JPH0982599A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH0982599A
JPH0982599A JP7232274A JP23227495A JPH0982599A JP H0982599 A JPH0982599 A JP H0982599A JP 7232274 A JP7232274 A JP 7232274A JP 23227495 A JP23227495 A JP 23227495A JP H0982599 A JPH0982599 A JP H0982599A
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lens
projection optical
exposure
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影光学系の周囲の大気圧等の環境変化、又
は露光用照明光の吸収等によって悪化する投影光学系の
非線形倍率誤差、又は像面湾曲等の結像特性を補正す
る。 【解決手段】 投影光学系PL1のレンズエレメントを
石英からなるレンズエレメント25〜34,35A,3
8A、及び蛍石よりなるレンズエレメント36A,37
Aより構成し、後者のレンズエレメント36A,37A
の温度を温度制御装置13bによって制御して結像特性
を補正する。レンズエレメント36A,37Aの端部に
温度センサ54B,54Aを被着し、温度センサ54
B,54Aを介して計測された温度を主制御装置18に
供給し、主制御装置18ではその計測された温度が所定
の目標温度に達したときにウエハWへの露光動作を開始
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程で使用さ
れ、マスクパターンを投影光学系を介して感光基板上に
転写する投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC,LSI等の半導体素子等を製造す
るための投影露光装置は、マスクとしてのレチクルと、
感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)の各
ショット領域とを投影光学系を介して所定の位置関係に
位置決めし、一括で各ショット領域の全体にレチクルの
パターン像を露光するステップ・アンド・リピート方式
と、レチクルとウエハの各ショット領域とを投影光学系
に対して相対走査することにより、各ショット領域にレ
チクルのパターン像を逐次露光していくステップ・アン
ド・スキャン方式とに大別される。これら両方式は、レ
チクルのパターンを投影光学系を介して投影する点では
共通であり、ウエハ上にレチクルのパターンの像を如何
に正確に投影できるかが重要となる。
【0003】一般に、投影光学系を設計する際には所定
の条件下で光学的諸収差がほぼ0になるように設計され
るが、投影露光を行う際の環境が変化して投影光学系近
傍の大気圧や温度が変化するか、又は露光用照明光の照
射による熱吸収等があると、投影光学系を構成するレン
ズ間の気体の屈折率変化、レンズ膨張、レンズの屈折率
変化、及びレンズ鏡筒の膨張等が発生する。このため、
レチクルのパターンをウエハ上に投影するときに、その
投影像が投影光学系の光軸に垂直な方向にずれる現象で
あるディストーションが発生してしまう。このディスト
ーションの内の線形倍率誤差(像高に対して倍率が1次
関数的に変化する成分)を補正する手段として、従来よ
り投影光学系内の一部のレンズを駆動したり、一部のレ
ンズ間の気体圧力を制御したりするレンズ制御システム
が使用されている。
【0004】また、そのディストーションと共に、その
投影像の結像面(ベストフォーカス面)の投影光学系の
光軸方向の位置(フォーカス位置)がずれて、ウエハの
表面がその結像面から外れてしまうデフォーカスも発生
していた。このデフォーカスの内の線形的なデフォーカ
ス(像高に対してデフォーカス量が1次関数的に変化す
る成分)を補正する手段として、従来よりウエハのフォ
ーカス位置を結像面の方向に制御するオートフォーカス
機構、及びウエハの傾斜角を結像面に合わせ込むように
制御するオートレベリング機構が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の投影
露光装置においては、環境変化等によって発生する投影
像のディストーションの内の、特に非線形倍率誤差(高
次倍率誤差)に対する補正を行うことができないという
不都合があった。また、環境変化等によって発生する投
影光学系の結像面に対するデフォーカスの内の非線形的
なデフォーカス、特に像面湾曲に対する補正を行うこと
ができないという不都合もあった。この場合、非線形倍
率誤差は投影光学系の光軸に垂直な平面上での投影像の
非線形的な横ずれ量であり、非線形的なデフォーカスは
投影光学系の光軸方向での結像面の非線形的なずれ量で
あるため、両者を合わせて非線形誤差と呼ぶこともでき
る。
【0006】例えば、非線形倍率誤差が、ステップ・ア
ンド・リピート方式(一括露光方式)の投影露光装置で
発生すると、図16(a)に示すように、本来の投影像
66、及び67が像高によって非線形に変化して投影像
66A,67Aのようになり、2層間での重ね合わせ精
度が悪化する。一方、その非線形倍率誤差が、ステップ
・アンド・スキャン方式(走査露光方式)の投影露光装
置で発生すると、図16(b)に示すように、本来の投
影像66、及び67が像高によって非線形に変化して投
影像66B,67Bのようになり、同様に2層間での重
ね合わせ精度が悪化する。また、図16(b)におい
て、走査露光時のウエハの走査方向は矢印で示すY方向
となっており、走査方向には平均化効果によって投影像
のディストーションは発生していないものの、その平均
化効果によって像劣化が生じている。また、非走査方向
(X方向)には、一括露光方式と同様に像高に応じた倍
率誤差が発生しているのが確認できる。
【0007】更に、投影像の像面湾曲が、ステップ・ア
ンド・リピート方式の投影露光装置で発生すると、図1
7(a)に示すように、本来の投影像の結像面72のフ
ォーカス位置が像高によって非線形に変化して結像面7
3Aのようになり、全体としての焦点深度の幅が狭くな
る。一方、そのような像面湾曲が、ステップ・アンド・
スキャン方式の投影露光装置で発生すると、図17
(b)で示すように本来の投影像の結像面72に対し
て、走査方向であるY方向には平均化効果によってデフ
ォーカスは発生していないものの、その平均化効果によ
って像劣化が生じている。また、非走査方向(X方向)
には、一括露光方式と同様に像高に応じたデフォーカス
が発生して、走査露光後の実質的な結像面は結像面73
Bとなっているため、結果として所謂「かまぼこ型」の
像面湾曲が発生していることが確認できる。
【0008】更に近年、レチクルサイズが拡大してきて
おり、大きなレチクルを使用する場合にそのレチクルの
撓みによって、投影像の像面湾曲が拡大してしまうとい
う不都合も生じている。本発明は斯かる点に鑑み、投影
光学系の周囲の大気圧等の環境の変化、又は露光用照明
光の吸収等によって悪化する投影光学系の非線形倍率誤
差(高次倍率誤差)又は像面湾曲等の非線形誤差のよう
な結像特性を補正できる投影露光装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光装
置は、例えば図1、及び図2に示すように、マスクパタ
ーン(R)を投影光学系を介して感光基板(W)上に投
影する投影露光装置において、その投影光学系(PL
1)は、互いに屈折率に関する温度特性の異なる硝材よ
りなる複数組の光学部材(25〜34,35A,38A
と36A,37A)を有し、それら複数組の光学部材中
の少なくとも1つの光学部材(36A,37A)の温度
を、投影光学系(PL1)の結像特性に応じて定まる可
変の目標温度に設定する温度制御手段(13)と、この
温度制御手段による制御対象の光学部材(36A,37
A)の温度がその目標温度に対して所定の許容範囲内に
収まった後に感光基板(W)への露光動作を開始する露
光制御手段(18)と、を設けたものである。
【0010】この場合、温度制御手段(13)による制
御対象の光学部材(36A,37A)の温度を計測する
温度センサ(54A,54B)を設け、露光制御手段
(18)は、温度センサ(54A,54B)の計測値と
その目標温度とを比較して露光動作を開始するか否かを
判定することが望ましい。また、温度制御手段(13)
による制御対象の光学部材の温度が所定の温度に達する
までの時間を記憶する記憶手段を設け、露光制御手段
(18)は、その記憶手段に記憶されている時間に応じ
た時間が経過した後に感光基板(W)への露光動作を開
始するようにしてもよい。
【0011】また、温度制御手段(13)によって制御
対象とする光学部材の温度をその目標温度に設定する際
に、例えば図13(b)に示すように、温度制御手段
(13)による中間的な設定温度(制御温度Tij)をそ
の目標温度(T2 )に対してオーバーシュート又はアン
ダーシュートさせるようにしてもよい。斯かる本発明に
よれば、例えばKrFエキシマレーザ光(波長248n
m)やArFエキシマレーザ光(波長193nm)のよ
うな遠紫外域付近の光を露光光として用いる場合、屈折
率に関する温度特性の異なる複数の硝材としては、石
英、及び蛍石等が挙げられる。この場合、石英は温度が
上昇しても膨張係数が小さいため膨張はしないが、屈折
率が大きくなる特性を持っている。従って、図6(b)
に示すように、石英の正レンズ49Bでは温度が上昇す
ると、結像面FBが正レンズ49Bに近付く方向に変位
する。一方、蛍石は温度の上昇で膨張し、屈折率は小さ
くなる特性を持っている。そのため、図6(a)に示す
ように、蛍石の正レンズ49Aでは温度が上昇すると、
結像面FBは正レンズ49Aから遠ざかる方向に変位す
る。なお、上述の硝材の屈折率の温度特性は、単にその
屈折率自体の温度特性のみならず、その硝材からなるレ
ンズの熱膨張及び鏡筒の伸縮をも考慮して温度が変化し
たときに結像面がどの方向に変化するかによって定めら
れる特性である。
【0012】そこで、本発明ではそのような互いに屈折
率に関する温度特性の異なる複数の硝材よりなる2組の
光学部材中の少なくとも1つの温度を積極的に制御する
ことで、投影光学系の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)
や像面湾曲等の非線形誤差のような結像特性を補正する
ものである。例えば第1の硝材として石英を使用し、第
2の硝材として蛍石を使用し、その第1の硝材で投影光
学系(PL1)の大部分のレンズを構成した場合、投影
光学系の結像特性の内のディストーションについて考え
ると、或る条件下でのその第1の硝材のレンズに依るデ
ィストーションは、図7(a)の曲線61で示すような
非線形倍率誤差となる。これに対して、その第2の硝材
のレンズに依るディストーションは、図7(b)の曲線
62Aで示すように、曲線61と逆の傾向の非線形倍率
誤差に直線62Bで示す線形倍率誤差のオフセット分を
加算した傾向を有する。そこで、環境変化や露光用照明
光の吸収等に応じて、例えばその第2の硝材のレンズの
温度を制御して、曲線61の非線形倍率誤差を曲線62
Aの非線形倍率誤差で相殺することにより、投影光学系
(PL1)の非線形倍率誤差を小さくできる。
【0013】但し、そのままでは、線形倍率誤差が残存
するため、このように残存する誤差を気体圧力制御装
置、又はレンズ駆動機構等の線形倍率制御手段(12)
を介して低減させることにより、図8に示すように、投
影光学系(PL1)のディストーションがほぼ完全に除
去される。次に、投影光学系の結像面のフォーカス位置
の分布について考えると、或る条件下でのその第1の硝
材のレンズに依るフォーカス位置ZF の像高Hに応じた
分布の傾向は、図9(a)の曲線61Aで示すように下
側に凸の像面湾曲となる。これに対して、その第2の硝
材のレンズに依る結像面のフォーカス位置の分布は、図
9(b)の曲線62Cで示すように、曲線61Aと逆の
傾向の上側に凸の像面湾曲に、全部の像高Hで共通のオ
フセット分を加算した傾向を有する。
【0014】そこで、環境変化や露光用照明光の吸収等
に応じて、例えばその第2の硝材のレンズの温度を制御
して、曲線61Aの像面湾曲を曲線62Cの像面湾曲で
相殺することにより、投影光学系(PL1)の非線形的
なデフォーカスである像面湾曲を小さくできる。また、
そのままでは結像面のフォーカス位置の分布には、図9
(c)の直線63Aで示すように、一定のオフセットが
残存している。しかしながら、そのようなフォーカス位
置のオフセットは、例えば基板(W)の高さを制御する
ステージ等の焦点位置制御手段(2)を介して基板
(W)の高さを調整することによってほぼ完全に除去で
きる。これによって、基板(W)の表面を基準とした、
結像面のフォーカス位置ZF の分布は、図10の曲線6
5Aに示すようになって、デフォーカスはほぼ0とな
る。このように、投影光学系の光軸に垂直な平面上、及
びその光軸方向での非線形誤差が良好に補正される。
【0015】上述のように所定の光学部材(36A,3
7A)の温度を制御する場合、その光学部材の温度が指
定された目標温度になるまでには所定の時定数による遅
れがある。例えば図13(a)は、温度T1 の光学部材
の温度の目標値をT2 に変更する場合を示し、この図1
3(a)において、時点t1 から例えばその光学部材の
周囲の気体の設定温度(制御温度)Tijを曲線59に沿
って次第に目標温度T 2 に近づけても、その光学部材の
温度TFは曲線58に沿って遅れて変化する。そのた
め、その気体の温度Tijが目標温度T2 に達してから暫
く経過した時点t 2 に至って初めて、その光学部材の温
度TFはその目標温度T2 に対する許容範囲(±ΔTの
範囲内)に収まるようになる。その時点t2 より前では
結像特性の補正が高精度に行われていないため、本発明
ではその光学部材の温度TFがその目標温度T2 に対す
る許容範囲(±ΔTの範囲内)に収まる時点t2 以降に
露光を開始するようにしている。
【0016】この場合、その光学部材の温度TFがその
目標温度T2 に対する許容範囲(±ΔTの範囲内)に収
まったかどうかを判定する手法としては、例えば予めそ
の光学部材の温度の変化速度を求めておいて、計算で求
められた時間だけ待つ手法と、その光学部材に温度セン
サを取り付けて実際にその光学部材の温度を計測する手
法とがある。また、その光学部材の温度TFを目標温度
2 に短時間で近づけるためには、図13(b)に示す
ように、例えばその光学部材の周囲の気体の設定温度T
ijを曲線59Aに沿って目標温度T2 よりオーバーシュ
ート(目標温度が低い場合にはアンダーシュート)させ
ればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の第1の実施の形態につき図1、図2、図6〜図15を
参照して説明する。本例は露光用の照明光としてエキシ
マレーザ光を使用するステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に本発明を適用したものである。但し、
本例で使用する投影光学系は、ステップ・アンド・リピ
ート方式(一括露光方式)の投影露光装置でも使用でき
るものである。
【0018】図1は、本例の投影露光装置を示し、この
図1において、エキシマレーザ光源16からパルス発光
されたレーザビームよりなる照明光ILは、ミラー15
で偏向されて照明光学系14に入射する。エキシマレー
ザ光源16としては、KrFエキシマレーザ光源(発振
波長:248nm)、又はArFエキシマレーザ光源
(発振波長:193nm)等が使用できる。また、露光
用の光源としては、YAGレーザの高調波発生装置、金
属蒸気レーザ光源、又は水銀ランプ等も使用できる。
【0019】照明光学系14は、ビームエクスパンダ、
減光システム、フライアイレンズ、リレーレンズ、視野
絞り(レチクルブラインド)、走査前後の不要な露光を
避けるための可動ブレード、及びコンデンサーレンズ等
から構成され、照明光学系14によって均一な照度分布
に整形された照明光ILが、レチクルRのパターン形成
面(下面)の所定形状の照明領域を照明する。この場
合、装置全体の動作を統轄制御する主制御装置18が、
照明制御系17を介してエキシマレーザ光源16のパル
ス発光のタイミング、照明光学系14内の減光システム
での減光率の制御等を行う。その照明領域内のレチクル
Rのパターンを透過した照明光は、投影光学系PL1を
介してフォトレジストが塗布されたウエハW上に投影さ
れ、そのパターンを倍率β(βは例えば1/4、又は1
/5等)で縮小した投影像がウエハW上に転写される。
ここで、投影光学系PL1の光軸AXに平行にZ軸を取
り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にY軸を取
り、図1の紙面に垂直にX軸を取る。
【0020】レチクルRは、レチクルステージ6上に保
持され、レチクルステージ6はエアベアリングを介して
レチクル支持台5上にY方向に移動自在に載置されてい
る。レチクルステージ6の上端に固定された移動鏡7、
及びレチクル支持台5上のレーザ干渉計8により計測さ
れたレチクルステージ6のY座標がステージ制御系11
に供給される。ステージ制御系11は、主制御装置18
からの指令に従ってレチクルステージ6の位置、及び移
動速度を制御する。
【0021】一方、ウエハWはウエハステージ2上に保
持され、ウエハステージ2はX方向、Y方向、Z方向、
及び回転方向等にウエハWの位置決めを行うと共に、Y
方向にウエハWの走査を行う。ウエハステージ2の上端
に移動鏡9が固定され、移動鏡9及び外部のレーザ干渉
計10によりウエハステージ2のX座標、及びY座標が
常時計測され、計測結果がステージ制御系11に供給さ
れている。ステージ制御系11は主制御装置18からの
指令に従って、ウエハステージ2のステッピング動作、
及びレチクルステージ6と同期した走査動作の制御を行
う。即ち、走査露光時には、上述の投影光学系PL1の
レチクル側からウエハ側への倍率βを用いて、ステージ
制御系11の制御のもとで、投影光学系PL1に対して
レチクルステージ6が−Y方向(又は+Y方向)に速度
R で走査されるのと同期して、ウエハステージ2が+
Y方向(又は−Y方向)に速度VW(=β・VR)で走査さ
れる。これにより、レチクルRのパターンが逐次ウエハ
W上の各ショット領域に転写される。
【0022】また、ウエハステージ2上のウエハWの近
傍には、結像特性計測用センサ3が固定されている。結
像特性計測用センサ3は、図11(b)に示すように、
ウエハWの表面と同じ高さに設定された表面に矩形の開
口部50aが設けられた遮光膜50が被着されたガラス
基板51と、その開口部50aを通過した露光用の照明
光を光電変換する光電変換素子52と、この光電変換素
子52からの検出信号S1を処理する信号処理部53と
を有し、この信号処理部53の処理結果が図1の主制御
装置18に供給されている。本例では後述のように、ウ
エハステージ2を駆動することにより、レチクルRのパ
ターンの投影像を結像特性計測用センサ3の開口部50
aで走査し、その際に光電変換素子52から出力される
検出信号S1より信号処理部53が投影光学系PL1の
非線形倍率誤差や像面湾曲を求めるようになっている。
【0023】次に、図1において、本例の投影光学系P
L1を構成する複数枚のレンズエレメントの内の大部分
は石英よりなり、残りの一部のレンズエレメントが蛍石
より形成され、その石英からなる所定の1対のレンズエ
レメントの間に形成された所定の気体室の気体圧力を制
御するためのレンズ制御装置12が設けられている。大
気圧変化、若しくは温度変化等の環境変化、又は露光用
照明光の投影光学系PL1に対する照射量の履歴等に応
じて、投影光学系PL1の倍率、結像面の平均面の中央
でのフォーカス位置(ベストフォーカス位置)、像面湾
曲等の結像特性が変化した場合に、主制御装置18から
の指令に基づいてそれらの結像特性をレンズ制御装置1
2が補正するようになっている。なお、レンズ制御装置
12としては、圧力制御装置の他に、例えば石英若しく
は蛍石からなる所定のレンズエレメントの光軸AX方向
の位置や傾斜角を制御するレンズ位置制御装置、又はレ
チクルRの光軸AX方向の位置や傾斜角を制御するレチ
クル位置制御装置等を使用してもよい。
【0024】更に、投影光学系PL1には、一部の蛍石
よりなる1枚又は複数枚のレンズエレメントの温度を制
御するためのレンズ温度制御装置13が接続されてい
る。本例では、環境変化、又は照射量の履歴等に応じ
て、投影光学系PL1の非線形倍率誤差(高次倍率誤
差)、像面湾曲、又はそれらの両方が悪化した場合に、
主制御装置18からの指令に基づいてレンズ温度制御装
置13がそれらの結像特性を補正するようになってい
る。また、その非線形倍率誤差、像面湾曲、又はそれら
の両方の補正によって、投影光学系PL1の線形倍率誤
差が悪化したときには、その線形倍率誤差をレンズ制御
装置12が補正するようになっている。
【0025】また、本例の投影露光装置には、投影光学
系PL1による露光領域内の複数の計測点でウエハW上
にスポット光を斜めに投射する投射光学系68と、それ
らの計測点からの反射光を受光してそれぞれスポット光
を再結像し、これらの再結像されたスポット光の横ずれ
量に対応した焦点信号を出力する受光光学系69と、か
らなる焦点位置検出系が設けられている。その受光光学
系69からの複数の焦点信号が主制御装置18に供給さ
れている。この場合、ウエハWの表面の投影光学系PL
1の光軸方向(Z方向)の位置(フォーカス位置)が変
化すると、対応する焦点信号のレベルが変化することか
ら主制御装置18ではウエハWのフォーカス位置をモニ
タする。そして、主制御装置18ではステージ制御系1
1を介してウエハステージ2内のZ方向への駆動機構の
動作を制御することにより、ウエハWの露光対象のショ
ット領域の平均面の中央でのフォーカス位置を、予め求
めてある投影光学系PL1の結像面の平均面の中央での
フォーカス位置に維持させる。
【0026】また、本例では投影光学系PL1の像面湾
曲を補正すると、結像面の平均面の中央でのフォーカス
位置にオフセットが生ずることがあるため、そのような
オフセットが生じたときには、ウエハステージ2を駆動
してウエハWのフォーカス位置をそのオフセット分だけ
補正して、結像面とウエハWの表面との間にデフォーカ
スが生ずるのを防止している。更に、本例のウエハステ
ージ2にはウエハWの傾斜角を補正する機構(レベリン
グステージ)も設けられ、主制御装置18はその焦点位
置検出系の複数の計測点でのフォーカス位置よりウエハ
Wの傾斜角を求め、ウエハWの傾斜角を結像面の傾斜角
に合わせ込むようにしている。
【0027】更に、本例の投影光学系PL1の側面に
は、ウエハW上の各ショット領域に付設されたアライメ
ント用のウエハマークの位置を検出するためのオフ・ア
クシス方式の撮像方式のアライメントセンサ70も設け
られている。次に、本例の投影光学系PL1の構成、及
びレンズ温度制御装置13等の構成につき、図2等を参
照して詳細に説明する。
【0028】図2は、本例の投影光学系PL1の内部構
造、及び結像特性の制御システムを示し、この図2にお
いて、投影光学系PL1は、一例として鏡筒4内にウエ
ハW側から順に6枚のレンズエレメント25〜30、4
枚のレンズエレメント31〜34、及び4枚のレンズエ
レメント35A〜38Aを固定して構成されている。ま
た、レンズエレメント36A及び37Aのみは蛍石より
形成され、その他のレンズエレメントは石英より形成さ
れている。そして、レンズエレメント33,34はレン
ズ枠G1を介して鏡筒4内に固定され、レンズエレメン
ト35A〜38Aはレンズ枠G2を介して鏡筒4内に固
定され、他のレンズエレメントもそれぞれ不図示のレン
ズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0029】この場合、レンズエレメント33,34及
びレンズ枠G1で囲まれた気体室は密封されており、そ
の気体室が配管12cを介してベローズ機構12bに接
続され、ベローズ機構12bの伸縮量が制御部12aに
よって制御されるようになっている。この制御部12
a、ベローズ機構12b、及び配管12cより図1のレ
ンズ制御装置12が構成され、ベローズ機構12bの伸
縮量の調整によってその気体室内の気体(例えば空気)
の圧力が制御できるようになっている。
【0030】そして、蛍石よりなるレンズエレメント3
6A,37A及びレンズ枠G2で囲まれた気体室には、
配管21を介して温度制御装置13bから、主制御装置
18に指示された任意の温度の気体が供給され、その気
体室を循環した気体が配管22を介して温度制御装置1
3bに戻される構成となっている。なお、その気体室内
に流す気体が投影光学系PL1の周囲の大気(空気)と
同じ成分である場合には、必ずしもその気体室を通過し
た気体を配管22を介して温度制御装置13bに戻す必
要はないが、例えば温度管理の容易な気体(例えば窒素
ガス等)を使用する場合には、閉ループで温度制御を行
うために配管22を使用する必要がある。
【0031】更に、レンズエレメント36A及び37A
の端部の露光用照明光が通過しない領域に、それぞれサ
ーミスタ等の温度センサ54B及び54Aが被着され、
温度センサ54A,54Bの信号端子が温度検出装置5
5に接続され、温度検出装置55では温度センサ54
A,54Bの電気特性の変化からレンズエレメント36
A,37Aの平均の温度を求める。求められた温度はレ
ンズ温度制御装置13b、及び主制御装置18に供給さ
れ、レンズ温度制御装置13bではレンズエレメント3
6A,37Aの検出された温度が目標温度に速く達する
ように、配管21を介して供給する気体の設定温度を細
かく制御する(詳細後述)。そして、主制御装置18で
は、レンズエレメント36A,37Aの検出された温度
が目標温度に対して許容範囲内に収まった後に、ウエハ
Wに対する露光を開始するようにしている。
【0032】また、本例では温度制御装置13bによっ
てレンズエレメント36A,37Aの温度制御を行うた
め、これらレンズエレメント36A,37Aの温度がレ
ンズ枠G2、鏡筒4、及び気体を媒介として前後の石英
よりなるレンズエレメント35A,38Aに伝導するの
を防止する必要がある。そのため、レンズエレメント3
7A,38A及びレンズ枠G2により囲まれた気体室、
及びレンズエレメント35A,36A及びレンズ枠G2
により囲まれた気体室には、それぞれ配管19及び20
を介して温度制御装置13aから一定温度の気体を流し
ている。この一定温度の気体としては、温度伝導率の低
い気体(空気等)が使用され、それらの気体室を循環し
た気体がそれぞれ配管23A及び24Aを介して温度制
御装置13aに戻されている。温度制御装置13a,1
3b、温度センサ54A,54B、温度検出装置55、
配管19〜22,23A,24Aより図1のレンズ温度
制御装置13が構成されている。
【0033】また、本例の投影露光装置では、種々のパ
ターンを高い解像度で露光するために、図1の照明光学
系14による照明条件を通常の状態、変形光源、輪帯照
明、及びコヒーレンスファクタであるσ値が小さい状態
等に切り換えられるようになっている。次に、本例で投
影光学系PL1の非線形倍率誤差(高次倍率誤差)、又
は像面湾曲を補正する場合の動作の一例につき説明す
る。なお、以下では図2の投影光学系PL1内の蛍石よ
りなるレンズエレメント36A,37Aの温度制御によ
って、非線形倍率誤差、又は像面湾曲の一方を補正する
場合について説明しているが、これは投影光学系PL1
の使用条件によって、非線形倍率誤差、又は像面湾曲の
一方のみが大きく悪化する場合に対応している。そのた
め、非線形倍率誤差、及び像面湾曲の両方が大きく悪化
するような場合には、例えば1つの手法として、そのレ
ンズエレメント36A,37Aの温度を両方の結像特性
がそれぞれ許容範囲となるような値に設定すればよい。
また、そのような設定温度が存在しない場合には、投影
光学系PL1内でそれぞれ非線形倍率誤差、及び像面湾
曲の補正に有効なレンズエレメントの温度を互いに独立
に制御すればよい。
【0034】本例の投影光学系PL1のレンズエレメン
トの硝材は、石英及び蛍石である。ここで、石英は温度
が上昇しても膨張係数が小さいため殆ど膨張しないが、
屈折率が大きくなる特性を持っている。従って、図6
(b)に示すように、石英の正のレンズ49Bでは温度
が上昇すると、結像面FBがそのレンズに近付く方向に
変位する。一方、蛍石は温度の上昇で膨張し、屈折率は
小さくなる特性を持っている。そのため、図6(a)に
示すように、蛍石の正のレンズ49Aでは温度が上昇す
ると、結像面FBはそのレンズから遠ざかる方向に変位
する。なお、上述の硝材の屈折率の温度特性は、単にそ
の屈折率自体の温度特性のみならず、その硝材からなる
レンズの熱膨張をも考慮して温度が変化したときに結像
面がどの方向に変化するかによって定められる特性であ
る。また、レンズ間距離を保持している鏡筒の伸縮も考
慮する必要がある。
【0035】先ず投影光学系PL1の結像特性の内のデ
ィストーションについて図7及び図8を参照して説明す
る。図7及び図8において、縦軸は像高H、横軸はその
像高Hにおける投影光学系PL1の倍率βであり、光軸
上(H=0)での倍率を設計上の倍率β0 として示して
ある。この場合、或る環境下で、或る時間露光を継続し
て行った後における、投影光学系PL1の石英からなる
レンズエレメントに依るディストーションは、図7
(a)の曲線61で示すように、像高Hが大きくなるに
従って倍率βが一度設計値より小さくなってからほぼ単
調に増大する非線形倍率誤差(高次倍率誤差)となる。
【0036】これに対して、本例では図1のレンズ温度
制御装置13を介して、投影光学系PL1内の蛍石より
なるレンズエレメント36A,37Aの温度を調整する
ことにより、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエ
レメントに依るディストーションを、図7(a)の曲線
61とほぼ逆の特性の非線形倍率誤差を有するように設
定する。しかしながら、そのように蛍石よりなるレンズ
エレメントのディストーションを設定しても、そのディ
ストーションには所定の線形倍率誤差がオフセットとし
て重畳される。従って、投影光学系PL1の蛍石よりな
るレンズエレメントに依るディストーションは、図7
(b)の曲線62Aで示すように、直線62Bで示す線
形倍率誤差に、図7(a)の曲線61とほぼ逆の特性の
非線形倍率誤差を重畳した特性となる。
【0037】そのため、図1のレンズ制御装置12で結
像特性の補正を行わない状態では、投影光学系PL1の
全体としてのディストーションは、図7(c)の直線6
3で示すように、像高Hに応じて倍率βが設計値から線
形に増大する線形倍率誤差で近似できる特性となる。そ
こで、図1のレンズ制御装置12によって、投影光学系
PL1に対して、図7(c)の直線63で近似される残
存倍率誤差をほぼ相殺するような、直線64で表される
線形倍率誤差を付与する。その結果、本例の投影光学系
PL1のディストーションは、図8の曲線65に示すよ
うになり、非線形倍率誤差と共に線形倍率誤差も除去さ
れたものとなる。
【0038】次に、投影光学系PL1の結像特性の内の
像面湾曲について図9及び図10を参照して説明する。
図9及び図10において、横軸は像高H、縦軸はその像
高Hにおける投影光学系PL1の結像面のフォーカス位
置ZF であり、光軸上(H=0)でのフォーカス位置を
設計上のフォーカス位置として示してある。この場合、
或る環境下で、或る時間露光を継続して行った後におけ
る、投影光学系PL1の石英からなるレンズエレメント
に依る結像面は、図9(a)の曲線61Aで示すよう
に、下に凸の像面湾曲となる。
【0039】これに対して、本例では図1のレンズ温度
制御装置13を介して、投影光学系PL1内の蛍石より
なるレンズエレメント36A,37Aの温度を調整する
ことにより、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエ
レメントに依る像面湾曲を、図9(a)の曲線61Aと
ほぼ逆の特性の像面湾曲を有するように設定する。しか
しながら、そのように蛍石よりなるレンズエレメントの
像面湾曲を設定しても、その結像面のフォーカス位置に
は像高Hの全範囲で一定のオフセットが重畳される。従
って、投影光学系PL1の蛍石よりなるレンズエレメン
トに依る結像面のフォーカス位置の分布は、図9(b)
の曲線62Cで示すように、所定のオフセットに、図9
(a)の曲線61Aとほぼ逆の特性の像面湾曲を重畳し
た特性となる。
【0040】そのため、投影光学系PL1の全体として
の結像面のフォーカス位置ZF は、図9(c)の直線6
3Aで示すように、像高Hの全範囲でほぼ一定の値とな
り、ウエハWの表面との間でデフォーカスが生ずる。そ
こで、図1のウエハステージ2内のZ方向への駆動機構
を用いて、投影光学系PL1に対して、そのデフォーカ
ス分だけウエハWの表面のフォーカス位置を補正する。
これは、実質的に投影光学系PL1の結像面に対して、
図9(c)の直線64Aで示すようなフォーカス位置の
オフセットを加えることを意味する。その結果、ウエハ
Wの表面を基準とした本例の投影光学系PL1の結像面
のフォーカス位置ZF の分布は、図10の曲線65Aに
示すようになり、像面湾曲と共に一定のデフォーカスも
除去されている。従って、結像面の全体で焦点深度の幅
が従来例よりも広くなり、投影像が全体として高い解像
度で投影露光される。
【0041】更に、蛍石よりなるレンズエレメント36
A,37Aの温度を調整することにより、その結像面の
線形倍率誤差(像高Hに比例して倍率が変化する誤差)
が悪化することがある。このような線形倍率誤差が発生
したときには、図1のレンズ制御装置12を介してその
結像面に対して、発生した線形倍率誤差をほぼ相殺する
ような線形倍率誤差を付与する。その結果、本例の投影
光学系PL1の結像特性は像面湾曲も、ディストーショ
ンも除去された良好な特性となる。
【0042】ここで、図11を参照して投影光学系PL
1のディストーション、及び像面湾曲の計測方法の一例
につき説明する。そのため、図1のレチクルRとして、
照明領域内に所定個数の対の(例えば16対の)評価用
マークが均等に分布するテストレチクルを使用する。こ
の場合、各対の評価用マークは、種々の像高となるマー
クを含むことが望ましい。それら各組の評価用マーク
は、X方向に所定ピッチで配列されたライン・アンド・
スペースパターンよりなるX軸の評価用マーク、及びこ
の評価用マークを90°回転した構成のY軸の評価用マ
ークよりなり、その内のi番目(i=1〜16)のY軸
の評価用マークの投影像MY(i)を図11(a)に示
す。
【0043】図11(a)において、投影像MY(i)
はY方向に所定ピッチで明部P1〜P5が配列されたパ
ターンであり、図1のウエハステージ2を駆動すること
により、結像特性計測用センサ3の矩形の開口部50a
でその投影像MY(i)をY方向に走査する。その際に
図11(b)の光電変換素子52から出力される検出信
号S1が、信号処理部53の内部でアナログ/デジタル
(A/D)変換されて、ウエハステージ2のY座標に対
応して記憶される。そして、その検出信号S1の例えば
微分信号に基づいて、その投影像MY(i)の中点のY
座標、及びコントラストが求められ、その中点のY座標
の設計値からのずれよりその像高での倍率誤差が求めら
れ、結像特性計測用センサ3のZ座標を変えて最もその
コントラストが高くなるときZ座標を求めることによ
り、その像高での結像面のフォーカス位置が求められ
る。更に、全ての評価用マークの投影像について、それ
ぞれ倍率誤差、及び結像面のフォーカス位置を求めるこ
とにより、ディストーション(非線形倍率誤差を含
む)、及び像面湾曲が求められる。
【0044】次に、図2における蛍石よりなるレンズエ
レメント36A,37Aの温度(以下、単に「蛍石の温
度」という)の設定値の決定方法の一例につき説明す
る。例えば、投影光学系PL1の周囲の空気の圧力(大
気圧)をxとして、大気圧xが基準値x0 から変化する
ことによって投影光学系PL1に非線形倍率誤差が生じ
た場合に、その非線形倍率誤差を相殺するための蛍石の
温度yの設定値につき説明する。この場合、大気圧xが
基準値x0 から変化することによって生ずる投影光学系
PL1の非線形倍率誤差を光学計算によって求める。そ
して、このように求めた非線形倍率誤差と、逆の特性の
非線形倍率誤差を発生させるための蛍石の温度yを計算
によって求める。
【0045】図12の実線の曲線は、そのようにして予
め大気圧xの関数F(x)として求められた温度y(y
=F(x))を表し、この図12において、横軸は大気
圧x、縦軸は蛍石の温度yであり、基準大気圧x0 で非
線形倍率誤差を最小とするための蛍石の温度をy0 とし
てある。実用上でも、その関数F(x)に基づいて温度
yを設定するようにしてもよい。
【0046】しかしながら、実際には投影光学系PL1
の各光学要素の製造誤差等によって、関数F(x)で求
めた温度yでは非線形倍率誤差が十分に小さくならない
ことがある。そこで、非線形倍率誤差をより小さくする
ためには、次のようにして関数F(x)のキャリブレー
ションを行うことが望ましい。即ち、実際に良く当ては
まる関数を求めるために、基準大気圧x0 と異なる任意
の1点の大気圧x1 において、図1の結像特性計測用セ
ンサ3を用いて投影光学系PL1の投影像の非線形倍率
誤差を求める。次に、レンズ温度制御装置13を介して
蛍石の温度を制御して、その投影像の非線形倍率誤差が
0(最小)になるときの温度y1 を求める。この際に、
蛍石の温度は、理論的な関数F(x)で定められる温度
yの近傍で変化させるようにする。
【0047】また、その大気圧x1 と異なる他の大気圧
2 においても、同様にして実際に投影像の非線形倍率
誤差を0にするための蛍石の温度y2 、及び残存する線
形倍率誤差を0にするためのその気体室の圧力を求め
る。そして、大気圧がx0 ,x 1 ,x2 の点での蛍石の
実測された温度より、図12に点線で示すように、例え
ば2次関数として、大気圧xに対する蛍石の温度yを表
す関数F’(x)を求めることができる。同様にして、
大気圧xが変化した場合に、投影光学系PL1による投
影像の像面湾曲を最小とするための蛍石の温度yを表す
関数も求められる。更に、大気圧xに対して、投影像の
非線形倍率誤差、及び像面湾曲をそれぞれ許容範囲内に
収めるための蛍石の温度yを表す関数も(存在する場合
には)求めることができる。
【0048】上述の例では、大気圧が変化した際の結像
特性の補正について説明したが、それ以外にも、露光用
の照明光が投影光学系を通過する際の照射エネルギーに
よっても結像特性が変化する。更に、図1の照明光学系
14の照明条件を通常の状態、輪帯照明、所謂変形光源
法、又はコヒーレンスファクタであるσ値が小さい状態
等の間で切り換えた場合にも結像特性が変化する。そこ
で、最終的には例えば照射エネルギーe、大気圧x、照
明条件Iをパラメータとした関数Q(e,x,I)によ
って、非線形倍率誤差、及び像面湾曲をそれぞれ許容範
囲内にするための蛍石の温度yを求めておく必要があ
る。その関数Q(e,x,I)を図1の主制御装置18
内の記憶部に記憶しておき、主制御装置18では露光時
の照射エネルギーe、大気圧x、照明条件Iに応じて、
その関数Q(e,x,I)より蛍石の目標温度を求める
ことが望ましい。
【0049】次に、実際に蛍石の温度をその目標温度に
設定する方法の一例につき図13〜図15を参照して説
明する。先ず、図13(a)は時間tの経過に伴う蛍石
の温度等の変化を示し、この図13(a)において、点
線の曲線59は図2のレンズ温度制御装置13bから蛍
石よりなるレンズエレメント36A,37Aの間の気体
室に供給される気体の設定温度Tij、実線の曲線58は
そのレンズエレメント36A,37Aの温度センサ54
A,54Bによって計測される温度(蛍石の温度)TF
を示す。また、図13(a)において、最初の時点t0
での蛍石の目標温度はT1 であり、予め定められた許容
幅ΔTを用いて、時点t0 では蛍石の温度TFは目標温
度T1 に対して許容範囲(±ΔT)内に収まっている。
この場合、図2の主制御装置18内のメモリの共通作業
領域60(図15参照)に、蛍石の目標温度Ti 、及び
許容幅ΔT等が書き込まれ、各種の制御部が独立にその
共通作業領域60内のデータを参照できるようになって
いる。
【0050】その後の時点t1 において、図14のステ
ップ101で示すように、本例の投影光学系の使用条件
に応じて、図2の主制御装置18内の温度制御部によっ
て蛍石の目標温度Ti がT2(>T1)に変更されたものと
する。その目標温度T2 は、図15の共通作業領域60
内に書き込まれると共に、図2の温度制御装置13bに
伝達される。
【0051】その後、ステップ102において、図2の
温度制御装置13bは、レンズエレメント36A,37
Aの間に供給される気体(本例での温度制御媒体)の温
度(以下、「制御温度」と呼ぶ)Tijを、図13(a)
に点線の曲線59で示すように、所定の時間ステップで
元の目標温度T1 から次第に次の目標温度T2 に変化さ
せる。また、温度制御装置13bには、蛍石の温度TF
も供給されており、温度制御装置13bではサーボ方式
でその蛍石の温度TFが目標値T2 に合致するように、
その温度制御媒体の制御温度Tijを連続的に調整する。
従って、実際にはそのステップ102の動作は、露光動
作中に継続して実行されている。この場合、図2の蛍石
よりなるレンズエレメント36A,36Aの温度変化に
は所定の時定数があるため、その蛍石の温度TFは、実
線の曲線58で示すように制御温度Tijに遅れて変化す
る。
【0052】そのため、図14のステップ103で、主
制御装置18内の温度制御部は図2の温度センサ54
A,54B、及び温度検出装置55を介して蛍石の実際
の温度TFを計測し、図15に示す主制御装置18内の
メモリ内の共通作業領域60から目標温度Ti(ここで
は、Ti=T2)、及び許容幅ΔTを読み出す。それに続く
ステップ104で、その温度制御部は、その蛍石の温度
TFが次のように目標温度に対する許容範囲内に収まっ
たかどうかを判定する。
【0053】|TF−Ti |≦ΔT そして、その蛍石の温度TFがその許容範囲内に収まっ
たときには、ステップ106に移行して、その温度制御
部は、その共通作業領域60内の温度可変終了フラッグ
(初期値はハイレベル”1”)の値をローレベル”0”
に設定する。その後、再びステップ103に戻って蛍石
の温度TFのサンプリングが行われる。一方、ステップ
104でその蛍石の温度TFがその許容範囲内に収まっ
ていないときには、ステップ105に移行して、主制御
装置18内の温度制御部は、その温度可変終了フラッグ
の値をハイレベル”1”に設定した後、ステップ103
に移行する。この結果、図13(a)の例では、時点t
2 において、蛍石の温度TFが目標温度T2 に対する許
容範囲内に入って、図15の温度可変終了フラッグがロ
ーレベル”0”に設定される。
【0054】また、図14のステップ101〜106の
動作と並列に、ステップ111〜116で示すように、
主制御装置18内の露光制御部による露光動作が行われ
ている。即ち、ステップ111において、ウエハの交換
や新しいウエハのアライメント等が実行された後、ステ
ップ112において、主制御装置18内の露光制御部は
内部のタイマの計時を開始させる。その後、ステップ1
13において、その露光制御部は図15の共通作業領域
60内の温度可変終了フラッグがローレベル”0”(即
ち、蛍石の温度が目標値に対する許容範囲内に入った)
かどうかを調べ、その温度可変終了フラッグがローレベ
ル”0”であるときには、ステップ114に移行して露
光を行った後、再びステップ111に戻る。
【0055】一方、ステップ113でその温度可変終了
フラッグがハイレベル”1”であるときには、ステップ
115において、主制御装置18内の露光制御部は、先
に設定したタイマの時間が所定の許容時間を超えてタイ
ムアウトしたかどうかを調べ、まだタイムアウトしてい
ないときには再びステップ113に戻って温度可変終了
フラッグの値を調べる。そして、ステップ115でタイ
ムアウトが発生したときには、その露光制御部はステッ
プ116に移行して、オペレータに蛍石の温度が目標値
に達しないとのアラーム情報を発する等のエラー処理を
行う。
【0056】上述のように本例によれば、主制御装置1
8内のメモリ内の共通作業領域60のデータを介して、
主制御装置18内の温度制御部と露光制御部とが並列に
動作することにより、投影光学系PL1内の蛍石よりな
るレンズエレメントの温度の目標値への設定、及びその
温度が目標値の許容範囲内に収まった後の露光が円滑に
実行されている。
【0057】また、投影光学系PL1のモデルについて
実際に数値解析した結果、蛍石よりなる1枚のレンズエ
レメントの温度を±1℃変化させることで、最大でほぼ
±20nm程度の非線形倍率誤差の補正が可能となるこ
とが分かった。そして、その蛍石よりなるレンズエレメ
ントの温度制御の分解能としては、0.01℃程度は可
能であるため、蛍石よりなるレンズエレメントの温度を
1℃程度変化させて非線形倍率誤差を補正する場合、そ
の非線形倍率誤差の補正の分解能はほぼ±0.2nm
(=±20/100[nm])となる。
【0058】同様に、蛍石よりなる1枚のレンズエレメ
ントの温度を±1℃変化させることで、約±0.2μm
程度の像面湾曲の補正が可能となることが分かった。更
に、そのレンズエレメントの温度制御の分解能としては
0.01℃程度は可能であるため、蛍石よりなるレンズ
エレメントの温度を1℃程度変化させて像面湾曲を補正
する場合、その像面湾曲の補正の分解能はほぼ±2nm
(=±0.2/100[μm])となる。従って、実際
に必要な非線形倍率誤差、及び像面湾曲の精度によって
上述の蛍石の温度の許容幅ΔT(図13(a)参照)を
設定すればよい。
【0059】なお、図13(a)の例では温度制御媒体
(気体)の制御温度Tijを単調に元の目標温度T1 から
次の目標温度T2 に変化させているが、より速く蛍石の
温度TFを次の目標温度T2 に近づけるためには、図1
3(b)の点線59Aで示すように、その温度制御媒体
の制御温度Tijを次の目標温度T2 に対して一度オーバ
ーシュートさせればよい。これによって、実線の曲線5
8Aで示すように、蛍石の温度TFは図13(a)の場
合より早い時点t3 において許容範囲内に達し、露光工
程のスループット(単位時間当たりのウエハの処理枚
数)を向上できる。
【0060】逆に、元の目標温度に対して次の目標温度
の方が低いときには、逆に制御温度を次の目標温度に対
して一度アンダーシュートさせればよい。更に、上述の
例では実際に蛍石の温度TFを計測しているが、例えば
図13(a)において、蛍石の温度TFが元の目標温度
1 から次の目標温度T2 の許容範囲内に達するまでの
経過時間(t2 −t1)は、実験的に予め温度の制御幅
(T 2 −T1)の関数として求めておくことができる。そ
こで、その温度の制御幅(T 2 −T1)の関数を図2の主
制御装置18内のメモリに記憶しておき、主制御装置1
8の温度制御部では、温度の目標値を変更した際には、
その関数で定まる時間及び所定のオフセット時間を経過
した後に、蛍石の温度が変更後の目標値に対して許容範
囲内に収まったものと判定するようにしてもよい。この
方法によれば、その所定のオフセット時間だけ露光工程
に要する時間が長くなるが、温度センサ等を省略できる
ため、装置構成が簡略化できる。
【0061】なお、本例では露光用光源としてエキシマ
レーザ光源が使用されているが、露光用照明光の照射エ
ネルギーに関しては、水銀ランプのi線(波長:365
nm)の方がエキシマレーザ光に比べて投影光学系での
吸収が大きく、投影光学系の非線形倍率誤差や像面湾曲
も大きく変化する。従って、照射エネルギーに応じて蛍
石よりなるレンズエレメントの温度を制御する方法は、
むしろ水銀ランプのi線等を使用した投影露光装置(ス
テッパー等)に適用することによって、非線形倍率誤差
や像面湾曲を良好に低減できるという大きな利点があ
る。
【0062】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
3を参照して説明する。図3において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、特にステップ・アンド・スキャン方式
の投影露光装置に使用して好適な光学系である。図3
は、本例の投影光学系PL2を示し、この図3におい
て、投影光学系PL2は、鏡筒4内にウエハW側から順
に6枚のレンズエレメント25〜30、4枚のレンズエ
レメント31〜34、及び4枚のレンズエレメント35
B〜38Bを固定して構成されている。また、レンズエ
レメント35B〜37Bはレンズ枠G3を介して鏡筒4
内に固定され、レンズエレメント38Bも不図示のレン
ズ枠を介して鏡筒4内に固定されている。
【0063】この場合、レンズエレメント36Bのみは
蛍石より形成され、その他のレンズエレメントは石英よ
り形成されている。そして、レンズエレメント36Bの
走査方向であるY方向の一方の端部の両面に1対の温度
制御素子40A,40Bが固定され、そのY方向の他方
の端部の両面にも1対の温度制御素子40C,40Dが
固定されている。この場合、照明光学系によるレチクル
Rのパターン形成面上でのスリット状の照明領域のY方
向の幅をLとすると、その幅Lの照明領域を通過した照
明光が通過しない領域にそれらの温度制御素子40A〜
40Dが固定してある。
【0064】それらの温度制御素子40A〜40Dとし
ては、ヒータ、又はペルチェ素子等が使用できる。その
ペルチェ素子は加熱用に使用してもよく、吸熱用に使用
してもよい。また、レンズエレメント36BのY方向の
端部に温度センサ54A,54Bが固定され、この温度
センサ54A,54Bが温度検出装置55に接続され、
温度検出装置55で検出されるレンズエレメント36B
の温度が温度制御装置39に供給され、温度制御装置3
9は、検出された温度が主制御装置18に指示された設
定温度になるように、温度制御素子40A〜40Dの加
熱、又は吸熱動作を制御する。従って、本例では温度制
御素子40A〜40Dが温度制御媒体となる。
【0065】更に本例ではそのようにレンズエレメント
36Bの温度を制御することによって発生する熱の、近
接するレンズエレメントへの影響を防止するための排熱
機構が設けられている。即ち、レンズエレメント36
B,37B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室には、配
管19を介して温度制御装置13aから、所定温度の気
体が供給され、その気体室を循環した気体が配管23B
を介して温度制御装置13aに戻され、レンズエレメン
ト35B,36B及びレンズ枠G3で囲まれた気体室に
は、配管20を介して温度制御装置13aから、所定温
度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管
24Bを介して温度制御装置13aに戻される構成とな
っている。そして、主制御装置18からの指令に基づい
て温度制御装置13aは、強制空調によって、レンズエ
レメント36Bの前後のレンズエレメント35B,37
Bの温度を一定に保つようにしている。それ以外の構成
は図2の例と同様である。
【0066】以上のように、本例によれば、スリット状
の照明領域を通過した照明光に照射されない空間を有効
に活用して、温度制御素子40A〜40Dを用いて蛍石
からなるレンズエレメント36Bの温度を直接制御して
いるため、そのレンズエレメント36Bの温度を高速且
つ高精度に所望の目標温度に設定できる利点がある。こ
れによって、投影光学系PL2の投影像の非線形倍率誤
差や像面湾曲を迅速に、且つ高い精度で小さくできる。
【0067】次に、本発明の第3の実施の形態につき図
4を参照して説明する。図4において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に適用しても好適な光学系である。図4は、本例の投
影光学系PL3を示し、この図4において、投影光学系
PL3は、鏡筒4内にウエハW側から順に6枚のレンズ
エレメント25〜30、4枚のレンズエレメント31,
32,33A,34A、及び4枚のレンズエレメント3
5C〜38Cを固定して構成されている。また、レンズ
エレメント33A,34Aはレンズ枠G4を介して鏡筒
4内に固定され、レンズエレメント35C,36Cはレ
ンズ枠G5を介して鏡筒4内に固定され、他のレンズエ
レメントも不図示のレンズ枠を介して固定されている。
【0068】この場合、レンズエレメント33A、及び
36Cのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英より形成されている。この場合、上側の蛍石
のレンズエレメント36Cの温度変化によって主に非線
形倍率誤差の特性が変化し、下側の蛍石のレンズエレメ
ント33Aの温度変化によって主に線形倍率誤差の特性
が変化するようになっている。また、レンズエレメント
35C,36C及びレンズ枠G5で囲まれた気体室に
は、配管41Aを介して温度制御装置13cから可変温
度の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管
41Bを介して温度制御装置13cに戻され、レンズエ
レメント33A,34A及びレンズ枠G4で囲まれた気
体室には、配管42Aを介して温度制御装置13dか
ら、可変温度の温度の気体が供給され、その気体室を循
環した気体が配管42Bを介して温度制御装置13dに
戻される構成となっている。
【0069】更に、レンズエレメント36C及び35C
の対向する端部の露光用照明光が通過しない領域に、そ
れぞれ温度センサ54A及び54Bが被着され、温度セ
ンサ54A,54Bが温度検出装置55に接続され、温
度検出装置55で求められたレンズエレメント36C,
35Cの温度がレンズ温度制御装置13c、及び主制御
装置18に供給されている。同様に、レンズエレメント
33A及び34Aの対向する端部の露光用照明光が通過
しない領域に、それぞれ温度センサ56A及び56Bが
被着され、温度センサ56A,56Bが温度検出装置5
7に接続され、温度検出装置57で求められたレンズエ
レメント33A,34A温度がレンズ温度制御装置13
d、及び主制御装置18に供給されている。主制御装置
18からの指令に基づいて、温度制御装置13c及び1
3dはそれぞれ、レンズエレメント36C及び33Aの
温度を目標温度に設定するようにしている。
【0070】そして、本例では投影光学系PL3の投影
像の結像特性(非線形倍率誤差や像面湾曲)を補正する
ときには、温度制御装置13cを介してレンズエレメン
ト36Cの温度を制御し、その際発生する線形倍率誤差
を、温度制御装置13dを介してレンズエレメント33
Aの温度を制御することで相殺する方法を採っている。
更にこの方法は、大気圧による結像特性の変化と、露光
用の照明光の投影光学系に対する照射時の温度変化によ
る結像特性とが異なり、3次以上の倍率誤差又はデフォ
ーカスが大きく残る場合等に、それぞれに対応する2箇
所の蛍石よりなるレンズエレメントで独立に結像特性制
御を行う場合にも利用できる。即ち、例えば上側の蛍石
よりなるレンズエレメント36Cで大気圧による非線形
倍率誤差又は像面湾曲を補正し、それより下側の蛍石よ
りなるレンズエレメントで照明光の照射による非線形倍
率誤差又は像面湾曲を補正するようにしてもよい。
【0071】次に、本発明の第4の実施の形態につき図
5を参照して説明する。図5において図2に対応する部
分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。本例
の投影光学系は、ステップ・アンド・リピート方式、及
びステップ・アンド・スキャン方式の何れの投影露光装
置に使用しても好適な光学系である。図5は、本例の投
影光学系PL4を示し、この図5において、投影光学系
PL4は、鏡筒4A内にウエハW側から順に6枚のレン
ズエレメント25,26,27A,28A,29A,3
0、4枚のレンズエレメント31,32,33B,34
B、及び2枚のレンズエレメント35D,36Dを固定
し、その鏡筒4Aの上にレンズエレメント37Dを保持
する支持台45、及びレンズエレメント38Dを保持す
る支持台46を固定して構成されている。また、レンズ
エレメント28A,29Aはレンズ枠G6を介して鏡筒
4A内に固定され、他のレンズエレメントも不図示のレ
ンズ枠を介して鏡筒4A内に固定されている。
【0072】本例では、レンズエレメント28A、及び
29Aのみは蛍石より形成され、その他のレンズエレメ
ントは石英より形成されている。また、レンズエレメン
ト28A,29A及びレンズ枠G6で囲まれた気体室に
は、配管43を介して温度制御装置13eから可変温度
の気体が供給され、その気体室を循環した気体が配管4
4を介して温度制御装置13eに戻されている。また、
レンズエレメント28A及び29Aの対向する端部の露
光用照明光が通過しない領域に、それぞれ温度センサ5
4B及び54Aが被着され、温度センサ54B,54A
が温度検出装置55に接続され、温度検出装置55で求
められたレンズエレメント28A,29Aの温度がレン
ズ温度制御装置13e、及び主制御装置18に供給され
ている。
【0073】そして、主制御装置18からの指令に基づ
いて、温度制御装置13eは、レンズエレメント28
A,29Aの温度を目標温度に設定するようにしてい
る。また、支持台45及び46は互いに独立に駆動装置
47によって、投影光学系PL4の光軸AXに平行な方
向への移動、及び所望の角度の傾斜ができるように構成
されている。駆動装置47の動作は、主制御装置18か
らの指令に基づいて結像特性制御装置48が制御する。
【0074】本例でも、蛍石よりなるレンズエレメント
28A,29Aの温度を温度制御装置13eを介して制
御することによって、投影光学系PL4の投影像の非線
形倍率誤差や像面湾曲を補正するが、その際発生する線
形倍率誤差を支持台45,46を介してレンズエレメン
ト37D,38Dを傾斜、又は上下動させることによっ
て補正する。それら2つの支持台45,46の動きの組
み合わせによって、倍率誤差のみでなく、焦点位置のデ
フォーカス、及び台形歪み状のディストーション等も補
正できるので、非線形倍率誤差、又は像面湾曲の補正時
に発生する他の収差の大半は温度制御装置13e、及び
駆動装置47の制御を最適化することで相殺することが
できる。
【0075】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、所定の光学部材の温度
を制御しているため、大気圧等の環境変化、露光用の照
明光の吸収、又は照明条件の変化等で悪化する投影光学
系の結像特性(特に非線形倍率誤差や像面湾曲等の非線
形誤差)を補正できるという利点がある。また、制御対
象の光学部材の温度が目標温度に対して所定の許容範囲
内に収まった後に露光動作を開始するようにしているた
め、露光動作中は投影光学系の結像特性は所望の状態に
設定され、感光基板上に投影される投影像の結像特性が
常に良好に維持される利点がある。
【0077】そして、例えば非線形倍率誤差の補正によ
って投影像の重ね合わせ精度が向上でき、像面湾曲の補
正によって投影像全体としての焦点深度の幅を広くでき
る利点がある。また、補正対象の結像特性が例えば非線
形倍率誤差(高次倍率誤差)、及び像面湾曲であるとし
て、使用する投影光学系によって非線形倍率誤差、又は
像面湾曲の一方の誤差が大きい場合には、その誤差が大
きい方の結像特性の補正に有効な光学部材(レンズエレ
メント)の温度を制御すればよい。また、非線形倍率誤
差と像面湾曲とが同時に発生する投影光学系に対して
は、それぞれ別の光学部材の温度を独立に制御して、非
線形倍率誤差と像面湾曲とを独立に補正してもよいが、
それら両方の結像特性の補正に有効な同一の光学部材の
温度を制御することによって、非線形倍率誤差と像面湾
曲とを同時に補正することも可能である。
【0078】次に、温度制御手段による制御対象の光学
部材の温度を計測する温度センサを設け、露光制御手段
が、その温度センサの計測値と目標温度とを比較して露
光動作を開始するか否かを判定する場合には、その制御
対象の光学部材の温度の実測値に基づいて迅速に露光動
作を開始できると共に、露光動作中は常に結像特性が所
望の状態に設定されている。
【0079】一方、その温度制御手段による制御対象の
光学部材の温度が所定の温度に達するまでの時間を記憶
する記憶手段を設け、露光制御手段が、その記憶手段に
記憶されている時間に応じた時間が経過した後に感光基
板への露光動作を開始するときには、温度センサ等が不
要であるため簡単な機構によって、露光動作の開始のタ
イミングを決定できる利点がある。
【0080】また、その温度制御手段によって制御対象
とする光学部材の温度を目標温度に設定する際に、その
温度制御手段による中間的な設定温度(制御温度)をそ
の目標温度に対してオーバーシュート又はアンダーシュ
ートさせるときには、その光学部材の温度をより早くそ
の目標温度に設定できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図3】第2の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図4】第3の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図5】第4の実施の形態で使用される投影光学系、及
び結像特性の補正機構を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図6】温度変化に対して互いに異なる特性を有する2
つの硝材のレンズを示す光路図である。
【図7】(a)は石英からなるレンズエレメントに依る
非線形倍率誤差を示す図、(b)は温度制御された蛍石
からなるレンズエレメントに依る倍率誤差を示す図、
(c)は残存する線形倍率誤差を示す図である。
【図8】石英からなるレンズエレメント、温度制御され
た蛍石からなるレンズエレメント、及びレンズ制御装置
を組み合わせて得られる倍率誤差を示す図である。
【図9】(a)は石英からなるレンズエレメントに依る
像面湾曲を示す図、(b)は温度制御された蛍石からな
るレンズエレメントに依る像面湾曲を示す図、(c)は
残存するデフォーカス量を示す図である。
【図10】石英からなるレンズエレメント、温度制御さ
れた蛍石からなるレンズエレメント、及びフォーカス位
置の制御機構を組み合わせて得られるフォーカス位置の
分布を示す図である。
【図11】(a)は結像特性計測用センサ3の開口部及
び評価用マークの投影像を示す平面図、(b)は結像特
性計測用センサ3の構成を示す一部を断面とした構成図
である。
【図12】大気圧と蛍石よりなるレンズエレメントの温
度との関係を示す図である。
【図13】(a)は温度制御媒体の制御温度Tijと蛍石
の温度TFとの関係を示す図、(b)は温度制御媒体の
制御温度Tijをオーバーシュートさせた場合の説明図で
ある。
【図14】本発明の実施の形態における蛍石よりなるレ
ンズエレメントの温度制御シーケンスと、露光シーケン
スとの関係を示すフローチャートである。
【図15】図2の主制御装置18内のメモリの共通作業
領域内のデータを示す図である。
【図16】(a)は一括露光を行った場合の非線形倍率
誤差の影響を示す図、(b)は走査露光を行った場合の
非線形倍率誤差の影響を示す図である。
【図17】(a)は一括露光を行った場合の像面湾曲の
影響を示す図、(b)は走査露光を行った場合の像面湾
曲の影響を示す図である。
【符号の説明】
R レチクル PL1,PL2,PL3,PL4 投影光学系 W ウエハ 2 ウエハステージ 3 結像特性計測用センサ 4 鏡筒 G1,G2 レンズ枠 6 レチクルステージ 8,10 レーザ干渉計 12 レンズ制御装置 13 レンズ温度制御装置 13a,13b 温度制御装置 14 照明光学系 18 主制御装置 25〜34,35A,38A 石英よりなるレンズエレ
メント 36A,37A 蛍石よりなるレンズエレメント 36B 蛍石よりなるレンズエレメント 33A,36C 蛍石よりなるレンズエレメント 28A,29A 蛍石よりなるレンズエレメント 40A〜40D 温度制御素子 54A,54B,56A,56B 温度センサ 55,57 温度検出装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクパターンを投影光学系を介して感
    光基板上に投影する投影露光装置において、 前記投影光学系は、互いに屈折率に関する温度特性の異
    なる硝材よりなる複数組の光学部材を有し、 前記複数組の光学部材中の少なくとも1つの光学部材の
    温度を、前記投影光学系の結像特性に応じて定まる可変
    の目標温度に設定する温度制御手段と、 該温度制御手段による制御対象の光学部材の温度が前記
    目標温度に対して所定の許容範囲内に収まった後に前記
    感光基板への露光動作を開始する露光制御手段と、を設
    けたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投影露光装置であって、 前記温度制御手段による制御対象の光学部材の温度を計
    測する温度センサを設け、前記露光制御手段は、前記温
    度センサの計測値と前記目標温度とを比較して露光動作
    を開始するか否かを判定することを特徴とする投影露光
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の投影露光装置であって、 前記温度制御手段による制御対象の光学部材の温度が所
    定の温度に達するまでの時間を記憶する記憶手段を設
    け、 前記露光制御手段は、前記記憶手段に記憶されている時
    間に応じた時間が経過した後に前記感光基板への露光動
    作を開始することを特徴とする投影露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載の投影露光装
    置であって、 前記温度制御手段によって制御対象とする光学部材の温
    度を前記目標温度に設定する際に、前記温度制御手段に
    よる中間的な設定温度を前記目標温度に対してオーバー
    シュート又はアンダーシュートさせることを特徴とする
    投影露光装置。
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