビーム軸のずれ方向に
基づいてビーム軸がアパーチャの中心に寄るように共振
器ミラーの姿勢を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ装置におい
て光軸安定化のために行う制御方法および装置に関す
る。特に、高出力レーザ装置における能動的光軸調整方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高出力レーザ装置では光の質を高
めるため共振器における光軸の安定性が問題となってい
た。この目的で、共振ミラーホルダをインバーなどの低
膨張率材料で支持してミラーの相対的角度を保持するな
どの工夫がなされていた。しかし近時、低次ガウシアン
ビームなど、さらに高品質のレーザビームに対する要求
が盛んになってきており、このような高品質レーザを得
るためには僅かなミラー角度の変位も無視できないた
め、作動中に制御する能動的な機構を用いなくては必要
とされる光軸安定性が得られなくなった。
【0003】従来、能動的光軸調整方法としてレーザ出
力をフィードバックする方法がよく用いられる。特開平
9−153654号公報にも、間欠的にミラー角度を微
少変位させてレーザ出力を観測して、より大きな出力が
得られる方向にミラー角度を調整する方法が開示されて
いる。
【0004】しかし、上記開示方法では、光軸が適正な
位置にある場合にも強制的にミラー角度を変動させてレ
ーザ出力が最大になる位置を観測するので、制御する目
的でかえって不要な外乱を与えて出力と光軸に揺らぎを
生じさせるという問題があった。さらに、レーザ出力を
決定するものには光軸位置の不適正以外にも種々の要因
があるので、レーザ出力のみに頼って光軸位置調整する
と結果的に正しい光軸位置からずれてしまう可能性もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、レーザ装置のレーザ共振器におけ
るレーザビーム軸の位置ずれを検出する装置を提供する
ことであり、またレーザビーム軸を適正位置に保持する
ための制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のレーザ共振器のビーム軸ずれ検出装置は、
レーザ共振器における共振器ミラーの間に設置されるア
パーチャにおいて、少なくとも3片の光検出板をビーム
孔の周辺にほぼ等間隔に配設してなり、該光検出板には
温度検出器が取り付けられていてレーザ光が照射して該
光検出板が昇温するときにこれを検出するようになって
いて、各温度検出器の測定出力を比較することにより、
レーザビーム軸がアパーチャ中心からずれた方向を知る
ことを特徴とする。
【0007】レーザビームの質を向上させるため、共振
器ミラー間にアパーチャを介設したレーザ発振器構造が
使用される。共振器ミラー間を往復して増幅するレーザ
光は軸中心から離れた成分をアパーチャにより除去して
共振しビームのエミッタンスを向上させる。正常時には
共振するビームの軸はアパーチャの中心孔の真ん中に位
置するが、経時により共振器ミラーの位置や姿勢が変化
したり、その他何らかの原因で共振器ミラー間のビーム
軸位置がずれ出力が変化したり出力軸が狂ったりする場
合が生ずる。このような場合には、ビーム軸位置がアパ
ーチャの中心孔からずれて偏心方向の縁に当たり、さら
には孔から外れて共振を継続できなくなる。
【0008】本発明のビーム軸ずれ検出装置は、共振し
ているビームが孔の中心からずれると孔周縁を部分的に
照射して加熱することに注目し、孔周縁に幾つかに分割
した光検出板を配設して光検出板相互の温度差を観測す
ることにより、ビームの変位方向を検出するものであ
る。光検出板の温度測定は熱電対や抵抗式温度検出端な
どを用いて簡便に行うことができる。
【0009】また、光検出板におけるレーザビーム軸の
偏向方向を光検出板の温度上昇により検出する代わり
に、光学的に検出することもできる。本発明の第2のビ
ーム軸ずれ検出装置は、上記発明と同じように光検出板
をアパーチャ開孔周縁部に配設するが、光検出板のビー
ム入射方向に面した先端縁に所定の傾きを持った反射面
を形成し、各反射面で反射する光を受ける光センサを各
反射面のそれぞれに対応して配設したものである。レー
ザビーム軸がアパーチャ中心からずれて光検出板の幾つ
かにレーザ光が照射すると光検出板からの反射光強度に
差が生ずるので、その偏差を検出してビーム軸のずれを
知ることを特徴とする。このような構成とすることによ
り応答性の良いビーム軸ずれ検出装置を得ることができ
る。
【0010】ビーム変位方向をアパーチャ表面位置の2
次元平面上で観測するためには、少なくとも3個の光検
出板を取り付ける必要がある。また、4枚の光検出板を
上下左右に互いに直交するように配設すると、検出結果
が直接直交座標上のビーム軸変位方向を表すことになる
ので信号処理が容易になる。なお、光検出板の数や配置
は目的に応じて適当に選択できることは言うまでもな
い。
【0011】また、光検出板の取付位置を調整する機構
を備え、アパーチャの開孔形状を調整できるようにして
もよい。レーザ発振条件により必要となるアパーチャ径
および形状が変化するため、光検出板の端をアパーチャ
孔の壁として位置調整することにより要求に対応できる
ようにすると、条件に合わせて多数のアパーチャを準備
する費用を省き、条件が変わる度に本体を取り替える手
間を省くことができる。特に、レーザビームの形状を変
化させて横モードを適当に制御するために使用すること
ができる。
【0012】なお、光検出板を取付けるアパーチャベー
スに冷却水を循環させて冷却するようにしてもよい。特
に高出力レーザ装置では共振器ミラー間で共振するビー
ムのエネルギが極めて大きいので、ビーム軸が変位して
アパーチャ周縁の部品に照射するとたちまち過熱して溶
融したり変形したりする。このため、ビームが直接照射
する可能性がある部分には銅などの熱伝導率が高い材料
を用いるが、強制冷却手段によりアパーチャの寿命を延
ばすことができる。しかも、温度変化を介して光照射部
位を検出する場合には、冷却水で効率よく除熱して蓄熱
させないようにすることにより応答性を向上させること
ができる。
【0013】上記課題を解決するため、本発明のレーザ
共振器のビーム軸位置制御装置は、1対の共振器ミラー
を備えこの共振器ミラーの間にアパーチャを備えたレー
ザ共振器において、アパーチャにビーム軸ずれ検出装置
を備え、共振器ミラーにミラー姿勢調整機構を備えて、
共振器ミラーの間を共振する共振ビームのビーム軸がア
パーチャ中心からずれた方向を検知し、ビーム軸のずれ
方向に基づいてビーム軸がアパーチャの中心に寄るよう
に共振器ミラーの姿勢を制御することを特徴とする。
【0014】レーザ装置におけるレーザ出力は共振器に
おけるビーム軸のずれにより変化するが、レーザ出力変
化の要因はこの他にもいろいろあって例えばヨウ素レー
ザではヨウ素供給量の変動なども大きな原因となる。し
たがって、ビーム軸の位置調整によりレーザ出力を制御
しようとすると、ビーム軸が適切な位置にあった場合に
も共振器ミラーを動かして結果的に光軸を不適正な位置
に動かすことになる場合がある。本発明のビーム軸位置
制御装置は、ビーム軸の変位を直接に検出してこれを修
正するから、光軸位置を高い精度で保持することがで
き、また他の原因で出力変動があった場合にビーム軸を
不用意に移動させて調整を狂わせるようなことがない。
【0015】本発明のビーム軸位置制御装置には、上記
の温度検知方式あるいは光検知方式のビーム軸ずれ検出
装置を使用することができる。温度検知方式のビーム軸
ずれ検出装置を用いて構築したビーム軸位置制御装置は
レスポンスがやや遅いきらいはあるが簡単で安価な制御
系を備え、ビーム軸を適正に維持する装置となる。ま
た、光検知方式のビーム軸ずれ検出装置を用いた場合
は、機構がやや複雑になるが応答の速い制御を行い、ビ
ーム軸を適正に維持する装置となる。
【0016】また、さらにレーザ出力測定装置を備え
て、発振開始時にはレーザ出力測定信号に基づいてビー
ム軸位置調整を行い、所定水準以上のレーザ出力が得ら
れた後に、ビーム軸ずれ検出信号に基づいたビーム軸位
置調整を行うようにしてもよい。レーザ発振直後はレー
ザ出力の測定値に基づいて共振器ミラーを段階的に変化
させ、光軸位置の粗調整を行うことにより速やかに所定
レベルのレーザ出力を得るようにする。その後、ビーム
軸のアパーチャ中心からのずれを検知してずれ量が所定
量より小さくなるようにミラー角度を変化させて光軸の
微調整を行うようにすることができる。なお、光軸微調
整により一旦調整が終了した後では、ビーム軸のずれが
あるレベル以上になったときのみ修正動作を行うように
することが好ましい。制御動作が余計な外乱となる場合
があるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のレ
ーザ装置のビーム軸位置制御装置の第1の実施例を表す
ブロック図、図2は本発明のビーム軸ずれ検出装置の立
面図、図3はその断面図、図4は一部拡大断面図、図5
は本発明のビーム軸ずれ検出装置の第2の実施例を示す
側面断面図、図6は制御手順を示す流れ図、図7は本発
明のビーム軸位置制御装置の第2の実施例を表すブロッ
ク図、図8はビーム軸ずれ検出装置の作動原理を説明す
る線図である。
【0018】
【実施例1】本実施例のビーム軸位置制御装置が用いら
れるレーザ共振器装置は、レーザ媒質1とこれを挟んで
配設される全反射ミラー2と出力ミラー3からなり、発
生したレーザ光4が全反射ミラー2と出力ミラー3の間
を往復する間にレーザ媒質との相互作用により増幅して
出力ミラー3から射出される。全反射ミラー2と出力ミ
ラー3の少なくとも一方は凹面鏡であって、光軸を厳密
に一致させて対向させることにより、両者の間を往復す
るレーザ光4を共振器空間に閉じ込めて十分な増幅作用
を与える機能を有する。
【0019】レーザ媒質1と全反射ミラー2の間および
レーザ媒質1と出力ミラー3の間にはそれぞれアパーチ
ャ6、7が介装されていて、共振しているレーザビーム
4のうち開孔より外側にはみ出る部分を除去して高次横
モード成分の発振を抑制しビーム質を向上させる。ま
た、開孔の形状を適当に選択することによってレーザビ
ームの断面形状を変更させて出力レーザの横モードを制
限することも可能である。なお、アパーチャ6、7には
共振器内のレーザビームが当たるので、過熱のため変形
したり溶融する場合があるので、内部にダクトを設けて
冷水等を流通させて冷却する。
【0020】アパーチャ6、7にはそれぞれレーザビー
ムが照射していることを検知するための光検出板8、9
が取り付けられている。光検出板8、9はアパーチャ
6、7の中心開孔部の周囲に配設されていて、ビーム軸
が偏心したときにどの光検出板にビームが照射するかを
知ることにより偏心方向が分かる。また、出力レーザは
ビームスプリッタ5を通るときに所定割合が偏向してパ
ワーメータ10に射入する。全反射ミラー2の背面には
1軸アクチュエータ11が2個ないし4個設けられてい
て、ミラー面の向きとミラー位置を調整できるようにな
っている。出力ミラー3の背面にも2個ないし4個の1
軸アクチュエータ12が設けられていて、同じ機能を果
たす。
【0021】上記の光検出板8、9とパワーメータ10
の検出信号はデータロガー13に集約されて、適当な演
算によりレーザ軸のずれ方向やレーザ出力レベルの測定
値に変換されてコンピュータ14に送られる。コンピュ
ータ14はこれらの測定値に基づいて予め決められた手
順に従い制御信号を生成してコントローラ15に送る。
コントローラ15は全反射ミラー2と出力ミラー3のア
クチュエータ11、12を制御して、レーザ共振器にお
けるレーザ軸を最適な位置に保持させるようにする。
【0022】図2は本実施例に用いられる本発明のビー
ム軸ずれ検出装置の立面図、図3は反射光ダンパと共に
示したビーム軸ずれ検出装置の断面図、図4は一部拡大
断面図である。このビーム軸ずれ検出装置は、ビーム軸
が偏心していずれかの光検出板に当たるとレーザエネル
ギを受けて昇温するので、これを温度検出端で検知する
ものである。レーザ媒質1と全反射ミラー2の間および
出力ミラー3の間に設けられるアパーチャ6、7はいず
れも同じ構成を有する。
【0023】アパーチャ6、7は、アパーチャベース2
0とその表面に等間隔に取り付けられる4枚の光検出板
8、9と光検出板の間に被さって周縁にできる凹部を補
充する4枚の補助遮蔽板22からなり、支持棒24でレ
ーザ共振器本体構造に固定されている。アパーチャベー
ス20は中心に孔26を有し、光検出板8、9の先端と
補助遮蔽板22の先端が突き合わされて形成する孔が共
振ビーム4の通るアパーチャ開孔27となる。光検出板
8、9と補助遮蔽板22はそれぞれアパーチャベース2
0にネジ止めするための長孔もしくは切れ込みを有し、
ネジ止めする位置を調整してアパーチャ開孔27の形状
を決め、共振ビームの形状を決定することができる。
【0024】アパーチャベース20の内部にはトーラス
状の冷却ダクト25が設けられていて、冷却水がコネク
タ23を介してダクト内を循環し、アパーチャ開孔27
の周囲にレーザ光が当たって伝達する熱を除去する。光
検出板8、9は、アパーチャ開孔27側に突出部を有
し、熱電対28の温接点が内側表面近くにセットされて
いる。温接点は表面上に露出するようにしてもよい。熱
電対28は端子台21でデータロガー13から繋がる熱
電対補償導線29に接続される。
【0025】このビーム軸ずれ検出装置は、4枚の光検
出板が十字型に配置されているので、センサ出力を用い
た複雑な演算をしなくても簡単に直交軸毎の変位状態を
知ることができる。例えば、水平方向のビーム位置偏差
は、左右の光検出板に設けられた熱電対の出力をパラメ
ータとした関数により評価でき、単純には一方の出力か
ら他方の出力を引いた信号値の符号を見ることにより変
位方向を知ることができる。
【0026】なお、光検出板8、9の先端部は適当な角
度で面取りされ、一方の光検出板からの反射光が他方の
光検出板に当たらないように工夫されている。図3に示
したように円筒状の光吸収体からなる反射光ダンパ30
をビームを囲むように設置し、光検出板8、9の先端部
を例えばアパーチャベース側で60度、その反対側で3
0度の面取りをすることにより、面取り面で反射した光
が反射光ダンパ30に入射して吸収されるようにしても
よい。なお、上記実施例では光検出板を直交座標に合わ
せて4個配置したが、光軸に垂直な平面上の偏心位置を
知るためには検出端は3個あれば十分であることは言う
までもない。また勿論、5個以上の検出端を備えればよ
り細かく位置測定できる。
【0027】図5は本発明第2のビーム軸ずれ検出装置
の断面図である。図2から図4により説明した温度検知
方式では熱電対を用いるのに対して、このビーム軸ずれ
検出装置は光検知方式であって、同様に本発明のビーム
軸位置制御装置に用いることができる。このビーム軸ず
れ検出装置は、アパーチャ開孔側のエッジに斜面を形成
した光検出板と光センサを用いて、ビーム軸が偏心して
レーザ光の一部がいずれかの光検出板に当たって反射す
るところを光センサで検出して、ビーム軸の偏心を知る
ものである。アパーチャベース31に取り付けられる光
検出板32の先端部分に光軸と平行な光が当たると一定
の方向に反射する鏡面33が形成されており、また、各
光検出板に対応して光センサ34が設けられている。
【0028】レーザ光が偏心してその周辺部がどれかの
鏡面33に当たると、反射して減光フィルタ35を通り
光センサ34に入射する。鏡面33に対する入射方向は
設定した光軸に対してほぼ平行になるので反射光線の方
向は殆ど変化しない。例えば上方に光ビーム軸位置がず
れた場合には、上側に取り付けた光検出板32からの反
射光が光センサ34で検出されるのに対して下側の光検
出板からの反射光は弱くなるので、上下に設けられた光
センサの出力から変位方向とその程度が分かる。光検出
板は理想的な光軸位置を中心とする直交座標軸上に軸対
称に配置されているから、アパーチャ開孔の周囲に設け
られた光センサの出力を対比することによってビーム軸
の直交座標軸上における偏心状態を容易にしかも直接的
に知ることが出来る。
【0029】次に、上記発明のビーム軸ずれ検出装置を
用いた第1実施例のビーム軸位置調整装置の制御手順を
図6によって説明する。はじめに、共振器に固有の出力
鏡と全反射鏡のミラー曲率を入力し、出力パワーの設定
値を入力して(S1)、レーザ発振を開始する(S
2)。ここで、入力されたミラー曲率にしたがって、共
振器に応じた最適調整を行うためのミラー角度、粗調整
と微調整におけるそれぞれの刻み幅を決定する。レーザ
発振が始まると発振終了の指示信号を受け取らない限り
(S3)、所定出力に達するまで(S4)立ち上げ時の
粗調整(S5)を行う。粗調整は、例えば出力パワーが
目標の70%に達するまで行い、レーザ出力をパワーメ
ータで測定しながらパワーが上昇する方向にビーム光軸
を動かして調整する。この時の粗調整は全反射鏡もしく
は出力鏡の向きを所定の刻みで階段状に動かしてビーム
光軸の位置と向きを調整するので、各ステップ毎に出力
パワーを確認する工程(S4)を繰り返す必要がある。
【0030】出力パワーが所定の水準を超えると次の微
調整工程にはいる。なお、レーザ発振を終了するときに
は出力パワーが小さい場合でも操業停止工程に進む(S
3、S6)。ビーム軸ずれ検出装置により光軸のずれを
検知する(S7)。座標軸(x軸、y軸)毎に1対のセ
ンサを使用しているため、光軸ずれはそれぞれ座標軸に
沿った方向に分離した値(Δx、Δy)として得ること
ができる。光軸ずれの値(Δx、Δy)が予め決めた許
容値より小さいときは、改めて調整を必要としない定常
状態と考えることができるから、調整動作を行わずに測
定を繰り返す(S8)。光軸ずれ(Δx、Δy)が許容
値より大きいときには測定値に基づいてずれが減少する
方向に共振器ミラーの光軸方向を調整する(S9)。
【0031】なお、光軸ずれ量とミラー角度の変位量の
間はほぼ比例するため、上記構成のビーム軸位置調整装
置により正確にビーム軸調整ができ、安定したレーザ発
振が可能になる。また、ミラーの調整軸を光軸ずれ検出
器と同じ座標軸上に取ることにより、検出結果を直接的
に使用してミラー光軸方向を調整することができるよう
になる。図8は光軸ずれとミラー角度変位の関係を説明
する図面である。1対の共振器ミラーのうち図中左のミ
ラーM0が正常な光軸に対して角θずれたとすると、左
側ミラーM0の曲率中心QM0は図中QM0’に移動す
る。したがって共振器の光軸は右側のミラーM1の曲率
中心QM1と左側ミラーM0のずれた曲率中心QM0’
を結ぶ線上に移動する。
【0032】左側ミラーM0の曲率半径をR0、右側ミ
ラーM1の曲率半径をR1、ミラー間距離をdとし、左
側ミラーM0の位置における光軸のずれ量をx0、右側
ミラーM1の位置における光軸のずれ量をx1とする
と、左側ミラーM0の曲率中心がQM0からQM0’に
移動した量がR0θであることから、 x0=R0θ(R1−d)/(R0+R1−d) x1=R0θ×R1/(R0+R1−d) となり、通常R0、R1>>dであるから、結局 x0≒x1≒θR0R1/(R0+R1) と簡単になる。
【0033】したがって、例としてR0=∞、すなわち
平面鏡、R1=10mの場合を考えるとx0=x1=1
0θmとなり、光軸ずれの許容値を1mmとすれば、1
0θ≦10-3であればよい。すなわち、θ≦10-4rad
=0.1mrad=100μradであるから、100μrad
以下に収まるようにミラー角度を制御すればよい。この
ためには角度分解能が10μrad程度あれば十分であ
る。このようにして、ビーム軸の変位を検出しこれをフ
ィードバックして共振器ミラー光軸を調整して目標とす
るビーム軸安定性を確保することができる。
【0034】
【実施例2】本実施例は、図7に示すように折り返し共
振器に適用したビーム軸位置制御装置である。レーザ共
振器は、レーザ発振部41とこれを挟んで配設される全
反射凹面鏡42と全反射平面鏡44、さらにレーザ発振
部41を挟んで全反射平面鏡44と対向する出力鏡43
とからなり、短いレーザ共振器で共振レーザ45がレー
ザ発振部41を通過する行路をより長くして効率の良い
発振を行わせている。レーザ発振部41と全反射凹面鏡
42の間に第1のビーム軸ずれ検出装置46、レーザ発
振部41と全反射平面鏡44の間に第2のビーム軸ずれ
検出装置47、レーザ発振部41と出力鏡43の間に第
3のビーム軸ずれ検出装置48を備え、出力ビームの一
部をビームスプリッタ49で偏向させてパワーメータ5
0に入射している。
【0035】ビーム軸ずれ検出装置はアパーチャを兼
ね、ビームずれの検出は図2の温度検出方式でも図5の
光検出方式でもよい。全反射凹面鏡42と出力鏡43に
は光軸の方向を調整するためのアクチュエータが設けら
れている。第1ビーム軸ずれ検出装置46、第2ビーム
軸ずれ検出装置47および第3ビーム軸ずれ検出装置4
8の検出信号とパワーメータ50の測定信号は、データ
ロガー51に伝送されてディジタル信号化され、コンピ
ュータ52に送られて演算評価され、結果が表示装置に
表示されると共にコントローラ53に伝えられて、全反
射凹面鏡42と出力鏡43の光軸調整が行われる。制御
論理と手順は第1の実施例におけるものと本質的な差が
ない。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のビーム軸ず
れ検出装置により簡単な構造で容易に共振器内のビーム
軸の変位を検出し、簡単な論理で正確な光軸調整を行っ
てレーザ共振器の効率を向上させかつ精度を確保しビー
ム質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ装置のビーム軸位置制御装置の
第1の実施例を表すブロック図である。
【図2】本発明のビーム軸ずれ検出装置の立面図であ
る。
【図3】図2のビーム軸ずれ検出装置の断面図である。
【図4】図3の一部拡大断面図である。
【図5】本発明のビーム軸ずれ検出装置の第2の実施例
を示す側面断面図である。
【図6】本発明のビーム軸位置制御装置における制御手
順を示す流れ図である。
【図7】本発明のビーム軸位置制御装置の第2の実施例
を表すブロック図である。
【図8】本発明のビーム軸ずれ検出装置の作動原理を説
明する線図である。
【符号の説明】
1 レーザ媒質 2 全反射ミラー 3 出力ミラー 4 共振ビーム 5 ビームスプリッタ 6、7 アパーチャベース 8、9 光検出板 10 パワーメータ 11、12 1軸アクチュエータ 13 データロガー 14 コンピュータ 15 コントローラ 20 アパーチャベース 21 端子台 22 補助遮蔽板 23 コネクタ 24 支持棒 25 冷却ダクト 26 中心孔 27 アパーチャ開孔 28 熱電対 29 熱電対補償導線 30 反射光ダンパ 31 アパーチャベース 32 光検出板 33 鏡面 34 光センサ 35 フィルタ 41 レーザ発振部 42 全反射凹面鏡 43 出力鏡 44 全反射平面鏡 45 共振レーザ 46、47、48 ビーム軸ずれ検出装置 49 ビームスプリッタ 50 パワーメータ 51 データロガー 52 コンピュータ 53 コントローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ共振器における共振器ミラーの間
    に設置されるアパーチャにおいて、少なくとも3片の光
    検出板を中心孔の周辺にほぼ等間隔に配設してなり、該
    光検出板に温度検出器が取り付けられていてレーザ光が
    照射して該光検出板が昇温するときにこれを検出するよ
    うになっていて、各温度検出器の測定出力を比較するこ
    とにより、レーザビーム軸がアパーチャ中心からずれた
    方向を知ることを特徴とするレーザ共振器のビーム軸ず
    れ検出装置。
  2. 【請求項2】 レーザ共振器における共振器ミラーの間
    に設置されるアパーチャにおいて、少なくとも3片の光
    検出板を中心孔の周辺にほぼ等間隔に配設してなり、該
    光検出板のビーム入射方向に面した先端縁に所定の傾き
    を持った反射面が形成されおり、該反射面で反射する光
    を受ける光センサを該反射面のそれぞれに対応して配設
    していて、レーザビーム軸がアパーチャ中心からずれて
    前記光検出板の幾つかにレーザ光が照射すると前記光検
    出板間における反射光の強度偏差を検出し、該反射光強
    度偏差からビーム軸のずれを知ることを特徴とするレー
    ザ共振器のビーム軸ずれ検出装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出板の数が4片であって互いに
    直交するように配設されていることを特徴とする請求項
    1または2記載のビーム軸ずれ検出装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出板の取付位置を調整する機構
    を備え、アパーチャの開孔形状を調整できるようにした
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のビ
    ーム軸ずれ検出装置。
  5. 【請求項5】 前記光検出板を取付けるアパーチャベー
    スに冷却水を循環させて冷却するようにしたことを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載のビーム軸ずれ
    検出装置。
  6. 【請求項6】 1対の共振器ミラーを備え該共振器ミラ
    ーの間にアパーチャを備えたレーザ共振器において、前
    記アパーチャにビーム軸ずれ検出装置を備え、前記共振
    器ミラーの少なくとも一方にミラー姿勢調整機構を備え
    て、共振器ミラーの間を共振する共振ビームのビーム軸
    のアパーチャ中心からのずれを検知し、該ビーム軸のず
    れ方向に基づいてビーム軸がアパーチャの中心に寄るよ
    うに共振器ミラーの姿勢を制御することを特徴とするビ
    ーム軸位置制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ビーム軸ずれ検出装置が請求項1か
    ら5のいずれかに記載のビーム軸ずれ検出装置であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のビーム軸位置制御装置。
  8. 【請求項8】 さらにレーザ出力測定装置を備え、発振
    開始時には該レーザ出力測定装置の測定出力信号に基づ
    いてビーム軸位置調整を行い、所定水準以上のレーザ出
    力が得られた後に、ビーム軸ずれ検出装置の測定出力信
    号に基づいたビーム軸位置調整を行うようにしたことを
    特徴とする請求項6または7記載のビーム軸位置制御装
    置。
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JP2003204099A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Nidek Co Ltd レーザ装置
KR20170048671A (ko) * 2015-10-26 2017-05-10 삼성디스플레이 주식회사 레이저 장치 및 이의 구동방법
WO2021145357A1 (ja) * 2020-01-15 2021-07-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ装置及びそれを用いたレーザ加工装置
KR102517385B1 (ko) * 2022-11-30 2023-04-03 (주)블루코어컴퍼니 레이저광의 광축 정렬시스템
WO2023152805A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 ギガフォトン株式会社 レーザ装置、光路調整方法、及び電子デバイスの製造方法

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