JP2007024229A - ボールねじ装置とその製造方法および該ボールねじ装置を用いた電動式動力舵取装置 - Google Patents

ボールねじ装置とその製造方法および該ボールねじ装置を用いた電動式動力舵取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数が少なく小型化が可能なボールねじ装置とその製造方法およびそのボールねじ装置を用いた電動式動力舵取装置を提供する
【解決手段】ナット25のボール転動溝24の一端部24aと他端部24bとの間でボール27を循環させるために、トンネル状の循環穴29がナット25の肉厚内に形成されている。ねじ軸22およびナット25のボール転動溝23,24が対向して形成する軌道26内を転動する複数のボール27は、ナット25のボール転動溝24の端部に設けられた誘導部40に案内されて循環穴29内に送り込まれる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ボールが無限循環するボールねじ装置とその製造方法、および電気モータの補助トルクをラックシャフトに伝達する機構として上記ボールねじ装置を使用した電動式動力舵取装置に関する。
電動式動力舵取装置(電動パワーステアリング装置)では、左右の車輪間に設けられ軸方向に移動して該左右の車輪を転舵するラックシャフトに、電気モータの補助トルクに基づく補助舵取力を作用させるために、回転運動を直線運動に変換するボールねじ装置が用いられている。この電動パワーステアリングに用いられるボールねじ装置は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、ねじ軸の前記ボール転動溝および前記ナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内に配置される複数のボールと、ナットのボール転動溝の一端部と他端部とを繋いでボールを無限循環させるための循環路とを備えている。かかる循環路を備えたボールねじ装置には、例えば、特許文献1に記載されるものがある。
特許文献1に記載されるボールねじ装置は、特許文献1の図2に示されるように、複数のボール4が係合して転動するねじ溝2a、3aがシャフトスクリュ2およびナットスクリュ3に夫々螺旋状に形成され、ナットスクリュ3のねじ溝3aを一回りする毎にボール4が、ナットスクリュ3に形成されたデフレクタ組込み窓部3cに固定されたデフレクタ5のリターン溝5aに案内され、ねじ溝3aの軸線方向の隣接部分間に形成されたねじ山3bを乗り越えて無限循環するように構成されている。
特開平11−270648号公報(段落番号[0025]〜段落番号[0029]、図2)
上述の特許文献1に記載されたボールねじ装置では、ボール4を循環させるためには、ナットスクリュ3に形成されたデフレクタ組込み窓部3cに別途デフレクタ5を固定する必要がある。また、ナットスクリュ3に固定されるデフレクタ5は、ナットスクリュ3とは別に形成され、ナットスクリュ3の隣接するねじ溝3a間に形成されたデフレクタ組込み窓部3cに嵌着されて一体化される。デフレクタ5のリターン溝5aとナットスクリュ3のねじ溝3aとの間では、デフレクタ5をデフレクタ組込み窓部3cに嵌合するだけでは、組付け誤差や加工誤差のため、リターン溝5aとねじ溝3aのつなぎ目に段差が発生し、ボール4が引っかかり滑らかに移動しないため、修正加工が必要となる。このため、特許文献1のようなボールねじ装置では、部品点数が多くなるうえ、デフレクタ5の組付け作業および修正加工が必要となり、製造に時間がかかり、コストの増加となる。
さらに、ボール4はナットスクリュ3のねじ溝3aを一周する前にデフレクタ5により隣接するねじ溝3a間で循環されるので、ナットスクリュ3の一周分のねじ溝3aを転動するボール4の個数が少なくなり、ナットスクリュ3の大きい回転トルクをシャフトスクリュ2の軸移動に変換するためには、ねじ溝2a、3aの条数を増やす必要があり、ナットスクリュ3の幅が大きくなる問題があった。
また、従来の他のボールねじ装置においては、ナットのボール転動溝の一端部と他端部とをナットと別体のリターンパイプで繋いでボールを無限循環させているが、リターンパイプおよびこれをナットに取り付ける取付け具など部品点数が多くなり、その組付け作業が必要となる。さらに、ナットの外周にリターンパイプを取り付けるので、リターンパイプをナット外周部分から略直角に滑らかに屈曲させてボール転動溝と対向させることは容易でなく、ナットの外径も大きくなる問題があった。
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、部品点数が少なく小型化が可能なボールねじ装置とその製造方法およびそのボールねじ装置を用いた電動式動力舵取装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、前記ねじ軸の前記ボール転動溝および前記ナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内を転動する複数のボールと、前記ナットのボール転動溝の一端部と他端部とを繋いで前記ボールを無限循環させるための循環路を備えたボールねじ装置において、前記循環路は、ボール転動溝の一端部と他端部との間で前記ボールを移動させるように前記ナットの肉厚内に形成されたトンネル状の循環穴と、前記軌道を転動するボールを前記循環穴内に送り込むように前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部に夫々設けられた誘導部とから構成されていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記循環穴は、前記ナットの外周面に形成された外周開口部と、該外周開口部から前記ナットの肉厚内に形成され前記ボール転動溝の一端部および他端部で前記ナット内周に夫々開口する側方穴とから構成されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記ナットのボール転動溝は、複数巻きの螺旋状であることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1から3のいずれか1項において、前記ナットのボール転動溝が形成されたナット内周面の直径は、前記軌道内を転動するボールの中心が通る円筒面の直径より大きく、前記ナット内周面の前記ボール転動溝の一端部および他端部より前記ナットの一側面側および他側面側の両側縁は、前記ボール転動溝が形成されていないランド部とされ、前記循環穴の一端部および他端部は前記ランド部に夫々開口され、前記誘導部は、前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部を前記循環穴の両端開口部に夫々接続するように前記ランド部に形成された誘導溝と、前記循環穴の前記ランド部への開口縁部とによって構成されていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、車輪に連結された転舵軸の軸方向移動により車輪を転舵させるように構成されるとともに、電気モータがボールねじ装置を介して前記転舵軸に連結されており、前記電気モータの回転出力が前記転舵軸の軸方向移動に変換される電動式動力舵取装置において、前記ボールねじ装置が請求項1から4のいづれか1項に記載のボールねじ装置であることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、前記ねじ軸の前記ボール転動溝および前記ナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内を転動する複数のボールと、前記ナットのボール転動溝の一端部と他端部とを繋いで前記ボールを無限循環させるための循環路を備え、前記循環路は、ボール転動溝の一端部と他端部との間で前記ボールを循環させるように前記ナットの肉厚内に形成されたトンネル状の循環穴と、前記軌道を転動するボールを前記循環穴内に送り込むように前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部に夫々設けられた誘導部とから構成されるボールねじ装置の製造方法にして、前記ナットの外周面に形成された外周開口部から工具を挿入することにより前記ボール転動溝の一端部および他端部で前記ナット内周に夫々開口する循環穴を前記ナットの肉厚内に加工することである。
請求項1に係る発明においては、トンネル状の循環穴がナットの肉厚内に滑らかに屈曲して形成され、ナットのボール転動溝の一端部および他端部に誘導部が設けられているので、軌道を転動するボールは、ボール転動溝の両端の一方から誘導部に案内されて循環穴の開口部から循環穴内に送り込まれ、循環穴内をスムーズに移動して循環穴の他方の開口部からボール転動溝の両端の他方に円滑に戻ることができる。そして、従来のようにナットに部品を別途取付ける必要がないので、ナットの外径および幅を小さくして小型化が可能なボールねじ装置を提供することができる。
請求項2に係る発明においては、ボールを循環させる循環穴は、ボール転動溝の一端部および他端部でナット内周に夫々開口する側方穴がナットの外周面に形成された外周開口部から工具を挿入して加工されることによって形成されるので、ボールを循環させるための循環穴をナットの肉厚内にトンネル状に適切に形成したボールねじ装置を提供することができる。
請求項3に係る発明においては、ボールは、ナットの螺旋状に複数巻きしたボール転動溝の両端部の一方から循環穴の開口部からナットの肉厚内に形成された循環穴内に送り込まれ、循環穴の他方の開口部からボール転動溝の両端部の他方に戻されるので、ナットの一周分のボール転動溝に配列されるボールの個数を多くすることができ、ナットの幅および外径を小さくし、且つナットの大きい回転トルクをねじ軸の軸移動に変換することができる。
請求項4に係る発明においては、ナットの内周面の直径が、軌道内を転動するボールの中心が通る円筒面の直径より大きくされ、循環穴の一端部および他端部は、ナットのボール転動溝の一端部および他端部のボール転動溝が形成されていないランド部に夫々開口されているので、ボールはナットのボール転動溝の端部に連続して形成された誘導溝に案内され循環穴の開口縁部で掬われて循環穴内に送り込まれるので、ボールを掬って循環穴内に送り込む誘導部材をナットの転動溝に別途固定する必要がない。
請求項5に係る発明においては、部品点数が少なく、組み付け性を向上した電動式動力舵取装置を提供することができる。
請求項6に係る発明においては、ナットの外周面に形成された外周開口部から工具を挿入することにより、ボール転動溝の一端部および他端部でナット内周面に夫々開口する循環穴をナットの肉厚内に加工するので、ナットの肉厚内にトンネル状の循環穴を適切に加工することができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は車体へ搭載した電動式動力舵取装置の概略構成を示す図であり、図2はボールねじ装置を使用した電動式動力舵取装置の実施形態を示す断面図である。 図1および図2において、10は電動式動力舵取装置を示し、この電動式動力舵取装置10は、車両の左右方向に延在して配設されて車体(図示省略)に取付けられるアルミ製のハウジング11に、ラックシャフト12、ボールねじ装置13、入力軸14および電気モータ15等が備えられている。
ハウジング11は、円筒状に形成されたモータハウジング16の両端に、それぞれ中空状に形成されたラックハウジング17,18が同軸上に嵌合され、全体として一体的な筒状に形成されている。また、ハウジング11は、ラックハウジング17,18に形成された取付部17a,18aを介して、図示しない車両のボディにねじ止めされて支持されている。
ハウジング11には、ラックシャフト12が挿入配置され、ラックシャフト12の一側外周にはラック歯12aが形成されている。ラック歯12aは、ステアリングホイール19から操舵力が伝達される入力軸14の先端に刻設されたピニオン歯車20と噛合し、このピニオン歯車20の回転によってラックシャフト12が軸線方向(図1における左右方向)へ移動される。
ラックシャフト12の他側外周には、ボールねじ装置13を構成するねじ軸22が形成されている。ボールねじ装置13は、図3に示すように、外周面に螺旋状のボール転動溝23を有するねじ軸22と、内周面に螺旋状のボール転動溝24を有するナット25と、ねじ軸22のボール転動溝23およびナット25のボール転動溝24が対向して形成する軌道26内を転動する複数のボール27と、ナット25のボール転動溝24の一端部24aと他端部24bとを繋いでボール27を無限循環させるための循環路28を備えている。
ねじ軸22のボール転動溝23とナット25のボール転動溝24との間に、ボール27を介して適切な予圧を付与するために、同一構成のボールねじ装置13が一対設けられている。ねじ軸22の回転が規制され一対のナット25が当接した状態で、一方ナット25が回転を規制され他方ナット25に所定の回転トルクが付与されると、他方ナット25が移動しようとする方向とは逆方向にねじ軸22を移動させる力が発生する。これにより、他方ナット25のボール転動溝24の一方ナット25に近い側の溝側面に当接するボール27は、ねじ軸22のボール転動溝23の一方ナット25から遠い側の溝側面に当接し、一方ナット25のボール転動溝24の他方ナット25に近い側の溝側面に当接するボール27は、ねじ軸22のボール転動溝の他方ナット25から遠い側の溝側面に当接して力の閉ループが形成され予圧が付与される。
図3から図7に示すように、循環路28は、ナット25のボール転動溝24の一端部24aと他端部24bとの間でボール27が移動するようにナット25の肉厚内に形成されたトンネル状の循環穴29と、循環穴29のナット内周面30への両端開口部に軌道26を連通させるように、ナット内周面30にナット25のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bに夫々連続して形成された誘導部31a,31bとから構成されている。
循環穴29は、ナット25の外周面に沿って形成された外周穴32と、外周穴32の一端部32aおよび他端部32bからナット25の肉厚内に形成されボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bでナット25の内周面30に夫々開口する側方穴33a,33bとから構成されている。ナット25の外周面には、外周穴32および側方穴33a,33bを加工する工具を挿入するための外周開口部34が形成されている。外周穴32は、一端部32aおよび他端部32bがボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bに夫々接近するように軸線に対して傾斜され、側方穴33a,33bは、外周穴32の一端部32aおよび他端部32bから円周方向に傾斜して穿設され、ボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bでナット内周に夫々開口されている。
外周開口部34は、ボール27と略同径の端穴46a,46bが外周穴32の両端部に対応してナット25の外周面に半径方向にボール27の直径と同じ深さに穿設され、ボール27と略同径に整形された切削刃を有する工具の軸部を通過させるために、ボール27の直径より小さい幅の長溝35がナット25の外周面に外周穴32の中心に沿って設けられている。この長溝の一端部に設けられた端穴46aから工具の切削刃が挿入され、工具の軸部が長溝35を通過する状態で、工具が外周穴32の中心に沿って移動されることにより、ボール27と略同径の外周穴32がナット25の外周面に沿って天井が開いたトンネル状に形成される。ボール27が外周穴32を移動するとき、ボール27の頂点がナット25の外周面より僅かに内側となるように外周穴32は形成されている。側方穴33a,33bは、外周開口部34の両端穴46a,46bから工具を円周方向に傾斜させて挿入することにより穿設される。
ナット内周面30には、ボール転動溝24が3周にわたって所定間隔(等ピッチ)で螺旋状に形成され、ナット内周面30のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bよりナット25の一側面側および他側面側の側縁部は、ボール転動溝24が形成されていないランド部47a,47bとなっている。循環穴29の一端部29aおよび他端部29bはランド部47a,47bに夫々開口され、誘導溝31a,31bは、ランド部47a,47bにナット25のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bに夫々連続して溝状に形成されている。誘導溝31a,31bは、ねじ軸22のボール転動溝23と協働して軌道26を転動するボール27を循環穴29の一端部29aおよび他端部29bに夫々円滑に案内する。
ナット内周面30の直径D2は、軌道26内を転動するボール27の中心が通る円筒面の直径D1より大きく形成され、誘導溝31a,31bを移動するボール27は、ランド部47a,47bに開口する循環穴29の一端部29aおよび他端部29bの開口縁部、即ち側方穴33a,33bのランド部47a,47bへの開口縁部33cに掬われて循環穴29内に送り込まれる。
軌道26を転動するボール27を循環穴29内に送り込むようにナット25のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bに夫々設けられた誘導部40a,40bは、ナット25のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bを循環穴29の両端開口部29a,29bに夫々接続するようにランド部47a,47bに形成された誘導溝31a,31bと、循環穴29のランド部47a,47bへの開口縁部31cとによって構成されている。
電気モータ15は、ボールねじ装置13を介してラックシャフト12に軸方向のアシスト力を付与するものであり、モータシャフトであるロータ36とステータ37とから構成される。ロータ36は中空円筒状に形成され、モータハウジング16およびラックハウジング17に回転可能に軸承されている。ロータ36の中空穴には、ラックシャフト12が同軸的に貫通して挿通されている。ロータ36の外周には、平板状の永久磁石36aが複数接着され、この永久磁石36aに対向してステータ37がモータハウジング16の内周に配置されている。このステータ37は複数のコイル37aを備え、このコイル37aに通電して発生する磁束を永久磁石36aに作用させることによりロータ36が回転される。また、ロータ36の内周には、一対のナット25が嵌合され、抜け止めナット38によってロータ36に嵌着固定され、ロータ36とともに回転する。また、モータハウジング16のラックハウジング17側の内周には回転角検出センサ39が設けられロータ36の回転位置等を検出できるようになっている。
また、電気モータ15は、図1に示すように、制御回路41に電気的に接続されており、制御回路41はステアリングホイール19の操作により生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ43とロータ36の回転角を検出する回転角検出センサ39とに電気的に接続されている。トルクセンサ43はステアリングシャフト45を構成する操作軸45aと作動軸45bとの間に配設され、操作軸45aと作動軸45bとの相対角変位に基づいて操舵トルクを検出するよう構成されている。この制御回路41はトルクセンサ43と回転角検出センサ39の検出結果に応じて、補助トルク(アシスト力)を働かせるべき方向および大きさを電気モータ15に生じさせるようになっている。
上記のように構成された電動式動力舵取装置10の動作について以下説明する。ステアリングホイール19を操舵すると、操舵トルクがステアリングシャフト45を介して入力軸14に伝達される。操舵トルクはピニオン歯車20とラック歯12aとによるラックアンドピニオン機構によって、ラックシャフト12を軸方向に移動させる操舵力に変換される。
このとき、トルクセンサ43が上記操舵トルクを検出し、回転角検出センサ39が電気モータ15のロータ36の回転位置等を検出し、これらの操舵トルクおよび電気モータ15のロータ36の回転位置等に基づいて制御回路41が補助トルクを電気モータ15に発生させる。この補助トルクはボールねじ装置13によってラックシャフト12の軸方向の移動を補助する補助操舵力に変換される。これにより、運転者によるステアリングホイール19の操舵力が軽減される。
また、このとき電気モータ15によってロータ36とともにナット25がラックシャフト12に対し回転するボールねじ装置13では、各ボール27は、それぞれ負荷を受けつつ軌道26を転動する。そして、ロータ36が例えば右回転されると、ボール27は、螺旋状に複数巻きされたナット25のボール転動溝24の一端部24aから誘導溝31aに案内されランド部47aに開口する側方穴33aの開口縁部33cに掬われて側方穴33a内に送り込まれ、外周穴32を通って側方穴33bの開口からボール転動溝24の他端部24bに戻される。
次に、循環路28の加工方法について図8を用いて説明する。加工にはボール27と略同径に整形された切削刃部49を有するボールエンドミル48等が使用され、以下に示す(1)から(7)の順序で加工される。
(1)ナット25の外周面に、ボール27の直径より幅が狭い長溝35を外周穴32の中心線に沿って刻設する。
(2)長溝35の両端にボール27の直径と同径の端穴46a,46bをボール27の直径と略同じ深さで半径方向に穿設する。
(3)ボール27と略同径に整形されたボールエンドミル48の切削刃部49を長溝35の一端に設けられた端穴46aから挿入し、ボールエンドミル48の軸部50が長溝35を通過する状態で、切削刃部49を外周穴32の中心に沿って移動させることにより、ボール27と略同径の外周穴32をナット25の外周面に沿って天井が開いたトンネル状に形成する。
(4)ボール27の直径より小さい直径のドリルを端穴46a,46bから円周方向に傾斜させて挿入することにより、側方穴33a,33bの下穴を穿設する。
(5)ボール27と略同径に整形されたボールエンドミル48の切削刃部49を端穴46a,46bから挿入し、側方穴33a,33bの中心線に沿ってナット内周面30のランド部47a,47bまで送ることにより側方穴33a,33bをナット25の肉厚内に形成する。
(6)ボールエンドミル48の切削刃部49をナット25の一側方からナット25の内周に挿入し、軌道26を転動するボール27をねじ軸22のボール転動溝23と協働してナット25に形成した側方穴33aの開口部に円滑に案内するための誘導溝31aをボール転動溝24の一端部24aに連続してランド部47aに加工する。
(7)ボールエンドミル48の切削刃部49をナット25の他側方からナット25の内周に挿入し、軌道26を転動するボール27をねじ軸22のボール転動溝23と協働してナット25に形成した側方穴33bの開口部に円滑に案内するための誘導溝31bをボール転動溝24の他端部24bに連続してランド部47bに加工する。
上記実施の形態では、ナット25の内周面30の直径D2を、軌道26内を転動するボール27の中心が通る円筒面の直径D1より大きくすることにより、循環穴29がナット内周面30のランド部47a,47bに開口する開口縁部でボール27を掬って潤滑穴29内に送り込んでいるが、ナット内周面30にランド部47a,47bを設けることなく、螺旋状のボール転動溝24をナット内周面30の両側端まで形成し、軌道26を転動するボール27を掬って循環穴29内に送り込む誘導部材をナット25のボール転動溝24の一端部24aおよび他端部24bに固定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、ナット25のボール転動溝24は、螺旋状に複数巻きで形成されているが、一巻きとしてもよい。この場合、ナット25の外周面に形成される外周開口部34は、長溝35を無くし、ボール27の直径と同じ直径で略同じ深さに半径方向に穿設した穴とする。
上記実施の形態では、外周開口部34を長溝35と長溝35の両端部に穿設されたボール27と略同径の端穴46a,46bで構成し、外周穴32および側方穴33a,33bをボール27と略同径の切削刃部49を有するボールエンドミル48で加工しているが、外周開口部34をボール27の直径より小さい幅を有する長溝35のみとし、ボールエンドミル48の切削刃部49を長溝35の幅と同じ直径に整形し、この切削刃部49を長溝35から挿入し、切削刃部を螺旋状に移動させることにより外周穴32および側方穴33a,33bをボール27と略同径に加工するようにしてもよい。
また、 本発明を適用する電動式動力舵取装置は、図2に詳細を示したような、モータ(ロータおよびステータ)がラックシャフトを同軸的に包囲するように構成されたものに限られないことは言うまでもない。例えば、特開2003−300470に記載されているような、電気モータの回転軸線とラックシャフトの中心軸線とが交差するように電気モータが配置され、この電気モータの回転出力を傘歯車機構のような伝動機構を介してボールねじ装置のナットに伝達するように構成された電動式動力舵取装置であってもよい。また、前記伝動機構として平歯車機構または伝動ベルト機構を採用すれば、前記電気モータの回転軸線が前記ラックシャフトの中心軸線と平行(同軸でない)となるように電気モータを配置することも可能である。
本実施の形態に係るボールねじ装置を使用した電動式動力舵取装置を車体に搭載した概略構成図。 本実施の形態に係るボールねじ装置を使用した電動式動力舵取装置の断面図。 本実施の形態に係るボールねじ装置の断面図 本実施の形態に係るボールねじ装置のナットを示す図。 図4における5−5矢視断面図。 図4における6−6矢視断面図。 ナットを斜め平面で切断して循環路を示した図。 循環路を加工する方法を示す図。
符号の説明
10…電動式動力舵取装置、11…ハウジング、12…ラックシャフト、12a…ラック歯、13…ボールねじ装置、14…入力軸、15…電気モータ、16…モータハウジング、17,18…ラックハウジング、19…ステアリングホイール、20…ピニオン歯車、22…ねじ軸、23,24…ボール転動溝、24a,24b…ボール転動溝の一端部および他端部、25…ナット、26…軌道、27…ボール、28…循環路、29…循環穴、30…ナット内周面、31a,31b…誘導溝、32…外周穴、33a,33b…側方穴、33c…開口縁部、34…外周開口部、35…長溝、40a,40b…誘導部、41…制御回路、46a,46b…端穴、47a,47b…ランド部、48…ボールエンドミル、49…切削刃部、50…軸部。

Claims (6)

  1. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、前記ねじ軸の前記ボール転動溝および前記ナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内を転動する複数のボールと、前記ナットのボール転動溝の一端部と他端部とを繋いで前記ボールを無限循環させるための循環路を備えたボールねじ装置において、
    前記循環路は、ボール転動溝の一端部と他端部との間で前記ボールを移動させるように前記ナットの肉厚内に形成されたトンネル状の循環穴と、前記軌道を転動するボールを前記循環穴内に送り込むように前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部に夫々設けられた誘導部とから構成されていることを特徴とするボールねじ装置。
  2. 請求項1において、前記循環穴は、前記ナットの外周面に形成された外周開口部と、該外周開口部から前記ナットの肉厚内に形成され前記ボール転動溝の一端部および他端部で前記ナット内周に夫々開口する側方穴とから構成されていることを特徴とするボールねじ装置。
  3. 請求項1または2において、前記ナットのボール転動溝は、複数巻きの螺旋状であることを特徴とするボールねじ装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記ナットのボール転動溝が形成されたナット内周面の直径は、前記軌道内を転動するボールの中心が通る円筒面の直径より大きく、前記ナット内周面の前記ボール転動溝の一端部および他端部より前記ナットの一側面側および他側面側の両側縁は、前記ボール転動溝が形成されていないランド部とされ、前記循環穴の一端部および他端部は前記ランド部に夫々開口され、前記誘導部は、前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部を前記循環穴の両端開口部に夫々接続するように前記ランド部に形成された誘導溝と、前記循環穴の前記ランド部への開口縁部とによって構成されていることを特徴とするボールねじ装置。
  5. 車輪に連結された転舵軸の軸方向移動により車輪を転舵させるように構成されるとともに、電気モータがボールねじ装置を介して前記転舵軸に連結されており、前記電気モータの回転出力が前記転舵軸の軸方向移動に変換される電動式動力舵取装置において、
    前記ボールねじ装置が請求項1から4のいづれか1項に記載のボールねじ装置であることを特徴とする電動式動力舵取装置。
  6. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、前記ねじ軸の前記ボール転動溝および前記ナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内を転動する複数のボールと、前記ナットのボール転動溝の一端部と他端部とを繋いで前記ボールを無限循環させるための循環路を備え、
    前記循環路は、ボール転動溝の一端部と他端部との間で前記ボールを循環させるように前記ナットの肉厚内に形成されたトンネル状の循環穴と、前記軌道を転動するボールを前記循環穴内に送り込むように前記ナットのボール転動溝の一端部および他端部に夫々設けられた誘導部とから構成されるボールねじ装置の製造方法にして、
    前記ナットの外周面に形成された外周開口部から工具を挿入することにより前記ボール転動溝の一端部および他端部で前記ナット内周に夫々開口する循環穴を前記ナットの肉厚内に加工することを特徴とするボールねじ装置の製造方法。
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