JPH1167651A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH1167651A
JPH1167651A JP9227712A JP22771297A JPH1167651A JP H1167651 A JPH1167651 A JP H1167651A JP 9227712 A JP9227712 A JP 9227712A JP 22771297 A JP22771297 A JP 22771297A JP H1167651 A JPH1167651 A JP H1167651A
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projection
gas
optical member
projection optical
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Takechika Nishi
健爾 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い結像特性が得られる投影光学系を備える
と共に、気圧等の環境条件が変化してもその高い結像特
性が維持できる投影露光装置を提供する。 【解決手段】 レチクルRのパターン像を投影光学系P
Lを介してウエハW上に転写する。投影光学系PLをレ
チクルR側から順に、結像特性可変ユニット17、非球
面ユニット16,15、瞳可変ユニット14、非球面ユ
ニット13、及び結像特性可変ユニット3等を配置して
構成し、非球面レンズを有する非球面ユニット13,1
5,16内にHeガス温調制御装置7から気圧、及び温
度が制御されたヘリウムガスを供給することによって、
非球面レンズの光学特性を安定化する。大気変動や露光
光の照射エネルギーによる投影光学系PLの結像特性の
変動を結像特性可変ユニット3,17を介して補正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を
製造するためのリソグラフィ工程中でマスクパターンを
基板上に転写する際に使用される投影露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、従来はマ
スクとしてのレチクルに形成されたパターンの像を投影
光学系を介して、レジストが塗布されたウエハ(又はガ
ラスプレート等)上の各ショット領域にステップ・アン
ド・リピート方式で一括転写する縮小投影型の露光装置
(ステッパー)が多用されていた。従来の投影光学系と
しては一般に、球面レンズを使用した屈折系、又は球面
鏡を使用した反射系等が使用されていた。この場合、露
光光の波長(露光波長)をλ、投影光学系の開口数をN
A、レジスト等で決定されるプロセスファクタをkとす
ると、投影露光装置で高精度に転写できるライン・アン
ド・スペースパターンの線幅は、次式で表される。
【0003】線幅=k・λ/NA (1) 最近は露光光としてKrFエキシマレーザ光(波長24
8nm)、更にはArFエキシマレーザ光(波長193
nm)が使用されつつあり、レジストの改良、いわゆる
変形照明等の高解像技術の適用、更にはウエハの平坦化
技術の利用等によって、プロセスファクタkは0.45
程度にすることが可能となっている。また、従来の投影
光学系の開口数は最大で0.6程度であったため、これ
らを(1)式に代入すると、次のように従来転写できた
最小線幅は約150nmとなる。 0.45・193/0.6≒145(nm)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の一括
転写方式(ステッパー型)の投影露光装置においては、
露光波長は193nm程度までになっているが、球面レ
ンズ、又は球面鏡を用いた投影光学系の開口数が最大で
0.6程度であるため、転写できる最小線幅は約150
nmとなっている。これに対して、デバイスパターンの
一層の微細化により、投影露光装置に対して最近では線
幅が150〜90nmのライン・アンド・スペースパタ
ーンを高精度に転写することが求められている。この場
合、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長193
nm)を使用するものとすると、投影光学系の開口数を
更に0.65〜0.85程度に高くする必要がある。
【0005】しかしながら、一括転写方式を行うために
広い露光領域を有し、且つ高い開口数を有する投影光学
系を球面レンズ、又は球面鏡を用いて実現するために
は、個々のレンズ径が大きくなり過ぎる等の不都合があ
る。そこで、投影光学系をそれ程大型化することなく、
開口数を大きくするための方法として、2つの技術が提
案されている。第1の技術は、投影光学系に対してレチ
クルとウエハとを投影倍率に応じた速度比で同期走査す
ることで、レチクル上のパターンを逐次ウエハ上に転写
していくステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装
置である。この方式を導入して、露光領域を投影光学系
の有効視野の直径方向に細長い矩形、又は円弧状等のス
リット状に取ることで、一括転写方式でほぼ正方形の露
光領域を使用する場合に比べて、有効視野の直径が1/
1/2 の投影光学系を使用しても同じ幅の露光フィール
ドが確保できるという利点がある。
【0006】また、第2の技術として、投影光学系の内
部に非球面加工された面を有するレンズ等の光学部材
(非球面部材)を1〜5枚程度挿入する技術がある。こ
の非球面部材の利用によって、投影光学系の開口数を大
きくした場合でも、物像間距離を小さくし、レンズ枚数
を少なくできると共に、レンズ径を小さくできる。ま
た、波長200nm以下の極紫外域で利用できる硝材
は、現状では石英及び蛍石に限定されているが、蛍石は
製造コストが比較的高いと共に、石英に比べて線膨張率
が大きく温度変化に敏感であるため、露光波長をできる
だけ狭帯化して色消しの負担を軽くすることによって、
蛍石よりなるレンズ枚数を少なくすることが望ましい。
このような技術を導入することで、高い開口数を備え、
最終的に広い露光フィールドへの露光を行うことができ
る実用的な投影光学系の設計、及び製造が可能となる。
【0007】しかしながら、そのような非球面部材を利
用する場合、投影光学系を囲む環境の温度、湿度、及び
気圧(大気圧)等が変化して、その非球面部材の前後の
気体の屈折率等が変化すると、補正困難なディストーシ
ョン等の収差が発生して、結像特性が劣化するという不
都合がある。これに関して、球面レンズであれば、環境
変化に対する収差の変化の状態等がシミュレーション等
によってかなり正確に予測できるため、例えばその球面
レンズの位置の微動等によって一定の結像特性を維持す
るような制御を行うことが可能である。ところが、非球
面部材に関しては、収差の変化がかなり複雑になり、そ
の収差の変化が大きくなると補正が困難になると共に、
収差の変化量が小さい範囲でも補正機構が複雑化する恐
れがある。
【0008】更に、露光波長の狭帯化の程度によって、
或る程度の色消しを行うために蛍石よりなるレンズを用
いる場合、又は、露光波長の更なる短波長化によって硝
材として蛍石を多く使用するような場合、蛍石は線膨張
率が大きいために、温度変化によって収差が大きく変化
する恐れがある。本発明は斯かる点に鑑み、高い結像特
性が得られる投影光学系を備えた投影露光装置を提供す
ることを第1の目的とする。
【0009】更に本発明は、高い結像特性が得られる投
影光学系を備えると共に、気圧等の環境条件が変化して
もその高い結像特性が維持できる投影露光装置を提供す
ることを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
露光装置は、マスク(R)に形成されたパターンの像を
投影光学系(PL)を介して基板(W)上に投影する投
影露光装置において、その投影光学系は、非球面加工さ
れた面を有するか、又は蛍石よりなる第1の光学部材
(L11〜L14)と、球面、又は平面加工された面を有す
る第2の光学部材(L51〜L53)と、を含み、その第1
の光学部材の少なくとも一部は大気変動(気圧変化、温
度変化、湿度変化等)の影響を受けにくい第1の気体の
雰囲気中に配置され、その第2の光学部材の少なくとも
一部はその第1の気体とは異なる第2の気体の雰囲気中
に配置されると共に、その投影光学系の結像特性を補正
するためにその第2の光学部材中の所定の光学部材を駆
動する結像特性補正部材(17,29)が設けられたも
のである。
【0011】斯かる本発明によれば、その投影光学系が
その第1の光学部材として非球面部材を有する場合に
は、その投影光学系を大型化することなく、開口数を例
えば0.65以上に大きくして、転写できるパターンの
線幅を微細化できる。一方、その投影光学系がその第1
の光学部材として蛍石よりなるレンズを有する場合に
は、他の石英等からなるレンズ等との組み合わせによっ
て高精度に色消しを行うことができる。又は、蛍石の使
用で更に短い露光波長に対応できる。更に、その第1の
光学部材の少なくとも一部は、大気変動の影響を受けに
くい第1の気体中に配置されているため、気圧等の環境
条件が変化しても、その第1の光学部材の前後の気体の
屈折率変化が小さくなり、且つその第1の光学部材の熱
変形量も小さくなるため、結像特性の変化が小さくな
る。
【0012】また、その第2の光学部材の少なくとも一
部は、例えば外気に開放されており圧力や温度の制御が
容易であると共に、メンテナンス(補充等)が容易な第
2の気体中に配置されているため、大気圧変化や露光光
の照射エネルギーによって結像特性(ディストーション
を含む倍率誤差、フォーカス位置、非点収差、コマ収差
等)が変化した場合に、その第2の光学部材中の所定の
光学部材を駆動することで、その結像特性の変動量を補
正できる。このように高精度な結像特性を得るための光
学部材と、結像特性の補正を行うための光学部材とを投
影光学系内で分離して異なる気体の雰囲気中に配置する
ことで、投影光学系の設計、製造が容易になると共に、
結像特性の変動量を少なくできる。
【0013】また、本発明による第2の投影露光装置
は、マスク(R)に形成されたパターンの像を投影光学
系(PL)を介して基板(W)上に投影する投影露光装
置において、その投影光学系は、非球面加工された面を
有するか、又は蛍石よりなる第1の光学部材(L11〜L
14)と、球面、又は平面加工された面を有する第2の光
学部材(L51〜L53)と、を含み、その第1の光学部材
の少なくとも一部は大気変動の影響を受けにくい第1の
気体の雰囲気中に配置され、その第2の光学部材の少な
くとも一部はその第1の気体とは異なる第2の気体の雰
囲気中に配置されると共に、その投影光学系の結像特性
を補正するためにその第2の気体の一部の圧力を制御す
る結像特性補正部材(29A)が設けられたものであ
る。
【0014】この第2の投影露光装置も、第1の投影露
光装置と同様に結像特性の変動量が少ないが、その第2
の気体の一部の圧力を制御して結像特性の補正を行う点
が異なっている。また、本発明による第3の投影露光装
置は、マスク(R)に形成されたパターンの像を投影光
学系(PL)を介して基板(W)上に投影する投影露光
装置において、その投影光学系は、非球面加工された面
を有するか、又は蛍石よりなる第1の光学部材(L11
14)と、球面、又は平面加工された面を有する第2の
光学部材(L51〜L53)と、を含み、その第1の光学部
材の少なくとも一部は大気変動の影響を受けにくい第1
の気体の雰囲気中に配置され、その第2の光学部材の少
なくとも一部はその第1の気体とは異なる第2の気体の
雰囲気中に配置されると共に、その投影光学系の結像特
性を補正するためにその第2の気体の一部の温度、又は
湿度を制御する結像特性補正部材(29A)が設けられ
たものである。
【0015】この第3の投影露光装置も、第1の投影露
光装置と同様に結像特性の変動量が少ないが、その第2
の気体の一部の温度、又は湿度を制御して結像特性の補
正を行う点が異なっている。また、本発明による第4の
投影露光装置は、マスク(R)に形成されたパターンの
像を投影光学系(PL)を介して基板(W)上に投影す
る投影露光装置において、その投影光学系は、非球面加
工された面を有するか、又は蛍石よりなる第1の光学部
材(L11〜L14)と、球面、又は平面加工された面を有
する第2の光学部材(L51〜L53)と、その第1の光学
部材の少なくとも一部を収納する第1の鏡筒(9,1
3)と、この第1の鏡筒に収納される光学部材以外の光
学部材を収納するその第1の鏡筒とは分離可能な第2の
鏡筒(17)と、を含み、その第1の鏡筒は、内部に収
納される光学部材を保持する光学部材保持枠(35A〜
35D)と、この光学部材保持枠を所定の隙間を開けて
保持する外筒(9)とを有する二重構造であり、その第
1の鏡筒内のその隙間に大気変動の影響を受けにくい第
1の気体が供給され、その第2の鏡筒内の少なくとも一
部にその第1の気体と異なる第2の気体が供給されるも
のである。
【0016】この第4の投影露光装置も、第1の投影露
光装置と同様に結像特性の変動量が少ない。また、その
投影光学系を複数の鏡筒に分割した分割鏡筒が導入さ
れ、各鏡筒毎に内部の光学部材の位置や傾斜角を補正で
きるため、結像特性が向上する。この場合、その第1の
鏡筒(9,13)は、二重構造となっており、この二重
構造の隙間に大気変動の影響を受けにくい第1の気体が
供給されているため、この第1の気体の気密性が維持さ
れて、環境の変化の影響が低減される。また、その第1
の鏡筒(9,13)の光学部材保持枠(35A〜35
D)を、レンズ毎にレンズ保持枠を積み重ねるブロック
積立方式として、各レンズ保持枠毎に例えば3点支持方
式で位置や傾斜角を調整して、各レンズの姿勢の再現性
をブロック毎に容易に保つようにすることができる。
【0017】また、上記の本発明による投影露光装置に
おいて、その大気変動の影響を受けにくい第1の気体と
は、一例としてヘリウムガス(He)である。ヘリウム
を使用した場合には、大気と連動している空気を使用し
た場合に比べて、大気圧、温度、更には湿度等の影響が
1/10程度に軽減されるため、それに伴って屈折率の
変化量も小さくなり、結像特性の変動量が特に小さくな
る。
【0018】また、本発明による第5の投影露光装置
は、マスク(R)に形成されたパターンの像を投影光学
系(PL)を介して基板(W)上に投影する投影露光装
置において、その投影光学系の鏡筒(39)と一体化さ
れたフランジ部材(40)と、このフランジ部材に装着
されそれぞれその投影光学系の光軸方向の位置が調整可
能な複数個の位置調整部材(41A〜41C)と、これ
ら複数個の位置調整部材にそれぞれ対応して組み込まれ
た複数個の圧力センサ(42A〜42C)と、を備え、
これら複数個の圧力センサで検出される圧力がそれぞれ
その投影光学系の単体としての調整時の圧力になるよう
にそれら複数個の位置調整部材の位置調整が行われるも
のである。
【0019】斯かる第5の投影露光装置によれば、その
投影光学系のフランジ部材(40)の圧力センサで検出
される圧力がそれぞれ調整時の圧力になるように位置調
整部材が調整される。従って、投影光学系の結像特性と
して調整時と同様の高精度な結像特性が再現される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投影露光装置
の第1の実施の形態につき図面を参照して説明する。本
例は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置
に本発明を適用したものである。図1は、本例で使用さ
れる投影露光装置を示し、この図1において露光時に
は、ArFエキシマレーザ光源、この露光用の光源から
の波長193nmの紫外パルス光よりなる露光光の強度
を制御する減衰器、その露光光の照度分布を均一化する
ためのフライアイレンズ、照明系開口絞り、スリット状
の照明領域を規定する視野絞り(レチクルブライン
ド)、及びコンデンサレンズ系等からなる照明光学系2
8より、レチクルR上のスリット状の照明領域に対して
均一な照度分布で所定のコヒーレンスファクタ(σ値)
を有する露光光ILが照射される。
【0021】そして、露光光ILのもとで、その照明領
域内のレチクルRのパターンの像が、両側(又はウエハ
側に片側)テレセントリックな投影光学系PLを介して
投影倍率β(βは1/4,1/5等)で、ウエハW上の
露光対象のショット領域内のスリット状の露光領域に投
影される。ウエハWにはレジストが塗布されており、照
明光学系28内にはレジストに対する露光量を間接的に
モニタする計測系が備えられている。この計測系の計測
結果、及び装置全体の動作を統轄制御するコンピュータ
よりなる主制御系20の制御に基づいて、露光量制御系
34が照明光学系28内の減衰器の減衰率等を制御して
露光光のレジスト上での照度を一定化する。
【0022】以下、投影光学系PLの光軸AXに平行に
Z軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチク
ルR及びウエハWの走査方向(図1の紙面に垂直な方
向)に沿ってY軸を取り、その走査方向に直交する非走
査方向(図1の紙面に平行な方向)に沿ってX軸を取っ
て説明する。このとき、レチクルRはレチクルステージ
25上に吸着保持され、レチクルステージ25は、レチ
クルベース24上にエアベアリングを介して浮上するよ
うに支持されており、リニアモータ等の駆動機構(不図
示)によりY方向に連続移動すると共に、X方向、Y方
向、θ方向(回転方向)に微動する。レチクルステージ
25のX座標、Y座標、及び回転角は、レチクル用のレ
ーザ干渉計26より計測され、この計測値が主制御系2
0に供給される。主制御系20は、その計測値、及び後
述のウエハステージの位置に基づいて、レチクルステー
ジ駆動系27を介してレチクルステージ25の動作を制
御する。
【0023】一方、ウエハWは不図示のウエハホルダ上
に真空吸着によって保持されており、このウエハホルダ
がウエハステージ2上に固定され、ウエハステージ2
は、定盤1上にエアベアリングを介して浮上するように
支持されている。ウエハステージ2は、ウエハWのX方
向、Y方向、θ方向の位置(回転角)、Z方向の位置、
及び2次元的な傾斜角よりなる6自由度の位置を制御す
る。ウエハステージ2のX座標、Y座標、及び回転角は
ウエハ側のレーザ干渉計32より計測され、この計測値
が主制御系20に供給されている。主制御系20は、そ
の計測値及びレチクルステージ25の位置に基づいてウ
エハステージ駆動系33を介して、ウエハステージ2の
走査、及びステッピング動作を制御する。また、不図示
のオートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハ
ステージ駆動系33は、オートフォーカス方式でウエハ
Wの表面が投影光学系PLの像面に合焦されるようにウ
エハステージ2の傾斜角等を制御する。
【0024】そして、ウエハWに対する走査露光時に
は、スリット状の照明領域(投影光学系PL)に対して
レチクルRを+Y方向(又は−Y方向)に速度VR で移
動するのに同期して、スリット状の露光領域に対してウ
エハWの1つのショット領域を−Y方向(又は+Y方
向)に速度β・VR で移動することによって、そのショ
ット領域にレチクルRのパターン像が逐次転写される。
そのショット領域への露光が終了した後に、ウエハステ
ージ2をステッピングさせて、ウエハW上の次のショッ
ト領域を助走開始位置に移動して走査露光を行うという
動作が、ステップ・アンド・スキャン方式で繰り返され
て、ウエハW上の各ショット領域への露光が行われる。
この走査露光時には、ウエハ上の各点がスリット状の露
光領域を横切る間に、露光光IL(ここでは紫外パルス
光)が所定のパルス数だけ照射されるように、且つ露光
光ILの照度が一定となるように露光量制御が行われて
いる。
【0025】次に、本例の投影光学系PLの構成につき
詳細に説明する。図1において、本例の投影光学系PL
は、レチクルRからウエハWに向けて順次、ディストー
ション補正板18、レンズL53〜L51を含む結像特性可
変ユニット17、レンズL43〜L41を含む第1の非球面
ユニット16、レンズL33〜L31を含む第2の非球面ユ
ニット15、レンズL22と可変開口絞り19とレンズL
21とを有する瞳可変ユニット14、レンズL14〜L11
含む第3の非球面ユニット13、及び補正板6〜4を含
む結像特性可変ユニット3を配置して構成されている。
なお、本例の投影光学系PLは屈折光学系のみで構成さ
れているが、それ以外に例えば特願平8−45796号
に開示されているような反射屈折系(カタジオプトリッ
ク系)よりなる投影光学系を用いてもよい。反射屈折系
よりなる投影光学系も、投影光学系PLと同様にディス
トーション補正板、結像特性可変ユニット、非球面ユニ
ット、及び瞳可変ユニット等から構成されるため、本例
と同様の取扱いができる。
【0026】次に、本例の投影光学系PL中で、先ずレ
チクルRの直下にあるディストーション補正板18は、
その下の各レンズユニットを組み立てた際の残留ディス
トーションを補正するためのものであり、照明条件等に
応じた切り換えが可能な構成となっている。次に、結像
特性可変ユニット17を構成するレンズL53〜L51は、
それぞれ球面レンズよりなり、各レンズL53〜L51は、
それぞれ不図示のレンズ枠をピエゾ素子等の制御素子で
微動することによって、互いに独立にX方向、Y方向、
Z方向への移動、及び傾斜ができるように構成されてい
る。結像特性可変ユニット17の各レンズの駆動によっ
て主に投影像の倍率(高次成分を含む)、及び像面湾曲
が補正できるようになっており、主制御系20から指示
される補正量に応じて、レンズ駆動系29が各レンズL
53〜L51の位置及び傾斜角を設定する。
【0027】また、結像特性可変ユニット17内のレン
ズL53〜L51は、例えばArFエキシマレーザ光の酸素
による吸収を低減させるために窒素ガス(N2)が充填さ
れた雰囲気に設置され、レンズ駆動系29にはその窒素
ガスのパージ機構も組み込まれている。この窒素ガスが
充填された雰囲気の気圧、温度、湿度は、ほぼ本例の投
影露光装置を囲むチャンバ(不図示)の外部の空気(外
気)の条件と同じである。言い換えると、レンズL53
51が設置されている雰囲気の気圧等の条件は、ほぼ外
気に開放された場合の条件と同等である。なお、その窒
素ガスの代わりに、乾燥空気(ドライエアー)をパージ
してもよい。
【0028】次に、非球面ユニット16を構成するレン
ズL43〜L41の少なくとも1枚のレンズ、非球面ユニッ
ト15を構成するレンズL33〜L31の少なくとも1枚の
レンズ、及び非球面ユニット13を構成するレンズL13
〜L11の少なくとも1枚のレンズはそれぞれ非球面レン
ズである。図2を参照して非球面レンズの効果につき説
明すると、図2(a)に示すように、球面レンズ21S
を使用した場合には像面湾曲等の収差が残存していて
も、図2(b)に示すように、非球面レンズ21Nを使
用するとその収差が補正できるため、投影光学系の設計
が容易になる。
【0029】図1に戻り、特に本例の投影光学系PL
は、開口数NAが0.7程度以上になる高NAの光学系
であり、非球面レンズを使用することによって、高NA
であるにも拘らず、レンズ枚数が少なくなり、物像間距
離OWD(ここではレチクルRとウエハWとの間の距
離)が短縮され、各レンズ径も小さくなっている。この
場合、投影光学系PLを構成するレンズの枚数をN枚
(N=2,3,4,…)とすると、そのレンズの内のN
/4枚程度を非球面レンズにすることによって、開口数
NAが0.7程度以上であってもそれ程大型化すること
なく投影光学系PLを構成できる。
【0030】更に、本例の投影露光装置はステップ・ア
ンド・スキャン方式であり、投影光学系PLの有効視野
内のほぼ直径方向に伸びた細長い領域が使用されるた
め、一括転写方式の投影露光装置(ステッパー)に比べ
て同じ幅の露光フィールド(ショット領域)であれば、
投影光学系を小型化できる利点がある。次に、可変開口
絞り19は、レチクルRのパターン面に対する光学的フ
ーリエ変換面(瞳面)の近傍に配置された可変開口絞
り、及びこの可変開口絞りの開口形状を制御する機構よ
り構成されている。その可変開口絞りによって開口数N
Aが所定範囲内で可変とされている。更に、本例の照明
光学系28は、露光対象のパターンの必要解像度や、露
光対象のパターンの形状(ライン・アンド・スペースパ
ターン、コンタクトホール、孤立ラインパターン、又は
孤立スペースパターン等)等に応じて照明系開口絞りの
σ値や形状(輪帯絞り、変形絞り等)を制御できるよう
に構成されている。そこで、照明系開口絞りのσ値や形
状が変更された場合等には、それに応じて可変開口絞り
19側でも可変開口絞りの開口内に遮光フィルタや位相
差フィルタ等のいわゆる瞳フィルタを着脱できるように
構成されている。その可変開口絞り19の開口径や瞳フ
ィルタの着脱は、主制御系20の制御のもとで瞳制御系
30が制御している。
【0031】このように、瞳フィルタを用いる場合には
瞳可変ユニット14が大きくなるため、上記の結像特性
可変ユニット17と同様に、その瞳可変ユニット14は
窒素ガス(N2)、又は乾燥空気が充填された雰囲気に設
置され、瞳制御系30にその窒素ガス、又は乾燥空気の
パージ機構が組み込まれている。瞳可変ユニット14が
設置されている雰囲気の気圧、温度、湿度等も、ほぼチ
ャンバを囲む外気に開放された場合の条件と同等であ
る。
【0032】また、像特性可変ユニット3は、コマ収差
用の補正板6、非点収差用の補正板4,5、及び所定の
補正板の位置や傾斜角を制御する駆動素子等から構成さ
れている。コマ収差用の補正板6は一方向に曲率を持っ
た補正板であり、投影光学系PLの組み立て時に、結像
特性に応じた状態で挿入される。また、非点収差用の補
正板4,5は平行平板であり、それぞれ独立にX方向、
Y方向への微動、及び傾斜を行なうことができる。主制
御系20からの照明条件の情報に応じて補正板駆動系3
1が補正板4,5の位置や傾斜角を制御することで、照
明条件(通常、小σ値、輪帯照明、変形照明等)を切り
換えた場合の非点収差の変動分が補正される。
【0033】その結像特性可変ユニット3内の補正板4
〜6も、窒素ガス(N2)、又は乾燥空気が充填された雰
囲気に設置され、補正板駆動系31にその窒素ガス、又
は乾燥空気のパージ機構が組み込まれている。補正板4
〜6が設置されている雰囲気の気圧、温度等も、チャン
バを囲む外気に開放された場合の条件と同等である。さ
て、上述のように本例の投影光学系PLには、非球面ユ
ニット13,15,16が組み込まれているが、非球面
レンズ、又は非球面鏡のような非球面部材(非球面を有
する光学部材)が使用されている投影光学系は、例えば
大気変動に応じてその非球面部材に接する気体の圧力、
温度、湿度等が変化して、その気体の屈折率が僅かに変
化するだけでも、ディストーション等の結像特性が比較
的大きく悪化してしまう。そこで、本例の非球面ユニッ
ト13,15,16には、内部のレンズに接する気体の
圧力、温度、湿度等を、チャンバを囲む外気の気圧変化
等に依らずに安定化するための機構が備えられている。
【0034】即ち、第1及び第2の非球面ユニット1
6、及び15は、円筒状の第1のパージユニット11内
に直列に収納され、第3の非球面ユニット13は、円筒
状の第2のパージユニット9と兼用して構成されてい
る。そして、投影光学系PLの外部に配置されたHeガ
ス温調制御装置7から、供給チューブ12、及びパージ
ユニット11の上部側面の貫通孔を介して、パージユニ
ット11と非球面ユニット16,15の各レンズとの間
の空間にヘリウムガス(He)が供給されている。本例
の投影光学系PLの周囲の温調された空気を基準気体と
すると、この基準気体の平均気圧、及び平均温度は、そ
れぞれほぼ1気圧、及び20〜23℃である。そして、
パージユニット11内に供給されるヘリウムガスの気
圧、及び温度はそれぞれその基準気体の平均気圧、及び
平均温度に等しく設定されている。ヘリウムガスは、不
活性であり、ArFエキシマレーザ光を吸収して励起さ
れることが無いため、露光光ILに対する透過率が高い
という利点がある。また、特に第3の非球面ユニット内
には高NA化で曲率の大きいレンズが含まれており、わ
ずかな変化でレンズコート部の特性より透過率が変化す
る可能性もある。これを防止するためにもヘリウムガス
供給が行われている。
【0035】パージユニット11内を流れたヘリウムガ
スは、パージユニット11の下部側面の貫通孔、中継ぎ
チューブ10、及びパージユニット9の上部側面の貫通
孔を介して、パージユニット9(非球面ユニット13)
の各レンズとの間の空間に供給されている。そして、パ
ージユニット9内を流れたヘリウムガスは、パージユニ
ット9の下部側面の貫通孔、及び排出チューブ8を介し
てHeガス温調制御装置7に還流している。本例では高
価なヘリウムガスを無駄にしないため、ヘリウムガスを
循環方式で非球面ユニット16,15,13に供給して
いる。この結果、露光光ILの継続的な照射によって加
熱されたレンズや鏡筒の熱を吸収して温度が上昇したヘ
リウムガスがHeガス温調制御装置7に戻される。He
ガス温調制御装置7では、還流されたヘリウムガスの温
度を目標値まで下げて供給チューブ12に送り出す。但
し、ヘリウムガスは、供給チューブ12や排出チューブ
8の継ぎ目等の僅かな隙間等から漏れるので、Heガス
温調制御装置7では、適宜ヘリウムガスの補給を行って
その気圧を基準気体の平均気圧に維持している。
【0036】この場合、常温でのヘリウムガスの熱伝導
率は酸素ガスや窒素ガスに比べて5倍以上高いため、非
球面ユニット16,15,13内のレンズの温度変化量
が小さくなり、結果としてそれらのレンズの周囲を流れ
るヘリウムガスの温度変化量も、他の球面レンズの周囲
の気体の温度変化量よりも小さくなっている。また、ヘ
リウムガスは、酸素ガスや窒素ガスに比べて低分子量で
比重が小さいため、気圧が変化した場合の屈折率の変化
量が少ないと共に、本例のヘリウムガスの気圧の変化量
は、他の球面レンズに接する気体の気圧の変化量よりも
低く抑えられている。従って、投影光学系PL内の非球
面レンズに接する気体(ヘリウムガス)の屈折率の変化
量は、他の球面レンズに接する気体の屈折率の変化量よ
りも大幅に小さくなり、それらの非球面レンズに起因す
る結像特性の悪化は殆ど無視できる程度まで抑制されて
いる。
【0037】次に、図1の投影光学系PLを構成する非
球面ユニット13及び対応するパージユニット9の構成
につき、図3及び図4を参照して詳細に説明する。先
ず、図3(a)は、図1の非球面ユニット13中のレン
ズL14を保持するレンズ枠35Dを示す断面図、図3
(b)はその底面図であり、図3(a)に示すように、
研磨されたレンズL14はリング状のレンズ枠35D内に
凸部36D,36E,36Fによる3点支持により保持
され、レンズ中心とレンズ枠35Dの中心とが一致する
ように、レンズ枠35Dの外周が研磨されている。勿
論、この研磨の際に、レンズL14の傾斜角はレンズ枠3
5Dの入射面及び射出面に平行になるように設定され
る。更に、レンズ枠35Dの底面には、等角度間隔で3
箇所にそれぞれ高さが調整できる調整ビス36A〜36
Cが取り付けられており、これらの調整ビス36A〜3
6Cの突出部の高さは、レンズ枠35Dを或る面上に設
置した場合にその面からレンズL14の厚さ方向の中心ま
での距離がそれぞれ設計値となるように調整される。
【0038】図3(c)は、図1の非球面ユニット13
内のレンズL11〜L14をそれぞれ対応するレンズ枠35
A〜35D内に収納して積み重ねた状態を示し、この図
3(c)において、レンズ枠35A〜35Cは、レンズ
枠35Dと同様の構成である。但し、最下段のレンズ枠
35Aは非球面ユニット13に設けられた3点支持の高
さ調整ビス13A,13B,13Cにより保持されてい
る。この場合、レンズ枠35A〜35Dの荷重は、それ
ぞれのユニット毎に分散してかかるため、本例のような
ユニット毎のレンズ支持方式を分割鏡筒方式と呼ぶ。こ
の方式では、個々に調整されたレンズ枠35A〜35D
を互いに各光軸が一致するように順次積み上げること
で、図1の非球面ユニット13が構成される。このと
き、レンズ枠35Aは非球面ユニット13に対し3点支
持となっており、更に、レンズ枠35A〜35D間の接
触点も3点となっている。これは投影光学系を組み上げ
た後の総合的な結像性能に応じて個々のレンズ枠35A
〜35Dを微動させる必要がでてきた場合等にも、自重
によるレンズ枠35A〜35D内のレンズの撓み量の変
化(接触点が変わることで発生する恐れがある)が無
く、各ユニット毎に独立に調整できるような構成として
いるためである。。
【0039】本例ではレンズ枠35A〜35Dの間には
3点支持としているので、調整ビス36A〜36Cによ
る隙間が発生している。この隙間があることによって、
各レンズに接する空間にヘリウムガス等を供給すること
が可能となっている。そこで、本例では、図4(a)に
示すように、レンズ枠35A〜35Dよりなる非球面ユ
ニット13を、円筒状のパージユニット9として兼用し
ている。即ち、パージユニット9の上下の隙間をシリコ
ン樹脂等のシール材37A,37Bで封止している。こ
のシール材37A,37Bは、当然ながらレンズ枠35
A〜35D内のレンズの曇りの要因とならない材料であ
り、且つヘリウムガスが漏れず、経時変化が少ない材料
を使用している。この結果、レンズ枠35A〜35Dの
周囲及び内部のレンズと、パージユニット9の内面との
間の空間38がパージユニット9の外部と完全に隔離さ
れた密閉空間となり、この空間38内に中継ぎチューブ
10を介してヘリウムガスが供給され、空間38内を流
れたヘリウムガスが排出チューブ8を介して淀み無く排
気されている。
【0040】また、図1において、非球面ユニット1
5,16も同様に分割鏡筒方式で組み上げられ、直列に
1つのパージユニット11内に収納されて封止されてい
る。次に、本例の投影光学系PLの組立調整方法の一例
につき図8のフローチャートを参照して説明する。先
ず、図8のステップ101において、上述のように互い
の位置関係、及び光軸を合わせながら非球面ユニット1
5,16を対応するパージユニット11内に収納して、
上下の隙間を封止する。そして、ステップ102におい
て、他の結像特性可変ユニット3,17等のレンズユニ
ットをそれぞれ組み上げる。但し、結像特性可変ユニッ
ト3,17にはレンズを微動するための駆動素子も装着
される。そして、ステップ103において、これらのレ
ンズユニットをお互いの間隔、横ずれを調整しながら積
み上げる。これらのレンズユニットの外筒(パージユニ
ット9等)は、互いに分割された鏡筒であり、積み上げ
られた後は1つの鏡筒39となる。
【0041】図5(a)は組立調整中の投影光学系PL
を示す正面図、図5(b)はその投影光学系PLを示す
平面図であり、各レンズユニットが投影光学系PLの鏡
筒39内に所定の位置関係で動かないように固定されて
いる。鏡筒39の側面には、各レンズユニットを横シフ
トして固定するための調整ビス機構が備えられている。
また、鏡筒39の側面には、保持用のフランジ部40が
固定されており、ステップ104において、結像特性の
最終調整用に、鏡筒39を調整用支持台44内の貫通孔
に通し、フランジ部40を調整用支持台44上に載置す
る。調整用支持台44上には調整用の照明光学系が設置
され、調整用支持台44の底部には結像特性の計測系が
設置されている。
【0042】また、図5(a),(b)に示すように、
フランジ部40には等角度間隔で3箇所に高さ調整用の
調整ねじ41A〜41Cが螺合され、調整ねじ41A〜
41Cの底部にそれぞれ圧力センサとしてのロードセル
等の荷重センサ42A〜42Cが設けられ、これらの荷
重センサ42A〜42Cと調整用支持台44との間にそ
れぞれ先端部が球面状の突起部材43A〜43C(43
Cは不図示)が設けられている。本例では、調整ねじ4
1A〜41Cの調整によって、フランジ部40と調整用
支持台44との間隔を調整できるように構成され、荷重
センサ42A〜42Cの出力が調整制御装置45に供給
されている。調整制御装置45では、オペレータの指示
によって随時荷重センサ42A〜42Cによって検出さ
れる荷重を記憶する。
【0043】そこで、ステップ105において、調整用
の照明光学系(不図示)から露光光を投影光学系PLに
照射して、結像特性の計測系(不図示)によって投影光
学系PLの結像特性を計測しながら、鏡筒39の調整ビ
ス機構を用いて各レンズユニットの位置関係を調整し、
必要に応じてフランジ部40の調整ねじ41A〜41C
を用いて鏡筒39の傾斜角を調整する。そして、結像特
性の計測と調整とを繰り返して、所望の結像特性が得ら
れた状態で調整を終了し、フランジ部40の荷重センサ
42A〜42Cを介して検出される3箇所の荷重の計測
値を記憶する。
【0044】次のステップ107において、投影光学系
PLを調整用支持台44から取り外し、図6に示すよう
に、本例の投影露光装置の鏡筒支持台46上に搭載す
る。鏡筒支持台46は、U字型の凹部46aを有する平
板状であり、鏡筒支持台46上に投影光学系PLの鏡筒
39のフランジ部40が調整ねじ41A〜41Cを介し
て載置される。その投影露光装置には、既に図1に示す
照明光学系28、及びレチクルステージやウエハステー
ジを含むステージ部等が組み込まれており、これらの機
構の調整は組立調整に長い時間を要する投影光学系PL
単体の調整と並行して行われている。そのため、図6の
鏡筒支持台46の上下には既に照明光学系、及びステー
ジ部等が組み込まれており、投影光学系PLを鏡筒支持
台46の上方から搭載するスペースがない。そこで、本
例では、鏡筒支持台46の形状をU字状にして、U字状
の凹部46aに矢印で示すように側面から投影光学系P
Lを搭載できるようにしている。
【0045】次のステップ108で、フランジ部40の
3箇所の荷重センサ42A〜42Cで計測される荷重
が、それぞれ組立調整終了後の荷重となるように調整ね
じ41A〜41Cの高さが調整される。これによって、
投影光学系PLの鏡筒39の傾斜角は組立調整終了後の
傾斜角に等しくなる。これに関して、従来は荷重センサ
を使用していなかったため、鏡筒支持台46上に投影光
学系PLを載置した際に、凹部46aの両側が変形して
しまい、調整用支持台44上の姿勢が再現できなかった
ため、投影露光装置側でも再調整を行う必要があった。
本例ではフランジ部40を3点支持として、3箇所の荷
重が調整時の値を再現するように投影光学系PLを搭載
しているため、投影露光装置側での調整時間が短縮され
る。
【0046】なお、鏡筒支持台46のU字型の凹部46
aの両側の剛性が弱い場合には、投影光学系PLの搭載
後にその凹部46aの開放端を跨ぐような補強部材で補
強すればよい。なお、調整ねじ41A〜41Cを介して
フランジ部40の高さを調整する代わりに、ワッシャの
枚数の調整等を行ってもよい。なお、上記の実施の形態
では、露光光としてArFエキシマレーザ光が使用され
ているが、露光光としてKrFエキシマレーザ光、又は
2 レーザ光(波長157nm)等を使用する場合にも
本発明が適用できる。
【0047】上述のように本例によれば、ステップ・ア
ンド・スキャン方式の投影露光装置の投影光学系PLに
非球面レンズを有する非球面ユニット13,15,16
を導入し、その非球面ユニット13,15,16内にヘ
リウムガスを供給すると共に、それとは別の光学ユニッ
ト内にそれとは別の気体(窒素ガス、又は乾燥空気)を
供給し、大気圧や露光光の照射エネルギーによる結像特
性の変化量を補正することとしている。これによって、
広い露光フィールドを有する高NAの投影光学系の設
計、及び製造が可能となった。この結果、ArFエキシ
マレーザ光(又はKrFエキシマレーザ光等)を用いて
線幅150〜90nmのライン・アンド・スペースパタ
ーンの露光が可能となった。
【0048】更に、投影光学系PLの組立時にレンズユ
ニット毎に調整を行う分割鏡筒方式を用いており、各レ
ンズを短時間に所定の位置関係で投影光学系PLに組み
込むことができるという効果がある。また、投影露光装
置本体の鏡筒支持台46をU字型にし、投影光学系PL
のフランジ部の3箇所の荷重センサで計測される荷重が
調整時の値を再現するように投影光学系PLを搭載する
ので、投影露光装置側での投影光学系の調整時間が少な
くなると共に、仕掛かりの長い投影光学系単体の調整と
投影露光装置の他の部材の調整とを並行して行うことが
可能となり、投影露光装置の立ち上げ時間を短縮できる
という効果もある。また、レンズを支持する3個の凸
部、レンズ枠を支持する3個の凸部、フランジを支持す
る3個の凸部の配置を考慮して互い違いにしたり、同じ
位置にすることで、各荷重による歪みの影響を軽減した
り各位置で等価にすることができる。
【0049】更に本例では、非球面レンズを有する非球
面ユニット13,15,16内に気圧や温度が制御され
たヘリウムガスが供給され、非球面レンズによって結像
特性が悪化することがない。従って、結像特性可変ユニ
ット3,17を介して大気圧や露光光の照射エネルギー
の影響で発生する倍率誤差、フォーカス変動、像面湾曲
変動、偏芯コマ収差、非点収差等を補正する場合に、非
球面ユニット13,15,16は安定しているとみなせ
るため、結像特性の補正が容易になっている。
【0050】なお、走査露光方式では投影光学系PLに
おいて、レチクルR及びウエハWの近傍に配置されたレ
ンズに対する露光光の照射範囲が長方形等のスリット状
になるため、球面レンズユニット部の制御のみでは補正
しきれない収差要因がでてくる可能性もある。そのよう
な場合は、非球面ユニット13,15,16内の一部の
非球面レンズを球面レンズと同様にヘリウムガス以外の
気体にて覆って微動するか、又はその気体の圧力や温度
等を可変として結像特性を補正してもよい。
【0051】更に、将来的にArFエキシマレーザ光源
以降は、F2 レーザ光源(波長157nm)等のように
より波長の短い光源が露光用光源として利用されると予
測される。この場合は、レンズのほとんどが蛍石となる
可能性もあるが、蛍石は線膨張率が高く変形し易いた
め、蛍石よりなるレンズの周囲にヘリウムガス(又はこ
れと同等の熱伝導率の高い気体)を流すことによって、
蛍石よりなるレンズの熱を外側に排除することが望まし
い。また、レンズに施されるコーティング膜は短波長化
により透過率が低くなり、露光光の熱エネルギーを吸収
し易くなるため、露光波長の短波長化に対応して蛍石よ
りなるレンズを使用する場合には、コーティング膜の熱
を除去するためにもヘリウムガス等を流すことが望まし
い。この場合も、大気圧変化の影響や露光光の照射エネ
ルギーによる結像特性の劣化が予想されるので、ヘリウ
ムガス以外で覆われたレンズユニット部を投影光学系の
収差変動に応じて制御することは大きな効果がある。
【0052】同様に、色消し用に蛍石よりなるレンズを
使用する場合にも、このレンズをヘリウムガスの雰囲気
中に配置することによって、結像特性が安定化する。ま
た、本例では非球面レンズを含む非球面ユニット13,
15,16内にヘリウムガスを流しているが、球面レン
ズよりなるレンズユニットにおいても、大気圧や温度の
変化の影響を受ける。そのため、結像特性を保持するた
めにアクティブに位置を制御する球面レンズを除く球面
レンズについては、ヘリウムガスを流すことによって結
像特性の制御精度が向上する。
【0053】また、上記の実施の形態では結像特性を制
御するために所定のレンズや補正板を積極的に駆動する
こととしているが、所定のレンズや補正板の間の気体の
圧力や温度を変化させることで結像特性を制御してもよ
い。図7は、このような変形例を示し、この図1に対応
する部分に同一符号を付して示す図7において、投影光
学系PLを構成する結像特性可変ユニット3内の補正板
の間の気密室3a内の窒素ガス(又は乾燥空気等)の圧
力、温度、及び湿度が気体制御系31Aによって制御さ
れている。また、結像特性可変ユニット17内の所定の
レンズ間の気密室17a内の窒素ガス(又は乾燥空気
等)の圧力、温度、及び湿度が気体制御系29Aによっ
て制御され、瞳可変ユニット14内の所定の光学部材の
間の気密室14a内の窒素ガス(又は乾燥空気等)の圧
力、温度、及び湿度が気体制御系30Aによって制御さ
れ、これによって結像特性が補正されている。この場合
も非球面レンズを含む非球面ユニット13,15,16
の内部にはヘリウムガスが流されている。なお、気密室
内の気体の圧力等の制御に、レンズ等を駆動する制御を
組み合わせてもよい。
【0054】次に、本発明の第2の実施の形態につき図
9を参照して説明する。本例は、露光用の光源とは別
に、照明光学系や投影光学系を構成する光学部材を光学
的に洗浄するためのレーザ光を発生する洗浄用の光源を
独立に設けたものである。図9は、本例の投影露光装置
の概略構成を示し、この図9において、ArFエキシマ
レーザ光源51からの波長193nmで狭帯化された紫
外パルス光よりなる露光光ILは、露光装置本体との間
で光路を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等
を含むビームマッチングユニット(BMU)52を通
り、遮光性のパイプ53を介して光アッテネータとして
の可変減光器54に入射する。ウエハ上のレジストに対
する露光量を制御するための露光コントローラ77が、
ArFエキシマレーザ光源51の発光の開始及び停止、
並びに発振周波数、及びパルスエネルギーで定まる出力
を制御すると共に、可変減光器54における紫外パルス
光に対する減光率を段階的、又は連続的に調整する。な
お、露光光として、波長248nmのKrFエキシマレ
ーザ光、又は水銀ランプのi線(波長365nm)等を
使用する場合にも本発明が適用される。
【0055】可変減光器54を通った露光光ILは、所
定の光軸に沿って配置されるレンズ系55A,55Bよ
りなるビーム整形光学系を経てフライアイレンズ56に
入射する。このように、本例ではフライアイレンズ56
は1段であるが、照度分布均一性を高めるために、例え
ば特開平1−235289号公報に開示されているよう
に、フライアイレンズを直列に2段配置するようにして
もよい。フライアイレンズ56の射出面には照明系の開
口絞り系57が配置されている。開口絞り系57には、
通常照明用の円形の開口絞り、複数の偏心した小開口よ
りなる変形照明用の開口絞り、輪帯照明用の開口絞り等
が切り換え自在に配置されている。フライアイレンズ5
6から射出されて開口絞り系57中の所定の開口絞りを
通過した露光光ILは、ミラー58を経てコンデンサレ
ンズ系59を経てレチクルブラインド機構61内の固定
照明視野絞り(固定ブラインド)60Aに入射する。固
定ブラインド60Aは、例えば特開平4−196513
号公報に開示されているように、投影光学系PLの円形
視野内の中央で走査露光方向と直交した方向に直線スリ
ット状、又は矩形状(以下、まとめて「スリット状」と
言う)に伸びるように配置された開口部を有する。更
に、レチクルブラインド機構61内には、固定ブライン
ド60Aとは別に照明視野領域の走査露光方向の幅を可
変とするための可動ブラインド60Bが設けられ、この
可動ブライント60Bによってレチクルステージの走査
移動ストロークの低減、レチクルRの遮光帯の幅の低減
を図っている。
【0056】レチクルブラインド機構61の固定ブライ
ンド60Aでスリット状に整形された露光光ILは、結
像用レンズ系62、反射ミラー63、及び主コンデンサ
レンズ系64を介して、レチクルRの回路パターン領域
上で固定ブラインド60Aのスリット状の開口部と相似
な照明領域を一様な強度分布で照射する。即ち、固定ブ
ラインド60Aの開口部、又は可動ブラインド60Bの
開口部の配置面は、結像用レンズ系62と主コンデンサ
レンズ系64との合成系によってレチクルRのパターン
面とほぼ共役となっている。
【0057】露光光ILのもとで、レチクルRの照明領
域内の回路パターンの像が両側(又はウエハ側に片側)
テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影
倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、投影光学系
PLの結像面に配置されたウエハW上のレジスト層のス
リット状の露光領域に転写される。その露光領域は、ウ
エハ上の複数のショット領域のうちの1つのショット領
域上に位置している。本例の投影光学系PLは、ジオプ
トリック系(屈折系)であるが、カタジオプトリック系
(反射屈折系)も使用できることは言うまでもない。以
下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z
軸に垂直な平面内で走査方向(ここでは図9の紙面に平
行な方向)にX軸を取り、走査方向に直交する非走査方
向(ここでは図9の紙面に垂直な方向)にY軸を取って
説明する。
【0058】このとき、レチクルRは、レチクルステー
ジ66A上に吸着保持され、レチクルステージ66A
は、レチクルベース66B上にX方向に等速移動できる
と共に、X方向、Y方向、回転方向に微動できるように
載置されている。レチクルステージ66A(レチクル
R)の2次元的な位置、及び回転角は駆動制御ユニット
67内のレーザ干渉計によってリアルタイムに計測され
ている。この計測結果、及び装置全体の動作を統轄制御
するコンピュータよりなる主制御系68からの制御情報
に基づいて、駆動制御ユニット67内の駆動モータ(リ
ニアモータやボイスコイルモータ等)は、レチクルステ
ージ66Aの走査速度、及び位置の制御を行う。
【0059】一方、ウエハWは、ウエハホルダ69を介
してZチルトステージ70Z上に吸着保持され、Zチル
トステージ70Zは、投影光学系PLの像面と平行なX
Y平面に沿って2次元移動するXYステージ70XY上
に固定され、Zチルトステージ70Z及びXYステージ
70XYよりウエハステージ70が構成されている。Z
チルトステージ70Zは、ウエハWのフォーカス位置
(Z方向の位置)、及び傾斜角を制御してウエハWの表
面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式
で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ7
0XYはウエハWのX方向への等速走査、及びX方向、
Y方向へのステッピングを行う。Zチルトステージ70
Z(ウエハW)の2次元的な位置、及び回転角は駆動制
御ユニット71内のレーザ干渉計によってリアルタイム
に計測されている。この計測結果及び主制御系68から
の制御情報に基づいて、駆動制御ユニット71内の駆動
モータ(リニアモータ等)は、XYステージ70XYの
走査速度、及び位置の制御を行う。ウエハWの回転誤差
は、主制御系68及び駆動制御ユニット71を介してレ
チクルステージ66Aを回転することで補正される。
【0060】主制御系68は、レチクルステージ66
A、及びXYステージ70XYのそれぞれの移動位置、
移動速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を
駆動制御ユニット67及び71に送る。そして、走査露
光時には、レチクルステージ66Aを介して露光光IL
の照明領域に対してレチクルRが+X方向(又は−X方
向)に速度VRで走査されるのに同期して、XYステー
ジ70XYを介してレチクルRのパターン像の露光領域
に対してウエハWが−X方向(又は+X方向)に速度β
・VR(βはレチクルRからウエハWへの投影倍率)で
走査される。
【0061】また、主制御系68は、上述のレチクルブ
ラインド機構61内に設けられている可動ブラインド6
0Bの各ブレードの移動を走査露光時のレチクルステー
ジ66Aの移動と同期するための制御を行う。更に主制
御系68は、ウエハW上の各ショット領域のレジストを
適正露光量で走査露光するための各種露光条件を設定し
て、露光コントローラ77とも連携して最適な露光シー
ケンスを実行する。即ち、ウエハW上の1つのショット
領域への走査露光開始の指令が主制御系68から露光コ
ントローラ77に発せられると、露光コントローラ77
はArFエキシマレーザ光源51の発光を開始する。そ
して、当該ショット領域への走査露光の終了時に、Ar
Fエキシマレーザ光源51の発光が停止される。
【0062】また、本例ではArFエキシマレーザ光源
51を用いているため、パイプ53内から可変減光器5
4、レンズ系55A,55B、更にフライアイレンズ5
6〜主コンデンサレンズ系64までの各照明光路を外気
から遮断するサブチャンバ65が設けられ、そのサブチ
ャンバ65内の全体には不図示の配管を通して酸素含有
率を極めて低く抑えた乾燥窒素ガス(N2)が供給され
る。
【0063】更に、本例のウエハステージ70は、床7
2上に設置され、その床下にArFエキシマレーザ光源
よりなる洗浄用レーザ光源73が設置されている。この
洗浄用レーザ光源73からの紫外パルス光IL2は、ミ
ラー74で反射されて床72に設けられた穴を通過した
後、ミラー75で反射されて照明光学系のフライアイレ
ンズ56とリレー系55Bとの間に向かう。その位置に
露光光ILの光路から退避できるように可動ミラー76
が配置されており、可動ミラー76をフライアイレンズ
56の前に光軸に対して45°で設置することによっ
て、紫外パルス光IL2がこの可動ミラー76を介して
フライアイレンズ56に入射するように構成されてい
る。
【0064】本例の露光コントローラ77は、露光時に
はArFエキシマレーザ光源51の発光を制御して洗浄
用レーザ光源73の発光を停止しておき、例えば露光工
程の間で投影光学系PLの下にウエハが無い場合等にA
rFエキシマレーザ光源51の発光を停止させて、可動
ミラー76をフライアイレンズ56の前に設置して洗浄
用レーザ光源73に発光を行わせる。これによって、紫
外パルス光IL2は、フライアイレンズ56〜主コンデ
ンサレンズ系64を経て投影光学系PLを通過する。A
rFエキシマレーザ光のような極紫外のパルス光をレン
ズやミラー等の光学部材に照射すると、その光学部材の
表面の曇り物質のような異物が揮発して、その光学部材
の透過率や反射率が改善される現象がある。そこで、定
期的に洗浄用レーザ光源73を発光させることで、照明
光学系や投影光学系PLの透過率が高く維持され、その
後で使用される露光光ILの利用効率が向上する。
【0065】また、本例では洗浄用レーザ光源73が、
投影露光装置が収納されているチャンバの外部にあるた
め、洗浄用レーザ光源73の振動や発熱の影響が投影露
光装置に伝わることがない利点がある。なお、本発明は
上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】本発明の第1、第2、又は第3の投影露
光装置によれば、非球面加工された面を有する光学部
材、又は蛍石よりなる光学部材の少なくとも一部が大気
変動の影響を受けにくい気体の中に配置されるため、投
影光学系において高い結像特性が得られる。また、結像
特性補正部材が設けられているため、気圧等の環境条件
が変化してもその高い結像特性を維持できる利点があ
る。特に非球面加工された光学部材を使用する場合に
は、投影光学系を大型化することなく開口数を0.65
程度以上にできるため、線幅が150nmより小さい微
細なパターンの転写を高精度に行うことができる。
【0067】また、本発明の第4の投影露光装置によれ
ば、非球面加工された面を有する光学部材、又は蛍石よ
りなる光学部材の少なくとも一部が大気変動の影響を受
けにくい気体の中に配置されるため、投影光学系におい
て高い結像特性が得られる。これらの場合に、その大気
変動の影響を受けにくい気体がヘリウムガスである場合
には、ヘリウムガスは不活性で露光光を吸収しないと共
に、熱伝導率が高いため、特にその周囲の光学部材の光
学特性が安定に維持される。
【0068】また、本発明の第5の投影露光装置によれ
ば、投影光学系の姿勢を容易に組立調整時の姿勢に再現
できるため、高い結像特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1の実施の形態
を示す一部を断面とした構成図である。
【図2】(a)は球面レンズの結像光束を示す図、
(b)は非球面レンズの結像光束を示す図である。
【図3】図1の非球面ユニット13を構成するレンズを
分割鏡筒方式で組み上げる方法の説明図である。
【図4】(a)は非球面ユニット13及びパージユニッ
ト9を示す断面図、(b)は図4(a)の平面図であ
る。
【図5】(a)は組立調整中の投影光学系PLを示す正
面図、(b)は図5(a)の平面図である。
【図6】図5の投影光学系PLを投影露光装置に搭載し
た状態を示す平面図である。
【図7】図1の投影露光装置の変形例を示す要部の概略
構成図である。
【図8】図1の投影光学系PLの組立調整の流れを示す
フローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の投影露光装置を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 2 ウエハステージ 3 結像特性可変ユニット 7 Heガス温調制御装置 9,11 パージユニット 13,15,16 非球面ユニット 14 瞳可変ユニット 17 結像特性可変ユニット 19 可変開口絞り 20 主制御系 28 照明光学系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクに形成されたパターンの像を投影
    光学系を介して基板上に投影する投影露光装置におい
    て、 前記投影光学系は、非球面加工された面を有するか、又
    は蛍石よりなる第1の光学部材と、球面、又は平面加工
    された面を有する第2の光学部材と、を含み、 前記第1の光学部材の少なくとも一部は大気変動の影響
    を受けにくい第1の気体の雰囲気中に配置され、 前記第2の光学部材の少なくとも一部は前記第1の気体
    とは異なる第2の気体の雰囲気中に配置されると共に、 前記投影光学系の結像特性を補正するために前記第2の
    光学部材中の所定の光学部材を駆動する結像特性補正部
    材が設けられたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 マスクに形成されたパターンの像を投影
    光学系を介して基板上に投影する投影露光装置におい
    て、 前記投影光学系は、非球面加工された面を有するか、又
    は蛍石よりなる第1の光学部材と、球面、又は平面加工
    された面を有する第2の光学部材と、を含み、 前記第1の光学部材の少なくとも一部は大気変動の影響
    を受けにくい第1の気体の雰囲気中に配置され、 前記第2の光学部材の少なくとも一部は前記第1の気体
    とは異なる第2の気体の雰囲気中に配置されると共に、 前記投影光学系の結像特性を補正するために前記第2の
    気体の一部の圧力を制御する結像特性補正部材が設けら
    れたことを特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 マスクに形成されたパターンの像を投影
    光学系を介して基板上に投影する投影露光装置におい
    て、 前記投影光学系は、非球面加工された面を有するか、又
    は蛍石よりなる第1の光学部材と、球面、又は平面加工
    された面を有する第2の光学部材と、を含み、 前記第1の光学部材の少なくとも一部は大気変動の影響
    を受けにくい第1の気体の雰囲気中に配置され、 前記第2の光学部材の少なくとも一部は前記第1の気体
    とは異なる第2の気体の雰囲気中に配置されると共に、 前記投影光学系の結像特性を補正するために前記第2の
    気体の一部の温度、又は湿度を制御する結像特性補正部
    材が設けられたことを特徴とする投影露光装置。
  4. 【請求項4】 マスクに形成されたパターンの像を投影
    光学系を介して基板上に投影する投影露光装置におい
    て、 前記投影光学系は、非球面加工された面を有するか、又
    は蛍石よりなる第1の光学部材と、 球面、又は平面加工された面を有する第2の光学部材
    と、 前記第1の光学部材の少なくとも一部を収納する第1の
    鏡筒と、 該第1の鏡筒に収納される光学部材以外の光学部材を収
    納する前記第1の鏡筒とは分離可能な第2の鏡筒と、を
    含み、 前記第1の鏡筒は、内部に収納される光学部材を保持す
    る光学部材保持枠と、該光学部材保持枠を所定の隙間を
    開けて保持する外筒とを有する二重構造であり、 前記第1の鏡筒内の前記隙間に大気変動の影響を受けに
    くい第1の気体が供給され、 前記第2の鏡筒内の少なくとも一部に前記第1の気体と
    異なる第2の気体が供給されることを特徴とする投影露
    光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項記載の投影露
    光装置であって、 前記大気変動の影響を受けにくい第1の気体とは、ヘリ
    ウムガスであることを特徴とする投影露光装置。
  6. 【請求項6】 マスクに形成されたパターンの像を投影
    光学系を介して基板上に投影する投影露光装置におい
    て、 前記投影光学系の鏡筒と一体化されたフランジ部材と、 該フランジ部材に装着されそれぞれ前記投影光学系の光
    軸方向の位置が調整可能な複数個の位置調整部材と、 該複数個の位置調整部材にそれぞれ対応して組み込まれ
    た複数個の圧力センサと、を備え、 該複数個の圧力センサで検出される圧力がそれぞれ前記
    投影光学系の単体としての調整時の圧力になるように前
    記複数個の位置調整部材の位置調整が行われることを特
    徴とする投影露光装置。
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