JPH11269738A - ポリエステル複合製品 - Google Patents

ポリエステル複合製品

Info

Publication number
JPH11269738A
JPH11269738A JP11003294A JP329499A JPH11269738A JP H11269738 A JPH11269738 A JP H11269738A JP 11003294 A JP11003294 A JP 11003294A JP 329499 A JP329499 A JP 329499A JP H11269738 A JPH11269738 A JP H11269738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
composite product
polyester fiber
length
polyester composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11003294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Maeda
行弘 前田
Setsuo Taguchi
節男 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11003294A priority Critical patent/JPH11269738A/ja
Publication of JPH11269738A publication Critical patent/JPH11269738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】良好な反発性と寸法安定性を兼ね備え、優れた
形状保持性および表面品位と強度を有するポリエステル
複合製品。 【解決手段】下記(1)〜(2)等の特性を満足するポ
リエステル繊維とそれ以外の素材を少なくとも含む製品
であって、該ポリエステル繊維の長さとそれ以外の素材
の長さが特定条件を満足する関係にあるポリエステル複
合製品。 (1)小角X線散乱散乱像が層線状散乱像を呈し、子午
線あるいは赤道から散乱像の中心までの距離rにより式
1で求められるJ値が15nm以下、 J=λ/2sin[{tan−1(r/R)}/2]
…<式1> R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)密度が1.350〜1.395、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた風合いを有
するポリエステル複合製品およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ナイロンやポリエステルなど
の合成繊維は、高性能を有することから、衣料用あるい
は産業用分野に広く用いられている。
【0003】しかし、ナイロンは水分を吸うと伸び、乾
燥すると収縮するという乾湿時における寸法安定性が著
しく劣り、寸法安定性を重視する分野には使いずらい素
材である。そのため、近年、衣服用繊維としては、ほと
んどがポリエステルに置替わりつつある。
【0004】一方、ポリエステルは乾湿時の寸法安定性
が良好である反面、反発性が弱く、繰り返し屈曲に対し
てヘタリやすい欠点を有している。そのため、一般にポ
リマコストがナイロン6やナイロン66に比し安価にも
かかわらず、歯ブラシや人工芝生、カーペットなどの用
途には殆ど使用されていない。
【0005】また、特開平2−289101号公報では
スパイラル捲縮を示す複合繊維を用いた芯地、特開平3
−130434号公報ではループ毛羽形成糸を用いた編
織物からなる芯地、特開平3−152203号公報では
捲縮性糸を用いた接着芯地が開示されている。
【0006】しかし、従来のポリエステル繊維は反発性
が乏しく、芯地などの用途で良好な反発性を要する場合
には、高反発性を有する馬毛や人毛などの獣毛と複合し
て用いるなどの工夫が必要であった。また、反発性の高
い芯地ほど衣服の形状になじみにくいため、高度な縫製
技術を要するなどの欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリエステル繊
維では、良好な反発性と寸法安定性を兼ね備え、それに
加えて優れた嵩高感などの風合いと強度を有する製品は
得難いのが現状である。
【0008】本発明は、上記の欠点を解決し、良好な反
発性と寸法安定性を兼ね備え、かつ優れた嵩高感のある
優れた風合いと強度を有するポリエステル複合製品およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明のポリエステル複合製品は、次の通りの構成をとる
ものである。すなわち、下記(1)〜(5)の特性を満
足するポリエステル繊維とそれ以外の素材を少なくとも
含む製品であって、該ポリエステル繊維の長さとそれ以
外の素材の長さが下記(a)を満足する関係にあること
を特徴とするポリエステル複合製品。
【0010】(1)小角X線散乱写真撮影によって得ら
れた散乱像が層線状散乱像を呈し、かつ該写真上の子午
線あるいは赤道から散乱像の中心までの距離rにより下
記の式1で求められるJ値が15nm以下であり、 J=λ/2sin[{tan−1(r/R)}/2] …<式1> ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)密度が1.350〜1.395であり、(3)広
角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面指数(0
10)において2.0nm〜4.0nm、面指数(10
0)において2.0nm〜4.0nm、面指数(1バア
05以下105と記載)において1.5nm〜4.2n
mであり、(4)広角X線回折測定から得られた面指数
(010)の結晶配向度が65%〜80%であり、
(5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.150〜0.
350である。
【0011】(a)ポリエステル複合製品において、少
なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維の長さとそ
れ以外の素材のうち少なくとも1つの素材の長さの間に
下記式2および式3を満たす部分を有する。
【0012】 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
応力変曲点の伸度(%) あるいは、下記(1)〜(5)の特性を満足するポリエ
ステル繊維とそれ以外の素材を少なくとも含む製品であ
って、該ポリエステル繊維の長さとそれ以外の素材の長
さが下記(a)を満足する関係にあることを特徴とする
ポリエステル複合製品。
【0013】(1)小角X線散乱写真撮影によって得ら
れた散乱像が層線状四点散乱像を呈し、かつ、該写真上
から求めた長周期のDm値が8nm〜15nmであり、
De値が15nm〜35nmであり、(2)密度が1.
350〜1.395であり、(3)広角X線回折測定か
ら得られた結晶サイズが、面指数(010)において
2.0nm〜4.0nm、面指数(100)において
2.0nm〜4.0nm、面指数(105)において
1.5nm〜4.2nmであり、(4)広角X線回折測
定から得られた面指数(010)の結晶配向度が65%
〜80%であり、(5)偏光蛍光法による非晶配向度が
0.150〜0.350であり、(a)ポリエステル複
合製品において、少なくとも1つの上記特定のポリエス
テル繊維の長さとそれ以外の素材のうち少なくとも1つ
の素材の長さの間に下記式2および式3を満たす部分を
有する。
【0014】 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
応力変曲点の伸度(%)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明をする。
【0016】本発明は次に述べる特性値を有するポリエ
ステル複合製品によって良好な反発性と寸法安定性を兼
ね備えかつ優れた形状保持性および表面品位を有する製
品を提供できることを見出したものである。
【0017】本発明の一態様は、下記(1)〜(5)の
特性を満足するポリエステル繊維とそれ以外の素材を少
なくとも含む製品であって、該ポリエステル繊維の長さ
とそれ以外の素材の長さが下記(a)を満足する関係に
あることを特徴とするポリエステル複合製品である。
【0018】(1)小角X線散乱写真撮影によって得ら
れた散乱像が層線状散乱像を呈し、かつ該写真上の子午
線あるいは赤道から散乱像の中心までの距離rにより下
記の式1で求められるJ値が15nm以下、好ましく8
〜12nmであり、 J=λ/2sin[{tan−1(r/R)}/2] …<式1> ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)密度が1.350〜1.395であり、好ましく
は1.370〜1.390である。
【0019】(3)広角X線回折測定から得られた結晶
サイズが、面指数(010)において2.0nm〜4.
0nm、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、面
指数(100)において2.0nm〜4.0nm、好ま
しくは2.5nm〜3.8nmであり、面指数(10
5)において1.5nm〜4.2nmであり、好ましく
は2.0nm〜3.5nmである。
【0020】(4)広角X線回折測定から得られた面指
数(010)の結晶配向度が65%〜80%であり、好
ましくは70%〜80%である。
【0021】(5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.
150〜0.350であり、好ましくは0.200〜
0.320である。
【0022】(a)ポリエステル複合製品において、ポ
リエステル複合製品が反発性と強度を併せ持つために
は、少なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維の長
さとそれ以外の素材のうち少なくとも1つの素材の長さ
の間に下記の式2および式3を満たす(条件イ)部分が
ある。条件イを満たす部分を持つポリエステル複合製品
において、条件イを満たさない部分が式5を満たすこと
は好ましい態様であり、ポリエステル複合製品全体が条
件イを満たすことはより好ましい態様である。条件イに
おいて、ポリエステル複合製品の反発性の観点からは、
本発明における特定のポリエステル繊維がポリエステル
複合製品全体に物性的な影響を及ぼす指標となる式2に
ついて、少なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維
の長さとそれ以外のすべての素材の長さの間に式2を満
たす部分があることは好ましい態様であり、すべての上
記特定のポリエステル繊維の長さとそれ以外のすべての
素材の長さの間に式2を満たす部分があることはより好
ましい態様である。式2がL0<L1であることもより
好ましい態様である。また条件イにおいて、ポリエステ
ル複合製品の強度の観点からは、本発明における特定の
ポリエステル繊維の可逆的変形時の指標となる式3につ
いて、すべての上記特定のポリエステル繊維の長さとそ
れ以外の素材のうちすくなくとも1つのの素材の長さの
間に式3を満たす部分があることは好ましい態様であ
り、すべての上記特定のポリエステル繊維の長さとそれ
以外のすべての素材の長さの間に式3を満たす部分があ
ることはより好ましい態様である。式3がL0(1+X
0/100)>L1(1+X1/100)であることも
より好ましい態様である。
【0023】 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0>L1 …<式5> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
応力変曲点の伸度(%) 本発明における特定のポリエステル繊維の長さL0とそ
れ以外の素材の長さL1において、その差の絶対値|L
0−L1|は大きいほど長さ差があることとなり、ポリ
エステル複合製品に嵩高感を与えるためには好ましい態
様である。また、本発明における特定のポリエステル繊
維の初期弾性率E0とそれ以外の素材の初期弾性率E1
がE0≦E1であることは好ましい態様であり、より好
ましくはE0<E1である。
【0024】また、本発明の他の態様は、下記(1)〜
(5)の特性を満足するポリエステル繊維とそれ以外の
素材を少なくとも含む製品であって、該ポリエステル繊
維の長さとそれ以外の素材の長さが下記(a)を満足す
る関係にあることを特徴とするポリエステル複合製品で
ある。
【0025】(1)小角X線散乱写真撮影によって得ら
れた散乱像が層線状四点散乱像を呈し、 かつ、該
写真上から求めた長周期のDm値(繊維の場合は繊維軸
方向の結 晶/非結晶格子の1単位周期)8nm〜
15nmであり、好ましくは10 nm〜13nm
であり、De値(繊維の場合は繊維断面方向の結晶/非
結 晶格子の1単位周期)が15nm〜35nmで
あり、好ましくは15nm 〜25nmであって、
(2)密度が1.350〜1.395であり、好ましく
は1.370〜1.390である。
【0026】(3)広角X線回折測定から得られた結晶
サイズが、面指数(010)において2.0nm〜4.
0nm、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、面
指数(100)において2.0nm〜4.0nm、好ま
しくは2.5nm〜3.8nmであり、面指数(10
5)において1.5nm〜4.2nmであり、好ましく
は2.5nm〜4.0nmである。
【0027】(4)広角X線回折測定から得られた面指
数(010)の結晶配向度が65%〜80%であり、好
ましくは70%〜80%である。
【0028】(5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.
150〜0.350であり、好ましくは0.200〜
0.320である。
【0029】(a)ポリエステル複合製品において、ポ
リエステル複合製品が反発性と強度を併せ持つために
は、少なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維の長
さとそれ以外の素材のうち少なくとも1つの素材の長さ
の間に式2および式3を満たす(条件イ)部分がある。
条件イを満たす部分を持つポリエステル複合製品におい
て、条件イを満たさない部分が式5を満たすことは好ま
しい態様であり、ポリエステル複合製品全体が条件イを
満たすことはより好ましい態様である。条件イにおい
て、ポリエステル複合製品の反発性の観点からは、本発
明における特定のポリエステル繊維がポリエステル複合
製品全体に物性的な影響を及ぼす指標となる式2につい
て、少なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維の長
さとそれ以外のすべての素材の長さの間に式2を満たす
部分があることは好ましい態様であり、すべての上記特
定のポリエステル繊維の長さとそれ以外のすべての素材
の長さの間に式2を満たす部分があることはより好まし
い態様である。式2がL0<L1であることもより好ま
しい態様である。また条件イにおいて、ポリエステル複
合製品の強度の観点からは、本発明における特定のポリ
エステル繊維の可逆的変形時の指標となる式3につい
て、すべての上記特定のポリエステル繊維の長さとそれ
以外の素材のうちすくなくとも1つのの素材の長さの間
に式3を満たす部分があることは好ましい態様であり、
すべての上記特定のポリエステル繊維の長さとそれ以外
のすべての素材の長さの間に式3を満たす部分があるこ
とはより好ましい態様である。式3がL0(1+X0/
100)>L1(1+X1/100)であることもより
好ましい態様である。
【0030】 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0>L1 …<式5> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
応力変曲点の伸度(%) 本発明における特定のポリエステル繊維の長さL0とそ
れ以外の素材の長さL1において、その差の絶対値|L
0−L1|は大きいほど長さ差があることとなり、ポリ
エステル複合製品に嵩高感を与えるためには好ましい態
様である。また、本発明における特定のポリエステル繊
維の初期弾性率E0とそれ以外の素材の初期弾性率E1
がE0≦E1であることは好ましい態様であり、より好
ましくはE0<E1である。
【0031】本発明において、本発明者らが行った各種
特性の測定方法および条件は下記のとおりである。
【0032】(1)密度:JIS−L1013 7.1
4.2密度勾配管法に準じた。
【0033】(2)広角X線回折 試料調整 ;試料の長さを4cmに切り揃え、20m
gの試料両端をエナメル線で結束して測定試料とした。
【0034】 a.広角X線回析(透過法) X線発生装置;理学電機社(株)製 CN4032A2 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :40KV 20mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 Model PMG-A2 CN2155D1 スリット径:2mmφピンホールコリメータ 1°−1° 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;RAD−C、オンライン・データ処理システム 赤道線及び子午線方向; スキャン方式(2θ/θ):ステップ 赤道線方向スキャン範囲:10〜55° 子午線方向スキャン範囲:10〜55° 計数ステップ:0.02° 積算時間 :1秒 繊維試料測定装置; FS-3 CN2411B1 円周方向(β)スキャン; 測定範囲 90〜270°:(010)面、(100)面 0〜180°:(105)面 計数ステップ:0.2° 積算時間 :1秒 b.広角X線回折プレート写真撮影 X線発生装置;理学電機社(株)製 CN4032A2 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :40KV 20mA スリット径:1mmφピンホールコリメータ 撮影条件; カメラ半径:約40mm 露出時間 :20分 フイルム :Kodak DEF−5 *結晶サイズ算出 PETの場合、透過法により得られた(010)、(100)、(105) の各面のピークの半値幅から下記のScherrerの式を用い計算した。
【0035】L(hkl)=Kλ/β0 cosθB ただし、 L(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な方向の平
均の大きさ K :1.0(定数) λ :X線の波長(0.15418nm ) β0 :(βE 2 −βI 2 1/2 、 βE :見掛けの半値幅(測定値) βI :装置補正角(1.047×10-2ラジアン) θB :ブラッグ角 *結晶配向度算出 PETの場合、赤道線方向にスキャンして2θ=17.
8°付近に観測される(010)、2θ=25.8°付
近に観測される(100)、子午線方向にスキャンして
2θ=43.1°付近に観測される(105)の各面を
円周方向にスキャンして得られた強度分布のピークの半
値幅から下記式により算出した。
【0036】結晶配向度(%)=[(180−H)/1
80]×100 ただし、 H:強度分布の半値幅(°) (3)小角X線散乱写真(写真法:Kiessig C
amera) 試料調整 ;試料の長さを4cmに切り揃え、40m
gの試料両端をエナメル線で結束して測定試料とした。
【0037】 X線発生装置;理学電機社(株)製 RU−200型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :50kV 200mA スリット径 :1.0mmφ 撮影条件; カメラ半径 :400mm 露出時間 :60分 フイルム :Kodak DEF−5 (4)結晶化度 DSC測定より次式から求めた。
【0038】結晶化度(%)=100×{[融解熱量−
冷結晶化熱量]/140} ただし、融解熱量、冷結晶化熱量および140の単位は
Jg-1 a.装 置:TA Instruments社製DS
C2920 加熱温度;0〜300℃(RCS冷却法) 温度較正;高純度イリジウムおよびスズの融点 昇温速度;10℃/min 試料重量;約5mg 試料容器;アルミニウム製開放型容器(約26mg) (5)偏光蛍光法による非晶配向度 装 置:日本分光工業製FOM−1 光学系:透過法(励起光波長:365nm、蛍光波長:
420nm) 測定系:偏光子‖検光子、および偏光子〓検光子で回転
して、面内の偏光蛍光強度(I‖、I〓)の角度分布を
得た。
【0039】ここで、‖は平行を示し、〓は垂直を示
す。
【0040】非晶配向度は下記式からの一軸配向係数f
2 で求めた。
【0041】f2 =3/2[{I‖(0)+2I〓
(0)}/K−1/3] 但し、K={I‖(0)+4I〓(0)+8/3I‖
(90)} I‖(0):‖測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 I‖(90):‖測定での上記と直交方向の相対偏光蛍
光強度 I〓(0):〓測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 (6)非晶密度 以下の式により非晶密度(da)を求めた。
【0042】da(g/cm3 )=[d−dc×{(Xc/dc)/(100/
d)}]/[ 1−{(Xc/dc)/(100/d)}] d :密度(g/cm3 ) dc :1.501 (g/cm3 ) Xc :結晶化度(%) (7)荷重伸長曲線 ここでいう荷重伸長曲線とは、JIS−L1013
7.5(引張強さ及び伸び率)の試験法に準じて測定し
たものをいう。本発明において、本発明者らが行った条
件は下記の通りである。
【0043】試長(チャック間距離):5cm 初期加重(繊維) :0.1g/d(フィルムにつ
いては試長あたりの重量をデニール換算した。) 引張り速度 :100mm/分 チャート速度 :100mm/分 温度 :20℃±2 湿度 :65%RH±5 試験機 :オートグラフ(島津製作所) データ整理 :タテ軸応力、ヨコ軸伸度(第
一象限) (8)NMR測定 NMR測定により、HT1、HT1ρ値を求めた。
【0044】 HT1 :プロトンのT1 HT1ρ:プロトンのT1ρ a.装置 ;Chemagnetics社製 CMX−300 温度 ;室温 基準物質 ;HMB(17.35ppm) Siゴム(1.56ppm ) 測定核 ;75.1910MHz パルス幅 ;3.5μsec パルスくり返し時間;ACQTM 0.076 sec PD=12 sec データ点 ;POINT 8192 SAMPO 2048 スペクトル幅 ;27.027kHz コンタクトタイム ;1.5msec 前記特定の構造を有するポリエステル繊維の結晶化度が
25〜45%であることは好ましい態様であり、より好
ましくは30〜40%であることである。
【0045】前記特定の構造を有するポリエステル繊維
のNMR測定によるHT1値が2.0〜2.7secか
つHT1ρ値が11〜18msecであることは好まし
い態様であり、より好ましくはHT1値が2.1〜2.
5secかつHT1ρ値が13〜16msecであるこ
とである。
【0046】前記特定の構造を有するポリエステル繊維
の非晶密度が1.30以上であることは好ましい態様で
あり、より好ましくは1.31以上、さらに好ましくは
1.32以上であることである。
【0047】また、前記特定の構造を有するポリエステ
ル繊維において、広角X線回折測定から得られた結晶サ
イズが次の式0.5x≦y≦1.5xを満足することは
好ましい態様であり、より好ましくは0.6x≦y≦
1.3x、さらに好ましくは0.7x≦y≦1.2xを
満足することである。
【0048】ただし、x:面指数(010)の結晶サイ
ズ y:面指数(105)の結晶サイズ 前記特定の構造を有するポリエステル繊維の面指数(1
05)の結晶配向度は35%〜85%であることは好ま
しい態様であり、より好ましくは35%〜80%、さら
に好ましくは35%〜70%である。
【0049】前記特定の構造を有するポリエステル繊維
が、面指数(105)の結晶配向度が面指数(010)
の結晶配向度以下であることは好ましい態様である。
【0050】前記特定の構造を有するポリエステル繊維
において、面指数(105)の子午線方向に対する傾斜
配向角度が、10°以上であることは好ましい態様であ
り、15°〜35°であることはより好ましく、20°
〜25°であることはさらに好ましい。
【0051】本発明の前記特定の構造を有するポリエス
テル繊維の引張強伸度を測定した荷重伸長曲線におい
て、破断伸度が50%以上であることが好ましく、さら
には60%以上であることがより好ましく、80%以上
であることがさらには好ましい。また、初期応力変曲点
の伸度が8%以上であることが好ましく、さらには13
%以上であることがより好ましく、17%以上であるこ
とがさらに好ましい。
【0052】ここで、初期応力変曲点とは、図1に示す
ように、加重伸張曲線において、立ち上がりに観察され
るほぼ傾きが一定の領域(a)から、より傾きの小さい
ほぼ傾きが一定の領域(b)へ変化する点をいい、
(a)の曲線の漸近線と(b)の曲線の漸近線の交点を
指す。
【0053】本発明の前記特定の構造を有するポリエス
テル繊維の初期弾性率が、4000N/mm2 以下であ
ることは好ましい態様であり、より好ましくは1500
N/mm2 以下、さらに好ましくは50〜1000N/
mm2 である。
【0054】本発明の前記特定の構造を有するポリエス
テル繊維の沸水収縮率が、15%以下であることは好ま
しい態様であり、より好ましくは10%以下、さらに好
ましくは5%以下である。
【0055】本発明のポリエステル複合製品は、他の素
材と混合して用いる。例えば、前記特定の構造を有さな
いポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊
維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、獣毛、絹、綿、
レーヨン、麻のうち、少なくとも1種類以上の素材と混
用することは好ましい形態である。混合素材中の前記特
定の構造を有するポリエステル繊維の重量パーセント
は、20%〜95%が好ましく、40%〜90%がより
好ましく、60%〜80%がさらに好ましい。
【0056】また、高強度、高弾性、防縮性を得る観点
からは、ポリエステルの極限粘度(オルソクロロフェノ
ール、30℃)が0.55〜1.00であることが好ま
しい。また、染色を容易にする観点からは、ポリエステ
ルが、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレング
リコールが共重合された共重合体であって、90℃〜1
10℃で分散染料可染であることが好ましい。このポリ
エステルを用いたポリエステル繊維の場合、天然繊維と
混用して染色することもできる。さらにまた、濃色、鮮
明な染色をする観点からは、ポリエステルが5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸が共重合されたカチオン染料可
染型ポリエステルであることが好ましい。
【0057】また、ポリエステル繊維として、主成分と
してポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート若しくはその共重合ポリエステル、他の成分と
してポリスチレン系重合体、またはポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート若しくはその共
重合ポリエステルに硼酸または硼素化合物が添加された
ポリエステル重合体を用いてなる複合繊維を用いると、
引取速度が4000m/分を超える高速であっても、他
の成分に紡糸応力が主としてかかるため、主成分である
ポリエステルの配向を抑制したポリエステル繊維とする
ことができる。こうした複合繊維を用いることは、40
00m/分を越える生産性を持つ繊維を用いて本発明の
ポリエステル複合製品を得ることができ好ましい態様の
一つである。この場合、芯成分に用いるポリマーとして
硼酸または硼素化合物等をポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートまたはその共重合ポリ
エステルに添加して増粘させたポリエステル重合体を用
いることができる。なお、ここでいう芯成分と鞘成分と
が反対の構成であっても差し支えないが、主成分が鞘成
分となる方が、染色性、フロスティング、フィブリル化
等の観点から主成分の特性をより発揮することができる
ので好ましい。
【0058】本発明において用いられるポリエステル繊
維が繊維の場合、繊維の好ましい太さは複合製品の用途
によって異なるため、特に限定されないが、複合製品に
柔軟性を求める場合は単糸繊度が1デニール以下である
ことは好ましい態様であり、より好ましくは0.5デニ
ール以下であることであり、さらに好ましくは0.1デ
ニール以下であることである。一方、複合製品に高い反
発性を求める場合には単糸繊度が2デニール以上である
ことは好ましい態様であり、より好ましくは5デニール
以上であることであり、さらに好ましくは10デニール
以上であることである。
【0059】なお、本発明でいうポリエステル複合製品
とは、織物、編物、不織布、繊維材料、ネット類、リボ
ン、シート状物、フィルム状物など種々の態様を含む。
また、これらの複合製品を多層構造の一部に用いる態
様、複数の部材よりなる製品の一部の部材に用いる態様
が含む。その形状は特に限定されず、あらゆる物体の形
状が含まれ、シート状、袋状、衣服などの態様も含む。
ポリエステル複合製品を構成する素材が互いに交絡して
いることは好ましい態様である。
【0060】本発明でいうポリエステル複合製品が複合
糸からなることは好ましい態様の一つである。複合糸の
形状は特に限定されるものではないが、撚糸、仮撚糸、
ループ加工糸、インターレース糸、毛羽糸であることは
好ましい態様である。
【0061】織物においては、前記特定の構造を有する
ポリエステル繊維を含む繊維を経糸あるいは緯糸の一方
だけに用いることは、織物の経、緯に著しい異方性を与
えることが出来るため好ましい態様の一つである。さら
に好ましくは、緯糸にだけ前記特定の構造を有するポリ
エステル繊維を含む繊維を用いることは、製織時に受け
る応力が小さく、性能を発現しやすいために好ましい態
様の一つである。また、前記特定の構造を有するポリエ
ステル繊維を含む繊維を用いた糸の繊度が、用いていな
い方の糸よりも大きな方が異方性が大きくなるためより
好ましい態様である。また、織物が重ね組織や添毛組織
であることは、厚み感を与える点からは好ましい態様で
ある。添毛組織の織物において、前記特定の構造を有す
るポリエステル繊維を含む繊維を地経や毛経にのみに用
いることは、異方性、厚み感などのうち必要な特徴のみ
をポリエステル複合製品に与えることが出来る点からは
好ましい態様である。
【0062】ポリエステル繊維の場合、前記特定の構造
を有するポリエステル繊維を含むことを要件とするが、
他の成分、例えばナイロンやポリオレフィンなどが複合
された従来公知の複合繊維といわれるもの、たとえば分
割型、菊花型、海島型などの繊維も適用可能であり、用
途に応じてその方が好ましい場合がある。また、フィル
ムには、幅、長さに比べて厚さが小さいスリット状のも
の、リボン状のもの、テープ状のものを含む。
【0063】本発明によるポリエステル複合製品が芯
地、衣料用服地、カバン地、ベッド用生地、椅子用生
地、家具用生地、カーテン地、寝袋用生地、シーツなど
の生地やそれらの一部であることは、優れた風合いを示
すため好ましい態様である。また、本発明によるポリエ
ステル複合製品が接着芯地またはその一部などのように
接着剤と併用する用途に用いることは、接着性に優れる
ことから好ましい態様である。
【0064】本発明のポリエステル複合製品の製造方法
はとくに限定されるものではないが、ポリエチレンテレ
フタレートを主成分とする繊維の引張強伸度を測定した
荷重伸長曲線において、降伏応力点と、該降伏応力点の
応力より低い応力で伸長される定応力伸長領域を有し、
かつ、該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点までの
伸度が100%未満であるポリエステル繊維を含む織
物、編み物、または不織布を140℃以下の湿熱および
/または乾熱で収縮を伴う熱処理を施した後、150℃
以上の温度で熱処理して製造することは好ましい態様で
ある。
【0065】収縮を伴う熱処理の温度は処理時間により
選ぶものであるが、70℃〜140℃が好ましく、75
℃〜130℃はより好ましい。また、収縮率を規制しな
がら熱処理を行うことは均一な表面状態や良好な反発感
と強度を得る上で好ましい態様であり、一度収縮率を規
制した熱処理を行った後、それ以上の温度で収縮を伴う
熱処理を行うことは良好な反発感を得る上でさらに好ま
しい態様である。
【0066】収縮を伴う熱処理を施した後の熱処理はポ
リエステル複合製品の熱安定性を高める上で重要である
が、必ずしも収縮を伴う熱処理の直後に行う必要はな
く、また、1段階である必要もない。例えば、低めの温
度で一度熱処理を施した後、更に高い温度で再度熱処理
することは、高い温度で熱処理した時の形態を安定化さ
せるためには好ましい態様であり、高い温度で一度熱処
理を施した後、より低い温度で再度熱処理することは、
高い温度で熱処理した時の形態を一時的に変形する上で
好ましい態様である。
【0067】収縮を伴う熱処理を施した後に行う熱処理
の温度は、ポリエステル複合製品の熱安定性の観点から
は、150℃〜230℃は好ましい態様であり、より好
ましくは160℃〜210℃である。
【0068】このポリエチレンテレフタレートを主成分
とする繊維において、2500m/min〜3500m
/minの速度で紡糸された実質的に100%ポリエチ
レンテレフタレートである繊維を用いることは好ましい
態様である。
【0069】熱処理において収縮させることは好まし
く、収縮率を規制しながら熱処理を行うことはより好ま
しい態様である。
【0070】
【実施例】ポリエチレンテレフタレート(IV=0.6
8)を、紡糸速度285℃、引取速度3000m/分で
溶融紡糸した後、150℃のチューブヒータを用いて3
0%の収縮加工を行いフィラメントAを得た。
【0071】ポリエチレンテレフタレート(IV=0.
68)を、紡糸速度285℃、引取速度3000m/分
で溶融紡糸した後、110℃の加熱ロールを用いて1.
6倍の延伸加工を行いフィラメントBを得た。
【0072】実施例1、比較例1〜2では、供給差を付
与したタスラン加工により複合して得た糸長比のある複
合糸を用いて下記共通構成で製織して織物を得た。比較
例3ではフィラメントAを、比較例4ではフィラメント
Bを2本引き揃えた糸を用いて下記共通構成で製織して
織物を得た。それぞれの織物を湿熱で90℃,10分間
の熱処理を行った後、乾熱で180℃,3分間の熱処理
を行った。それぞれの織物の反発性、強度、風合の結果
を表1に示す。
【0073】*共通構成 組織 :平織り 織密度:41×39本/inch(タテ糸×ヨコ糸) 撚糸 :200T/m 比較例1の布帛の緯糸(フィラメントA#)、比較例2
の布帛の緯糸(フィラメントB#)はそれぞれ次のよう
な特徴を示した。
【0074】*フィラメントA#:小角X線散乱写真撮
影によって得られた散乱像が層線状散乱像を呈し、かつ
J値が10nm、密度が1.385であり、広角X線回
折測定から得られた結晶サイズが、面指数(010)に
おいて3.0nm、面指数(100)において3.1n
m、面指数(105)において2.9nmであり、広角
X線回折測定から得られた面指数(010)の結晶配向
度が75%であり、面指数(105)の結晶配向度が7
3%であり、偏光蛍光法による非晶配向度が0.152
であり、結晶化度が35%、NMRによって得られたH
T1値が2.4sec、HT1ρ値が14.1mse
c、非晶密度が1.33であり、破断伸度が250%で
あり、初期応力変曲点の伸度が25%であり、初期弾性
率が450N/mm2 であり、沸水収縮率が0%である
特性を有する総繊度150デニール48フィラメントで
あるポリエチレンテレフタレート繊維。なお、該フィラ
メントA#の荷重伸張曲線を図2に示す。
【0075】*フィラメントB#:小角X線散乱写真撮
影によって得られた散乱像が層線状四点散乱像を呈し、
かつDm値が10nm、De値が14nm、密度が1.
382であり、広角X線回折測定から得られた結晶サイ
ズが、面指数(010)において4.5nm、面指数
(100)において3.7nm、面指数(105)にお
いて4.9nmであり、広角X線回折測定から得られた
面指数(010)の結晶配向度が88%であり、面指数
(105)の結晶配向度が88%であり、偏光蛍光法に
よる非晶配向度が0.542であり、結晶化度が40
%、NMRによって得られたHT1値が3.2sec、
HT1ρ値が13.4msec、非晶密度が1.31で
あり、破断伸度が30%であり、初期応力変曲点の伸度
が8%であり、初期弾性率が3000N/mm2 であ
り、沸水収縮率が1%である特性を有する総繊度150
デニール48フィラメントのポリエチレンテレフタレー
ト繊維。なお、該フィラメントBの荷重伸張曲線を図3
に示す。
【0076】
【表1】 ただし、◎:非常に良い ○:良い △:やや良くない
×:良くない
【0077】
【発明の効果】(1)良好な反発性と寸法安定性を兼ね
備え、かつ優れた嵩高感のある優れた風合いと強度を有
するポリエステル複合製品およびその製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステル繊維の荷重伸長曲線の一例を示
す。
【図2】フィラメントA#の荷重伸張曲線を示す。
【図3】フィラメントB#の荷重伸張曲線を示す。
【符号の説明】
α:初期応力変曲点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/62 302 D01F 6/62 302H D02G 3/02 D02G 3/02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)〜(5)の特性を満足するポリ
    エステル繊維とそれ以外の素材を少なくとも含む製品で
    あって、該ポリエステル繊維の長さとそれ以外の素材の
    長さが下記(a)を満足する関係にあることを特徴とす
    るポリエステル複合製品。 (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
    層線状散乱像を呈し、かつ該写真上の子午線あるいは赤
    道から散乱像の中心までの距離rにより下記の式1で求
    められるJ値が15nm以下であり、 J=λ/2sin[{tan−1(r/R)}/2] …<式1> ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)密度が1.350〜1.395であり、(3)広
    角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面指数(0
    10)において2.0nm〜4.0nm、面指数(10
    0)において2.0nm〜4.0nm、面指数(1バア
    05以下105と記載)において1.5nm〜4.2n
    mであり、(4)広角X線回折測定から得られた面指数
    (010)の結晶配向度が65%〜80%であり、
    (5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.150〜0.
    350である。 (a)ポリエステル複合製品において、少なくとも1つ
    の上記特定のポリエステル繊維の長さとそれ以外の素材
    のうち少なくとも1つの素材の長さの間に下記式2およ
    び式3を満たす部分を有する。 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
    線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
    繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
    重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
    線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
    繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
    ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
    応力変曲点の伸度(%)
  2. 【請求項2】下記(1)〜(5)の特性を満足するポリ
    エステル繊維とそれ以外の素材を少なくとも含む製品で
    あって、該ポリエステル繊維の長さとそれ以外の素材の
    長さが下記(a)を満足する関係にあることを特徴とす
    るポリエステル複合製品。 (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
    層線状四点散乱像を呈し、かつ、該写真上から求めた長
    周期のDm値が8nm〜15nmであり、De値が15
    nm〜35nmであり、(2)密度が1.350〜1.
    395であり、(3)広角X線回折測定から得られた結
    晶サイズが、面指数(010)において2.0nm〜
    4.0nm、面指数(100)において2.0nm〜
    4.0nm、面指数(105)において1.5nm〜
    4.2nmであり、(4)広角X線回折測定から得られ
    た面指数(010)の結晶配向度が65%〜80%であ
    り、(5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.150〜
    0.350であり、(a)ポリエステル複合製品におい
    て、少なくとも1つの上記特定のポリエステル繊維の長
    さとそれ以外の素材のうち少なくとも1つの素材の長さ
    の間に下記式2および式3を満たす部分を有する。 L0≦L1 …<式2> L0(1+X0/100)≧L1(1+X1/100) …<式3> L0:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
    線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
    繊維長 X0:上記特定のポリエステル繊維において測定した荷
    重伸長曲線の初期応力変曲点の伸度(%) L1:単位長さのポリエステル複合製品中の荷重伸張曲
    線測定時の初期加重下における上記特定のポリエステル
    繊維以外の素材長 X1:ポリエステル複合製品中の上記特定のポリエステ
    ル繊維以外の素材において測定した荷重伸長曲線の初期
    応力変曲点の伸度(%)
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかにおいて、請求項
    記載の特性を有するポリエステル繊維の非晶密度が1.
    30以上であることを特徴とするポリエステル複合製
    品。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、広角X
    線回折測定から得られた結晶サイズが下記の式4を満足
    することを特徴とするポリエステル複合製品。 0.5x≦y≦1.5x …<式4> x:面指数(010)の結晶サイズ y:面指数(105)の結晶サイズ
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、請求項
    記載の特性を有するポリエステル繊維が、面指数(10
    5)の結晶配向度が面指数(010)の結晶配向度以下
    であることを特徴とするポリエステル複合製品。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、請求項
    記載の特性を有するポリエステル繊維の引張強伸度を測
    定した荷重伸長曲線において、破断伸度が50%以上で
    あることを特徴とするポリエステル複合製品。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、請求項
    記載の特性を有するポリエステル繊維の引張強伸度を測
    定した荷重伸長曲線において、初期応力変曲点の伸度が
    8%以上であることを特徴とするポリエステル複合製
    品。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、請求項
    記載の特性を有するポリエステル繊維の単糸デニールが
    2デニール以上であることを特徴とするポリエステル複
    合製品。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかにおいて、複合糸
    からなることを特徴とするポリエステル複合製品。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の複合糸が、撚糸、仮撚
    糸、ループ加工糸、またはインターレース糸であること
    を特徴とするポリエステル複合製品。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかにおいて、経
    糸または緯糸の一方のみに請求項記載の特性を有するポ
    リエステル繊維を用いた織物であることを特徴とするポ
    リエステル複合製品。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかにおいて、重
    ね組織または添毛組織の織物であることを特徴とするポ
    リエステル複合製品。
  13. 【請求項13】請求項12において、地経または毛経の
    一方のみに請求項記載の特性を有するポリエステル繊維
    を用いる添毛組織の織物であることを特徴とするポリエ
    ステル複合製品。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかのポリエステ
    ル複合製品を用いてなる芯地であることを特徴とするポ
    リエステル複合製品。
  15. 【請求項15】請求項14において、芯地が接着芯地で
    あることを特徴とするポリエステル複合製品。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれかにおいて、前
    記特定の構造を有するポリエステル繊維の結晶化度が2
    5〜45%であることを特徴とするポリエステル複合製
    品。
  17. 【請求項17】請求項1〜16のいずれかにおいて、前
    記特定の構造を有するポリエステル繊維のNMR測定に
    よるHT1値が2.0〜2.7secでかつHT1ρ値
    が11〜18msecであることを特徴とするポリエス
    テル複合製品。
JP11003294A 1998-01-09 1999-01-08 ポリエステル複合製品 Pending JPH11269738A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11003294A JPH11269738A (ja) 1998-01-09 1999-01-08 ポリエステル複合製品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP294798 1998-01-09
JP10-2947 1998-01-09
JP11003294A JPH11269738A (ja) 1998-01-09 1999-01-08 ポリエステル複合製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11269738A true JPH11269738A (ja) 1999-10-05

Family

ID=26336439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11003294A Pending JPH11269738A (ja) 1998-01-09 1999-01-08 ポリエステル複合製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11269738A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3685758B2 (ja) モノフィラメント糸及びその製造方法
EP0753395B1 (en) Polyester product and process for producing the same
TW200307772A (en) Polyester thick-and-thin conjugate filament yarn fabric and process for producing same
JP2615109B2 (ja) 扁平状紡績糸の製造方法
JPH11269738A (ja) ポリエステル複合製品
JPH11269739A (ja) ポリエステル複合製品およびその製造方法
JP2002105796A (ja) 遮光性織物
JP2002020943A (ja) 凹凸加工布帛およびその製造方法
JPH11269749A (ja) ポリエステル複合素材成型体およびその製造方法
JP2001064829A (ja) 極細ポリエステル繊維および混繊糸ならびに布帛
JP2844680B2 (ja) 異繊度異収縮混繊糸及びその製造方法
JPH11323615A (ja) 婦人用胸部カップ材およびその製造方法
JPH1193037A (ja) 撚糸織物
DE2912097C2 (ja)
JP4253467B2 (ja) 刺繍レース用基布
JP2001262451A (ja) 形状セット性を有するポリエステル繊維シート
JPH08337922A (ja) ポリエステル製品
JPH1072722A (ja) 芯 地
JP2002327341A (ja) 仮撚加工糸およびその製造方法
JPH0978382A (ja) ポリエステル複合糸条
JPH1136179A (ja) 接着芯地
JP3713845B2 (ja) アセテート・ポリエステル混繊交絡複合糸条、及びそれを用いた織編物
JP3693476B2 (ja) 高反発性布帛の製造に適した交絡糸
JP3303798B2 (ja) ポリエステル繊維
JPH09279438A (ja) ポリエステル異収縮複合糸織物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees