JP5816437B2 - レーザ加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば板状のワークに対してレーザ加工ヘッドをX、Y、Z軸方向へ相対的に移動自在に備えたレーザ加工機に係り、さらに詳細には、レーザ加工ヘッドに備えた集光レンズ又は保護ガラス等の光学素子の劣化を検出し、光学素子の劣化に対応して光学素子の交換を行い、又は焦点位置の補正を行ってレーザ加工を行うレーザ加工機に関する。
レーザ加工機において、例えば集光レンズ等の光学素子にスパッタ等の汚れが付着して劣化すると、熱ひずみを生じてレーザ加工不良を生じることがある。そこで、光学素子の汚れによる劣化を検出する種々の構成が提案されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
特開2005−7482号公報 特開2005−334924号公報 特開2006−167728号公報
前記特許文献1に記載の構成は、レーザ加工機の光学素子にスパッタ等が付着し、このスパッタ等によって反射される散乱光を検知することによって、前記光学素子の汚染を監視する構成である。したがって、光学素子にスパッタ等が付着して汚染され、劣化したことを検出することができる。しかし、前記光学素子の温度を検知することはできず、光学素子の熱ひずみを検出することはできないものである。
前記特許文献2の構成においては、レーザ加工ヘッドから出射されるレーザビームをパワーセンサへ照射して、光路系におれるミラーやレンズの汚れによるレーザ出力の低下を検知することにより、集光レンズ等の劣化を検知する構成である。したがって、集光レンズ等の光学素子の温度を検出することができないと共に、継続しての温度検出ができないという問題がある。
特許文献3に記載の構成は、テストピースに対してレーザ光を照射し、集光レンズの焦点位置がテストピースに一致してブルーフレームが発生したことを検知して、集光レンズの焦点距離が短くなったか否かを検知することにより、集光レンズの劣化を検知する構成である。したがって、集光レンズが熱膨張したことを検知できるものの、集光レンズの温度を検知することができないと共に、継続して検知することができないという問題がある。
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、ワークに対してレーザ加工ヘッドをX軸、Y軸、Z軸方向へ相対的に移動自在に備えたレーザ加工機であって、
前記レーザ加工ヘッドに備えた保護ガラスの下面中央部の放射温度を測定するための温度測定手段と、
この温度測定手段によって測定した温度を基にして、レーザ加工初期における所定のサンプリング時間A1とA2との間の前記保護ガラスの温度勾配Rを演算する演算手段と、
劣化の浅い保護ガラスに対してレーザ光を照射したときの照射初期の温度勾配P及び劣化が進んでいる保護ガラスに対してレーザ光を照射したときの照射初期の温度勾配Qを格納した温度勾配メモリと、
前記演算手段によって演算された温度勾配Rと前記温度勾配メモリに格納されている前記温度勾配Qとを比較すると共に、前記温度勾配Qと温度勾配Rとの差(Q−R)と、予め設定してある設定値Sとを比較する比較手段と、
この比較手段の比較結果を出力する出力手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工機。
また、前記レーザ加工機において、前記出力手段は、前記温度勾配P、Qを含む曲線PL、QL及び前記温度勾配Rを含む曲線RLを同時に表示する表示画面であることを特徴とするものである。
また、前記レーザ加工機において、コリメーションレンズを光軸方向に移動調節する場合のコリメーションレンズの位置と焦点位置との関係、又は集光レンズ方向へレーザ光を反射する凹面鏡の曲率と前記保護ガラスの温度との関係を、前記保護ガラスの劣化度合に対応して格納した温度・補正位置メモリと、前記温度測定手段によって測定した温度を基にして、前記温度・補正位置メモリを検索する検索手段と、この検索手段の検索結果に基づいて前記コリメーションレンズの位置、又は前記凹面鏡の曲率を補正する焦点位置補正手段と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、レーザ加工を開始した初期に光学素子の劣化状態を検知して対処することができるので、レーザ加工を良好に行い得るものである。また光学素子の温度検出を継続して行うことができ、レーザ加工の最中に光学素子の劣化度合を検出することも可能である。
本発明の実施形態に係るレーザ加工機の全体的構成を概念的、概略的に示した説明図である。 レーザ加工ヘッドの構成を示す説明図である。 保護ガラスの劣化度合による照射時間と温度との関係を示す説明図である。 保護ガラスの劣化度合とレーザ光の出力による焦点位置の変動の関係を示す説明図である。 保護ガラスの下面中央部と離れた位置での温度上昇の関係を示す説明図である。 焦点位置補正制御手段の構成を示す機能ブロック図である。 コリメーションレンズの位置と焦点位置との関係、及びレーザ光の照射時間と焦点位置との関係を示す説明図である。 保護ガラスの劣化度合と焦点位置補正との関係を示す説明図である。
図1に概念的、概略的に示すように、本発明の実施形態に係るレーザ加工機1は、板状のワークWを支持する加工テーブル3を備えると共に、前記ワークWのレーザ加工を行うためのレーザ加工ヘッド5を、前記ワークWに対してX軸、Y軸、Z軸方向へ相対的に移動自在に備えている。そして、レーザ発振器7と前記レーザ加工ヘッド5は、光ファイバー9を介して接続してある。したがって、ワークWに対してレーザ光を照射すると共にレーザ加工ヘッド5をX,Y,Z軸方向へ相対的に移動することにより、ワークWに対してレーザ加工を行うことができるものである。なお、この種のレーザ加工機は既によく知られた構成であるから、レーザ加工機1の構成についてのより詳細な説明は省略する。
図2に概念的、概略的に示すように、前記レーザ加工ヘッド5内には光学素子としての集光レンズ11が上下動可能に備えられていると共に、当該集光レンズ11の下側には、光学素子としての保護ガラス13が備えられている。この保護ガラス13は、ワークWのレーザ加工時にワークWから飛散する汚染物質の1例としてのヒューム、スパッタ15等が前記集光レンズ11へ付着することを防止するためのものであって着脱交換可能に備えられている。なお、集光レンズ11、保護ガラス13を備えたレーザ加工ヘッド5の構成は公知であるので、レーザ加工ヘッド5のより詳細な説明は省略する。
本発明の実施形態に係る前記レーザ加工ヘッド5には、前記保護ガラス13の下面中央部の温度を測定するための温度測定手段としての放射温度センサ17が備えられている。温度測定手段が放射温度センサ17であることにより、スパッタ15等が付着して温度上昇を生じ易い保護ガラス13の下面の放射温度を測定することができるものである。換言すれば、保護ガラス13に対するスパッタ15等の付着量が多くなり、保護ガラス13の表面温度が高くなったことを検出することにより、保護ガラス13の劣化を検知できることになるものである。
そこで、同一出力のレーザ光を照射して、新品の保護ガラスA,Bの場合と、小程度の汚れの保護ガラスCの場合と、中程度の汚れの保護ガラスDの場合における下面の表面温度上昇の経時変化を測定した結果は図3に示すとおりであった。図3の測定結果から理解されるように、新品の保護ガラスA,Bの場合には、大きな上昇温度は認められなかった。小程度の汚れの保護ガラスCの場合には、新品の場合に比較して約2倍の温度上昇が認められた。そして、中程度の汚れの保護ガラスDの場合には、小程度の汚れの保護ガラスCの約3倍の温度上昇が認められた。
そして、保護ガラスC,Dの場合には、レーザ光の照射初期には比例的に温度上昇することが認められた。この場合、保護ガラスCの場合の温度勾配よりも保護ガラスDの場合の温度勾配は急勾配であることが認められた。すなわち、保護ガラス13に対するスパッタ15等の付着量が多くなり、保護ガラス13の劣化が進行すると、保護ガラス13に対するレーザ光の照射初期の温度勾配が次第に大きくなることが分かる。したがって、レーザ光を照射した保護ガラス13の初期の温度勾配を検出することにより、保護ガラス13の劣化度合を検出することができるものである。
次に、前記保護ガラスB,C,Dの場合において、レーザ出力が500W、1kW、2kWの場合における焦点位置の経時変化を、フォーカスモニタによって測定した結果は図4に示すとおりであった。図4より理解されるように、レーザ出力が大きく、また、レーザ照射時間が長い程、焦点位置の変化が大きくなる。すなわち、図3の結果をも勘案すると、保護ガラスの劣化(汚れ)が進行している程温度上昇が大きく、焦点位置の変化が大きいことが理解できる。
ところで、前記図3、図4の測定結果は、保護ガラスの下面中央部の放射温度を測定した場合である。そこで、前記保護ガラスBの場合において、下面中央部から離れた位置での放射温度の経時変化を測定した結果は図5に示すとおりであった。図5より理解されるように、レーザ光の照射初期における温度勾配は、保護ガラスの下面中央部では大きいが、中央部から離れる程、温度勾配が小さくなり、保護ガラスの汚れ(劣化)の判別が難しくなることが理解できる。したがって、保護ガラスの下面中央部の放射温度を測定することが望ましいものである。
ところで、前記保護ガラス13の温度が上昇すると、熱膨張等に起因して、集光レンズ11によって集光された焦点位置が光軸方向に変動することがある。なお、焦点位置に光軸方向の変動を生じた場合には、焦点位置を補正することが望ましい。焦点位置を光軸方向に補正する手段としては、集光レンズ11を光軸方向に位置調節する構成であっても、また、前記集光レンズ11に入射されるレーザ光のビーム径を調節する構成であってもよいものである。
そして、前記ビーム径を調節する構成としては、レーザ発振器と集光レンズ11との間の光路中に配置したコリメーションレンズを光軸方向に調節する構成や、レーザ光を集光レンズ11方向へ反射する凹面鏡の曲率を調節する構成とすることができる。なお、集光レンズ11を光軸方向に移動調節する構成、コリメーションレンズを光軸方向へ移動調節する構成、及び凹面鏡の曲率を調節する構成は公知であるから、集光レンズ11の焦点位置を補正するための構成についての詳細な説明は省略する。
既に理解されるように、保護ガラス13の温度と焦点位置の変動との関係を知得することにより、集光レンズ11の焦点位置の光軸方向への位置補正を行うことができ、常に高精度のレーザ加工を行うことができるものである。そこで、本実施形態に係るレーザ加工機1は、集光レンズ11の焦点位置を補正するための焦点位置補正制御手段19を備えている。上記焦点位置補正制御手段19はコンピュータからなるものであって、図6に示すように、CPU21、RAM23、ROM25を備えると共に、入力手段27及び出力手段29を備えている。そして、前記焦点位置補正制御手段19には前記放射温度センサ(温度測定手段)17が接続してある。
さらに、前記焦点位置補正制御手段19には、保護ガラス状態メモリ31、第1焦点位置メモリ33及び第2焦点位置メモリ35が備えられている。上記保護ガラス状態メモリ31には、各種の劣化度合(汚れ度合)の保護ガラス13をレーザ加工ヘッド5に装着して、所定の出力のレーザ光を照射したときの照射初期における温度勾配と前記保護ガラス13の劣化度合の関係(図3に示したごとき関係)が、予め実験的に求められて格納されている。
なお、前記保護ガラス状態メモリ31に、レーザ光の照射初期における温度勾配と保護ガラス13の劣化度合との関係を格納するに際しては、実験的に使用した保護ガラス13のNOも関連付けて格納してある。したがって、レーザ光の照射初期における温度勾配を検知し、同一又は近似する温度勾配を検索することにより、保護ガラス13の劣化度合及び実験に使用した保護ガラス13のNOを知ることができるものである。
前記第1焦点位置メモリ33には、焦点位置補正手段37がコリメーションレンズを光軸方向に移動調節する構成の場合には、図7(A)に示すごとき、コリメーションレンズの位置Cと焦点位置Bとの関係が、保護ガラス13の劣化度合に対応して予め実験的に求められて格納されている。ここで、焦点位置をBとし、コリメーションレンズの位置をCとすると、
B=H・C+I・・・・・(1)
と表わされる。なお、H、Iは、保護ガラス13の劣化度合に対応したパラメータであり、保護ガラス13の前記NOに対応して予め設定してある。
前記第2焦点位置メモリ35には、図7(B)に示すごとき、レーザ照射時間tと焦点位置Bの変化との関係が、保護ガラス13の劣化度合に対応して予め実験的に求められて格納されている。ここで、焦点位置をBとし、レーザ光の照射時間をtとすると、
B=U・t2 +V・t+W・・・・・(2)
と表わされる。なお、U,V,Wは、保護ガラス13の劣化度合に対応したパラメータであり、保護ガラス13の前記NOに対応して予め設定してある。
前記式(1),(2)より、コリメーションレンズの基準位置(保護ガラス13が新品であって焦点位置調節が必要ない場合のコリメーションレンズの位置)に対するコリメーションレンズの位置Cとレーザ光の照射時間tとの関係は、
C=(U・t2 +V・t+W)/H−I・・・・・(3)
と表わされる。
また、レーザ照射時間tと保護ガラス13の温度Tとの関係は図8に示すとおりであって、
T=X・t2 +Y・t+Z・・・・・(4)
と表わされる。なお、X,Y,Zは保護ガラス13の劣化度合に対応したパラメータであり、保護ガラス13の前記NOに対応して予め設定してある。
前記式(3),(4)により、コリメーションレンズの位置Cと保護ガラス13の温度Tとの関係は、
T=α・C±β・・・・・(5)
と表わされる。なお、α,βは保護ガラス13の劣化度合に対応したパラメータであり、保護ガラス13の前記NOに対応して予め設定してある。
したがって、保護ガラス13の下表面中央部の温度変化を温度測定手段17により測定し、この測定温度に対してコリメーションレンズの位置Cを移動することにより、集光レンズ11の焦点位置Bを常に定位置に補正することができ、精度のよいレーザ加工を行い得ることとなるものである。
ところで、前記焦点位置補正制御手段19には、温度勾配メモリ39が備えられている。この温度勾配メモリ39には、劣化の浅い保護ガラス13に対してレーザ光を照射したときの照射初期(例えば、図8に示す時間A1 とA2 の間)の温度勾配Pが格納されていると共に、劣化が進んでいる保護ガラス13に対してレーザ光を照射したときの照射初期の温度勾配Qが格納されている。すなわち、レーザ光を照射した照射初期における温度勾配が前記温度勾配Pより小さい(緩勾配)の場合には、保護ガラス13は、例えば新品等の区分に属するものであり、前述した焦点位置Bの補正は不要なものである。そして、照射初期の温度勾配が前記温度勾配Qより大きい(急勾配)の場合には、保護ガラス13の劣化が進んでおり、保護ガラス13を交換する必要があるものである。
したがって、保護ガラス13にレーザ光を照射したときの照射初期における温度勾配Rを検知し、前記温度勾配メモリ39に格納されている前記温度勾配P,Qと比較することにより、焦点位置Bの補正が必要か否か、及び保護ガラス13を交換する必要があるか否かを知ることができるものである。
ところで、前記温度勾配Qと温度勾配Rとの差(Q−R)を演算し、この差(Q−R)が予め設定してある設定値Sと比較して、Q−R≒Sの場合には、保護ガラス13の交換が間もないものとして、報知手段(図示省略)により報知して、保護ガラス13の交換を行うことも可能である。また、前記温度勾配P,Qを含む曲線PL,QLを出力手段29としての表示画面に表示すると共に、前記温度勾配Rを含む曲線RLを上記表示画面に同時表示して、この表示画面を見て保護ガラス13の交換が間もないものと判断して交換を行うことも可能である。すなわち、前記温度勾配R≦温度勾配Pの場合、及び温度勾配R≧温度勾配Qであって保護ガラス13の交換が必要な場合には、焦点位置Bの補正は不要なものである。
既に理解されるように、集光レンズ11の焦点位置Bの補正は、レーザ光を照射したときにおける保護ガラス13の照射初期の温度勾配Rが前記温度勾配P,Qの範囲内にあるときである。したがって、前記焦点位置補正制御手段19には、前記各メモリ31,33,35,39を検索するための検索手段41が備えられていると共に、前記温度勾配Rの演算や前述した差(Q−R)などの各種の演算を行うための演算手段43が備えられている。さらに、前記焦点位置補正制御手段19には、前記温度勾配P,Q,Rの比較や前記差(Q−R)と設定値Sとの比較など、各種の比較を行うための比較手段45が備えられている。
以上のごとき構成において、レーザ加工ヘッド5に装着してある保護ガラス13の劣化度合を検知して集光レンズ11の焦点位置Bの補正を行うには次のように行う。先ず、レーザ光の照射を行う前における保護ガラス13の下面中央部の基準温度を放射温度センサ17によって測定する。そして、前記集光レンズ11及び保護ガラス13に対して所定の出力のレーザ光を照射してワークWのレーザ加工を開始する。
上述のように、レーザ光の照射を開始すると、図8に示すように、所定のサンプリング時間A1 ,A2 ,…毎に保護ガラス13の下面中央部の温度を、放射温度センサ17によって測定する。そして、演算手段43によってレーザ光の照射初期(レーザ加工開始初期)の温度勾配Rを演算する。前記照射初期の温度勾配Rは、前記基準温度と予め設定した所望のサンプリング時間経過後の測定温度によって定義することが望ましいものである。なお、照射初期の温度勾配Rは、上記定義に限ることなく、例えばサンプリング時間A1 の測定温度B1 と、サンプリング時間A2の測定温度B2 とによって定めることも可能である。すなわち、照射初期の温度勾配Rは任意に定めることが可能なものである。
なお、照射初期の温度勾配Rの検出は、ワークWに対するピアシング加工時又はピアシング加工位置から製品に関連する切断位置(例えば穴の周辺の位置、製品の輪郭の位置)にレーザ加工が進行する前に行うことが望ましいものである。
上述のように、レーザ光を照射したときの照射初期における温度勾配Rを演算した後、当該演算した温度勾配Rによって、レーザ加工ヘッド5に装着してある保護ガラス13の劣化度合を検知するために、演算した当該温度勾配Rに該当する温度勾配又は近似する温度勾配を、前記保護ガラス状態メモリ31に格納されている照射初期の温度勾配から検索手段41によって検索する。前記保護ガラス状態メモリ31から該当する、又は近似する温度勾配が検索されると、レーザ加工ヘッド5に装着してある保護ガラス13は、図3に示した新品の保護ガラスA,Bの区分に属するのか、又は小程度の汚れの保護ガラスCの区分に属するのか、或は上記保護ガラスCと中程度の汚れの保護ガラスDとの間の領域の区分に属するのか、又は保護ガラスDの区分に属するのかを知ることができる。
ここで、演算した照射初期の温度勾配Rと温度勾配メモリ39に格納してある前記温度勾配Qと比較して、R≧Qのときには、レーザ加工ヘッド5に装着してある保護ガラス13を交換する。また、前記温度勾配Q,Rの差(Q−R)と設定値Sとを比較して、(Q−R)≒Sの場合には、報知手段により報知し、これからレーザ加工を行うレーザ加工時間の長さ等を考慮して、保護ガラス13の交換を判断する。そして、必要により交換する。また、演算した温度勾配Rが、温度勾配メモリ39に格納してある前記温度勾配Pよりも小さいときには、集光レンズ11の焦点位置Bの補正を行うことなくレーザ加工を続行するものである。
演算した前記温度勾配Rが前記温度勾配P,Qとの関係において、P≦R<Qの場合には、集光レンズ11の焦点位置Bの補正が必要になる。この場合、図8に示すように、サンプリング時間A1 ,A2 ,A3 ……毎に保護ガラス13の下面中央部の温度を測定し、各サンプリング時間A1 ,A2 ,A3 ……間における温度勾配を演算手段43により演算すると共に、前記保護ガラス状態メモリ31から検索された保護ガラス13のNOに対応したパラメータX,Y,Zを前記式(4)に適用してレーザ照射時間と保護ガラス13の温度上昇との関係を求める。そして、求めた保護ガラス13の温度とコリメーションレンズの位置Cとの前記関係式(5)に、前記保護ガラス13のNOに対応したパラメータα,βを適用することにより、式(5)の演算が行われる。この演算結果に基づいて、焦点位置補正手段37がコリメーションレンズの位置Cを調節することとなり、前記集光レンズ11の焦点位置Bの補正が行われることになる。
したがって、保護ガラス13の劣化度合によって当該保護ガラス13の温度上昇が変化する場合であっても、上記温度上昇の変化に対応して集光レンズ11の焦点位置の補正を行うことができ、保護ガラス13の温度変化による歪みの変化によって焦点位置が変化する場合であっても容易に対応し得るものである。なお、前述したように、前記式(4)によって、レーザ照射時間と保護ガラス13の温度との関係を知ることにより、所定時間後の温度を予測できることとなり、コリメーションレンズの位置を予測して調節できることとなる。よって、より高精度のレーザ加工を行い得るものである。
なお、前述の説明においては、焦点位置Bの補正を、コリメーションレンズの位置を調節する場合について例示したが、凹面鏡の曲率を調節して焦点位置の補正を行う場合や、集光レンズの位置を調節して焦点位置を補正する場合も同様にして補正可能なものである。
ところで、前記説明においては、保護ガラス13の温度を測定し、この測定した温度に対応して、式(5)に基づいてコリメーションレンズの位置を調節する構成について説明した。しかし、前記保護ガラス状態メモリ31に格納されている各種の劣化度合に対応した保護ガラス13の温度と焦点位置の補正を行うべきコリメーションレンズの位置との関係又は関係式を予め実験的に求めて、温度・補正位置メモリ47に予め格納しておくことも可能である。
この場合、前述と同様に、レーザ光の照射初期における保護ガラス13の温度勾配を求め、この温度勾配と同一又は近似の温度勾配を保護ガラス状態メモリ31から検索する。この検索した温度勾配に該当する保護ガラス13のNOにより温度・補正位置メモリ47を検索する。そして、検索した温度とコリメーションレンズの位置との関係又は関係式と、放射温度センサ17によって検出した保護ガラス13の測定温度とに基づいてコリメーションレンズの位置を調節して、焦点位置Bの補正を行うものである。
1 レーザ加工機
5 レーザ加工ヘッド
11 集光レンズ(光学素子)
13 保護ガラス(光学素子)
17 放射温度センサ(温度測定手段)
19 焦点位置補正制御手段
31 保護ガラス状態メモリ
33 第1焦点位置メモリ
35 第2焦点位置メモリ
37 焦点位置補正手段
39 温度勾配メモリ
41 検索手段
43 演算手段
45 比較手段
47 温度・補正位置メモリ

Claims (3)

  1. ワークに対してレーザ加工ヘッドをX軸、Y軸、Z軸方向へ相対的に移動自在に備えたレーザ加工機であって、
    前記レーザ加工ヘッドに備えた保護ガラスの下面中央部の放射温度を測定するための温度測定手段と、
    この温度測定手段によって測定した温度を基にして、レーザ加工初期における所定のサンプリング時間A1とA2との間の前記保護ガラスの温度勾配Rを演算する演算手段と、
    劣化の浅い保護ガラスに対してレーザ光を照射したときの照射初期の温度勾配P及び劣化が進んでいる保護ガラスに対してレーザ光を照射したときの照射初期の温度勾配Qを格納した温度勾配メモリと、
    前記演算手段によって演算された温度勾配Rと前記温度勾配メモリに格納されている前記温度勾配Qとを比較すると共に、前記温度勾配Qと温度勾配Rとの差(Q−R)と、予め設定してある設定値Sとを比較する比較手段と、
    この比較手段の比較結果を出力する出力手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工機。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工機において、前記出力手段は、前記温度勾配P、Qを含む曲線PL、QL及び前記温度勾配Rを含む曲線RLを同時に表示する表示画面であることを特徴とするレーザ加工機。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ加工機において、コリメーションレンズを光軸方向に移動調節する場合のコリメーションレンズの位置と焦点位置との関係、又は集光レンズ方向へレーザ光を反射する凹面鏡の曲率と前記保護ガラスの温度との関係を、前記保護ガラスの劣化度合に対応して格納した温度・補正位置メモリと、前記温度測定手段によって測定した温度を基にして、前記温度・補正位置メモリを検索する検索手段と、この検索手段の検索結果に基づいて前記コリメーションレンズの位置、又は前記凹面鏡の曲率を補正する焦点位置補正手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工機。
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