JPH1126861A - Shgレーザの安定化制御装置及び光ディスク記録再生装置 - Google Patents

Shgレーザの安定化制御装置及び光ディスク記録再生装置

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JPH1126861A
JPH1126861A JP12511798A JP12511798A JPH1126861A JP H1126861 A JPH1126861 A JP H1126861A JP 12511798 A JP12511798 A JP 12511798A JP 12511798 A JP12511798 A JP 12511798A JP H1126861 A JPH1126861 A JP H1126861A
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Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】DBR半導体レーザの発振波長がモードホップ
を起こし得ない範囲で、波長可変電流を自動的に設定し
て、SHG出力の第2高調波パワーを安定化させること
が可能なSHGレーザの安定化制御装置を提供する 【解決手段】半導体レーザ1のDBR領域1−2に注入
される波長可変電流をモード内波長可変電流ILDmcに設
定すれば、このモード内波長可変電流ILDmcをモード境
界のギャップ電流値から十分に離して設定できるので、
SHGレーザ3からの第2高調波パワーを最大近傍で安
定させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SHG(Second H
armonic Generation)レーザの出射光強度を安定化させ
るためのSHGレーザ安定化制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の様に、光ディスクの記録容量の増
大には、短波長コヒーレント光源が必要である。すなわ
ち、ディスク上の面記録密度の向上に伴い、ディスク上
の集光スポットサイズを小さくする必要があり、この集
光スポットサイズが波長に比例するという単純な原理か
ら、光源の短波長化は本質的な要請となっており、小型
で実用的な短波長光源の出現が待望されている。
【0003】短波長化の技術としては、近赤外半導体レ
ーザと擬似位相整合(quasi phasematch、以下QPMと
記す)方式の分極反転型導波路(文献:山本ら,Optics
Letters Vol.16,No.15, 1156(1991))デバイスを用い
た第2高調波発生(secondharmonic generation、以下
SHGと記す)がある。
【0004】分極反転型導波路デバイスを用いたブルー
光源の概略構成図を図20に示す。図20において、1
019は0.85μm帯の100mW級AlGaAs系分布ブラック反
射型(distributed bragg reflection、以下DBRと記
す)レーザ、1020はN.A.=0.5のコリメートレンズ、
1021は半波長(λ/2)板、1022はN.A.=0.5の
フォーカシングレンズ、1023は波長変換素子の分極
反転型導波路デバイスである。
【0005】DBR半導体レーザ19は、発振波長を固
定するためのDBR部を有し、このDBR内部には、発
振波長を可変するための内部ヒータが形成されている。
【0006】分極反転型導波路デバイス1023は、Li
TaO3基板1024に形成された光導波路1025と、
周期的な分極反転領域1026より構成されている。
【0007】コリメートレンズ1020によって平行に
されたレーザ光は、λ/2板1021で偏向方向を回転
されてから、フォーカシングレンズ1022によって分
極反転型導波路デバイス1023の光導波路1025の
端面に集光される。更に、該レーザ光は、分極反転領域
1026を含む光導波路1025を伝搬して、該レーザ
光の成分が高調波に変換され、この高調波及び変換され
なかった基本波が光導波路1025の出射端面より出射
される。
【0008】分極反転型導波路デバイス1023は、波
長変換の高効率化のために、該デバイス1023の位相
整合波長許容幅が0.1nm程度と小さく設定されてい
る。そのため、DBR半導体レーザ1019のDBR部
への注入電流を制御して、発振波長を分極反転型導波路
デバイス1023の位相整合波長許容範囲内に設定し固
定する。これによって、光導波路1025内への入射光
強度70mWに対し、波長425nmのブルー光が3mW程度得られ
ている。
【0009】DBR半導体レーザは、利得を与えるため
の活性領域と発振波長を制御するためのDBR領域より
構成される。DBR領域がレザー光の波長850nmに対
して透明となるような、回折格子が活性領域に形成され
ている。この構造の場合は、発振波長は、DBR領域で
反射される光の波長に制御される。また、DBR領域の
屈折率を変化させることにより、発振波長を可変するこ
とができる。DBR領域の屈折率を変化させる方法とし
ては、DBR領域に注入する波長可変電流を変化させる
方法、電子冷却素子(ペルチェ素子等)により温度を変
化させる方法等がある。
【0010】図3は、DBR領域へ注入される波長可変
電流とDBR半導体レーザの発振波長の関係を示してい
る。図3に示すように、波長可変電流を変化させて発振
波長を変化させると、発振波長は、モードホップを繰り
返しながら、波長可変電流の増加に対して長波長側に波
長シフトしていく。また、波長可変電流を上昇させると
きと、下降させるときでは、電流量が同じであっても、
発振波長が異なる。つまり、ヒステリシス特性を示す。
したがって、波長可変電流によって発振波長を変化させ
るとき、所望の波長となる波長可変電流に対して、所定
量小さな波長可変電流あるいは所定量大きな波長可変電
流値を設定した後、そこから所望の波長となる波長可変
電流へと漸増あるいは漸減させると言うヒステリシス対
策を行う必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようなDBR半導
体レーザを基本波光源として用いた従来のSHGレーザ
では、以下のような課題があった。
【0012】波長可変電流により発振波長を変化させる
場合、SHGレーザの出射光の第2高調波パワーが最大
近傍となる様に、DBR半導体レーザに供給される波長
可変電流を求めることが要求される。
【0013】しかしながら、先に述べた様に、DBR半
導体レーザの発振波長が波長可変電流に対してモードホ
ップを繰り返しながら波長シフトするので、SHGレー
ザの出射光の第2高調波パワーが最大となるように波長
可変電流を固定したときに、この固定された波長可変電
流がモードホップを起こし得る電流量の近傍にあると、
SHG出力の第2高調波パワーが不安定となった。
【0014】また、波長可変電流が安定点に設定された
後、ペルチェ素子等によりSHGレーザの温度を変化さ
せて、SHGレーザの出射光の第2高調波パワーが最大
となるような温度を探査する。この温度を探索するに
は、所定のステップで温度を変化させつつ、第2高調波
パワーの変曲点(=極大値)を探査し、この変曲点に対
応する温度を判定する。
【0015】しかしながら、温度変化に対して、SHG
レーザの出射光の第2高調波パワーに複数の極大値が存
在することがある。これは、導波路の幅が均一ではない
等による分極反転型導波路デバイスの特性のバラツキを
原因として発生する。複数の極大値が存在する場合は、
最大の第2高調波パワーを正確に認識することが困難で
あり、この最大の第2高調波パワーに対応するSHGレ
ーザの温度も判定することができない。
【0016】更に、SHGレーザの温度を変化させる方
法としては、SHGレーザの温度が一定になるように、
温度サーボを行いながら、SHGレーザの温度を目標温
度に設定すると言う方法等が考えられる。
【0017】しかしながら、温度目標値と実際の検出温
度間には、制御誤差や回路オフセットによる温度のオフ
セット値が存在するので、SHGレーザの温度を温度目
標値に調整しても、SHGレーザの実際の温度は必ずし
も目標温度と一致しないか、あるいは目標温度近傍に整
定するまでに時間がかかった。
【0018】また、SHGレーザの出力光の第2高調波
パワーが最大近傍で安定化するように、波長可変電流を
制御するときには、半導体レーザの出力特性を変化させ
ずに一定に保つ必要がある。
【0019】しかしながら、半導体レーザの活性領域に
注入する電流を定電圧駆動により制御する場合、SHG
レーザの温度を一定に保つ温度制御を行っているにも関
わらず、半導体レーザのDBR領域の温度が温度制御か
ら外れる程に、波長可変電流を高速に変化させること、
及びDBR領域と活性領域が近接すること等を原因とし
て、DBR領域の温度変化の影響が活性領域に伝わり、
半導体レーザの出力特性が変動してしまった。
【0020】更に、SHGレーザの温度を変化させて、
SHGレーザの出射光の第2高調波パワーが最大となる
様な温度を探査するときにも、先に述べた様に、活性領
域に注入する電流を定電圧駆動により制御することが原
因となって、DBR領域に温度変化が発生して、半導体
レーザの出力特性が変動してしまった。
【0021】そこで、本発明の第1課題は、DBR半導
体レーザの発振波長がモードホップを起こし得ない範囲
で、波長可変電流を自動的に設定して、SHG出力の第
2高調波パワーを安定化させることが可能なSHGレー
ザの安定化制御装置を提供することにある。
【0022】本発明の第2課題は、SHGレーザの出射
光の第2高調波パワーに複数の極大値が存在する場合で
も、最大の第2高調波パワーを正確に認識して、この最
大の第2高調波パワーに対応するSHGレーザの温度を
判定することが可能なSHGレーザの安定化制御装置を
提供することにある。
【0023】本発明の第3課題は、SHGレーザの温度
制御を正確かつ速やかに行い得るSHGレーザの安定化
制御装置を提供することにある。
【0024】本発明の第4課題は、半導体レーザの活性
領域に注入する電流を定電圧駆動により制御しつつ、半
導体レーザの出力特性を一定に保つことが可能なSHG
レーザの安定化制御装置を提供することにある。
【0025】本発明の第5課題は、上述したSHGレー
ザの安定化制御装置を適用した光ディスク記録再生装置
を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のSHGレーザの安定化制御装置は、波長可
変電流の変化に応答して波長がステップ的に変化する半
導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の波長を短
い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレーザと、
前記SHGレーザの出射光の波長のステップ的な変化を
検出する光検出手段と、前記半導体レーザの波長を変化
させるために該半導体レーザに供給される波長可変電流
を変化させる電流可変手段と、前記電流可変手段によっ
て波長可変電流を変化させて、前記光検出手段によって
波長のステップ的な変化が検出されたときの波長可変電
流のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に対す
る所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行っ
て、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段と
を具備している。
【0027】1実施形態では、前記光検出手段は、前記
SHGレーザの出射光強度を検出する。
【0028】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記光検出
手段出力のステップ的な変化が最大となる波長可変電流
のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に対する
所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行って、
波長可変電流値を設定する。
【0029】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記検出さ
れたSHGレーザ出力がステップ的に変化した波長可変
電流の第1ギャップ電流値及び該第1ギャップ電流値に
隣り合う次の第2ギャップ電流値を求め、第1及び第2
ギャップ電流値の差電流に基づいて、ギャップ電流値に
対して加算及び減算のうちのいずれかをなされる所定電
流値を求める。
【0030】1実施形態では、波長可変電流器手段は、
前記電流可変手段を制御することにより、波長可変電流
の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記検出されたS
HGレーザの出射光強度がステップ的に変化した波長可
変電流の第1ギャップ電流値及び該第1ギャップ電流値
に隣り合う次の第2ギャップ電流値を求め、第1及び第
2ギャップ電流値の差電流の20〜80%をギャップ電
流値に対して加算及び減算のうちのいずれかをなされる
所定電流値として求める。
【0031】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流を変化させて、前記光検出手段出力が最大になる
波長可変電流ILDpmaxを求めると共に、波長可変電流を
漸増させて、前記光検出手段出力のステップ的な変化が
最大となる波長可変電流に対応するギャップ電流値ILD
spmaxを求めて、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波長
可変電流ILDpmax以下であれば、ギャップ電流値ILDsp
maxに所定電流値を加算し、ギャップ電流値ILDspmaxが
最大の波長可変電流ILDpmaxを越えれば、ギャップ電流
値ILDspmaxから所定電流値を減算して、波長可変電流
値を設定する。
【0032】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流を変化させて、前記光検出手段出力が最大になる
波長可変電流ILDpmaxを求めると共に、波長可変電流を
漸減させて、前記光検出手段出力のステップ的な変化が
最大となる波長可変電流に対応するギャップ電流値ILD
spmaxを求めて、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波長
可変電流ILDpmax以下であれば、ギャップ電流値ILDspm
axから所定電流値を減算し、ギャップ電流値ILDspmax
が最大の波長可変電流ILDpmaxを越えれば、ギャップ電
流値ILDspmaxに所定電流値を加算して、波長可変電流値
を設定する。
【0033】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記光検出
手段出力のステップ的な変化が最大となる波長可変電流
のギャップ電流値ILDspmaxを求め、更に波長可変電流
の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記光検出手段出
力がステップ的に変化したときの波長可変電流のギャッ
プ電流値を求め、前記求めた各ギャップ電流値の差電流
を求め、前記ギャップ電流値ILDspmaxに対する前記差
電流未満の所定電流値の加算及び減算のいずれかを行っ
て、波長可変電流値を設定する。
【0034】1実施形態では、前記波長可変電流制御手
段は、前記電流可変手段を制御することにより、波長可
変電流の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記光検出
手段出力のステップ的な変化が最大となる波長可変電流
のギャップ電流値ILDspmaxを求め、更に波長可変電流
の漸増及び漸減のいずれかを行って、前記光検出手段出
力がステップ的に変化したときの波長可変電流のギャッ
プ電流値を求め、前記求めた各ギャップ電流値の差電流
を求め、前記ギャップ電流値ILDspmaxに対する前記差
電流の20%〜80%である所定電流値の加算及び減算
のいずれかを行って、波長可変電流値を設定する。
【0035】1実施形態では、前記SHGレーザは、前
記半導体レーザと前記波長変換素子を同一基材上に一体
化した構成である。
【0036】1実施形態では、前記SHGレーザの温度
を変化させる温度可変手段と、前記SHGレーザの温度
を検出する温度検出器と、前記温度検出器の出力に基づ
いて前記SHGレーザの温度が所定温度となるように前
記温度可変手段を制御する温度制御手段とを備える。
【0037】1実施形態では、前記半導体レーザの出射
光強度を変化させるパワー可変電流を一定に制御した状
態で、前記半導体レーザの波長を変化させる波長可変電
流を制御する。
【0038】1実施形態では、前記SHGレーザ出射光
の赤外光をカットするフィルターを備え、前記SHGレ
ーザの出射光を前記赤外光カットフィルターを介して検
出する。
【0039】本発明のSHGレーザの安定化制御装置
は、波長可変電流の変化に対して波長がステップ的に変
化する半導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の
波長を短い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレ
ーザと、前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検
出手段と、前記半導体レーザの波長を変化させるために
該半導体レーザに供給される波長可変電流を変化させる
電流可変手段と、前記電流可変手段を制御することによ
り、波長可変電流を変化させて、前記光検出手段の最大
出力を求め、波長可変電流を漸増させて、前記最大出力
よりも所定値だけ小さな第1しきい値を越えたときの前
記光検出手段出力Pth1を求め、波長可変電流を漸増さ
せて、前記光検出手段出力がPth1よりも所定値だけ小
さな第2しきい値を越えたときの波長可変電流を求め、
前記求めた波長可変電流に所定電流値を加算して、波長
可変電流値を設定する波長可変電流制御手段とを具備し
ている。
【0040】1実施形態では、前記第1しきい値は、前
記光検出手段の最大出力に対応する波長可変電流未満の
側で、該最大出力に最も近い前記光検出手段出力のステ
ップ的な変化が発生した波長可変電流から、前記最大出
力に対応する波長可変電流に至るまでの、該波長可変電
流の変化に伴って連続的に変化する前記光検出手段出力
範囲の最大値以下に設定される。
【0041】1実施形態では、前記第2しきい値は、前
記光検出手段の最大出力に対応する波長可変電流未満の
側で、該最大出力に最も近い前記光検出手段出力のステ
ップ的な変化点において、前記光検出手段出力の大きい
方の値と小さい方の値間に設定される。
【0042】本発明のSHGレーザの安定化制御装置
は、波長可変電流の変化に対して波長がステップ的に変
化する半導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の
波長を短い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレ
ーザと、前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検
出手段と、前記半導体レーザの波長を変化させるために
該半導体レーザに供給される波長可変電流を変化させる
電流可変手段と、前記電流可変手段を制御することによ
り、波長可変電流を変化させて、前記光検出手段の最大
出力を求め、波長可変電流を漸減させて、前記最大出力
よりも所定値だけ小さな第1しきい値を越えたときの前
記光検出手段出力Pth1を求め、波長可変電流を漸減さ
せて、前記光検出手段出力がPth1よりも所定値だけ小
さな第2しきい値を越えたときの波長可変電流を求め、
前記求めた波長可変電流から所定電流値を減算して、波
長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段とを具備
している。
【0043】1実施形態では、前記第1のしきい値は、
前記光検出手段の最大出力に対応する波長可変電流を越
えた側で、該最大出力に最も近い前記光検出手段出力の
ステップ的な変化が発生した波長可変電流から、前記最
大出力に対応する波長可変電流に至るまでの、該波長可
変電流の変化に伴って連続的に変化する前記光検出手段
出力範囲の最大値以下に設定される。
【0044】1実施形態では、前記第2しきい値は、前
記光検出手段の最大出力に対応する波長可変電流を越え
た側で、該最大出力に最も近い前記光検出手段出力のス
テップ的な変化点において、前記光検出手段出力の大き
い方の値と小さい方の値間に設定される。
【0045】本発明のSHGレーザの安定化制御装置
は、波長可変電流の変化に対して波長がステップ的に変
化する半導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の
波長を短い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレ
ーザと、前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検
出手段と、前記半導体レーザの波長を変化させるために
該半導体レーザに供給される波長可変電流を変化させる
電流可変手段と、前記電流可変手段によって波長可変電
流を変化させて、前記光検出手段出力がステップ的に変
化する波長可変電流のギャップ電流値を求め、このギャ
ップギャップ電流値に対する所定電流値の加算及び減算
のうちのいずれかを行って、波長可変電流値を設定する
波長可変電流制御手段と、前記SHGレーザの温度を変
化させる温度可変手段と、前記SHGレーザの温度を検
出する温度検出器と、前記温度検出器の出力に基づいて
前記SHGレーザの温度が所定温度となるように前記温
度可変手段を制御し、この状態で、前記波長可変電流制
御手段によって波長可変電流が所定電流値に設定された
後に、前記光検出手段出力が所定値になるように前記温
度可変手段を制御する温度制御手段とを具備している。
【0046】1実施形態では、前記温度制御手段は、前
記温度検出器の出力に基づいて前記SHGレーザの温度
が所定温度となるように前記温度可変手段を制御し、こ
の状態で、前記波長可変電流制御手段によって波長可変
電流が所定電流値に設定された後に、前記温度可変手段
によって前記SHGレーザの温度を所定の範囲で変化さ
せて、前記光検出手段出力が所定値となる温度を求め、
次に前記求めた温度中心に再度所定変化幅で温度を変化
させて、前記光検出手段出力が所定値になるように制御
する。
【0047】1実施形態では、前記温度制御手段は、前
記温度検出器の出力に基づいて前記SHGレーザの温度
が所定温度となるように前記温度可変手段を制御し、こ
の状態で、前記波長可変電流制御手段によって波長可変
電流が所定電流値に設定された後に、前記温度可変手段
によって前記SHGレーザの温度を目標となる下限温度
より低い温度に向かって変化させて、前記SHGレーザ
の温度が前記下限温度に到達後、前記SHGレーザの温
度を目標となる上限温度より高い温度に向かって変化さ
せて、前記SHGレーザの温度が前記下限温度から前記
上限温度に向かって変化しているときに、前記光検出手
段出力が所定値になったときの温度を求め、この求めた
温度を中心に再度所定変化幅で、前記SHGレーザの温
度を変化させて、前記光検出手段出力が所定値となるよ
うに制御する。
【0048】本発明のSHGレーザ安定化制御装置は、
波長可変電流に応答して波長がステップ的に変化すると
共に、パワー可変電流に応答して出射光強度が変化する
半導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の波長を
短い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレーザ
と、前記SHGレーザの出射光の高調波光ビームを検出
する第1光検出手段と、前記SHGレーザの出射光の基
本波光ビームを検出する第2光検出手段と、前記半導体
レーザの波長を変化させるために該半導体レーザに供給
される波長可変電流を変化させる電流可変手段と、前記
電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、前記
第1光検出手段出力がステップ的に変化する波長可変電
流のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に対す
る所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行っ
て、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段
と、前記波長可変電流制御による制御のときには、前記
第2光検出手段出力が一定になるように前記パワー可変
電流を制御し、前記波長可変電流制御による制御の後に
は、前記第1光検出手段出力が一定になるように前記パ
ワー可変電流を制御するパワー可変電流制御手段とを具
備している。
【0049】本発明のSHGレーザ安定化制御装置は、
波長可変電流に応答して波長がステップ的に変化すると
共に、パワー可変電流に応答して出射光強度が変化する
半導体レーザ、及び前記半導体レーザの出射光の波長を
短い波長に変換する波長変換素子を含むSHGレーザ
と、前記SHGレーザの出射光の高調波光ビームを検出
する第1光検出手段と、前記SHGレーザの出射光の基
本波光ビームを検出する第2光検出手段と、前記半導体
レーザの波長を変化させるために該半導体レーザに供給
される波長可変電流を変化させる電流可変手段と、前記
電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、前記
第1光検出手段出力がステップ的に変化する波長可変電
流のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に対す
る所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行っ
て、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段
と、前記SHGレーザの温度を変化させる温度可変手段
と、前記SHGレーザの温度を検出する温度検出器と、
前記温度検出器出力に基づいて前記SHGレーザの温度
が所定温度となるように前記温度可変手段を制御し、こ
の状態で前記波長可変電流制御手段によって波長可変電
流が所定電流値に設定された後に、前記第1光検出手段
出力が所定値になるように前記温度可変手段を制御する
温度制御手段と、前記波長可変電流制御による制御及び
前記SHGレーザの温度変更を行っているときには、前
記第2光検出手段出力が一定になるように前記パワー可
変電流を制御し、前記波長可変電流制御による制御及び
前記SHGレーザの温度変更を行っていないときには、
前記第1光検出手段出力が一定になるように前記パワー
可変電流を制御するパワー可変電流制御手段とを具備し
ている。
【0050】本発明の光ディスク記録再生装置は、上述
したSHGレーザ安定化制御装置と、前記SHGレーザ
安定化制御装置における前記SHGレーザの出射光を光
ディスクに集光する光学手段とを備えている。
【0051】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)第1実施形態では、DBR半導体レー
ザの発振波長がモードホップを起こすことのない範囲
で、波長可変電流を自動的に設定して、SHG出力の第
2高調波パワーを安定化させている。
【0052】図1は、本発明の第1実施形態のSHGレ
ーザの安定化制御装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【0053】図1において、半導体レーザ1は、利得を
与えるための活性領域1−1と発振波長を制御するため
のDBR領域1−2から構成されている。SHGレーザ
3は、半導体レーザ1と非線形光学素子からなるSHG
(Second Harmonic Generation)デバイス2とを同一基
材4上に一体化したものである。
【0054】SHGレーザ3は、図20のSHGレーザ
と同様に、半導体レーザ1とSHGデバイス2間に、コ
リメートレンズ、λ/2板及びフォーカシングレンズを
備えているが、図1においては、これらを省略してい
る。半導体レーザ1からの光ビームは、(図示省略の)
コリメートレンズで平行にされた後、(図示省略の)λ
/2板で偏向方向を回転され、(図示省略の)フォーカ
シングレンズによってSHGデバイス2の光導波路の端
面に集光される。
【0055】本発明における波長可変電流の制御は、好
ましくは、後述の温度制御を行うことによってSHGレ
ーザ3の温度が所定値に安定化した状態で行う。この状
態で、定電流制御手段8は、半導体レーザ1の活性領域
1−1に一定量の電流を注入する。また、波長可変電流
制御手段12は、後に詳述する様に、半導体レーザ1の
DBR領域1−2に注入される波長可変電流を制御し
て、半導体レーザ1の発振波長をSHGデバイス2の位
相整合波長許容範囲内に設定し固定する。SHGデバイ
ス2は、基本波(850nm)と第2高調波(425nm)からな
るレーザ光を出射する。
【0056】SHGデバイス2から出射されたレーザ光
は、好ましくは、赤外光カットフィルター9を通過させ
る。これによって、基本波がカットされ、第2高調波の
みがレーザ光として光検出器10に入射される。SHG
デバイス2の出力を光検出器10上に集光するために
は、(図示省略の)集光レンズをSHGデバイス2の直
後に配置して、光検出器10上に光スポットが形成され
るようにすればよい。
【0057】光検出器10は、SHGレーザ3からの第
2高調波の強度を検出する。光検出器10の検出出力
は、波長可変電流制御手段12に入力される。波長可変
電流制御手段12は、光検出器10の出力、つまりSH
Gレーザ3の出力を計測しながら、電流可変手段11を
調整してDBR領域1−2に注入される波長可変電流を
制御する。
【0058】SHGレーザ3が一体化され設けられた基
材4の下側には、電子的に温度を可変し得る温度可変手
段(例えばペルチェ素子)5が設けられており、また半
導体レーザ1近くの基材4の部位には、SHGレーザ3
の温度を検出する温度検出器6が設けられている。温度
制御手段7は、温度検出器6によって検出された温度が
目標温度(例えば25℃)になるように、温度可変手段
5に供給される電流を調整してSHGレーザ3の温度が
目標温度になるように制御する。
【0059】次に、波長可変電流の制御について、図
1、図2、図3、及び図4を用いて、更に詳しく説明す
る。
【0060】図2は、SHGデバイス2の特性を示して
おり、第2高調波波長と出力パワーの関係を示すグラフ
である。図3は、半導体レーザ1のDBR領域に注入さ
れる波長可変電流と半導体レーザ1の出力波長の関係を
示すグラフである。図4は、波長可変電流とSHGレー
ザ3から出力される第2高調波パワーの関係を示すグラ
フである。SHGデバイス2の特性のバラツキ等を原因
として、半導体レーザ1とSHGデバイス2間の位相整
合条件が一定でない場合、例として挙げられた各位相整
合条件毎に、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図
4(d)に示す様な特性が得られる。
【0061】図2に示すように、SHGデバイス2の第
2高調波の半値幅は、0.13nmである。また、図3
に示すように、半導体レーザ1の出力は、波長可変電流
5mA毎に、モードホップを繰り返しつつ、波長可変電
流の増加とともに長波長側にシフトしていく。そして、
半導体レーザ1の出力波長は、モードホップの度に、
0.1nm程変化する。このため、図4に示すように波
長可変電流15〜35mAの範囲において、SHGレー
ザ3から出力される第2高調波パワーは、モードホップ
の境界(以下モード境界と記す)で大きく変化し、モー
ド境界と隣のモード境界間(以下モード間と記す)で連
続的に増加あるいは減少するような波形になる。更に、
モード間のSHGレーザ3の出力パワーの増加あるいは
減少の傾きは位相整合状態によって異なる。
【0062】いま仮に、SHGレーザ3からの第2高調
波パワーが最大になるように波長可電流を制御するなら
ば、波長可変電流は、図4(a)、(b)、(c)、
(d)のいずれにおいても、モード境界に設定されるこ
とになる。あるいは、波長可変電流が図示されていない
モード間で最大になることもあり得る。波長可変電流が
モード境界に設定される確立は非常に高く、この場合
は、SHGレーザ3からの第2高調波パワーは、極めて
不安定なものとなる。
【0063】ここで、モード境界におけるSHGレーザ
3からの第2高調波パワーPの変化量ΔPに着目する
と、変化量ΔPが最大となる波長可変電流のギャップ電
流値ILDspmaxは、第2高調波パワーPが最大となった
波長可変電流ILDpmax以下の側で、最も近いモード境界
のギャップ電流値か、または波長可変電流ILDpmax以上
の側で、最も近いモード境界のギャップ電流値となる。
【0064】次に、第1実施形態のSHGレーザの安定
化制御装置におけるアルゴリズムを図5、図6を用いて
説明する。
【0065】図5(a)、(b)は、半導体レーザ1と
SHGデバイス2間の異なる各位相整合条件毎に、波長
可変電流とSHGレーザ3から出力される第2高調波パ
ワーの関係を示すグラフである。図6は、第1実施形態
における波長可変電流制御フローチャートを示してい
る。
【0066】まず、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流制御開始のコマンドに応答して、電流可変手段
11を制御し、波長可変電流ILDに1ステップ0.5m
Aの波長可変電流変化量δILDを加算して、波長可変電
流ILDを1ステップずつ0〜112mA程度の範囲で変
化させ、光検出器10の出力、つまりSHGレーザ3の
出力Pが最大となる波長可変電流ILDpmaxを求める(ス
テップ101,102)。
【0067】次に、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流に対する半導体レーザ1のヒステリシス特性の
影響を回避するために、波長可変電流を十分に小さな値
(例えばILDpmaxより20mA程度小さな値)に設定し
た後、再度1ステップ0.5mAずつ所定の値(例えば
ILDpmaxより20mA程度大きな値)まで波長可変電流
を増加させ、波長可変電流の1ステップの変化に対し
て、光検出器10の出力の変化量、つまりSHGレーザ
3の出力の変化量ΔPが最大となる波長可変電流のギャ
ップ電流値ILDspmaxを求める(ステップ103,10
4)。
【0068】そして、波長可変電流制御手段12は、求
めたILDpmaxに対してILDspmaxが大きいか小さいかを
判断する(ステップ105)。その結果、小さいか等し
い場合は(ステップ105,YES)、ILDspmaxに1ステ
ップの波長可変電流変化量δILDの整数n倍に相当する
波長可変電流戻し量を加算し、モード間のモード内波長
可変電流ILDmcを求める(ステップ106)。また、大
きい場合は(ステップ105,NO)、ILDspmaxから1
ステップの波長可変電流変化量δILDの整数n倍に相当
する波長可変電流戻し量を減算し、モード間のモード内
波長可変電流ILDmcを求める(ステップ107)。
【0069】波長可変電流戻し量は、モード間の幅が5
mAなので、好ましくは、nを5に選んで、2.5mA
程度に設定すればよい。これによって、モード内波長可
変電流ILDmcがモード間の略中心に対応する波長可変電
流に設定される。あるいは、好ましくは、モード境界か
ら次のモード境界に変化したときの波長可変電流の変化
分を波長可変電流変化量δILDで割った整数値mを求
め、2からm−2の間の値で、nの値を適宜決定しても
よい。
【0070】こうしてモード内波長可変電流ILDmcを求
めた後、波長可変電流制御手段12は、半導体レーザ1
のヒステリシス特性の影響を回避するために、波長可変
電流を十分に小さな値に設定してから、半導体レーザ1
のDBR領域1−2に注入される波長可変電流を漸増さ
せてモード内波長可変電流ILDmcに設定する(ステップ
108)。
【0071】上記の制御アルゴリズムのILDspmaxとIL
Dpmaxの比較処理をif…,then…文で表すと、次
のようになる。
【0072】 if ILDspmax ≦ ILDpmax then ILDmc=ILDspmax+δILD×n if ILDspmax > ILDpmax then IDBRmc=IDBRspmax−δIDBR×n 以上のような制御アルゴリズムを実現するための波長可
変電流制御手段12は、好ましくは、光検出器10から
の出力を入力するA/D変換器と電流可変手段11を制
御するためのD/A変換器を備えたデジタルシグナルプ
ロセッサー(DSP)等を用いて構成し、ソフト的な処
理を行う。
【0073】このようにして半導体レーザ1のDBR領
域1−2に注入される波長可変電流をモード内波長可変
電流ILDmcに設定すれば、このモード内波長可変電流I
LDmcをモード境界のギャップ電流値から十分に離して設
定できるので、SHGレーザ3からの第2高調波パワー
を最大近傍で安定させることができる。
【0074】次に、第1実施形態の変形例を図7に示す
波長可変電流制御フローチャートに従って説明する。
【0075】図6のフローチャートの処理と図7のフロ
ーチャートの処理を比較すると、図6のフローチャート
の処理においては波長可変電流を漸増させているのに対
して、図7のフローチャートの処理においては波長可変
電流を漸減させている点が異なる。
【0076】まず、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流制御開始のコマンドに応答して、電流可変手段
11を制御し、波長可変電流ILDに1ステップ0.5m
Aの波長可変電流変化量δILDを減算して、波長可変電
流ILDを0〜112mA程度の範囲で変化させ、光検出
器10によって検出されたSHGレーザ3の出力Pが最
大となる波長可変電流ILDpmaxを求める(ステップ20
1,202)。
【0077】次に、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流に対する半導体レーザ1のヒステリシス特性の
影響を回避するために、波長可変電流を十分に大きな値
(例えばILDpmaxより20mA程度大きな値)に設定し
た後、再度1ステップ0.5mAずつ所定の値(例えば
ILDpmaxより20mA小さな値)まで波長可変電流を減
少させ、波長可変電流の1ステップの変化に対して、光
検出器10によって検出されたSHGレーザ3の出力の
変化量ΔPが最大となる波長可変電流のギャップ電流値
ILDspmaxを求める(ステップ203,204)。
【0078】そして、波長可変電流制御手段12は、求
めたILDpmaxに対してILDspmaxが大きいか小さいかを
判断する(ステップ205)。その結果、小さいか等し
い場合は(ステップ205,YES)、ILDspmaxから1ス
テップの波長可変電流変化量δILDの整数(n)倍に相
当する波長可変電流戻し量を減算し、モード間のモード
内波長可変電流ILDmcを求める(ステップ206)。ま
た、大きい場合は(ステップ205,NO)、ILDspmax
に1ステップの波長可変電流変化量δILDの整数n倍に
相当する波長可変電流戻し量を加算し、モード間のモー
ド内波長可変電流ILDmcを求める(ステップ207)。
【0079】こうしてモード内波長可変電流ILDmcを求
めた後、波長可変電流制御手段12は、半導体レーザ1
のヒステリシス特性の影響を回避するために、波長可変
電流を十分に大きな値に設定してから、半導体レーザ1
のDBR領域1−2に注入される波長可変電流を漸減さ
せてモード内波長可変電流ILDmcに設定する(ステップ
208)。
【0080】上記の制御アルゴリズムのILDspmaxとIL
Dpmaxの比較処理をif…,then…文で表すと、次
のようになる。
【0081】 if ILDspmax ≦ ILDpmax then ILDmc=ILDspmax−δILD×n if ILDspmax > ILDpmax then IDBRmc=ILDspmax+δILD×n
【0082】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
最大のギャップ電流値ILDspmaxに対して波長可変電流
戻し量を加減して、モード間のモード内波長可変電流I
LDmcを求めている。
【0083】これに対して、第2実施形態では、第1及
び第2しきい値を順次求めて設定し、第2しきい値から
ギャップ電流値を判定し、このギャップ電流値に対して
波長可変電流戻し量を加減して、モード間のモード内波
長可変電流を求めている。
【0084】従って、第2実施形態は、モード内波長可
変電流を求めるまでの手順が第1実施形態と異なるもの
の、波長可変電流を自動的に設定して、SHG出力の第
2高調波パワーを安定化させると言う点では第1実施形
態と同様である。
【0085】本実施形態のSHGレーザの安定化制御装
置は、その構成が図1の装置と全く同様であり、波長可
変電流制御手段12による波長可変電流の制御アルゴリ
ズムのみが異なる。このため、本実施形態の装置の構成
の説明を省略し、波長可変電流の制御アルゴリズムのみ
について説明する。
【0086】図8(a)、(b)、(c)は、半導体レ
ーザ1とSHGデバイス2間の異なる各位相整合条件毎
に、波長可変電流とSHGレーザ3から出力される第2
高調波パワーの関係を示すグラフである。図9は、第2
実施形態における波長可変電流制御フローチャートを示
している。
【0087】まず、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流制御開始コマンドに応答して、電流可変手段1
1を制御し、波長可変電流ILDに1ステップ0.5mA
の波長可変電流変化量δILDを加算して、波長可変電流
ILDを1ステップずつ0〜112mA程度の範囲で変化
させ、SHGレーザ3の最大出力Pmaxと、このときの
波長可変電流ILDpmaxを求める(ステップ301,30
2)。
【0088】次に、波長可変電流制御手段12は、Pma
xのAA%(好ましくは70%程度)を第1しきい値Pt
h1として設定し、半導体レーザ1のヒステリシス特性の
影響を回避する処理を行った後、所定の範囲(例えばI
LDpmax±20mAの範囲)で、1ステップ0.5mAず
つ波長可変電流を増加させる(ステップ303)。そし
て、波長可変電流制御手段12は、第1しきい値Pth1
を越えたときのSHGレーザ3の出力P1を求める(ス
テップ304)。
【0089】この後、波長可変電流制御手段12は、出
力P1のBB%(好ましくは70%)を第2しきい値P
th2として設定し、半導体レーザ1のヒステリシス特性
の影響を回避する処理を再度行った後、所定の範囲(例
えばILDpmax±20mAの範囲)で、1ステップ0.5
mAずつ波長可変電流を増加させる(ステップ30
5)。そして、SHGレーザ3の出力Pが第2しきい値
Pth2を越えたときの波長可変電流を求めて、この波長
可変電流をモード境界のギャップ電流値ILDmbとする
(ステップ306)。
【0090】引き続いて、波長可変電流制御手段12
は、求めたモード境界のギャップ電流値ILDmbに1ステ
ップの波長可変電流変化量δILDの整数n倍に相当する
波長可変電流戻し量を加算し、モード間のモード内波長
可変電流ILDmcを求める(ステップ307)。
【0091】波長可変電流戻し量は、モード間の幅が5
mAなので、好ましくは、nを5に選んで、2.5mA
程度に設定すればよい。これによって、モード内波長可
変電流ILDmcがモード間の略中心に対応する波長可変電
流に設定される。また、モード境界の第1波長可変電流
と次のモード境界の第2波長可変電流間の差電流に基づ
いて、波長可変電流戻し量を求めてもよい。この場合、
波長可変電流戻し量は、上記差電流の20〜80%の範
囲で適宜設定する。
【0092】こうしてモード内波長可変電流ILDmcを求
めた後、波長可変電流制御手段12は、半導体レーザ1
のヒステリシス特性の影響を回避するための処理を行っ
てから、半導体レーザ1のDBR領域1−2に注入され
る波長可変電流を漸増させてモード内波長可変電流ILD
mcに設定する(ステップ308)。
【0093】上記アルゴリズムにおいて、的確なモード
内波長可変電流ILDmcを設定するためには、次の様な各
条件を満足しなければならない。
【0094】(条件1)第1しきい値Pth1は、SHG
レーザ3の最大出力Pmaxに対応する波長可変電流ILDp
max未満の側で、該最大出力Pmaxに最も近いモード境界
から、該波長可変電流ILDpmaxのモード境界に至るまで
のモード間におけるSHGレーザ3の出力の最大値Pmi
max以下に設定されなければならない。
【0095】この条件を式で表すと、次の式(1)のよ
うになる。
【0096】 Pmimax ≧ Pth1=Pmax×AA% …(1) (条件2)第2しきい値Pth2は、SHGレーザ3の最
大出力Pmaxに対応する波長可変電流ILDpmax未満の側
で、該最大出力Pmaxに最も近いモード境界において、
ステップ的に変化するSHGレーザ3の大きい方の出力
Pmbupと小さい方の出力Pmbdn間に設定されなければな
らない。
【0097】この条件を式で表すと、次の式(2)のよ
うになる。
【0098】 Pmbdn < P1×BB% < Pmbup …(2) (条件3)上記式(1)におけるAA%と上記式(2)
におけるBB%との関係は、次の式(3)を満たさなけ
ればならない。
【0099】 AA%≦BB% …(3) ここで、上記条件1から3を無視して、例えばAA=B
B=50(%)に設定して、図9のフローチャートの処
理を行った場合、図8(a)及び(b)においては、的
確なモード内波長可変電流ILDmcを設定することができ
る。ところが、図8(c)においては、ギャップ電流値
ILDmbを正確に求めることができず、これに伴って的確
なモード内波長可変電流ILDmcを設定することができな
くなる。
【0100】上記条件1から3を満たす場合は、図8
(c)においても、ギャップ電流値ILDmbを正確に求め
て、的確なモード内波長可変電流ILDmcを設定すること
ができる。
【0101】すなわち、本実施形態においては、第1し
きい値Pth1がモード境界で設定された場合は、第1し
きい値Pth1を越えたときのSHGレーザ3の出力P1
が最大出力Pmaxまでステップ的に増大するので、この
出力P1からは第1しきい値Pth1よりも僅かに小さな
第2しきい値Pth2が求められることになり、この第2
しきい値Pth2に基づいて該モード境界のギャップ電流
値ILDmbを求めることができる。また、第1しきい値P
th1がモード境界から外れて、つまりモード間で設定さ
れた場合は、第1しきい値Pth1を越えたときのSHG
レーザ3の出力P1が該第1しきい値Pth1と略同一と
なり、この出力P1からは第1しきい値Pth1よりも十
分に小さな第2しきい値Pth2が求められて、この第2
しきい値Pth2がモード境界で設定されるので、この第
2しきい値Pth2に基づいて該モード境界のギャップ電
流値ILDmbを求めることができる。これによって、ギャ
ップ電流値ILDmbを正確に求めて、的確なモード内波長
可変電流ILDmcを設定することができる。
【0102】以上のような制御アルゴリズムを実現する
ための波長可変電流制御手段12は、第1実施形態と同
様に、好ましくは、光検出器10からの出力を入力する
A/D変換器と電流可変手段11を制御するためのD/
A変換器を備えたデジタルシグナルプロセッサー(DS
P)等を用いて構成し、ソフト的な処理を行う。
【0103】このようにして半導体レーザ1のDBR領
域1−2に注入される波長可変電流をモード内波長可変
電流ILDmcに設定すれば、このモード内波長可変電流I
LDmcをモード境界のギャップ電流値から十分に離して設
定できるので、SHGレーザ3からの第2高調波パワー
を最大近傍で安定させることができる。
【0104】次に、第2実施形態の変形例を図10に示
す波長可変電流制御フローチャートに従って説明する。
【0105】図10のフローチャートの処理と図9のフ
ローチャートの処理を比較すると、図9のフローチャー
トの処理においては波長可変電流を漸増させているのに
対して、図10のフローチャートの処理においては波長
可変電流を漸減させている点が異なる。
【0106】まず、波長可変電流制御手段12は、波長
可変電流制御開始コマンドに応答して、電流可変手段1
1を制御し、波長可変電流ILDに1ステップ0.5mA
の波長可変電流変化量δILDを減算して、波長可変電流
ILDを1ステップずつ0〜112mA程度の範囲で変化
させ、SHGレーザ3の最大出力Pmaxと、このときの
波長可変電流ILDpmaxを求める(ステップ401,40
2)。
【0107】次に、波長可変電流制御手段12は、Pma
xのAA%(好ましくは70%程度)を第1しきい値Pt
h1として設定し、半導体レーザ1のヒステリシス特性の
影響を回避する処理を行った後、所定の範囲(例えばI
LDpmax±20mAの範囲)で、1ステップ0.5mAず
つ波長可変電流を減少させる(ステップ403)。そし
て、波長可変電流制御手段12は、第1しきい値Pth1
を越えたときのSHGレーザ3の出力P1を求める(ス
テップ404)。
【0108】この後、波長可変電流制御手段12は、出
力P1のBB%(好ましくは70%)を第2しきい値P
th2として設定し、半導体レーザ1のヒステリシス特性
の影響を回避する処理を再度行った後、所定の範囲(例
えばILDpmax±20mAの範囲)で、1ステップ0.5
mAずつ波長可変電流を減少させる(ステップ40
5)。そして、SHGレーザ3の出力Pが第2しきい値
Pth2を越えたときの波長可変電流を求めて、この波長
可変電流をモード境界のギャップ電流値ILDmbとする
(ステップ406)。
【0109】引き続いて、波長可変電流制御手段12
は、求めたモード境界のギャップ電流値ILDmbに1ステ
ップの波長可変電流変化量δILDの整数n倍に相当する
波長可変電流戻し量を減算し、モード間のモード内波長
可変電流ILDmcを求める(ステップ407)。
【0110】波長可変電流戻し量は、モード間の幅が5
mAなので、好ましくは、nを5に選んで、2.5mA
程度に設定すればよい。これによって、モード内波長可
変電流ILDmcがモード間の略中心に対応する波長可変電
流に設定される。また、モード境界の第1波長可変電流
と次のモード境界の第2波長可変電流間の差電流に基づ
いて、波長可変電流戻し量を求めてもよい。この場合、
波長可変電流戻し量は、上記差電流の20〜80%の範
囲で適宜設定する。
【0111】こうしてモード内波長可変電流ILDmcを求
めた後、波長可変電流制御手段12は、半導体レーザ1
のヒステリシス特性の影響を回避するための処理を行っ
てから、半導体レーザ1のDBR領域1−2に注入され
る波長可変電流を漸減させてモード内波長可変電流ILD
mcに設定する(ステップ408)。
【0112】上記アルゴリズムにおいて、的確なモード
内波長可変電流ILDmcを設定するためには、次の様な各
条件を満足しなければならない。
【0113】(条件1)第1しきい値Pth1は、SHG
レーザ3の最大出力Pmaxに対応する波長可変電流ILDp
maxを越える側で、該最大出力Pmaxに最も近いモード境
界から、該波長可変電流ILDpmaxのモード境界に至るま
でのモード間におけるSHGレーザ3の出力の最大値P
mimax以下に設定されなければならない。
【0114】この条件を式で表すと、次の式(4)のよ
うになる。
【0115】 Pmimax ≦ Pth1=Pmax×AA% …(4) (条件2)、SHGレーザ3の最大出力Pmaxに対応す
る波長可変電流ILDpmax越える側で、該最大出力Pmax
に最も近いモード境界において、ステップ的に変化する
SHGレーザ3の大きい方の出力Pmbupと小さい方の出
力Pmbdn間に設定されなければならない。
【0116】この条件を式で表すと、次の式(5)のよ
うになる。
【0117】 Pmbdn < P1×BB% < Pmbup …(5) (条件3)上記式(4)におけるAA%と上記式(5)
におけるBB%との関係は、次の式(6)を満たさなけ
ればならない。
【0118】AA%<BB% …(6) 以上のような制御アルゴリズムを実現するための波長可
変電流制御手段12は、第1の実施形態と同様に、好ま
しくは、光検出器10からの出力を入力するA/D変換
器と電流可変手段11を制御するためのD/A変換器を
備えたデジタルシグナルプロセッサー(DSP)等を用
いて構成し、ソフト的な処理を行う。
【0119】このようにして半導体レーザ1のDBR領
域1−2に注入される波長可変電流をモード内波長可変
電流ILDmcに設定すれば、このモード内波長可変電流I
LDmcをモード境界のギャップ電流値から十分に離して設
定できるので、SHGレーザ3からの第2高調波パワー
を最大近傍で安定させることができる。
【0120】(第3実施形態)本実施形態では、上記第
1及び第2実施形態と同様に、波長可変電流を自動的に
設定しているが、これだけでなく、SHGレーザ3の温
度を自動的に制御して、SHG出力の第2高調波パワー
を最大近傍に設定し安定化させるている。
【0121】図11は、本発明の第3実施形態のSHG
レーザの安定化制御装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図11においては、図1と同じ作用を果たす部位
に、同じ符号を付して説明を省略する。
【0122】本実施形態においては、温度制御手段7A
は、温度検出器6によって検出された半導体レーザ1の
温度を入力するだけでなく、上記SHGレーザ3の温度
制御を可能にするために、光検出器10によって検出さ
れたSHGレーザ3の第2高調波パワーを入力する。
【0123】温度制御手段7Aは、温度検出器6によっ
て検出された温度と目標温度の差がゼロになるように温
度可変手段5に流れる電流を調整する。また、温度制御
手段7Aは、光検出器10によって検出されたSHGレ
ーザ3の出力が所定値となるように目標温度を制御す
る。
【0124】本実施形態のSHGレーザ安定化装置は、
好ましくは、第1及び第2実施形態と同様に、波長可変
電流制御を行い、波長可変電流をSHGレーザ3の出力
が最大近傍で安定するように制御した後、温度制御手段
7Aによって、温度目標値を変化させて、SHGレーザ
3の出力が最大になる温度を探査する。
【0125】ここで、SHGレーザ3、特に半導体レー
ザ1の温度特性について、図12を用いて説明する。
【0126】図12(a)は、半導体レーザ1の温度と
発振波長の関係を示すグラフである。図12(a)に示
すように、半導体レーザ1の温度1℃の変化に対して、
半導体レーザ1の発振波長が0.06nmだけ変化す
る。本実施形態の場合では、20℃のときに、半導体レ
ーザ1の発振波長が850nmである。
【0127】図12(b)は、半導体レーザ1の温度と
モード境界のギャップ電流値の関係を示すグラフであ
る。本実施形態では、半導体レーザ1の温度が25℃
で、波長可変電流が25mAのとき、半導体レーザ1の
出力がモードホップする。図12(b)のグラフは、こ
の波長可変電流(ギャップ電流値)が半導体レーザ1の
温度によって変化する特性を示している。本実施形態で
は、半導体レーザ1の温度を25℃から20℃に変化さ
せると、ギャップ電流値が25mAから23.5mAに
変化する。逆に、半導体レーザ1の温度が25℃から3
0℃に変化すると、ギャップ電流値が25mAから26
mAに変化する。
【0128】図12(c)は、半導体レーザ1の温度に
対するDBR領域1−2の波長特性を含む半導体レーザ
1の出力パワーの特性を示すグラフである。本実施形態
では、半導体レーザ1の温度20℃のときに、半導体レ
ーザ1の出力パワーが最大になるような特性となってい
る。
【0129】次に、SHGレーザ3の温度に対するSH
Gレーザ3の出力パワー特性について図13を用いて説
明する。
【0130】図13(a)は、SHGデバイス2の温度
に対する波長特性を示すグラフである。本実施形態で
は、SHGデバイス2の波長特性は、0.035nm/
℃であって、20℃のときに波長850nmを入力する
と、425nmの第2高調波を出力する。
【0131】図13(b)は、SHGレーザ3の温度に
対する波長特性を示すグラフである。ここでは、半導体
レーザ1側からみたときのSHGレーザ3の波長特性を
示している。この場合、半導体レーザ1の上記波長特性
0.06nm/℃からSHGデバイス2の上記波長特性
0.035nm/℃を差し引いた結果がSHGレーザ3
の波長特性となる。したがって、SHGレーザ3の温度
に対する波長特性は0.025nm/℃である。
【0132】図13(c)は、SHGデバイス2の理想
的な特性を前提として、SHGレーザ3の温度に対する
SHGレーザ3からの第2高調波パワー特性を示すグラ
フである。図13(c)のグラフに示すように、本実施
形態では、SHGデバイス2が理想的な特性を有してい
るとき、20℃のときに最大3mWの第2高調波出力を
得ることができる。そして、温度に対する第2高調波パ
ワー特性は20℃を中心に対称な特性となる。
【0133】図13(d)は、SHGデバイス2のバラ
ツキのある特性を前提とし、SHGレーザ3の出力波長
に対するSHGレーザ3からの第2高調波パワーの特性
を示すグラフである。
【0134】SHGデバイス2の導波路が均一でない等
のSHGデバイス2のバラツキがある場合、例えば、図
13(d)のグラフに示すように、SHGレーザ3の波
長に対するSHGレーザ3の第2高調波パワーの特性
は、20℃を中心に非対称であって、かつ変曲点を2つ
有するような特性となる。この非対称性、変曲点の数と
その位置等はデバイスの特性によって変化する。
【0135】図13(e)は、SHGデバイス2のバラ
ツキのある特性を前提とし、SHGレーザ3の温度に対
するSHGレーザ3からの第2高調波パワーの特性を示
すグラフである。
【0136】SHGレーザ3の温度に対する波長特性が
線形なものであるため、図13(d)における横軸に対
して、波長の代わりに、SHGレーザ3の温度を当ては
めると、図13(e)のグラフが得られる。
【0137】以上説明したように、SHGデバイス2の
導波路が不均一である等の特性的なバラツキがあると、
SHGレーザ3からの第2高調波パワーは、複数の変曲
点を有する特性となる。したがって、SHGレーザ3の
温度を変化させることによって、SHGレーザ3の出力
の最大値を探査する(例えば所定のステップで温度を変
化させて変曲点(=極大値)を探査する方法により第2
高調波パワーを最大に制御する)場合、各変曲点のうち
から最大の変曲点を的確に選択する必要がある。
【0138】本実施形態においては、温度制御手段7A
によって、各変曲点のうちから最大の変曲点を的確に選
択し、この最大の変曲点の温度にSHGレーザ3の温度
を設定している。
【0139】本実施形態におけるアルゴリズムの概略
は、まず第1及び第2実施形態と同様に、波長可変電流
をSHGレーザ3からの第2高調波パワーが最大近傍で
安定する様に制御し、この後に、温度制御手段7Aによ
って、第2高調波パワーが更に大きくなるSHGレーザ
3の温度を探索する。このとき、前述の様に複数の変曲
点が存在する場合の対策として、まず、SHGレーザ3
の初期温度に対して所定値低い温度から所定値高い温度
までの温度範囲で、目標温度を大きく変化させながら、
SHGレーザ3の出力と温度検出器6の出力を計測し
て、SHGレーザ3からの第2高調波パワーが最大とな
るSHGレーザ3の温度を探査する。これをラフ温度探
査と称す。この後、ラフ温度探査によって求めた温度近
傍で、所定温度幅のステップ、例えば1ステップ0.1
℃の温度幅で、SHGレーザ3の温度を変化させて、S
HGレーザ3の出力が最大になる温度を探査する。これ
をファイン温度探査と称す。
【0140】次に、第3実施形態のSHGレーザの安定
化制御装置におけるアルゴリズムを図14、図15を詳
細に説明する。
【0141】図14は、ラフ温度探査の制御フローチャ
ートである。
【0142】まず、温度制御手段7Aは、ラフ温度探査
開始コマンドに応答して、温度検出手段6によって検出
されたSHGレーザ3の初期温度(例えば22℃)に対
して、温度目標値を5℃低い下限温度17℃に設定し、
温度検出手段6によって検出されたSHGレーザ3の温
度を監視しつつ、温度可変手段5を制御して、SHGレ
ーザ3の温度を目標温度に調整する(ステップ50
1)。
【0143】次に、温度制御手段7Aは、SHGレーザ
3の温度が目標温度17℃近傍で安定になったことを確
認する(ステップ502)。引き続いて、温度制御手段
7Aは、目標温度を初期温度に対して5℃高い上限温度
27℃に設定し、SHGレーザ3の温度を監視しつつ、
温度可変手段5を制御して、SHGレーザ3の温度を目
標温度まで上昇させる。これによって、SHGレーザ3
の温度が17℃から27℃まで変化する。このとき、温
度制御手段7Aは、光検出器10の出力、つまりSHG
レーザ3の出力Pを監視して、該出力Pが最大となるS
HGレーザ3の温度Tpmax1を求める。この後、温度制
御手段7Aは、SHGレーザ3の温度が目標温度27℃
近傍で安定になったことを確認する(ステップ50
3)。
【0144】こうしてSHGレーザ3の出力Pが最大と
なるSHGレーザ3の温度Tpmax1を求めると、温度制
御手段7Aは、SHGレーザ3の温度を監視しつつ、温
度可変手段5を制御して、SHGレーザ3の温度を温度
Tpmax1に設定する(ステップ504)。
【0145】図15は、ファイン温度探査の制御フロー
チャートである。
【0146】まず、温度制御手段7Aは、ファイン探査
開始コマンドに応答して、ラフ温度探査によって設定さ
れた温度Tpmax1のときに光検出器10によって検出さ
れたSHGレーザ3の出力(Pn-1)をサンプリングす
る(ステップ601)。その後、温度制御手段7Aは、
目標温度を温度Tpmax1から所定ステップ幅、例えば1
ステップ0.1℃だけ高く設定し、温度検出手段6によ
って検出されたSHGレーザ3の温度を監視しつつ、温
度可変手段5を制御して、SHGレーザ3の温度を上昇
させ(ステップ602)、SHGレーザ3の出力Pnが
目標温度変更前の値より大きくなったか否かを判断する
(ステップ603)。SHGレーザ3の出力Pnが目標
温度変更前の値より大きくなった場合は(ステップ60
3,YES)、更に目標温度を0.1℃だけ高く設定し、
SHGレーザ3の温度を上昇させ(ステップ602)、
SHGレーザ3の出力Pnが目標温度変更前の値より大
きくなったか否かを判断する(ステップ603)。
【0147】SHGレーザ3の出力Pnが目標温度変更
前の値より小さくなった場合は(ステップ603,N
O)、温度制御手段7Aは、目標温度を1ステップ0.
1℃だけ低く設定し、温度検出手段6によって検出され
たSHGレーザ3の温度を監視しつつ、温度可変手段5
を制御して、SHGレーザ3の温度を下降させ(ステッ
プ604)、SHGレーザ3の出力Pnが目標温度変更
前の値より大きくなったか否かを判断する(ステップ6
05)。SHGレーザ3の出力Pnが目標温度変更前の
値より大きくなった場合は(ステップ605,YES)、
更に目標温度を0.1℃だけ低く設定し、SHGレーザ
3の温度を下降させ(ステップ604)、SHGレーザ
3の出力Pnが目標温度変更前の値より大きくなったか
否かを判断する(ステップ605)。
【0148】SHGレーザ3の出力Pnが目標温度変更
前の値より小さくなった場合は(ステップ605,N
O)、温度制御手段7Aは、目標温度を1ステップ分の
0.1℃だけ高く戻して、この目標温度を温度Tpmax2
として求め、SHGレーザ3の温度を1ステップ分の
0.1℃だけ上昇させて、SHGレーザ3の温度を温度
Tpmax2に設定して安定化させる(ステップ606)。
【0149】この様にSHGレーザ3の出力が増加する
方向に、目標温度を0.1℃ずつ変化させて、SHGレ
ーザ3の出力が増加から減少に変化したときの温度、つ
まり光検出器10出力の変曲点(=極大値)となる温度
Tpmax2を求めている。そして、目標温度を変曲点の温
度Tpmax2に設定して、ファイン温度探査を終了する。
【0150】以上説明したように、SHGデバイス2の
導波路が不均一である等の特性的なバラツキを原因とし
て、SHGレーザ3からの第2高調波パワーに複数の変
曲点があったとしても、第2高調波パワーが最大となる
温度に、SHGレーザ3の温度を確実に設定することが
できる。
【0151】次に、ラフ温度探査の他の例を図16に示
す波長可変電流制御フローチャートに従って説明する。
【0152】まず、温度制御手段7Aは、ラフ温度探査
開始コマンドに応答して、温度検出手段6によって検出
されたSHGレーザ3の初期温度(例えば22℃)より
も5℃低い下限温度17℃を設定し、更に下限温度17
℃よりも低い目標温度15℃を設定する(ステップ70
1)。そして、温度制御手段7Aは、SHGレーザ3の
温度が目標温度15℃に達する様に、温度可変手段5を
制御する。
【0153】こうしてSHGレーザ3の温度を下降させ
ている途中、温度制御手段7Aは、SHGレーザ3の温
度が目標温度15℃に達する以前に、SHGレーザ3の
温度が下限温度17℃になったことを確認する(ステッ
プ702)。これに応答して、温度制御手段7Aは、S
HGレーザ3の初期温度22℃よりも5℃高い上限温度
27℃を設定し、更に上限温度27℃よりも高い目標温
度29℃を設定する。そして、温度制御手段7Aは、S
HGレーザ3の温度が目標温度29℃に達する様に、温
度可変手段5を制御する。このとき、温度制御手段7
は、SHGレーザ3の出力Pを監視して、該出力Pが最
大となるSHGレーザ3の温度Tpmax1を求める。この
後、温度制御手段7Aは、SHGレーザ3の温度が目標
温度27℃近傍に達したことを確認する(ステップ70
3)。
【0154】こうしてSHGレーザ3の出力Pが最大と
なるSHGレーザ3の温度Tpmax1を求めると、温度制
御手段7Aは、SHGレーザ3の温度を監視しつつ、温
度可変手段5を制御して、SHGレーザ3の温度を温度
Tpmax1に設定する(ステップ704)。
【0155】この様に下限温度よりも低い温度を目標温
度と設定すると共に、上限温度よりも高い温度を目標温
度として設定すると、SHGレーザ3の温度を下限温度
及び上限温度へと速やかに変化させることができるの
で、ラフ温度探査の制御時間を短縮することができる。
【0156】以上のような制御アルゴリズムを実現する
ために温度制御手段7Aは、好ましくは、光検出器10
からの出力を入力するA/D変換器と、温度検出器6か
らの出力を入力するA/D変換器と、温度可変手段5を
制御するためのD/A変換器を備えたデジタルシグナル
プロセッサー(DSP)等を用いて構成し、ソフトウエ
ア的な処理を行う。
【0157】(第4実施形態)本実施形態では、上記第
1及び第2実施形態と同様に、波長可変電流を自動的に
設定しているが、これだけでなく、半導体レーザ1の活
性領域1−1に注入されるパワー可変電流を制御するこ
とによって、SHGレーザ3の出力を安定化させてい
る。
【0158】図17は、本発明の第4実施形態のSHG
レーザの安定化制御装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図17においては、図1の装置と同様の作用を果
たす部位には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0159】図17において、14は、SHGレーザ3
からの光ビームを分割するビームスプリッターである。
16は、ビームスプリッター14で分割した一方のビー
ムを検出する第2光検出器である。15は、ビームスプ
リッター14で分割した他方のビームを赤外光カットフ
ィルター9を介して入力することによって、SHGレー
ザからの第2高調波レーザ光を検出する第1光検出器で
ある。17は、半導体レーザ1の活性領域1−1にパワ
ー可変電流を注入する電流可変手段である。18は、電
流可変手段17を制御して、半導体レーザ1の活性領域
1−1に注入するパワー可変電流を制御するパワー可変
電流制御手段である。
【0160】上記第1実施形態においては、定電流制御
手段8によって、半導体レーザ1の活性領域1−1に注
入する電流を一定にしていたのに対して、本実施形態に
おいては、パワー可変電流制御手段18によって、第1
光検出器15あるいは第2光検出器16の出力が一定に
なるように、電流可変手段17から半導体レーザ1の活
性領域1−1に注入されるパワー可変電流を制御してい
る点が異なる。
【0161】本実施形態では、波長可変電流の制御に先
立ち、パワー可変電流制御手段18は、第2光検出器1
6の出力が一定となるように、半導体レーザ1の活性領
域1−1に注入するパワー可変電流を制御する。つま
り、パワー可変電流制御手段18は、SHGデバイス2
からの基本波パワーが一定になるように、半導体レーザ
1の活性領域1−1に注入するパワー可変電流を制御す
る。
【0162】こうして基本波パワーが一定となるよう
に、パワー可変電流が制御されている状態で、好ましく
は、第1の実施形態と同様に、SHGレーザ3の温度が
一定となるように、温度制御を行いつつ、第1光検出器
15によって検出されたSHGレーザ3からの第2高調
波パワーが最大近傍でかつ安定になるように波長可変電
流を制御する。
【0163】この波長可変電流制御が終了したら、パワ
ー可変電流制御手段18は、第1光検出器15の出力が
一定となるように、半導体レーザ1の活性領域1−1に
注入するパワー可変電流を制御する。つまり、パワー可
変電流制御手段18は、SHGデバイス2からの第2高
調波パワーが一定になるように、半導体レーザ1の活性
領域1−1に注入するパワー可変電流を制御する。
【0164】ここで、波長可変電流を変化させた結果、
第1光検出器15の出力が増加すると、基本波パワーの
成分は減少する。本実施形態では、波長可変電流制御に
際し、基本波パワーが一定になるようにパワー可変電流
を制御しているので、波長可変電流の変化に対する第2
高調波パワーの変化率は、活性領域1−1に一定電流を
注入する第1実施形態と比べて大きくなる。したがっ
て、SHGレーザ3からの第2高調波パワーを最大近傍
で安定化させるための波長可変電流制御において、波長
可変電流の変化に対するSHGレーザ3からの第2高調
波パワーの検出感度を向上することができる。
【0165】また、本実施形態においては、波長可変電
流制御後に、SHGレーザ3からの第2高調波パワーが
一定となるように、パワー可変電流を制御しているの
で、より安定した第2高調波パワーを得ることができ
る。
【0166】(第5実施形態)本実施形態では、上記第
1及び第2実施形態と同様に、波長可変電流を自動的に
設定しているが、これだけでなく、SHGレーザ3の温
度を自動的に制御すると共に、半導体レーザ1の活性領
域1−1に注入される電流を制御することによって、S
HGレーザ3の出力を安定化させている。
【0167】図18は、本発明の第5実施形態のSHG
レーザの安定化制御装置の概略構成を示すブロック図で
ある。図18においては、図17の装置と同様の作用を
果たす部位には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0168】本実施形態の装置においては、図17の装
置における温度制御手段7の代わりに、温度制御手段7
Aを適用している点が主に異なり、上記第3実施形態と
同様に、SHGレーザ3からの第2高調波パワーが最大
となる様なSHGレーザ3の温度を探査する(以下温度
探査と称す)。
【0169】本実施形態では、波長可変電流制御及び温
度探査を行う場合、パワー可変電流制御手段18は、第
2光検出器16の出力が一定となるように、半導体レー
ザ1の活性領域1−1に注入するパワー可変電流を制御
する。つまり、パワー可変電流制御手段18は、SHG
レーザ3からの基本波パワーが一定になるように、半導
体レーザ1の活性領域1−1に注入するパワー可変電流
を制御する。
【0170】こうして基本波パワーが一定となるよう
に、パワー可変電流が制御されている状態で、好ましく
は、第1実施形態と同様に、波長可変電流制御を行い、
波長可変電流をSHGレーザ3の出力が最大近傍で安定
するように制御した後、第3の実施形態と同様に、温度
制御手段7Aによって、温度目標値を変化させて、SH
Gレーザ3の出力が最大になる温度を探査する。
【0171】波長可変電流制御及び温度探査が終了した
ら、パワー可変電流制御手段18は第1光検出器15の
出力が一定となるように、半導体レーザ1の活性領域1
−1に注入するパワー可変電流を制御する。つまり、S
HGデバイス2出力の第2高調波パワーが一定になるよ
うに、半導体レーザ1の活性領域1−1に注入するパワ
ー可変電流を制御する。
【0172】ここで、波長可変電流を変化させた結果あ
るいは温度探査した結果、第1光検出器15の出力が増
加すると、基本波のパワー成分は減少する。本実施形態
では、波長可変電流制御に際し、基本波パワーが一定に
なるようにパワー可変電流を制御しているので、波長可
変電流の変化に対する第2高調波パワーの変化率は、活
性領域1−1に一定電流を注入する第1実施形態と比べ
て大きくなる。したがって、SHGレーザ3からの第2
高調波パワーを最大近傍で安定化させるための波長可変
電流制御や温度探査において、波長可変電流の変化に対
するSHGレーザ3からの第2高調波パワーの検出感度
を向上することができる。
【0173】また、本実施形態においては、波長可変電
流制御後に、SHGレーザ3からの第2高調波パワーが
一定となるように、パワー可変電流を制御しているの
で、より安定した第2高調波パワーを得ることができ
る。
【0174】(第6実施形態)本実施形態では、上記第
5実施形態のSHGレーザの安定化制御装置を適用した
光ディスク記録再生装置を示す。
【0175】図19は、本発明の第6実施形態の光ディ
スク記録再生装置を示している。図19においては、図
18の装置と同様の作用を果たす部位には、同じ符号を
付している。
【0176】本実施形態の光ディスク記録再生装置は、
図19から明らかな様に、図18のSHGレーザの安定
化制御装置を備えるだけでなく、コリメータレンズ1
9、フォーカシングレンズ20、ミラー21、対物レン
ズ22、レンズホルダ23、永久磁石24a、永久磁石
24b、板バネ25a、板バネ25b、コイル26a、
コイル26b、ディスク27を備えている。
【0177】図19のSHGレーザの安定化制御装置に
おいては、図18の装置とその機能が異なるので若干の
説明を補足する。
【0178】図19において、SHGレーザ3からの出
射光は、コリメータレンズ19で略平行光にされてから
赤外光カットフィルタ9へ入射される。赤外光カットフ
ィルタ9は、入射光の基本波成分をカットして第2高調
波のみのレーザ光を出力する。第2高調波のみのレーザ
光は、ビームスプリッター14Aへ入力される。ビーム
スプリッター14Aは、第2高調波のレーザ光の一部を
反射して、その反射光が第1光検出器15へ入力され
る。この第1光検出器15によって検出された第2高調
波が最大値近傍で安定するように、上記第5実施形態と
略同様に、波長可変電流制御、温度探査、及びパワー可
変電流を制御している。ただし、SHGレーザ3からの
基本波を検出していないので、上記第5実施形態とは若
干異なる制御を行うことになる。
【0179】本実施形態の図19に示すパワー可変電流
制御手段18Aと、上記第8実施形態の図18に示すパ
ワー可変電流制御手段18によるSHGレーザの安定化
制御の異なる点は、次の通りである。
【0180】図18においては、赤外光カットフィルタ
9を通過する前に、SHGレーザ3の出射光の一部をビ
ームスプリッタ14で反射し、その反射光、つまり基本
波を第2光検出器16によって検出し、この第2光検出
器16の検出出力をパワー可変電流制御手段18に入力
している。波長可変電流制御に際し、パワー可変電流制
御手段18は、第2光検出器16の出力に基づいてSH
Gレーザ3からの基本波パワーが一定になるように制御
している。
【0181】これに対して、本実施形態の図19におい
ては、SHGレーザ3から赤外光カットフィルタ9を介
して第2高調波を第1光検出器15によって検出し、こ
の第1光検出器15の検出出力のみをパワー可変電流制
御手段18Aに入力している。従って、パワー可変電流
制御手段18Aは、SHGレーザ3からの基本波パワー
を認識することができず、このために波長可変電流制御
に際しては、半導体レーザ1の活性領域1−1に一定の
電流を注入している。
【0182】しかしながら、パワー可変電流制御手段1
8Aは、パワー可変電流制御手段18と同様に、波長可
変電流制御後に、SHGレーザ3からの第2高調波パワ
ーが一定となるように、パワー可変電流を制御すること
ができるので、より安定した第2高調波パワーを得るこ
とができる。
【0183】さて、図19において、ビームスプリッタ
ー14Aを透過した第2高調波のレーザ光は、ミラー2
1で反射されて、その反射光は対物レンズ22へ入力さ
れる。対物レンズ22は、入力された第2高調波レーザ
光を収束してディスク27上に照射する。ディスク27
で反射された第2高調波のレーザ光は、対物レンズ22
を通過後、ミラー21で反射されてビームスプリッター
14Aへ入力される。ディスクからの第2高調波のレー
ザ光は、ビームスプリッター14Aで反射されて、フォ
ーカシングレンズ20へ入力される。フォーカシングレ
ンズ20は、ディスクからの第2高調波レーザ光を収束
して第3光検出器28へ入力する。
【0184】第3光検出器28は、後述する光ディスク
におけるサーボ用のエラー信号を生成するために、分割
された複数の光検出器を備えている。第3光検出器28
は、好ましくは4分割されており、分割された各光検出
器の出力に基づいて、公知の非点収差法等によってフォ
ーカスエラーを検出し、公知のプッシュプル法等によっ
てトラッキングエラーを検出することができる。また、
各光検出器の出力の和に基づいて、ディスクに記録され
ている情報を再生し、再生信号を得ることができる。
【0185】このように構成された光ディスク装置は、
この装置の起動時、図示省略のスピンドルモータ上に装
着されたディスクが回転した状態で、SHGレーザの安
定化制御を行う。
【0186】SHGレーザ3の出力として、安定かつ所
望の出力が得られるようになった状態で、第3光検出器
28の出力に基づいて、ディスク27上に照射された第
2高調波レーザ光の収束状態を示すフォーカスエラー信
号を生成し、このフォーカスエラー信号に基づいて、コ
イル26a、コイル26b、板バネ25a、板バネ25
b、永久磁石24a、永久磁石24bから概略構成され
たフォーカスアクチュエータによって、レンズホルダ2
3及び対物レンズ22をディスク27に対して略垂直な
方向に移動し、ディスク27上に照射された第2高調波
レーザ光の収束状態を制御する。これをフォーカスサー
ボと称す。
【0187】また、フォーカスサーボを動作させた後、
第3光検出器28の出力に基づいて、ディスク27のト
ラックに対する第2高調波のレーザ光の照射位置ずれを
示すトラッキングエラー信号を生成し、このトラッキン
グエラー信号に基づいて、第2高調波のレーザ光がディ
スク27のトラックを追従するように制御する。これを
トラッキングサーボと称す。
【0188】上記フォーカスサーボ、トラッキングサー
ボ等を行った状態で、第3光検出器28の分割された各
光検出器の出力信号の和から、ディスク27の情報を再
生することができる。
【0189】また、波長可変電流の制御を行って、SH
Gレーザ3の出力を安定させた状態で、パワー可変電流
手段18によって半導体レーザ1の活性領域1−1に注
入するパワー可変電流を調整して、SHGレーザ3から
の第2高調波のレーザ光の強度を適宜に変更する。これ
によって、ディスク27に情報を記録するのに必要な第
2高調波のレーザ光の強度、ディスク27の情報を消去
するのに必要な第2高調波のレーザ光の強度、ディスク
27の情報を再生するのに必要な第2高調波のレーザ光
の強度を選択的に設定することができる。
【0190】以上説明したように、上記第5実施形態の
SHGレーザの安定化制御装置を適用した光ディスク記
録再生装置においては、光ディスク上の面記録密度を向
上してかつ安定な記録再生特性を得ることができる。
【0191】なお、上記各実施形態では、SHGレーザ
の出射光強度を検出して、この出射光強度がステップ的
に変化するときがモード境界であるとみなしているが、
これに限定されるものでなく、SHGレーザの出射光の
波長がステップ的に変化するときにモード境界であると
みなし、このときのSHGレーザの出射光強度やその変
化を求める様にしても構わない。
【0192】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のSHGレー
ザの安定化制御装置によれば、DBR半導体レーザの発
振波長がモードホップを起こし得ない範囲で、波長可変
電流を自動的に設定して、SHG出力の第2高調波パワ
ーを安定化させることができる。
【0193】また、SHGレーザの出射光の第2高調波
パワーに複数の極大値が存在する場合でも、最大の第2
高調波パワーを正確に認識して、この最大の第2高調波
パワーに対応するSHGレーザの温度を判定することが
できる。
【0194】更に、SHGレーザの温度制御を正確かつ
速やかに行うことができる。
【0195】また、半導体レーザの活性領域に注入する
電流を定電圧駆動により制御しつつ、半導体レーザの出
力特性を一定に保つことができる。
【0196】本発明の光ディスク記録再生装置において
は、上述したSHGレーザの安定化制御装置を適用して
いるので、光ディスク上の面記録密度を向上してかつ安
定な記録再生特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のSHGレーザの安定化
制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】SHGデバイスの特性を示すグラフである。
【図3】半導体レーザのDBR領域に注入される波長可
変電流と半導体レーザの出力波長の関係を示すグラフで
ある。
【図4】半導体レーザの波長可変電流とSHGレーザの
第2高調波パワーの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施形態の波長可変電流制御アル
ゴリズムを説明するために用いたグラフである。
【図6】本発明の第1実施形態の波長可変電流制御を示
すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例の波長可変電流
制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態の波長可変電流制御アル
ゴリズムを説明するために用いたグラフである。
【図9】本発明の第2実施形態の波長可変電流制御を示
すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態の変形例の波長可変電
流制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態のSHGレーザの安定
化制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】(a)は半導体レーザの温度と発振波長の関
係を示すグラフ、(b)は半導体レーザの温度とモード
境界のギャップ電流値の関係を示すグラフ、(c)は半
導体レーザの温度に対するDBR領域の波長特性を含む
半導体レーザの出力パワーの特性を示すグラフである。
【図13】(a)はSHGデバイスの温度に対する波長
特性を示すグラフ、(b)はSHGレーザの温度に対す
る波長特性を示すグラフ、(c)は理想的な特性を持つ
SHGデバイスを前提とした、SHGレーザの温度に対
する第2高調波パワー特性を示すグラフ、(d)はバラ
ツキのある特性を持つSHGデバイスを前提とした、S
HGレーザの出力波長に対する第2高調波パワーの特性
を示すグラフ、(e)はバラツキのある特性を持つSH
Gデバイスを前提とした、SHGレーザの温度に対する
第2高調波パワーの特性を示すグラフである。
【図14】本発明の第3実施形態のラフ温度探査の制御
を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施形態のファイン温度探査の
制御を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3実施形態のラフ温度探査の他の
制御を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第4実施形態のSHGレーザの安定
化制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第5実施形態のSHGレーザの安定
化制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第6実施形態の光ディスク記録再生
装置を示すブロック図である。
【図20】分極反転型導波路デバイスを用いた従来のブ
ルー光源の概略構成図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 SHGデバイス 3 SHGレーザ 4 基材 5 温度可変手段 6 温度検出器 7,7A 温度制御手段 8 定電流制御手段 9 赤外光カットフィルター 10 光検出器 11 電流可変手段 12 波長可変電流制御手段 14 ビームスプリッター 15 第1光検出器 16 第2光検出器 17 電流可変手段 18 パワー可変電流制御手段 21 ミラー 22 対物レンズ 23 レンズホルダ 24a,24b 永久磁石 25a,25b 板バネ 26a,26b コイル 27 ディスク 28 第3光検出器

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長可変電流の変化に応答して波長がス
    テップ的に変化する半導体レーザ、及び前記半導体レー
    ザの出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を
    含むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光の波長のステップ的な変化を
    検出する光検出手段と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、
    前記光検出手段によって波長のステップ的な変化が検出
    されたときの波長可変電流のギャップ電流値を求め、こ
    のギャップ電流値に対する所定電流値の加算及び減算の
    うちのいずれかを行って、波長可変電流値を設定する波
    長可変電流制御手段とを具備したSHGレーザの安定化
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記光検出手段は、前記SHGレーザの
    出射光強度を検出する請求項1に記載のSHGレーザの
    安定化制御装置。
  3. 【請求項3】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流の漸増及
    び漸減のいずれかを行って、前記光検出手段出力のステ
    ップ的な変化が最大となる波長可変電流のギャップ電流
    値を求め、このギャップ電流値に対する所定電流値の加
    算及び減算のうちのいずれかを行って、波長可変電流値
    を設定する請求項2に記載のSHGレーザの安定化制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流の漸増及
    び漸減のいずれかを行って、前記検出されたSHGレー
    ザ出力がステップ的に変化した波長可変電流の第1ギャ
    ップ電流値及び該第1ギャップ電流値に隣り合う次の第
    2ギャップ電流値を求め、第1及び第2ギャップ電流値
    の差電流に基づいて、ギャップ電流値に対して加算及び
    減算のうちのいずれかをなされる所定電流値を求める請
    求項2に記載のSHGレーザの安定化制御装置。
  5. 【請求項5】 波長可変電流器手段は、前記電流可変手
    段を制御することにより、波長可変電流の漸増及び漸減
    のいずれかを行って、前記検出されたSHGレーザの出
    射光強度がステップ的に変化した波長可変電流の第1ギ
    ャップ電流値及び該第1ギャップ電流値に隣り合う次の
    第2ギャップ電流値を求め、第1及び第2ギャップ電流
    値の差電流の20〜80%をギャップ電流値に対して加
    算及び減算のうちのいずれかをなされる所定電流値とし
    て求める請求項2に記載のSHGレーザの安定化制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流を変化さ
    せて、前記光検出手段出力が最大になる波長可変電流I
    LDpmaxを求めると共に、波長可変電流を漸増させて、前
    記光検出手段出力のステップ的な変化が最大となる波長
    可変電流に対応するギャップ電流値ILDspmaxを求め
    て、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波長可変電流IL
    Dpmax以下であれば、ギャップ電流値ILDspmaxに所定電
    流値を加算し、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波長
    可変電流ILDpmaxを越えれば、ギャップ電流値ILDspma
    xから所定電流値を減算して、波長可変電流値を設定す
    る請求項2に記載のSHGレーザの安定化制御装置。
  7. 【請求項7】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流を変化さ
    せて、前記光検出手段出力が最大になる波長可変電流I
    LDpmaxを求めると共に、波長可変電流を漸減させて、前
    記光検出手段出力のステップ的な変化が最大となる波長
    可変電流に対応するギャップ電流値ILDspmaxを求め
    て、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波長可変電流IL
    Dpmax以下であれば、ギャップ電流値ILDspmaxから所定
    電流値を減算し、ギャップ電流値ILDspmaxが最大の波
    長可変電流ILDpmaxを越えれば、ギャップ電流値ILDspm
    axに所定電流値を加算して、波長可変電流値を設定する
    請求項2に記載のSHGレーザの安定化制御装置。
  8. 【請求項8】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流の漸増及
    び漸減のいずれかを行って、前記光検出手段出力のステ
    ップ的な変化が最大となる波長可変電流のギャップ電流
    値ILDspmaxを求め、更に波長可変電流の漸増及び漸減
    のいずれかを行って、前記光検出手段出力がステップ的
    に変化したときの波長可変電流のギャップ電流値を求
    め、前記求めた各ギャップ電流値の差電流を求め、前記
    ギャップ電流値ILDspmaxに対する前記差電流未満の所
    定電流値の加算及び減算のいずれかを行って、波長可変
    電流値を設定する請求項2に記載のSHGレーザの安定
    化制御装置。
  9. 【請求項9】 前記波長可変電流制御手段は、前記電流
    可変手段を制御することにより、波長可変電流の漸増及
    び漸減のいずれかを行って、前記光検出手段出力のステ
    ップ的な変化が最大となる波長可変電流のギャップ電流
    値ILDspmaxを求め、更に波長可変電流の漸増及び漸減
    のいずれかを行って、前記光検出手段出力がステップ的
    に変化したときの波長可変電流のギャップ電流値を求
    め、前記求めた各ギャップ電流値の差電流を求め、前記
    ギャップ電流値ILDspmaxに対する前記差電流の20%
    〜80%である所定電流値の加算及び減算のいずれかを
    行って、波長可変電流値を設定する請求項2に記載のS
    HGレーザの安定化制御装置。
  10. 【請求項10】 前記SHGレーザは、前記半導体レー
    ザと前記波長変換素子を同一基材上に一体化した構成で
    ある請求項2に記載のSHGレーザ安定化制御装置。
  11. 【請求項11】 前記SHGレーザの温度を変化させる
    温度可変手段と、 前記SHGレーザの温度を検出する温度検出器と、 前記温度検出器の出力に基づいて前記SHGレーザの温
    度が所定温度となるように前記温度可変手段を制御する
    温度制御手段とを備える請求項2に記載のSHGレーザ
    安定化制御装置。
  12. 【請求項12】 前記半導体レーザの出射光強度を変化
    させるパワー可変電流を一定に制御した状態で、前記半
    導体レーザの波長を変化させる波長可変電流を制御する
    請求項2に記載のSHGレーザ安定化制御装置。
  13. 【請求項13】 前記SHGレーザ出射光の赤外光をカ
    ットするフィルターを備え、 前記SHGレーザの出射光を前記赤外光カットフィルタ
    ーを介して検出する請求項2に記載のSHGレーザ安定
    化制御装置。
  14. 【請求項14】 波長可変電流の変化に対して波長がス
    テップ的に変化する半導体レーザ、及び前記半導体レー
    ザの出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を
    含むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検出手段
    と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段を制御することにより、波長可変電流
    を変化させて、前記光検出手段の最大出力を求め、波長
    可変電流を漸増させて、前記最大出力よりも所定値だけ
    小さな第1しきい値を越えたときの前記光検出手段出力
    Pth1を求め、波長可変電流を漸増させて、前記光検出
    手段出力がPth1よりも所定値だけ小さな第2しきい値
    を越えたときの波長可変電流を求め、前記求めた波長可
    変電流に所定電流値を加算して、波長可変電流値を設定
    する波長可変電流制御手段とを具備したSHGレーザの
    安定化制御装置。
  15. 【請求項15】 前記第1しきい値は、前記光検出手段
    の最大出力に対応する波長可変電流未満の側で、該最大
    出力に最も近い前記光検出手段出力のステップ的な変化
    が発生した波長可変電流から、前記最大出力に対応する
    波長可変電流に至るまでの、該波長可変電流の変化に伴
    って連続的に変化する前記光検出手段出力範囲の最大値
    以下に設定される請求項14に記載のSHGレーザの安
    定化制御装置。
  16. 【請求項16】 前記第2しきい値は、前記光検出手段
    の最大出力に対応する波長可変電流未満の側で、該最大
    出力に最も近い前記光検出手段出力のステップ的な変化
    点において、前記光検出手段出力の大きい方の値と小さ
    い方の値間に設定される請求項14に記載のSHGレー
    ザの安定化制御装置。
  17. 【請求項17】 波長可変電流の変化に対して波長がス
    テップ的に変化する半導体レーザ、及び前記半導体レー
    ザの出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を
    含むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検出手段
    と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段を制御することにより、波長可変電流
    を変化させて、前記光検出手段の最大出力を求め、波長
    可変電流を漸減させて、前記最大出力よりも所定値だけ
    小さな第1しきい値を越えたときの前記光検出手段出力
    Pth1を求め、波長可変電流を漸減させて、前記光検出
    手段出力がPth1よりも所定値だけ小さな第2しきい値
    を越えたときの波長可変電流を求め、前記求めた波長可
    変電流から所定電流値を減算して、波長可変電流値を設
    定する波長可変電流制御手段とを具備したSHGレーザ
    の安定化制御装置。
  18. 【請求項18】 前記第1のしきい値は、前記光検出手
    段の最大出力に対応する波長可変電流を越えた側で、該
    最大出力に最も近い前記光検出手段出力のステップ的な
    変化が発生した波長可変電流から、前記最大出力に対応
    する波長可変電流に至るまでの、該波長可変電流の変化
    に伴って連続的に変化する前記光検出手段出力範囲の最
    大値以下に設定される請求項17に記載のSHGレーザ
    の安定化制御装置。
  19. 【請求項19】 前記第2しきい値は、前記光検出手段
    の最大出力に対応する波長可変電流を越えた側で、該最
    大出力に最も近い前記光検出手段出力のステップ的な変
    化点において、前記光検出手段出力の大きい方の値と小
    さい方の値間に設定される請求項17に記載のSHGレ
    ーザの安定化制御装置。
  20. 【請求項20】 波長可変電流の変化に対して波長がス
    テップ的に変化する半導体レーザ、及び前記半導体レー
    ザの出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を
    含むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光強度を検出する光検出手段
    と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、
    前記光検出手段出力がステップ的に変化する波長可変電
    流のギャップ電流値を求め、このギャップギャップ電流
    値に対する所定電流値の加算及び減算のうちのいずれか
    を行って、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御
    手段と、 前記SHGレーザの温度を変化させる温度可変手段と、 前記SHGレーザの温度を検出する温度検出器と、 前記温度検出器の出力に基づいて前記SHGレーザの温
    度が所定温度となるように前記温度可変手段を制御し、
    この状態で、前記波長可変電流制御手段によって波長可
    変電流が所定電流値に設定された後に、前記光検出手段
    出力が所定値になるように前記温度可変手段を制御する
    温度制御手段とを具備したSHGレーザの安定化制御装
    置。
  21. 【請求項21】 前記温度制御手段は、前記温度検出器
    の出力に基づいて前記SHGレーザの温度が所定温度と
    なるように前記温度可変手段を制御し、この状態で、前
    記波長可変電流制御手段によって波長可変電流が所定電
    流値に設定された後に、前記温度可変手段によって前記
    SHGレーザの温度を所定の範囲で変化させて、前記光
    検出手段出力が所定値となる温度を求め、次に前記求め
    た温度中心に再度所定変化幅で温度を変化させて、前記
    光検出手段出力が所定値になるように制御する請求項2
    0に記載のSHGレーザの安定化制御装置。
  22. 【請求項22】 前記温度制御手段は、前記温度検出器
    の出力に基づいて前記SHGレーザの温度が所定温度と
    なるように前記温度可変手段を制御し、この状態で、前
    記波長可変電流制御手段によって波長可変電流が所定電
    流値に設定された後に、前記温度可変手段によって前記
    SHGレーザの温度を目標となる下限温度より低い温度
    に向かって変化させて、前記SHGレーザの温度が前記
    下限温度に到達後、前記SHGレーザの温度を目標とな
    る上限温度より高い温度に向かって変化させて、前記S
    HGレーザの温度が前記下限温度から前記上限温度に向
    かって変化しているときに、前記光検出手段出力が所定
    値になったときの温度を求め、この求めた温度を中心に
    再度所定変化幅で、前記SHGレーザの温度を変化させ
    て、前記光検出手段出力が所定値となるように制御する
    請求項20に記載のSHGレーザの安定化制御装置。
  23. 【請求項23】 波長可変電流に応答して波長がステッ
    プ的に変化すると共に、パワー可変電流に応答して出射
    光強度が変化する半導体レーザ、及び前記半導体レーザ
    の出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を含
    むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光の高調波光ビームを検出する
    第1光検出手段と、 前記SHGレーザの出射光の基本波光ビームを検出する
    第2光検出手段と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、
    前記第1光検出手段出力がステップ的に変化する波長可
    変電流のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に
    対する所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行
    って、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段
    と、 前記波長可変電流制御による制御のときには、前記第2
    光検出手段出力が一定になるように前記パワー可変電流
    を制御し、前記波長可変電流制御による制御の後には、
    前記第1光検出手段出力が一定になるように前記パワー
    可変電流を制御するパワー可変電流制御手段とを具備し
    たSHGレーザの安定化制御装置。
  24. 【請求項24】 波長可変電流に応答して波長がステッ
    プ的に変化すると共に、パワー可変電流に応答して出射
    光強度が変化する半導体レーザ、及び前記半導体レーザ
    の出射光の波長を短い波長に変換する波長変換素子を含
    むSHGレーザと、 前記SHGレーザの出射光の高調波光ビームを検出する
    第1光検出手段と、 前記SHGレーザの出射光の基本波光ビームを検出する
    第2光検出手段と、 前記半導体レーザの波長を変化させるために該半導体レ
    ーザに供給される波長可変電流を変化させる電流可変手
    段と、 前記電流可変手段によって波長可変電流を変化させて、
    前記第1光検出手段出力がステップ的に変化する波長可
    変電流のギャップ電流値を求め、このギャップ電流値に
    対する所定電流値の加算及び減算のうちのいずれかを行
    って、波長可変電流値を設定する波長可変電流制御手段
    と、 前記SHGレーザの温度を変化させる温度可変手段と、 前記SHGレーザの温度を検出する温度検出器と、 前記温度検出器出力に基づいて前記SHGレーザの温度
    が所定温度となるように前記温度可変手段を制御し、こ
    の状態で前記波長可変電流制御手段によって波長可変電
    流が所定電流値に設定された後に、前記第1光検出手段
    出力が所定値になるように前記温度可変手段を制御する
    温度制御手段と、 前記波長可変電流制御による制御及び前記SHGレーザ
    の温度変更を行っているときには、前記第2光検出手段
    出力が一定になるように前記パワー可変電流を制御し、
    前記波長可変電流制御による制御及び前記SHGレーザ
    の温度変更を行っていないときには、前記第1光検出手
    段出力が一定になるように前記パワー可変電流を制御す
    るパワー可変電流制御手段とを具備したSHGレーザの
    安定化制御装置。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のSHGレーザ安定化
    制御装置と、 前記SHGレーザ安定化制御装置における前記SHGレ
    ーザの出射光を光ディスクに集光する光学手段とを備え
    る光ディスク記録再生装置。
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