JPH11267925A - 回転切削工具のワイヤカット方法および装置 - Google Patents

回転切削工具のワイヤカット方法および装置

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JPH11267925A
JPH11267925A JP7555098A JP7555098A JPH11267925A JP H11267925 A JPH11267925 A JP H11267925A JP 7555098 A JP7555098 A JP 7555098A JP 7555098 A JP7555098 A JP 7555098A JP H11267925 A JPH11267925 A JP H11267925A
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JP
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wire
rake face
tool
touch sensor
reamer
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Application number
JP7555098A
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English (en)
Inventor
Norinari Takeuchi
徳得 竹内
Takaharu Kinoshita
貴晴 木下
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Fuji Bellows Co Ltd
Original Assignee
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Ltd
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転切削工具を予め定めた回転位置に自動的
に位置決めし得るワイヤカット装置、刃先を効率良く加
工し得るワイヤカット方法を提供する。 【解決手段】 リーマ60をXYテーブルによりワイ
ヤ,タッチセンサに対して水平面内の任意の位置へ移動
させ、タッチセンサをリーマ60に対して昇降させる。
タッチセンサのスタイラス166の昇降,リーマ60の
移動により測定点P 1 ,P2 に球部167を接触させ、
2個のZ座標値に基づいてすくい面90が水平になる際
のすくい面90の高さ,リーマ60の検出回転位置を求
める。全部のチップ82についてのすくい面90の高
さ,リーマ60の検出回転位置の検出後、検出回転位置
に基づいてリーマ60を加工回転位置に割り出し、チッ
プ82を加工位置に位置決めする。すくい面90の高さ
に基づいてワイヤとリーマ60とのY軸方向の相対位置
を設定し、所望の位置に切れ刃を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転切削工具の刃
先を加工するワイヤカット装置およびワイヤカット方法
に関するものであり、特に、作業能率の向上に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】回転切削工具の刃先を加工するためにワ
イヤカット装置が使用されている。このワイヤカット装
置は、(A)互いに共同してワイヤを上下に延びる姿勢
で保持するとともに、ワイヤを垂直線に対して所望の角
度傾斜させ得る上アームおよび下アームと、(B)回転
切削工具を水平な姿勢で保持する工具保持装置と、
(C)それら上,下アームと工具保持装置とを水平面内
において任意の相対位置へ移動可能な相対移動装置と、
(D)前記工具保持装置に保持された回転切削工具を任
意の角度回転可能な工具回転装置とを備えるものであ
る。加工開始に先立ち、回転切削工具が工具回転装置に
より加工回転位置に割り出されて加工が施されるべき刃
が加工位置に位置決めされ、その状態で前記上,下アー
ムと工具保持装置とが、相対移動装置により水平方向に
相対移動させられつつ、回転切削工具とワイヤとの間に
放電が生じさせられ、回転切削工具の刃先が加工され
る。この加工時には、ワイヤは垂直線に対して回転切削
工具の刃の逃げ面の逃げ角に相当する角度だけ傾斜させ
られる。
【0003】回転切削工具の加工回転位置の検出、すな
わち、回転切削工具の刃が予め定められた条件を満たす
状態となる加工回転位置を検出することは、従来、作業
者の手動操作により行われていた。例えば、回転切削工
具の刃のすくい面が下向きでかつほぼ水平になる状態と
するとともに、上アームにダイヤルゲージを取り付け、
そのダイヤルゲージの測定子をすくい面に接触させた状
態で、上,下アームと工具保持装置とを相対移動装置に
より水平面内で相対移動させ、ダイヤルゲージの針が振
れるならば回転切削工具を回転させ、ダイヤルゲージの
針が殆ど振れなくなったとき、回転切削工具の加工回転
位置の検出ができたとすることが行われていたのであ
る。回転切削工具の刃が1つの場合にはその状態で加工
が行われるが、刃が複数の場合には、それら刃のすくい
面が下向きでかつ水平になる状態における回転切削工具
の加工回転位置が順次検出され、記憶装置に記憶させら
れる。そして、すべての刃の加工回転位置の検出および
記憶が終了した後、それら記憶された加工回転位置への
割出しが自動的に行われつつ複数の刃の加工が順次行わ
れる。
【0004】上記作業者による加工回転位置の検出には
熟練と多大の時間を要し、その間、作業者は他の作業を
することができず、作業能率が低い問題があった。ま
た、ワイヤカット装置の停止時間も長くなり、稼働率が
低下する問題もあった。その上、一度の加工で所望の寸
法精度を得ることができず、加工を複数回繰り返さなけ
ればならない問題があった。前述のように、加工はワイ
ヤを垂直線に対して傾斜させた状態で行われ、垂直面に
対して傾斜した平面である逃げ面と水平面であるすくい
面との交線として切れ刃が形成されるため、上,下アー
ムと工具保持装置との水平面内における相対位置が同じ
であっても、すくい面の高さが変われば切れ刃の形成位
置が変わることになる。そうであるのに、従来の回転切
削工具の割出し時には、すくい面が水平になる加工回転
位置は検出されるものの、すくい面の高さ(例えば、回
転切削工具の軸線を含む水平面からすくい面までの距離
で表される)は検出されなかったため、切れ刃の形成位
置が一義的には定まらず、まず、上,下アームと工具保
持装置とを、切込みが不足するように予め定められてい
る相対位置に位置決めして加工を行い、それにより形成
された切れ刃の位置を検出し、その検出結果に基づいて
上,下アームと工具保持装置との最終的な相対位置を決
定し、最終加工を行うことが必要であり、熟練者でも2
回(未熟練者では3回以上)の加工を行わなければなら
ず、作業能率が低い問題があったのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は、以上の事情を背景として、回転切
削工具を予め定められた回転位置に自動的に位置決めす
る機能を有するワイヤカット装置、および回転切削工具
の刃先を効率よく加工することができるワイヤカット方
法を提供することを課題として為されたものであり、本
発明によって、下記各態様のワイヤカット装置およびワ
イヤカット方法が得られる。各態様は請求項と同様に、
項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の
番号を引用する形式で記載する。各項に記載の特徴の主
な組合わせの可能性を明示するためである。 (1)互いに共同してワイヤを上下に延びる姿勢で保持
する上アームおよび下アームと、回転切削工具をほぼ水
平な姿勢で保持する工具保持装置と、それら上,下アー
ムと工具保持装置とをほぼ水平な相対移動平面内におい
て任意の相対位置へ移動可能な相対移動装置と、前記工
具保持装置により保持された回転切削工具を任意の回転
位置へ回転可能な工具回転装置とを備え、工具回転装置
により回転切削工具を加工回転位置へ割り出すととも
に、前記上,下アームと工具保持装置とを前記相対移動
装置により相対移動させつつ回転切削工具とワイヤとの
間に放電を生じさせて回転切削工具の刃先を加工するワ
イヤカット装置であって、対象物に接触したとき接触信
号を発するタッチセンサと、そのタッチセンサを前記上
アームに取り付けるセンサ取付装置と、そのタッチセン
サを前記工具保持装置に保持された回転切削工具の刃が
予め定められた条件を満たす状態でその刃のすくい面に
丁度接触する作用位置と、回転切削工具が回転してもそ
れの刃と干渉しない退避位置とに移動させるセンサ移動
装置と、そのセンサ移動装置にタッチセンサを前記作用
位置へ移動させるとともに、前記工具回転装置に前記回
転切削工具を作用位置にあるタッチセンサに前記すくい
面が接触する検出回転位置へ回転させる回転位置決め制
御手段とを含むワイヤカット装置(請求項1)。上記
「加工回転位置」と「検出回転位置」とは同じとしても
よく、異ならせてもよい。後者は、例えば、以下の理由
で必要となる。ワイヤカット装置により回転切削工具の
刃を加工し、逃げ面および切れ刃を形成する場合に、す
くい面を上向きにして加工を行うことも可能であるが、
すくい面を下向きにして加工が行われることが多い。後
者の方が、加工された逃げ面の面粗さが小さくなり、良
好な切れ刃を得ることができるからである。一方、後に
詳述するように、検出回転位置の検出は、すくい面を上
向きにして行う方が便利であるため、検出回転位置と加
工回転位置とを異ならせる必要が生じるのである。本発
明に係るワイヤカット装置により加工される回転切削工
具は、刃が1つのものでも、複数のものでもよい。刃が
1つの場合には、検出回転位置と加工回転位置とを同じ
にし、上記回転位置決め制御手段による回転切削工具の
回転位置決めの後、直ちに加工が開始されるようにする
ことができ、その場合には、回転切削工具の検出回転位
置を記憶手段に記憶させることは必ずしも必要ではな
い。しかし、回転切削工具の刃が複数の場合には、ま
ず、すべての刃について検出回転位置を検出し、記憶手
段に記憶させ、その後、記憶手段に記憶されている検出
回転位置に基づいて、回転切削工具を複数の加工回転位
置へ回転させつつ加工を行うことが望ましいため、複数
の検出回転位置あるいはそれに基づいて決定される複数
の加工回転位置を記憶する記憶手段が必要である。上記
「予め定められた条件」は、例えば、刃のすくい面が、
相対移動装置により上,下アームと工具保持装置とが相
対移動させられる相対移動平面に平行になるという条
件、刃のすくい面がセンサ移動装置によるタッチセンサ
の移動方向と直交するという条件、あるいは刃の主切れ
刃と副切れ刃との交点が予め定められた回転位置に位置
するという条件等とすることができる。そして、例え
ば、タッチセンサの移動方向が垂直方向であり、相対移
動装置による上,下アームと工具保持装置との相対移動
平面が水平面であり、上記「予め定められた条件」が、
すくい面が水平になるというものである場合には、主逃
げ面の加工時にも副逃げ面の加工時にも、上,下アーム
が、ワイヤを、垂直な方向から逃げ面の逃げ角に相当す
る角度だけ傾斜した方向に延びる姿勢で保持するように
される。なお、この態様においては、刃のすくい面の形
成位置誤差に起因して、タッチセンサの作用位置が僅か
ずつ変化することになる。刃のすくい面の形成位置に誤
差がある場合には、すくい面が水平になったか否かは、
例えば、タッチセンサをすくい面の複数の部位に接触さ
せ、それら接触時におけるタッチセンサの高さ位置が実
質的に同じになるか否かにより判定するのであり、その
判定の結果が肯定になったときのタッチセンサの位置が
作用位置であることになるのであって、複数の刃の各々
に対応するタッチセンサの作用位置は互いに異なるのが
普通なのである。それに対し、例えば、タッチセンサの
移動方向が垂直方向であり、工具保持装置が回転切削工
具を水平な姿勢から先下がり(すくい面を上向きにして
加工が行われる場合には先上がり)にやや傾いた姿勢で
保持するものであり、上記「予め定められた条件」が、
主切れ刃と副切れ刃との交点が、その交点から回転切削
工具の軸線に下ろした垂線と軸線との交点を含む水平面
より、所定距離上方に位置するというものであって、か
つ、回転切削工具が、その条件が満たされる状態ですく
い面が副切れ刃から遠い部分ほど下方に位置する向きに
傾斜したものである場合には、主逃げ面の加工時にも副
逃げ面の加工時にも、上,下アームが、ワイヤを垂直な
姿勢に保持するようにされる。この態様においては、刃
のすくい面に形成位置誤差が存在しても、すくい角に誤
差が生ずるのみで、タッチセンサの作用位置は変化しな
いことになる。回転切削工具の検出回転位置への位置決
め時に、タッチセンサは予め定められた作用位置へ単純
に移動させればよいのである。以上説明したように、本
態様においては、作用位置に位置するタッチセンサに刃
のすくい面が接触したときの回転切削工具の回転位置が
検出回転位置である。そして、検出回転位置と加工回転
位置とが同じであれば、回転切削工具の検出回転位置へ
の位置決めがすなわち加工回転位置への位置決めとなる
が、検出回転位置と加工回転位置とが異なる場合には、
検出回転位置に基づいて加工回転位置が求められ、その
加工回転位置に回転切削工具が自動的に位置決めされる
ようにすることができる。例えば、回転切削工具が有す
る刃の数がわかっており、かつ、各刃の周方向位置の精
度が高ければ、それら複数の刃のうちの1つを基準刃と
し、その基準刃のすくい面と作用位置にあるタッチセン
サとが接触したときの回転切削工具の回転位置を基準回
転位置とし、基準回転位置に基づいて基準刃を加工位置
に位置決めした後、互いに隣接する刃間の角度間隔ずつ
回転切削工具を回転させて残りの刃を加工位置に位置決
めすることができる。それに対し、各刃の周方向の位置
精度が高くなければ、発明の実施の形態において説明す
るように、作用位置にあるタッチセンサと複数の刃の各
々のすくい面とが接触したときの回転切削工具の回転位
置である複数の検出回転位置を検出し、それら検出回転
位置に基づいて回転切削工具を各加工回転位置に位置決
めすることにより、各刃を順次加工位置に位置決めする
ことが必要になる。いずれにしても、本態様によれば、
刃が1つの場合にも複数の場合にも、回転切削工具を自
動的に検出回転位置に位置決めすることができ、それに
よって直ちに(検出回転位置と加工回転位置とが同じ場
合)、あるいはその検出回転位置に基づいて自動的に、
加工すべき刃を加工位置に位置決めすることができる。
従来のように、回転切削工具の加工回転位置の検出を作
業者が行う必要がなく、自動の回転位置決めと並行して
他の作業を行うことができ、作業能率が向上する。しか
も、通常、自動の回転位置決めは作業者による回転位置
決めより短時間で行い得るため、回転位置決めのための
ワイヤカット装置の停止時間が短縮でき、ワイヤカット
装置の稼働率を向上させることができる。さらに、作業
者は回転切削工具を工具保持装置に取付け、取外しすれ
ばよく、熟練が不要となって誰でも行うことが可能とな
る。また、回転切削工具の工具保持装置への取付け,取
外しの自動化は比較的容易であるため、全工程を自動化
することも可能である。 (2)前記予め定められた条件が、前記刃のすくい面
が、前記相対移動平面に平行になるという条件であり、
当該ワイヤカット装置が、前記すくい面の、前記相対移
動平面に直角な方向の位置であるすくい面高さを検出す
るすくい面高さ検出装置を含む (1)項に記載のワイヤカ
ット装置(請求項2)。すくい面が相対移動平面に平行
な状態で逃げ面の加工が行われる場合には、逃げ面に逃
げ角を与えるために、ワイヤは相対移動平面に直角な直
線に対して逃げ角だけ傾斜した姿勢とされる。例えば、
相対移動平面が水平面である場合には、前述のように、
ワイヤが垂直線に対して傾斜させられるのであり、この
場合に、すくい面の高さにばらつきがあり、かつ、各す
くい面の高さが不明であれば、切れ刃を高い位置精度で
加工するためには、前述のように、複数回の加工を行わ
ざるを得ない。それに対し、すくい面高さ検出装置によ
り各すくい面の高さが検出されれば、それら検出された
各すくい面の高さと、ワイヤの傾斜角度とに基づいて、
所望の位置に切れ刃を形成するためのワイヤと回転切削
工具との相対移動平面に平行な平面内における相対位
置、すなわち上,下アームと工具保持装置との相対移動
平面内における相対位置を計算で求めることができる。
したがって、1回の加工で切れ刃を高い位置精度で形成
することができ、加工能率を著しく向上させることがで
きる。 (3)前記回転切削工具が複数の刃を有するものであ
り、当該ワイヤカット装置が、複数の刃がそれぞれ前記
予め定められた条件を満たす状態における前記回転切削
工具の回転位置に関連する回転位置関連量と前記すくい
面高さに関連するすくい面高さ関連量とを記憶する記憶
手段と、その記憶手段に記憶された回転位置関連量に基
づいて前記工具回転装置に前記回転切削工具をそれの複
数の刃の各々が加工位置に位置する加工回転位置に位置
決めさせるとともに、前記相対移動装置による前記上,
下アームと前記工具保持装置との前記相対移動平面内に
おける相対位置の移動を前記すくい面高さ関連量を加味
して制御する加工制御手段とを含む (1)または (2)項に
記載のワイヤカット装置(請求項3)。上記回転位置関
連量は、予め定められた条件を満たす状態における回転
切削工具の回転位置自体である検出回転位置自体でもよ
く、その検出回転位置に基づいて決まる加工回転位置、
あるいは実際の回転位置の基準回転位置(公称回転位
置)に対する誤差を表す回転位置誤差等でもよい。ま
た、上記すいく面高さ関連量は、すくい面高さ自体でも
よく、実際のすくい面高さの基準すくい面高さ(公称す
くい面高さ)に対する高さ誤差、あるいは、すくい面高
さに基づいて決まる上,下アームと前記工具保持装置と
の前記相対移動平面内における相対位置、実際の相対位
置の基準相対位置(すくい面高さに誤差がない場合の相
対位置)に対する誤差を表す相対位置誤差等でもよい。
本態様におけるように、予め、複数の刃がそれぞれ予め
定められた条件を満たす状態における回転切削工具の回
転位置とすくい面高さとを検出し、回転位置関連量およ
びすくい面高さ関連量を記憶手段に記憶させておき、後
に記憶されている回転位置関連量に基づいて回転切削工
具を複数の加工回転位置に順次位置決めするとともに、
すくい面高さ関連量に基づいて上,下アームと前記工具
保持装置との前記相対移動平面内における相対位置を制
御すれば、すくい面の形成位置に誤差がある回転切削工
具に切れ刃を能率よくかつ高い位置精度で形成すること
ができる。なお、刃が複数ある場合に、それらの刃の1
つについての検出回転位置の検出後、他の刃についての
検出回転位置の検出は、例えば次のようにして行うこと
ができる。まず、タッチセンサが退避位置への移動によ
り刃の旋回経路内から退避させられ、それにより、回転
切削工具が予め定められた一定角度正方向へ回転させら
れるとき、その回転により作用位置にあるタッチセンサ
に接触する検出位置(回転切削工具の検出回転位置)か
ら接触しない退避位置へ退避する刃とタッチセンサとの
干渉が回避される。「予め定められた一定角度」は、次
にタッチセンサが退避位置から作用位置へ移動すると
き、退避位置へ退避した刃と接触せず、次にタッチセン
サに接触させられるべき刃が検出位置に至ることがない
大きさに設定される。この角度は、回転切削工具の互い
に隣接する刃の間の角度間隔に基づいて設定される。回
転切削工具の刃の数がわかっており、かつ、刃が等角度
間隔で設けられているのであれば、隣接する刃間の角度
間隔が必然的に決まり、刃の数がわかっていない場合に
は、最大数の刃が設けられているものとして「予め定め
られた一定角度」が設定される。回転切削工具が予め定
められた一定角度逆方向へ回転させられるのであれば、
次にタッチセンサに接触させられるべき刃が、検出位置
を超えて、タッチセンサが次に退避位置から作用位置へ
移動させられる際にタッチセンサと接触しない位置へ移
動させられる。移動後、タッチセンサが作用位置(ある
いはほぼ作用位置)へ移動させられた後、回転切削工具
が正方向へ回転させられ、刃のすくい面がタッチセンサ
に接触させられる。この場合、「予め定められた一定角
度」は、隣接する刃間の角度間隔より大きな角度に設定
される。 (4)前記タッチセンサ取付装置が、前記タッチセンサ
を、前記回転切削工具の上向きのすくい面に上方から接
触可能な姿勢で取り付けるものであり、前記作用位置
が、前記刃が前記ワイヤによって加工されるべき加工位
置と180度隔たった検出位置にあるときその刃のすく
い面に前記タッチセンサが丁度接触する位置である (1)
ないし (3)項のいずれか1つに記載のワイヤカット装置
(請求項4)。本態様によれば、タッチセンサを、回転
切削工具の軸線を間に挟んでワイヤとは反対側となる位
置に配置できるため、ワイヤとタッチセンサとの干渉を
避けることが容易となる利点を有する。また、タッチセ
ンサを、回転切削工具の上向きのすくい面に上方から接
触させれば、すくい面に下方から接触させる場合に比較
して、タッチセンサを上アームに取り付けるためのセン
サ取付装置の構造を単純化することができる。前者の場
合には後者の場合に比較して、センサ取付装置と回転切
削工具との干渉を避けることが容易であるからである。
しかも、逃げ面の加工が、すくい面を下向きにした状態
で行われることとなるため、加工に伴って発生するスラ
ッジの排出が良好となり、逃げ面の面粗度が向上して良
好な切れ刃が得られる。ワイヤカット加工は、最初に検
出回転位置が検出された刃(基準刃)から開始してもよ
く、基準刃以外の刃である一般刃から開始してもよい。
後者の場合、例えば、基準刃のすくい面がタッチセンサ
に接触したときの回転切削工具の回転位置のみが検出さ
れるのであれば、その検出時に加工位置の最も近くに位
置する刃から加工を開始することができる。また、一般
刃についても検出回転位置が検出されるのであれば、全
部の一般刃についての検出回転位置の検出終了時に加工
位置の最も近くに位置する刃から加工を開始することが
できる。いずれの刃が加工位置の最も近くに位置するか
は、その時点における基準刃の回転位置と、刃の配設角
度間隔あるいは一般刃の検出回転位置とからわかる。刃
を加工位置に位置決めするとき、回転切削工具は正方向
に回転させても逆方向に回転させてもよい。 (5)前記相対移動装置が、前記工具保持装置を水平面
内で互いに直交するX軸とY軸との両方向において任意
の位置へ移動可能なXYテーブルを含む (1)ないし (4)
項のいずれか1つに記載のワイヤカット装置。 (6)前記上アームを前記X軸およびY軸と直交するZ
軸方向において任意の位置へ移動可能なアーム昇降装置
を含む (1)ないし (5)項のいずれか1つに記載のワイヤ
カット装置。タッチセンサが上アームに取り付けられる
ため、上アームが昇降させられればタッチセンサが昇降
する。したがって、本態様においては、アーム昇降装置
を前記センサ移動装置の少なくとも一部として利用する
ことができる。例えば、タッチセンサを上アームに固定
的に取り付ければ、アーム昇降装置がセンサ移動装置を
構成することになり、次項におけるように、センサ取付
装置を、タッチセンサを昇降させるセンサ昇降装置を内
蔵するものとすれば、そのセンサ昇降装置とアーム昇降
装置とが共同してセンサ移動装置を構成するようにする
ことができる。 (7)前記センサ取付装置が前記タッチセンサを昇降さ
せるセンサ昇降装置を内蔵している (1)ないし (6)項の
いずれか1つに記載のワイヤカット装置。センサ昇降装
置は、例えばサーボモータと送りねじおよびナットとを
含み、タッチセンサを任意の高さに昇降させ得るものと
することも、次項の態様におけるように、予め定められ
た下降端位置と上昇端位置とに移動させるものとするこ
ともできる。前者の態様においては、すくい面の形成位
置誤差に起因してタッチセンサの作用位置が変化する場
合でも、アーム昇降装置の助けを借りることなくタッチ
センサを作用位置と退避位置とに移動させることがで
き、単独でセンサ移動装置を構成し得る。アーム昇降装
置を省略することもできるのである。センサ昇降装置
を、サーボモータ等の回転角度や回転速度の精度の良い
制御が可能な電動モータを駆動源として構成すれば、例
えば、タッチセンサが作用位置に到達する前に接触信号
を発したとき、タッチセンサのそれ以上の移動を止め、
あるいは退避位置へ戻らせるようにすることもでき、そ
れによりタッチセンサの移動経路内に刃が位置し、タッ
チセンサが移動中に刃に接触することがあっても、タッ
チセンサが刃に接触した状態から更に作用位置に向かっ
て移動させられて損傷することを回避することが可能で
ある。また、タッチセンサを退避位置から作用位置へ移
動させる際の移動速度を任意の大きさに制御することが
できる。それにより、例えば、タッチセンサを退避位置
から作用位置へ移動させるとき、作用位置から退避位置
へ移動させる場合より低速で移動させることができ、例
えば、タッチセンサの刃への衝突に起因する損傷回避が
容易となる。センサ昇降装置がアーム昇降装置と共にセ
ンサ移動装置を構成する場合にも、アーム昇降装置をサ
ーボモータ等の電動モータを駆動源とする装置とするこ
とにより、タッチセンサと刃との衝突による損傷を回避
することができる。なお、センサ昇降装置がエアシリン
ダ,液圧シリンダ等の流体圧シリンダを主体とするもの
である場合にも、流体圧シリンダに供給される作動流体
の流量あるいは流体圧シリンダから排出される作動流体
の流量を制御する等により、タッチセンサを退避位置か
ら作用位置へ移動させる際の移動速度を逆向きの移動速
度より小さくすることができる。 (8)前記センサ昇降装置が前記タッチセンサを予め定
められた下降端位置と上昇端位置とに移動させるもので
ある (7)項に記載のワイヤカット装置。タッチセンサの
作用位置が予め一定の位置に定まっている場合には、本
態様のセンサ昇降装置のみによって、タッチセンサを作
用位置と退避位置とに移動させるセンサ移動装置を構成
することも可能である。本態様のセンサ昇降装置は、例
えば、流体圧シリンダを主体とするものとすることがで
き、そうすれば安価な昇降装置によりタッチセンサを速
やかに移動させることができる。すくい面の形成位置誤
差に起因してタッチセンサの作用位置が変化する場合に
は、アーム昇降装置のように、タッチセンサの下降端位
置を変更し得る装置と共同でセンサ移動装置を構成させ
ることが必要である。このようにすれば、例えば、セン
サ昇降装置にタッチセンサを大きな距離速やかに移動さ
せ、アーム昇降装置にタッチセンサの位置の微妙な調節
を行わせることができる。 (9)前記センサ昇降装置が前記作用位置の近傍におい
て前記タッチセンサの下降速度を減速させる減速手段を
含む (7)または (8)項のいずれか1つに記載のワイヤカ
ット装置。センサ昇降装置が単独でセンサ移動装置を構
成する場合には、減速手段は当然作用位置の近傍におい
てタッチセンサの下降速度を減速させることとなるが、
センサ昇降装置が、タッチセンサを予め定められた下降
端位置と上昇端位置とに移動させるものであり、下降端
位置を変更し得る装置と共同でセンサ移動装置を構成す
る場合には、減速手段は下降端位置の近傍においてタッ
チセンサの下降速度を減速させるものとなる。しかし、
この場合、下降端位置は作用位置の近傍に設定されるた
め、実質的にタッチセンサは作用位置の近傍で減速され
ることとなる。本態様によれば、タッチセンサを大きな
距離高速で下降させて能率を向上させながら、作用位置
近傍では低速で移動させることができる。それによっ
て、センサ昇降装置が (8)項に記載の態様である場合
に、タッチセンサを下降端位置において振動少なく停止
させることが可能となり、あるいは、センサ昇降装置が
(7)項あるいは(8)項に記載の態様である場合に、タッ
チセンサが作用位置への接近中に刃に接触したことを検
出して、タッチセンサの移動を停止させることが容易と
なる。減速手段は、発明の実施の形態において説明する
ように、昇降シリンダとしてのエアシリンダに設けられ
てピストンのストロークエンド近傍における移動速度を
減速するエアクッションを含むものとすることができ
る。また、センサ昇降装置が流体圧シリンダを含む装置
である場合に、タッチセンサが下降端位置へ移動する際
における作動流体の流量を調節する電磁流量制御弁を含
むものとし、下降端位置近傍において流体の流量を減少
させて減速させてもよい。また、絞り弁(手動で流量を
調節し得る可変流量制御弁とすることが望ましい)と電
磁開閉弁とを並列に設け、常には電磁開閉弁を開いてピ
ストンを高速で移動させ、作用位置近傍で電磁開閉弁を
閉じて減速させてもよい。このようにエアクッション以
外の手段によってタッチセンサを下降端位置近傍におい
て減速させる場合であっても、それと共にエアクッショ
ンを設けてもよい。また、センサ昇降装置の駆動源を、
サーボモータ等の回転角度や回転速度の制御可能な電動
モータとし、その電動モータの減速によりタッチセンサ
を作用位置近傍において減速させてもよい。さらに、セ
ンサ移動装置をアーム昇降装置により構成する場合、ア
ーム昇降装置の駆動源を回転角度の制御可能な電動モー
タにより構成し、タッチセンサを作用位置近傍において
減速させてもよい。 (10)前記工具保持装置が、前記回転切削工具の両端
に形成されたセンタ穴に係合して回転切削工具の軸線位
置を決める両センタを含み、当該ワイヤカット装置が、
前記相対移動装置を制御して前記ワイヤを前記両センタ
の一方またはその一方を同心に保持する断面形状円形の
センタ保持部材の外周面の直径方向に隔たった2箇所に
接触させ、接触時における前記工具保持装置と前記上,
下アームとの相対位置からセンタの軸線位置を取得する
センタ軸線位置検出制御手段を含む(1)ないし (9)項の
いずれか1つに記載のワイヤカット装置。センタやセン
タ保持部材の外周面の直径方向に隔たった2箇所の中間
位置が、それら2箇所が隔たる方向におけるワイヤの中
心線を基準とするセンタの軸線の位置である。ワイヤが
センタやセンタ保持部材の外周面に接触したか否かは、
ワイヤに放電加工時よりも極めて小さい電圧をかけ、セ
ンタまたはセンタ保持部材との間に電流が流れるか否か
を検出する電流検出手段を設けることにより検出するこ
とができる。なお、本項における検出を、センタの軸線
を基準とするワイヤの中心線の位置の検出と考えること
もできる。 (11)前記工具保持装置が、前記回転切削工具の両端
に形成されたセンタ孔に係合して回転切削工具の軸線位
置を決める両センタを含み、当該ワイヤカット装置が、
前記相対移動装置を制御して前記タッチセンサを前記両
センタの一方またはその一方を同心に保持する断面形状
円形のセンタ保持部材の外周面の直径方向に隔たった2
箇所に接触させ、接触時における前記工具保持装置と前
記上,下アームとの相対位置に基づいてタッチセンサの
位置を取得するセンサ位置検出制御手段を含む (1)ない
し(10)項のいずれか1つに記載のワイヤカット装置。本
態様によれば、例えば、センタまたはセンタ保持部材の
軸線を基準とするタッチセンサの軸線の位置を取得する
ことができる。例えば、タッチセンサを両センタの一方
を同心に保持するセンタ保持部材の外周面の直径方向に
隔たった2箇所に接触させ、その接触した2箇所の中間
位置を求めれば、その位置はセンタ保持部材の軸線とタ
ッチセンサの軸線とが一致する位置であり、センタ保持
部材の軸線を基準とするタッチセンサの軸線の位置を取
得できるのである。逆に、タッチセンサの軸線を基準と
するセンタ保持部材の軸線の位置を検出できると考えて
もよい。本態様が(10)項に記載のワイヤカット装置に適
用される場合には、ワイヤの軸線位置を基準としてセン
タまたはセンタ保持部材の軸線の位置が検出され、さら
に、その検出されたセンタまたはセンタ保持部材の軸線
の位置を基準としてタッチセンサの軸線の位置が検出さ
れることとなる。あるいは、ワイヤとタッチセンサとを
同じセンタあるいはセンタ保持部材の外周面の直径方向
に隔たった2箇所に接触させることにより、ワイヤの接
触により得られるセンタの軸線位置と、タッチセンサの
接触により得られるセンタの軸線位置とに基づいて、ワ
イヤとタッチセンサとの、上記2箇所が隔たる方向にお
ける相対位置が取得されるのであると考えることもでき
る。つまり、ワイヤの中心線と、センタまたはセンタ保
持部材の軸線と、タッチセンサの軸線との相対位置が検
出されるのである。なお、センタ保持部材の軸線を含む
垂直面上においてセンタ保持部材の外周面にタッチセン
サを接触させれば、そのときにおける、タッチセンサと
共に昇降する部材の位置とセンタ保持部材の直径とに基
づいて、垂直方向における、センタ保持部材の軸線位置
を基準とするタッチセンサの位置を取得することができ
る。逆に、タッチセンサの位置を基準とするセンタ保持
部材の軸線位置を取得することができると考えてもよ
い。 (12)前記相対移動装置を制御して前記ワイヤを前記
工具保持装置に保持された回転切削工具の少なくとも一
方の端面に接触させ、接触時における前記工具保持装置
と前記上,下アームとの相対位置から回転切削工具の軸
方向位置を取得する回転切削工具軸方向位置検出手段を
含む (1)ないし(11)項のいずれか1つに記載のワイヤカ
ット装置。回転切削工具の軸方向位置がわかれば、例え
ば、主逃げ面の加工位置精度を向上させることができ、
また、副逃げ面の加工時において、回転切削工具から軸
方向に小距離離れた位置から加工送りを開始させること
ができる。 (13)互いに共同してワイヤを上下に延びる姿勢で保
持するとともに、ワイヤを垂直線に対して所望の角度傾
斜させ得る上アームおよび下アームと、回転切削工具を
水平な姿勢で保持する工具保持装置と、それら上,下ア
ームと工具保持装置とを水平面内において任意の相対位
置へ移動可能な相対移動装置と、前記工具保持装置に保
持された回転切削工具を任意の回転位置へ回転可能な工
具回転装置とを備えたワイヤカット装置により、回転切
削工具の刃先を加工する方法であって、前記回転切削工
具を、前記すくい面が水平となる回転位置に位置決めす
る回転位置決め工程と、その回転位置決め工程の実行に
より水平とされたすくい面の垂直方向の位置であるすく
い面高さを検出するすくい面高さ検出工程と、そのすく
い面高さ検出工程の実行により検出されたすくい面高さ
と、前記ワイヤの垂直線に対する傾斜角度とに基づいて
決まる相対位置に、前記相対移動装置により前記上,下
アームと前記工具保持装置とを移動させて、刃先の加工
を行う加工工程とを含む回転切削工具のワイヤカット方
法(請求項5)。(1)ないし(12)項に記載のワイヤカッ
ト装置は、いずれも本ワイヤカット方法を実施するため
に使用できるが、これら装置に限定されるわけではな
い。例えば、タッチセンサの代わりに、直線型ポテンシ
ョメータ,光電素子変位計,渦電流変位センサ,作動ト
ランス,静電容量変位計,ホール素子変位センサ,イン
ダクトシン,マグネスケール,電気マイクロメータ等、
対象物の変位に応じた電気信号を出力する電気的変位測
定器を用いることができる。例えば、電気的変位測定器
を、予め定められた下降端位置と上昇端位置との間で昇
降可能な昇降部材に取り付け、昇降部材が下降端位置へ
下降した状態における電気的変位測定器の出力信号に基
づいて、すくい面の高さ位置を検出することができるの
である。電気的変位測定器は、すくい面が、上,下アー
ムと工具保持装置との相対移動平面に平行となったか否
かの判定に使用することもできる。電気的変位測定器の
測定子をすくい面に接触させた状態で、相対移動装置に
より、上,下アームと工具保持装置とを相対移動平面内
で相対移動させた際、電気的変位測定器の出力信号が実
質的に変化しなければ、すくい面が相対移動平面に平行
であると判定することができるのである。このように、
タッチセンサの代わりに電気的変位測定器を使用すれ
ば、昇降部材を昇降させる昇降装置が、予め定められた
下降端位置と上昇端位置との間で昇降部材を単純に昇降
させ得るもので済むことになる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
ワイヤカット装置およびワイヤカット方法を図面に基づ
いて詳細に説明する。図1および図2には、ワイヤカッ
ト装置10が示されている。ワイヤカット装置10のベ
ッド12上には、水平なX軸方向(図1においては左右
方向)に隔たった両端にそれぞれ、コラム14が立設さ
れるとともに、XYテーブル16が設けられている。X
Yテーブル16は、X軸スライド18およびY軸スライ
ド20を備えている。X軸スライド18は、X軸スライ
ド18に固定のナット(図示省略),ベッド12上にX
軸方向に平行であって、回転可能かつ軸方向に移動不能
に設けられた送りねじ(図示省略),送りねじを駆動す
るX軸移動用サーボモータ24(図10参照)を含むX
軸スライド移動装置26により、案内部材たる一対の直
線状のガイドレール28に案内されてX軸方向に移動さ
せられる。
【0007】Y軸スライド20は、Y軸スライド20に
固定のナット(図示省略),X軸スライド18上に、水
平面内においてX軸方向と直交するY軸方向に平行であ
って、回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられた送り
ねじ34,送りねじ34を駆動するY軸移動用サーボモ
ータ36(図10参照)を含むY軸スライド移動装置3
8により、案内部材たる一対の直線状のガイドレール4
0に案内されてY軸方向に移動させられる。
【0008】Y軸スライド20上には、図1に示すよう
に、基台44が固定されるとともに、加工槽46が固定
されている。加工槽46は上方に開口させられており、
その底壁48は基台44に液密に嵌合されている。加工
槽46内には、加工液49(図1,図2参照。図3では
加工液49の図示は省略されている。)が入れられると
ともに、工具保持装置50が収容されている。工具保持
装置50は、XYテーブル16により、水平面内の任意
の位置に移動させられる。工具保持装置50は、図3お
よび図4に示すように、主軸台52および心押台54を
有する。主軸台52は、基台44上に固定されており、
X軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられた主
軸(図示省略)を有する。主軸は、主軸駆動用サーボモ
ータ56(図10参照)を含む工具回転装置により、正
逆両方向において任意の位置へ回転させられる。主軸に
はセンタ58が同心に設けられるとともに、回転切削工
具たるリーマ60に主軸の回転を伝達する回転伝達部材
62が固定されている。
【0009】心押台54は、基台44上にX軸方向に平
行な方向に移動可能に設けられている。基台44上に
は、図3に示すように、X軸方向に平行に延びる直線状
の案内部材たるガイドレール66が設けられるととも
に、心押台54が摺動可能に、かつ幅方向(Y軸方向)
に移動不能かつ上下方向に抜出不能に嵌合されており、
操作部材68を含む固定装置70により基台44に固定
される。
【0010】心押台54には、円形断面のセンタ保持部
材72が前記主軸と同心に、かつ軸方向に相対移動可能
に設けられるとともに、円形断面のセンタ74を同心に
保持している。心押台54のセンタ74と主軸台52の
センタ58とは、同心なのである。センタ74は、図5
に示すように、センタ保持部材72にテーパ嵌合され
て、センタ保持部材72に軸方向に移動不能かつ回転不
能に取り付けられている。センタ74のセンタ保持部材
72からの突出部には、カラー76が螺合されており、
カラー76をセンタ74に対して回転させて、センタ7
4をセンタ保持部材72から抜き出す。
【0011】センタ保持部材72は、図示しない付勢手
段の一種である弾性部材たるばねにより、センタ74が
主軸台52に接近する向きに付勢されており、操作部材
80を操作することにより、センタ保持部材72がばね
の付勢力に抗して後退、すなわちセンタ74が主軸台5
2から離れる向きに移動させられる。操作部材80に操
作力を加えなければ、センタ保持部材72は、ばねの付
勢力により前進させられた状態にある。ばねの付勢によ
るセンタ保持部材72の前進端位置は、図示しないスト
ッパにより規定される。
【0012】前記リーマ60の本体81(図6および図
19参照)は工具鋼により作られて長手形状を成し、本
体81の長手方向の一端部には、図6に示すように、複
数箇所、本実施形態においては直径方向に隔たった2箇
所にそれぞれ、ダイヤモンドコンパクトチップ82(以
下、チップ82と略称する)がろう付けされて刃部とさ
れている。チップ82は、超硬合金台の上に人造ダイヤ
モンドが超高温高圧で焼結されたダイヤモンド焼結体で
ある。チップ82には、図6および図19に示すよう
に、すくい面90,主切れ刃91,副切れ刃92,主逃
げ面93および副逃げ面94が形成されている。また、
リーマ60のチップ82が固定された側の端部には、回
転軸線Oに直角な端面95が設けられている。リーマ6
0は心上がり、すなわちチップ82のすくい面90が上
向きかつ水平となる状態において、そのすくい面90が
リーマ60の回転軸線Oを含む水平面より上側に位置す
るように構成されている。
【0013】リーマ60の長手方向の他端部はシャンク
とされており、リーマ60の長手方向の両端部にはそれ
ぞれ、図6および図7に示すように、センタ穴84,8
6が形成されている。リーマ60の主軸台52に支持さ
れる側の端部、すなわちシャンク側の端部には、回転伝
達部材88が着脱可能に固定されている。
【0014】リーマ60を工具保持装置50に保持させ
るときには、心押台54の基台44に対する固定が解除
され、主軸台52にリーマ60を支持させるのに十分な
距離、主軸台52から離れた位置に位置させられるとと
もに、センタ保持部材72はばねの付勢力により前進端
位置へ前進させられた状態にある。この状態でリーマ6
0のセンタ穴86をセンタ58に係合させ、回転伝達部
材88を主軸台52の回転伝達部材62に係合させると
ともに、心押台54を主軸台52に対して接近させ、セ
ンタ保持部材72のセンタ74がセンタ穴84に係合し
た後、更に小距離接近させて、センタ保持部材72がば
ねの付勢力に抗して、前進端位置から僅かに後退させら
れた位置において心押台54を固定装置70により基台
44に固定する。リーマ60は、センタ穴84,86に
センタ74,58が係合させられて軸線位置が決められ
るとともに、回転伝達部材62,88により主軸の回転
が伝達される状態となる。
【0015】前記コラム14には、Z軸スライド96
(図1参照)がZ軸方向、すなわち前記X軸方向および
Y軸方向と直交する垂直方向であって、上下に延びる方
向に移動可能に取り付けられている。Z軸スライド96
は、Z軸移動用サーボモータ84(図10参照)を含む
Z軸スライド移動装置により、図示しない案内部材に案
内されて昇降させられる。
【0016】Z軸スライド96には、図1および図2に
示すように、上アーム100およびワイヤ供給装置10
4が取り付けられている。上アーム100は、Z軸スラ
イド96の下部に設けられるとともに、通電ブロック1
10が上下方向に延びる姿勢で固定されている。ワイヤ
供給装置104により供給されるワイヤ114は、Z軸
スライド96から上下に延びる姿勢で下方へ延び出させ
られるとともに、通電ブロック110に軸線方向に相対
移動可能に挿通されている。上アーム100と通電ブロ
ック110とは、電気絶縁材料の一種であるセラミック
材料により電気的に絶縁されている。
【0017】ワイヤ114はワイヤ引出装置106によ
りワイヤ供給装置104から引き出される。ワイヤ引出
装置106は、図示しない一対のベルトの間にワイヤ1
14を挟み、それらベルトがベルト移動装置(図示省
略)によって移動させられることにより、ワイヤ114
が送られるように構成されている。ワイヤ引出装置10
6からは支持部材124が垂下させられ、支持部材12
4の下端部に下アーム102が上アーム100側へ水平
に延び出す向きに取り付けられている。下アーム102
の延出端部には、通電ブロック126が上下方向に延び
る姿勢で設けられている。通電ブロック126は通電ブ
ロック110より下に設けられているのである。下アー
ム102と通電ブロック126とは、電気絶縁材料の一
種であるセラミック材料により電気的に絶縁されてい
る。
【0018】通電ブロック110に挿通されたワイヤ1
14は、通電ブロック126に軸線方向に相対移動可能
に挿通された後、前記一対のベルトにより挟まれてお
り、これらベルトが移動させられることにより、ワイヤ
114が引っ張られて引出方向に送られ、ワイヤ供給装
置104からワイヤ114が引き出される。通電ブロッ
ク110と通電ブロック126とはそれぞれ、上下方向
に互いに距離を隔てて設けられており、ワイヤ114の
通電ブロック110と通電ブロック126との間に位置
する部分は、下向きに送られることになる。
【0019】上アーム100がZ軸スライド96の移動
によって下アーム102に対して昇降させられるとき、
ワイヤ供給装置104によるワイヤ114の供給は止め
られている。また、ワイヤ引出装置106は、ベルトが
移動させられてワイヤ114に引張力を付与している状
態においても、ワイヤ114に、ベルトとワイヤ114
との間の摩擦力より大きい力がワイヤ引出方向とは逆向
きに加えられれば、ワイヤ114が引出方向とは逆向き
に移動することを許容する。したがって、上アーム10
0が下アーム102に対して上昇させられるとき、ワイ
ヤ114はワイヤ供給装置104から引き出されること
なく、ワイヤ引出方向とは逆向きに移動して上アーム1
00の上昇を許容し、上アーム100が下アーム102
に対して下降させられ、両アーム100,102間の距
離が短くなるとき、ワイヤ114はベルトにより引っ張
られて張った状態に保たれる。
【0020】ワイヤ引出装置106,支持部材124,
下アーム102および通電ブロック126は、下アーム
移動装置128(図10参照)により、上アーム100
に対してX軸方向およびY軸方向に移動させられる。通
電ブロック110と通電ブロック126とがX軸方向お
よびY軸方向において相対移動させられるのであり、そ
れにより、ワイヤ114の通電ブロック110と通電ブ
ロック126との間の部分は、垂直な方向から任意の方
向へ任意の角度傾斜させられる。下アーム移動装置12
8は、ワイヤ114を傾斜させるワイヤ傾斜装置の一種
である。
【0021】前記工具保持装置50は前記XYテーブル
16により、上記上アーム100および下アーム102
に対して水平面内において任意の位置へ移動させられ
る。本実施形態において、工具保持装置50と上アーム
100および下アーム102との相対移動平面は水平面
である。
【0022】上アーム100には、図7に示すように、
タッチセンサ140がセンサ取付装置142により昇降
可能に取り付けられている。上アーム100にはブラケ
ット144が固定されるとともに、別のブラケット14
5(図8参照)が固定されており、センサ取付装置14
2は、ブラケット145に下向きに取り付けられた駆動
源の一種である流体圧アクチュエータたるセンサ昇降用
エアシリンダ146を内蔵している。センサ昇降用エア
シリンダ146は、市販のボールスプライン内蔵シリン
ダであり、図示しないピストンのシリンダチューブに対
する回転が防止されている。また、センサ昇降用エアシ
リンダ146には2個ずつのエアクッションおよびスト
ッパ(いずれも図示省略)が設けられており、それらス
トッパによりピストンのストロークエンドが規定される
とともに、エアクッションにより、ピストンのストロー
クエンド近傍における移動速度が減速させられ、ピスト
ン停止時の振動,騒音が低減させられる。
【0023】センサ昇降用エアシリンダ146の図示し
ないピストンロッドには、ソケットホルダ150が固定
されている。ソケットホルダ150には、図8に示すよ
うに、被案内部材たるガイドブロック154が固定され
るとともに、前記ブラケット144に上下方向に固定さ
れた案内部材たる直線状のガイドレール156に摺動可
能に嵌合されている。ソケットホルダ150はフィーメ
ルソケット158を介してプローブ160を保持してい
る。プローブ160には、クランクバー162が図示し
ないスタイラススクリュによって固定されている。
【0024】クランクバー162は、図9に示すよう
に、プローブ160から通電ブロック110から離れる
向きに延び出させられ、その延出端部にエクステンショ
ンバー164が上下方向に延びる姿勢で設けられるとと
もに、エクステンションバー164にはスタイラス16
6(図8参照)が上下方向に延びる姿勢で下向きに取り
付けられている。スタイラス166の先端部には球部1
67が設けられ、対象物にいずれの方向からも接触し得
るようにされている。図9に示すように、センサ昇降用
エアシリンダ146の軸線と通電ブロック110の軸線
(ワイヤ114)との位置は、X軸方向およびY軸方向
においてずれており、スタイラス166は更に、Y軸方
向において通電ブロック110、すなわちワイヤ114
から離れた位置に位置させられているのであり、これら
ワイヤ144とスタイラス166とは、それらの間に、
Y軸方向において、ワイヤカット加工が予定されている
回転切削工具のうち、直径が最大の回転切削工具を配設
し得る距離を隔てて設けられている。また、ワイヤ11
4およびタッチセンサ140は、それらの間にリーマ6
0が配置された状態において、リーマ60が被加工物に
加工を施す際の回転方向(この方向を正方向とする)へ
回転させられるとき、Y軸方向において、リーマ60の
回転軸線Oに対して、チップ82のすくい面90が上向
きとなる側にタッチセンサ140が設けられ、すくい面
90が下向きとなる側にワイヤ114が設けられてい
る。なお、ブラケット144には、切欠168が形成さ
れ、スタイラス166との干渉が回避されている。
【0025】ソケットホルダ150には、図7に示すよ
うに、コネクタブロック170が固定されている。コネ
クタブロック170は、センサ昇降用エアシリンダ14
6のシリンダチューブに固定のコネクタボックス172
にカールコード174によって接続されており、コネク
タボックス172は更にコード176によって制御装置
180(図10参照)に接続されている。スタイラス1
66の球部167が対象物に接触すれば、プローブ16
0において接触信号が作られ、コネクタブロック17
0,カールコード174,コネクタボックス172,コ
ード176を介して制御装置180に供給される。ソケ
ットホルダ150,フィーメルソケット158,プロー
ブ160,クランクバー162,エクステンションバー
164,スタイラス166,コネクタブロック170等
がタッチセンサ140を構成しているのである。なお、
タッチセンサ140のプローブ160より上側の部分お
よびセンサ取付装置142は、図7ないし図9に示すよ
うに、カバー182により覆われている。カバー182
は、図8に示すように、前記ブラケット145にプレー
ト183を介して固定されている。
【0026】センサ昇降用エアシリンダ146は複動の
エアシリンダであり、電磁弁の一種である電磁方向切換
弁184が図7において下側の状態に切り換えられれ
ば、下側のエア室がエア源185に連通させられるとと
もに、上側のエア室が大気に解放され、センサ昇降用エ
アシリンダ146のピストンロッドが上昇させられて、
タッチセンサ140がZ軸スライド96上において上昇
端位置へ移動させられる。また、電磁方向切換弁184
が図7において上側の状態に切り換えられれば、下側の
エア室が大気に連通させられ、上側のエア室がエア源1
85に連通させられてピストンロッドが下降させられ、
タッチセンサ140がZ軸スライド96上において下降
端位置へ移動させられる。タッチセンサ140はまた、
上アーム100がZ軸スライド96の移動によって昇降
させられることにより、昇降させられる。
【0027】下側のエア室と電磁方向切換弁184との
間には、逆止弁186が設けられている。この逆止弁1
86は、エア源185からエア室へのエアの流れは許容
するが、逆向きの流れは阻止するものであり、逆止弁1
86をバイパスするバイパス通路188が設けられてい
る。バイパス通路188には可変流量制御弁190が設
けられており、下側のエア室から大気へ流出するエアの
流量が可変流量制御弁190により絞られ、ピストンロ
ッド、すなわちタッチセンサ140の下降速度が上昇速
度より遅くなるようにされている。
【0028】前記基台44上には、図2および図4に示
すように、計測部材たる計測ブロック270が設けられ
ている。計測ブロック270は基台44上に設けられた
被加工物置台272上に着脱可能に取り付けられてい
る。ワイヤカット装置10は、リーマ60のチップ82
に加工を施す他に、ブロック状の被加工物(図示省略)
にも加工を施す。そのため、基台44上に被加工物置台
272が設けられ、ブロック状の被加工物の切断時に
は、その切断されるべき被加工物が被加工物置台272
上に置かれ、チップ82の加工時には、計測ブロック2
70が取り付けられるのである。
【0029】計測ブロック270は、ワイヤ114側へ
水平に延び出させられている。この延出端部には、図4
に示すように、上下方向に貫通し、ワイヤ114側に開
口する切欠274が設けられており、上下方向に延び、
Y軸方向に平行(X軸方向に直角)であって切欠274
を画定する一対の切欠面がそれぞれ計測面276を構成
している。切欠274は、一対の計測面276の間にワ
イヤ114あるいはスタイラス166が進入することを
許容する幅を有し、計測ブロック270は、一対の計測
面276のうち、ワイヤ114から遠い側の計測面27
6がスタイラス166の球部167に接触した状態にお
いて、ワイヤ114と干渉しない寸法に形成されてい
る。
【0030】本ワイヤカット装置10は、図10に示す
制御装置180により制御される。制御装置180は、
PU(プロセッシングユニット)194,ROM19
6,RAM198およびそれらを接続するバス200を
有するコンピュータ202を主体とするものである。バ
ス200には入力インタフェース204が接続されると
ともに、タッチセンサ140,入力装置206が接続さ
れている。入力装置206は、データのコンピュータ2
02への入力等に使用される。バス200にはまた、出
力インタフェース210が接続されるとともに、駆動回
路212,214,216,218,220,222を
介してX軸移動用サーボモータ24,Y軸移動用サーボ
モータ36,主軸駆動用サーボモータ56,Z軸移動用
サーボモータ98,電磁方向切換弁184,下アーム移
動装置128等が接続されている。これらサーボモータ
24,36,56,98にそれぞれ設けられているエン
コーダ254,256,258,260の検出信号は、
入力インタフェース204からコンピュータ202へ入
力され、それに基づいてサーボモータ24,36,5
6,98が制御され、X軸スライド18,Y軸スライド
20,Z軸スライド96がそれぞれ、X軸,Y軸,Z軸
の各方向において任意の位置へ移動させられ、主軸が任
意の回転位置へ回転させられる。なお、上記サーボモー
タ24,36,56,98は、駆動源の一種である回転
駆動源たる電動モータの一種であって、回転角度および
回転速度の精度の良い制御が可能な電動回転モータであ
る。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよ
い。
【0031】RAM198には、図11に示すように、
センタ間距離メモリ230,ワイヤ接触時X座標値メモ
リ231,ワイヤ接触時Y座標値メモリ232,スタイ
ラス接触時X座標値メモリ233,スタイラス接触時Y
座標値メモリ234,スタイラス−ワイヤX軸方向相対
位置メモリ235,スタイラス−ワイヤY軸方向相対位
置メモリ236,回転軸線Z座標値メモリ238,回転
スタート位置メモリ240,タッチセンサ接触位置メモ
リ242,基準刃用検出回転位置・すくい面高さメモリ
244,一般刃用検出回転位置・すくい面高さメモリ2
46,工具X軸方向位置メモリ248等がワーキングメ
モリと共に設けられている。さらに、ROM196に
は、ワイヤカット加工や回転切削工具の検出回転位置お
よびすくい面90の高さ等の検出等に必要な種々のプロ
グラムが格納されている。
【0032】以下、リーマ60の検出回転位置およびチ
ップ82のすくい面90の高さの検出ならびにワイヤカ
ット加工について説明する。上記検出に先立って、スタ
イラス166の球部167の中心とワイヤ114の中心
線とのX軸方向の相対位置(以下、スタイラス−ワイヤ
X軸方向相対位置と称する),Y軸方向の相対位置(以
下、スタイラス−ワイヤY軸方向相対位置と称する)お
よびリーマ60の回転軸線O、すなわち主軸台52,心
押台54の各センタ58,74の軸線のZ軸方向の位置
が検出される。
【0033】ワイヤ114とスタイラス166とはX軸
方向およびY軸方向における位置を互いに異にしてお
り、工具保持装置50を移動させるためのX軸,Y軸ス
ライド18,20の移動量は、ワイヤ114の中心線を
基準として算出されるとともに、スタイラス166のセ
ンタ保持部材72およびリーマ60に対するX軸方向お
よびY軸方向の位置決めには、高い精度が要求される。
そのため、ワイヤ114の中心線とスタイラス166の
球部167の中心とのX軸方向およびY軸方向における
各相対位置がわかっていることが必要であり、それらが
求められるのである。スタイラス−ワイヤX軸方向相対
位置およびスタイラス−ワイヤY軸方向相対位置を求め
る前は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれについて、
設計上の相対位置が使用され、求められた後は、求めら
れた相対位置が用いられる。また、センタ58,74の
軸線のZ軸方向の位置は、タッチセンサ140(スタイ
ラス166)をZ軸方向において所定の位置へ精度良く
移動させるために検出される。
【0034】まず、スタイラス−ワイヤY軸方向相対位
置の検出を説明する。検出時にはまず、前述のように、
工具保持装置50にリーマ60がセットされ、主軸台5
2および心押台54の各センタ58,74がリーマ60
のセンタ穴86,84に係合してリーマ60の軸線位置
を決める。
【0035】この状態で作業者がリーマ60を工具保持
装置50から外す。心押台54のセンタ保持部材72を
ばねの付勢力に抗して後退させ、リーマ60を主軸台5
2と心押台54との間から外すのであり、取外し後、セ
ンタ58,74間の距離(以下、センタ間距離と称す
る)を測定し、入力装置206を用いてコンピュータ2
02に入力する。センタ58,74はX軸方向に平行に
かつ同心に設けられており、センタ間距離はセンタ5
8,74がリーマ60を支持する際のX軸方向の距離で
ある。入力された値はセンタ間距離メモリ230に記憶
される。前述のように、センタ保持部材72は、ストッ
パにより規定される前進端位置より僅かに後退した位置
でセンタ74がリーマ60を支持するため、リーマ60
を取り外した状態で測定されるセンタ間距離は、リーマ
60を取り付けた状態でのセンタ間距離と全く同じでは
ないが、殆ど変わらない。センタ間距離は、ワイヤ11
4およびスタイラス166の球部167をセンタ保持部
材72に当てるために、両者のおおよその相対位置を取
得するために検出され、高い精度は要求されず、測定さ
れたセンタ間距離とリーマ60がセットされた状態での
センタ間距離とに少しの違いがあっても支障はない。ま
た、上記センタ間距離の取得により、ワイヤ114およ
びスタイラス166をセンタ保持部材72に当てるべ
く、センタ保持部材72にワイヤ114,スタイラス1
66を迂回させるとき等に両者が干渉することが回避さ
れる。
【0036】次いで、XYテーブル16により工具保持
装置50が移動させられ、図12に実線で示すように、
センタ保持部材72の外周面のY軸方向において一方の
側がワイヤ114に接触させられる。センタ保持部材7
2のXYテーブル16上におけるX軸方向の位置は、先
に測定したセンタ間距離,センタ74およびセンタ保持
部材72の寸法等からわかる。また、ワイヤ114のワ
イヤカット装置10におけるX軸方向およびY軸方向の
位置は、設計上、おおよそわかっており、これら距離,
寸法および位置に基づいてXYテーブル16が作動させ
られ、センタ保持部材72がY軸方向においてワイヤ1
14から小距離離れて隣接する位置へ移動させられる。
移動後、センタ保持部材72がY軸方向に移動させら
れ、図12に実線で示すように、センタ保持部材72の
外周面がワイヤ114に接触させられる。この際、ワイ
ヤ114には、放電加工時よりも極めて小さい電圧がか
けられ、センタ保持部材72との間に電流が流れるか否
かが図示しない電流検出装置によって検出されることに
より、ワイヤ114がセンタ保持部材72に接触したこ
とがわかる。
【0037】接触後、XYテーブル16により工具保持
装置50が移動させられ、心押台54が下アーム102
を迂回させられて、図12に二点鎖線で示すように、セ
ンタ保持部材72の外周面のY軸方向の他方の側がワイ
ヤ114に接触させられる。センタ保持部材72の外周
面の直径方向に隔たった2箇所にワイヤ114が接触さ
せられるのである。
【0038】センタ保持部材72のY軸方向において互
いに反対向きの2箇所がそれぞれワイヤ114に接触さ
せられたときのY軸スライド20の各Y座標値Y1 ,Y
2 に基づいて、その中間値(Y1 +Y2 )/2が算出さ
れる。この中間値(Y1 +Y 2 )/2は、ワイヤ114
の中心線とセンタ保持部材72の軸線とのY軸方向の位
置が一致する際のY軸スライド20のY座標値であり、
ワイヤ接触時Y座標値メモリ232に記憶される。
【0039】次に、XYテーブル16により工具保持装
置50が移動させられ、図13に示すように、センタ保
持部材72の外周面のY軸方向において互いに逆向きの
2箇所、すなわち直径方向に隔たった2箇所をタッチセ
ンサ140のスタイラス166の球部167に接触させ
る。センタ保持部材72のZ軸方向の位置は、装置設計
上、おおよそわかっており、スタイラス166はセンサ
昇降用エアシリンダ146により、Z軸スライド96上
において下降端位置へ移動させられるとともに、Z軸ス
ライド96により、球部167の中心がZ軸方向におい
てセンタ保持部材72の軸線とほぼ一致する位置へ下降
させられる。
【0040】この状態でXYテーブル16により工具保
持装置50が移動させられる。センタ保持部材72の外
周面をスタイラス166の球部167に接触させる際に
は、接触によりタッチセンサ140が接触信号を発生
し、Y軸スライド20を停止させることができるため、
球部167の中心とワイヤ114の中心線との間の設計
上の距離が使用される。
【0041】センタ保持部材72がスタイラス166に
対してY軸方向において小距離離れて隣接する位置へ移
動させられた後、スタイラス166に向かってY軸方向
へ移動させられ、図13に実線で示すように、センタ保
持部材72の外周面のY軸方向において一方の側がスタ
イラス166の球部167の外面に接触させられる。セ
ンタ保持部材72が球部167に接触したことは、タッ
チセンサ140が接触信号を発生することによりわか
る。その後、センタ保持部材72が移動させられ、その
外周面のY軸方向において他方の側が、図13に二点鎖
線で示すように、球部167の外面に接触させられる。
【0042】接触後、センタ保持部材72のY軸方向に
おいて互いに反対向きの2箇所がそれぞれスタイラス1
66の球部167の外面に接触させられたときのY軸ス
ライド20の2つのY座標値(Y3 ,Y4 )の中間値
(Y3 +Y4 )/2が算出される。この中間値(Y3
4 )/2は、球部167の中心とセンタ保持部材72
の軸線との位置がY軸方向において一致する際のY軸ス
ライド20のY座標値であり、スタイラス接触時Y座標
値メモリ234に記憶される。
【0043】次いで、センタ保持部材72のワイヤ11
4への接触により得られたY座標値(Y1 +Y2 )/2
と、センタ保持部材72のスタイラス166の球部16
7への接触により得られたY座標値(Y3 +Y4 )/2
とに基づいて、ワイヤ114の中心線と球部167の中
心とのY軸方向における相対位置が求められ、スタイラ
ス−ワイヤY軸方向相対位置メモリ236に記憶され
る。
【0044】検出後、タッチセンサ140がZ軸スライ
ド96上における下降端位置へ下降させられたままの状
態でZ軸スライド96により上昇させられる。次いで、
XYテーブル16により工具保持装置50が移動させら
れ、スタイラス166がセンタ保持部材72の上方に位
置するとともに、球部167の中心とセンタ保持部材7
2の軸線とのY軸方向の位置が一致する位置へセンタ保
持部材72が移動させられる。Y軸スライド20の移動
量は、スタイラス−ワイヤY軸方向相対位置メモリ23
6に記憶されたデータに基づいて算出され、センタ保持
部材72は、スタイラス166の球部167の中心とセ
ンタ保持部材72の軸線との位置がY軸方向において一
致する位置へ精度良く移動させられる。X軸方向におい
ては、スタイラス166がセンタ保持部材72に接触す
ればよく、位置決め精度は要求されず、センタ間距離お
よびセンタ74,センタ保持部材72の寸法に基づい
て、センタ保持部材72はスタイラス166が接触する
位置へ移動させられる。
【0045】移動後、Z軸スライド96によりタッチセ
ンサ140が下降させられ、球部167の下面がセンタ
保持部材72の上面に接触させられる。タッチセンサ1
40は、センタ保持部材72の軸線を含む垂直面上にお
いて、センタ保持部材72の外周面に接触させられるの
である。センタ保持部材72の直径は装置設計上、わか
っており、図14に示すように、接触時におけるZ軸ス
ライド96のZ座標値Z1 およびセンタ保持部材72の
半径Rに基づいて、球部167の下面とセンタ保持部材
72の軸線とのZ軸方向における位置が一致する際のZ
軸スライド96のZ座標値Z0 が算出され、リーマ60
の回転軸線OのZ軸方向の位置として回転軸線Z座標値
メモリ238に記憶される。センタ保持部材72の軸線
と、センタ58,74により支持されるリーマ60の回
転軸線Oとは同一直線上にあり、図14においてセンタ
保持部材72の軸線はOで表されている。
【0046】次に、スタイラス166およびワイヤ11
4のX軸方向の相対位置が求められる。この相対位置を
求めるために計測ブロック270が使用される。スタイ
ラス166とワイヤ114とのX軸方向の相対位置を求
めるときには、まず、XYテーブル16により工具保持
装置50が移動させられ、図15に実線で示すように、
一対の計測面276のうちの一方がワイヤ114に接触
させられる。計測面276の基台44上におけるX軸方
向およびY軸方向の位置ならびにワイヤ114のワイヤ
カット装置10におけるX軸方向およびY軸方向の位置
は、設計上、おおよそわかっており、これらの位置に基
づいてXYテーブル16が作動させられ、計測ブロック
270は、一対の計測面276の間にワイヤ114が位
置する位置へ移動させられる。移動後、計測ブロック2
70がX軸方向へ移動させられ、図15に実線で示すよ
うに、一方の計測面276がワイヤ114に接触させら
れる。
【0047】接触後、XYテーブル16により計測ブロ
ック270がX軸方向へ移動させられ、図15に二点鎖
線で示すように、他方の計測面276がワイヤ114に
接触させられる。計測ブロック270の互いに対向する
一対の計測面276がそれぞれ、ワイヤ114に接触さ
せられたときのX軸スライド18の各X座標値(X1
2 )に基づいて、その中間値(X1 +X2 )/2が算
出される。この中間値(X1 +X2 )/2は、ワイヤ1
14の中心線と、一対の計測面276のX軸方向におけ
る中間位置とが一致する際のX軸スライド18のX座標
値であり、ワイヤ接触時X座標値メモリ231に記憶さ
れる。
【0048】次に、XYテーブル16により計測ブロッ
ク270が移動させられ、図16に示すように、一対の
計測面276がタッチセンサ140のスタイラス166
の球部167に接触させられる。一対の計測面276の
Z軸方向の位置は、装置設計上、おおよそわかってお
り、スタイラス166はZ軸スライド96上において下
降端位置へ下降させられるとともに、X軸スライド96
により、球部167の中心がZ軸方向において計測面2
76と対向する位置へ下降させられる。
【0049】この状態でXYテーブル16により計測ブ
ロック270が移動させられる。この場合にも、スタイ
ラス166およびワイヤ114のX軸方向およびY軸方
向の相対位置は、設計上、わかっている相対位置が用い
られてXYテーブル16が作動させられる。計測ブロッ
ク270が、一対の計測面276の間に球部167が位
置する位置へ移動させられるとともに、図16に実線で
示すように、一方の計測面276が球部167の外面に
接触させられる。次いで、計測ブロック270がX軸方
向に移動させられ、図16に二点鎖線で示すように、他
方の計測面276が球部167に接触させられる。な
お、計測ブロック270を移動させるとき、Y軸方向に
おいては、先に検出されたスタイラス166とワイヤ1
14との相対位置を用いてXYテーブル16を作動させ
てもよい。
【0050】接触後、一対の計測面276がそれぞれス
タイラス166の球部167の外面に接触させられたと
きのX軸スライド18の2つのX座標値(X3 ,X4
の中間値(X3 +X4 )/2が算出される。この中間値
(X3 +X4 )/2は、球部167の中心と一対の計測
面276のX軸方向の中間位置とが一致する際のX軸ス
ライド18のX座標値であり、スタイラス接触時X座標
値メモリ233に記憶される。
【0051】次いで、一対の計測面276のワイヤ11
4への接触により得られたX座標値(X1 +X2 )/2
と、一対の計測面276のスタイラス166の球部16
7への接触により得られたX座標値(X3 +X4 )/2
とに基づいて、ワイヤ114の中心線と球部167の中
心とのX軸方向における相対位置が求められ、スタイラ
ス−ワイヤX軸方向相対位置メモリ235に記憶され
る。
【0052】上記センタ保持部材72のワイヤ114へ
の接触,Y座標値(Y1 +Y2 )/2の算出,センタ保
持部材72のY軸方向におけるスタイラス166の球部
167への接触,Y座標値(Y3 +Y4 )/2の算出,
スタイラス−ワイヤY軸方向相対位置の算出,球部16
7のZ軸方向におけるセンタ保持部材72への接触,Z
座標値Z0 の算出,一対の計測面276のワイヤ114
への接触,X座標値(X1 +X2 )/2の算出,一対の
計測面276の球部167への接触,X座標値(X3
4 )/2の算出,スタイラス−ワイヤX軸方向相対位
置の算出は、前記センタ間距離が入力されれば、ROM
に格納されたプログラムに従って自動的に実行される。
【0053】次に、リーマ60の検出回転位置およびチ
ップ82のすくい面90の高さ(Z軸に平行な方向の位
置)の検出が行われる。検出時には、まず、作業者がリ
ーマ60を工具保持装置50にセットし、センタ58,
74をリーマ60のセンタ穴86,84に係合させる。
【0054】この状態で、まず、リーマ60のX軸方向
の位置、すなわち軸方向位置が検出される。この検出
は、図17に示すように、リーマ60の刃部側の端面9
5にワイヤ114を接触させることにより行われる。X
Yテーブル16により工具保持装置50が移動させら
れ、リーマ60のセンタ74により支持された刃部側の
端面95のセンタ74から外れた部分にワイヤ114が
接触させられる。リーマ60の端面95のX軸方向およ
びY軸方向の位置は、先に検出したセンタ間距離および
リーマ60の寸法からおおよそわかっており、リーマ6
0は、ワイヤ114が端面95からX軸方向において小
距離離れて位置する位置へ移動させられた後、X軸方向
へ移動させられ、端面95にワイヤ114が接触させら
れる。それにより端面95のX軸方向の位置が検出さ
れ、工具X軸方向位置メモリ248に記憶される。な
お、図17においては、図示の都合上、ワイヤ114は
拡大されて図示されている。
【0055】検出後、作業者が主軸を手動で回転させ、
図18(a)に示すように、リーマ60が有する2個の
チップ82のうちの一方を、Y軸方向において回転軸線
Oに対してスタイラス166側に位置し、かつ、Z軸方
向において回転軸線Oを含む水平面より下側に位置させ
る。複数個(本実施形態においては2個)のチップ82
のうちの1個が、そのすくい面90が上向きとなり、か
つ、すくい面90の外周側の部分ほど下方へ傾斜すると
ともに、そのチップ82に対して、リーマ60の正の回
転方向において下流側に隣接するチップ82が、下降す
るタッチセンサ140と干渉しない位置に位置させられ
るのである。ワイヤ114とスタイラス166とはX
軸,Y軸方向において離れて設けられており、Y軸方向
においてスタイラス166が位置する側を正方向、ワイ
ヤ114が位置する側を負方向とすれば、2個のチップ
82のうちの一方を回転軸線Oに対して正方向側に位置
させることとなる。このときのリーマ60の回転位置で
ある回転スタート位置WS が回転スタート位置メモリ2
40に記憶される。
【0056】タッチセンサ140は、図19に示すよう
に、すくい面90について設定された2つの測定点(図
中、点P1 および点P2 で示される点)に接触させられ
る。測定点P1 は、主切れ刃91と副切れ刃92との交
点に設定され、すくい面90が水平かつ上向きになる状
態において、リーマ60の回転軸線OからY軸方向にお
いて正方向へ距離LY1離れ、X軸方向においては、端面
95から距離LX1離れた位置に設定されている。測定点
2 は、X軸方向の位置は測定点P1 と同じであり、Y
軸方向においては、測定点P1 より回転軸線O側へ距離
Y2入った位置に設定されている。これら距離LX1,L
Y1,LY2は、予めタッチセンサ接触位置メモリ242に
記憶されている。なお、図19には、加工が済んだ状態
のチップ82が図示されているが、加工前のチップ82
には加工代(取代)がある。点P 1 からX軸方向,Y軸
方向において加工前のチップ82の縁までは加工代分の
距離があるのであり、スタイラス166の球部167を
測定点P1 においてチップ82に接触させるとき、球部
167がチップ82から外れることはない。図18に示
す測定点P1 についても同じである。
【0057】まず、測定点P1 にスタイラス166の球
部167が接触させられる。上記距離LY1,LX1に基づ
いてXYテーブル16により工具保持装置50が移動さ
せられ、Y軸方向においては回転軸線Oから正方向へ距
離LY1離れ、X軸方向においては端面95から距離LX1
離れた位置に球部167の中心が位置する位置へリーマ
60が移動させられる。移動後、タッチセンサ140が
Z軸スライド96上において下降端位置へ移動させられ
た状態でZ軸スライド96が下降させられ、図18
(a)に示すように、球部167の下面がリーマ60の
回転軸線Oより距離Dだけ上方に位置する位置へ下降さ
せられる。この際のZ軸スライド96のZ座標値は、回
転軸線OのZ座標値Z0 および距離Dに基づいて算出さ
れ、球部167の下面の位置が、リーマ60の回転軸線
Oを含む水平面より上側に設定されている。前述のよう
に、リーマ60が心上がりに構成されているからであ
る。また、距離Dは、チップ82の形成位置誤差のない
すくい面90が上向きかつ水平となった状態におけるす
くい面90とリーマ60の回転軸線OとのZ軸方向の距
離に等しい。
【0058】球部167の下面が、回転軸線Oから距離
Dだけ上方に位置させられた状態で、図18(b)に矢
印で示すように、主軸が自動的に正方向、すなわちリー
マ60が切削加工を行う際の回転方向と同じ方向へ回転
させられ、チップ82のすくい面90が球部167に接
触させられる。スタイラス166は上アーム100に下
向きに設けられており、上向きのすくい面90に上方か
ら接触させられる。すくい面90が球部167に接触す
れば、接触信号が発せられ、すくい面90が球部167
に接触したことがわかる。接触後、タッチセンサ140
がZ軸スライド96により上昇させられ、球部167が
すくい面90から離間させられた後、リーマ60がY軸
方向において距離LY2移動させられ、スタイラス166
の球部167の中心がチップ82の測定点P2 の上方に
位置させられる。移動後、タッチセンサ140がZ軸ス
ライド96により下降させられて球部167がすくい面
90に接触させられる。
【0059】すくい面90の高さは、球部167がすく
い面90に接触させられたときのZ軸スライド96の位
置(Z座標値)により表される。接触後、球部167が
測定点P1 に接触した際のZ軸スライド96のZ座標値
および測定点P2 に接触した際のZ軸スライド96のZ
座標値との差の絶対値が設定値以下であるか否かの判定
が行われる。
【0060】2つのZ座標値の差の絶対値が設定値と比
較され、設定値以下であれば、すくい面90は水平であ
ると判定される。本実施形態において「予め定められた
条件」は、すくい面90が水平になるということであ
り、すくい面90が水平であると判定されたときのタッ
チセンサ140のZ軸方向の位置が作用位置であり、作
用位置に位置するタッチセンサ140の球部167にす
くい面90が接触した際のリーマ60の回転位置W0
検出回転位置である。また、すくい面90が水平である
と判定され、作用位置にあるタッチセンサ140がすく
い面90に接触させられたときのチップ82の位置が検
出位置である。
【0061】検出回転位置は、チップ82の数と等しい
数あり、ここでは、リーマ60について最初に検出回転
位置が検出されたとき、すくい面90が上向きかつ水平
となるチップ82を基準刃と称し、その他のチップ82
を一般刃と称する。検出回転位置W0 およびすくい面9
0の高さ(Z軸方向の位置)、すなわちZ軸スライド9
6のZ座標値は、基準刃用検出回転位置・すくい面高さ
メモリ244に記憶される。すくい面90の高さがZ軸
スライド96のZ座標値によって表されることにより、
水平な状態におけるすくい面90の回転軸線Oに対する
Z軸方向の位置がわかる。なお、すくい面90の高さは
2つ得られ、いずれを記憶してもよいが、本実施形態で
は、加工後に切れ刃となるべき点である測定点P1 につ
いて測定された高さが記憶される。2つの高さの平均値
を算出して記憶してもよい。
【0062】すくい面90の形成位置に誤差があり、2
つのZ座標値の差の絶対値が設定値より大きければ、す
くい面90が水平ではないと判定され、リーマ60の回
転位置が修正された上、再度、測定が行われる。2つの
Z座標値の差の正負の符号から、すくい面90の水平面
に対する傾斜方向がわかり、2つのZ座標値の差の絶対
値および測定点P1 ,P2 間の距離から傾斜角度がわか
る。タッチセンサ140は、Z軸スライド96上におい
て下降端位置に位置させられたままの状態でZ軸スライ
ド96により上昇させられ、球部167がすくい面90
から離間させられる。また、リーマ60は、回転軸線O
からY軸方向へ距離LY1離れた位置に球部167の中心
が位置する位置へ移動させられるとともに、すくい面9
0の傾斜をなくすべく、回転させられる。リーマ60
は、すくい面90の水平面に対して検出された傾斜角度
と等しい角度、傾斜をなくす方向へ回転させられる。
【0063】その後、タッチセンサ140のZ軸スライ
ド96による昇降およびリーマ60の移動により、球部
167が測定点P1 およびP2 に接触させられて、すく
い面90の各測定点P1 およびP2 における高さ(Z座
標値)が検出され、2つのZ座標値の差の絶対値が設定
値以下であるか否かが判定される。これらリーマ60の
回転位置の修正およびすくい面90の高さの検出は、す
くい面90が水平であると判定されるまで繰り返し行わ
れる。
【0064】水平なすくい面90に接触した際のタッチ
センサ140の位置が作用位置であるが、すくい面90
には形成位置誤差があることがあるため、作用位置は予
め定められず、水平なすくい面90に接触する際のタッ
チセンサ140の下降が、結果的に、作用位置への下降
であることとなる。タッチセンサ140は、すくい面9
0への接触時には、センサ昇降用エアシリンダ146に
よって予め定められた上昇端位置から下降端位置へ下降
させられ、下降端位置近傍においてエアクッションによ
り減速させられる。タッチセンサ140は更に、Z軸ス
ライド96の移動により昇降させられるが、下降端位置
は作用位置の近傍に設定されるため、実質的にタッチセ
ンサ140は作用位置の近傍で減速されることとなる。
【0065】タッチセンサ140は、複数のチップ82
の各々のすくい面90に接触させられるが、各すくい面
90の形成位置誤差は互いに異なるのが普通であり、複
数の刃の各々に対応するタッチセンサ140の作用位置
は互いに異なるのが普通である。また、すくい面90に
は形成位置誤差があり、回転軸線Oより距離D、上方に
位置する球部167にすくい面90を接触させる際のリ
ーマ60の回転が検出回転位置への回転になるとは限ら
ず、すくい面90が水平になる位置への回転が、リーマ
60の検出回転位置への回転になる。
【0066】基準刃たるチップ82のすくい面90が水
平であると判定されたときのリーマ60の検出回転位置
およびすくい90の高さが検出されたならば、リーマ6
0が正方向へ回転させられ、すくい面90の高さの検出
の済んだチップ82が検出位置からタッチセンサ140
と接触しない退避位置へ退避させられる。この退避に先
立ってリーマ60が移動させられ、回転軸線OからY軸
方向において正方向へ距離LY1離れた位置に球部167
の中心が位置させられるとともに、タッチセンサ140
がセンサ昇降用エアシリンダ146により、Z軸スライ
ド96上において上昇端位置へ上昇させられる。タッチ
センサ140がチップ82の旋回経路内から退避させら
れるのであり、それにより、主軸の正方向の回転により
基準刃たるチップ82が検出位置から退避位置へ退避さ
せられるとき、スタイラス166との干渉が回避され
る。タッチセンサ140は、作用位置に位置する状態か
ら、センサ昇降用エアシリンダ146によって上昇端位
置へ移動させられ、この際のタッチセンサ140の上昇
端位置が退避位置であり、退避位置は作用位置に応じて
異なることとなる。
【0067】チップ82が検出位置から退避位置へ退避
するためのリーマ60の回転角度は、次にタッチセンサ
140が、Z軸スライド96上において下降端位置へ移
動させられるとともに、Z軸スライド96の移動によ
り、球部167の下面が、回転軸線Oから距離Dだけ、
上方に位置する位置へ移動させられる際に、退避位置へ
退避させられたチップ82がスタイラス166と干渉せ
ず、次にタッチセンサ140に接触させられるチップ8
2が検出位置に至ることのない大きさに設定されてい
る。ここでは、リーマ60に設けられたチップ82の数
がわかっていないため、リーマ60に設けられることが
予定される最大数のチップ82が設けられているものと
してリーマ60の回転角度が設定される。ここでは、タ
ッチセンサ140は、測定点P1 ,P2 のうち、チップ
82の回転軸線Oからの距離が大きい測定点P1 から先
に接触させられ、Y軸方向において回転軸線Oからの距
離が大きい位置にスタイラス166が位置する状態でリ
ーマ60が回転させられるため、チップ82を検出位置
から退避位置へ退避させるためのリーマ60の回転角度
が小さくて済む。
【0068】リーマ60が回転させられ、チップ82が
退避位置へ退避させられた後、タッチセンサ140がセ
ンサ昇降用エアシリンダ146により、Z軸スライド9
6上において下降端位置へ下降させられるとともに、Z
軸スライド96の移動により、球部167の下面が、回
転軸線Oから距離D、上方へ離れた位置へ移動させら
れ、その後、リーマ60が正方向に回転させられ、基準
刃たるチップ82に続くチップ82がスタイラス166
に接触させられる。このチップ82が一般刃であり、基
準刃たるチップ82と同様に、すくい面90が水平とな
る状態でのリーマ60の検出回転位置およびすくい面9
0の高さが検出され、検出回転位置およびすくい面90
の高さ(Z軸スライド96のZ座標値)が一般刃用検出
回転位置・すくい面高さメモリ246に記憶される。
【0069】そして、タッチセンサ140が退避位置へ
退避させられるとともに、リーマ60が移動させられ、
球部167の中心が、回転軸線OからY軸方向において
正方向に距離LY1離れた位置に位置させられる。リーマ
60が回転させられ、チップ82が退避位置へ退避させ
られた後、タッチセンサ140は、下降端位置へ下降さ
せられるとともに、球部167の下面が、回転軸線Oか
ら上方へ距離D、離れた位置へ移動させられる。その
後、リーマ60が回転させられてチップ82のすくい面
90が球部167にさせられるが、リーマ60にはチッ
プ82が2個設けられているのみであり、このすくい面
90の球部167への接触時には主軸が360度回転す
ることから、既にすくい面90の高さが検出されたチッ
プ82であることがわかる。そして、一般刃用検出回転
位置・すくい面高さメモリ246に記憶されたデータが
1個であることから、リーマ60はチップ82を2個有
していることがわかる。上記リーマ60の移動,回転、
タッチセンサ140の昇降,検出回転位置,チップ82
のすくい面90の高さの検出は、リーマ60の回転スタ
ート位置WS への回転後、自動的に行われる。
【0070】リーマ60の検出回転位置およびチップ8
2のすくい面90の高さの検出後、ワイヤカット加工が
行われる。スタイラス166とワイヤ114とは、Y軸
方向において、直径が最も大きい回転切削工具の直径よ
り大きい距離を隔てて設けられており、チップ82への
スタイラス166の接触と、ワイヤカット加工とを、Y
軸方向において回転軸線Oに対して反対側の位置で行う
ことができる。また、リーマ60は心上がりに構成され
ており、タッチセンサ140は上向きのすくい面90に
上方から接触させられるため、ワイヤカット加工が行わ
れるとき、チップ82は、すくい面90が下向きかつ水
平になり、回転軸線Oを含む水平面より下側に位置する
加工位置に位置させられる。本実施形態において、すく
い面90を下向きにしてチップ82を加工するのは、す
くい面90を上向きにして加工する場合より面粗度が良
いからである。チップ82の加工位置と検出位置とは1
80度隔たっており、チップ82が加工位置に位置する
際のリーマ60の回転位置、すなわち加工回転位置は、
チップ82が検出位置に位置する際の回転位置である検
出回転位置から求められる。また、前記タッチセンサ1
40の作用位置は、チップ82が加工位置と180度隔
たった検出位置にあるとき、そのチップ82のすくい面
90にタッチセンサ140が丁度接触する位置であるこ
ととなる。
【0071】本実施形態においては、基準刃たるチップ
82から加工が開始される。全部のチップ82について
すくい面90の高さが検出されるとともに、すくい面9
0が水平な状態におけるリーマ60の検出回転位置が検
出された後、リーマ60が回転させられた状態では、リ
ーマ60は、基準刃たるチップ82のすくい面90が、
回転軸線Oから距離Dだけ上方に位置する球部167の
下面に接触する位置にある。リーマ60は、基準刃たる
チップ82が検出位置に位置する際の回転位置である検
出回転位置W0 から正方向へ180度隔たった加工回転
位置へ回転させられ、基準刃たるチップ82がY軸方向
において回転軸線Oを超えて検出位置から加工位置へ移
動させられる。リーマ60が加工回転位置へ割り出され
るのである。なお、ワイヤカット加工時には、タッチセ
ンサ140は、Z軸スライド96上において上昇端位置
へ移動させられて退避させられている。
【0072】ワイヤカット加工は、ワイヤ114を垂直
面に対して傾斜させて行われる。主切れ刃91および副
切れ刃92のうち、副切れ刃92が先に加工されるとす
れば、ワイヤ114は垂直な方向から、すくい面90に
直角で副切れ刃92を含む面(本実施形態においては、
すくい面90が水平であるため、副切れ刃92を含む垂
直面である)に対して、副逃げ面94の逃げ角に相当す
る角度だけ傾斜させられる。副逃げ面94の傾斜角度は
予めRAM198に記憶されており、その傾斜角度に基
づいて下アーム102が上アーム100に対して移動さ
せられ、ワイヤ114が傾斜させられる。
【0073】また、加工開始時には、XYテーブル16
の移動により、リーマ60はX軸方向においてはチップ
82から小距離離れた位置にワイヤ114が位置する位
置に位置させられ、Y軸方向においては、リーマ60に
設定された径が得られる位置に位置させられる。ワイヤ
114とリーマ60とのY軸方向の相対位置は、すくい
面90(チップ82)の高さおよびワイヤ114の傾斜
角度に基づいて、チップ82の所望の位置に切れ刃が形
成される位置(リーマ60に所定の半径が得られる位
置)に設定される。
【0074】ワイヤ114が傾斜させられて加工が行わ
れるため、図20に示すように、ワイヤ114のY軸方
向の位置が同じであっても、すくい面90の高さが異な
れば、リーマ60の径が変わるからである。図20にお
いて、すくい面90がZ軸方向において実線で示す位置
(高さ)にあり、ワイヤ114がY軸方向において実線
で示す位置に位置する状態で加工が行われるとき、リー
マ60に所望の半径Rが得られるとすれば、例えば、す
くい面90の高さ方向の位置が二点鎖線で示すようにず
れているとき、実線で示すワイヤ114の加工により得
られるリーマ60の半径R´は、所望の半径Rより小さ
くなる。この際、ワイヤ114のチップ82に対するY
軸方向の位置を二点鎖線で示す位置にすれば、すくい面
90が高さ方向において二点鎖線で示す位置にあって
も、リーマ60に所望の半径Rを得ることができる。な
お、図20においてチップ82は、加工が終了した状態
が図示されており、加工代は図示されていない。また、
実際には、Y軸方向に移動するのはリーマ60であっ
て、ワイヤ114は移動しないが、図20においては、
図示を容易にするために、ワイヤ114が移動させられ
て、リーマ60とワイヤ114とのY軸方向の相対位置
が調節されるものとして図示が為されている。さらに、
図20においては理解を容易にするために、チップ82
およびすくい面90の高さ方向のずれがそれぞれ拡大さ
れて図示されている。
【0075】加工位置においては、すくい面90は水平
かつ下向きとなり、回転軸線Oを含む水平面より下側に
位置するが、回転軸線Oからの距離、すなわち下向きの
状態での高さは、すくい面90が水平かつ上向きとなる
状態でのZ軸スライド96のZ座標値および回転軸線O
のZ座標値からわかり、すくい面90の高さ,リーマ6
0の設定半径(所望の半径)およびワイヤ114の傾斜
角度(副逃げ面94の逃げ角)に基づいて、予め設定さ
れている式に従って演算が行われ、ワイヤ114とリー
マ60とのY軸方向における相対位置が算出される。す
くい面90の高さ,ワイヤ114の傾斜角度およびリー
マ60の設定半径とワイヤ114のリーマ60に対する
Y軸方向の位置との関係を規定するマップを予め作成し
て記憶手段に記憶させておき、そのマップに基づいてワ
イヤ114とリーマ60とのY軸方向における相対位置
を求めてもよい。
【0076】ワイヤ114が傾斜させられ、リーマ60
がX軸方向およびY軸方向において加工開始位置に位置
する状態で通電ブロック110,128に電圧が供給さ
れ、XYテーブル16によりリーマ60がX軸方向へ移
動させられ、ワイヤ114によりチップ82が加工さ
れ、所望の位置に副切れ刃92および副逃げ面94が形
成される。すくい面90の高さに基づいてワイヤ114
とリーマ60とのY軸方向の相対位置が設定されてお
り、副切れ刃92および副逃げ面94は、1回の加工で
高い位置精度で形成される。
【0077】副切れ刃92および副逃げ面94の形成
後、主切れ刃91および主逃げ面93が加工される。こ
の際、ワイヤ114は、すくい面90に直角で主切れ刃
91を含む面(本実施形態においては主切れ刃91を含
む垂直面)に対して、主逃げ面93の逃げ角に相当する
角度だけ傾斜させられる。加工時には、XYテーブル1
6によりリーマ60がX軸方向およびY軸方向に移動さ
せられ、チップ82に主逃げ面93が形成され、主切れ
刃91が形成される。リーマ60のX軸方向の位置は検
出されており、また、副切れ刃92の形成により、チッ
プ82のY軸方向の位置はわかっており、加工開始時に
おけるリーマ60の軸方向(X軸方向)および半径方向
(Y軸方向)の位置が精度良く設定され、主切れ刃91
および主逃げ面93が位置精度良く形成される。
【0078】基準刃たるチップ82の加工後、リーマ6
0が移動させられ、X軸方向およびY軸方向において加
工開始時の位置へ戻される。また、リーマ60が正方向
へ回転させられ、次に加工されるチップ82が加工位置
に位置する加工回転位置へ割り出される。この際のリー
マ60の回転角度は、一般刃たるチップ82が検出位置
に位置する際のリーマ60の検出回転位置から、基準刃
たるチップ82が検出位置に位置する際のリーマ60の
検出回転位置を引いた差に等しい角度である。このよう
にリーマ60は、検出回転位置に基づいて加工回転位置
へ割り出されるため、すくい面90に形成位置誤差があ
っても、精度良く加工回転位置へ割り出される。
【0079】一般刃たるチップ82についても、基準刃
たるチップ82と同様に加工が施される。このチップ8
2の加工が終了すれば、リーマ60の加工は終わりであ
り、リーマ60はXYテーブル16の作動により加工開
始時の位置へ戻された後、作業者によりリーマ60が工
具保持装置50から取り外され、次に加工されるリーマ
60が工具保持装置50にセットされる。このリーマ6
0についても同様に、検出回転位置およびチップ82の
すくい面90の高さの検出が行われ、検出終了後、ワイ
ヤカット加工が行われる。2個目以降のリーマ60の加
工時には、ワイヤ−スタイラスX軸方向相対位置,ワイ
ヤ−スタイラスY軸方向相対位置,センタ保持部材72
の軸線とスタイラス167の球部167の下面とのZ軸
方向の位置が一致する際のZ軸スライド96のZ座標値
は既に検出されているため、それらの検出は行われない
が、リーマ60のX軸方向の位置の検出は行われる。そ
して、リーマ60が回転スタート位置へ手動で回転させ
られ、検出回転位置等の検出およびワイヤカット加工が
自動で行われる。
【0080】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、XYテーブル16が相対移動装置を構成
し、センサ昇降用エアシリンダ146がセンサ昇降装置
を構成し、Z軸スライド96とZ軸移動用サーボモータ
98を含むZ軸スライド移動装置とがアーム昇降装置を
構成し、これらセンサ昇降装置およびアーム昇降装置が
共同してセンサ移動装置を構成している。また、タッチ
センサ140,センサ取付装置142,上アーム10
0,Z軸スライド96,Z軸移動用サーボモータ98お
よびエンコーダ260がすくい面高さ検出装置を構成し
ている。さらに、RAM198の基準刃用検出回転位置
・すくい面高さメモリ244および一般刃用検出回転位
置・すくい面高さメモリ246を構成する部分が記憶手
段を構成し、制御装置180の、主軸駆動用サーボモー
タ56を制御して、リーマ60を検出回転位置へ回転さ
せるとともに、センサ昇降用エアシリンダ146(電磁
方向切換弁184)およびZ軸移動用サーボモータ98
を制御してタッチセンサ140を作用位置へ移動させる
部分が回転位置決め制御手段を構成し、制御装置180
の、主軸駆動用サーボモータ56を制御してリーマ60
を加工回転位置に位置決めさせるとともに、ワイヤカッ
ト加工時に、すくい面90の高さ等を考慮してXYテー
ブル16を制御し、所望の位置に切れ刃が形成される位
置に、上,下アーム100,102と工具保持装置50
とを水平面内において相対移動させる部分が加工制御手
段を構成している。
【0081】なお、タッチセンサ140に代えて、対象
物の変位に応じた電気信号を出力する電気的変位測定器
を用いてもよい。例えば、図21に示すように、電気マ
イクロメータ300を用いる。位置を固定して設けられ
た保持部材302には、昇降装置の一種であって流体圧
アクチュエータたる昇降用エアシリンダ304が下向き
に設けられており、昇降用エアシリンダ304のピスト
ンロッド306の先端部に設けられた昇降部材たる移動
部材308に電気マイクロメータ300が設けられてい
る。ピストンロッド306の伸縮により、電気マイクロ
メータ300が予め定められた下降端位置と上昇端位置
との間で移動させられる。下降端位置は、移動部材30
8が、保持部材302に設けられたアジャストボルト3
10に当接することにより規定される。アジャストボル
ト310は、位置調節可能なストッパ部材(ピストンが
下降する際のストロークエンドの調節可能なストローク
エンド規定部材であるとも言える)であり、電気マイク
ロメータ300の下降端位置が調節される。昇降用エア
シリンダ304にはエアクッションが設けられ、ピスト
ンのストロークエンド近傍(上昇端位置近傍および下降
端位置近傍)における移動速度が減速されるようにされ
ている。電気マイクロメータ300の下降端位置への移
動速度を上昇端位置への移動速度より遅くしてもよい。
【0082】電気マイクロメータ300は、測定子31
6,測定子316の機械的変位を電気信号に変換する差
動トランス318を備えている。測定子316は、ケー
シング320に、リーマ60の回転軸線と平行な軸線ま
わりに回動可能に設けられており、測定子316が変位
すると、それに応じて差動トランス318のコア322
が移動し、変位が正あるいは負の電気信号として取り出
される。
【0083】リーマ60の検出回転位置およびすくい面
90の高さの検出時には、電気マイクロメータ300が
下降端位置へ下降させられるとともに、リーマ60が回
転させられてすくい面90が測定子316に接触させら
れる。電気マイクロメータ300の下降端位置は、すく
い面90の高さにずれがあっても、電気信号の値が測定
範囲から外れることのない位置に調節されている。測定
子316は、前記実施形態におけると同様に、すくい面
90のY軸方向に隔たった2箇所の測定点P1,P2
接触させられる。
【0084】測定子36の測定点P1 への接触後、リー
マ60が移動させられ、測定子316が二点鎖線で示す
ように測定点P2 に接触させられる。リーマ60の移動
の際、電気マイクロメータ300は下降端位置に位置さ
せられたままであって、測定子316がすくい面90に
接触させられたままの状態でリーマ60が移動させられ
る。そして、測定子316が測定点P2 に接触した状態
で得られる電気信号と、測定点P1 に接触した状態で得
られた電気信号との差の絶対値が設定値と比較され、設
定値以下であれば、すくい面90は水平であると判定さ
れ、設定値より大きければ、水平ではないと判定され
る。すくい面90が水平でない場合、2つの電気信号の
差の正負の符号,絶対値および測定点P1 ,P2 のY軸
方向の距離に基づいて、すくい面90が水平になるよう
にリーマ60が回転させられ、回転後、再び測定子31
6が測定点P1 ,P2 に接触させられてすくい面90が
水平であるか否かの判定が行われる。
【0085】すくい面90が水平であると判定されれ
ば、電気マイクロメータ300が上昇端位置へ上昇させ
られるとともに、リーマ60は、測定点P1 に測定子3
16が接触する位置へ移動させられる。そして、リーマ
60が回転させられ、すくい面の高さが検出されたチッ
プ82が退避位置へ退避させられるとともに、次に高さ
が検出されるチップ82が、下降端位置に位置する際の
電気マイクロメータ300の測定子316から小距離下
方へ離れた位置へ移動させられる。電気マイクロメータ
300の下降端位置への下降後、リーマ60が回転させ
られてチップ82のすくい面90が測定子316に接触
させられる。
【0086】なお、アジャストボルト310を用いて昇
降用エアシリンダ304のピストンの下降端位置を調節
するのに代えて、昇降用エアシリンダ304を、サーボ
モータ等の電動モータを駆動源とする昇降装置により昇
降させて下降端位置を調節してもよい。電気マイクロメ
ータ300は、昇降装置により昇降させられる昇降部材
上に設けられ、昇降用エアシリンダ304により上昇端
位置と下降端位置との間で昇降させられるとともに、昇
降部材が昇降させられることにより、下降端位置が調節
される。
【0087】上記各実施形態においては、リーマ60に
設けられたチップ82の数はわからず、チップ82の
数,全部のチップ82の各すくい面90が水平になる状
態でのリーマ60の検出回転位置およびすくい面90の
高さが検出されるようになっていたが、基準刃たるチッ
プ82が検出位置に位置する際のリーマ60の検出回転
位置およびチップ82の数、あるいは全部のチップ82
がそれぞれ検出位置に位置する際のリーマ60の検出回
転位置を検出するようにしてもよい。リーマ60におい
てすくい面90の形成位置精度が高ければ、チップ82
の数がわかれば、チップ82の配設角度間隔は計算によ
りわかり、複数のチップ82のうちの1つを基準刃と
し、その基準刃が検出位置に位置する際のリーマ60の
検出回転位置に基づいて、残りのチップ82を加工位置
に位置することができるからであり、また、チップ82
の数がわかっていても、すくい面90の形成位置精度が
高くなければ、全部のチップ82がそれぞれ検出位置に
位置する際のリーマ60の検出回転位置を検出し、各チ
ップを精度良く加工位置に位置決めするようにすること
が望ましいからである。
【0088】また、タッチセンサのチップへの接触によ
る検出回転位置等の検出と、ワイヤによる加工とは、回
転切削工具の軸線に対して同じ側において行うようにし
てもよい。タッチセンサは、上アームに、ワイヤおよび
下アームから回転切削工具の軸線に平行な方向へ外れた
位置に設けてもよく、回転切削工具の軸線およびワイヤ
の中心線に直角な方向においてワイヤから外れた位置に
設けてもよい。タッチセンサは、ワイヤカット加工時に
は退避していて回転切削工具に接触する恐れがなく、回
転軸線に対してワイヤと同じ側においてすくい面90を
タッチセンサに接触させることが可能である。ワイヤカ
ット加工は、基準刃から開始してもよく、基準刃以外の
刃から開始してもよい。
【0089】さらに、前記実施形態において、ワイヤ1
14とスタイラス166とのY軸方向の相対位置を検出
するとき、ワイヤ114およびスタイラス166の球部
167はいずれもセンタ保持部材72に接触させられる
ようになっていたが、両者をそれぞれセンタに接触させ
てもよく、あるいは一方をセンタ保持部材に接触させ、
他方をセンタに接触させてもよい。前記実施形態の主軸
には回転伝達部材62が固定されていて、センタ58に
ワイヤ114やスタイラス166の球部167を接触さ
せることができないが、ワイヤ114やスタイラス16
6の球部167の主軸台のセンタへの接触を妨げるもの
がなければ、主軸台のセンタあるいはセンタ保持部材に
ワイヤ114およびスタイラス166の球部167を接
触させてもよい。また、スタイラス166の球部167
の下面とセンタ保持部材72の軸線のZ軸方向の位置が
一致する際のZ軸スライド96のZ座標値を検出する際
にも、球部167をセンタに接触させてもよい。
【0090】また、上記実施形態においてリーマ60
は、回転軸線を中心とする一円周上にチップを複数個有
するものとされていたが、回転切削工具は、例えば、回
転軸線に平行な方向に距離を隔てた複数箇所にそれぞ
れ、少なくとも1つのチップが、リーマの回転軸線を中
心とする一円周上に設けられたリーマでもよい。
【0091】さらに、上記実施形態においてリーマ60
は心上がりに構成されていたが、リーマは、心下がり、
すなわち水平かつ上向きのすくい面が、回転軸線を含む
水平面より下側に位置するように構成されたものでもよ
い。この場合、検出回転位置およびすくい面の高さを検
出するとき、スタイラス166は、回転軸線より下方へ
距離D、隔たった位置に球部167の下面が位置させら
れることとなる。
【0092】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の装置発明の一実施形態であるワイヤカッ
ト装置であり、方法発明の一実施形態であるワイヤカッ
ト方法が実施されるワイヤカット装置を示す正面図であ
る。
【図2】上記ワイヤカット装置を示す側面図である。
【図3】上記ワイヤカット装置を構成する工具保持装置
を示す正面図である。
【図4】上記工具保持装置を示す平面図である。
【図5】上記工具保持装置の構成要素である心押台のセ
ンタおよびセンタ保持部材を示す平面図である。
【図6】上記ワイヤカット装置により加工が施されるリ
ーマの刃部側を示す側面図である。
【図7】上記ワイヤカット装置の構成要素であるタッチ
センサが上アームに取り付けられた状態を示す正面図で
ある。
【図8】上記タッチセンサが上アームに取り付けられた
状態を示す側面図である。
【図9】上記タッチセンサが上アームに取り付けられた
状態を示す平面図である。
【図10】上記ワイヤカット装置を制御する制御装置の
うち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図であ
る。
【図11】上記制御装置を構成するコンピュータのRA
Mの構成を概略的に示す図である。
【図12】上記ワイヤカット装置において、ワイヤの心
押台のセンタ保持部材への接触によるセンタ保持部材の
軸線のY軸方向位置の検出を説明する図である。
【図13】上記ワイヤカット装置において、スタイラス
の球部の心押台のセンタ保持部材への接触によるセンタ
保持部材の軸線のY軸方向位置の検出を説明する図であ
る。
【図14】上記ワイヤカット装置において、センタ保持
部材の軸線のZ軸方向位置の検出を説明する図である。
【図15】上記ワイヤカット装置において、ワイヤの一
対の計測面への接触による一対の計測面の中間位置のX
軸方向位置の検出を説明する図である。
【図16】上記ワイヤカット装置において、スタイラス
の球部の一対の計測面への接触による一対の計測面の中
間位置のX軸方向位置の検出を説明する図である。
【図17】リーマのX軸方向の位置の検出を説明する図
である。
【図18】リーマの検出回転位置およびすくい面の高さ
の検出を説明する図である。
【図19】上記リーマのチップが設けられた側の端部お
よびチップに設定された測定点を示す図である。
【図20】上記リーマのチップをワイヤカット加工する
際のワイヤのY軸方向の位置の設定を説明する図であ
る。
【図21】本発明の別の実施形態であるワイヤカット装
置の電気マイクロメータおよび昇降用エアシリンダを示
す正面図(一部断面)である。
【符号の説明】
10:ワイヤカット装置 50:工具保持装置 6
0:リーマ 82:ダイヤモンドコンパクトチップ
90:すくい面 96:Z軸スライド 98:Z軸駆動用サーボモータ 100:上アーム
102:下アーム 114:ワイヤ 140:タッチセンサ 142:
センサ取付装置 144:センサ昇降用エアシリンダ
180:制御装置 244:基準刃用検出回転位
置・すくい面高さメモリ 246:一般刃用検出回転
位置・すくい面高さメモリ 300:電気マイクロメ
ータ 304:昇降用エアシリンダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに共同してワイヤを上下に延びる姿
    勢で保持する上アームおよび下アームと、回転切削工具
    をほぼ水平な姿勢で保持する工具保持装置と、それら
    上,下アームと工具保持装置とをほぼ水平な相対移動平
    面内において任意の相対位置へ移動可能な相対移動装置
    と、前記工具保持装置により保持された回転切削工具を
    任意の回転位置へ回転可能な工具回転装置とを備え、工
    具回転装置により回転切削工具を加工回転位置へ割り出
    すとともに、前記上,下アームと工具保持装置とを前記
    相対移動装置により相対移動させつつ回転切削工具とワ
    イヤとの間に放電を生じさせて回転切削工具の刃先を加
    工するワイヤカット装置であって、 対象物に接触したとき接触信号を発するタッチセンサ
    と、 そのタッチセンサを前記上アームに取り付けるセンサ取
    付装置と、 そのタッチセンサを前記工具保持装置に保持された回転
    切削工具の刃が予め定められた条件を満たす状態でその
    刃のすくい面に丁度接触する作用位置と、回転切削工具
    が回転してもそれの刃と干渉しない退避位置とに移動さ
    せるセンサ移動装置と、 そのセンサ移動装置にタッチセンサを前記作用位置へ移
    動させるとともに、前記工具回転装置に前記回転切削工
    具を作用位置にあるタッチセンサに前記すくい面が接触
    する検出回転位置へ回転させる回転位置決め制御手段と
    を含むことを特徴とするワイヤカット装置。
  2. 【請求項2】 前記予め定められた条件が、前記刃のす
    くい面が、前記相対移動平面に平行になるという条件で
    あり、当該ワイヤカット装置が、前記すくい面の、前記
    相対移動平面に直角な方向の位置であるすくい面高さを
    検出するすくい面高さ検出装置を含むことを特徴とする
    請求項1に記載のワイヤカット装置。
  3. 【請求項3】 前記回転切削工具が複数の刃を有するも
    のであり、当該ワイヤカット装置が、 複数の刃がそれぞれ前記予め定められた条件を満たす状
    態における前記回転切削工具の回転位置に関連する回転
    位置関連量と前記すくい面高さに関連するすくい面高さ
    関連量とを記憶する記憶手段と、 その記憶手段に記憶された回転位置関連量に基づいて前
    記工具回転装置に前記回転切削工具をそれの複数の刃の
    各々が加工位置に位置する加工回転位置に位置決めさせ
    るとともに、前記相対移動装置による前記上,下アーム
    と前記工具保持装置との前記相対移動平面内における相
    対位置の移動を前記すくい面高さ関連量を加味して制御
    する加工制御手段とを含むことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のワイヤカット装置。
  4. 【請求項4】 前記タッチセンサ取付装置が、前記タッ
    チセンサを、前記回転切削工具の上向きのすくい面に上
    方から接触可能な姿勢で取り付けるものであり、前記作
    用位置が、前記刃が前記ワイヤによって加工されるべき
    加工位置と180度隔たった検出位置にあるときその刃
    のすくい面に前記タッチセンサが丁度接触する位置であ
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載のワイヤカッ
    ト装置。
  5. 【請求項5】 互いに共同してワイヤを上下に延びる姿
    勢で保持するとともに、ワイヤを垂直線に対して所望の
    角度傾斜させ得る上アームおよび下アームと、回転切削
    工具を水平な姿勢で保持する工具保持装置と、それら
    上,下アームと工具保持装置とを水平面内において任意
    の相対位置へ移動可能な相対移動装置と、前記工具保持
    装置に保持された回転切削工具を任意の回転位置へ回転
    可能な工具回転装置とを備えたワイヤカット装置によ
    り、回転切削工具の刃先を加工する方法であって、 前記回転切削工具を、前記すくい面が水平となる回転位
    置に位置決めする回転位置決め工程と、 その回転位置決め工程の実行により水平とされたすくい
    面の垂直方向の位置であるすくい面高さを検出するすく
    い面高さ検出工程と、 そのすくい面高さ検出工程の実行により検出されたすく
    い面高さと、前記ワイヤの垂直線に対する傾斜角度とに
    基づいて決まる相対位置に、前記相対移動装置により前
    記上,下アームと前記工具保持装置とを移動させて、刃
    先の加工を行う加工工程とを含むことを特徴とする回転
    切削工具のワイヤカット方法。
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