JPH11270481A - 密閉型回転式圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】密閉容器の底部に回転式圧縮要素が収容された
密閉型回転式圧縮機において、簡単な構造を採用するこ
とにより、圧縮室のシール性を向上させる。 【解決手段】密閉容器の底部に回転式圧縮要素が収容さ
れると共にオイルが貯留された密閉型回転式圧縮機にお
いて、圧縮室６シリンダブロック５の上下面を密閉する
メインフレーム、ベアリングプレート８に、それぞれシ
リンダブロック５に形成されたベーンスロット５ａの少
なくとも２／３を覆うベーンスロット被覆部８ａを突出
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫等に使用す
る密閉型回転式圧縮機に関するものであり、詳しくは、
密閉容器の底部に回転式圧縮要素を収容し、その上方に
回転式圧縮要素を駆動する電動要素を収容した密閉型回
転式圧縮機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】密閉型回転式圧縮機として、従来、図２
及び図３に示すものが知られている。その圧縮機は、密
閉容器１の底部に回転式圧縮要素２が収容され、その上
方に電動要素（モータ）３が収容されている。

【０００３】回転式圧縮要素２は、密閉容器１に固定さ
れ、回転軸４の回転中心と同心に圧縮室６を形成するシ
リンダブロック５と、圧縮室６を中心としたシリンダブ
ロック５の上面、下面をそれぞれ気密に閉塞するメイン
フレーム７、ベアリングプレート８と、回転軸４に偏心
して装着され、回転軸４の回転により圧縮室６の内壁に
沿って転動するローラ９と、ローラ９の外周部にバネ１
１によって圧接され、圧縮室６内を吐出側の高圧室６ａ
と吸入側の低圧室６ｂに区画するベーン１０とよりなっ
ている。

【０００４】モータ３は、密閉容器１に固定された固定
子３ａと、回転軸４に固定された回転子３ｂとよりなっ
ている。その回転軸４は、メインフレーム７とベアリン
グプレート８の軸受部に軸支されている。

【０００５】これらの他に、密閉型回転式圧縮機には、
圧縮室６の低圧室６ｂに開口する吸入管１２及び、吸入
管１２より吸入され、圧縮室６の高圧室６ａで圧縮され
て密閉容器１の内部へ送られた冷媒ガスを密閉容器１の
外へ吐出する吐出管１３が設けられている。

【０００６】この密閉型回転式圧縮機は、モータ３に通
電されると、回転子３ｂと共に回転軸４が回転し、吸入
管１２より吸引された冷媒ガスは、ローラ９によって圧
縮室６の高圧室６ａで圧縮される。そして、メインフレ
ーム７に設けられた吐出口７ａ、吐出弁１４を経て密閉
容器１の内部に吐出され、吐出管１３より外部の冷凍回
路に送出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記の密閉型回転式圧
縮機において、メインフレーム７、ベアリングプレート
８は、圧縮室の上下は完全に密閉しているが、ベーン１
０のスロットは全長の１／３程度が覆われているだけで
ある。通常は、密閉容器１の内部底部にはシリンダーブ
ロック５が浸る程度にオイルが貯留されているので、ベ
ーン１０のスロットもオイルによりシールされている。
ところが、冷媒と共にオイルが冷凍回路に送出され、圧
縮機内部のオイル量が一時的に減少する場合がある。オ
イル量が減少すると、オイルによるシール作用が低下す
ることになり、高圧室６ａ内の冷媒は、メインフレーム
７、ベアリングプレート８の外側に露出するベーン１０
のスロットの間隙から密閉容器１内部に漏れ出たり、低
圧室６ｂ内に冷媒が入り込んだりして好適な圧縮が行え
ない等の問題があった。

【０００８】この冷媒の漏れを防ぐために、メインフレ
ーム７及びベアリングプレート８の直径を充分に大きく
してベーン１０のスロット全体を覆うようにしたり、別
部材でベーン１０のスロットを上下から覆うようにする
ことも考えられる。しかしながら、前者は部材が大きく
なるので、装置全体として重くなり、材料費も高くな
る。また後者は、部品点数が増し、材料費、組立費とも
に割高となる。

【０００９】本発明は、密閉容器の底部に回転式冷媒圧
縮装置が収容された密閉型回転式圧縮機において、簡単
な構造を採用することにより、ベーンのシール性を向上
させることを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の密閉型回転式圧
縮機は、モーター（３）が密閉容器（１）の上部に収容
され、圧縮室（６）を形成するシリンダーブロック５
と、その上下面をそれぞれ密閉するメインフレーム
（７）、ベアリングフレーム８と、前記モーターの回転
軸（４）に偏心して装着され該軸（４）の回転により圧
縮室（６）の内壁に沿って転動するローラー（９）と、
ローラー（９）の外周部に圧接され圧縮室（６）内を高
圧室６ａと低圧室６ｂに区画するベーン（１０）と、シ
リンダーブロック５に形成され、ベーン（１０）が収納
されるベーンスロット５ａからなる密閉型回転式圧縮機
において、メインフレーム（７）及びベアリングプレー
ト８はベーンスロット５ａの少なくとも２／３を覆うベ
ーンスロット被覆部８ａを突出形成したことを特徴とす
るものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】図３を参照し、本発明の密閉型回
転式圧縮機の実施形態について説明する。図３は、ベア
リングプレート８についてものもであるが、メインフレ
ームについても全く同様であるので、図示省略する。

【００１２】この圧縮機は、密閉容器の底部に回転式圧
縮要素が収容され、その上方に回転式圧縮要素を駆動す
るためのモータが収容され、且つ、密閉容器の底部にオ
イルが貯留された基本構成は、従来例と全く同じであ
り、重複するので説明を省略する。

【００１３】本発明の特徴点は、ローラ（９）の収容さ
れる圧縮室（６）がモータの回転軸（４）の回転中心と
同心に形成され、且つ、ベーン（１０）が収容されるベ
ーンスロット５ａが設けられたシリンダーブロック５の
上面、下面をそれぞれ気密に閉塞するベアリングプレー
ト８及びメインフレームに、ベーンスロット被覆部８ａ
を新たに突出形成したことである。なお、括弧付きの符
号は、図１、図２における同部材を示す。それは、以下
の説明においても同様である。

【００１４】このベーンスロット被覆部８ａは、全体を
覆うものでもよいが、少なくともベーンスロット５ａの
２／３を覆う大きさが必要である。即ち、ベーンスロッ
ト５ａの２／３を覆う大きさがあれば、圧縮室の実質上
のシール性は充分である。また、突出形状は、ベーンス
ロット５ａを覆うように形成されているので、全体とし
ての重さは従来のものとほとんど変わらない。

【００１５】このようなメインフレーム及びベアリング
プレート８を設けた密閉型回転式圧縮機においては、シ
リンダーブロック５のベーンスロット５ａの少なくとも
２／３がベーンスロット被覆部８ａにより覆われるの
で、何らかの原因で一時的に貯留オイル量が減少し、シ
ール作用が低下しても、圧縮室（６）内の冷媒が密閉容
器（１）内部に漏れたり、密閉容器（１）内部から圧縮
室（６）内に入り込んだりすることはなく、圧縮動作を
行うことができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００１７】即ち、単にメインフレーム及びベアリング
プレートにベーンスロット被覆部を突設するという簡単
な構成により、何らかの原因で圧縮機内のオイルが減少
しても、圧縮室内の冷媒が密閉容器内部に漏れたり、密
閉容器内部から圧縮室内部に入り込んだりすることな
く、好適な圧縮動作を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の密閉型回転式圧縮機を構成するシリン
ダブロック及びベアリングプレートの裏面図である。

【図２】密閉型回転式圧縮機の縦断面図である（但し、
機能を理解しやすくするために、図３におけるベーン１
０から中心に延び、更に中心から吸入管１２へと延びる
面で変則的に切断している）。

【図３】密閉型回転式圧縮機の横断面図である。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ２ 回転式冷媒圧縮装置 ３ モータ ４ 回転軸 ５ シリンダブロック ５ａ ベーンスロット ６ 圧縮室 ７ メインフレーム ８ ベアリングプレート ８ａ ベーンスロット被覆部 ９ ローラ １０ ベーン １２ 吸入管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】密閉容器の上部に収容された電動要素と、
   前記密閉容器の下部に収容され、前記電動要素により駆
   動される圧縮要素を備え、この圧縮要素は圧縮室を形成
   するシリンダーブロックと、前記圧縮室の上下をそれぞ
   れ密閉するメインフレーム及びベアリングフレームと、
   前記電動要素の回転軸に偏心して装着され、前記圧縮室
   の内壁に沿って転動するローラと、前記ローラに圧接さ
   れ、前記圧縮室内を高圧室と低圧室に区画するベーン
   と、前記シリンダーブロックに形成され、前記ベーンが
   収納されるベーンスロットからなる密閉型回転式圧縮機
   において、前記メインフレーム及びベアリングプレート
   は前記ベーンスロットの少なくとも２／３を覆うベーン
   スロット被覆部を突出形成したことを特徴とする密閉型
   回転式圧縮機。