JPH11269552A - 伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法 - Google Patents

伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法

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JPH11269552A
JPH11269552A JP9520098A JP9520098A JPH11269552A JP H11269552 A JPH11269552 A JP H11269552A JP 9520098 A JP9520098 A JP 9520098A JP 9520098 A JP9520098 A JP 9520098A JP H11269552 A JPH11269552 A JP H11269552A
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浩次 面迫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間圧延を経たプロセスにおいて、伸びフラ
ンジ性に優れた中・高炭素鋼板を作る。 【解決手段】 C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からな
り、金属組織が実質的にフェライト+パーライト組織で
あり、必要に応じて初析フェライト面積率(%)が下記
(1)式のF値以上,〔パーライトラメラ間隔〕が0.1
μm以上の熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、次
いで、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.5時間以上
保持する1段目の加熱→Ac1〜Ac1+100℃の温度範囲
で0.5〜20時間保持する2段目の加熱→5〜30℃/hで冷
却→Ar1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する
3段目の加熱からなる3段階焼鈍を施す。 F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸びフランジ性に
優れた中・高炭素鋼板を得るための製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鋼中のC含有量が概ね0.1〜0.8質量%
の、いわゆる中・高炭素鋼板は、焼入れ強化が可能であ
るとともに、焼入れ前の焼鈍状態ではある程度の加工性
も有しているため、自動車部品をはじめ各種機械部品や
軸受け部品の素材として広く使用されている。部品の製
造にあたっては、一般的には打抜加工や曲げ成形が施さ
れ、さらに比較的軽度な絞り加工,伸びフランジ成形が
施されることもある。また、部品形状が複雑な場合は、
二ないし三部品を溶接して製造される場合も多い。そし
てこれらの加工部品は熱処理を経て各種用途の部品に仕
上げられていく。
【0003】ところが近年、部品の製造コストを低減す
べく、部品の一体成形や、部品加工の工程簡略化が進め
られている。このことは素材側から見ればより加工率の
高い(=塑性変形量の大きい)加工に耐えなくてはなら
ないことを意味する。つまり、加工技術の高度化に伴
い、素材である中・高炭素鋼板自体にもより高い加工性
が要求されるようになってきた。特に昨今では、打抜加
工や曲げ加工のみならず、伸びフランジ成形加工(例え
ば穴拡げ加工等)といった局所的な延性が要求される高
度な加工にも耐え得る鋼板素材のニーズが高まりつつあ
る。
【0004】こうした中、特公昭61−15930号公報,特
公平5−70685号公報,および特開平4−333527号公報に
は、加工方法あるいは熱処理方法を工夫することによっ
て棒鋼中の炭化物を球状化し、棒鋼線材の加工性を改善
する技術が紹介されている。しかし、これらはいずれも
棒鋼線材を対象とするものであり、素材が板材である場
合に問題となる伸びフランジ性や穴拡げ性の改善方法は
明らかにされていない。
【0005】また、特開平8−3687号公報には、Cを0.3
mass%以上含有し、炭化物の占める面積率が20%以下
で、粒径1.5μm以上の炭化物の割合が30%以上である
加工用高炭素鋼板が示されており、その製造方法として
仕上熱延機出側温度を750〜810℃とし、10℃/sec以下
で冷却して仕上温度とコイル巻取り温度との差を300℃
以下として巻取り、720℃×20時間の球状化焼鈍を施
し、26℃/Hrの冷却速度で100℃まで冷却した後空冷し
て常温まで冷却する方法が開示されている。しかし、こ
の技術は鋼板の加工性を改善するものであるが、伸びフ
ランジ性といった局部的な延性が要求される高度な加工
性を改善する方法については明らかにされていない。ま
た、炭化物粒径を1.5μm以上に粗大化させるため、部
品加工後の焼入れ処理におけるオーステナイト温度域の
加熱で炭素を十分固溶させるには長時間を要する。この
ため、例えば高周波焼入れのような短時間加熱による焼
入れ処理の適用が難しくなる。
【0006】さらに特開平8−120405号公報には、C:
0.20〜0.60%の他、Si,Al,N,B,Ca等の黒鉛
化を促進する元素を含有し、C含有量の10〜50%が黒鉛
化しており、断面の鋼組織が3μm以上の黒鉛粒子を特
定量含んだ球状化セメンタイトの分散したフェライト相
になっている加工性に優れた薄鋼板が示されている。そ
の製造方法として、仕上温度750〜900℃で熱間圧延し、
450〜650℃で巻取り、冷間圧延後に600〜720℃で焼鈍す
る方法等が示されている。この薄鋼板は穴拡げ性と二次
加工性に優れているという。しかし、含有炭素の黒鉛化
を利用するものであるから、黒鉛化を促進する元素の添
加が必要となり、一般的な市販の中・高炭素鋼種に広く
適用できるものではない。加えて3μm以上の粗大な黒
鉛粒子の存在は、先の例と同様、部品加工後の焼入れ処
理の加熱において炭素の十分な固溶化を遅らせ、短時間
加熱による焼入れ処理の適用を困難にする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、加工性
の中でも特に「伸びフランジ性」を改善した中・高炭素
鋼板のニーズが高いにもかかわらず、一般的な中・高炭
素鋼種の鋼板素材においてそれらの特性を改善する手法
は明らかにされていない。また、加工用鋼板素材は用途
に応じて種々の板厚のものが要求されるが、そのような
板厚要求に機動的に対処するためには熱間圧延と冷間圧
延をうまく組合せた工程で所定の板厚に仕上げるのが一
般的である。しかし、熱間圧延と冷間圧延を組合せた工
程では条件によって鋼板の金属組織が大きく変動するこ
とになり、十分な「伸びフランジ性」を安定的に付与す
ることは必ずしも簡単ではない。
【0008】そこで本発明は、特殊な元素を添加しない
一般的な中・高炭素鋼の鋼種において、冷間圧延による
精度の高い板厚調整を可能にしながら「伸びフランジ
性」を安定的に改善することができる中・高炭素鋼板素
材の製造法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明、すなわち、C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼から
なり、金属組織が実質的にフェライト+パーライト組織
である熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、次い
で、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.5時間以上保
持する1段目の加熱を行った後、Ac1〜Ac1+100℃の
温度範囲で0.5〜20時間保持する2段目の加熱とAr1−8
0℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する3段目の加熱
を連続して行い、かつ2段目の保持温度から3段目の保
持温度への冷却速度を5〜30℃/hとする3段階焼鈍を
施す、伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法
によって達成できる。ここで、Ac1は昇温過程における
鋼のA1変態点(℃)、Ar1は降温過程におけるA1変態
点(℃)を意味する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明の熱延
鋼板の金属組織において、特に初析フェライト面積率
(%)が下記(1)式により定まるF値以上である点を規
定したものである。 F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1) ここで、「初析フェライト面積率(%)」は当該熱延鋼板
中に存在する初析フェライト量を顕微鏡観察等の手段に
より実測して求まる値である。一方、「F値」は鋼板の
C含有量(質量%)の値を(1)式右辺に代入して計算
により定まる値である。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の発明の熱延
鋼板の金属組織において、特に、以下に定義する〔パー
ライトラメラ間隔〕が0.1μm以上である点を規定したも
のである。 〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面(熱延方向
にほぼ平行に切断した断面)の金属組織観察において、
1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む観察視野
内でセメンタイトのラメラが最も密になっているパーラ
イトの部分を選択し、当該パーライト部分において隣り
合うセメンタイトラメラの平均的な厚み中心間距離を測
定してその値をL(μm)とし、この測定を観察視野を変
えて合計10回行い、10個のL値のうち小さいものか
ら5個の平均値(μm)を〔パーライトラメラ間隔〕とす
る。ただし、観察視野内で選択するパーライトの部分
は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ
平行に現れている部分から選択するものとする。
【0012】パーライトはセメンタイトラメラとフェラ
イトラメラが交互に層をなした組織であるが、ここでい
う〔パーライトラメラ間隔〕はセメンタイトラメラの間
隔で表したものをいう。観察視野内で選択するパーライ
トの部分を「少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメ
ラがほぼ平行に現れている部分」としたのは、パーライ
トの3次元的な形態を考慮して、観察平面内でセメンタ
イトラメラの間隔を適切に評価するためである。セメン
タイトラメラが枝分かれしていたり短く分断されてい
て、少なくとも3つ以上のセメンタイトラメラがほぼ平
行に並んで現れていないような部分では、パーライトラ
メラの間隔を定量的に表すことが困難である。そのよう
な部分は測定対象から除外する。観察視野内に見られる
「少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラがほぼ平
行に現れている部分」(以下、「平行ラメラ部分」とい
う)のうち、ラメラが最も密になっている「平行ラメラ
部分」は、観察平面がラメラを垂直に近い角度で切断し
ており、かつ、全体のパーライトの中でもセメンタイト
ラメラの間隔が特に小さくなっている部分であると考え
ることができる。本発明では、観察視野の大きさを、1
辺が少なくとも50μm以上の矩形領域を含む大きさと
し、その観察視野内に見られる「平行ラメラ部分」のう
ち、ラメラが最も密になっている「平行ラメラ部分」
(以下、「選択部分」という)のセメンタイトラメラ間
隔の測定を、10の異なる観察視野について行い、それ
ら10個の測定値のうち小さいものから5個の測定値の
平均値(μm)を〔パーライトラメラ間隔〕とする。
【0013】各観察視野における「選択部分」のセメン
タイトラメラ間隔の測定は、その部分を高倍率(例えば
10000倍)で観察することによって行うことができる。
ここでいうセメンタイトラメラの間隔は、1つのセメン
タイトラメラの厚み中心部と、フェライトラメラを挟ん
でその隣にあるセメンタイトラメラの厚み中心部との距
離で表される。隣り合うセメンタイトラメラの厚み中心
線どうしは厳密には完全な平行線にはならず、また隣り
合うラメラとしてどの2つのラメラを選ぶかによっても
ラメラの間隔は多少変動する。したがって、ここでは、
「選択部分」についての「平均的な」セメンタイトラメ
ラ間隔を測定する。「平均的な」とは「選択部分」にお
ける局所的なセメンタイトラメラ間隔の値に拘泥される
ことなく、当該部分のパーライトの緻密さを代表するの
にふさわしいセメンタイトラメラ間隔の値を特定する趣
旨である。例えば、その平均的な値は、ほぼ平行して並
んでいるいくつかのセメンタイトラメラについて、両端
の厚み中心間距離を測定し、その距離をその間に含まれ
るセメンタイトラメラの数で割った値を採用することが
できる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1の発明の熱延
鋼板の金属組織において、特に初析フェライト面積率
(%)が前記(1)式により定まるF値以上である点、お
よび上で定義した〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以
上である点を規定したものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項1〜4の発明に
おいて、特に熱延鋼板に施す冷間圧延率を15〜50%の範
囲に規定したものである。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜5の発明に
おける鋼を、C:0.1〜0.8質量%含有し、Sを0.01質量
%以下に制限した鋼に限定したものである。
【0017】請求項7の発明は、請求項1〜5の発明に
おける鋼を、質量%において、C:0.1〜0.8%,Si:
0〜0.40%(無添加を含む),Mn:0.3〜1.0%を含有
し、Pを0.03%以下,Sを0.01%以下,T.Alを0.1%
以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
る鋼に限定したものである。ここで、Siの下限の0%
はその元素が無添加であることを意味する。T.Al
は、トータルAl量を意味する。
【0018】請求項8の発明は、請求項1〜5の発明に
おける鋼を、質量%において、C:0.1〜0.8%,Si:
0〜0.40%(無添加を含む),Mn:0.3〜1.0%,C
r:0〜1.2%(無添加を含む),Mo:0〜0.3%(無添
加を含む),Cu:0〜0.3%(無添加を含む),Ni:
0〜2.0%(無添加を含む)を含有し、Pを0.03%以下,
Sを0.01%以下,T.Alを0.1%以下に制限し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる鋼に限定したもので
ある。ここで、Si,Cr,Mo,Cu,Niの下限の
0%はその元素が無添加であることを意味する。例えば
請求項8で対象とする鋼の一例としては、これらの元素
のうちSiとCrとMoだけを規定範囲内で添加し、C
u,Niは添加しない鋼などが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、一般的な組成の中
・高炭素鋼について、加工性を改善する手段を種々検討
してきた。その結果、次のようなことが明らかになっ
た。一般的な打抜加工性や曲げ加工性が向上する場合
でも、伸びフランジ性が改善されるとは限らないこと、
炭化物を単に球状化させるだけでは伸びフランジ性の
安定した改善は図れないこと、伸びフランジ性は、鋼
板中における炭化物の分散形態に大きく依存し、具体的
には炭化物のより一層の球状化と、平均炭化物粒径を大
きくすること(平均炭化物間距離を大きくすること)に
よって改善し得ること。さらに、冷間加工工程を経た場
合でも、焼入性を阻害しない炭化物粒径の範囲で伸びフ
ランジ性が改善できることも明らかになった。
【0020】伸びフランジ性の改善挙動が、他の加工性
の挙動と必ずしも一致しない理由について現時点では不
明な点が多いが、次のようなことが考えられる。すなわ
ち、伸びフランジ性は一般に穴拡げ試験で評価される特
性であり、具体的には例えば、円板に予め設けた直径d
0の穴にポンチを押し込んで穴を押し拡げていき、穴縁
に板厚を貫通する割れが発生したときの穴直径dを測定
し、そのときの穴径拡大率(d−d0)/d0で評価するこ
とのできる特性である。穴径拡大率は穴縁の円周方向ひ
ずみの公称値を意味することから、伸びフランジ性は、
穴縁に「くびれ」あるいは「割れ」が発生し始めるとき
の円周方向ひずみの限界値によって評価し得る特性であ
る。つまり、伸びフランジ性は、局部的に高い応力が集
中する場合の成形性を表していることになる。伸びフラ
ンジ性が他の一般的な加工性と異なる挙動を示すのは、
一般的な加工性には影響を及ぼさないようなミクロ的な
欠陥が、伸びフランジ性に対しては敏感に影響するため
であると推察される。
【0021】上記の「くびれ」や「割れ」は、加工変形
中に生じるミクロ的な欠陥、すなわちミクロボイドが連
結して成長したような、極めて微少な欠陥によって引き
起こされるものと考えられる。中・高炭素鋼板において
は、炭化物(セメンタイト)がミクロボイドの生成起点
になると考えれれる。したがって、中・高炭素鋼板の伸
びフランジ性を改善するには、ミクロボイドの生成・連
結が起こりにくいような炭化物の分布形態にコントロー
ルすることが重要となる。
【0022】本発明者らの詳細な研究により、加工に供
する鋼板中の平均炭化物間距離を長くすれば、個々の炭
化物を起点として生成したミクロボイドの連結が抑制で
き、伸びフランジ性が向上することが確認されている。
また、個々の炭化物の球状化率を高めることもミクロボ
イドの生成を抑制する効果があることが確認されてい
る。本発明では主として、熱延鋼板の金属組織の規定
と、熱処理方法の規定によって、冷間圧延を採用した鋼
板製造プロセスでの効果的な炭化物形態コントロールを
実現した。以下、本発明を特定するための事項について
説明する。
【0023】本発明では、C:0.1〜0.8質量%を含有す
る鋼を対象とする。C含有量は鋼の焼入れ硬さおよび炭
化物量に大きく影響する。C含有量が0.1質量%以下の
鋼では、各種機械構造用部品に適用するうえで十分な焼
入れ硬さが得られない。一方、C含有量が0.8質量%を
超えると、熱間圧延後の靭性が低下して鋼帯の製造性・
取扱い性が悪くなるとともに、焼鈍後においても十分な
延性が得られないため、加工度の高い部品への適用が困
難になる。したがって、本発明では適度な焼入れ硬さと
加工性を兼ね備えた素材鋼板を提供する観点から、C含
有量が0.1〜0.8質量%の範囲の鋼を対象とする。なお、
C含有量が低くなるほど伸びフランジ性は一層改善され
る。このため、伸びフランジ性を特に重視する用途では
C含有量が0.1〜0.5質量%の鋼を使用することが望まし
い。
【0024】Sは、MnS系介在物を形成する元素であ
る。この介在物の量が多くなると局部延性が劣化するの
で、鋼中のS含有量はできるだけ低減することが望まし
い。本発明ではS含有量を特別に低減していない一般的
な市販鋼に対しても伸びフランジ性の向上効果は得られ
る。しかし、C含有量が0.8質量%近くまで高くなった
場合でも、後述するElv値およびλ値がそれぞれ例え
ば35%以上,40%以上といった高い伸びフランジ性を安
定して確保するためには、S含有量を0.01質量%以下に
低減した鋼を使用することが望ましい。さらにElv値
およびλ値をそれぞれ40%以上,55%以上にまで高めた
非常に優れた伸びフランジ性を有する鋼板素材を安定し
て得るためには、C含有量を0.1〜0.5質量%としたうえ
で、S含有量を0.005質量%以下に低減した鋼を用いる
のがよい。
【0025】Pは、延性や靭性を劣化させるので、0.03
質量%以下の含有量とすることが望ましい。
【0026】Alは溶鋼の脱酸剤として添加されるが、
鋼中のT.Al量が0.1質量%を超えると鋼の清浄度が損
なわれて鋼板に表面疵が発生しやすくなるので、T.A
l含有量は0.1質量%以下とすることが望ましい。
【0027】Siは、局部延性に対して影響の大きい元
素の1つである。Siを過剰に添加すると固溶強化作用
によりフェライトが硬化し、成形加工時に割れ発生の原
因となる。またSi含有量が増加すると製造過程で鋼板
表面にスケール疵が発生する傾向を示し、表面品質の低
下を招く。Siを添加する場合は0.40質量%以下の含有
量に抑えるのがよい。加工性を特に重視する用途ではS
i含有量は0.1質量%以下とすることが望ましい。
【0028】Mnは、鋼板の焼入れ性を高め、強靭化に
も有効な添加元素である。十分な焼入れ性を得るために
は0.3質量%以上の含有が望ましい。しかし、1.0質量%
を超えて多量に含有させるとフェライトが硬化し、加工
性の劣化を招く。そこで、Mnは0.3〜1.0質量%の範囲
で含有させることが望ましい。
【0029】Crは、焼入れ性を改善するとともに焼戻
し軟化抵抗を大きくする元素である。しかし、1.2質量
%を超える多量のCrが含まれると後述の3段階焼鈍を
施しても軟質化しにくく焼入れ前のプレス成形性や加工
性が劣化する場合がある。したがってCrを添加する場
合は1.2質量%以下の範囲とするのがよい。
【0030】Moは、少量の添加でCrと同様に焼入れ
性・焼戻し軟化抵抗の改善に寄与する。しかし、0.3質
量%を超える多量のMoが含まれると3段階焼鈍を施し
ても軟質化しにくく焼入れ前のプレス成形性や加工性が
劣化する場合がある。したがってMoを添加する場合は
0.3質量%以下の範囲とするのがよい。
【0031】Cuは、熱延中に生成する酸化スケールの
剥離性を向上させるので、鋼板の表面性状の改善に有効
である。しかし、0.3質量%以上含有させると溶融金属
脆化により鋼板表面に微細なクラックが生じやすくなる
ので、Cuを添加する場合は0.3質量%以下の範囲とす
るのがよい。Cu含有量の好ましい範囲は0.10〜0.15質
量%である。
【0032】Niは、焼入れ性を改善するとともに低温
脆性を防止する元素である。またNiは、Cu添加によ
って問題となる溶融金属脆化の悪影響を打ち消す作用を
示すので、特にCuを約0.2%以上添加する場合にはC
u添加量と同程度のNiを添加することが極めて効果的
である。しかし、2.0質量%を超える多量のNiが含ま
れると3段階焼鈍を施しても軟質化しにくく焼入れ前の
プレス成形性や加工性が劣化する場合がある。したがっ
てNiを添加する場合は2.0質量%以下の範囲とするの
がよい。
【0033】次に、熱処理による炭化物形態のコントロ
ールについて説明する。一般的に、鋼をAc1点以上の温
度に加熱すると炭化物のうち微細なものはオーステナイ
ト中に固溶し、その後Ar1点以下の温度に冷却すると再
び炭化物として析出する。その際、Ac1点以上で未溶解
炭化物をある程度多く残存させることが可能であれば、
Ar1点以下への冷却速度を遅くしたとき、オーステナイ
ト中に固溶したCはパーライトを生成せずに未溶解炭化
物を核として析出するので、焼鈍後の炭化物の球状化率
は高くなる。またこの場合、Ac1点以上における未溶解
炭化物の数は焼鈍前より減少しており、冷却速度が遅い
と新たに核生成しないので、焼鈍後の炭化物数は焼鈍前
より減少することになり、結果的に炭化物間距離は長く
なる。
【0034】しかしながら、Ac1点以上の温度域は、平
衡的には鋼の炭化物がすべて固溶する領域である。この
ため、一般的な焼鈍ではAc1点以上で未溶解炭化物をあ
る程度多く残存させることは困難である。結局、析出核
の数が不足し、Ar1点以下への冷却過程で、オーステナ
イト中に固溶したCはラメラ間隔の広い再生パーライト
として析出することになる。その結果、炭化物の球状化
率は極めて低くなり、伸びフランジ性の優れた鋼板は得
られない。
【0035】本発明者らは、Ac1点以上へ加熱する前
に、予めAc1点未満の特定温度域で一定時間以上加熱す
る処理を行えば、熱延および冷延を経た鋼であっても、
Ac1点以上の温度域において未溶解炭化物を適切量残存
させることが可能であること、および、Ar1点以下への
冷却後に特定温度域で特定時間保持することによって、
伸びフランジ性が向上する炭化物分散形態が実現できる
ことを知見した。
【0036】〔1段目の加熱〕1段目の加熱の目的は、
Ac1点未満の温度に鋼板を保持し、熱間圧延で生成した
パーライトを分断して、炭化物(セメンタイト)の球状
化を図ることである。分断された炭化物は比較的細かい
ものの、球状化の進行より炭化物単位体積当たりの表面
積が減少するので、結果的に2段目のAc1点以上の加熱
時に、炭化物/オーステナイト界面面積の減少効果で炭
化物の固溶を遅らせることができる。パーライトの分断
・球状化反応促進のためにはAc1点未満の範囲でなるべ
く高温が望ましい。Ac1−50℃より低温では球状化が十
分に進まない。一方、Ac1点以上になると界面面積の大
きい熱延パーライトは容易にオーステナイトに固溶して
しまうので目的が達成できない。したがって1段目の加
熱温度はAc1−50℃〜Ac1未満の温度範囲とした。ま
た、その温度範囲での保持時間が0.5時間未満では球状
化が十分に図れないので、1段目の加熱保持時間は0.5
時間以上とした。保持時間の上限は特に規定する必要は
ないが、工業的な実施を考慮したとき8時間以内とする
ことが望ましい。なお、この1段目の加熱を行った後
は、そのまま昇温して2段目の加熱を実施してもよい
し、一旦常温まで冷却したのち改めて昇温して2段目の
加熱に供してもよい。設備の都合等により1回の加熱で
0.5時間以上の保持時間を確保できないときは、この1
段目の加熱を複数回に分けて行ってもよい。その場合は
上記温度範囲内での保持時間がトータル0.5時間以上と
なるようにする。
【0037】〔2段目の加熱〕2段目の加熱の目的は、
1段目の加熱を経た鋼板をAc1点以上の温度に保持し、
オーステナイト化した部分において微細な炭化物を固溶
・消失させるとともに比較的大きな球状炭化物を未溶解
のまま残すこと、および、フェライトが存在する場合に
はその部分の炭化物をオストワルド成長させることであ
る。つまり、続く3段目の加熱で炭化物析出の核となる
べき未溶解炭化物の数および分散状態を決定付ける工程
である。加熱温度がAc1点未満ではオーステナイトが生
成しない。一方、Ac1+100℃の温度を超えると、1段
目の加熱で炭化物が球状化されていても、その多くはオ
ーステナイト中に固溶・消失し、未溶解炭化物の数が少
なくなりすぎるか、または存在しなくなる。そうなると
3段目への冷却過程で再生パーライトが生成し、伸びフ
ランジ性を十分改善するに足る高い炭化物球状化率と長
い平均炭化物間距離が実現できない。加熱保持時間が0.
5時間未満ではオーステナイト中への微細炭化物の固溶
が不十分であり、20時間を超える長時間加熱ではより平
衡状態に近づくため未溶解炭化物の数が減少しすぎる。
したがって、2段目の加熱はAc1〜Ac1+100℃の温度
範囲で0.5〜20時間保持することとした。
【0038】〔3段目の加熱〕3段目の加熱の目的は、
1段目〜2段目の加熱を経た鋼板をAr1点以下の温度に
保持し、2段目の温度からの冷却でオーステナイト→フ
ェライト変態に伴ってオーステナイトから吐き出される
Cを未溶解炭化物を核として析出させるとともに、これ
らの炭化物をオストワルド成長させることである。つま
り、炭化物の数は2段目の加熱で残存させた未溶解炭化
物の数をほぼそのまま維持し、かつ炭化物の球状化率を
高める工程である。保持温度がAr1点以下でないとオー
ステナイト→フェライト変態が起こらない。また、保持
温度がAr1−80℃より低温の場合や、保持時間が2時間
未満では、オストワルド成長が十分進まない。ただし、
保持時間が60時間を超えてもその効果が飽和し、工業的
なメリットはない。したがって、3段目の加熱はAr1
80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持することとし
た。
【0039】〔2段目の保持温度から3段目の保持温度
への冷却速度〕この冷却速度が速いとオーステナイトの
過冷度が大きくなり、再生パーライトが生成しやすくな
る。再生パーライトの生成を十分抑制するためには冷却
速度を30℃/h以下とする必要がある。一方、冷却速度
を5℃/hより遅くしても再生パーライト抑制効果は飽
和し、工業的メリットがない。したがって、当該冷却速
度は5〜30℃/hに規定した。
【0040】次に、熱延鋼板の金属組織について説明す
る。本発明において、熱延鋼板の金属組織は、実質的に
フェライト+パーライト組織、すなわち、ベイナイトを
含まない初析フェライト+パーライト組織であることが
望ましい。これは、1段目の加熱保持において、ベイナ
イトはパーライトに比べて炭化物粒径がより微細にな
り、2段目の加熱で残留する未溶解炭化物の数が不足す
るためである。
【0041】熱延鋼板の初析フェライト面積率(%)を高
くすることも、2段目の加熱で未溶解炭化物を適正量残
留させるうえで有利である。初析フェライト面積率(%)
が高くなると、パーライトコロニー全体でのC濃度が高
くなるので、パーライト中のセメンタイトラメラが厚く
なり、1段目の加熱で炭化物粒径を比較的大きくするこ
とができるからである。実験の結果、熱延鋼板における
初析フェライト面積率(%)が、下記(1)式で定まるF
値以上の値になるように調製されているとき、より良好
な伸びフランジ性が得られることがわかった。 F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1) ここで、「(1−質量%C/0.8)×100」は、平衡論的に
析出する初析フェライト面積率である。(1)式は、実
際に存在する熱延鋼板中の初析フェライト量が、平衡論
的な初析フェライト量の40%以上の量であることが望ま
しいことを意味する。熱延鋼板中の初析フェライト面積
率(%)は、鋼板断面の金属組織観察(例えば走査電子顕
微鏡観察)において、観察視野内の初析フェライト面積
を測定し、観察視野面積に占める初析フェライト面積の
割合として求めることができる。
【0042】熱延鋼板のパーライトラメラ間隔を大きく
することも、2段目の加熱で未溶解炭化物を適正量残留
させるうえで有利である。先に定義した〔パーライトラ
メラ間隔〕を0.1μm以上としたとき、1段目の加熱で球
状化炭化物の粒径が適度に大きくなり、結果的に高い伸
びフランジ性が得られる。
【0043】加工用素材の各種板厚要求に対応するため
には、冷間圧延工程の採用が非常に有利となる。また、
一般的に熱延鋼板を焼鈍前に冷間圧延すると、導入され
た加工ひずみによって焼鈍時に再結晶が促進され、冷間
圧延を施さなかった場合に比べ軟質なものが得られる。
本発明では、この軟質化の効果を享受することができる
他、特に3段階焼鈍の1段目の加熱において、加工ひず
みによりパーライト中の炭化物の分断・球状化が促進さ
れるメリットもある。ただし、本発明者らの調査による
と、冷間圧延率が10%程度のときには、冷間圧延を施さ
なかった場合(以下、「冷間圧延率が0%」という)よ
りむしろ焼鈍後の硬度が上昇する現象がみられた。冷間
圧延率が15%になると、ようやく冷間圧延率が0%のも
のとほぼ同等の硬度にもどり、さらに冷間圧延率を増す
と冷間圧延率0%のものより大幅に軟質なものが得られ
る。しかし、冷間圧延率が30%を超えると軟質化の程度
は少しずつ小さくなり、50%を超えるとフェライト結晶
粒が微細となり、硬さが上昇し、延性の低下が懸念され
る。したがって、熱延鋼板に対して施す冷間圧延率は、
少なくとも15%以上とする必要があるが、50%以下の範
囲とすることが望ましい。
【0044】以上のようにして、伸びフランジ性の高い
中・高炭素鋼板が得られる。具体的には本発明の熱処理
後の金属組織が、例えば、炭化物の球状化率が90%以上
であり、平均炭化物粒径が0.4〜1.0μmの範囲となるこ
とが望ましい。本発明によってこのような望ましい金属
組織を得ることが可能である。
【0045】ここで、炭化物の球状化率は、鋼板断面の
金属組織観察(例えば走査電子顕微鏡観察)において炭
化物の最大長さaとその直角方向における最大長さbの
比(a/b)が3未満のものを「球状化した炭化物」とし
てカウントし、測定炭化物総数に対する前記「球状化し
た炭化物」の割合で表したものを意味する。ただし、観
察視野は炭化物総数が300個以上となる領域とする。
【0046】平均炭化物粒径は、鋼板断面の金属組織観
察において、観察視野内の個々の炭化物について測定し
た円相当径を全測定炭化物について平均した値を意味す
る。ただし、観察視野は炭化物総数が300個以上となる
領域とする。
【0047】
【実施例】〔実施例1〕表1に、供試鋼板の化学成分,
Ac1変態点,Ar1変態点,および焼入れ硬さを示す。A
c1変態点およびAr1変態点は、直径5mm×長さ10mmの供
試鋼試験片を「10℃/hで昇温→900℃で10分間保持し
て完全にオーステナイト化→10℃/hで冷却」というヒ
ートパターンで加熱・冷却しながら試験片の収縮・膨張
を測定し、その収縮・膨張曲線の変化から求めた。焼入
れ硬さは、熱延材をそのままAc1変態点以上である900
℃で5分間保持した後水焼入れした場合の硬さを示し
た。この焼入れ硬さは一般的な焼入れ処理によって鋼材
本来の硬度を比較したものであり、本発明に係る3段階
焼鈍後の焼入性を示すものではない。
【0048】
【表1】
【0049】表1のうちA鋼は、C含有量が0.08質量%
と低いので、焼入れ後の硬さが低く、機械部品として必
要な硬度が得られないものであった。そこで、A鋼を除
く鋼について、仕上圧延の最終パス温度850℃,巻取温
度620℃の条件で熱間圧延を行った後、種々の冷間圧延
率で圧延して2.3mm厚の鋼板に仕上げ、次いで種々の条
件で焼鈍を施した。焼鈍後の鋼板について、引張試験,
切欠引張試験,穴拡げ試験を実施した。
【0050】引張試験は、JIS 5号引張試験片を用い、
平行部の標点間距離を50mmとして行った。切欠引張試験
は、JIS 5号引張試験片の平行部長手方向中央位置にお
ける幅方向両サイドに開き角45°,深さ2mmのVノッ
チを形成した試験片を用いて引張試験を行う方法で行っ
た。Vノッチ部を挟む標点間距離5mmに対する伸び率を
破断後に求め、その伸び率を切欠引張伸びElvとし
た。穴拡げ試験は、150mm角の鋼板の中央部にクリアラ
ンス20%にて10mm(d0)の穴を打抜いた後、その穴部に
ついて、50mmφ球頭ポンチにて押し上げる方法で行い、
穴周囲に板厚を貫通する亀裂が発生した時点での穴径d
を測定して、次式で定義される穴拡げ率λ(%)を求め
た。 λ=(d−d0)/d0×100 これらElv値およびλ値は局部延性を表す指標であ
り、伸びフランジ性を定量的に評価し得るものである。
これらの試験結果を焼鈍条件と併せて表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】C含有量が0.89質量%と本発明規定範囲を
超えているG鋼は、冷延,焼鈍条件を本発明で規定する
範囲内としても、Elv値28%,λ値32%と低く、伸び
フランジ性は劣っていた(No.6)。C含有量が本発明規
定範囲内のB鋼でも、冷延率が10%の場合はElv値23
%,λ値34%と低く、高い伸びフランジ性は得られなか
った(No.1)。これに対し、C含有量が本発明規定範囲
内のB鋼,C鋼,D鋼,E鋼,F鋼は、本発明で規定す
る条件で冷延,焼鈍を施した場合、Elv値35%以上,
λ値41%以上と、優れた伸びフランジ性を示した。C含
有量が本発明規定範囲にあり、かつS含有量が0.01質量
%以下に抑えられているF鋼は、C含有量が同等である
C鋼と比べてもさらに高いElv値・λ値を示してお
り、非常に優れた伸びフランジ性を有することがわか
る。
【0053】次に、C含有量が本発明規定範囲であるB
鋼(No.14〜19)を例に、焼鈍条件の影響について述べ
る。1段目の保持温度が本発明規定範囲外である場合
(No,14)、2段目の保持温度が本発明規定範囲より高
い場合(No.15)、および2段目の加熱時間が本発明規
定範囲より長い場合(No.16)は、2段目の加熱保持が
終了する時点での未溶解炭化物が極めて少なくなり、そ
の結果再生パーライトが生成したため、Elv値,λ値
ともに低くなった。2段目の保持温度から3段目の保持
温度への冷却速度が本発明の規定より速い場合(No.1
7)、および3段目の保持温度が本発明規定範囲より高
い場合(No.18)でも、再生パーライトが生成したた
め、Elv値,λ値ともに低くなった。3段目の保持温
度が本発明規定範囲より低い場合(No.19)は、3段目
の加熱段階で炭化物の球状化が進まなかったため、El
v値,λ値ともに低くなった。以上のように、本発明に
係るものは比較例のものよりElv値およびλ値が顕著
に向上している。
【0054】〔実施例2〕表1のB鋼を用いて、3段階
焼鈍後のElv値,λ値に及ぼす熱延鋼板の金属組織の
影響を調査した。熱延鋼板の金属組織は、熱延最終パス
温度,巻取温度をコントロールして変化させた。冷間圧
延率,3段階焼鈍条件は本発明規定範囲内とした。その
結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3中、No.31は、初析フェライト面積率
(%)がF値未満で、かつ、〔パーライトラメラ間隔〕が
0.1μm未満のものである。これは、先の表2のデータか
らもわかるように、本発明例の中でもElv値,λ値が
低い部類のものである。No.32は、初析フェライト面積
率(%)がF値以上、〔パーライトラメラ間隔〕が依然0.
1μm未満のものであるが、Elv値,λ値はNo.31よりか
なり向上している。No.33〜34は、初析フェライト面積
率(%)がF値以上、かつ、〔パーライトラメラ間隔〕が
0.1μm以上のものであり、Elv値,λ値は非常に高い
値になっている。
【0057】〔実施例3〕次に、3段階焼鈍後の金属組
織(炭化物球状化率,平均炭化物粒径)の及ぼすElv
値,λ値,高周波焼入れ性への影響を調べた一例を示
す。サンプルとして、表2のNo.2,No.12,No.15を用
い、3段階焼鈍後の鋼板断面の金属組織の走査電子顕微
鏡観察し、先に述べた手法で炭化物球状化率および平均
炭化物粒径を求めた。高周波焼入れ性は、3段階焼鈍後
の鋼板を高周波加熱により900℃で10秒間保持した後、
水焼入れし、硬さを測定して評価した。この焼入れ硬さ
によって、部品加工後の焼入れ性が評価できると考えて
良い。結果は次のとおりであった。 ・(No.2)炭化物球状化率:96%,平均炭化物粒径:0.
70μm,Elv値:46%,λ値:64%,高周波焼入れ硬
さ:Hv 608。 ・(No.12)炭化物球状化率:91%,平均炭化物粒径:
0.55μm,Elv値:43%,λ値:58%,高周波焼入れ硬
さ:Hv 605。 ・(No.15)炭化物球状化率:72%,平均炭化物粒径:
0.36μm,Elv値:27%,λ値:36%,高周波焼入れ硬
さ:Hv 609。 これらの結果は、炭化物の球状化率が高く、かつ平均炭
化物粒径が大きいほど、伸びフランジ性が向上すること
を示している。また、本発明によって高周波焼入れ性に
も優れるものが得られることを示している。
【0058】参考のため、図1に、表3のNo.31の熱延
鋼板L-断面の金属組織写真を示す。図2には、表3のN
o.34の熱延鋼板L-断面の金属組織写真を示す。いずれも
走査電子顕微鏡写真である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、冷間圧延を経た鋼板製
造プロセスにおいて、伸びフランジ性に優れた加工用中
・高炭素鋼板が安定的に作れるようになった。伸びフラ
ンジ加工等の厳しい加工に耐え得る中・高炭素鋼板を、
多様化する板厚要求に応じて、多くの用途に容易に適用
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】表3のNo.31の熱延鋼板L-断面の金属組織写真
である。
【図2】表3のNo.34の熱延鋼板L-断面の金属組織写真
である。
フロントページの続き (72)発明者 飯原 勝之 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からな
    り、金属組織が実質的にフェライト+パーライト組織で
    ある熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、次いで、
    Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.5時間以上保持す
    る1段目の加熱を行った後、Ac1〜Ac1+100℃の温度
    範囲で0.5〜20時間保持する2段目の加熱とAr1−80℃
    〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する3段目の加熱を
    連続して行い、かつ2段目の保持温度から3段目の保持
    温度への冷却速度を5〜30℃/hとする3段階焼鈍を施
    す、伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からな
    り、実質的にフェライト+パーライト組織を呈し、初析
    フェライト面積率(%)が下記(1)式により定まるF値
    以上である金属組織の熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延
    を施し、次いで、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.
    5時間以上保持する1段目の加熱を行った後、Ac1〜Ac
    1+100℃の温度範囲で0.5〜20時間保持する2段目の加
    熱とAr1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する
    3段目の加熱を連続して行い、かつ2段目の保持温度か
    ら3段目の保持温度への冷却速度を5〜30℃/hとする
    3段階焼鈍を施す、伸びフランジ性に優れた中・高炭素
    鋼板の製造法。 F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1)
  3. 【請求項3】 C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からな
    り、実質的にフェライト+パーライト組織を呈し、以下
    に定義する〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以上であ
    る金属組織の熱延鋼板に、15%以上の冷間圧延を施し、
    次いで、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度範囲で0.5時間以
    上保持する1段目の加熱を行った後、Ac1〜Ac1+100
    ℃の温度範囲で0.5〜20時間保持する2段目の加熱とAr
    1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間保持する3段目の
    加熱を連続して行い、かつ2段目の保持温度から3段目
    の保持温度への冷却速度を5〜30℃/hとする3段階焼
    鈍を施す、伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製
    造法。 〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面の金属組織
    観察において、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域
    を含む観察視野内でセメンタイトのラメラが最も密にな
    っているパーライトの部分を選択し、当該パーライト部
    分において隣り合うセメンタイトラメラの平均的な厚み
    中心間距離を測定してその値をL(μm)とし、この測定
    を観察視野を変えて合計10回行い、10個のL値のう
    ち小さいものから5個の平均値を〔パーライトラメラ間
    隔〕とする。ただし、観察視野内で選択するパーライト
    の部分は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラ
    がほぼ平行に現れている部分から選択するものとする。
  4. 【請求項4】 C:0.1〜0.8質量%を含有する鋼からな
    り、実質的にフェライト+パーライト組織を呈し、以下
    に定義する〔パーライトラメラ間隔〕が0.1μm以上で、
    かつ初析フェライト面積率(%)が下記(1)式により定
    まるF値以上である金属組織の熱延鋼板に、15%以上の
    冷間圧延を施し、次いで、Ac1−50℃〜Ac1未満の温度
    範囲で0.5時間以上保持する1段目の加熱を行った後、
    Ac1〜Ac1+100℃の温度範囲で0.5〜20時間保持する2
    段目の加熱とAr1−80℃〜Ar1の温度範囲で2〜60時間
    保持する3段目の加熱を連続して行い、かつ2段目の保
    持温度から3段目の保持温度への冷却速度を5〜30℃/
    hとする3段階焼鈍を施す、伸びフランジ性に優れた中
    ・高炭素鋼板の製造法。 F=0.4×(1−質量%C/0.8)×100 ・・(1) 〔パーライトラメラ間隔〕:熱延鋼板L-断面の金属組織
    観察において、1辺が少なくとも50μm以上の矩形領域
    を含む観察視野内でセメンタイトのラメラが最も密にな
    っているパーライトの部分を選択し、当該パーライト部
    分において隣り合うセメンタイトラメラの平均的な厚み
    中心間距離を測定してその値をL(μm)とし、この測定
    を観察視野を変えて合計10回行い、10個のL値のう
    ち小さいものから5個の平均値を〔パーライトラメラ間
    隔〕とする。ただし、観察視野内で選択するパーライト
    の部分は、少なくとも3つ以上のセメンタイトのラメラ
    がほぼ平行に現れている部分から選択するものとする。
  5. 【請求項5】 熱延鋼板に施す冷間圧延率が15〜50%の
    範囲である、請求項1,2,3または4に記載の伸びフ
    ランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法。
  6. 【請求項6】 鋼がC:0.1〜0.8質量%含有し、Sを0.
    01質量%以下に制限したものである、請求項1,2,
    3,4または5に記載の伸びフランジ性に優れた中・高
    炭素鋼板の製造法。
  7. 【請求項7】 鋼が、質量%において、C:0.1〜0.8
    %,Si:0〜0.40%(無添加を含む),Mn:0.3〜1.
    0%を含有し、Pを0.03%以下,Sを0.01%以下,T.A
    lを0.1%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不
    純物からなるものである、請求項1,2,3,4または
    5に記載の伸びフランジ性に優れた中・高炭素鋼板の製
    造法。
  8. 【請求項8】 鋼が、質量%において、C:0.1〜0.8
    %,Si:0〜0.40%(無添加を含む),Mn:0.3〜1.
    0%,Cr:0〜1.2%(無添加を含む),Mo:0〜0.3
    %(無添加を含む),Cu:0〜0.3%(無添加を含
    む),Ni:0〜2.0%(無添加を含む)を含有し、Pを
    0.03%以下,Sを0.01%以下,T.Alを0.1%以下に制
    限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるもので
    ある、請求項1,2,3,4または5に記載の伸びフラ
    ンジ性に優れた中・高炭素鋼板の製造法。
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