JPH11268913A - ジルコニウム酸化物および薄膜の製造方法 - Google Patents

ジルコニウム酸化物および薄膜の製造方法

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JPH11268913A
JPH11268913A JP577499A JP577499A JPH11268913A JP H11268913 A JPH11268913 A JP H11268913A JP 577499 A JP577499 A JP 577499A JP 577499 A JP577499 A JP 577499A JP H11268913 A JPH11268913 A JP H11268913A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶化によって安定化させる加熱工程を必要と
せず、簡単な装置を用いて、有機物基板など様々な基材
表面上に、また、大面積の基材表面上にも、多孔質など
の複雑形状の基材表面上にも、小さい粒子からなる緻密
な薄膜を容易に形成できる、ジルコニウム酸化物を含む
薄膜の製造方法と、NO還元触媒としてでき、高温での
加熱工程を必要とせず、簡易な装置で合成することので
きる硫酸根を含むジルコニウム酸化物の製造方法を提供
することである。 【解決手段】硫酸ジルコニウムをアルコールに溶解し、
その溶液中に基材を浸漬させ、該基材上にジルコニウム
酸化物あるいはその薄膜を形成させることにより、加熱
工程等を必要とせずに、ジルコニウム酸化物および薄膜
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質あるい
はNO還元触媒として使用可能なジルコニウム酸化物
を、任意の材質の基材上に、薄膜としてあるいは、多孔
質材料への充填物として、高温での加熱を必要とせず、
容易に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、いろいろな基材の表面に薄膜を形
成し基材の機能向上を図ろうとする試みが広く行われて
いる。例えばガラスを例にとれば、薄膜形成により表面
反射性能をアップした熱線反射ガラス、表面反射性能を
低減した反射防止ガラス、表面に透明な電導被膜を形成
してなる透明電極ガラスなど応用例は数限りない。薄膜
材料としては金属酸化物が最も多く用いられている。
【0003】酸化ジルコニウムも同様に、金属、半導
体、セラミックス等の表面保護膜として用いられる。
【0004】また、酸化ジルコニウムおよびそれらの固
溶体、特にそれらの結晶は、耐熱性と耐食性に優れる
上、高い酸素イオン伝導度および電子伝導度を有するこ
とから、燃料電池の電解質や電極、酸素センサー、酸素
富化膜、発熱体、触媒等に用いられており、特にこれら
の用途においては、電子やイオンの移動距離を小さくし
て電気伝導度や感度を上げ、もしくはガス透過量を上げ
るために、または広い表面積や接触面積を得るために、
もしくは軽量化のために、薄くて均一な結晶薄膜や、用
途によっては基材表面に分散して存在する結晶析出物
を、各種の基材表面に容易に形成させることが求められ
ている。このように、ジルコニウム酸化物薄膜は、上記
のさまざまな用途に使用される可能性を有しており、様
々な基板上に容易に製造する方法が望まれている。
【0005】金属酸化物薄膜を形成させる方法として
は、CVD、イオンプレーティング、スパッタリングな
どの方法がある。しかし、これらの方法では、特殊で高
価な装置が必要であるほか、大面積の薄膜の形成や、複
雑な形状の基材表面における薄膜の形成が困難であり、
特に大型の燃料電池に必要な薄膜を容易に得ることがで
きない。
【0006】一方、金属酸化物の粉末をバインダー及び
分散剤と混練して得られた混和物を基材表面に塗布し、
乾燥させる方法がある。しかし、このような方法では、
十分に薄くて強度のある薄膜を形成させることは困難で
ある。
【0007】水熱処理によって形成された金属酸化物ゾ
ルを用いる方法も提案されている。たとえば特開昭63
―233088号公報および特開平2―38362には
ジルコニウム塩とイットリウム塩の混合水溶液を飽和水
蒸気圧のもとで水熱処理し、得られた混合酸化物ゾルを
基材表面に塗布し、乾燥、焼成する金属酸化物薄膜の製
造方法が開示されている。また、特開平5―31995
3号公報には、オキシ塩化ジルコニウムをエタノール中
に懸濁させ、ほう酸水溶液、ついでアンモニア水を添加
してオキシ塩化ジルコニウムを加水分解することによ
り、ホウ素化合物を含む水和ジルコニアゾルを得て、こ
れに基材を浸漬して該ゾルを付着させ、酸処理、乾燥に
よって酸化ジルコニウム被膜を形成させることが開示さ
れている。また、大橋らは、電気化学協会講演要旨集
(1994、仙台)3C01に、ジルコニウムプロポキ
シドのような金属アルコキシドから生成するゾルを用い
る酸化ジルコニウム被膜の形成を開示している。
【0008】しかし、このような方法では、大面積や複
雑な形状の基材表面における金属酸化物析出物の形成に
は限界があり、また、基材表面に塗布されたゲルを加熱
して結晶化させる必要があり、その際に熱収縮や変形が
起こる可能性があるほか、基材によってはそのような加
熱に耐えられないという問題がある。
【0009】特開昭59―215421号公報には、ジ
ルコニウムの錯化合物、たとえば六フッ化ジルコニウム
アンモニウムを含む水溶液中で、けい素鋼板を陰極とし
て電解を行うことによって、けい素鋼板の表面に酸化ジ
ルコニウムの被膜を形成させることが開示されている。
しかし、この方法では基材が導電性のものに限定される
ほか、複雑な形状への適応が困難である。
【0010】下瀬らは、日本セラミック協会1994年
度年会(名古屋)講演予稿集1G26に、泳動電着法に
よって、酸化イットリウムで安定化した酸化ジルコニウ
ム薄膜を得る方法を示している。しかしこの場合も、得
られた薄膜を1300℃まで加熱して焼成する必要があ
る。
【0011】特開昭63―179082号公報には、ジ
ルコニウムフッ化水素酸の酸化ジルコニウム過飽和溶液
に、塩化アルミウムのような添加剤を加えて、基材表面
に酸化ジルコニウムの膜を析出させることが開示されて
いる。しかし、ジルコニウムフッ化水素酸の取り扱いが
難しく、薄膜を形成する基板として、フッ化水素酸と反
応しない材料に限られるという問題がある。
【0012】また、OTTO HAUSER等は、Zr
(SO42の水溶液から、酸化ジルコニウムを含む生成
物を得て、これを解析している(Zeitscrift fur Ano
rganische Chemie 67 369 (1910))が、この方法で
生成する物は、大きい粒子の沈殿物であり、有機材料か
らなる基材あるいは多孔膜上及び多孔質材料中には、膜
は生成しない。
【0013】一方、硫酸根を含んだジルコニウム酸化物
は、これまで知られている固体酸では最も強い酸性を持
つことが荒田等により報告されており(J Am Ch
emSoc., 101 6439 1979)、既に
試薬として市販されており(広島和光株式会社、品番2
69−0147および267−0147)、n−ブタン
等の炭化水素化合物の異方化反応などに広く用いられて
いる。最近では村田がリチウムで修飾した硫酸根を含ん
だジルコニウム酸化物を用いて、メタンよりC2化合物
を得ることに成功している(J Chem Soc C
hem Commun 1997 (2) 221)。
【0014】また、特開平6−71181号公報には、
該硫酸根を含んだジルコニウム酸化物が、NOX及びC
O等有害ガスの除去触媒として有効に働くことが開示さ
れている。
【0015】しかしながら、これらの用途に用いられる
硫酸根を含んだジルコニウム酸化物を得るには、水酸化
ジルコニウムを100〜400℃で数時間焼成し、硫酸
アンモニウムを含浸・乾燥した後、再び400〜700
℃で数時間焼成せねばならず、高温での加熱工程やその
ための設備を必要とし、容易に硫酸根を含んだジルコニ
ウム酸化物を得ることはできない。さらに、薄膜化はも
とより多孔質材料中に充填物として生成することも不可
能であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な薄膜形成法、および硫酸根を含むジルコニウム酸化物
の製造方法の問題を鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、結晶化によって安定化させる加熱工
程を必要とせず、簡単な装置を用いて、有機物基板など
様々な基材表面上に、また、大面積の基材表面上にも、
多孔質などの複雑形状の基材表面上にも、小さい粒子か
らなる緻密な薄膜を容易に形成できる、ジルコニウム酸
化物を含む薄膜の製造方法と、NO還元触媒としてで
き、高温での加熱工程を必要とせず、簡易な装置で合成
することのできる硫酸根を含むジルコニウム酸化物の製
造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するために鋭意研究を行なった結果、目的とする
酸化物を硫酸ジルコニウム溶液から基材表面に薄膜を容
易に形成し得ることを見出して、本発明を完成するに至
った。
【0018】本発明は、硫酸ジルコニウムをアルコール
に溶解し、その溶液中に浸漬させた基板上にジルコニウ
ム酸化物を析出させることを特徴とするジルコニウム酸
化物薄膜の製造方法に関する。
【0019】また、本発明は、ジルコニウム酸化物が硫
酸根を含むことを特徴とする上記ジルコニウム酸化物薄
膜の製造方法に関する。
【0020】さらに、基板が多孔質材料であり、ジルコ
ニウム酸化物を多孔質材料の外部に面した孔の内部まで
析出させることを特徴とする上記ジルコニウム酸化物薄
膜の製造方法に関する。
【0021】また、本発明は、硫酸ジルコニウムをアル
コールに溶解し、その溶液中に基材を浸漬させ、該基材
上に硫酸根を含むジルコニウム酸化物を形成させること
を特徴とする硫酸根を含むジルコニウム酸化物の製造方
法に関する。
【0022】また、本発明は、硫酸ジルコニウムをアル
コールに溶解し、その溶液中に基材を浸漬させ、該基材
上にジルコニウム酸化物薄膜を形成させることにより得
られるジルコニウム酸化物複合体に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のジルコニウム酸化物薄膜
の製造法は、硫酸ジルコニウムをアルコール溶媒に溶か
し、その溶液に基材を浸漬し、そのまま放置する方法で
あり、これにより、基材上に緻密な薄膜が得られる。ま
た、基材として多孔膜または多孔質材料を用いた場合、
その多孔膜または多孔質材料中にジルコニウム酸化物を
充填することができる。用いられる硫酸ジルコニウムは
水和物であっても良い。
【0024】アルコール溶媒としては、特に限定されな
いが、メタノールで緻密な薄膜が得られており、エタノ
ール、ブタノールとアルキル基が長くなるにつれ、表面
の粗い薄膜となる傾向がある。また、2種以上のアルコ
ールを混合して用いることもできる。また、アルコール
と水を混合して使用してもよい。水の量に関しては特に
限定しないが、好ましくは、10-6〜10-1Vol%が
よい。
【0025】原料である硫酸ジルコニウムZr(S
42は、飽和濃度までの広い濃度範囲の溶液にして使
用されるが、通常、飽和濃度近くの濃度で使用され、3
0℃のメタノール溶媒では、通常10-2〜10-1mol
/Lの濃度の溶液に調整して用いられる。濃度が低いと
薄膜が形成しにくく、濃度が高いと溶けにくく実用的で
ない。または、過剰の硫酸ジルコニウムをアルコールに
投入、攪拌し、溶けないで残った硫酸ジルコニウムをろ
過し、ろ液を本発明に使用する硫酸ジルコニウム溶液と
することもできる。
【0026】基材としては、有機材料、無機材料を問わ
ず、形成される薄膜を担持し多層構造を形成するため
の、あるいは形成された薄膜によって酸化などから保護
されるための、広範囲の材料を用いる事が出来る。この
ような材料としては、金属、ガラス、セラミック、有機
高分子材料などが例示される。基材の形状は任意であ
り、板状に限定されず、多孔膜など複雑な形状なものも
使用可能である。
【0027】反応温度は、系が溶液を維持する範囲で任
意に設定できるが、10℃より低い温度では、薄膜が生
成しにくく、反応温度は10℃から溶媒の沸点までの間
が好ましい。さらに好ましくは、30℃〜45℃であ
る。室温で反応させれば、加熱や冷却の装置を必要とし
ない利点がある。反応時間も任意であり、目的とする薄
膜の厚さに応じて反応時間は長くなる。
【0028】なお、必要に応じて、ゲル膜膜形成後、結
晶性を有する膜を得るために乾燥工程を入れても良い。
その場合の結晶化の温度は、特に制限はないが、5〜4
0℃が好ましい。結晶化時間も特に制限はないが、ナイ
ロン6を使用し、5〜40℃の温度の場合、15分〜1
時間程度が好ましい。
【0029】このようにして、基材表面に厚さ0.00
1〜10μmの薄膜、またはそれ以上の厚さを有する被
膜を形成できる。このようにして得られた析出物は、特
に焼成のような加熱工程を経なくても、結晶化した金属
酸化物析出物として得られるが、目的に応じて加熱工程
を設けてもよい。
【0030】本発明で得られたジルコニウム酸化物の薄
膜または多孔質材料への析出物は、赤外線吸収スペクト
ルの測定から、硫酸根が存在することが確認された。
【0031】以上、薄膜の形成方法について説明した
が、硫酸根を含むジルコニウム酸化物の製造方法につい
ても、同様な方法を用いることができる。
【0032】基材に多孔質材料を使用し、同様な方法で
ジルコニウム酸化物を形成させると、多孔質材料の外部
に面した該孔内部までジルコニウム酸化物を形成させる
ことができ、多孔質材料に充填したジルコニウム酸化物
を得ることができる。これは、単位面積当たりの充填量
の多い膜として有用である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。本発明は、これらの実施例によって限定され
るものではない。
【0034】実施例1 硫酸ジルコニウムZr(SO42・4H2O 0.1g
をメタノール20mlに加えて攪拌し、完全に溶解させ
てメタノール溶液とした。この溶液に、ガラス、アルミ
箔、ポリエチレン、およびポリイミドの各基材を浸漬
し、30℃で3日間静置した。15℃で1時間乾燥後、
各基材の表面には、数nm〜数十nmの粒子からなる、
厚さが0.5〜1μmの透明のジルコニウム酸化物薄膜
が同様に形成されていた。これらの薄膜を元素分析した
結果、Zr 36wt%,O 47wt%,S 9.6
wt%、H 2.5wt%で構成されていた。ポリイミ
ド基板上に形成された薄膜のAFM(原子間力顕微鏡)
写真を図1に、X線回折のデータを図2に示す。これら
の図より、小さい結晶性の粒子からなる緻密な膜が形成
されているのがわかる。また、赤外線吸収スペクトルの
測定から、硫酸根が存在することが確認された。
【0035】実施例2 硫酸ジルコニウム0.1gをエタノール20mlに加え
て攪拌し、溶解しないで残った硫酸ジルコニウムはろ過
分離し、ろ液の硫酸ジルコニウムのエタノール溶液を準
備した。また、一方、硫酸ジルコニウム0.1gをメタ
ノールとn−ブタノールの1:1の混合溶媒20mlに
加えて攪拌し、不溶の硫酸ジルコニウムは分離し、ろ液
のメタノール・ブタノールの混合溶液を準備した。これ
らの溶液にガラス、およびポリイミドの各基材を浸漬
し、30℃で3日間静置した。15℃で1時間乾燥後、
各基材の表面には、どちらの溶液からも数nm〜数十n
mの粒子からなる、厚さが0.5〜1μmの透明のジル
コニウム酸化物薄膜が形成されていた。これらの薄膜を
元素分析した結果、Zr 36wt%,O 47wt
%,S 9.6wt%、H 2.5wt%で構成されて
いた。
【0036】実施例3 硫酸ジルコニウムZr(SO42・4H2O 0.1g
をメタノール20mlに加えて攪拌し、完全に溶解させ
てメタノール溶液とした。この溶液に酸化ジルコニウム
ZrO2 0.1gを加え攪拌し白色の懸濁液とした。
この液を濾過後、ガラス、アルミ箔、ポリエチレン、お
よびポリイミドの各基材を浸漬し、30℃で1日間静置
した。15℃で1時間乾燥後、各基材の表面には半透明
のジルコニウム酸化物薄膜が同様に形成されていた。
【0037】実施例4 硫酸ジルコニウム0.1gをメタノール20mlに加え
て攪拌し、完全に溶解させてメタノール溶液とした。こ
の溶液に、多孔質のポリプロピレン基材を浸漬し、30
℃で2日間静置した。15℃で1時間乾燥後、基材の内
部にジルコニウム酸化物薄膜が同様に形成されていた。
薄膜が形成された多孔質ポリプロピレンの断面のTEM
写真を図3に示す。写真の白い部分はポリプロピレンで
あり、黒い部分は析出したジルコニウム酸化物である。
この図より、多孔質基材の内部までジルコニウム酸化物
が生成しており、様々な形状のものに薄膜を形成できる
ことがわかる。そして、この材料は、NOを吸着し、N
Xの除去触媒として使用できることが確認された。
【0038】実施例5 硫酸ジルコニウム0.1gをメタノール10mlに加え
て攪拌し、完全に溶解させてメタノール溶液とした。こ
の溶液に、ガラス、およびポリイミドの各基材を浸漬
し、40℃で1日間静置した。15℃で1時間乾燥後、
各基材の表面には、数nm〜数十nmの粒子からなる、
厚さが0.5〜1μmの透明のジルコニウム酸化物薄膜
が同様に形成されていた。
【0039】実施例6 硫酸ジルコニウムZr(SO42・4H2O 0.1g
をメタノール20mlに加えて攪拌し、完全に溶解させ
てメタノール溶液とした。この溶液にガラス、アルミ
箔、ポリエチレン、およびポリイミドの各基材を浸漬
し、35℃で2日間静置した。15℃で1時間乾燥後、
各基材の表面には、数nm〜数十nmの粒子からなる、
厚さが0.5〜1μmの透明のジルコニウム酸化物薄膜
が同様に形成されていた。
【0040】実施例7 硫酸ジルコニウムZr(SO42・4H2O 0.1g
をメタノール20mlに加えて攪拌し、完全に溶解させ
てメタノール溶液とした。この溶液にナイロン6基材を
浸漬し、35℃で2日間静置した。30℃で15分乾燥
後、基材の表面には、白色の、厚さが5μm程度のジル
コニウム酸化物薄膜が形成されていた。
【0041】実施例8 硫酸ジルコニウムZr(SO42・4H2O 0.1g
をメタノール20mlに加えて攪拌し、完全に溶解させ
てメタノール溶液とした。この溶液にナイロン6基材を
浸漬し、35℃で2日間静置した。15℃で1時間乾燥
後、基材の表面には、透明の、厚さが1μm程度のジル
コニウム酸化物薄膜が形成されていた。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、結晶化によって安定化
させる加熱工程を必要とせず、簡単な装置を用いて、有
機物基材も含む様々な基材表面上に、また、大面積の基
材表面上にも、複雑形状の基材表面上にも、ジルコニウ
ム酸化物の緻密な薄膜を容易に形成できる。また、基材
として多孔膜または多孔質材料を用いた場合、その多孔
膜または多孔質材料の該孔中にジルコニウム酸化物を容
易に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた基板上に形成された薄膜を
示す図面に代わるAFM(原子間力顕微鏡)写真であ
る。
【図2】実施例1で得られた基板上に形成された薄膜の
X線回折パターンを示す図である。
【図3】実施例4で得られた多孔質ポリプロピレン基材
に形成されたジルコニウム酸化物の状態を示す、図面に
代わるTEM(透過型電子顕微鏡)写真図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸ジルコニウムをアルコールに溶解し、
    その溶液中に基材を浸漬させ、該基材上にジルコニウム
    酸化物薄膜を形成させることを特徴とするジルコニウム
    酸化物薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】ジルコニウム酸化物が硫酸根を含むことを
    特徴とする請求項1記載のジルコニウム酸化物薄膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】基材が多孔質材料であり、ジルコニウム酸
    化物を多孔質材料の外部に面した孔の内部まで析出させ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のジル
    コニウム酸化物薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】硫酸ジルコニウムをアルコールに溶解し、
    その溶液中に基材を浸漬させ、該基材上に硫酸根を含む
    ジルコニウム酸化物を形成させることを特徴とする硫酸
    根を含むジルコニウム酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】硫酸ジルコニウムをアルコールに溶解し、
    その溶液中に基材を浸漬させ、該基材上にジルコニウム
    酸化物薄膜を形成させることにより得られるジルコニウ
    ム酸化物複合体。
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