JPH11274070A - 投影露光方法および装置 - Google Patents

投影露光方法および装置

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JPH11274070A
JPH11274070A JP10117922A JP11792298A JPH11274070A JP H11274070 A JPH11274070 A JP H11274070A JP 10117922 A JP10117922 A JP 10117922A JP 11792298 A JP11792298 A JP 11792298A JP H11274070 A JPH11274070 A JP H11274070A
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JP
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optical system
projection optical
photosensitive substrate
exposure
projection
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JP10117922A
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Kosuke Suzuki
広介 鈴木
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】走査露光中にレチクルとウェハの同期精度に悪
影響を与えず、且つ投影光学系のレンズ群の駆動による
光学的あるいは機械的な問題を生じずに焦点位置合わせ
動作が行える投影露光方法および装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】非露光時はZステージ19だけを光軸AX
方向に移動させて、ウェハ18と投影光学系14の結像
面との焦点位置合わせを行い、投影光学系14の結像性
能補正部16での焦点位置補正は行わない。露光が始ま
ると、Zステージ19を固定して結像性能補正部16だ
けで焦点位置合わせ動作を行う。次に露光が終了したら
結像性能補正部16で補正していた焦点位置の位置情報
をZステージ19側に受け渡し、受け渡された焦点位置
情報に基づいてZステージ19を所定量Z方向に移動さ
せると共に、結像性能補正部16内の各レンズ群をリセ
ット位置まで戻すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、液晶
表示装置、あるいは薄膜磁気ヘッド等を製造する際のフ
ォトリソグラフィ工程で使用される投影露光方法および
装置に関し、特に、レチクルとウェハとを同期して走査
しながらレチクルのパターン像を逐次ウェハ上に露光す
るいわゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光
動作に用いて好適な投影露光方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置あるいは液晶表示装置等の製
造工程におけるフォトリソグラフィ工程では、レチクル
あるいはマスク(以下、レチクルという)に形成された
回路パターンを投影光学系を介して半導体ウェハやガラ
スプレート(以下、ウェハという)上に投影露光する投
影露光装置が用いられている。この投影露光装置として
は種々の方式のものがあるが、例えば半導体装置の製造
の場合、レチクルの回路パターン全体を一度に投影し得
るイメージフィールドを持つ投影光学系を介してウェハ
をステップ・アンド・リピート方式で露光する投影露光
装置と、レチクルを1次元に走査しつつ、ウェハをそれ
と同期した速度で1次元に走査させる、いわゆるステッ
プ・アンド・スキャン方式の投影露光装置とがある。
【0003】ところで、これらの投影露光装置には高い
露光精度が要求されており、このため、投影光学系の結
像面に正確にウェハの露光面が一致するように焦点(フ
ォーカス)位置合わせ動作が行われるようになってい
る。焦点位置合わせ動作に関しては従来種々の方法が提
案されている。例えば特公平8−21531号公報に開
示されている方法は、ウェハの表面の位置を焦点位置検
出系により検出してウェハを投影光学系の光軸方向に移
動させることにより、投影光学系の焦点位置の変動によ
る結像位置の変動やウェハ表面の凹凸の状態(平面度)
による位置ずれを補正して、投影光学系の結像面とウェ
ハの表面とを一致させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の焦点位置合わせ動作は、レチクルとウェハと
を静止させて露光するステップ・アンド・リピート方式
の投影露光装置を前提にしたものが大部分であり、ステ
ップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、走
査型投影露光装置という)のように、露光動作の際にウ
ェハが所定方向に移動(走査)する場合に生じ得る問題
点については考慮されていない。
【0005】例えば、ウェハを載置したウェハステージ
を投影光学系の光軸に直交する方向に移動させて走査露
光を行っている最中に、従来と同様の焦点位置合わせ動
作によりウェハステージを投影光学系の光軸方向に移動
させようとすると、焦点位置合わせに用いる駆動系から
の振動が外乱としてウェハステージの走査方向に伝達さ
れてしまうので、高精度に速度制御してレチクルステー
ジと同期走査すべきウェハステージの制御が極めて困難
になるという問題が生じる(第1の問題点)。特に、近
年の投影露光パターンの微細化に伴い、露光中の焦点位
置合わせ動作は露光精度を向上するために必須であり重
要な課題となってきている。
【0006】ところで、ウェハを投影光学系の光軸方向
に移動させる代わりに、投影光学系内の複数のレンズ群
のうちの一部のレンズ群を光軸方向に移動させることに
より焦点位置合わせを行う方法も知られている。ところ
がこの方法により焦点位置の調整を行うと焦点以外の他
の結像性能までも変化してしまうため、焦点位置の調整
量が大きい場合には高精度の結像性能を維持させること
が困難になるという光学的な理由に基づく問題点を有し
ている(第2の問題点)。また、焦点位置合わせにおい
て投影光学系内のレンズ群を移動させる場合と、ウェハ
ステージを投影光学系の光軸方向に移動させる場合とを
比較すると、投影光学系のレンズ群の移動による焦点位
置合わせでは投影光学系内でのレンズ群の移動ストロー
クを大きく見込んでおかなければならず、投影光学系を
設計する上での機械的な制約を考慮しなければならない
という問題点がある(第3の問題点)。
【0007】本発明の目的は、走査露光中にレチクルと
ウェハの同期精度に悪影響を与えず、且つ投影光学系の
レンズ群の駆動による光学的あるいは機械的な問題を生
じずに焦点位置合わせ動作が行える投影露光方法および
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、パターンが
形成されたレチクルと感光基板とを同期して移動させ、
パターンの像を投影光学系を介して感光基板に露光する
投影露光方法において、投影光学系の結像面に対する感
光基板表面のずれ量を計測する焦点検出ステップと、ず
れ量に基づいて、投影光学系の結像特性を変化させて、
投影光学系の結像面を感光基板表面に一致させる第1の
焦点位置合わせステップと、ずれ量に基づいて、感光基
板を投影光学系の光軸方向に移動させて、投影光学系の
結像面に感光基板表面を一致させる第2の焦点位置合わ
せステップと、パターンの像を感光基板に露光する露光
時と、パターンの像を感光基板に露光しない非露光時と
に基づいて、第1の焦点位置合わせステップと、第2の
焦点位置合わせステップとを切り替える切り替えステッ
プとを有することを特徴とする投影露光方法によって達
成される。
【0009】上記投影露光方法において、切り替えステ
ップは、露光時には、第1の焦点位置合わせステップに
切り替え、非露光時には、第2の焦点位置合わせステッ
プに切り替えることを特徴とする。また、第1の焦点位
置合わせステップは、投影光学系内の複数のレンズ群の
うち、少なくとも1つのレンズ群を投影光学系の光軸方
向に移動させて、レチクルと感光基板との共役関係を維
持させることを特徴とする。また、露光時から非露光時
に移行する際、光軸方向に移動させた複数のレンズ群の
うち、少なくとも1つのレンズ群を所定のリセット位置
まで復帰させ、復帰に伴う結像面の変動量だけ感光基板
を光軸方向に移動させることを特徴とする。
【0010】また、上記目的は、レチクルに形成された
パターンの像を感光基板に投影する複数のレンズ群を有
する投影光学系を備え、レチクルと感光基板とを同期し
て走査させてパターンの像を投影光学系を介して感光基
板に転写する投影露光装置において、投影光学系の結像
面に対する感光基板表面のずれ量を計測する焦点検出系
と、ずれ量に基づいて、投影光学系の結像特性を変化さ
せて、投影光学系の結像面を感光基板表面に一致させる
第1の焦点位置合わせ機構と、ずれ量に基づいて、感光
基板を投影光学系の光軸方向に移動させて、投影光学系
の結像面に感光基板表面を一致させる第2の焦点位置合
わせ機構と、パターンの像を感光基板に露光する露光時
と、パターンの像を感光基板に露光しない非露光時とに
基づいて、第1の焦点位置合わせ機構と、第2の焦点位
置合わせ機構とを切り替える切り替え手段とを備えてい
ることを特徴とする投影露光装置によって達成される。
上記投影露光装置において、第2の焦点位置合わせ機構
は、ずれ量に基づいて、投影光学系の結像面に感光基板
表面を一致させるように感光基板を投影光学系の光軸方
向に移動させる基板ステージを有することを特徴とす
る。
【0011】本発明によれば、露光時においては投影光
学系内のレンズ群を光軸方向に移動させるだけで焦点位
置合わせを行い、ウェハステージは投影光学系の光軸方
向に移動させないようにするので、レチクルとウェハを
投影光学系に対して同期走査させる際の同期精度に悪影
響を与える振動等の外乱が生じないようにして上記第1
の問題点を解決している。
【0012】また、投影光学系内のレンズ群のうち、例
えば6箇所のレンズ群を独立に移動することができる構
成にすれば、焦点位置合わせのためにレンズ群移動を行
っても焦点位置以外の結像性能を変化させないようにで
きるので第2の問題点を解決することができる。
【0013】また、本発明によれば、同期精度が必要な
露光時には投影光学系内のレンズ群を光軸方向に移動さ
せて焦点位置合わせを行い、非露光時にはウェハステー
ジを光軸方向に移動させて焦点位置合わせを行うように
しているので、投影光学系内でのレンズ群の移動ストロ
ークを抑制することができ、上記第3の問題点を解決す
ることができる。
【0014】このように本発明の構成によれば、レチク
ルとウェハの同期走査が必要なウェハの露光中は投影光
学系内のレンズ群の移動だけで焦点位置合わせを行い、
レチクルステージとウェハステージを投影光学系の光軸
方向に移動させないので、各ステージに対して余計な振
動等の外乱要素を与えずに同期走査することができ、高
精度な走査速度制御を行うことができるようになる。
【0015】また、例えば投影光学系内の6群のレンズ
群の組合せを用いて補正するようにすれば、焦点位置、
像面湾曲、倍率、ディストーション、コマ収差、球面収
差の6個の結像性能を同時に補正することができ、結像
性能変化を高精度で補正することができるようになる。
さらに同期走査が必要ない場合にはステージを投影光学
系の光軸方向に移動させて焦点位置合わせを行うことが
できるので、投影光学系のレンズ群の移動ストロークを
低減させることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による投影
露光方法および装置を図1乃至図5を用いて説明する。
まず、本実施の形態による投影露光装置の概略の構成を
図1を用いて説明する。本実施の形態は、ステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用した
ものである。図1は、本実施の形態における投影露光装
置を示し、この図1において、KrFエキシマレーザや
ArFエキシマレーザなどによる光源1からの照明光I
Lは図示しないインプットレンズを介して第1フライア
イレンズ2に入射する。第1フライアイレンズによる複
数の光源像からの照明光ILは、そのレーザ光のスペッ
クルを低減させる振動ミラー3で折り曲げられて第2フ
ライアイレンズ4に入射する。
【0017】第2フライアイレンズの光射出面には多数
の2次光源像が形成される。第2フライアイレンズ4の
射出面の近傍には、図示を省略したが複数種類の照明系
開口絞りが配置されている。第2フライアイレンズ4か
ら射出された後、所定の照明系開口絞りを通過した照明
光ILは、透過率が例えば98%程度のビームスプリッ
タ5に入射する。ビームスプリッタ5を透過した照明光
ILは、図示しないリレーレンズ等からなる光学系を経
てブラインド(照明視野絞り)8に至る。ブラインド8
の配置面は、第2フライアイレンズ4の射出面のフーリ
エ変換面近傍である。すなわち、ブラインド8の配置面
は、後述のレチクル11のパターン形成面とほぼ共役で
ある。
【0018】ブラインド8は、例えば4個のナイフエッ
ジにより矩形の開口を囲んだ機械的な視野絞りであり、
その矩形の開口によりレチクル11上でのスリット状の
照明領域の形状が規定される。ブラインド8により制限
された照明光ILは、折り曲げミラー9、コンデンサー
レンズ10を介してレチクル11上のスリット状の照明
頒域を均一な照度分布で照明する。
【0019】レチクル11上の照明領域内のパターン
は、投影光学系14を介して投影倍率β(βは例えば1
/4、または1/5等)でウェハ18上のスリット状の
露光フィールドにその像が投影される。ここで、投影光
学系14の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面
内で走査露光時のレチクル11およびウェハ18の走査
方向に平行にX軸を取り、Z軸に垂直な平面内でX軸に
垂直な方向(非走査方向)にY軸を取る。本実施の形態
では、、投影光学系14は、両側テレセントリックであ
り、投影光学系14の瞳面には可変開口絞り15が設け
られており、これによって、投影光学系14の開口数N
Aを変更できるようになっている。
【0020】また、本実施の形態では、レチクル11
は、X方向に摺動自在なレチクルステージ12上に保持
され、ウェハ18は、ウェハ18をX方向に走査すると
共にY方向に位置決めするXYステージ20上に設けら
れたZステージ19に保持されている。Zステージ19
はウェハ18をZ方向に移動させて位置決めできるよう
になっている。
【0021】レチクルステージ12とXYステージ20
とでステージ駆動機構が構成され、このステージ駆動機
構の動作が主制御装置24により制御されている。走査
露光時には主制御装置24は、レチクルステージ12を
駆動してレチクル11の照明領域に対して+X方向(ま
たは−X方向)に所定速度VRでレチクル11を走査す
るのと同期して、XYステージ20を駆動してウェハ1
8上の所定のショット領域を露光フィールドに対して−
X方向(または+X方向)に速度VW(=β・VR)で
走査する。これにより、そのショット領域上にレチクル
11のパターンが遂次転写露光される。
【0022】XYステージ20上のウェハ18の近傍
に、ウェハ18の露光面と同じ高さの受光面を有する光
電検出器からなる照射量センサ21が設置されている。
照射量センサ21は、その受光面に設けられた透過部か
ら照明光ILを受光して露光フィールド内での照射量を
検出するものであり、測定の際はXYステージ20を駆
動して、照射量センサ21を露光フィールドの中心部に
移動させる。
【0023】照射量センサ21から出力される検出信号
は主制御装置24に供給されており、主制御装置24は
その検出信号に基づき図示しない露光量制御系を介して
光源1からの照明光の光量を制御する。
【0024】また、透過率が98%程度のビームスプリ
ッタ5で反射された光は、集光レンズ等を介して光電検
出器よりなるインテグレータセンサ6の受光面に集光さ
れている。インテグレータセンサ6の受光面は、一例と
してレチクル11のパターン形成面、およびウェハ18
の露光面とほぼ共役であり、インテグレータセンサ6の
検出信号(光電変換信号)は、不図示の露光量制御系を
介して光源1の電源系や主制御装置24に供給されてい
る。
【0025】不図示の露光量制御系にはインテグレータ
センサ6の出力信号からウェハ18上での照射量(単位
時間当たりの露光量)を求めるための変換係数等が格納
されている。インテグレータセンサ6の受光面はレチク
ル11のパターン面とほぼ共役な位置に配置されている
ので、図示しない照明系開口絞りの形状を変えて照明条
件を変更した場合でも、インテグレータセンサ6の検出
信号に誤差が生じないようになっている。なお、インテ
グレータセンサ6の受光面を、投影光学系14における
レチクル11のパターンのフーリエ変換面(瞳面)と実
質的に共役な観察面に配置して、この観察面を通過する
全光束を受光できるようにしても構わない。
【0026】さらに本実施の形態では、透過率が98%
程度のビームスプリッタ5に関してインテグレータセン
サ6と反対側に、光電検出器よりなるウェハ反射率セン
サ7が設置され、ウェハ反射率センサ7の受光面はウェ
ハ18の表面とほぼ共役になっている。この場合、レチ
クル11を透過して投影光学系14を介してウェハ18
上に照射される照明光ILのうちで、ウェハ18での反
射光が、投影光学糸14、レチクル11等を介してウェ
ハ反射率センサ7で受光され、この検出信号(光電変換
信号)が主制御装置24に供給される。
【0027】主制御装置24では、レチクル11側に照
射される照明光ILの単位時間当たりの光エネルギ、お
よびウェハ反射率センサ7の検出信号から算出されるウ
ェハ18での反射光の単位時間当たりの光エネルギに基
づいて、投影光学系14を通過する照明光ILの単位時
間当たりの光エネルギを求める。さらに、このように求
められた光エネルギに露光時間を乗じて得られる熱エネ
ルギに基づいて、主制御装置24は投影光学系14の熱
膨張量を予測し、この予測された熱膨張量による投影光
学系14の各結像特性の変化量を求める。そして、後程
詳述するが、主制御装置24は、結像性能制御部17を
介して、投影光学系14に設けられた結像性能補正部1
6を制御して投影光学系14の結像特性を元の状態に補
正する。また、このために、投影光学系14の鏡筒付近
に大気圧センサ23が設けられている。
【0028】また、本実施の形態においては、投影光学
系14の結像面に向けてピンホール、あるいはスリット
状の像を形成するための結像光束を、投影光学系14の
光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系22
aと、その結像光束のウェハ18表面での反射光束を受
光する受光光学系22bとからなる斜入射方式の焦点位
置検出系22が設けられている。この焦点位置検出系2
2により、ウェハ18表面の結像面に対するZ方向の位
置を検出してウェハ18と投影光学系14との合焦状態
を検出することができるようになっている。
【0029】一方、レチクル11裏面側には、スリット
状の像を形成するための結像光束を、投影光学系14の
光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系13
aと、その結像光束のレチクル11裏面での反射光束を
受光する受光光学系13bとからなる斜入射方式の焦点
位置検出系13が設けられている。この焦点位置検出系
13により、レチクル11裏面の結像面に対するZ方向
の位置を検出してウェハ18とレチクル11との共役関
係の状態を検出することができるようになっている。
【0030】次に、本実施の形態による結像性能補正部
16の概略の構成および動作を図2および図3を用いて
説明する。図2は、投影光学系14内の結像性能補正部
16の断面を示し、結像性能補正部16の6箇所のレン
ズ群25〜30を示している。
【0031】レチクル11に近い方から順に第1乃至第
6のレンズ群25〜30とし、それらはそれぞれ支持部
材に固定されている。また、第1のレンズ群25は、支
持部材を介して伸縮可能な複数の駆動素子31に接続さ
れ、同様にして第2乃至第6のレンズ群も支持部材を介
して駆動素子32〜36に接続されている。駆動素子3
1〜36としては、例えば圧電素子や磁歪素子が用いら
れ、駆動素子31〜36に与える電圧または磁界に応じ
た駆動素子31〜36の変位を予め求めておく。ここで
は図示していないが、駆動素子31〜36のヒステリシ
ス性を考慮し、容量型変位センサ、差動トランス等の位
置検出器、あるいはリニアエンコーダ、干渉計等を駆動
素子31〜36に設け、駆動素子31〜36に与える電
圧または磁界に対応した駆動素子31〜36の位置をモ
ニタして高精度な駆動を可能としている。
【0032】これらの駆動素子31〜36は結像性能制
御部17に接続されており、主制御装置24から結像性
能制御部17に送出された指令に基づいて、所定の電圧
あるいは磁界が印加されるようになっている。また、主
制御装置24には、2つの大気圧センサ23が接続され
ており、1つは、結像性能補正部16内に設けられたレ
ンズ内大気圧センサ23aであり、他の1つは投影光学
系14の鏡筒側壁部近傍に設けられたレンズ外大気圧セ
ンサ23bである。これらの大気圧センサ23からの大
気圧情報は、主制御装置24に入力されるようになって
いる。
【0033】図3は、第1のレンズ群25の領域を投影
光学系14の光軸AXに対して垂直な面で切った断面を
示している。図3に示すように、駆動素子31a、31
b、31cは、支持部材上でそれぞれ120°ずつ回転
した位置に配置されている。これら駆動素子31a、3
1b、31cは、それぞれ結像特性制御部17により独
立して制御されることができるようになっている。結像
性能補正部16内の他のレンズ群26〜30の複数(本
例では3個)の駆動素子31〜36も同様に独立制御可
能になっている。これにより、各レンズ群25〜30の
周辺3点を、それぞれ投影光学系14の光軸AX方向に
それぞれの駆動素子の駆動量に応じて移動させることが
できる。その結果、各々のレンズ群を光軸AX方向に移
動させ、あるいは光軸AXに垂直な面に対して傾斜させ
ることが可能となる。
【0034】この図2および図3に示した6箇所のレン
ズ群25〜30を駆動することにより各結像性能を補正
することができる。結像性能制御部17の指示により各
レンズ群25〜30は独立の目標値に位置決めされる。
各レンズ群25〜30を移動あるいは傾斜させることに
より種々の結像性能を変化させることができるので、各
レンズ群25〜30の移動および傾斜を組み合わせるこ
とにより、種々の結像性能が所定の値となるように補正
することができる。なお、本実施の形態ではレンズ群の
移動や傾斜により結像性能を補正するようにしている
が、例えば投影光学系内部のレンズ群間の一部空間を密
封して、当該空間内の圧力を変更することにより結像性
能を補正するようにしてもよく、また、これらを組み合
わせて補正するようにしてももちろんよい。
【0035】次に、本実施の形態による投影露光方法と
しての焦点位置合わせ方法について説明する。まず、レ
チクル11とウェハ18を共役状態に合わせるため、Z
ステージ19のZ方向の基準位置を以下に示すようにし
て求める。まず、所定のマークが描かれたレチクル11
をレチクルステージ12の所定の場所に搭載して、Zス
テージ19をステップ送りしながらレチクル11の所定
のマークを感光剤が塗布されたウェハ18上に焼き付け
て現像する。このウェハ18を光学顕微鏡で観察して焼
き付けたマーク形状が最も良好なZ方向の位置を基準位
置とし、そのときのレチクル11側の斜入射方式の焦点
位置検出系13、ウェハ18側の斜入射方式の焦点位置
検出系22の出力を焦点基準位置として主制御装置24
の図示しない記憶装置に記憶しておく。これ以降の焦点
位置の変動についての補正はこの焦点基準位置に基づい
て行われる。
【0036】次に、本実施の形態におけるZステージ1
9を用いた焦点位置の補正方法について説明する。既に
説明したように、本実施の形態においては、レチクル1
1とウェハ18はそれぞれレチクル11側の斜入射焦点
位置検出系13およびウェハ18側の斜入射焦点位置検
出系22により、レチクル11およびウェハ18の投影
光学系14の光軸AX方向の変位をそれぞれ検出できる
ようになっている。これら斜入射焦点位置検出系13、
22を用いて、例えば前掲の特公平8−21531号公
報に記載されている焦点位置検出方法を用いて焦点位置
合わせを行う。なお、特公平8−21531号公報には
ウェハ18側の焦点位置合わせについて記載している
が、同様の焦点位置合わせをレチクル11側の斜入射焦
点位置検出系13にも容易に適用することができる。
【0037】さて、主制御装置24は、Zステージ19
の焦点基準位置からのZ方向の位置検出信号を焦点位置
検出系22から受け取って、Zステージ19の焦点基準
位置からの位置ずれ量(焦点位置変位量)を求め、位置
ずれ量がゼロになるようにZステージ19をZ軸(A
X)方向に移動させることにより、ウェハ18と投影光
学系14の結像面との位置ずれの調整を行う。ここで、
焦点基準位置から検出されたレチクル11、ウェハ18
側の変位量をそれぞれRz、Wz、投影倍率をMLとす
ると、焦点位置変位量ΔFは、
【0038】 ΔF=Rz×ML2−Wz ・・・式(1)
【0039】と表される。式(1)の左辺ΔFが0(ゼ
ロ)となるようにZステージ19をZ軸方向に移動させ
ることで、レチクル11とウェハ18の共役関係が保た
れる。具体例を挙げると、レチクルステージ12の走査
移動中にレチクル11がZ軸方向に10μmずれたとす
ると、投影光学系14の投影倍率が0.25倍であると
すればウェハ18上では焦点位置変位量ΔF=0.62
5μmとなる。このとき、ウェハステージ19を移動さ
せてウェハ18をZ軸方向に0.625μm変位させ
る、つまり式(1)でウェハ18側の変位量Wz=0.
625μmとなるようにすれば焦点位置変位量ΔFを0
にすることができる。
【0040】また、大気圧変化や照明光吸収などの要因
で投影光学系14自体による焦点位置の変動が生じた場
合についても、式(1)を拡張することにより対応する
ことができる。投影光学系14自体に基づく焦点位置変
化量をFLとして、
【0041】 ΔF=FL+Rz×ML2−Wz ・・・式(2)
【0042】とすることで、投影光学系14自体による
焦点位置変化にも対応できるようになる。
【0043】次に、本実施の形態による投影光学系14
自体の結像性能変化を算出する方法について説明する。
投影光学系14自体の結像性能が変化してしまう原因は
大きく分けて2つある。第1は投影光学系14周囲の環
境の変動、すなわち大気圧、温度、湿度の変化に基づく
結像性能の変化である。第2はウェハ18の露光時に投
影光学系14自体が照明光ILを吸収して投影光学系1
4を構成するレンズの形状や屈折率が変化してしまうこ
とによる結像性能の変化である。
【0044】ここで、環境変化による結像性能の変動の
原因として大気圧の変化を例にとって説明する。通常、
投影露光装置は、温度および湿度を厳しく管理されたチ
ャンバ内に設置されているので投影光学系14の温度お
よび湿度の変化による結像性能の変化は無視できる場合
が多い。もちろん、投影光学系14自体に温度および湿
度依存性が大きい場合には、後述する大気圧変化に基づ
く結像性能の変化の計算式と同様にしてそれらに基づく
結像性能の変化を求めることができる。
【0045】まず、投影光学系14の内部および外部の
大気圧の変化について説明する。図2に示したように投
影光学系14内部および投影光学系14の鏡筒外部に大
気圧センサ23a、23bが配置されている。このよう
に、投影光学系14の内部と外部で別々に大気圧センサ
23を設けるのは、投影光学系14内部には、投影光学
系14外部の空気とは別の気体が充填される場合がある
からである。投影光学系14内部には、所定の目的に沿
って数種類の気体のいずれかが選択的に充填される。例
えば、ArFレーザ等の短波長の光を光源1として用い
ると、その照明光により光路中の酸素が光化学反応を起
こして人体に悪影響を及ぼす可能性のあるオゾンを発生
させたり、投影光学系14内の各投影レンズの表面コー
トの材質によってはレンズに曇りを生じてしまったりす
る。これを避けるために投影光学系14内部を窒素で充
填あるいはフローすることがある。また、大気圧変化に
よる結像性能変化を抑えるために、ヘリウムを充填ある
いはフローすることがある。へリウムは空気に比べて屈
折率が小さいので、大気圧が変化した場合の結像性能変
化が小さいという利点を有する。以上のように投影光学
系14の内部と外部で別の雰囲気を構成するようにする
と、それらの気圧も投影光学系14の内部および外部で
同じにならない場合があるので、別々に大気圧センサ2
3を配置するようにしている。このような構成のもと
で、大気圧変化に基づく投影光学系14の焦点位置変化
は以下のように表される。
【0046】 FPRESS=KFPlN×ΔPlN+KFPOUT×ΔPOUT ・・・式(3)
【0047】ただし、 FPRESS : 大気圧変化による焦点位置変化 KFPlN : 内部気圧変化による焦点位置変化率 KFPOUT : 外部気圧変化による焦点位置変化率 ΔPlN : 内部気圧変化 ΔPOUT : 外部気圧変化
【0048】上記式(3)において、投影光学系14内
部および外部の気圧変化による焦点位置変化率KFPlN
FPOUTは光学計算により求めるか、実際に気圧を変化
させて実測してもよい。同様にして、大気圧変化に基づ
く他の結像性能変化を表すと以下の式(4)のようにな
る。
【0049】
【数1】
【0050】なお、上記式(4)において、焦点位置変
化FPRESSは式内に再掲している。ここで、式内の各変
数は、
【0051】 FPRESS : 大気圧変化による焦点位置変化 CUPRESS : 大気圧変化による像面湾曲変化 MPRESS : 大気圧変化による倍率変化 DPRESS : 大気圧変化によるディストーション変
化 COPRESS : 大気圧変化によるコマ収差変化 SAPRESS : 大気圧変化による球面収差変化
【0052】であり、大気圧変化による各変化率は上述
の焦点位置変化FPRESSで説明したのと同様に、光学計
算により求めるか、実際に気圧を変化させて実測するこ
とにより求められる。上述の式(3)、(4)では、投
影光学系14内部と外部とで別個の大気圧センサから得
られた2つの係数を用いて結像性能変化を算出するよう
にしているが、投影光学系14内外で気圧が連動すると
考えて精度上問題ない場合には、式(3)、(4)の右
辺は第1項、第2項のどちらか一方だけを用いるように
することももちろん可能である。
【0053】次に、投影光学系14における照明光吸収
による結像性能変化について説明する。始めに、照射量
Qの測定について説明する。まず、露光に使用するレチ
クル11をレチクルステージ12に搭載する。次に、ウ
ェハ18の露光と同一の状態にブラインド8や照明条件
(NAや不図示の照明系絞り)を設定してから、照射量
センサ21が投影光学系14の真下にくるようにXYス
テージ20を移動させる。次に光源1のレーザを発振さ
せてレチクルステージ12とXYステージ20を実際の
露光と同じ条件で走査させて照射量センサ21の出力を
走査位置に応じて測定した照射量Q0を記憶する。すな
わち、照射量Q0はレチクル11の走査位置に応じた関
数となっている。また、照射量センサ21での測定時
に、同時にインテグレータセンサ6の出力I0もレチク
ル11の走査位置に応じて測定して記憶しておく。実際
の露光時にはレチクル11の走査位置に応じて記憶して
おいた照射量Q0とインテグレータセンサ6の出力I0
および実際の露光中のインテグレータセンサ6の出力I
1から、当該露光中の照射量Q1が、
【0054】Q1=Q0×I1/I0 ・・・式(5)
【0055】として求められる。この式(5)は投影光
学系14内での照明光吸収の計算に使用される。この式
(5)は、式中にインテグレータセンサ6の出力比が用
いられているので、例えば光源1のパワーが変動したよ
うな場合でも実際に照射されている露光光の照射量を少
ない誤差で求めることができる。また式(5)は、レチ
クル11の走査位置に応じた関数となっているので、例
えばレチクルパターンが面内で片寄っているような場合
にも正確に照射量を求めることができる。
【0056】なお、照射量センサ21による照射量の測
定時に実際の露光条件で測定するようにしたが、例えば
照射量センサ21の特性により、実際の露光光の強さで
は信号が飽和してしまうような場合には、図1における
照明系内に不図示の減光(ND)フィルタを選択的に挿
入して、照明光量が照射量センサ21の計測レンジ内に
入るように減光してもよい。この場合、実際の露光時に
は、ND透過率に応じた減光の割合を反映させて照射量
を計算する。
【0057】次に、ウェハ反射率RWの測定について説
明する。レチクル11、ブラインド8、および照明条件
を実際の露光の状態に設定した上で、まずXYステージ
20に設置された反射率RHの反射板(不図示)を投影
光学系14直下に移動させる。この状態でレチクルステ
ージ12を実露光と同様に照明して反射率センサ7の出
力VHをレチクル11の走査位置に応じて記憶する。同
時にインテグレータセンサ6の出力IH0もレチクル11
の走査位置に応じて記憶する。次に、前述の反射板とは
反射率が異なる反射板(不図示、反射率RL)を投影光
学系14直下に移動して同様にして反射率センサ7の出
力VL、インテグレータセンサ6の出力ILOを測定して
記憶しておく。実露光時には反射率センサ7の出力V1
とインテグレータセンサ6の出力I1からウェハ反射率
Wは、
【0058】
【数2】
【0059】として求められる。式(6)に示すよう
に、露光中にリアルタイムでインテグレータセンサ6お
よび反射率センサ7の出力をモニタしているので、照射
量の測定の場合と同様に光源1の出力に変動があっても
ウェハ反射率を正確に求めることができる。以上のよう
にして求められた照射量Q1、ウェハ反射率RWから以下
のモデル関数を使用して投影光学系14の照明光吸収に
よる結像性能変化が計算される。
【0060】
【数3】
【0061】ただし、 FHEAT : 照明光吸収による焦点位置変化 Δt : 照明光吸収による焦点位置変化計算間隔 TFK : 照明光吸収による焦点位置変化時定数 FHEATK : 照明光吸収による時刻Δt前の焦点位置変
化の時定数TFK成分 CFHK : 照明光吸収に対する焦点位置変化率の時定
数TFK成分 αF : ウェハ反射率依存性
【0062】この式(7)に示すモデル関数は、照射量
を入力、焦点位置変化を出力と見たときに、1次遅れ系
3個(k=A,B,C)の和の形として表したものであ
る。このモデル関数は、式(7)に限られず、投影光学
系14の照明光吸収量と必要とされる精度から変更して
もよい。例えば、照明光吸収量が比較的小さければ、1
次遅れ系2個の和としてもよいし、1次遅れ系1個とし
てもよい。また、投影光学系14が照明光を吸収してか
ら結像性能変化として現れるまでに熱伝導により時間が
かかるようならば、ムダ時間系のモデル関数を採用して
もよい。また、ウェハ反射率依存性は通常1であるが、
投影光学系14においてウェハ18に近い側に吸収率の
大きいガラス材料を使用した場合には反射率に大きく影
響することがあるので、この場合にはαFに1より大き
い値を設定する。逆に投影光学系14のウェハ18に近
い側に吸収率が小さいガラスを採用した場合にはαFに
1より小さい値を設定する。なお、照明光吸収による焦
点位置変化時定数、照明光吸収に対する焦点位置変化
率、およびウェハ反射率依存性は、いずれも実験により
実測するか、あるいは、高精度な熱解析シミュレーショ
ンにより計算で求めることができる。
【0063】以上説明した投影光学系14の照明光吸収
による焦点位置の変動を示す式(7)と同様にして、投
影光学系14の照明光吸収による焦点位置以外の他の結
像性能の変動を示す式を得ることができる。なお、焦点
位置の変動を示すモデル式では式(7)のように1次遅
れ系3個の和として表したが、例えば像面湾曲のモデル
式では1次遅れ系1個で十分な場合も考えられる。ま
た、モデル式による演算時間を短縮させるために、各結
像性能毎に照明光吸収のモデル関数を変更してもよい。
以上説明したような、投影光学系14の照明光吸収によ
る焦点位置変化のモデル式(7)と同様にして、以下に
示す全6種類の結像特性の変動を示すモデル式を予め求
めておく。
【0064】FHEAT : 照明光吸収による焦点位置
変化 CUHEAT : 照明光吸収による4像面湾曲変化 MHEAT : 照明光吸収による倍率変化 DHEAT : 照明光吸収によるディストーション変化 COHEAT : 照明光吸収によるコマ収差変化 SAHEAT : 照明光吸収による球面収差変化
【0065】次に、本実施の形態による投影光学系14
内の結像性能補正部16による結像特性の補正について
説明する。まず、投影光学系14内の結像性能補正部1
6の各レンズ群のZ軸方向への移動量と結像性能変化量
の関係を実験により予め求めておく。以下の式(8)の
係数C11〜C66により、6個のレンズ群を各々移動した
際の各結像性能の変化が表される。
【0066】
【数4】
【0067】ここで、G1〜G6は6個のレンズ群の移動
量を表している。なお、実験により各係数C11〜C66
求めているが、高精度な光学シミュレーションにより計
算で係数を求めてもよい。以上、投影光学系14におけ
る大気圧変化と照明光吸収とによる結像性能変化につい
て説明した。
【0068】次に、Zステージ19を光軸AX方向に移
動させてウェハ18表面を投影光学系の結像面に一致さ
せる方法を用いずに、投影光学系14の結像性能補正部
16内の6箇所のレンズ群25〜30だけを使用してこ
れらの結像性能変化を補正する第1補正モードについて
以下に説明する。まず、各結像性能変化は、
【0069】
【数5】
【0070】と表され、各レンズ群25〜30を所定量
移動させることにより各結像性能変化がキャンセルされ
る。式(9)の右辺第3項として、レチクル11および
ウェハ18に用いる斜入射焦点位置検出系13、22の
検出値が入っているが、これは、レチクル11やウェハ
18の平面度不良などにより焦点基準位置からZ軸方向
に変位したような場合でも、結像性能補正部16内のレ
ンズ群25〜30の移動で補正することを意味してい
る。すなわち、第1補正モードではZステージ19は全
く移動させずに、ウェハ18の表面に投影光学系14の
結像面を一致させることができるようになる。従って、
レチクル11とウェハ18の同期走査が必要なウェハ1
8の露光中は投影光学系14内のレンズ群25〜30の
移動だけで焦点位置合わせを行い、レチクルステージ1
2とウェハステージ20を投影光学系14の光軸AX方
向に移動させないので、各ステージ12,20に対して
余計な振動等の外乱要素を与えずに同期走査することが
でき、高精度な走査速度制御を行うことができるように
なる。なお、第1補正モードにおける各レンズ群25〜
30の移動量は、以下の式(10)から求めることがで
きる。
【0071】
【数6】
【0072】次に、Zステージ19を光軸AX方向に移
動させてウェハ18表面を投影光学系の結像面に一致さ
せる方法を使用してこれらの結像性能変化を補正する第
2補正モードについて以下に説明する。まず、各結像性
能変化は、
【0073】
【数7】
【0074】と表される。式(11)において、焦点位
置Fを除いた残り5個の結像性能は、5箇所の例えばレ
ンズ群26〜30をZ軸方向に移動させることにより補
正する。以下の式(12)よりレンズ群26〜30の移
動量が求められる。
【0075】
【数8】
【0076】式(12)に基づいて5個のレンズ群26
〜30を移動させると、焦点位置が変動する。従って、
この焦点位置変動量をFGとすると、
【0077】
【数9】
【0078】となる。結局、投影光学系14の焦点位置
変化は、大気圧変化、照明光吸収変化、レンズ群移動変
化を合せて、
【0079】FL=F+FG ・・・式(14)
【0080】となる。投影光学系14の焦点位置変化F
Lを上述のZステージ19による焦点位置補正の式
(2)に代入して補正を実行する。なお、ここでの説明
では結像性能補正部16内のレンズ群25を移動させな
いようにしたが、代わりに他のレンズ群26〜30のい
ずれかを移動させないようにしてもよい。例えば、大気
圧変化や照明光吸収は計算で予想できるので、予め、1
個のレンズ群を固定して他の5個のレンズ群で補正した
場合に各レンズ群の移動量を小さくできる組合せを求め
ておいて選択するようにしてもよい。
【0081】次に、本実施の形態による焦点位置の補正
動作の流れについて図4および図5を用いて説明する。
図4および図5は共に、投影光学系14の結像性能補正
部16による焦点位置の補正と、Zステージ19の光軸
AX方向への移動による焦点位置の補正とを示してい
る。図4および図5の縦軸は、Zステージ19の焦点位
置補正量と結像性能補正部16による焦点位置補正量を
表している。また、横軸は時間を表しており、非露光状
態、露光状態、非露光状態の順に状態が変化する場合を
例示している。
【0082】まず、図4において、非露光時は第2補正
モードで焦点位置を補正する。このとき、投影光学系1
4では焦点位置補正はしていない。次に、露光が始まる
と、第1補正モードに移行する。Zステージ19は固定
して投影光学系14側で焦点位置を補正する。次に露光
が終了したら投影光学系14で補正していた焦点位置の
位置情報をZステージ19側に受け渡し、受け渡された
焦点位置情報に基づいてZステージ19を所定量Z方向
に移動させると共に、投影光学系14の結像性能補正部
16内の各レンズ群をリセット位置まで戻すようにす
る。
【0083】これにより、投影光学系14側で補正する
焦点位置補正量は常に露光中の変化分だけにすることが
できる。この手順では、結像性能補正部16からZステ
ージ19側に焦点位置情報の受け渡し動作が発生するの
で、Zステージ19の光軸AX方向の移動と、リセット
位置に移動するレンズ群の移動が完全に一致していない
と、瞬間的に焦点位置ずれが発生してしまう可能性があ
る。これはZステージ19の移動応答性、あるいは結像
性能補正部16内のレンズ群の移動応答性を実験的に求
めておいて、それらの応答性を考慮して、焦点位置情報
の受け渡し動作時における他の動作に所定の待ち時間を
設定することにより回避することができる。
【0084】次に、図5を用いて焦点位置の補正動作の
他の例を説明する。まず初めは、図4に示した手順と同
様に最初の非露光時は第2補正モードで焦点位置を補正
している。次に露光が始まるとやはり図4と同様に第1
補正モードに移行する。次に露光が終了すると第2補正
モードに移行するが、その際図4に示した手順と異な
り、結像性能補正部16側で補正した焦点位置の補正情
報はZステージ19に受け渡されない。こうすること
で、図4に示した手順で発生し得る焦点位置受け渡し誤
差をなくすことができ、連続的に焦点が合っている状態
を継続させることができる。つまり、露光終了直後に例
えばウェハアライメントやレチクルアライメントなどを
実行する際に待ち時間がなくなるので、スループットを
低下させない焦点位置合わせを行うことができるように
なる。
【0085】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、図4
および図5に示したように露光中と非露光中で焦点位置
合わせ動作を切り替えるようにしたが、本発明はこれに
限られず、例えば、ウェハ1枚の最初の露光領域の露光
から最後の露光領域の露光までは第1補正モードで焦点
位置合わせを行うようにし、ウェハを交換してから交換
したウェハのアライメントを行う動作においては、第2
補正モードを用いるようにしてももちろんよい。
【0086】さらに、図4で示した焦点位置の補正動作
を動作A、図5で示した焦点位置の補正動作を動作Bと
して、1枚のウェハ内では動作Bで焦点位置の補正を行
いウェハ交換時のようなある程度時間がある場合には動
作Aを用いて、焦点位置情報の受け渡しが行われるよう
にしてもよい。さらに、投影露光装置が連続稼動してい
る間は動作Bを用い、ロットの合間などで装置を使用し
ていない時に動作Aを用いるようにしてもよい。あるい
は、通常は動作Bを用いるが、投影光学系14による焦
点位置補正量が所定の閾値を超えたら動作Aに移行して
Zステージ19に焦点位置補正情報を受け渡すようにし
てもよい。
【0087】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、レチクル
とウェハの同期走査が必要なときには、投影光学系内の
所定のレンズ群を駆動して行う焦点位置補正動作を用
い、レチクルとウェハの同期走査が必要ないときにはZ
ステージを投影光学系の光軸方向に移動させる焦点位置
補正動作を用いるようにして、同期走査時にはZステー
ジを移動させずに済むようにしたので、XYステージの
走査移動制御に与える外乱の要素を減らすことができ高
精度な同期走査制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による投影露光装置の概
略の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による投影露光装置にお
ける結像性能補正部16の、投影光学系14の光軸AX
に沿って切断した断面の概略を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による投影露光装置にお
ける結像性能補正部16の、投影光学系14の光軸AX
に垂直な面で切断した断面の概略を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態による投影露光方法にお
ける焦点位置合わせ動作の一例を説明する図である。
【図5】本発明の一実施の形態による投影露光方法にお
ける焦点位置合わせ動作の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源 2 第1フライアイレンズ 3 振動ミラー 4 第2フライアイレンズ 5 ビームスプリッタ 6 インテグレータセンサ 7 反射率センサ 8 ブラインド 9 折り曲げミラー 10 コンデンサレンズ 11 レチクル 12 レチクルステージ 13 レチクル斜入射AF 14 投影光学系 15 可変開口絞り 16 結像性能補正部 17 結像性能制御部 18 ウェハ 19 Zステージ 20 XYステージ 21 照射量センサ 22 ウェハ斜入射AF 23 大気圧センサ 23a レンズ内大気圧センサ 23b レンズ外大気圧センサ 24 主制御装置 25〜30 レンズ群 31〜36 圧電素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パターンが形成されたレチクルと感光基板
    とを同期して移動させ、前記パターンの像を投影光学系
    を介して前記感光基板に露光する投影露光方法におい
    て、 前記投影光学系の結像面に対する前記感光基板表面のず
    れ量を計測する焦点検出ステップと、 前記ずれ量に基づいて、前記投影光学系の結像特性を変
    化させて、前記投影光学系の結像面を前記感光基板表面
    に一致させる第1の焦点位置合わせステップと、 前記ずれ量に基づいて、前記感光基板を前記投影光学系
    の光軸方向に移動させて、前記投影光学系の結像面に前
    記感光基板表面を一致させる第2の焦点位置合わせステ
    ップと、 前記パターンの像を前記感光基板に露光する露光時と、
    前記パターンの像を前記感光基板に露光しない非露光時
    とに基づいて、前記第1の焦点位置合わせステップと、
    前記第2の焦点位置合わせステップとを切り替える切り
    替えステップとを有することを特徴とする投影露光方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の投影露光方法において、 前記切り替えステップは、前記露光時には、前記第1の
    焦点位置合わせステップに切り替え、前記非露光時に
    は、前記第2の焦点位置合わせステップに切り替えるこ
    とを特徴とする投影露光方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の投影露光方法に
    おいて、 前記第1の焦点位置合わせステップは、前記投影光学系
    内の複数のレンズ群のうち、少なくとも1つのレンズ群
    を前記投影光学系の光軸方向に移動させて、前記レチク
    ルと前記感光基板との共役関係を維持させることを特徴
    とする投影露光方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の投影露光方法において、 前記露光時から前記非露光時に移行する際、前記光軸方
    向に移動させた前記複数のレンズ群のうち、少なくとも
    1つのレンズ群を所定のリセット位置まで復帰させ、復
    帰に伴う前記結像面の変動量だけ前記感光基板を前記光
    軸方向に移動させることを特徴とする投影露光方法。
  5. 【請求項5】レチクルに形成されたパターンの像を感光
    基板に投影する複数のレンズ群を有する投影光学系を備
    え、前記レチクルと前記感光基板とを同期して走査させ
    て前記パターンの像を前記投影光学系を介して前記感光
    基板に転写する投影露光装置において、 前記投影光学系の結像面に対する前記感光基板表面のず
    れ量を計測する焦点検出系と、 前記ずれ量に基づいて、前記投影光学系の結像特性を変
    化させて、前記投影光学系の結像面を前記感光基板表面
    に一致させる第1の焦点位置合わせ機構と、 前記ずれ量に基づいて、前記感光基板を前記投影光学系
    の光軸方向に移動させて、前記投影光学系の結像面に前
    記感光基板表面を一致させる第2の焦点位置合わせ機構
    と、 前記パターンの像を前記感光基板に露光する露光時と、
    前記パターンの像を前記感光基板に露光しない非露光時
    とに基づいて、前記第1の焦点位置合わせ機構と、前記
    第2の焦点位置合わせ機構とを切り替える切り替え手段
    とを備えていることを特徴とする投影露光装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の投影露光装置において、 前記第2の焦点位置合わせ機構は、前記ずれ量に基づい
    て、前記投影光学系の結像面に前記感光基板表面を一致
    させるように前記感光基板を前記投影光学系の光軸方向
    に移動させる基板ステージを有することを特徴とする投
    影露光装置。
JP10117922A 1998-03-19 1998-03-19 投影露光方法および装置 Withdrawn JPH11274070A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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