JPH11268426A - 熱転写記録媒体及びその製造方法並びに熱転写記録方法 - Google Patents

熱転写記録媒体及びその製造方法並びに熱転写記録方法

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JPH11268426A
JPH11268426A JP10095431A JP9543198A JPH11268426A JP H11268426 A JPH11268426 A JP H11268426A JP 10095431 A JP10095431 A JP 10095431A JP 9543198 A JP9543198 A JP 9543198A JP H11268426 A JPH11268426 A JP H11268426A
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JP
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resin
layer
ethylene
recording medium
thermal transfer
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JP10095431A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Kunitake
哲二 国武
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
Katsusato Shishido
克吏 宍戸
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン型端面サーマルヘッドを用いた熱転写
において、尾引きなどがなく、鮮明な記録画像が得られ
る熱転写記録媒体、その製造並びにその熱転写記録媒体
を用いた熱転写方法を提供する。 【解決手段】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少な
くとも1種類以上の樹脂・熱溶融性物質からなる粒子及
び着色剤及び界面活性剤を含有する転写層(第1層)と
支持体により構成されていることを特徴とする熱転写記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写記録媒体及
びその製法、並びに熱転写記録媒体を用いた熱転写記録
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録とは、支持体表面上に熱転写
層からなる熱転写記録媒体を被記録体と密着させ、支持
体裏面側に接するように配置されているサーマルヘッド
の作用により、転写しようとする画像信号に応じて、熱
転写層の一部を画像信号として選択的に加熱し、その熱
によって、溶融あるいは軟化した熱転写層を、転写層と
接する被記録体上に転写し、被記録体上に記録画像を形
成するものである。このような熱転写記録による熱転写
記録装置は、機構が比較的簡単で小型軽量であり、また
操作性や保守性に優れていることから、広く使用されて
いる。最近では、記録速度の高速化や記録画像品質の向
上を図るために、サーマルヘッドにライン型端面サーマ
ルヘッドを用いられる。ライン型端面サーマルヘッドを
用いる熱転写記録では、従来のサーマルヘッドを用いる
熱転写記録と比較して、サーマルヘッドにより熱転写層
を加熱してから、熱転写層と被記録体を引き離すまでの
熱転写層と被記録体が接触している距離が短い。そし
て、その短い距離の間で熱転写が十分に行われ、かつ非
記録体に移された画像部と熱転写層に残される非画像部
は明確な境界により区分けされていることが要求され、
区分けに際しインキが画像部と非画像部の間で引き裂か
れることなく、画像部に尾引きが発生することを避ける
ことが必要とされる。このような要求に対応するための
解決手段として、支持体と熱転写層の間に接着層及び剥
離層を設け、接着層をエチレン/酢酸ビニル共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル共重合体、ポリウレタンな
どの樹脂で構成し、カーボンなどのフイラーを充填する
ことが行なわれている(特開平7−4031号公報)。
また、インク層がエチレン/酢酸ビニル共重合体を主成
分とし、剥離層をポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などと熱溶融性物
質で構成し、インク層と剥離層を積層すること(特開平
7−6055号公報)などが行なわれている。しかしな
がら、画像部に尾引きが起る結果、シャープな画像が得
られ難く、特に、表面平滑度が低い被記録体を用いる場
合にはその傾向は顕著であり、その解決が望まれてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ライ
ン型端面サーマルヘッドを用いた熱転写において、尾引
きなどがなく、鮮明な記録画像が得られる熱転写記録媒
体、その製法並びにその熱転写記録媒体を用いた熱転写
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/エチルアクリレ
ート共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂から選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂と
熱溶融性物質からなる粒子および着色剤を含有する転写
層(以下、第1層ともいう)と支持体から構成される熱
転写記録媒体が提供される。
【0005】本発明では、第一層に含まれる樹脂は、具
体的には次の樹脂を挙げることができる。エチレン/酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン/エチルアクリレート共
重合樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂の少なくとも1種、好ましくはエチレン/酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合樹
脂から選ばれる少なくとも1種類を主成分とするのがよ
い。樹脂の含有量としては、樹脂の熱溶融特性により異
なるが、第1層の重量の20〜90重量%、好ましく
は、特に40〜70重量%が好ましい。
【0006】第1層には熱溶融性物質からなる粒子が含
まれる。粒子を構成する熱溶融性物質としては、例え
ば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライ
スワックス、蜜ロウ、木ロウ、鯨ロウ、モンタンワック
ス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックル、酸化ワックス、ポリエチレンワッ
クス等の合成ワックス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級飽和
脂肪酸、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等
の高級飽和アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等
の高級飽和エステル類、ステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド等の高級脂肪酸アミド類等が挙げることができ
る。これらの中で記録画像のこすれに対する強度を増す
ためには、針入度が低いカルナウバワックス、キャンデ
リラワックスなどを用いるのが好ましい。また、熱転写
の際に感度を向上させるために、熱印加時の溶け始め温
度が40℃以上、好ましくは50〜120℃のワックス
などを用いることが好ましい。熱溶融性物質の含有量と
しては、樹脂とのバランスより任意であるが、第1層重
量の10〜60重量%が好ましく、特に20〜50重量
%が好ましい。
【0007】熱溶融性物質は粒子状で用いられる。粒子
径は0.01〜1.0μm、特に0.05〜0.5μm
の範囲のものが好ましい。粒子径が0.01μmよりも
小さい場合は画像の切れが劣化し、1.0μmを越える
場合は、画像欠けが発生し易くなる。粒子を熱転写層に
含ませるためには、粒子を分散液に分散させることが必
要である。粒子分散液を作成する方法としては、(1)
前記樹脂と熱溶融性物質を溶融混合し、冷却した後、粉
砕して粉末状に加工したものを溶媒中に機械分散する方
法、(2)樹脂と熱溶融性物質を溶融混合した中へ、必
要に応じて乳化剤を加えた後、水中で乳化する方法など
がある。乳化剤を用いて分散すると良好な分散状態が得
られるので、(2)の方法がより好ましい。乳化剤とし
ては界面活性剤、とりわけ非イオン界面活性剤が用いら
れる。非イオン界面活性剤としては例えばポリオキシエ
チレン系化合物としては、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックポリマ、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビトール脂肪酸エステルなどが挙げられる。これ
らは1種単独で用いても良いし、2種以上を組合わせて
用いても良い。なお、(2)の方法の場合、溶融混合し
た溶融液の粘度を下げる目的で一般的な有機溶剤(トル
エン、キシレン、MEX、ヘキサンなど)を加えてもよ
く、また、この有機溶剤を含んだ分散液で塗工液を作成
する方法、あるいは分散液から有機溶剤を除いた分散液
で塗工液を作成する方法のいずれかの方法でも差支えな
いが、より好ましくは後者の方法がよい。
【0008】熱転写層に加えられる着色剤としては、転
写に要求される色調などに応じて、カーボンブラック、
有機顔料、無機顔料、または各種染料から適当なものを
選択して用いることができる。着色剤の含有量は特に限
定されない、記録画像のこすれに対する強度を良好にす
るためには、上記熱転写層重量の10〜50重量%が好
ましく、また熱転写層の剪断強度を下げ過ぎないために
は、10〜20重量%にするのが好ましい。
【0009】熱転写層は、熱転写する工程までの間、熱
転写層を支持することが必要である。この支持体には、
公知の高分子からなるフィルムや紙を使用できる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、
ポリイミド等のように比較的耐熱性の良いプラスチック
フィルム、或いはセロハン、硫酸紙などが挙げることが
できる。熱転写では、支持体に付着させるインク層や剥
離層との接着性の点からポリエチレンテレフタレート等
のポリエステルが特に好ましい。
【0010】第1層と支持体の間には、溶融あるいは軟
化したインクを含有する熱転写層被記録体上に転写する
際に、インクを含有する層と支持体との剥離性を向上さ
せるための層(以下、第2層ともいう)を設けることが
できる。サーマルヘッドによりインクを含有する層を熱
印加すると、インクを含有する層は溶融して低粘度液体
となり、剥離性を向上させるための層の部分において加
熱部分と非加熱部分の界面が生じて、剥離するために分
離され易くする。第2層は常温では硬く加熱時には溶融
する熱溶融性物質が用いられる。
【0011】この層には、樹脂を炭化水素などの溶剤に
より溶解させて接着層を用いることもできる。この樹脂
には以下の樹脂を挙げることができる。具体的には、次
の樹脂エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/エ
チルアクリレート共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂の少なくとも1種、好ましくは
エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/エチルア
クリレート共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種類を
主成分とするのがよい。樹脂の含有量は、樹脂の熱溶融
特性により異なるが、層の重量の20〜90重量%が好
ましく、特に40〜70重量%が好ましい。
【0012】第2層には、熱溶融性物質を用いることが
できる。第2層の熱溶融性物質は粒子状であることが好
ましい。熱溶融性物質としては、例えば、カルナウバワ
ックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、蜜ロ
ウ、木ロウ、鯨ロウ、モンタンワックス等の天然ワック
ス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、酸化ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワッ
クス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリ
ルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級飽和アルコ
ール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級飽和エステ
ル類、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級
脂肪酸アミド類などが挙げられる。粒子径は0.01〜
1.0μm、特に0.05〜0.5μmの範囲のものが
好ましい。また、第2層中の熱溶融性物質の含有量とし
ては、第2層重量の50〜99重量%が好ましく、特に
80〜95重量%が好ましい。50重量%よりも少なく
なると剥離性が劣化するようになり、99重量%よりも
多くなると圧接汚れが発生するようになる。
【0013】第2層には、熱溶融性物質が粒子状であ
り、層を形成し、熱転写の際の剥離を良好にするために
溶媒を添加する。この溶媒により層に柔軟性や支持体へ
の接着性を更に付与する。溶媒としては、具体的にイソ
プレゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、
ブチルゴム、ニトリルゴム等の未加硫ゴム類、エチレン
/酢酸ビニル共重合体、エチレン/エチルアクリレート
共重合体等のポリオレフィン系樹脂、その他、ポリアミ
ド系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル系樹脂、セ
ルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、石油系
樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂または塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等
の樹脂を挙げることができる。これらの中では好ましく
は、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂または塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体樹脂が好ましい。任意であるが、第2層重量の
30重量%以下、好ましくは、20重量%以下が好まし
い。
【0014】この第2層は、熱溶融性物質の粒子状物か
らなる層と樹脂からなる層の二つの層に分けて設置する
こともできる。樹脂からなる層を形成するにあたって
は、樹脂を溶剤に溶解して得られる塗工液を支持体上に
塗工して接着層とする。又、熱溶融性物質の粒子状物か
らなる層を形成するにあたっても、熱溶融性物質の粒子
状物を溶剤に溶解した状態として接着層の上部に剥離層
を形成する。又、第2層は樹脂を溶剤に溶解して得られ
る塗工液を支持体上に塗工して、乾燥して得られる層の
みとすることもできる。
【0015】また、支持体の裏面には必要に応じて保護
層を設けても良い。保護層は、サーマルヘッドによる熱
印加時に支持体を高温から保護するための層であり、耐
熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、紫外線
硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂なども使用することがで
き、例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂が挙
げられる。
【0016】第1層、又は第2層を支持体に接して形成
する場合には、支持体の表面に第1層又は第2層を形成
することが行われる。これらの具体的な操作としては、
(1)溶剤加熱下に熱溶融性物質を溶融させた後、冷却
して熱溶融性物質粒子を析出させた熱溶融性物質粒子分
散液に樹脂溶解液又は溶媒を混合した組成物からなる塗
工液を用いる方法、又は(2)粉末状の熱溶融性物質を
溶媒中に機械分散した熱溶融性物質粒子分散液と樹脂溶
解液を混合した塗工液を用いる方法などがある。これら
の中では(2)の方法がより好ましい。すなわち、
(2)の方法によれば、より接着性に優れた第1層また
は第2層を形成することができ、熱印加していないとき
には剥離することがない優れた熱転写インク層を形成す
ることができるので、圧接汚れをより良く防止すること
ができる。(1)の方法によれば、熱溶融性物質粒子分
散液中に溶剤に溶解している熱溶融性物質が存在してお
り、これが第2層に含まれる樹脂の支持体への接着を阻
害することがある。これに対して、(2)の方法によれ
ば、熱溶解性物質粒子分散液中に溶剤に溶解している熱
溶融性物質が存在しないか、或いは極めて少ないので、
第2層の支持体への接着は疎害されることはない。した
がって、(2)の方法を用いる方が有利である。このよ
うな塗工法で形成される熱転写インク層は、全体の厚さ
としては0.1〜10μm、特に0.5〜6.0μmが
好ましい。また、各層の層厚としては、第1層または中
間層は0.2〜3.0μm、特に1.0〜2.0μmが
好ましく、それらの上に形成される最上層は0.5〜
6.0μm、特に0.8〜3.0μmが好ましい。
【0017】支持体の表面に第1層を形成したり、又は
第2層の表面に第1層を形成する場合には、支持体又は
第2層を形成し乾燥させた後に、その表面部に第1層を
形成する。すなわち、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アク
リル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれ
る少なくとも1種類以上の樹脂・熱溶融性物質からなる
粒子及び着色剤を含有する塗工液を作り、これを支持体
又は第2層の表面に塗布する。
【0018】本発明の熱転写記録媒体を造るには、ホッ
トメルト塗工法、水性塗工法、有機溶媒を用いた塗工法
などにより、支持体上に第1インク層、中間インク層を
積層塗工し最上層は、水性塗工法、有機溶媒を用いた塗
工法などにより積層塗工して熱転写インク層を形成すれ
ばよい。
【0019】
【実施例】本発明の具体例を説明するために、以下に実
施例を示す。本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。実施例の効果を確認するために、特定の条件下に
熱転写を行い、得られた画像について評価及び圧接汚れ
についての評価をおこなった。それぞれの評価の内容は
次の通りである。
【0020】(1)画像についての評価 ライン型端面サーマルヘッド搭載のラベルプリンター
(サーマルヘッドに熱印加してから熱転写記録媒体と被
記録体とを引き剥すまでの距離:210μm)に熱転写
記録媒体を装着し、下記の条件にて熱転写記録を行い、
被記録体上に形成された熱転写記録画像の品質について
下記の基準に従って評価する。 (イ)熱転写条件 印字速度:254mm/sec 巻取り力:43g/cm 被記録体:ベラム紙(ベック平滑度250秒) (ロ)記録画像品質の評価基準 ◎:ボイド、カスレがなく、画像のエッジがシャープで
ある。 ○:ボイド、カスレがない。 △:ややボイドがある。 ×:ボイドが多く、文字が判読しにくい。
【0021】(2)圧接汚れについての評価 上記ライン型端面サーマルヘッド搭載のラベルプリンタ
ーに熱転写記録媒体装着し、ライン型端面サーマルヘッ
ドとプラテンロールとの間に圧接圧300g/cmで熱
転写記録媒体と市販ミラーコート紙(ベック平滑度24
00秒)を挟持して圧接させ、圧接時間1分後、3分後
において圧接を解除し、該ミラーコート紙上の圧接汚れ
を目視により下記の基準に従って評価する。 (圧接汚れの評価基準) ◎:圧接時間3分後の圧接汚れがない。 ○:圧接時間1分後の圧接汚れはなく、圧接時間3分後
の圧接汚れがあるが、目立たない。 △:圧接時間1分後の圧接汚れがわずかにある。 ×:圧接時間1分後の圧接汚れがはっきりと認められ
る。
【0022】実施例1 カルナバワックス40重量部とエチレン/酢酸ビニル共
重合樹脂(MI:100dg/min)40重量部を溶
融混合後に、冷却させて得られる粉末状固体をメチルエ
チルケノン中に、機械分散した粒子分散液80重量部と
カーボン分散液20重量部とを混合して塗工液を調整し
た。この塗工液を厚さ4.5μmのポリエステルフィル
ム上に塗布し、60℃で乾燥させ厚さ2.8μmのイン
ク層を形成した。
【0023】実施例2 カルナバワックス40重量部とエチレン/酢酸ビニル共
重合樹脂(MI:100dg/min)40重量部を溶
融混合後に、ポリオキシエチレン3重量部とキシレン2
0重量部を加えた溶融液により形成した乳化した粒子液
80重量部とカーボン水分散液20重量部とを混合して
塗工液を調整した。この塗工液を厚さ4.5μmのポリ
エステルフィルム上に塗布し、70℃で乾燥させて厚さ
2.8μmのインク層を形成した。
【0024】実施例3 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂のトルエン溶解液
を、厚さ4.5μmのポリエステルフィルム上に塗布
し、40℃で乾燥させ厚さ0.5μmの接着層を形成し
た。ついで、実施例1のエチレン/酢酸ビニル共重合樹
脂をエチレンエチルアクリレート樹脂に変えた以外は同
じ方法で塗工液を調整した。この塗液を接着層上に塗布
し、70℃で乾燥させ厚さ2.5μmのインク層を形成
した。
【0025】実施例4 粉末タイプのカルナバワックス85重量部をトルエン中
に機械分散したカルナバワックス粒子分散液とポリエス
テル樹脂15重量部のトルエン溶解液とを混合して、剥
離層用塗工液を調整した。この塗工液を厚さ4.5μm
のポリエステルフィルム上に塗布し、40℃で乾燥させ
厚さ1.5μmの剥離層を形成した。ついで、カルナバ
ワックス45重量部とエチレン/酢酸ビニル共重合樹脂
(MI:100dg/min)35重量部を溶融混合後
にポリオキシエチレン3重量部とキシレン20重量部を
加えた溶融液を使い、乳化した粒子液75重量部とカー
ボン水分散液25重量部を混合して塗工液を調整した。
この塗液を剥離層上に塗布し、70℃で乾燥させ厚さ
1.5μmのインク層を形成した。
【0026】実施例5 エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のトルエン溶解液を
4.5μmのポリエステルフィルム上に塗布し、40℃
で乾燥させ厚さ0.5μmの接着層を形成した。つい
で、粉末タイプのカルナバワックスをメチルエチルケノ
ン中に機械分散したカルナバワックス粒子分散液を接着
層に塗布し、40℃で乾燥させ厚さ1.0μmの剥離層
を形成した。ついで、実施例4で用いた塗液を剥離層上
に塗布し、70℃で乾燥させ厚さ1.5μmのインク層
を形成した。
【0027】比較例1 下記インク層用組成物をトルエンに溶解分散させた塗工
液を厚さ4.5μmのポリエステルフィルム上に塗布
し、40℃で乾燥させ厚さ2.5μmのインク層を形成
した。 (インク層用組成物) 着色剤 :カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂:エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂 40重量部 ワックス :カルナバワックス 40重量部
【0028】比較例2 粉末タイプのカルナバワックス85重量部をトルエン中
に機械分散したカルナバワックス粒子分散液とポリエス
テル樹脂15重量部のトルエン溶解液とを混合して剥離
層用塗液を調整した。この塗液を厚さ4.5μmのポリ
エステルフィルム上に塗布し、40℃で乾燥させ厚さ
1.5μmの剥離層を形成した。この剥離層の上に比較
例1のインク層を同様の方法で厚さ1.5μm形成し
た。
【0029】実施例及び比較例で示された熱転写記録媒
体について、効果を確認するために、記録画像品質及び
圧接汚れに関し、評価した。結果は表1に示すとおりで
ある。
【0030】
【表1】
【0031】上記結果によれば、熱転写層に特定の樹
脂、熱溶融性物質からなる粒子及び着色剤からなる熱記
録媒体を支持体の上に配置した場合(実施例1及び2)
では、熱溶融性物質を粒子としないで用いた場合(比較
例1)と比較して、記録画像の品質の点良好であること
が分かる。また、熱転写層に特定の樹脂、熱溶融性物質
からなる粒子及び着色剤からなる層(第1層)、これに
接続して樹脂からなる層(第2層)を介して支持体から
なる熱転写記録媒体(実施例3)、熱転写層に特定の樹
脂、熱溶融性物質からなる粒子及び着色剤からなる層
(第1層)これに接続して樹脂及び熱溶融性物質からな
る粒子からなる層(第2層)を介して支持体からなる熱
転写記録媒体(実施例4)、及び熱転写層に特定の樹
脂、熱溶融性物質からなる粒子及び着色剤からなる層
(第1層)、これに接続して樹脂層及び熱溶融性物質か
らなる粒子からなる層を別に設置したもの(第2層)を
介して支持体からなる熱転写記録媒体(実施例5)と剥
離層を形成する際に熱溶融物質を粒子状としないで用い
た場合(比較例2)と比較すると、画像品質の点で良好
であることが分かる。
【0032】
【発明の効果】ライン型端面サーマルヘッドを用いた熱
転写に本発明の熱転写記録媒体を使用すると、従来の熱
転写記録媒体を使用したときに見られる画像の尾引きが
起こらず、記録画像の品質が良好なものが得られ、圧接
汚れもなく、良好な熱転写を行うことができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
    チレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹
    脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
    樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少な
    くとも1種類以上の樹脂・熱溶融性物質からなる粒子及
    び着色剤及び界面活性剤を含有する転写層(第1層)と
    支持体により構成されていることを特徴とする熱転写記
    録媒体。
  2. 【請求項2】エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エチ
    レン/エウアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹脂、
    から選ばれる少なくとも1種類以上と樹脂・熱溶融性物
    質からなる粒子及び着色剤及び界面活性剤を含有する転
    写層(第1層)と支持体により構成されていることを特
    徴とする熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の転写層(第1層)
    と支持体の間に、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、
    エチレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル
    樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
    ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少
    なくとも1種の樹脂と熱溶融性物質からなる粒子を含有
    する層(第2層)を設けたことを特徴とする熱転写記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の樹脂と熱溶融性物質から
    なる粒子を含有する層(第2層)が、熱溶融性物質を主
    成分とする層と樹脂を主成分とする層の二層として積層
    されていることを特徴とする熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の転写層(第1層)
    と支持体の間にエチレン/エチルアクリレート共重合体
    樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
    脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂
    から選ばれる少なくとも1種の樹脂を溶剤に溶かしたこ
    とにより形成した層(第2層)を設けたことを特徴とす
    る熱転写記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5項の中のいずれかの熱転写
    記録媒体を、被記録体に密着させ、熱転写記録媒体の一
    部をライン型端面サーマルヘッドによる画像信号に基い
    て選択的に加熱し、被記録体に熱転写を行った後に、熱
    転写記録媒体と被記録体を分離することを特徴とする熱
    転写記録方法。
  7. 【請求項7】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
    チレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹
    脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
    樹脂、エポキシ樹脂及び、フェノール樹脂から選ばれる
    少なくとも1種以上の樹脂と熱溶融性物質を溶融混合し
    溶媒中に機械分散させて粒子分散液とし、着色剤液を混
    合して得られる塗工液を、支持体上に塗布し乾燥させて
    熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を製造することを特
    徴とする熱転写記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
    チレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹
    脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
    樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の少なくとも1種
    と熱溶融性物質を溶融混合させ、溶媒中に機械分散して
    得られる粒子分散液と着色剤液とを混合して得られる塗
    工液を、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン
    /エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポ
    リアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
    エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも
    1種の樹脂と熱溶融性物質からなる粒子を含有する層
    (第2層)の上に塗布し乾燥させることを特徴とする熱
    転写記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
    チレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル樹
    脂の少なくとも1種類以上の樹脂と熱溶融性物質を溶融
    混合させた溶融液に界面活性剤と着色剤とを混合して得
    られる塗工液を、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、
    エチレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル
    樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
    ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少
    なくとも1種の樹脂と熱溶融性物質からなる粒子を含有
    する層(第2層)の上に塗布し、乾燥させて形成するこ
    とを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、
    エチレン/エチルアクリレート共重合体樹脂、アクリル
    樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
    ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少
    なくとも1種の樹脂を溶剤に溶かした塗工液を支持体の
    上に塗布し、乾燥させ、請求項7乃至9の塗工液のいず
    れかを塗布する熱転写記録媒体の製造方法。
JP10095431A 1998-03-24 1998-03-24 熱転写記録媒体及びその製造方法並びに熱転写記録方法 Pending JPH11268426A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011241395A (ja) * 2004-09-30 2011-12-01 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写型画像保護シート
CN114290829A (zh) * 2021-12-30 2022-04-08 湖南鼎一致远科技发展有限公司 一种具有离型层的热转印树脂碳带及制备方法

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