JPH11270647A - デフレクタ式ボールねじおよびその組付方法 - Google Patents

デフレクタ式ボールねじおよびその組付方法

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JPH11270647A
JPH11270647A JP7390198A JP7390198A JPH11270647A JP H11270647 A JPH11270647 A JP H11270647A JP 7390198 A JP7390198 A JP 7390198A JP 7390198 A JP7390198 A JP 7390198A JP H11270647 A JPH11270647 A JP H11270647A
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nut
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Shuichi Tone
修一 刀根
Takeshi Kuribayashi
剛 栗林
Hidenori Kurahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナットスクリューに嵌着されたデフレクタが
ロータシャフト組付後に確固として固定され全くガタを
生じさせないデフレクタ式ボールねじおよびその組付方
法を供する。 【解決手段】 ねじ軸4に鋼球25を介してナットスクリ
ュー21が螺合し、ナットスクリュー21に嵌着されたデフ
レクタ22により鋼球25が循環するデフレクタ式ボールね
じにおいて、円筒状のナットスクリュー21の外周に円筒
状のロータシャフト11が嵌合し、デフレクタ22の外面に
設けられた突起22dがロータシャフト11の内周面に当接
するデフレクタ式ボールねじ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ軸に鋼球を介
してナットスクリューが螺合し、ナットスクリューに嵌
着されたデフレクタにより鋼球が循環するデフレクタ式
ボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】このデフレクタ式ボールねじにおいて
は、ねじ軸の外周面とナットスクリューの内周面に形成
されたねじ溝に多数の鋼球が挿入されており、鋼球を循
環させるためにナットスクリュー側にデフレクタを嵌着
してナットスクリューのねじ溝の一部をデフレクタのリ
ターン溝で構成している。
【0003】ナットスクリューの内周において鋼球が円
滑に循環するために、ナットスクリューのねじ溝とデフ
レクタのリターン溝が滑らかに連続するようにナットス
クリューにデフレクタが正確にかつ確固として固定され
なければならない。そこで従来はナットスクリューの取
付孔にデフレクタを嵌合した後、ねじやボルト等により
止め付けがなされていた。
【0004】しかしボルト等による止め付けは、ナット
スクリュー側にねじ部を設ける必要があり、部品点数も
多く組付作業も面倒である。そこでナットスクリューの
取付孔にデフレクタを嵌合した後、簡単にかしめ付けに
よりデフレクタを固着する方法がある(特開平5−14
1497号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしねじ軸とナット
スクリューのねじ溝を移動する鋼球は、デフレクタのリ
ターン溝に入ってねじ軸側のねじ溝を遠心方向に抜けて
ねじ山を越えて1つ手前のねじ溝に戻されて循環するの
で、鋼球がリターン溝に入る入口側と出口側において特
にナットスクリューの作動力が鋼球を介してデフレクタ
に作用してデフレクタを押圧する。
【0006】そのためナットスクリューの取付孔に嵌着
されたデフレクタが、かしめの結合力のみで固着されて
いると、鋼球を介するデフレクタへの部分的な押圧力の
繰り返しに耐えられずガタを生じて異音を発生すること
がある。なおかしめ荷重を大きくすればガタを防止する
ことができるかもしれないが、デフレクタ式ボールねじ
のコンパクトな商品性を維持するとなると、ナットスク
リューの剛性を大きなカシメ荷重に耐える構成とするこ
とが難しくなる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、ナットスクリューに嵌着され
たデフレクタがロータシャフト組付後に確固として固定
され全くガタを生じさせないデフレクタ式ボールねじお
よびその組付方法を供する。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明は、ねじ軸に鋼球を介してナ
ットスクリューが螺合し、ナットスクリューに嵌着され
たデフレクタにより鋼球が循環するデフレクタ式ボール
ねじにおいて、円筒状のナットスクリューの外周に円筒
状のロータシャフトが嵌合し、デフレクタの外面に設け
られた突起が前記ロータシャフトの内周面に当接するデ
フレクタ式ボールねじとした。
【0009】デフレクタの外面に設けられた突起がロー
タシャフトの内周面に当接するので、ナットスクリュー
の作動力が鋼球を介してデフレクタに作用してもデフレ
クタはロータシャフトに当接する突起によって確固とし
て支持されガタの生じるのを回避し、ガタによる異音の
発生を防止することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
フレクタ式ボールねじにおいて、前記デフレクタの鋼球
が通る前後方向の入口側と出口側の前後両端部または同
両端部の近傍に、それぞれ前記突起が設けられたことを
特徴とする。
【0011】デフレクタの鋼球が通る前後方向(デフレ
クタのリターン溝が概ね指向している方向を前後方向と
している)の入口側と出口側の前後両端部または同両端
部の近傍に、それぞれ突起を設けることで、この両端の
突起により2か所でデフレクタはロータシャフトに当接
して確固として固定される。
【0012】鋼球がデフレクタのリターン溝に入る入口
側と出口側においてナットスクリューの作動力が鋼球を
介してデフレクタに作用してデフレクタを押圧するが、
このデフレクタの前後両端部への押圧を前記前後両端の
突起が2か所ロータシャフトに当接して効果的に支える
ことができガタの発生を防止することができる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載のデフレクタ式ボールねじにおいて、前記デ
フレクタが、前記ナットスクリューの取付孔に嵌合し、
かしめ固着されたことを特徴とする。
【0014】デフレクタがナットスクリューにかしめ固
着されるので、部品点数を少なくして組付作業を簡素化
することができる。ロータシャフトを嵌合したときに前
記突起がロータシャフトに当接してデフレクタは支えら
れるので、前記かしめ荷重を大きくする必要はなくデフ
レクタ式ボールねじのコンパクトな商品性を維持でき
る。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載のデ
フレクタ式ボールねじにおいて、前記かしめ固着が前記
デフレクタの前後2か所で行われ、前側かしめ部と前端
との間および後側かしめ部と後端との間に前記突起をそ
れぞれ設けたことを特徴とする。
【0016】デフレクタの前後の突起の内側にかしめ部
があってナットスクリューに固着しているので、前記鋼
球の循環時に前後両端で作用する押圧力は前後の突起が
支え、かしめによる固着部に直接作用せず、デフレクタ
は確固として固定される。
【0017】請求項5記載の発明は、鋼球の通る前後方
向に長尺で外面の前後両端部または同両端部近傍に突起
を設けたデフレクタを、円筒状のナットスクリューの取
付孔に、前記突起を前記ナットスクリューの外周面より
突出させて嵌合し、前記デフレクタの前後2か所をかし
めてナットスクリューに固着し、前記ナットスクリュー
の外周面を前記デフレクタの突起とともに同一径に加工
し、前記ナットスクリューの外周に円筒状のロータシャ
フトを嵌合し、前記ナットスクリューの内側に鋼球を挿
入してねじ軸を螺入するデフレクタ式ボールねじの組付
方法である。
【0018】デフレクタをナットスクリューの取付孔に
嵌合し、かしめ固着した後、ナットスクリューの外周加
工でデフレクタの突起を同時に加工して同一径とするの
で、ナットスクリューにロータシャフトを嵌合したとき
のデフレクタとロータシャフトの結合精度が高くデフレ
クタのガタの発生を確実に防止することができる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載のデ
フレクタ式ボールねじの組付方法において、鋼球挿入治
具により前記ナットスクリューの内側から鋼球を挿入
し、前記鋼球挿入治具の抜き取りに連続して前記ねじ軸
を螺入することを特徴とする。
【0020】デフレクタをナットスクリューにかしめ固
着しロータシャフトの嵌合で確固として固定した後に、
ナットスクリューの内側から鋼球が挿入されるので、鋼
球挿入によるデフレクタへの作用さらにはその後のねじ
軸の螺入によるデフレクタへの作用によってデフレクタ
は影響を受けずガタを生じさせない。
【0021】鋼球挿入治具により鋼球をナットスクリュ
ーの内側に挿入し、鋼球挿入治具の抜き取りに連続して
ねじ軸を螺入して組付けるので、組付作業が簡単で作業
時間を短縮することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図14に図示し説明する。本実施の形
態のデフレクタ式ボールねじ20は、自動車の電動式パワ
ーステアリング装置1に適用されたものである。図1は
該電動式パワーステアリング装置1の主要部の断面図で
ある。
【0023】車体側に固定される円筒のハウジング2
は、小径部2aと大径部2bが同軸に連続して一体に形
成され、同ハウジング2および並んで配設されるギヤケ
ース3の内部をラックねじ軸4が左右方向に移動自在に
貫通しており、同ラックねじ軸4の両端にタイロッド
5,5が連結され、ラックねじ軸4の左右への移動でタ
イロッド5,5を介して左右の車輪が操向される。
【0024】ギヤケース3内にはステアリングホイール
の操舵により回転するステアリングシャフト6の下端が
挿入され、同下端に設けられたピニオン7がラックねじ
軸4に刻設されたラック4aに噛合している。ラックね
じ軸4は、ラック4aと反対側にねじ溝4bが形成され
ている。
【0025】ハウジング2の大径部2bにはモータ10が
内蔵されている。ラックねじ軸4の外周に筒状のロータ
シャフト11が、ラック4a側端部をベアリング12が支持
し、ねじ溝4b側大径部11aをベアリング13が回転自在
に支持している。
【0026】ロータシャフト11の外周に巻線14を巻回し
た鉄心15が一体に嵌着され、鉄心15に対向するハウジン
グ2の内周に永久磁石16が周設されモータ10が構成され
ている。
【0027】なおギヤケース3の端部にフランジ部3a
を貫通した導体17がハウジング2の内側に保持されたブ
ラシ18に接続され、ブラシ18はロータシャフト11の外周
に設けられた整流子19に接しており、外部からの電流が
ブラシ18と整流子19を介して巻線14に供給されてモータ
10が駆動され、ロータシャフト11が回転する。
【0028】ロータシャフト11の大径部11a内にナット
スクリュー21が嵌合されロックナット24の嵌入により一
体結合されており、同ナットスクリュー21に鋼球25を介
してラックねじ軸4のねじ溝4bが螺入してボールねじ
20を構成している。
【0029】したがってモータ10の駆動でロータシャフ
ト11とともにナットスクリュー21が回転すると、鋼球25
を介してねじ溝4bに螺合するボールねじ20によりラッ
クねじ軸4が左右に移動する。
【0030】電動式パワーステアリング装置1は、概ね
以上のような構造をしており、ステアリングホイールの
操舵でステアリングシャフト6が回転すると、ピニオン
7とラック4aの噛合によりラックねじ軸4を左右方向
に移動するが、同時にステアリングシャフト6への操舵
伝達部に設けられたトルク検出機構の信号および車速検
出器などの信号に基づきモータ10が駆動制御されてボー
ルねじ20を介してラックねじ軸4の移動がアシストされ
る。
【0031】かかる電動式パワーステアリング装置1に
おけるボールねじ20は、デフレクタ式ボールねじであ
り、ナットスクリュー21にデフレクタ22が4個嵌着され
ている。ナットスクリュー21は、図3ないし図5に図示
するように円筒内周面にねじ溝21aが形成されており、
ねじ山を挟む両側のねじ溝21aに亘って斜めに長円状の
取付孔21bが穿設されている。
【0032】取付孔21bは軸方向にずれながら周方向に
等間隔に4個形成されている。取付孔21bは、長円状の
孔の内面にはねじ溝21aを有する内周面側に段部21cが
形成されている。
【0033】一方取付孔21bに嵌着されるデフレクタ22
は、図6ないし図9に示すように取付孔21bの形状に合
わせて平面視で略長円状(両端部を平行に切り欠いてい
る)をなし、外面22c側の外周に沿ってフランジ部22a
が突設され、内面側にリターン溝22bが長手方向に略S
字状に形成されている。
【0034】デフレクタ22のフランジ部22aは、取付孔
21bの段部21cまでの深さに略等しい厚さを有し、外面
22cは中央が略平らで、長手方向を前後方向として前後
端近傍に斜めに突条22d,22dが平行に突出形成されて
いる。突条22d,22dは、デフレクタ22を取付孔21bに
嵌合したときにナットスクリュー21の中心軸に平行とな
る(図13参照)。
【0035】そしてデフレクタ22は、取付孔21bにナッ
トスクリュー21の外側から嵌合される(図10ないし図
12参照)。デフレクタ22の本体が取付孔21bの段部21
c内に挿入され、フランジ部22aが段部21cに当接して
嵌合されると、図11に示すように嵌合された当初は突
条22d,22dの先端部がナットスクリュー21の外周面よ
り突出している。
【0036】そして図13に示すようにデフレクタ22の
平行な2本の突条22d,22dの内側で側縁に沿った対称
な2か所のかしめ部23,23をかしめ治具によりかしめ、
デフレクタ22をナットスクリュー21に固着する。
【0037】かしめ治具は、先細に形成されたかしめ棒
を前記所定かしめ部23,23に先端を当接して打ち込むこ
とによりデフレクタ22の側縁が外側に膨出してナットス
クリュー21の取付孔21bにかしめ付けられ確固として嵌
着される。ねじやボルト等を使用してデフレクタを固着
するのに比べ、作業が簡単で部品点数も少なく効率的で
ある。
【0038】次にナットスクリュー21の外周加工を行
う。その際図12に示すようにデフレクタ22の突出した
突条22d,22dも同時に同一径に加工する。こうしてナ
ットスクリュー21に4個のデフレクタ22を一体に嵌着し
た状態で、ロータシャフト11の大径部11aにナットスク
リュー21を嵌合し、次いでロックナット24を嵌入してナ
ットスクリュー21をロータシャフト11に一体に固着する
(図2参照)。
【0039】ナットスクリュー21の外周加工でデフレク
タ22の突条22d,22dを同時に加工して同一径とするの
で、ナットスクリュー21にロータシャフト11を嵌合した
ときにデフレクタ22は、前後端近傍の突条22d,22dで
ロータシャフト11の内周面に当接してデフレクタ22とロ
ータシャフト11の結合精度が高くデフレクタ22のガタの
発生を確実に防止することができる。
【0040】なおロータシャフト11を嵌合したときに突
条22d,22dがロータシャフト11の内面に当接してデフ
レクタ22は支えられるので、前記デフレクタ22のかしめ
荷重を大きくする必要はなくデフレクタ式ボールねじの
コンパクトな商品性を維持できる。
【0041】その後図14に示すように鋼球挿入治具30
を用いて鋼球25の挿入を行う。鋼球挿入治具30は、ガイ
ド筒31が嵌着されたナットスクリュー21を上にしてロー
タシャフト11を縦向きに保持するようになっており、鋼
球挿入ノズル32の外径は、ラックねじ軸4のねじ溝4b
の小径部に略等しい径とされ、その下端にはラックねじ
軸4の上端に係脱自在に係合する係合突起部32aを有す
る。
【0042】鋼球挿入ノズル32には、鋼球供給路32bが
4本軸方向に穿孔形成され、各鋼球供給路32bはそれぞ
れ所定先端位置で屈曲して外周面に出口開口を備えてい
る。ガイド筒31により保持されたロータシャフト11に嵌
着したナットスクリュー21の内部に鋼球挿入ノズル32が
上方より挿入されて所定位置に位置決めされ、図示しな
いフィーダにより各鋼球供給路32bに鋼球25を所定数順
次入れ、挿入ロッド33を挿入して一定ストローク降下さ
せて鋼球25をナットスクリュー21の内周のねじ溝21aの
循環路に供給する。
【0043】こうして鋼球25の挿入を終えると、下方か
ら鉛直姿勢のラックねじ軸4を回転させながら上昇さ
せ、その上端部を係合突起部32aに係合させ、そのまま
ラックねじ軸4を回転させながら上昇させると、ラック
ねじ軸4のねじ溝4bが鋼球25を介してナットスクリュ
ー21に螺入し、鋼球25を循環路に残して鋼球挿入ノズル
32に代わってラックねじ軸4が入れ替わりボールねじ20
の組付けが完了する。
【0044】以上のようにデフレクタ22をナットスクリ
ュー21にかしめ固着しロータシャフト11の嵌合で確固と
して固定した後に、ナットスクリュー21の内側から鋼球
挿入治具30により鋼球25が挿入されるので、鋼球挿入に
よるデフレクタ22への作用によってデフレクタ22は影響
を受けず、さらにはその後のラックねじ軸4のねじ溝4
bの螺入によるデフレクタ22への作用によってもデフレ
クタ22は影響を受けずガタを生じさせない。
【0045】ただしナットスクリュー21への鋼球の挿入
およびラックねじ軸4の螺入は、組み込み時だけである
ので、ロータシャフト11を嵌合する前の状態のナットス
クリュー21に対して鋼球挿入治具により鋼球の挿入およ
びラックねじ軸4の螺入を行っても作業を適切に行えば
それ程デフレクタに影響を与えるものではない。
【0046】したがってデフレクタを嵌合してかしめ付
けたナットスクリュー21をガイド筒で保持して鋼球挿入
ノズルにより鋼球を挿入し、次いで鋼球挿入ノズルに入
れ替わるようにしてラックねじ軸4を螺入し、その後ロ
ータシャフト11をナットスクリューに嵌合してもよい。
【0047】組付けられたボールねじ20は、モータ10の
駆動によってロータシャフト11がナットスクリュー21と
ともに回転すると、ナットスクリュー21に鋼球25を介し
て螺合するラックねじ軸4が左右に移動し、その際鋼球
25は相対するラックねじ軸4のねじ溝4bとナットスク
リュー21のねじ溝21a間を溝に案内されて転動し、デフ
レクタ22の処でリターン溝22bに入り、ラックねじ軸4
のねじ山を1つ乗り越えて元の転動してきたねじ溝4
b,21aに戻り循環する。
【0048】鋼球25がねじ溝4b,21aからデフレクタ
22のリターン溝22bに入る入口近辺とリターン溝22bか
らねじ溝4b,21aに出る出口近辺において、リターン
溝22bの略S字状の湾曲を転動する鋼球25は特にデフレ
クタ22に押圧作用が強く働くが、デフレクタ22の外面22
cの突条22d,22dがリターン溝22bの入口と出口近辺
の前後端部近傍にあってロータシャフト11に当接してい
るので、鋼球25の押圧に対する支えが効果的に働き、ガ
タを生じさせない。
【0049】なおデフレクタの外面に設けられる突起に
ついては、図15および図16に図示するデフレクタ50
のように、外面50aの両端が全体に突出した突起50b,
50bとしてもよく、ナットスクリューの取付孔に嵌合し
かしめ付けた後、ナットスクリュ−の外周加工において
突起50b,50bをともに同一径に加工することで、前記
実施の形態における図12に示す構造と略同じにするこ
とができ、ロータシャフトに嵌合したときに、デフレク
タ50の両端の突起50b,50bがロータシャフトの内周面
に当接してデフレクタ50を確固として固定しガタの発生
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電動式パワーステ
アリング装置の主要部の断面図である。
【図2】同電動式パワーステアリング装置の要部拡大図
である。
【図3】スクリューナットの正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】図3においてV−V線で切断した断面図であ
る。
【図6】デフレクタの上面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】同下面図である。
【図9】図8においてIX−IX線で切断した断面図で
ある。
【図10】ナットスクリューの取付孔へのデフレクタの
挿入直前の断面図である。
【図11】ナットスクリューの取付孔へデフレクタを挿
入した状態の断面図である。
【図12】ナットスクリューの取付孔へデフレクタを挿
入しかしめた後、外周加工を施した状態の断面図であ
る。
【図13】同側面図である。
【図14】鋼球挿入治具の説明図である。
【図15】別の実施の形態に係るデフレクタの上面図で
ある。
【図16】同側面図である。
【符号の説明】
1…電動式パワーステアリング装置、2…ハウジング、
3…ギヤケース、4…ラックねじ軸、5…タイロッド、
6…ステアリングシャフト、7…ピニオン、10…モー
タ、11…ロータシャフト、12,13…ベアリング、14…巻
線、15…鉄心、16…永久磁石、17…導体、18…ブラシ、
19…整流子、20…ボールねじ、21…ナットスクリュー、
22…デフレクタ、23…かしめ部、24…ロックナット、25
…鋼球、30…鋼球挿入治具、31…ガイド筒、32…鋼球挿
入ノズル、33…挿入ロッド、50…デフレクタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗林 剛 埼玉県狭山市新狭山一丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 倉橋 秀範 埼玉県狭山市新狭山一丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸に鋼球を介してナットスクリュー
    が螺合し、ナットスクリューに嵌着されたデフレクタに
    より鋼球が循環するデフレクタ式ボールねじにおいて、 円筒状のナットスクリューの外周に円筒状のロータシャ
    フトが嵌合し、 デフレクタの外面に設けられた突起が前記ロータシャフ
    トの内周面に当接することを特徴とするデフレクタ式ボ
    ールねじ。
  2. 【請求項2】 前記突起は、前記デフレクタの鋼球が通
    る前後方向の入口側と出口側の前後両端部または同両端
    部の近傍にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項
    1記載のデフレクタ式ボールねじ。
  3. 【請求項3】 前記デフレクタは、前記ナットスクリュ
    ーの取付孔に嵌合し、かしめ固着されたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載のデフレクタ式ボールね
    じ。
  4. 【請求項4】 前記かしめ固着は前記デフレクタの前後
    2か所で行い、前側かしめ部と前端との間および後側か
    しめ部と後端との間に前記突起をそれぞれ設けたことを
    特徴とする請求項3記載のデフレクタ式ボールねじ。
  5. 【請求項5】 鋼球の通る前後方向に長尺で外面の前後
    両端部または同両端部近傍に突起を設けたデフレクタ
    を、円筒状のナットスクリューの取付孔に、前記突起を
    前記ナットスクリューの外周面より突出させて嵌合し、 前記デフレクタの前後2か所をかしめてナットスクリュ
    ーに固着し、 前記ナットスクリューの外周面を前記デフレクタの突起
    とともに同一径に加工し、 前記ナットスクリューの外周に円筒状のロータシャフト
    を嵌合し、 前記ナットスクリューの内側に鋼球を挿入してねじ軸を
    螺入することを特徴とするデフレクタ式ボールねじの組
    付方法。
  6. 【請求項6】 鋼球挿入治具により前記ナットスクリュ
    ーの内側から鋼球を挿入し、 前記鋼球挿入治具の抜き取りに連続して前記ねじ軸を螺
    入することを特徴とする請求項5記載のデフレクタ式ボ
    ールねじの組付方法。
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