JPH11269197A - 消化管潰瘍治療物質 - Google Patents

消化管潰瘍治療物質

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JPH11269197A
JPH11269197A JP10070953A JP7095398A JPH11269197A JP H11269197 A JPH11269197 A JP H11269197A JP 10070953 A JP10070953 A JP 10070953A JP 7095398 A JP7095398 A JP 7095398A JP H11269197 A JPH11269197 A JP H11269197A
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Koji Inagaki
孝司 稲垣
Yoshiko Abe
佳子 阿部
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より有用性の高い消化管潰瘍治療物質及び消
化管潰瘍治療剤を提供する。 【解決手段】 (式中、R1 はH、アシル、アルキル、OH、アミノ、
2 はOH、R3 は保護されてもよいカルボキシル、R
4 はH、アルキル、R5 はH、アルキル、OH、R6
H、アルキル、R7 はH、アルキル、アミノ、OH、R
8 はH、アルキル、R9 はH、アルキル、OH、R10
H、アルキル、R11はH、アルキル、OH、R12はH、
アルキル、R13はH、アルキル、アミノ、OHであり、
該アシル、アルキル、OH、アミノは置換されてもよ
い)の化合物のうち特定化合物からなる消化管潰瘍治療
物質及び該物質を有効成分として含む消化管潰瘍治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の化合物からな
る消化管潰瘍治療物質、及び該物質を有効成分として含
む消化管潰瘍治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】消化管潰瘍は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍お
よび吻合部潰瘍などの総称であり、胃あるいは十二指腸
などの粘膜下層以下に及ぶ部分的な粘膜欠損と定義され
る。消化管潰瘍の発症機序としては、一般にバランス説
が受け入れられている。すなわち、消化管内部では、酸
やペプシンなどの攻撃因子と、粘液、重炭酸、粘膜血流
などの防御因子のバランスが維持されているが、何らか
の原因によってこのバランスが崩れ、攻撃因子の作用が
防御因子の作用を上回ったときに潰瘍が生じると考えら
れている(鈴木ら、検査と技術、23巻、7号、466
〜472頁、1995年)。本疾患は、一般的に持続性
の痛みを伴い、患者に多大な苦痛をもたらすうえ、一度
発症すると、治癒後も再発を繰り返して慢性化すること
が多い。
【0003】消化管潰瘍の治療薬としては、制酸薬(重
曹、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウムなど)、H2レセプターアンタゴニスト(シメ
チジン・ラニチジン・ファモチジンなど)、プロトンポ
ンプインヒビター(オメプラゾールなど)およびスクラ
ルファートなどが用いられる。これらの薬剤は、上記バ
ランス説における、ある攻撃因子が減弱、あるいはある
防御因子を増強し、その結果、生体の自然治癒力が発揮
され効果を現す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、潰瘍部位のよ
り積極的な治癒のために、粘膜細胞の増殖促進など、生
体の自然治癒力を直接高める薬剤の開発が期待されてい
る。
【0005】本発明の目的は、この点に鑑み、より有用
性の高い消化管潰瘍治療物質及び消化管潰瘍治療剤を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく研究を重ねた結果、特定のペプチド化合
物、または医薬として許容されるその塩が、後述する薬
理試験の結果から分かるように、消化管潰瘍治療に有効
であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明により、一般式(I)
【化3】
【0008】(式中、R1 は水素、アシル基または置換
されたアシル基、アルキル基または置換されたアルキル
基、水酸基または置換された水酸基、アミノ基または置
換されたアミノ基を、R2 は水酸基または置換された水
酸基を、R3 はカルボキシル基または保護されたカルボ
キシル基をそれぞれ示すか、またはR3 とR2 は互いに
結合して−COO−基を示し、R4 は水素、アルキル基
または置換されたアルキル基を、R5 は水素、アルキル
基または置換されたアルキル基、水酸基または置換され
た水酸基を、R6 は水素、アルキル基または置換された
アルキル基を、R 7 は水素、アルキル基または置換され
たアルキル基、アミノ基または置換されたアミノ基、水
酸基または置換された水酸基をそれぞれ示すか、または
6 とR7はそれらの一部で互いに結合しており、R8
は水素、アルキル基または置換されたアルキル基を、R
9 は水素、アルキル基または置換されたアルキル基、水
酸基または置換された水酸基を、R10は水素、アルキル
基または置換されたアルキル基を、R11は水素、アルキ
ル基または置換されたアルキル基、水酸基または置換さ
れた水酸基を、R12は水素、アルキル基または置換され
たアルキル基を、R13は水素、アルキル基または置換さ
れたアルキル基、アミノ基または置換されたアミノ基、
水酸基または置換された水酸基をそれぞれ示すか、また
はR12とR13はそれらの一部で互いに結合している)で
表される化合物のうち、下記式(II)
【化4】 で表される化合物を除く化合物、または医薬として許容
されるその塩からなる消化管潰瘍治療物質が提供され
る。
【0009】本発明による消化管潰瘍治療物質の代表例
としては、上記化合物において、R 8 が水素を示す、請
求項1記載の消化管潰瘍治療物質;R10が水素を示す、
請求項2記載の消化管潰瘍治療物質;R10がメチル基を
示す、請求項2記載の消化管潰瘍治療物質;R10がメチ
ル基以外のアルキル基または、置換されたアルキル基を
示す、請求項2記載の消化管潰瘍治療物質;R8 がメチ
ル基を示す、請求項1記載の消化管潰瘍治療物質;R10
がメチル基を示す、請求項6記載の消化管潰瘍治療物
質;R10が水素、メチル基以外のアルキル基または、置
換されたアルキル基を示す、請求項6記載の消化管潰瘍
治療物質;R8 がメチル基以外のアルキル基または、置
換されたアルキル基を示す、請求項1記載の消化管潰瘍
治療物質;R10がメチル基を示す、請求項9記載の消化
管潰瘍治療物質;R10が水素、メチル基以外のアルキル
基または、置換されたアルキル基を示す、請求項9記載
の消化管潰瘍治療物質;R4 がヒドロキシメチル基また
は、その水酸基が保護されたヒドロキシメチル基を示
す、請求項10記載の消化管潰瘍治療物質;R4 が水
素、アルキル基または、ヒドロキシメチル基以外の置換
されたアルキル基を示す、請求項10記載の消化管潰瘍
治療物質が挙げられる。
【0010】本発明により、また、上記のような消化管
潰瘍治療物質を有効成分として含む消化管潰瘍治療剤が
提供される。
【0011】上記化合物の置換基をさらに詳しく説明す
る。
【0012】「アシル基」の適当な例としては、カルバ
モイル基、脂肪族アシル基、芳香環を持つアシル基(以
下、「芳香族アシル基」と称する)または複素環を持つ
アシル基(以下、「複素環アシル基」と称する)を挙げ
ることができる。上記アシル基の適当な具体例として
は、アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プ
ロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペ
ンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノ
イル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカ
ノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイ
ル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカ
ノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデ
カノイル、アイコサノイル等)、アルコキシカルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、t−ブトキシカルボニル、t−ペンチルオキシカル
ボニル、ヘプチルオキシカルボニル等)、アルカンスル
ホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニ
ル等)、アルコキシスルホニル(例えば、メトキシスル
ホニル、エトキシスルホニル等)等のような脂肪族アシ
ル基;アロイル基(例えば、ベンゾイル、トルオイル、
ナフトイル等)、アリールアルカノイル基(例えば、フ
ェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタ
ノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイ
ル、フェニルヘキサノイル等のフェニルアルカノイル、
ナフチルアセチル、ナフチルプロパノイル、ナフチルブ
タノイル等のナフチルアルカノイル等)、アリールアル
ケノイル基(例えば、フェニルプロペノイル、フェニル
ブテノイル、フェニルメタクリロイル、フェニルペンテ
ノイル、フェニルヘキセノイル等のフェニルアルケノイ
ル、ナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイル、ナフ
チルペンテノイル等のナフチルアルケノイル等)、アリ
ールアルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシ
カルボニル等のフェニルアルコキシカルボニル等)、ア
リールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボ
ニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アリールオキシ
アルカノイル基(例えば、フェノキシアセチル、フェノ
キシプロピオニル等)、アリールグリオキシロイル基
(例えばフェニルグリオキシロイル、ナフチルグリオキ
シロイル等)、アリールスルホニル基(例えばベンゼン
スルホニル、p−トルエンスルホニル等)等のような芳
香族アシル基;複素環カルボニル基(例えば、テノイ
ル、フロイル、ニコチノイル等)、複素環アルカノイル
基(例えば、チエニルアセチル、チエニルプロパノイ
ル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエ
ニルヘキサノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリ
ルアセチル、テトラゾリルアセチル等)、複素環グリオ
キシロイル基(例えば、チアゾリルグリオキシロイル、
チエニルグリオキシロイル等)等のような複素環アシル
基が挙げられ、上記「複素環カルボニル基」「複素環ア
ルカノイル基」および「複素環グリオキシロイル基」中
の複素環部分の適当な具体例としては、酸素、硫黄、窒
素その他の少なくとも1つのヘテロ原子を持つ飽和また
は不飽和の、単環または多環状の複素環基が挙げられ
る。
【0013】また、「アルキル基」の適当な例として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデ
シル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキ
サデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、
アイコシル等が挙げられる。
【0014】前記の「アシル基」、「アルキル基」およ
び「アミノ基」は、1つあるいは複数の適当な置換基を
もっていてもよく、このような置換基の例としては、上
記のアシル基、上記のアルキル基、アルケニル基(例え
ば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−,2−また
は3−ブテニル、1−,2−,3−または4−ペンテニ
ル、1−,2−,3−,4−または5−ヘキセニル
等)、アリール基(フェニル、トリル、キシリル、ナフ
チル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチル
チオ、エチルチオ等)、アルキルアミノ基(例えばメチ
ルアミノ、エチルアミノ等)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、シクロアル
ケニル基(シクロヘキセニル等)、ハロゲン、アミノ
基、置換されたアミノ基、水酸基、置換された水酸基、
シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、置換されたカル
ボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、イミノ基、
オキソ基、アミノアルキル基(例えば、アミノメチル、
アミノエチル等)、カルバモイルオキシ基、ヒドロキシ
アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、1−または2
−ヒドロキシエチル、1−,2−または3−ヒドロキシ
プロピル等)、シアノアルケニルチオ基(例えばシアノ
ビニルチオ等)等を挙げることができる。
【0015】「置換された水酸基」における「水酸基置
換基」の適当な例としては、フェニルアルキル基(例え
ば、ベンジル等)や上記のアシル基等が挙げられる。
【0016】適当な「置換されたカルボキシル基」とし
ては、エステル化されたカルボキシル基が含まれる。エ
ステル化されたカルボキシル基のエステル部分の適当な
例としては、少なくとも一つの適当な置換基を持ってい
てもよいメチルエステル、エチルエステル、プロピルエ
ステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソ
ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステ
ル、ヘキシルエステル等のアルキルエステル、例えばア
ルカノイルオキシアルキルエステル(例えばアセトキシ
メチルエステル、プロピオニルオキシメチルエステル、
ブチリルオキシメチルエステル、バレリルオキシメチル
エステル、ピバロイルオキシメチルエステル、ヘキサノ
イルオキシメチルエステル、1−または2−アセトキシ
エチルエステル、1−,2−または3−アセトキシプロ
ピルエステル、1−,2−,3−または4−アセトキシ
ブチルエステル、1−または2−プロピオニルオキシエ
チルエステル、1−,2−または3−プロピオニルオキ
シプロピルエステル、1−または2−ブチリルオキシエ
チルエステル、1−または2−イソブチルオキシエチル
エステル、1−または2−ピバロイルオキシエチルエス
テル、1−または2−ヘキサノイルオキシエチルエステ
ル、イソブチリルオキシメチルエステル、2−エチルブ
チリルオキシメチルエステル、3,3−ジメチルブチリ
ルオキシメチルエステル、1−または2−ペンタノイル
オキシエチルエステル等)、アルカンスルホニルアルキ
ルエステル(例えば、2−メシルエチル等)、モノ−,
ジ−またはトリハロアルキルエステル(例えば、2−ヨ
ードエチルエステル、2,2,2−トリクロロエチルエ
ステル等)、アルコキシカルボニルオキシアルキルエス
テル(例えば、メトキシカルボニルオキシメチルエステ
ル、エトキシカルボニルオキシメチルエステル、2−メ
トキシカルボニルオキシエチルエステル、1−エトキシ
カルボニルオキシエチルエステル、1−イソプロポキシ
カルボニルオキシエチルエステル等)、フタリジリデン
アルキルエステルまたは(5−アルキル−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル)アルキルエステル
[例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
−ル−4−イル)メチルエステル、(5−エチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソール)メチルエステル、(5
−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−
イル)エチルエステル等]等、アルケニルエステル(例
えば、ビニルエステル、アリルエステル等)、アルキニ
ルエステル(例えば、エチニルエステル、プロピニルエ
ステル等)、少なくとも一つの適当な置換基を持ってい
てもよいアリールアルキルエステル、例えば非置換また
は置換モノ、ジまたはトリフェニルアルキルエステル
(例えば、ベンジルエステル、4−メトキシベンジルエ
ステル、4−ニトロベンジルエステル、フェネチルエス
テル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステルビス
(メトキシフェニル)メチルエステル、3,4−ジメト
キシベンジルエステル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルベンジルエステル等)等、少なくとも一つの
適当な置換基を持っていてもよいアリールエステル(例
えばフェニルエステル、4−クロロフェニルエステル、
トリルエステル、t−ブチルフェニルエステル、キシリ
ルエステル、メシチルエステル、クメニルエステル
等)、フタリジルエステル等を挙げることができる。
【0017】本発明による消化管潰瘍治療物質の代表例
としては、公知化合物である、式(III) で示されるA8
3586C(Smitka ら、J.Antibiotics 41:726-733,198
8)、式(IV)で示されるVariapeptin(Nakag
awa ら、J.Antibiotics 43:477-484,1990)、式(V)で
示されるVerucopeptin(Nishiyamaら、J.An
tibiotics 46:921-927,1993)、式(VI)で示されるAz
inothricin(Maehrら、J.Antibiotics 39:17-
25,1986)、式(VII) で示されるCitropeptin
(Nakagawa ら、J.Antibiotics 43:477-484,1990)、式(V
III)で示されるAurantimycin A、式(IX)
で示されるAurantimycinB、式(X)で示
されるAurantimycin C(Grafeら、J.Anti
biotics 48:119-125,1995)、式(XI)で示されるL−15
6602(Hensen ら、J.Antibiotics 44:249-254,199
1)、式(XII) で示されるIC−101(Ueno ら、J.Anti
biotics 46:1658-1665,1993)、式(XIII)で示されるGE
3( 特開平7−278188号公報)等が挙げられる。
これらは、消化管潰瘍治療作用があることは全く知られ
ていなかった。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】本発明化合物(I)の医薬として許容され
る適当な塩の種類としては、慣用の無毒性の塩、すなわ
ち各種塩基との塩および酸付加塩を挙げることができ
る。より具体的には、アルカリ金属塩(例えばリチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属
塩(例えば、カルシウム塩やマグネシウム塩等)、アン
モニウム塩等の無機塩基との塩、有機アミン塩(トリエ
チルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールア
ミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルア
ミン塩、N,N' −ジベンジルエチレンジアミン塩等)
のような有機塩基との塩、無機酸付加塩(例えば、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等)、有機カルボン
酸付加塩または有機スルホン酸付加塩(例えば、ギ酸
塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石
酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩等)、塩基性アミノ酸または酸
性アミノ酸との塩(例えばアルギニン、アスパラギン
酸、グルタミン酸等)等が挙げられる。
【0030】本発明による消化管潰瘍治療物質を製剤化
するには、通常はこれを製剤用担体とともに製剤組成物
の形態とする。担体としては剤形に応じた薬剤を調製す
るのに通常使用される充填剤、崩壊剤、増量剤、結合
剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調整剤、可溶化剤、懸濁
化剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、付質剤、界面活性
剤、滑沢剤、賦形剤、抗酸化剤、分散剤、噴射剤、溶解
剤、溶解補助剤が例示される。また上記の化合物又は医
薬として許容されるその塩を適当な溶剤に溶解して、上
記の化合物又はその塩をそのままの形態で液剤とする方
法によっても製造される。
【0031】本発明消化管潰瘍治療物質を用いて製剤化
される消化管潰瘍治療剤の投与単位形態としては、上記
のごとき液剤のほか、錠剤、丸剤、飲用液剤、散剤、懸
濁剤、乳剤、顆粒剤、エキス剤、細粒剤、シロップ剤、
浸剤、煎剤、トローチ剤、カプセル剤、坐剤、注射剤
(液剤、懸濁剤など)などが例示される。
【0032】消化管潰瘍治療剤中に含有すべき本発明消
化管潰瘍治療物質の量は、特に限定されず広範囲に適宜
選択されるが、好ましくは消化管潰瘍治療剤中に10-7
〜10重量%の範囲である。
【0033】本発明の消化管潰瘍治療物質より得られた
消化管潰瘍治療剤は、その使用に際し各種形態に応じた
方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、飲用液剤、懸
濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投
与され、注射剤の場合には静脈内、筋肉内、皮内、皮
下、関節腔内もしくは腹腔内投与され、坐剤の場合には
直腸内投与される。
【0034】本発明の消化管潰瘍治療物質より得られた
消化管潰瘍治療剤の投与量は、使用目的、症状などによ
り適宜選択されるが、通常は1日当り本発明消化管潰瘍
治療物質として10ng〜10mg/kg程度の範囲で
ある。また上記製剤組成物を1〜4回/日に分けて投与
することも勿論差し支えない。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて、上述した効
果を実証する。
【0036】実施例1 本発明の一般式(I)で示される化合物のうち、前記式
(III) で示されるA83586C、前記式(IV)で示さ
れるVariapeptin、前記式(V)で示される
Verucopeptin、前記(VI)で示されるAz
inothricin、前記式(VII) で示されるCit
ropeptin、前記式(VIII)で示されるAuran
timycin A、前記式(IX)で示されるAuran
timycin B、前記式(X)で示されるAura
ntimycin C、前記式(XI)で示されるL−15
6602、前記式(XII) で示されるIC−101および
前記式(XIII)で示されるGE3について、以下のように
して消化管潰瘍治療作用を調べた。この化合物は、前述
の文献に記載されている方法によって製造した。
【0037】薬理試験 試験例1 Szaboの方法(Szabo S.,Am.J.Pa
thol.1978;93:273−276)に準じ
て、ラットシステアミン潰瘍モデルを作成した。すなわ
ち、体重200〜250gのSD系雄性ラットを用い、
システアミン塩酸塩(ナカライテスク社製)水溶液(5
0mg/ml)を5ml/kg(システアミン塩酸塩と
して250mg/kg)ずつ、4時間毎に計3回経口投
与して、システアミン潰瘍を誘発した。システアミンの
初回投与から2、6、10、24および32時間後に、
上記のA83586C、Variapeptin、Ve
rucopeptin、Azinothricin、C
itropeptin、Aurantimycin
A、Aurantimycin B、Aurantim
ycin C、L−156602、IC−101または
GE3を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム水溶液に懸濁して1mg/mlとしたものを、5ml
/kg(A83586C、Variapeptin、V
erucopeptin、Azinothricin、
Citropeptin、Aurantimycin
A、Aurantimycin B、Aurantim
ycinC、L−156602、IC−101またはG
E3として5mg/kg)ずつ、経口投与した。コント
ロール群のラットには、0.5%カルボキシメチルセル
ロースナトリウム水溶液のみを同様に投与した。なお、
本試験には、各群5匹のラットを用いた。
【0038】システアミン潰瘍の誘発の48時間後に、
ラットを剖検し、胃および十二指腸を摘出して潰瘍の有
無を調べ、潰瘍のあるものについては潰瘍面積を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】A83586C、Variapepti
n、Verucopeptin、Azinothric
in、Citropeptin、Aurantimyc
inA、Aurantimycin B、Aurant
imycin C、L−156602、IC−101ま
たはGE3を投与した群では、コントロール群に比べ
て、潰瘍のある個体数が明らかに少なく、また潰瘍面積
も明らかに小さかった。すなわち、A83586C、V
ariapeptin、Verucopeptin、A
zinothricin、Citropeptin、A
urantimycin A、Aurantimyci
n B、Aurantimycin C、L−1566
02、IC−101またはGE3は、消化管潰瘍治癒促
進作用を有する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、顕著な消化管潰瘍治療
効果を示す消化管潰瘍治療物質およびこれを含む消化管
潰瘍治療剤が提供される。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素、アシル基または置換されたアシル
    基、アルキル基または置換されたアルキル基、水酸基ま
    たは置換された水酸基、アミノ基または置換されたアミ
    ノ基を、R2 は水酸基または置換された水酸基を、R3
    はカルボキシル基または保護されたカルボキシル基をそ
    れぞれ示すか、またはR3 とR2 は互いに結合して−C
    OO−基を示し、R4 は水素、アルキル基または置換さ
    れたアルキル基を、R5 は水素、アルキル基または置換
    されたアルキル基、水酸基または置換された水酸基を、
    6 は水素、アルキル基または置換されたアルキル基
    を、R 7 は水素、アルキル基または置換されたアルキル
    基、アミノ基または置換されたアミノ基、水酸基または
    置換された水酸基をそれぞれ示すか、またはR6 とR7
    はそれらの一部で互いに結合しており、R8 は水素、ア
    ルキル基または置換されたアルキル基を、R9 は水素、
    アルキル基または置換されたアルキル基、水酸基または
    置換された水酸基を、R10は水素、アルキル基または置
    換されたアルキル基を、R11は水素、アルキル基または
    置換されたアルキル基、水酸基または置換された水酸基
    を、R12は水素、アルキル基または置換されたアルキル
    基を、R13は水素、アルキル基または置換されたアルキ
    ル基、アミノ基または置換されたアミノ基、水酸基また
    は置換された水酸基をそれぞれ示すか、またはR12とR
    13はそれらの一部で互いに結合している)で表される化
    合物のうち、下記式(II) 【化2】 で表される化合物を除く化合物、または医薬として許容
    されるその塩からなる消化管潰瘍治療物質。
  2. 【請求項2】 R8 が水素を示す、請求項1記載の消化
    管潰瘍治療物質。
  3. 【請求項3】 R10が水素を示す、請求項2記載の消化
    管潰瘍治療物質。
  4. 【請求項4】 R10がメチル基を示す、請求項2記載の
    消化管潰瘍治療物質。
  5. 【請求項5】 R10がメチル基以外のアルキル基また
    は、置換されたアルキル基を示す、請求項2記載の消化
    管潰瘍治療物質。
  6. 【請求項6】 R8 がメチル基を示す、請求項1記載の
    消化管潰瘍治療物質。
  7. 【請求項7】 R10がメチル基を示す、請求項6記載の
    消化管潰瘍治療物質。
  8. 【請求項8】 R10が水素、メチル基以外のアルキル基
    または、置換されたアルキル基を示す、請求項6記載の
    消化管潰瘍治療物質。
  9. 【請求項9】 R8 がメチル基以外のアルキル基また
    は、置換されたアルキル基を示す、請求項1記載の消化
    管潰瘍治療物質。
  10. 【請求項10】 R10がメチル基を示す、請求項9記載
    の消化管潰瘍治療物質。
  11. 【請求項11】 R10が水素、メチル基以外のアルキル
    基または、置換されたアルキル基を示す、請求項9記載
    の消化管潰瘍治療物質。
  12. 【請求項12】 R4 がヒドロキシメチル基または、そ
    の水酸基が保護されたヒドロキシメチル基を示す、請求
    項10記載の消化管潰瘍治療物質。
  13. 【請求項13】 R4 が水素、アルキル基または、ヒド
    ロキシメチル基以外の置換されたアルキル基を示す、請
    求項10記載の消化管潰瘍治療物質。
  14. 【請求項14】 請求項1から13のいずれかに記載の
    消化管潰瘍治療物質を有効成分として含む消化管潰瘍治
    療剤。
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