JPH11273662A - 正極用ペ―スト組成物およびその製造方法ならびに正極およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
正極用ペ―スト組成物およびその製造方法ならびに正極およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
やサイクル特性の改善に貢献できる正極用ペ―スト組成
物を提供する。 【解決手段】 正極活物質、バインダおよび溶剤を含む
正極用ペ―スト組成物において、上記のバインダは、イ
オンによるド―プ、脱ド―プ反応により電気抵抗が変化
する性質を持つ電子伝導性ポリマ―を含み、かつ電子伝
導助剤を固形分中0.2〜4重量%含有することを特徴
とする正極用ペ―スト組成物。
Description
成物およびその製造方法ならびに正極およびそれを用い
たリチウム二次電池に関するものである。
ネルギ―密度や単位重量当りのエネルギ―密度が高いと
いう特徴がある。この種のリチウム二次電池は、正極活
物質、バインダおよび溶剤を含む正極用ペ―スト組成物
を導電性基体上に塗布、乾燥して塗膜を形成した正極
と、同様に負極活物質、バインダおよび溶剤を含む負極
用ペ―スト組成物を導電性基体上に塗布、乾燥して塗膜
を形成した負極とを、セパレ―タを介して対向させ、渦
巻状に捲回するなどして電極体を構成し、これを有機電
極液とともに電池ケ―ス内に封入して作製される。
うに、放電により電池の端子電圧が降下(たとえば4.
1Vから下限値である2.75V付近まで降下)する
と、充電を行うが、上記端子電圧が下限値未満まで降下
してしまうと、過放電となつて電気化学的不可逆反応が
生じて活物質などが劣化してしまい、再充電が不能とな
る。このため、電子回路を導入して、電圧降下を上記下
限値でシヤツトダウンさせて過放電になるのを未然に防
止する方策が考えられている。しかしながら、この場
合、電池の外部にわざわざ制御回路を設ける必要があ
り、とくに電池を複数個組み合わせて使用する際には、
回路が複雑化し、大幅なコストアツプとなるため、実用
的とはいえない。
る方法として、特開平8−185851号公報に、正極
のバインダとして、電子伝導性ポリマ―、たとえばポリ
アニリンを用いることが提案されている。ポリアニリン
は、印加される電位により、電解液のイオンによるド―
プ、脱ド―プ反応を起こして電気抵抗が変化し、導電体
あるいは絶縁体として作用する。具体的には、ポリアニ
リンは、前記下限値以上では、ド―プ反応により電気抵
抗が小さくなつて導電性化し、逆に下限値未満では、脱
ド―プ反応により電気抵抗が大きくなつて絶縁性化す
る。したがつて、電池の端子電圧が放電によつて下限値
未満まで降下するときには、ポリアニリンがシヤツトダ
ウンさせる役目を果たし、過放電状態に陥るのが未然に
防止され、電池の再充電が可能となるのである。
物質は電池の充放電の繰り返しに伴つて膨張収縮するた
め、上記バインダに使用したポリアニリンなどの電子伝
導性ポリマ―だけでは、正極活物質の粒子間ならびに正
極活物質と導電性基体との間の結着力に僅かなゆるみを
生じ、電池動作時の電子伝導性が不十分となつて、サイ
クル特性や負荷特性の低下をさけられない。
ウム二次電池において、正極のバインダに使用した電子
伝導性ポリマ―による過放電防止機能を損なうことな
く、サイクル特性や負荷特性の向上をはかることを目的
とする。
的を達成するため、種々検討した結果、正極のバインダ
として、ポリアニリンのような電子伝導性ポリマ―を使
用して、これの脱ド―プ反応で過放電に対するシヤツト
ダウン効果を発揮させる一方、この正極中にさらにカ―
ボンブラツクのような電子伝導助剤を特定量添加するこ
とにより、また上記電子伝導助剤を特定の手法で添加す
ることにより、上記過放電防止機能を維持しつつ、動作
時の導電性を高めてサイクル特性および負荷特性を大き
く改善できることを見い出し、本発明を完成するに至つ
た。
ダおよび溶剤を含む正極用ペ―スト組成物において、上
記のバインダはイオンによるド―プ、脱ド―プ反応によ
り電気抵抗が変化する性質を持つ電子伝導性ポリマ―を
含み、かつ電子伝導助剤を固形分中0.2〜4重量%含
有することを特徴とする正極用ペ―スト組成物(請求項
1)と、これの製造方法として、バインダと電子伝導助
剤とを混合して電子伝導性ペ―スト状物を得る第一段の
工程と、この電子伝導性ペ―スト状物に正極活物質を混
合する第二段の工程とを備えていることを特徴とする正
極用ペ―スト組成物の製造方法(請求項2)とに係るも
のである。さらに、本発明は、導電性基体に正極活物質
およびバインダを含有する塗膜を設けてなり、上記バイ
ンダはイオンによるド―プ、脱ド―プ反応により電気抵
抗が変化する性質を持つ電子伝導ポリマ―を含み、かつ
上記塗膜中に電子伝導助剤を0.2〜4重量%含有する
ことを特徴とする正極(請求項3)と、この正極と負極
とをセパレ―タを介して対向させ、これを有機電解液と
ともに電池ケ―ス内に封入してなることを特徴とするリ
チウム二次電池(請求項4)とに係るものである。
ては、リチウムニツケル酸化物、リチウムコバルト酸化
物、リチウムマンガン酸化物(これらは、通常、LiN
iO2 、LiCoO2 、LiMn2 O4 で表されるが、
LiとNiの比、LiとCoとの比、LiとMnとの比
は化学量論組成からずれている場合が多い)などのリチ
ウム含有複合金属酸化物が用いられる。これらは、単独
でまたは2種以上の混合物として、あるいはそれらの固
溶体として用いられる。
しては、有機電解液中のイオンによるド―ブ、脱ド―ブ
反応により電気抵抗が変化する性質を持つ電子伝導性ポ
リマ―を使用する。この電子伝導性ポリマ―は、イオン
のド―ピングによつて電子伝導性を発現するものであ
り、脱ド―プ状態において有機溶剤に溶解するものであ
れば、広く使用できる。たとえば、ポリアニリン、ポリ
o−アルキルアニリン、ポリm−アルキルアニリン、ポ
リN−アルキルアニリン、その他の置換ポリアニリン、
ポリ3−アルキルチオフエン、ポリ3,4−エチレンジ
オキシチオフエン、その他の置換ポリチオフエン、ポリ
3−アルキルピロ―ル、ポリ3−置換ピロ―ル、ポリ
3,4−ジ置換ピロ―ルなどが挙げられる。
素数1〜30までの飽和炭化水素基を示している。また
上記例示中の「置換」とは、水酸基、アミノ基、ニトロ
基、アルコキシ基、ハロゲン基、スルホン酸基、スルホ
アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、ニトリル基、メルカプト基、フエニル基などの置換
基がポリマ―骨格の一部に導入されていることを示して
いる。これらのポリマ―は、いずれも脱ド―プ状態にて
有機溶剤に可溶性である。
れ単独で使用できるが、上記ポリマ―による過放電に対
するシヤツトダウン効果を損なわない範囲内で、必要に
より他のポリマ―を併用してもよい。バインダの使用量
は、塗膜中(ペ―スト組成物の固形分中)0.5〜15
重量%、好ましくは1〜10重量%であるのがよい。過
少では塗膜の強度が不足して塗膜の剥離を招きやすく、
逆に過多となると正極活物質の含有量が減少して電池容
量の低下を余儀なくされる。
カ―ボンブラツク、フアイバ―状カ―ボン、鱗片状黒鉛
などが用いられる。使用量は、塗膜中(ペ―スト組成物
の固形分中)0.2〜4重量%、好ましくは0.3〜3
重量%であり、このような少量とすることにより、電子
伝導性ポリマ―による前記シヤツトダウン効果を損なう
ことなく、サイクル特性および負荷特性を向上できる。
0.2重量%未満では、動作時の電子伝導性が不十分
で、サイクル特性および負荷特性が低下し、4重量%を
超えると、上記シヤツトダウン効果が損なわれる。
インダとしての電子伝導性ポリマ―および電子伝導助剤
を、溶剤の存在下、プラネタリミキサなどの適宜の混合
機を用いて、混合することにより、正極用ペ―スト組成
物を製造する。ここで、上記の溶剤としては、電子伝導
性ポリマ―を溶解しうる有機溶剤であればよく、たとえ
ば、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドンなどを
単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
のように各成分を一緒に添加混合して製造してもよい
が、好ましくは、二段階の混合方式により製造するのが
よい。これは、まず、第一段の工程として、バインダで
ある電子伝導性ポリマ―と電子伝導助剤とを溶剤の存在
下ニ―ダなどで混合して電子伝導性ペ―スト状物とし、
つぎに、第二段の工程として、上記電子伝導性ペ―スト
状物に正極活物質と必要により追加の溶剤を加えてプラ
ネタリミキサなどで混合する方法である。これによれ
ば、電子伝導助剤が電子伝導性ポリマ―で被覆された状
態で正極活物質と混合されるため、電子伝導助剤を前記
範囲内で多めに添加しても、上記ポリマ―によるシヤツ
トダウン効果が損なわれにくく、結局、電子伝導性ポリ
マ―および電子伝導助剤のそれぞれの機能がより良く発
現されて、サイクル特性や負荷特性と上記シヤツトダウ
ン効果との両立にとくに好結果が得られる。
成物を導電性基体上に塗布し、乾燥して、上記基体上に
正極活物質、バインダとしての電子伝導ポリマ―および
前記特定量の電子伝導助剤を含有する塗膜を設けてなる
ものである。ここで、上記の導電性基体としては、アル
ミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属製導電
材料を網、パンチドメタル、フオ―ムメタルや、板状に
加工した箔などが用いられる。また、この導電性基体上
に正極用ペ―スト組成物を塗布する方法としては、たと
えば、押出コ―タ、リバ―スロ―ラ、ドクタ―ブレ―ド
などをはじめ、従来公知の各種の塗布方法を採用するこ
とができる。
を使用して、この正極と負極とをセパレ―タを介して対
向させ、これを有機電解液とともに電池ケ―ス内に封入
してなるものである。具体的には、上記の正極と負極と
を両者間にセパレ―タを介在させて渦巻状に捲回した渦
巻状電極体を、ニツケルめつきを施した鉄やステンレス
鋼製の電池ケ―ス内に挿入し、これに有機電解液を注入
し、封口することにより、作製される。このようなリチ
ウム二次電池には、通常、電池内部に発生したガスをあ
る一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出し、電池
の高圧下での破裂を防止するための防爆機構が組み込ま
れる。
は、たとえば、リチウム金属またはリチウム含有化合物
が用いられる。リチウム含有化合物としては、たとえ
ば、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム
−ビスマス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウ
ム、リチウム−インジウム−ガリウムなどのリチウムと
他の金属との合金が挙げられる。また、これらリチウム
合金のほかに、乱層構造を有する炭素材料、黒鉛なども
使用でき、これらはその製造時にはリチウムを含んでい
ないものもあるが、負極活物質として作用するときは、
化学的手段、電気化学的手段によりリチウムを含有した
状態となる。
鱗片状黒鉛、カ―ボンブラツクなどの電子伝導助剤を加
え、これにさらにポリフツ化ビニリデン、エチレン−プ
ロピレン−ジエンタ―ポリマ―などのバインダを加え、
さらに溶剤を加えて混練し、これを導電性基体上に塗
布、乾燥して、塗膜を設けることにより、作製される。
上記の塗布方法は、押出コ―タ、リバ―スロ―ラ、ドク
タ―ブレ―ドなどをはじめ、従来公知の各種の方法を採
用できる。また、導電性基体としては、アルミニウム、
ステンレス鋼、チタン、銅などの金属製導電材料を網、
パンチドメタル、フオ―ムメタルや、板状に加工した箔
などが用いられる。
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロ
ピレンカ―ボネ―ト、エチレンカ―ボネ―ト、γ−ブチ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン、ジエチルカ―ボネ―ト、ジメチルカ―ボネ―ト、エ
チルメチルカ―ボネ―トなどの単独または2種以上の有
機溶媒を使用し、この有機溶媒に、LiCF3 SO3 、
LiC4 F9 SO3 、LiClO4 、LiPF6 、Li
BF4 などの電解質を単独または2種以上溶解させてな
るものが用いられる。さらに、上記のセパレ―タとして
は、厚さが10〜50μmで、開孔率が30〜70%の
微多孔性ポリエチレンフイルムや微多孔性ポリプロピレ
ンフイルムなどが好適に用いられる。
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。なお、以下において、部と
あるのは重量部を意味するものとする。
の合成、この正極活物質を用いた(II)塗膜の形成、の
順に説明する。
(Ni2 O3 )とを熱処理して、リチウムニツケル酸化
物(通常LiNiO2 として表すが、LiとNiの比は
化学量論組成から若干ずれている場合が多い)を合成し
た。この合成は、水酸化リチウムと酸化ニツケルとをL
i/Ni=1/1.05(モル比)の割合となるように
秤量し、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合し、これを酸
素気流中、500℃で2時間予備加熱し、昇温速度50
℃/時間以下で700℃で20時間加熱焼成する方式に
より、行つた。合成したリチウムニツケル酸化物は水分
に弱いため、粉砕などの取り扱いはArガスの雰囲気中
で行つた。
るポリアニリン(還元脱ド―プ状態)3部とを混合し
て、ポリアニリンの15重量%溶液とした。この溶液2
0部に、正極活物質であるリチウムニツケル酸化物9
6.5部および電子伝導助剤であるカ―ボンブラツク
0.5部を加え、さらにN−メチルピロリドン23部を
加えて、プラネタリミキサにより、2時間混合すること
により、正極用ペ―スト組成物を調製した。
さが20μmのアルミニウム箔上にアプリケ―タを用い
て塗布し、100〜120℃で乾燥して、塗膜を形成し
た。同様にして、アルミニウム箔の裏面側にも上記の正
極用ペ―スト組成物を塗布し、100℃で8時間真空乾
燥して、塗膜を形成した。この電極体をロ―ルプレスし
て、片面の塗膜厚みが80μmであるシ―ト状正極を作
製した。
バインダとしてポリビニリデンフロライド(N−メチル
ピロリドンに溶解させた溶液)を、使用した。この人造
黒鉛90部とポリビニリデンフロライド樹脂液83.3
部(固形分10部)とからなる負極用ペ―スト組成物
を、厚さが18μmの銅箔上にアプリケ―タで塗布し、
100〜120℃で乾燥して、塗膜を形成した。同様
に、銅箔の裏面側にも上記の負極用ペ―スト組成物を塗
布し、100℃で8時間真空乾燥して、塗膜を形成し
た。この電極体をロ―ルプレスして、片面の塗膜厚みが
80μmであるシ―ト状負極を作製した。このシ―ト状
負極と前記のシ―ト状正極とは、両者の活物質の重量比
が1:2になるように、塗膜密度を調整した。
体積比1:1の混合溶媒を使用し、この混合溶媒に電解
質としてのLiPF6 を1モル/リツトル溶解して、有
機電解液を調製した。
切断し、また上記のシ―ト状負極を幅30mm×長さ26
0mmの帯状に切断した。それぞれの電極の端の塗膜の1
部を剥がして、金属箔を露出させた部分に、アニミニウ
ム製のリ―ド体を超音波溶接した。厚み25μmで開孔
率50%の微多孔性ポリプロピレンフイルムからなる帯
状セパレ―タを、上記のシ―ト状正極とシ―ト状負極と
の間に介在させ、渦巻状に捲回して渦巻状電極体とし
た。
製の電池ケ―スに挿入した。負極側のリ―ド体の先端を
絶縁体を貫通させて電池ケ―スの底部に溶接し、また電
池ケ―スの開口部に絶縁体を挿入し、溝を形成したの
ち、封口板と正極側のリ―ド体を溶接した。このように
作製した缶体を、60℃で10時間真空乾燥後、乾燥雰
囲気中で有機電解液2mlを注入したのち、封口して、
図1に示す構造の筒形のR5型電池(外径14.95m
m、高さ39.7mm)を作製した。
2はシ―ト状負極である。ただし、上記の正極1や負極
2の作製に際して用いた導電性基体としての金属箔など
は、図示していない。3はセパレ―タ、4は有機電解液
である。5はステンレス鋼製の電池ケ―スで、この電池
ケ―ス5は負極端子を兼ねている。
ロエチレンシ―トからなる絶縁体6が配置され、電池ケ
―ス5の内周部にもポリテトラフルオロエチレンシ―ト
からなる絶縁体7が配置されている。正極1、負極2お
よびセパレ―タ3からなる渦巻状電極体や有機電解液4
などは、電池ケ―ス5内に収容されている。8はステン
レス鋼製の封口板で、この封口板8の中央部にはガス通
気孔8aが設けられている。9はポリプロピレン製の環
状パツキング、10はチタン製の薄板である。11は環
状でポリプロピレン製の熱変形部材であり、温度により
変形することにより薄板10の破壊圧力を変える作用を
有している。
端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられており、電池内部にガスが発生
して電池の内部圧力が上昇し、その内部上昇によつて薄
板10が変形したときに、上記切刃12aによつて薄板
10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス排出孔12b
から電池外部に排出して、電池の高圧下での破壊が防止
できるように設計されている。13は絶縁体、14はア
ルミニウム製のリ―ド体であり、このリ―ド体14は上
記の正極1と封口板8とを電気的に接続しており、端子
板12は封口板8との接触により正極端子として作用す
る。15は上記の負極2と電池ケ―ス5とを電気的に接
続するリ―ド体である。
した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す構造の
筒形のR5型電池を作製した。まず、第一段の工程とし
て、N−メチルピロリドン17部とポリアニリン(還元
脱ド―プ状態)3部との溶液、つまりポリアニリンの1
5重量%溶液20部に、カ―ボンブラツク0.5部を加
え、ニ―ダにより30分間混合して、電子伝導性ペ―ス
ト状物を得た。つぎに、第二段の工程として、上記の電
子伝導性ペ―スト状物に、リチウムニツケル酸化物9
6.5部およびN−メチルピロリドン23部を加え、こ
れらをプラネタリミキサにより混合して、正極用ペ―ス
ト組成物を調製した。
るリチウムニツケル酸化物の使用量を96.5部から9
4部に、電子伝導助剤であるカ―ボンブラツクの使用量
を0.5部から3部に、それぞれ変更した以外は、実施
例2と同様にして、図1に示す構造の筒形のR5型電池
を作製した。
るリチウムニツケル酸化物の使用量を96.5部から9
2部に、電子伝導助剤であるカ―ボンブラツクの使用量
を0.5部から5部に、それぞれ変更した以外は、実施
例1と同様にして、図1に示す構造の筒形のR5型電池
を作製した。
るリチウムニツケル酸化物の使用量を96.5部から9
7部に、電子伝導助剤であるカ―ボンブラツクの使用量
を0.5部から0部に、それぞれ変更した以外は、実施
例1と同様にして、図1に示す構造の筒形のR5型電池
を作成した。
池について、負荷特性、サイクル特性ならびに過放電特
性を、下記の方法により、測定した。
Cは560mA)で端子電圧が4.1Vになるまで充電
し、同電圧で8時間充電を行つたのち、0.2Cの定電
流で端子電圧が2.75Vになるまで放電した。この充
放電を9回繰り返した(10サイクル経過)。ついで、
0.2Cの定電流で上記と同様に端子電圧が4.1Vに
なるまで充電したのち、ICの定電流で2.75Vまで
放電した(11サイクル経過)。さらに、0.2Cの定
電流で上記と同様に端子電圧が4.1Vになるまで充電
したのち、2Cの定電流で2.75Vにまで放電した
(12サイクル経過)。上記の放電電流0.2C(10
サイクル目)、1C(11サイクル目)、2C(12サ
イクル目)と放電容量との関係を、図2に示した。同図
では、実施例1の放電電流0.2C(10サイクル目)
の放電容量を100%とした。
測定において、0.2Cの定電流による充放電を合計5
00回まで繰り返した(500サイクル経過)。このと
きの充放電サイクル数と放電容量との関係を調べ、その
結果を図3に示した。同図では、実施例1の10サイク
ル目の放電容量を100%とした。
定において、0.2Cの定電流による充放電を合計10
0回まで繰り返した(100サイクル経過)。つぎに、
0.2Cの定電流で端子電圧が4.1Vになるまで充電
したのち、0.2Cの定電流で端子電圧が1.0になる
まで放電して、過放電状態にした。さらに、この充電と
過放電を49回繰り返した(150サイクル経過)。つ
いで、0.2Cの定電流による充電を行つたのち、0.
2Cの定電流で端子電圧が2.75Vになるまで放電し
た(151サイクル経過)。上記の過放電前(100サ
イクル目)と過放電後(151サイクル目)との放電容
量を調べ、その結果を表1に示した。同表では、実施例
1の過放電前(100サイクル目)の値を100%とし
た。
リンを使用し、かつ電子伝導助剤であるカ―ボンブラツ
クを少量加えた実施例1〜3のリチウム二次電池は、過
放電特性にすぐれ、ポリアニリンによる過放電に対する
シヤツトダウン効果が有効に機能しているとともに(表
1)、良好な負荷特性(図2)とすぐれたサイクル特性
(図3)を有していることがわかる。これに対し、カ―
ボンブラツクを多量に含ませた比較例1のリチウム二次
電池は、過放電特性が大きく損なわれており、負荷特性
にも劣つている。また、カ―ボンブラツクを含まない比
較例2のリチウム二次電池は、比較例1のような過放電
特性の低下はみられないが、負荷特性およびサイクル特
性、とくにサイクル特性に劣つている。
リマ―を使用し、かつ電子伝導助剤を特定量加える構成
としたことにより、過放電防止機能を備えるとともに、
負荷特性およびサイクル特性の向上に寄与する正極用ペ
―スト組成物とその製造方法、ならびに正極とそれを用
いたリチウム二次電池を提供できる。
である。
チウム二次電池の負荷特性の測定結果を示す特性図であ
る。
チウム二次電池のサイクル特性の測定結果を示す特性図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 正極活物質、バインダおよび溶剤を含む
正極用ペ―スト組成物において、上記のバインダはイオ
ンによるド―プ、脱ド―プ反応により電気抵抗が変化す
る性質を持つ電子伝導性ポリマ―を含み、かつ電子伝導
助剤を固形分中0.2〜4重量%含有することを特徴と
する正極用ペ―スト組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の正極用ペ―スト組成物
の製造方法において、バインダと電子伝導助剤とを混合
して電子伝導性ペ―スト状物を得る第一段の工程と、こ
の電子伝導性ペ―スト状物に正極活物質を混合する第二
段の工程とを備えていることを特徴とする正極用ペ―ス
ト組成物の製造方法。 - 【請求項3】 導電性基体に正極活物質およびバインダ
を含有する塗膜を設けてなり、上記バインダはイオンに
よるド―プ、脱ド―プ反応により電気抵抗が変化する性
質を持つ電子伝導ポリマ―を含み、かつ上記塗膜中に電
子伝導助剤を0.2〜4重量%含有することを特徴とす
る正極。 - 【請求項4】 請求項3に記載の正極と負極とをセパレ
―タを介して対向させ、これを有機電解液とともに電池
ケ―ス内に封入してなることを特徴とするリチウム二次
電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07413698A JP3699589B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 正極用ペ―スト組成物と正極の製造方法ならびに正極およびそれを用いたリチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07413698A JP3699589B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 正極用ペ―スト組成物と正極の製造方法ならびに正極およびそれを用いたリチウム二次電池 |
Publications (2)
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