JPH11271295A - 回帰分析システム - Google Patents

回帰分析システム

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JPH11271295A
JPH11271295A JP9247098A JP9247098A JPH11271295A JP H11271295 A JPH11271295 A JP H11271295A JP 9247098 A JP9247098 A JP 9247098A JP 9247098 A JP9247098 A JP 9247098A JP H11271295 A JPH11271295 A JP H11271295A
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JP
Japan
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property
sample
regression analysis
physical property
physical
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JP9247098A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yoshihara
政幸 吉原
Masaaki Kawatsuki
正明 川付
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Cosmo Oil Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
Cosmo Oil Co Ltd
Petroleum Energy Center PEC
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被分析サンプルのある性状の値を、実際に測
定をすることなしに、当該被分析サンプルと共通の物性
パラメータを持つ物質(参照サンプル)から、正確、か
つ迅速に求める回帰分析システムを提供する。 【解決手段】 被分析サンプルSUAのある性状を、当
該サンプルと共通の物性パラメータを複数持ちかつ前記
性状が既知のN個(Nは2以上の整数)の参照サンプル
から求める回帰分析システムであって、前記各参照サン
プルについて、物性パラメータと、その強度との関係を
記録しているデータベース部5を有し、(a)単回帰分
析ステップ、(b)強相関物性パラメータ特定ステッ
プ、(c)説明変数作成ステップ、(d)性状推定式作
成ステップを各実行部1〜4により実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被分析サンプルの
ある性状の値を、当該被分析サンプルと共通の物性パラ
メータを持つ物質(参照サンプル)から求める回帰分析
システムに関する。
【0002】
【技術背景】被分析サンプルの性状は、JIS等の、現
在標準とされている規格に準拠したテスト方法により調
べることが多い。しかし、このテスト方法では、特別の
テスト機器を要すること、膨大な時間がかかること等の
問題がある。
【0003】一方、従来、ある被分析サンプルについて
のある性状について、その性状値が既知であり、かつ当
該被分析サンプルと同種の他の物質(参照サンプル)が
複数存在する場合には、被分析サンプルの特性を、回帰
分析法を用いて各参照サンプルから求めることができ
る。たとえば、軟化点が未知のアスファルト(被分析サ
ンプル)について、その軟化点を求める場合を想定す
る。この場合、まず、被分析サンプルと同種であり、か
つ軟化点が既知の参照サンプルについて、核磁気共鳴
(NMR)スペクトルより求めた芳香族炭素分に基づ
き、単回帰分析法による下記の推定式を求める。
【0004】
【数1】 y=a+u (1−a) あるいは、 y=a+a +u01 (1−b) y(目的変数):軟化点、 x(説明変数):芳香族炭素分率、 u,u01:補正項、 a:係数、
【0005】または、前記推定式に平均分子量の項を追
加して、多重回帰分析法による下記の推定式を求める。
【0006】
【数2】 y=a01+a02+u (2−a) あるいは、 y=a11+b11 +a12+b12 +u (2−b) y(目的変数):軟化点、 x(説明変数):芳香族炭素分率、 x(説明変数):平均分子量、 u,u:補正項、 a01,a02,a11,a12,b11,b12:係
数、
【0007】しかし、このような推定方式を用いても、
求めたい性状の種類によっては、実際の性状の値と誤差
が大きい推定値しか得られない場合がある。このような
場合には、回帰式の次数を変更する等、経験に頼った被
分析サンプルの性状値の推定を行わざるを得ないが、こ
のようにしても、被分析サンプルの性状の推定値が実際
の性状値とは大幅に異なることが多々あった。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、被分析サンプルのある
性状の値を、実際に測定をすることなしに、当該被分析
サンプルと共通の物性パラメータを持つ物質(参照サン
プル)から、正確、かつ迅速に求める回帰分析システム
を提供することである。本発明の他の目的は、石油基材
および石油製品(たとえば、燃料油、アスファルト、潤
滑油のような多成分混合物)の性状の値を、標準のテス
ト方法によらずに、正確、かつ迅速に求める回帰分析シ
ステムを提供することである。
【0009】
【発明の概要】本発明は、被分析サンプルのある性状
を、当該サンプルと共通の物性パラメータを複数持ちか
つ前記性状が既知のN個(Nは2以上の整数)の参照サ
ンプルから求める回帰分析システムであって、前記各参
照サンプルについて、物性パラメータと、その強度との
関係を記録しているデータベース部を有し、(a)単回
帰分析ステップ、(b)強相関物性パラメータ特定ステ
ップ、(c)説明変数作成ステップ、(d)性状推定式
作成ステップを実行することを特徴とする。
【0010】「データベース部」は、前記各参照サンプ
ルについて、物性パラメータと、その強度との関係を記
録している。
【0011】(a)「単回帰分析ステップ」では、前記
性状の値を目的変数とし、前記各参照サンプルが持つ共
通の物性パラメータについての強度を説明変数として、
前記各参照サンプルについて単回帰分析を行い、回帰線
を求める。ここで、「性状」とは、石油製品のJIS規
格などで定められた物性および性能であり、アスファル
トの場合は、軟化点、針入度、密度、伸度、動粘度、6
0℃粘度、道路舗装要綱に定められるタフネステナシテ
ィ等が含まれる。
【0012】また、「物性パラメータ」とは、ある性状
を特徴付ける(その性状の原因となる)1種以上の因子
名称である。具体的には、構造パラメータ、元素分析
値、分子量、成分、構成比等である。より具体的には、
NMRスペクトル分析において、被分析サンプルがアス
ファルトである場合に、物性パラーメータはたとえば芳
香族炭素の種類(化学シフト)である。
【0013】さらに、「物性パラメータの強度」は、前
記因子(すなわち、物性パラーメータ)の測定値(個
数、濃度、電圧、電流、吸光度、光透過率等等)であ
る。なお、被分析サンプルに応じて、適宜選ばれる複数
の参照サンプルは、たとえば、被分析サンプルを製造す
るときに用いた原料であることもあるし、被分析サンプ
ルと同種の物質であることもある。
【0014】本発明では、ある被分析サンプルについて
の特定の性状を知りたい場合、物性パラメータとして何
を採用するかの適応処理が必要となることがある。性状
の値が既知の参照サンプルについては、通常、種々の物
性パラメータに対する値(データ)も既知である。ある
性状について、ある物性パラメータを採用して、単回帰
分析(場合によっては、次数を変更して単回帰分析を試
みる)を行ったところ、この物性パラメータは前記性状
について相関が全くないか、またはあっても弱かったと
する。このような場合には、前記物性パラメータは使用
できないので、他の物性パラメータを採用する。この物
性パラメータも前記性状について相関が全くないか、ま
たはあっても弱いときには、さらに他の物性パラメータ
を採用する。このようにして、順次物性パラメータを変
更して、単回帰分析を行うことで、被分析サンプルに適
応できる物性パラメータを知ることができる。
【0015】もちろん、ある性状について、単回帰分析
に適応できる物性パラメータが2種類以上存在すること
もある。この場合には何れかの物性パラメータを用い
て、その後の処理を続行してもよいし、2種類以上の物
性パラメータを用いて、その後の処理を行ってもよい。
【0016】(b)「強相関物性パラメータ特定ステッ
プ」では、「単回帰分析ステップ」において求められた
前記回帰線から、前記性状に対して相関が強い物性パラ
メータのみを特定する。実際の性状の値が回帰線からど
れだけ乖離するかにより、前記性状に対して相関が強い
物性パラメータだけを特定することができる。被分析サ
ンプルのある性状を求める場合において、参照サンプル
がA(たとえば、10)個で、各物性パラメータ数がB
(たとえば、1000)個である場合、回帰線とA個の
打点(x座標が各参照サンプルの物性パラメータの強
度、y座標が性状値)からなる散布図がB個が得られ
る。ある散布図上において、物性パラメータについての
1個または複数個(たとえば2〜3個)が、回帰線から
所定の割合(または大きさ)乖離する場合には、この物
性パラメータは、以後の処理には使用しないようにでき
る。したがって、散布図上において、物性パラメータの
全てまたは殆どが、回帰線に所定の割合(または大き
さ)近接している場合に、このような物性パラメータ
が、以後の処理に使用される。
【0017】(c)「説明変数作成ステップ」では、前
記特定した物性パラメータに基づいて、多重回帰分析用
のM個(Mは2以上の整数)の説明変数を作る。たとえ
ば、物性パラメータ数はもともとのB個であったが、上
記「強相関物性パラメータ特定ステップ」において、
B′(<B)個に特定されたとする。このB′個の物性
パラメータを後述する性状推定式における説明変数とし
て使用することもできるが、多重回帰分析の原理から参
照サンプルの数より説明変数を少なくし、さらにB′個
の物性パラメータからM(<B′)個の説明変数が作成
される。B′個の物性パラメータからM個の説明変数を
作成するに際して、複数の物性パラメータが酷似してい
る場合(たとえば、これらのパラメータが後述するスペ
クトルの隣接する成分であるような場合)には、これら
はまとめられてひとつの説明変数とされる。すなわち、
この「M」は、「相関が強い物性パラメータ」の数と同
一の数であることもあるが、通常は、2つ以上の「相関
が強い物性パラメータ」を1つのパラメータとして扱う
ことで、「相関が強い物性パラメータ」の数よりも少な
い数とされる。なお、通常は、物性パラメータを、求め
たい性状と相関が強い順にM個選び、これらを「相関が
強いM個の物性パラメータ」とすることもできる。
【0018】(d)「性状推定式作成ステップ」は、前
記M個の説明変数から、前記性状の値を目的変数する性
状推定式を作成する。この性状推定式から前記被分析サ
ンプルの性状を求めることができる。この性状推定式
(すなち、多重回帰式)は、線形(各説明変数の一次関
数)であってもよいし、非線形(各説明変数が二次,三
次等の高次関数、log関数、ルート関数等、またはこ
れらが複合された関数)であってもよい。
【0019】本発明を、スペクトルまたはクロマトグラ
ム分析機器による分析に応用した場合、物質の性状を目
的変数、前記スペクトルまたはクロマトグラム分析機器
におけるスペクトルまたはクロマトグラム強度、スペク
トルまたはクロマトグラム面積を多重回帰分析における
説明変数とすることができる。なお、上記スペクトルま
たはクロマトグラム分析機器として、NMRスペクト
ル、赤外吸収スペクトル、近赤外吸収スペクトル、質量
分析スペクトル、紫外線スペクトル、X線スペクトル等
を用いた種々の機器が使用され、またクロマトグラム分
析機器としては、ガスクロマトグラフ、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフ等が使用され、適宜、これらの波
形データを利用することができる。
【0020】また、本発明の回帰分析システムでは、前
記のようにして求めた性状推定式を、コンピュータの記
憶装置に格納しておき、分析機器からの被分析サンプル
の物性パラメータ強度から、当該被分析サンプルの所定
性状を容易に求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のシステムの概略
を示す図である。図1のシステム100は、単回帰分析
ステップ実行部1、強相関物性パラメータ特定ステップ
実行部2、説明変数作成ステップ実行部3、性状推定式
作成ステップ実行部4、データベース部5、スペクトル
分析機器6、および推定値演算部7を有している。デー
タベース部5には、多数の参照サンプル(これらの集合
を「SR」で示す)についての、種々の「性状と物性パ
ラメータとの関係」を示すスペクトル分析データ(これ
らの集合を「DATA」で示す)が格納されている。
【0022】いま、ある物質についての性状Cが、ある
種の物性パラメータと相関があることが予想され、かつ
その性状Cの値が既知である参照サンプルSRについて
のスペクトル分析データが、データベース部5に記録さ
れているものとする。ユーザ(本発明のシステム利用
者)は、スペクトル分析機器6により、ある被分析サン
プルSUAについての性状Cの値を求めるために、一連
の物性パラメータとそのスペクトル強度との関係を求め
る(このSUAについてのスペクトル図を「SD」で
示す)。そして、性状Cの値が既知の参照サンプルを複
数特定する。このとき特定された参照サンプルをS
,SR,・・・,SR10だとする。これらの参
照サンプルは、被分析サンプルと共通の物性パラメータ
を、それぞれ多数持っている。これらの参照サンプルS
,SR,・・・,SR10についてのスペクトラ
ム図を、図2(a−1),・・・,(a−10)に例示
しておく。
【0023】ユーザは、参照サンプルSRと被分析サン
プルSUAとに共通する物性パラメータをたとえば10
00個特定し、単回帰分析ステップ実行部1に単回帰分
析を行わせる。ここで特定された物性パラメータを
,p,・・・,p1000とし、添字1,2,・
・・,1000は、物性パラメータの因子量(たとえ
ば、芳香族炭素の種類)に従う順で付されている。そし
て、性状Cを目的変数とし、物性パラメータp1のスペ
クトル強度を説明変数とする単回帰分析を行う。これに
より、参照サンプルSR,SR,・・・,SR10
についての合計10個の打点(x座標が各参照サンプル
の物性パラメータpのスペクトル強度、y座標が性状
値)と回帰線とからなる散布図が得られる。同様の散布
図が、p,・・・,p1000についても得られる。
上記の単回帰線は下記に示される式で表される。
【0024】
【数3】 y=a+bij (3) xij:参照サンプルSRのスペクトラム図における
i番目の物性パラメータのスペクトル強度、 y:参照サンプルSRの性状Cの実測値、 a,b:係数、 (i=1,2,・・・,1000、j=1,2,・・
・,10)、
【0025】強相関物性パラメータ特定ステップ実行部
2は、回帰線から前記性状に対して相関が強い物性パラ
メータのみを特定する。上記の1000個の散布図のう
ち、ある物性パラメータの散布図では各参照サンプルS
,SR,・・・,SR10の打点がそれぞれ回帰
線上に乗っている(回帰線に近接している)が、ある物
性パラメータの散布図では、各参照サンプルSR,S
,・・・,SR10の打点の幾つかが回帰線から乖
離したものとする。これらの1000個の散布図から、
性状Cについて相関が高い(または相関がある程度はあ
る)物性パラメータと、性状Cについて相関が低い(ま
たは相関が無いか殆どない)物性パラメータとを峻別す
ることができる。すなわち、参照サンプルSR,SR
,・・・,SR10の打点がそれぞれ回帰線上に乗っ
ている物性パラメータ(この例を図3(a)に示す)
は、性状Cについて相関が高い(または相関がある程度
はある)し、参照サンプルSR,SR,・・・,S
10の打点の幾つかが回帰線から乖離している物性パ
ラメータ(この例を図3(b)に示す)は、性状Cにつ
いて相関が低い(または相関が無いか殆どない)という
ことがわかる。
【0026】このようにして、強相関物性パラメータ特
定ステップ実行部2は、性状Cに対して「相関が強い物
性パラメータ」のみを特定することができる。この「相
関が強い物性パラメータ」は、相関が高い順に特定個
(ユーザが設定した個数)選ぶようにもできる。なお、
強相関物性パラメータ特定ステップ実行部2は、上記の
散布図を実際には作成する必要はなく、計算により上記
の「相関が高い物性パラメータ」を特定することができ
る。もちろん、ユーザの視認に供するために作成するこ
ともできる(このようにして作成される散布図は、通常
は、多くても10個程度であろう)。
【0027】説明変数作成ステップ実行部3は、物性パ
ラメータから、多重回帰分析用の説明変数を作る。上記
のようにして特定した物性パラメータは、たとえば、 p,p,p,p15,p16,p17,p22
・・・,p781,p782,p783,p784,p
991,p998 のように表されたとする。pの添字は、物性パラメータ
の因子量に従う順列で付されているので、添字が連続す
る物性パラメータの組、たとえばp,pの組、p
15,p16,p17の組、・・・、p781,p
782,p783,p784の組は、1組として扱うこ
とができる。こうすることで、図4に示すように、スペ
クトルのピーク面積S,S,・・・,Sを、性状
Cの特性を表すM個の量として扱うことができる。
【0028】性状推定式作成ステップ実行部4は、上記
M個の量を説明変数とし、性状Cの値を目的変数する性
状推定式を作成する。性状推定式は、線形(説明変数が
一次式)であっても非線形(説明変数が二次式)であっ
てもよく、ユーザが選択することができる。ここでは、
ユーザは一次式を選択し、(4)式の多重回帰モデルが
得られたものとする。
【0029】
【数4】 Y=A+ΣBijij (4) Xij:参照サンプルSRのスペクトラム図における
i番目の面積 、Y:参照サンプルSRの性状Cの実測値、 A,Bij:係数、 (i:1,2,・・・・・・,M、j:1,2,・・
・,10)、
【0030】(4)式の最小二乗推定値を求めること
で、次の(5)式(推定式)が得られる。次に、(5)
式に参照サンプルSRの説明変数の実測値を代入し、
Yの値(推定値)を求める。ここで、Yの値(推定値)
が、実際の参照サンプルSRの性状Cの実測値と大き
く異なっているときには、推定式を非線形にする等によ
り新たに処理をやり直すが、ここでは、Yの値が、実際
の参照サンプルSRの性状Cの実測値とほぼ同じであ
るとする。(4)式は、推定式として満足するものであ
るので、被分析サンプルの性状Cの値は次の(5)式に
より推定することができる。
【0031】
【数5】 Y=A+ΣB (5) X:被分析サンプルのスペクトラムにおけるM個の面
積、 Y:被分析サンプルの性状Cの推定値、 A,B:係数、 (i:1,2,・・・・・・,M)、 推定値演算部7は、上記(5)式に基づき、被分析サン
プルSUAの性状Cの値を算出する。
【0032】
【推定式作成例】被分析アスファルトサンプルの軟化点
を得るための推定式を作成するために、13種の参照ア
スファルトサンプルを用いた。 (1)単回帰分析ステップでは、元素分析値を、分析誤
差を考慮し合計が100%になるように正規化し、かつ
炭素量の内数としてC−NMRデータ、水素量の内数と
してH−NMRデータが配分されるようにシステムの初
期条件を設定した。 (2)相関物性パラメータ特定ステップでは、1ppm
または0.1ppmごとに相関係数の大きい隣り合った
シグナルを特定した。 (3)説明変数作成ステップでは、相関係数の大きい隣
り合ったシグナルを化学シフトの範囲を手入力すること
ことで集計し、性状推定式作成ステップで用いる説明変
数を作成した。このとき、集計する相関係数の大きさは
C−NMRについては0.7以上、H−NMRについて
は0.6以上とした。このとき得られた元素分析データ
を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(4)性状推定式作成ステップでは、表1
に基づき、C−NMRから得られたデータの組合わせに
より、決定係数0.95、標準誤差3.1の推定式を得
た。さらに、元素分析値を組み合わせることで、(6)
式に示す決定係数0.99、標準誤差1.3の精度の高
い推定式を得た。
【0035】
【数6】 Y=−15.0X+17.4X+8.6X +13.1X+4.7X+20.9 (6) Y:軟化点 X:29〜30ppmの炭素シグナル量 X:32ppmの炭素シグナル量 X:131〜133ppmの炭素シグナル量 X:窒素含有量 X:硫黄含有量
【0036】この推定式(6)におけるXの係数が示
す29〜30ppmの炭素シグナル量は長鎖メチレン、
の係数が示す131〜133ppmの炭素シグナル
量は芳香族内部炭素である。このことから、長鎖メチレ
ンすなわち飽和化合物が多いと軟化点は下がり、芳香族
内部炭素すなわち縮合芳香族炭化水素が多いと軟化点が
高くなることがわかる。また、XおよびXの係数か
ら、窒素および硫黄が増加することで軟化点が高くなる
こともわかる。Xの係数が示す32ppmのシグナル
については、末端からγ位のメチレンであることが報告
されているが、むしろ軟化点に対して正の相関があるこ
とから、硫黄原子または芳香族炭素に結合した炭素であ
るとすることが正しいと類推される。
【0037】図5は、参照アスファルトサンプルの
(6)式に基づく推定値と軟化点実測値との関係を示す
グラフである。図5から、本発明により性状の推定を行
った場合には、極めて高い精度での推定結果が得られる
ことがわかる。
【0038】
【発明の効果】被分析サンプルのある性状の値を、実際
に測定をすることなしに、当該被分析サンプルと共通の
物性パラメータを持つ物質(参照サンプル)から、正
確、かつ迅速に求めることができる。石油基材および石
油製品(たとえば、燃料油、アスファルト、潤滑油のよ
うな多成分混合物)の性状の値を、標準のテスト方法に
よらずに、正確、かつ迅速に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概略を示す図である。
【図2】参照サンプルSR,SR,・・・,SR
10についてのスペクトラム図である((a−1)〜
(a−10))。
【図3】(a)は参照サンプルSR,SR,・・
・,SR10の打点がそれぞれ回帰線上に乗っている物
性パラメータを示し、(b)は参照サンプルSR,S
,・・・,SR10の打点の幾つかが回帰線から乖
離している物性パラメータを示す図である。
【図4】性状Cの特性を表すM個の量(スペクトルのピ
ーク面積S,S,・・・,S)を示す図である。
【図5】参照アスファルトサンプルの推定値と軟化点実
測値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 システム 1 単回帰分析ステップ実行部 2 強相関物性パラメータ特定ステップ実行部 3 説明変数作成ステップ実行部 4 性状推定式作成ステップ実行 5 データベース部 6 スペクトル分析機器 7 推定値演算部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被分析サンプルのある性状を、当該被分
    析サンプルと共通の物性パラメータを複数持ちかつ前記
    性状が既知のN個(Nは2以上の整数)の参照サンプル
    から求める回帰分析システムであって、 前記各参照サンプルについて、物性パラメータと、その
    強度との関係が記録されたデータベース部を有し、 前記性状の値を目的変数とし、前記各参照サンプルが持
    つ共通の物性パラメータを説明変数として、前記各参照
    サンプルについて単回帰分析を行い、回帰線を求める単
    回帰分析ステップ、 前記回帰線から前記性状に対して相関が強い物性パラメ
    ータのみを特定する強相関物性パラメータ特定ステッ
    プ、 前記特定した物性パラメータに基づいて、多重回帰分析
    用のM個(Mは2以上の整数)の説明変数を作る説明変
    数作成ステップ、 前記M個の説明変数から、前記性状の値を目的変数とす
    る性状推定式を作成する性状推定式作成ステップ、を実
    行することを特徴とする回帰分析システム。
  2. 【請求項2】 前記物性パラメータがスペクトルまたは
    クロマトグラム分析機器における分析成分、 前記物性パラメータの強度が前記スペクトルまたはクロ
    マトグラム分析機器におけるスペクトルまたはクロマト
    グラム強度、 前記M個の変数がスペクトルまたはクロマトグラム面
    積、であることを特徴とする請求項1に記載の回帰分析
    システム。
  3. 【請求項3】 前記強相関物性パラメータ特定ステップ
    では、参照サンプルの実際の性状値が前記回帰線から乖
    離する割合により、前記性状に対して相関が強い物性パ
    ラメータのみを特定することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の回帰分析システム。
  4. 【請求項4】 前記性状推定式が、コンピュータから読
    出し可能な記憶装置に格納されていることを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載の回帰分析システム。
JP9247098A 1998-03-20 1998-03-20 回帰分析システム Pending JPH11271295A (ja)

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