JPH11269292A - 低発泡フィルム - Google Patents

低発泡フィルム

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JPH11269292A
JPH11269292A JP10092374A JP9237498A JPH11269292A JP H11269292 A JPH11269292 A JP H11269292A JP 10092374 A JP10092374 A JP 10092374A JP 9237498 A JP9237498 A JP 9237498A JP H11269292 A JPH11269292 A JP H11269292A
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JP
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rubber
low
foaming
film according
film
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Application number
JP10092374A
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English (en)
Inventor
Takeshi Akita
剛 穐田
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 隠蔽剤、ゴム変性熱可塑性樹脂の少なく
とも2成分からなるフィルムであって、フィルム形成時
の発泡倍率が1.3〜7.0倍で、かつ全光線透過率
(JIS K7105に準ずる)が20%以下である低
発泡フィルム。 【効果】 印刷等による意匠性の付与が容易であり、ま
た隠蔽性も良好である。さらに、耐薬品性にも優れ、塩
素の使用を廃止もしくは軽減することもできる。また、
積層加工適性が良好であるので、品質の良好な積層体を
得ることができ、クッション性に優れるため、特にIC
カードの製造においてはチップ破損を低減させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低発泡フィルム、
特にICカード基材として有用な低発泡フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ICカードが普及し始めている
が、ICカード内にICチップを内蔵させるための構成
素材として、一般的には塩化ビニルフィルムを使用して
いる。しかし、塩化ビニルフィルムは耐久性に劣り、ま
た、近年では環境上の問題から使用を軽減する方向にあ
る含塩素性樹脂であるため、この使用は世間の流れと反
している。この代替材料としては、ABS樹脂等のゴム
変性熱可塑性フィルムが注目されているが、従来のAB
S樹脂は意匠性・隠蔽性・積層加工適性の点で問題があ
り、使用困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みなされたものであり、意匠性・隠蔽性・カード成
形等の積層加工適性に優れた低発泡フィルムを提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、隠蔽剤、ゴム
変性熱可塑性樹脂の少なくとも2成分からなるフィルム
であって、フィルム形成時の発泡倍率が1.3〜7.0
倍で、かつ全光線透過率(JIS K7105に準ず
る)が20%以下である低発泡フィルムおよびそれを用
いたICカードを提供するものである。
【0005】以下に、具体的に本発明を説明する。本発
明に用いる、ゴム変性熱可塑性樹脂は、(A)ゴム成分
に、(B)芳香族ビニルモノマーおよび/またはアルキ
ル(メタ)アクリレート、(C)シアン化ビニルモノマ
ーの、(B)および(C)成分で構成されたビニルモノ
マーをグラフト重合することにより構成されている。
【0006】(A)ゴム成分としては、本発明の作用を
限定しないものであれば、特に限定はされないが、好ま
しくはジエン系ゴムまたはオレフィン系共重合体ゴムが
用いられる。
【0007】ジエン系ゴムとしては、例えばポリブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロ
プレンゴム、ブチルゴム等が挙げられるが、好ましくは
ポリブタジエンゴムが良い。
【0008】また、オレフィン系共重合体ゴムとしては
例えば、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、ア
クリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ゴム等が挙げられるが、好ましくはエチレン
−α−オレフィン系共重合体ゴムが良い。
【0009】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
には、例えば、エチレン−α−オレフィン二元共重合
体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン三元共重
合体などが含まれる。α−オレフィンには、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭
素数3〜8程度のα−オレフィンが含まれる。α−オレ
フィンとして好ましいのは、炭素数3〜6程度のα−オ
レフィンであり、特にプロピレンが良い。
【0010】上記非共役ジエン成分としては、例えば、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メ
チル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖
状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタ
ジエン、メチルテトラヒドロインデンなどの環状非共役
ジエン;5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−イロプロピリデン−2−ノルボルネン等のアルケニル
ノルボルネン類などが用いられる。
【0011】好ましいエチレン−α−オレフィン系共重
合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム[例えば、日本合成ゴム(株)製のJSR−E
PM(商品名)等];エチレン−プロピレン−エチリデ
ンノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−1、4−ヘキサジエン共重合体ゴム等のエチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム[例えば、日
本合成ゴム(株)製のJSR−EPDM(商品名)等]
が挙げられるが、特に好ましくはエチレン−プロピレン
系共重合体ゴムが良い。
【0012】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
において、エチレンとα−オレフィンとの割合は、通
常、重量比で90/10〜20/80(エチレン/α−
オレフィン)、好ましくは重量比で90/10〜30/
70であり、より好ましくは重量比で90/10〜60
/40、特に好ましくは重量比で90/10〜65/3
5である。
【0013】また、エチレン−α−オレフィン−非共役
ジエン共重合体ゴムにおいて、非共役ジエン含有量は、
通常、ヨウ素価に換算して5〜40であるのが好まし
い。
【0014】アクリルゴムとしては、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル
を主成分とする共重合体が含まれる。前記共重合体を構
成する共重合可能なモノマーとしては、例えば、塩素含
有アクリル系モノマー、アクリロニトリル、カルボキシ
ル基含有(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ基含有
(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
【0015】上記ゴム成分は、一種又は二種以上を混合
して用いることができる。
【0016】(B)芳香族ビニルモノマーとしては、例
えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン等)、α−アルキル置換スチレン
(例えば、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン等)、ハロゲン化スチレン(例えば、o−ク
ロロスチレン、p−クロロスチレン等)等のスチレン系
モノマーが挙げられ、好ましくは、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマ
ーが良く、特に好ましくは、スチレンモノマーが良い。
これらの芳香族ビニルモノマーは、一種又は二種以上混
合して使用できる。
【0017】また、耐光性を高めるために、前記芳香族
ビニルモノマーに代えて、又は芳香族ビニルモノマーと
共に、アルキル(メタ)アクリレートを用いてもよい。
前記アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t
−ブチル等の炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げ
られる。
【0018】具体的には、アルキル(メタ)アクリレー
トとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ま
しいアルキル(メタ)アクリレートとしてはアルキルメ
タクリレートが良く、特に好ましくはメチルメタクリレ
ートが良い。このようなアルキル(メタ)アクリレート
を用いることにより、フィルムの透明性が向上する。こ
れらのアルキル(メタ)アクリレートも、一種又は二種
以上混合して使用できる。
【0019】(C)シアン化ビニルモノマーとしては、
例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が
挙げられるが、好ましくはアクリロニトリルが良い。こ
れらのシアン化ビニルモノマーは、単独で又は二種以上
混合して使用できる。
【0020】なお、ゴム変性熱可塑性樹脂の特性を損な
わない範囲で、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシ
ルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸、無水
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などの共重
合可能なモノマーを併用してもよい。
【0021】本発明に用いる、ゴム変性熱可塑性樹脂
は、より具体的には、例えば、ジエン系ゴムに芳香族ビ
ニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーをグラフト
重合して得られるポリマー[例えば、ポリブタジエンゴ
ムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合し
たポリマー(ABS樹脂)など](以下ABS系ポリマ
ーと総称する));エチレン−α−オレフィン系ゴムに
芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーを
グラフト重合して得られるポリマー[例えば、エチレン
−プロピレン系共重合体ゴムにスチレンおよびアクリロ
ニトリルをグラフト重合したポリマー(AES樹脂)な
ど](以下、AES系ポリマーと総称する);アクリル
ゴムに芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノ
マーをグラフト重合して得られるポリマー[例えば、ア
クリルゴムにスチレンおよびアクリロニトリルをグラフ
ト重合したポリマー(AAS樹脂)など];塩素化ポリ
エチレンに芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニル
モノマーをグラフト重合して得られるポリマー[例え
ば、塩素化ポリエチレンにスチレンおよびアクリロニト
リルをグラフト重合したポリマー(ACS樹脂)な
ど];エチレン−酢酸ビニル共重合体に芳香族ビニルモ
ノマーおよびシアン化ビニルモノマーをグラフト重合し
て得られるポリマー[例えば、エチレン−酢酸ビニル共
重合体にスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト重
合したポリマーなど];等が挙げられる。
【0022】好ましいゴム変性熱可塑性樹脂には、AB
S系ポリマー、AES系ポリマーが含まれる。
【0023】前記ゴム変性熱可塑性樹脂は、(A)ゴム
成分で、(B)芳香族ビニルモノマーおよび/またはア
ルキル(メタ)アクリレート、(C)シアン化ビニルモ
ノマーの、(B)および(C)成分で構成されたビニル
モノマーからなる共重合体を変性しているので、破断伸
び率や剛性が高く、しかも耐衝撃性、耐薬品性などにも
優れる。
【0024】本発明で用いるゴム変性熱可塑性樹脂にお
いて(A)ゴム成分と、(B)芳香族ビニルモノマーお
よび/またはアルキルメタクリレート、(C)シアン化
ビニルモノマーの、(B)および(C)成分で構成され
たビニルモノマー組成物との割合は、各成分の種類やフ
ィルムの用途などに応じて適宜選択できるが、好ましく
は重量比で(A)/{(B)+(C)}=2/98〜5
0/50、さらに好ましくは重量比で5/95〜45/
55、特に好ましくは重量比で10/90〜40/60
が良い。ゴム成分とモノマー組成物との割合が前記範囲
である樹脂は、剛性や引張り強さに優れると共に、優れ
た耐衝撃性を有する。なお、ゴム成分が重量比で50%
を超えると、フィルム成形性が低下しやすい。
【0025】また、本発明で用いるゴム変性熱可塑性樹
脂において、(B)芳香族ビニルモノマーおよび/また
はアルキルメタクリレート、(C)シアン化ビニルモノ
マーの、(B)および(C)成分で構成されたビニルモ
ノマー組成物において、(B)成分と(C)成分の割合
は、好ましくは重量比で(B)/(C)=90/10〜
50/50、さらに好ましくは重量比で80/20〜6
0/40(である。
【0026】本発明で用いるゴム変性熱可塑性樹脂の熱
変形温度HDTは、本発明の低発泡フィルムの用途など
に応じて適宜選択できるが、好ましくは70〜150℃
が良く、さらに、好ましくは80〜130℃が良い。な
お、HDTは、ゴム成分の量、ビニルモノマーの種類、
グラフト率などにより調整できる。
【0027】本発明で用いるゴム変性熱可塑性樹脂は、
慣用のグラフト法により得ることができる。このような
グラフト法としては、例えば、ゴム成分の存在下に、前
記(B)および(C)成分で構成されたモノマー組成物
を重合するグラフト重合法、前記共重合成分のうち、少
なくとも一種のモノマーを構成成分とする重合体又は共
重合体を別個に製造し、前記のようにして得られたグラ
フト共重合体とブレンドするグラフトブレンド法などが
挙げられる。好ましくはグラフト共重合体が使用するの
が良い。
【0028】また、重合は、慣用の重合法、例えば、乳
化重合、溶液重合、懸濁重合などにより行うことができ
る。
【0029】本発明で用いるゴム変性熱可塑性樹脂にお
いて、グラフト率は、各成分の種類や所望の特性などに
応じて適宜選択できるが、好ましくは10〜90%が良
く、さらに好ましくは35〜75%が良く、特に好まし
くは40〜70%が良い。
【0030】前記ゴム変性熱可塑性樹脂は、通常、
(B)芳香族ビニル系ポリマーおよび/またはアルキル
(メタ)アクリレートと(C)シアン化ビニルモノマー
とで構成された共重合体の連続相に、粒子状の(A)ゴ
ム成分が分散している場合が多い。分散しているゴム成
分粒子の平均粒子径は、好ましくは0.05〜2.0μ
mが良く、さらに好ましくは0.1〜1.0μmが良
く、特に好ましくは0.2〜0.6μmが良い。
【0031】本発明において、ゴム変性熱可塑性樹脂
は、その特性を損なわない範囲で、他の樹脂、例えば、
ナイロン6、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネートなどを含んでいてもよく、このような樹脂は、前
記ゴム変性熱可塑性樹脂にブレンド又はアロイ化されて
いてもよい[例えば、ダイセル化学工業(株)製、商品
名;ノバロイA(ABS/ナイロン6−アロイ)、B
(ABS/ポリブチレンテレフタレートアロイ)、S
(ABS/ポリカーボネート−アロイ)シリーズ等]。
このような場合、ゴム変性熱可塑性樹脂中の他の樹脂の
含有量は、好ましくは30重量%以下が良く、さらに好
ましくは20重量%以下が良い。
【0032】本発明に用いられる隠蔽剤は、従来公知の
ものが使用でき、例えば、下記のようなものが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。白色顔料(酸
化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン、バライト、沈降性
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、沈降性シリ
カ)、黒色顔料(カーボンブラック、ランプブラック、
チタンブラック、合成鉄黒)、灰色顔料(亜鉛末、亜酸
化鉛、スレート粉)、赤色顔料(カドミウム赤、カドミ
ウム水銀赤、銀朱、べんがら、モリブデン赤、鉛丹、光
明丹)、褐色顔料(アンバー、酸化鉄茶)、黄色顔料
(カドミウム黄、亜鉛黄、黄土、オーカ、黄色酸化鉄、
合成オーカ、黄鉛、チタン黄)、緑色顔料(酸化クロム
緑、コバルト緑、クロム緑)、青色顔料(群青、紺青、
鉄青、コバルト青)、金属粉顔料、等の無機顔料;アゾ
顔料(パーマネント・レッド4R、パラ・レッド、ファ
ースト・エローG、ファースト・エロー10G、ジスア
ゾ・エローG、ジスアゾ・エローGR、ジスアゾ・オレ
ンジ、ピラゾロン・オレンジ、ブリリアント・カーミン
3B、ブリリアント・カーミン6B、ブリリアント・ス
カーレットG、ブリリアント・ボルドー10B、ボルド
ー5B、パーマネント・レッドF5R、パーマネント・
カーミンFB、リソール・レッドR、リソール・レッド
B、レーキ・レッドC、レーキ・レッドD、ブリリアン
ト・ファスト・スカーレット、ピラゾロン・レッド、ボ
ン・マルーン・ライト、ボン・マルーン・メジアム、フ
ァイア・レッド)、ニトロソ顔料(ナフトール・グリー
ンB)、ニトロ顔料(ナフトール・エローS)、塩基性
染料系レーキ(ローダミンBレーキ、ローダミン6Gレ
ーキ)、媒染染料系レーキ、建染染料系顔料、フタロシ
アニン顔料(フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン
・グリーン、ファスト・スカイ・ブルー、アニリン・ブ
ラック)、ジオキサジン系顔料(ジオキサジンバイオレ
ット)等の有機顔料;有機蛍光顔料;真珠箔;等。
【0033】本発明に用いられる隠蔽剤として、好まし
くは、隠蔽性の高い酸化チタン・カーボンブラック等の
無機顔料が挙げられ、さらに好ましくは、隠蔽性が高
く、また印刷ベースとしては白色が汎用性が高いことか
ら、白色の酸化チタンが挙げられる。
【0034】本発明において、ゴム変性熱可塑性樹脂に
対する隠蔽剤の添加量および平均粒径は、本発明の低発
泡フィルムの作用や成形性を妨げない範囲で、該低発泡
フィルムの用途などの必要な隠蔽性に応じて適宜定めれ
ば良いが、隠蔽性の点から、低発泡フィルム形成時に全
光線透過率(JIS K7105に準拠して測定)が2
0%以下になるよう添加量を定める。好ましくは全光線
透過率(JIS K7105に準拠して測定)が15%
以下であるのが良く、特に好ましくは全光線透過率(J
IS K7105に準拠して測定)が7%以下であるの
が良い。全光線透過率が20%を超えると、成型品内の
ICチップや付属部品が透けてみえやすい。
【0035】上記全光線透過率(JIS K7105に
準拠して測定)の範囲内で、本発明で使用する隠蔽剤の
平均粒径は20μm以下が好ましく、さらに好ましく
は、5μm以下が良い。隠蔽剤の平均粒径が20μmを
超えると、フィルムにピンホールが発生してフィルムの
成形が困難となる。
【0036】本発明の低発泡フィルムは、例えばICチ
ップ等を内蔵して積層する場合に、ICチップ等を破損
しない程度に発泡させて形成される。その発泡倍率は
1.3〜7.0倍である。発泡倍率が1.3倍未満であ
るとクッション性が低く、ICチップ等を破損し易くな
り、7.0倍を超えると耐久性が低下する。
【0037】本発明の低発泡フィルムは、フィルム成形
時に、発泡剤を使用して発泡させることができる。発泡
剤としては、従来公知の種々の揮発性発泡剤や分解型発
泡剤が適用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、
ブタン、ペンタン等の沸点−40℃〜45℃の炭化水
素、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオ
ロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタン、等
の沸点約−47℃〜45℃のハロゲン化炭化水素、及び
これらの混合物が挙げられる。分解型発泡剤としては、
アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)等の有機系発泡剤や、重炭酸ナトリウム又は
クエン酸のごとき有機酸もしくはその塩と重炭酸塩との
組合せ(ただしこれらはそれぞれ流動パラフィン等の被
覆剤等で被覆されていてもよい)等が挙げられる。場合
により二酸化炭素、窒素ガス、水等も使用できる。
【0038】発泡剤の使用量は、本発明の低発泡フィル
ムを構成する素材、使用する発泡剤、所望の発泡倍率等
により適宜設定すれば良いが、フィルムの発泡剤残ガス
量として0.03〜0.3モル/kgの範囲であるよう
に使用する。例えば、揮発性発泡剤の場合、本発明の低
発泡フィルムを構成する樹脂に対し、約0.03〜0.
4モル/kgを、フィルム成形時に配合する。また。分
解性発泡剤の場合、本発明の低発泡フィルムを構成する
樹脂100重量部に対し、ガス発生量3〜30cc/発
泡剤100mgのものを約0.1〜5重量部用いる。
【0039】また、本発明の低発泡フィルムは、「厚み
方向の気泡膜数」の調節を目的として、タルク、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウ
ム、クレー、クエン酸、あるいは少量の揮発性発泡剤
(熱分散型発泡剤)等の刻剤を添加しても良い。刻剤の
配合量は、所望の気泡膜数や使用する発泡剤等に応じて
適宜設定する。
【0040】本発明の低発泡フィルムには、必要に応
じ、その作用や成形性を妨げない範囲で、難燃剤、滑剤
(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、
アルコール系、金属石鹸、シリコン油、低分子ポリエチ
レン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、ポリ
エチレングリコール、ポリブテン等)、分散剤等の添加
剤を配合しても良い。
【0041】本発明において、各原料の配合方法は特に
限定されず、例えば、従来公知の方法である各成分の加
熱溶融混合により製造できる。加熱溶融混合は、通常、
常圧で行う場合が多いが、加圧、減圧下で行ってもよ
い。加熱溶融混合するための装置は、加熱及び混合が可
能である限り特に限定されず、一般に用いられる撹拌機
付きのタンク、インテシプミキサー、バンバリーミキサ
ー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等を使用す
ることが出来る。また、配合成分をスクリューを備えた
押出機により加熱溶融混合し、金型より押出して冷却す
ることにより、ペレット状等の所望の形状にしてから成
形してもよい。
【0042】本発明の低発泡フィルムの成形法は、従来
公知の方法を用いれば良く、特に限定されるものではな
い。例えば、インフレーション法やTダイ法等の押出成
形法等に供することにより成膜出来る。なお、前記樹脂
配合物をTダイから押出し、冷却ロールで冷却してフィ
ルム化する場合には、冷却ロールの温度を調整すること
により、所望の表面平滑性および均一性のフィルムを得
られる場合がある。
【0043】本発明の低発泡フィルムの厚さは、特に限
定されず、本発明の低発泡フィルムの作用や成形性を妨
げない範囲で、用途などの必要に応じて適宜定めれば良
いが、例えばICカードの基材として用いる場合は、好
ましくは30〜2500ミクロンが良い。フィルムの厚
さが30ミクロン未満であると隠蔽性が低下し、また2
500ミクロンを超えると、ICカード等の積層体を形
成した場合に被覆層が厚くなり、カードとしての強度が
保持出来なくなる。
【0044】本発明の低発泡フィルムは、表面に装飾用
の印刷等を施したり、フィルム形成時にエンボスロール
に通す等の従来公知のエンボス加工等により、意匠性を
附与することができる。
【0045】本発明の低発泡フィルムは、2以上積層し
て、あるいは他の樹脂層との接着を行い、積層体とする
ことができる。従って、本発明の低発泡フィルムの表面
には、必要に応じ従来公知の表面処理を行っても良い。
例えば、積層時には必要に応じてコロナ放電処理・火炎
処理・超音波処理・プラズマ処理等の表面処理が施され
ていてもよい。積層方法としては特に限定されず、従来
公知の共押し出し、押し出しラミネート、熱ラミネート
等の方法を用いることができる。
【0046】本発明の低発泡フィルムは、印刷等を施し
て単独で用いることもできるが、特にその発泡によるク
ッション性から、ICカードの基材として有用である。
また本発明の低発泡フィルムを、フィルム間にICチッ
プを配置して、2以上積層し、ICカードとすることも
できる。このような構成とすることにより、積層時にI
Cチップの破損を防止することができる
【0047】ICカードとして、低発泡フィルムを積層
する方法としては、一般にフィルムを積層する方法を用
いることができる。即ち、接着剤層を介して熱プレス等
により積層する等の方法を用いれば良い。以下、実施例
及び比較例を挙げて、本発明の効果を説明するが、本発
明の技術範囲はこれに限定されない。
【0048】試験例 1.試験方法 (1)発泡倍率 実施例1〜3、比較例1、2のフィルムについて、発泡
倍率を発泡剤無添加のフィルムとの重量比率より算出し
た。 (2)隠蔽性(全光線透過率) 実施例1〜3、比較例1、2のフィルムについて、JI
S K7105に準拠して、ヘイズメーター(東洋精機
(株)製 型式206)を用いて全光線透過率を測定
し、隠蔽性を下記の基準に従って評価した。 ○ : 7%以下 △ : 7%を超え20%以下 × : 20%を超える (3)積層加工適性 実施例4〜6、比較例3、4のICカードについて、積
層時のプレス性(エアー噛み)の発生の有無を目視で確
認した。 ○ エアー噛み無し × エアー噛み有り (4)ICチップ破損率 実施例4〜6、比較例3、4のICカードについて、積
層時のチップ破損を目視で確認した。
【0049】2.試験結果 低発泡フィルムについての(1)、(2)の試験結果を
表1に、ICカードについての(3)、(4)の試験結
果を表2に示す。
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【実施例】実施例1〜3 AS樹脂 :JD、ダイセル化学工業(株)製 ABS樹脂:DP611、ダイセル化学工業(株)製 との樹脂を重量比40/60になるよう混合してゴ
ム成分含有量40重量%、グラフト率55モル%のゴム
変性熱可塑性樹脂を得た。次いで得られたゴム変性熱可
塑性樹脂に、隠蔽剤として酸化チタン(ルチル型、平均
粒径0.2ミクロン:R−11P 堺化学工業(株)
製、)を表3の割合で配合し、1軸押出機にて混練の
後、該樹脂混合物をホッパーを通じて供給し、200℃
にシリンダーを加熱して、発泡剤としてブタンを0.2
8モル/kgとなるように圧入して、Tダイ押出機にて
フィルム成形を行い、厚さ0.8mmの低発泡フィルム
(ICカード形成時は、熱プレスにより低発泡フィルム
に充填されているガスは抜ける)を得た。
【0052】実施例4〜6 実施例1〜3の低発泡フィルムを用い、2枚のフィルム
間にICチップを配置し、熱プレス成形法により接着し
て積層した後、ICカードの形状に打ち抜きICカード
を得た。
【0053】比較例1、2 実施例1と同様のゴム変性熱可塑性樹脂と酸化チタンを
表3の割合で配合し、発泡剤を用いずに、実施例1と同
様にしてフィルム成形を行い、厚さ0.8mmのフィル
ムを得た。
【0054】比較例3、4 比較例1、2のフィルムを用い、実施例4〜6と同様に
してICカードを得た。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】本発明の低発泡フィルムは、上述の構成
であるので、印刷等による意匠性の付与が容易であり、
また隠蔽性も良好である。さらに、本発明の低発泡フィ
ルムは、耐薬品性にも優れ、また、塩素の使用を廃止も
しくは軽減することもできる。本発明の低発泡フィルム
は積層加工適性が良好であるので、品質の良好な積層体
を得ることができ、クッション性に優れるため、特にI
Cカードの製造においてはチップ破損を低減させること
ができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隠蔽剤、ゴム変性熱可塑性樹脂の少なく
    とも2成分からなるフィルムであって、フィルム形成時
    の発泡倍率が1.3〜7.0倍で、かつ全光線透過率
    (JIS K7105に準ずる)が20%以下であるこ
    とを特徴とする低発泡フィルム。
  2. 【請求項2】 ゴム変性熱可塑性樹脂が、(A)ゴム成
    分に、(B)芳香族ビニルモノマーおよび/またはアル
    キル(メタ)アクリレート、(C)シアン化ビニルモノ
    マーの、(B)および(C)成分で構成されたビニルモ
    ノマーをグラフト重合して得られる樹脂であることを特
    徴とする請求項1記載の低発泡フィルム。
  3. 【請求項3】 (A)ゴム成分が、ジエン系ゴムまたは
    オレフィン系共重合体ゴムであることを特徴とする請求
    項2記載の低発泡フィルム。
  4. 【請求項4】 (A)オレフィン系共重合体ゴムが、エ
    チレン−α−オレフィン系共重合体ゴムであることを特
    徴とする請求項3記載の低発泡フィルム。
  5. 【請求項5】 (A)ゴム成分が、ポリブタジエンゴム
    又はエチレン−プロピレン系共重合体ゴムであることを
    特徴とする請求項3記載の低発泡フィルム。
  6. 【請求項6】 (B)芳香族ビニルモノマーがスチレン
    モノマーであることを特徴とする請求項2乃至5のいず
    れか1項記載の低発泡フィルム。
  7. 【請求項7】 (C)シアン化ビニルモノマーがアクリ
    ロニトリルであることを特徴とする請求項2乃至6のい
    ずれか1項記載の低発泡フィルム。
  8. 【請求項8】 (A)ゴム成分と、(B)および(C)
    成分で構成されたビニルモノマーとの割合が、重量比で
    2/98〜50/50[(A)/{(B)+(C)}]
    であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項
    記載の低発泡フィルム。
  9. 【請求項9】 (B)芳香族ビニルモノマーおよび/ま
    たはアルキル(メタ)アクリレートと、(C)シアン化
    ビニルモノマーとの割合が、重量比で90/10〜50
    /50[(B)/(C)]であることを特徴とする請求
    項2乃至8のいずれか1項記載の低発泡フィルム。
  10. 【請求項10】 ゴム変性熱可塑性樹脂におけるグラフ
    ト率が、10〜90モル%であることを特徴とする請求
    項2乃至9のいずれか1項記載の低発泡フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか一項に記
    載の低発泡フィルムを基材として用いることを特徴とす
    るICカード。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれか一項に記
    載の低発泡フィルムを、フィルム間にICチップを配置
    して、2以上積層してなることを特徴とするICカー
    ド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013163389A (ja) * 2013-05-30 2013-08-22 Happo Chemical Co Ltd 艶消し木質調木口材の製造方法
JP2020105373A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 株式会社日本触媒 樹脂発泡体及び樹脂発泡体の製造方法

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