JPH11273573A - 交流面放電型プラズマディスプレイパネル - Google Patents

交流面放電型プラズマディスプレイパネル

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JPH11273573A
JPH11273573A JP10069949A JP6994998A JPH11273573A JP H11273573 A JPH11273573 A JP H11273573A JP 10069949 A JP10069949 A JP 10069949A JP 6994998 A JP6994998 A JP 6994998A JP H11273573 A JPH11273573 A JP H11273573A
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JP
Japan
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discharge
display panel
plasma display
discharge type
pdp
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Application number
JP10069949A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tottori
浩 鳥取
Takeo Nishikatsu
健夫 西勝
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流面放電型プラズマディスプレイパネルの
壁電荷の蓄積量を制御して輝度の増加、書き込みマージ
ンの増大化及び放電開始電圧の低減化を図る。 【解決手段】 前面パネル32は、ガラス基板1の放電
空間8側の表面上に互いに平行に延長形成された第1,
第2放電維持電極2a,2bと、同基板1及び同電極2
a,2bを被覆する誘電体層3と、同層3上に形成され
た保護膜9と同膜9の放電空間8側の表面上に第1,第
2放電維持電極にそれぞれ対面するように形成された第
1,第2導電体透明プレート20a,20bとを備え、
導電体透明プレート20a,20bは互いに抵抗21を
介して電気的に接続されると共に、それぞれ突起部22
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流面放電型プ
ラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と略す)に
関するものであり、特に同PDPの輝度の増加、書き込
みマージンの増大化及び放電開始電圧の低減化の技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の交流面放電型PDPの1つ
の発光セル110の縦断面図を示す。図8の(a)は放
電維持電極102(後述のように102aと102bと
より成る)と並行に切断した縦断面図であり、図8の
(b)は同図の(a)のI−I線における縦断面を矢印
の方向から見た図である。
【0003】図8において、従来の交流面放電型PDP
は、大別して前面パネル130と背面パネル140とか
ら成り、詳細には、101は前面ガラス基板、102a
は第1放電維持電極、102bは第2放電維持電極、1
03は誘電体層、104は蛍光体、105はバリアリ
ブ、106は書込電極、107は背面ガラス基板、10
9は保護膜である。なお、第1及び第2放電維持電極1
02a,102bの導電率を改善するために、両電極1
02a,102bの表面上の一部にそれぞれ金属補助電
極(バス電極)を設ける場合もある。保護膜109と蛍
光体104とで囲まれた放電空間108にはNe−Xe
等の放電ガスが封入されている。パネル全体としては、
このような構成を有する複数の発光セル110がマトリ
ックス状に形成されている。
【0004】次に、交流面放電型PDPの動作原理を説
明する。
【0005】隣接する第1,第2放電維持電極102
a,102bとの間に常時交流維持電圧を加えておく。
そして、第1又は第2放電維持電極102a,102b
との間に放電開始電圧以上の電圧が加わるように書込電
極106に電圧を加えて、放電空間108において放電
を起こす。この放電により生じた紫外線が蛍光体104
を照射することにより発光セル110が発光して、PD
Pの画面表示が得られる。
【0006】この際、放電により生成された電子および
正イオンが放電維持電極102に対面する保護膜109
の表面上に蓄積する。かかる蓄積電荷(壁電荷)は放電
を打ち消す向きにその電位が形成されるため、これによ
り放電が終了する。以後の維持放電については、かかる
電位が放電維持電極102間に印加される放電開始電圧
よりも低い交流維持電圧に加算されて、実質的に放電開
始電圧を超える電圧が放電維持電極102間に印加され
るため、放電は持続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】問題点(1) しかしながら、従来の交流面放電型PDPはCRTと比
較して、やや輝度が低いため、家庭やオフィス等の通常
の照明下では見づらい場合がある。このため、交流面放
電型PDPの高輝度化は以前より強く要望されてきた。
【0008】問題点(2) また、従来の交流面放電型PDPは、図8に関して上述
したように、壁電荷を利用したメモリ駆動により発光セ
ル110内の放電を持続させている。この壁電荷は保護
膜109の表面上に形成されるため、その電荷量は各発
光セル110毎にばらつきが生じやすく、従って壁電荷
により形成される電位も各発光セル110毎にばらつい
てしまう。一方、交流維持電圧はいずれの発光セル11
0においても一定であるため、上記電位のばらつきは維
持放電における放電開始電圧のばらつきを引き起こす。
即ち、書込マージンが小さいという問題点を有してい
る。この問題点は、発光セルの誤書込や画面のちらつき
というPDPの表示品質の低下の問題として観測され
る。
【0009】上記した問題点(1)及び(2)は、交流
面放電型PDPの表示品質を更に向上させるためには克
服しなければならないものである。
【0010】この発明は、上記の問題点(1)及び
(2)を解消するためになされたものであり、従来の交
流面放電型PDPと比較して、高輝度の発光が得られる
交流面放電型PDPを提供することを、第1の目的とす
る。
【0011】更に、上記第1の目的の実現と同時に、従
来の交流面放電型PDPと比較して、書込マージンが増
大され、表示品質が格段に向上した交流面放電型PDP
を提供することを、第2の目的とする。
【0012】更に、従来の交流面放電型PDPよりも放
電開始電圧、従って駆動電圧が低減された交流面放電型
PDPを提供することを、第3の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1記載の発
明に係る交流面放電型プラズマディスプレイパネルは、
互いに封着されて発光セルを形成する前面パネルと背面
パネルとを有する交流面放電型プラズマディスプレイパ
ネルにおいて、前面パネルは、前面基板と、前記前面基
板の表面上に互いに平行に延長形成された第1及び第2
放電維持電極と、前記第1及び第2放電維持電極を被覆
する誘電体層と、前記発光セル毎に、前記誘電体層の表
面のうちで前記第1放電維持電極に対面する第1領域上
に形成された第1導電体透明プレートと、前記発光セル
毎に、前記誘電体層の表面のうちで前記第2放電維持電
極に対面する第2領域上に形成された第2導電体透明プ
レートとを備えることを特徴とする。
【0014】(2)請求項2記載の発明に係る交流面放
電型プラズマディスプレイパネルは、請求項1記載の交
流面放電型プラズマディスプレイパネルにおいて、前記
第1及び第2導電体透明プレートを互いに抵抗を介して
電気的に接続したことを特徴とする。
【0015】(3)請求項3記載の発明に係る交流面放
電型プラズマディスプレイパネルは、請求項1又は2記
載の交流面放電型プラズマディスプレイパネルにおい
て、前記第1及び第2導電体透明プレートのそれぞれに
突起部を設けたことを特徴とする。
【0016】(4)請求項4記載の発明に係る交流面放
電型プラズマディスプレイパネルは、請求項1乃至3の
いずれかに記載の交流面放電型プラズマディスプレイパ
ネルにおいて、前記第1及び第2導電体透明プレートは
前記発光セル内で発生した紫外線を反射しうることを特
徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態1
に係る交流面放電型PDPは、蛍光体104(図8参
照)を励起する紫外線の光量、即ち放電量を増加させる
ことにより発光セルの高輝度化を図ることができるとい
う点に基づいて成されたものであり、上記放電量の増加
を如何にして実現するかという点に、その本質がある。
この点について、以下に図1を用いて説明する。
【0018】図1は、本実施の形態1に係る交流面放電
型PDPの1つの発光セル10の断面図である。その
内、(a)は放電維持電極2(後述の2aと2bとより
成る)と並行に切断した縦断面図であり、(b)は同図
の(a)のI−I線における縦断面を矢印の方向から見
た縦断面図である。また、図1の(c)は、同図の
(a)のII−II線における断面を矢印の方向から見
た横断面図であり、ちょうど前面パネル30を放電空間
8側から見た図である。
【0019】図1において、当該PDPは大別して前面
パネル30と背面パネル40とから成る。前面パネル3
0において、1は前面基板である前面ガラス基板、2a
及び2bは前面ガラス基板1の表面上に互いに平行に延
長形成された第1及び第2放電維持電極、3は前面ガラ
ス基板1の表面上に形成されて第1及び第2放電維持電
極を被覆する誘電体層、9はMgO膜等から成る保護膜
である。これらの構成部分は従来の交流面放電型PDP
と同様である。なお、第1及び第2放電維持電極2a,
2bの導電率を改善するために、従来の交流面放電型P
DPと同様に、両電極2a,2bの表面上の一部にそれ
ぞれ金属補助電極(バス電極)を設ける場合もある。
【0020】本実施の形態1に係る交流面放電型PDP
は、更に、本実施の形態1の本質である導電体透明プレ
ート20を備える。即ち、導電体透明プレート20は、
発光セル10毎に、保護膜9の表面のうちで第1放電維
持電極2aに対面する第1領域Ra上に形成された第1
導電体透明プレート20aと、同じく発光セル毎に、保
護膜9の表面のうちで第2放電維持電極2bに対面する
第2領域Rb上に形成された第2導電体透明プレート2
0bとから成る。ここで、誘電体層3と保護膜9とを
「誘電体層3A」と総称するときには、導電体透明プレ
ート20はそのような誘電体層3Aの表面3S上に上述
の形態を以て形成されていると捉えることもできる。ま
た、導電体透明プレート20は、例えばITO膜やSn
O2膜といった放電維持電極の透明電極部分に用いられ
る薄膜を図1の(c)に示す形状にパターニングするこ
とにより形成される。ただし、導電体透明プレート20
の形状は、後述の効果を発揮しうる限り、図1の(c)
に示す形状に限定されるものではない。
【0021】一方、背面パネル40において、4は蛍光
体、5はバリアリブ、6は書込電極、7は背面ガラス基
板であり、これらの点は、従来の交流面放電型PDPと
同様である。
【0022】前面パネル30と背面パネル40とは互い
に封着されて発光セル10を形成し、保護膜9と蛍光体
4とで囲まれた各放電空間8には、従来のPDP同様に
Ne−Xe等の放電ガスが封入されている。パネル全体
としては、このような構成を有する複数の発光セル10
がマトリックス状に形成されている。なお、図面の煩雑
化を避けるため、便宜上、図1はバリアリブ5の頂上部
と保護層9の表面とが離れた状態を図示している。後述
する図3,図6についても同様である。
【0023】なお、誘電体層上に導電体を有する従来の
PDPとしては、例えば特開平7−14516号公報に
開示されたものがある。しかし、本実施の形態1に係る
PDPと上記の従来のPDPとでは、以下の点において
相違している。
【0024】まず、上記の従来のPDPの誘電体層は
ガラス基板の全面に形成された電極(トリガー電極)上
に形成されているのに対して、本実施の形態1に係るP
DPにおける誘電体層3Aは、前面ガラス基板1上に形
成されたストライプ状の放電維持電極2上に形成されて
いる点で相違する。
【0025】次に、上記の従来のPDPの上記誘電体
層上に形成された導電体(陰極)はストライプ状に形成
されているのに対して、本実施の形態1に係るPDPに
おける導電体、即ち導電体透明プレート20は発光セル
毎に誘電体層3Aの表面のうち放電維持電極2に対面す
る第1,第2領域Ra,Rb上にのみ形成されている点
で相違する。
【0026】次に、本実施の形態1に係る交流面放電型
PDPの動作を説明して、その本質を明らかにする。
【0027】隣接する第1,第2放電維持電極2a,2
bとの間に、交流維持電圧を常時加えておく。そして、
第1又は第2放電維持電極2a,2bとの間に放電開始
電圧以上の電圧が加わるように書込電極6に電圧を加え
て、放電空間8において放電を起こす。この放電により
生じた紫外線が蛍光体4を照射することにより発光セル
10が発光して、PDPの画面表示が得られる。
【0028】さて、この放電の際に生成された電子又は
正イオンがそれぞれ、逆の極性を有する第1又は第2放
電維持電極2a,2b側へ引き寄せられる点は、従来の
交流面放電型PDPと同様である。しかし、従来のPD
Pでは、第1又は第2放電維持電極に対面する保護膜1
09(図8参照)の表面上に電子又は正イオンが蓄積す
るのに対して、本実施の形態1に係る交流面放電型PD
Pでは、電子および正イオンは第1又は第2の導電体透
明プレート20a,20b上に壁電荷として蓄積される
点に特徴がある。
【0029】ここで、図2の(a),(b)はそれぞれ
前面パネル30と従来のPDPの前面パネル130(図
8参照)とを抽出し、それぞれについて壁電荷の分布を
示した概略図である。
【0030】図2の(a)に示すように、導電体透明プ
レート20上に蓄積される上記壁電荷の分布は導電体透
明プレート20内で均一となるため、同プレート20の
電位は均一に上昇する。これに対して、従来の交流面放
電型PDPでは、壁電荷は誘電体である保護膜(MgO
膜)109(図8参照)上に蓄積するので、壁電荷が保
護膜109上で移動することが無く、図2(b)に示す
ような電荷分布を有する。この際、既述したように、か
かる壁電荷が形成する電位の存在により、放電ガスに印
加される実質的な電圧が放電開始電圧より低くなり、放
電が終了するのであるが、かかる放電開始電圧は放電ガ
スの封入圧力等に依存するものの、導電体透明プレート
20の有無には依存しない。従って、壁電荷が形成する
電位については本実施の形態1に係るPDPと従来のP
DPとにおいて相違は無いため、図2の(a)に示す壁
電荷の最大電荷量Q1と同図の(b)に示す壁電荷の最
大電荷量Q2とは等しい。ところが、放電が終了した時
点の壁電荷の総電荷量(図2の(a),(b)における
斜線部の面積に相当)を比較すると、本実施の形態1に
係る交流面放電型PDPの方が多いことが解る。この壁
電荷の総電荷量の差は、以後の維持放電における交流維
持電圧に加算される電位の差に他ならず、従って、本実
施の形態1に係る交流面放電型PDPの方が、従来のP
DPよりも、その維持放電が大きく、蛍光体を照射する
紫外線も多いため、発光セルの発光輝度は大きくなる。
また、壁電荷の蓄積電荷量を多くするために、導電導電
体透明プレート20の面積は発光セル10内においてで
きる限り大きい方が良いことは明らかである。
【0031】以上のように、本実施の形態1に係るPD
Pによれば、導電体透明プレート20を誘電体層3A上
に設けることにより、従来のPDPと比較して壁電荷の
総電荷量を増加させることができ、従ってPDPの表示
輝度を格段に増加させることができるという効果を奏す
る。
【0032】なお、導電体透明プレート20を紫外線の
反射率が高い材質を用いる、又は、紫外線の反射率が高
い表面状態とすることで、発光セル10内で放電時に発
生した紫外線を蛍光体4側へ反射し得る機能を持たせ、
これによって更に高輝度化を推進することができる。
【0033】(実施の形態2)次に、本実施の形態2に
係る交流面放電型PDPについて、図3に示す1つの発
光セル10の断面図を用いて説明する。なお、図3の
(a)は放電維持電極2と並行に切断した縦断面図であ
り、(b)は同図の(a)のI−I線における縦断面を
矢印の方向から見た縦断面図である。また、図3の
(c)は、同図の(a)のII−II線における断面を
矢印の方向から見た横断面図であり、ちょうど前面パネ
ル31を放電空間8側から見た図である。
【0034】本実施の形態2に係るPDPでは、図3の
(b)及び(c)に示すように、第1,第2導電体透明
プレート20a,20bを互いに、例えばクロームやモ
リブデン等の薄膜より成る抵抗21を介して電気的に接
続した点に、その特徴がある。そこで、以下の説明で
は、図3及び後述する図4のタイミングチャートを用い
て、かかる抵抗21の機能を中心に述べることにより、
その本質を明らかにする。なお、上述の実施の形態1に
係るPDPと同一の構成要素には同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0035】まず、発光セル10を点灯する場合につい
て説明する。
【0036】図3に示す隣接する第1,第2放電維持電
極2a,2bとの間に、図4の(a)に示すような交流
維持電圧Vsを常時加えておく。そして、第1又は第2
放電維持電極2a,2bとの間に放電開始電圧以上の電
圧が加わるように、図4の(b),(c)に示すような
点灯パルスを、書込電極6の電圧V6と第1又は第2放
電維持電極2a,2b間の電圧V2とに同時に重畳する
ことにより、放電空間8において放電を起こす。放電空
間8に印加される電圧V8の様子を描いた波形図が図4
の(d)である。図4の(d)に示すように、点灯パル
スの印加後は、導電体透明プレート20に蓄積される壁
電荷(電位Vw)の作用により交流維持電圧Vsの印加
のみで放電が、即ちPDPの発光が持続することは既述
の通りである。
【0037】次に、点灯している発光セル10を消灯す
る場合について説明する。図4の(e),(f)に示す
ような消灯パルスを、書込電極6の電圧V6と第1又は
第2放電維持電極2a,2b間の電圧V2とに同時に重
畳することにより、導電体透明プレート20上の壁電荷
による電位Vwを消滅させて、PDPの発光を消灯す
る。上記のような消灯パルスの他にも発光セルの消灯方
法としてはいろいろな形態のものが考えられるが、何れ
の方法にしろ多少の残留電位が存在し、これを完全に除
去することは難しく、特に、従来のPDP(図8参照)
のように保護膜109の表面上に残留する壁電荷を消滅
させることは極めて困難であり、放電空間108に印加
される電圧V108は図4の(g)に示すような波形に
なる。
【0038】また、かかる残留電位は各発光セル間にお
いてばらつきがあり、又、同一発光セルにおいても常に
同一電荷量の残留電荷が生じるとは限らない。従って、
次の点灯パルスが放電維持電極2に加えられた際にPD
Pの発光にばらつきが生じるため、発光させるべき発光
セル10を確実に発光させるためには、点灯パルスの電
圧値を増加させなければならない。このように、上記残
留電位はPDPの書込マージンを減少させてしまうので
ある。
【0039】そこで、本実施の形態2に係るPDPは、
図3に示す抵抗21を介して第1,第2導電体透明プレ
ート20a,20b間を電気的に接続することにより、
両導電体透明プレート20a,20b間の残留電荷を無
くして、書込マージンを増大させるものである。しか
も、導電体透明プレート20を備えるため、上述の実施
の形態1に係るPDPと同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0040】さて、抵抗21の値Rを設定するに当た
り、第1,第2導電体透明プレート20a,20b間に
は常時に交流維持電圧Vsを加えておく必要があるた
め、第1及び第2導電体透明プレート20間を短絡しな
いように、且つ、交流維持電圧の1サイクルの時間Tの
間は所定レベル以上の電位を確保できるように、抵抗2
1の抵抗値Rをある程度高くする必要がある。つまり、
抵抗値Rと第1,第2導電体透明プレート20a,20
b間の静電容量Cとの積CRで与えられる残留電位の半
減時間τが、交流維持電圧Vsの1サイクルの時間Tよ
り長くなるように抵抗21の抵抗値Rの下限値を設定す
る。
【0041】一方、消灯後、次に点灯パルスを印加する
までの時間内に残留電荷が充分に減少している必要があ
る。例えば、消灯後交流維持電圧が最低10サイクル経
過した後に次の書込パルスを印加する場合、抵抗値Rの
上限値を10T/C程度の値に設定する必要がある。
【0042】上述のような範囲に抵抗21の抵抗値Rの
値を設定することにより、所定の発光の終了後は第1,
第2導電体透明プレート20a,20bの壁電荷は抵抗
21を通して放電されるので、両導電体透明プレート2
0a,20b間の直流的電位は、図4の(h)に示すよ
うに、速やかに同レベルとなる。従って、本実施の形態
2に係るPDPは、残留電荷に起因するPDPの発光の
ばらつきを無くして、書込マージンを増大させることが
できるという効果を奏する。なお、図4の(h)は時刻
th以降の放電空間8に印加される電圧V8の波形を示
しており、この波形は同図の(g)における時刻tg以
降のV108の波形に相当する。
【0043】また、抵抗21の材料として不透明な材料
を用いる場合は、図3に示したように、その配置は発光
した光の透過をできる限り妨げない領域に上記抵抗21
を形成する必要があることは言うまでもない。
【0044】また、図5の(a)に示すように、その幅
がバリアリブ5の幅よりも狭い、複数の第1,第2導電
体透明プレート201a,201bを同一セル10−2
内に形成して、第1,第2導電体透明プレート201
a,201b間を抵抗211を介して電気的に接続して
も良い。但し、抵抗211の抵抗値は、上述の条件を満
たす範囲内に設定する。
【0045】導電体透明プレート201及び抵抗211
をこのような形態とすることにより、上記効果に加え
て、PDPの前面パネルと背面パネルとの封着工程にお
いて、導電体透明プレート20(図1又は図3参照)を
隣接するバリアリブ5の間に配置するための精度の高い
パネルの位置合わせが不必要になる。つまり、導電体透
明プレート201の幅はバリアリブ5の幅よりも狭いた
め、1つの導電体透明プレート201が隣接する発光セ
ル(例えば、発光セル10−2に対して発光セル10−
1,10−3)に亘って存在することは全く無く、隣接
する発光セル10は互いに必ず電気的に絶縁されている
ので、上記位置合わせを非常に緩やかな条件とすること
ができ、製造工程の簡略化を図ることができるという効
果を得る。
【0046】更に、図5の(b)に示すように、抵抗2
11を電気的に接続する抵抗212を設けても良く、か
かる場合にも、抵抗211,212の抵抗値も上述の条
件を満たす範囲内に設定する。抵抗211,212を図
5の(b)に示す形態とすることにより、互いに絶縁さ
れている、隣接する導電体透明プレート201は、抵抗
212を介して電気的に接続されるため、上記効果に加
えて、図5の(a)に示す形態における導電体透明プレ
ート201間の電位のばらつきを解消することができ
る。かかる点で、抵抗212を備えることは、図5の
(a)に示す形態よりもさらに好ましい形態と言える。
【0047】(実施の形態3)以下に述べる実施の形態
3に係るPDPは、導電体透明プレートの形状に特徴が
あり、その形状により発揮される作用にその本質があ
る。まず、導電体透明プレートの形状について、図6を
用いて説明する。なお、図6の(a)は放電維持電極2
と並行に切断した縦断面図であり、(b)は、同図の
(a)のII−II線における断面を矢印の方向から見
た横断面図であり、ちょうど前面パネル32を放電空間
8側から見た図である。また、上述の実施の形態1又は
2に係るPDPと同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0048】本実施の形態3に係るPDPにおいては、
図6に示すように、第1,第2導電体透明プレート20
a,20bのそれぞれに、その先端部が鋭角をなす突起
部22が設けられている。この突起部22は、導電体透
明プレート20の形成時にパターニングすることによっ
て同時形成される。この点において、導電導電体透明プ
レート20と突起部22とを「導電導電体透明プレート
20A」と総称しても良い。
【0049】次に、突起部22の作用及びその効果につ
いて説明する。
【0050】一般的に、導体の電界強度は鋭角な突起部
分で強いため、当該突起部分では放電が起こり易い。従
って、本実施の形態3に係るPDPでは、突起部22に
加わる強い電界を契機として放電が発生しやすくなり、
放電開始電圧、即ち、駆動電圧を下げることができる。
【0051】また、図7に示すように、PDP内部に封
入された放電ガスの圧力が等しい場合、放電開始電圧は
PDPの前面パネルと背面パネルとの距離、即ち、パネ
ルギャップに依存する。従って、PDPの全面に亘っ
て、即ち、全ての発光セルにおいて放電開始電圧が最小
値となるパネルギャップを形成できれば最適であるが、
実際にはかかる条件を満足することは難しい。そこで、
導電体透明プレート20に突起部22を設けて放電を起
こしやすくすることにより、パネルギャップに起因する
放電開始電圧のばらつきを緩和することができる。
【0052】また、対をなす第1,第2導電体透明プレ
ート20a,20bのそれぞれに設ける突起部22の個
数については、同数個としても良いし、図6に示すよう
に、異なった個数としても良いが、突起部22の個数を
できる限り多く設けることは、放電の開始のチャンスが
増えるため、より好ましいと言える。
【0053】この際、導電体透明プレート20用のパタ
ーニングマスクの設計段階で、突起部22をパネル全面
に亘ってアトランダムに、しかも、できるだけ多く作り
込んでおけば、製造工程中に突起部22の多少の形成不
具合が生じても、突起部22の形成に起因してPDPの
歩留まりが下がることはない。従って、安価なプロセス
により上記効果を実現することができる。
【0054】しかも、上述の放電開始電圧の最小値は、
放電ガスの種類や圧力によって変動するため、できるだ
け多くの突起部22を設けることは各種の放電ガスの異
なる条件にも柔軟に対応できるという利点も有する。
【0055】なお、上記の説明では、導電体透明プレー
ト20が抵抗21と突起部22との両方を備える場合に
ついて説明をしたが、勿論、突起部22のみを導電体透
明プレート20に設けても良い。
【0056】
【発明の効果】(1)請求項1に係る発明によれば、交
流面放電型PDPの前面パネル側の誘電体層の表面上に
第1及び第2導電体透明プレートが設けられているた
め、放電によって生じた電子と正イオンとをそれぞれ、
第1及び第2導電体透明プレート中、プラス電極側の導
電体透明プレート上とマイナス電極側の導電体透明プレ
ート上とに均一に蓄積(壁電荷の蓄積)させることがで
きる。このため、従来の交流面放電型PDPにおいて誘
電体層の表面上にその量がばらついた状態で形成される
壁電荷と比較して、その蓄積電荷量を多くすることがで
き、交流維持電圧印加時の放電により生じる紫外線の光
量を、従ってPDPの表示輝度を格段に増加させること
ができるという効果を奏する。
【0057】(2)請求項2に係る発明によれば、上記
第1及び第2導電体透明プレートは互いに抵抗を介して
電気的に接続されているため、所定の駆動周期における
放電維持動作が終了した後は、第1及び第2導電体透明
プレート内の各蓄積電荷はこの抵抗体を通して放電さ
れ、第1,第2導電体透明プレート間の直流的電位は速
やかに同レベルとなる。従って、従来の交流面放電型P
DPにおける誘電体層上に残留する壁電荷の電荷量のば
らつきに起因する放電開始電圧のばらつきを克服するこ
とができるため、交流面放電型PDPにおける書込マー
ジンを格段に増大することができるという効果を有す
る。
【0058】(3)請求項3に係る発明によれば、第1
及び第2導電体透明プレートは共に突起部を備えるた
め、当該突起部において電界強度が強くなり、放電が起
こり易くなる。従って、放電開始電圧すなわち駆動電圧
を下げることができるという効果を発揮する。
【0059】(4)請求項4に係る発明によれば、第1
及び第2導電体透明プレートが発光セル内で発生した紫
外線を蛍光体側へ反射させるため、PDPの表示輝度を
格段に増加させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルを示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルの壁電荷の蓄積量と、従来の交
流放電型プラズマディスプレイパネルのそれとの比較を
示す模式図である。
【図3】 本発明の実施の形態2に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルを示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルの駆動状態を説明する波形図で
ある。
【図5】 本発明の実施の形態2に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルを示す平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る交流放電型プラ
ズマディスプレイパネルを示す断面図である。
【図7】 放電開始電圧とパネルギャップとの関係を示
す図である。
【図8】 従来の交流放電型プラズマディスプレイパネ
ルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板、2a 第1放電維持電極、2b
第2放電維持電極、3誘電体層、3A 誘電体層、3S
誘電体層の表面、6 書込電極、7 背面ガラス基
板、10 発光セル、20a 第1導電体透明プレー
ト、20b 第2導電体透明プレート、21 抵抗、2
2 突起部、30 前面パネル、31 前面パネル、3
2 前面パネル、40 背面パネル、201a 第1導
電体透明プレート、201b 第2導電体透明プレー
ト、211 抵抗、212 抵抗、Ra 第1領域、R
b 第2領域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに封着されて発光セルを形成する前
    面パネルと背面パネルとを有する交流面放電型プラズマ
    ディスプレイパネルにおいて、 前記前面パネルは、 前面基板と、 前記前面基板の表面上に互いに平行に延長形成された第
    1及び第2放電維持電極と、 前記第1及び第2放電維持電極を被覆する誘電体層と、 前記発光セル毎に、前記誘電体層の表面のうちで前記第
    1放電維持電極に対面する第1領域上に形成された第1
    導電体透明プレートと、 前記発光セル毎に、前記誘電体層の表面のうちで前記第
    2放電維持電極に対面する第2領域上に形成された第2
    導電体透明プレートとを備えることを特徴とする、交流
    面放電型プラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の交流面放電型プラズマデ
    ィスプレイパネルにおいて、 前記第1及び第2導電体透明プレートを互いに抵抗を介
    して電気的に接続したことを特徴とする、交流面放電型
    プラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の交流面放電型プラ
    ズマディスプレイパネルにおいて、 前記第1及び第2導電体透明プレートのそれぞれに突起
    部を設けたことを特徴とする、交流面放電型プラズマデ
    ィスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の交流
    面放電型プラズマディスプレイパネルにおいて、 前記第1及び第2導電体透明プレートは前記発光セル内
    で発生した紫外線を反射しうることを特徴とする、交流
    面放電型プラズマディスプレイパネル。
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