JPH11267832A - 円柱材の周溶接方法および設備 - Google Patents
円柱材の周溶接方法および設備Info
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- JPH11267832A JPH11267832A JP7107798A JP7107798A JPH11267832A JP H11267832 A JPH11267832 A JP H11267832A JP 7107798 A JP7107798 A JP 7107798A JP 7107798 A JP7107798 A JP 7107798A JP H11267832 A JPH11267832 A JP H11267832A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】周溶接の前後方向のウイービングを容易に実施
できて、１パスの溶接で脚長や肉盛り層厚を大きく形成
できる。 【解決手段】回転ポジショナー１にパイプ材Ｗを軸心回
りに正逆回転自在に取付け、パイプ材Ｗの周方向に沿う
溶接線Ｐに対向して溶接トーチ２を固定し、回転ポジシ
ョナー１により溶接線Ｐの回転速度が溶接速度となるよ
うに正転させて溶接トーチ２により溶接し、一定の正転
距離を溶接するごとにパイプ材Ｗを反転させて戻しつつ
先の溶接部に重ねて一定の反転距離だけ後方にウイービ
ングさせ、正転方向の溶接と逆転方向の溶接とを繰り返
して周方向溶接を施す。
できて、１パスの溶接で脚長や肉盛り層厚を大きく形成
できる。 【解決手段】回転ポジショナー１にパイプ材Ｗを軸心回
りに正逆回転自在に取付け、パイプ材Ｗの周方向に沿う
溶接線Ｐに対向して溶接トーチ２を固定し、回転ポジシ
ョナー１により溶接線Ｐの回転速度が溶接速度となるよ
うに正転させて溶接トーチ２により溶接し、一定の正転
距離を溶接するごとにパイプ材Ｗを反転させて戻しつつ
先の溶接部に重ねて一定の反転距離だけ後方にウイービ
ングさせ、正転方向の溶接と逆転方向の溶接とを繰り返
して周方向溶接を施す。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、円柱材の周溶接方
法および設備に関する。
法および設備に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、イナートガスアーク溶接において
隅肉溶接を行う場合、所求脚長を確保するために、複数
パスにより複数層を溶接する方法と、溶接速度を遅くし
て１パス（少数パス）で肉盛り量を増加させる方法と、
前後にトーチをウイービングさせることにより、１パス
（少数パス）で溶接する方法がある。
隅肉溶接を行う場合、所求脚長を確保するために、複数
パスにより複数層を溶接する方法と、溶接速度を遅くし
て１パス（少数パス）で肉盛り量を増加させる方法と、
前後にトーチをウイービングさせることにより、１パス
（少数パス）で溶接する方法がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】複数パスで溶接する場
合、前回の溶接層の表面にスラグ層が形成されるため、
これを除去して次回の溶接を行う必要があり、作業が面
倒で作業時間が長くなるという問題がある。また溶接速
度を遅くして溶接する場合では、溶融金属が流れ落ちた
り、溶接ワイヤーが溶接金属に触れて溶け込み、溶接不
良を起こすという問題がある。さらにトーチをウイービ
ングさせる方法は、スラグ層もなく、特に直線溶接の場
合には極めて有効である。
合、前回の溶接層の表面にスラグ層が形成されるため、
これを除去して次回の溶接を行う必要があり、作業が面
倒で作業時間が長くなるという問題がある。また溶接速
度を遅くして溶接する場合では、溶融金属が流れ落ちた
り、溶接ワイヤーが溶接金属に触れて溶け込み、溶接不
良を起こすという問題がある。さらにトーチをウイービ
ングさせる方法は、スラグ層もなく、特に直線溶接の場
合には極めて有効である。
【０００４】ところで、ワークが鋼管やパイプなどを周
方向に溶接する場合、通常ポジショナーによりワークを
軸心回りに回転自在に支持させ、溶接線の頂部で溶融池
を形成する狙い位置に溶接トーチを配置する。そしてポ
ジショナーによりワークを溶接速度となるように回転さ
せて周方向の溶接を行っている。この溶接トーチをウイ
ービングするために前後方向に直線移動させると、前後
位置でアークの長さが変化するとともに溶接線に対する
トーチの角度も変化し、均質な溶接ができない。それを
解決するためアーク長さや溶接角を一定に保持しようと
すると、溶接トーチを円弧状の溶接線に沿って接近離間
させると同時に溶接トーチの角度を変化させる複雑な三
次元の制御動作が要求される。また、この制御動作も、
ワークが変わると、溶接線の径や条件が変化するため、
その都度溶接ロボットに複雑な動作をプログラムする必
要がある。
方向に溶接する場合、通常ポジショナーによりワークを
軸心回りに回転自在に支持させ、溶接線の頂部で溶融池
を形成する狙い位置に溶接トーチを配置する。そしてポ
ジショナーによりワークを溶接速度となるように回転さ
せて周方向の溶接を行っている。この溶接トーチをウイ
ービングするために前後方向に直線移動させると、前後
位置でアークの長さが変化するとともに溶接線に対する
トーチの角度も変化し、均質な溶接ができない。それを
解決するためアーク長さや溶接角を一定に保持しようと
すると、溶接トーチを円弧状の溶接線に沿って接近離間
させると同時に溶接トーチの角度を変化させる複雑な三
次元の制御動作が要求される。また、この制御動作も、
ワークが変わると、溶接線の径や条件が変化するため、
その都度溶接ロボットに複雑な動作をプログラムする必
要がある。
【０００５】本発明は、上記問題点を解決して、周溶接
の前後方向のウイービングを容易に実施できて、１パス
の溶接で脚長または肉盛り層厚を十分に得られる円柱状
ワークの周溶接方法および設備を提供することを目的と
する。
の前後方向のウイービングを容易に実施できて、１パス
の溶接で脚長または肉盛り層厚を十分に得られる円柱状
ワークの周溶接方法および設備を提供することを目的と
する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の円柱材の周溶接方法は、ワークを軸心回りに
正逆回転自在に保持する回転手段に円柱状ワークを取付
け、円柱状ワークの周方向に沿う溶接線に対向して溶接
トーチを固定し、回転手段により溶接線の回転速度が溶
接速度となるように正転させて溶接トーチによりワーク
を溶接し、一定の正転距離を溶接するごとにワークを反
転させて戻しつつ先の溶接部に重ねて一定の反転距離だ
け後方にウイービングさせ、正転方向の溶接と逆転方向
の溶接とを繰り返して周方向溶接を施すものである。
に本発明の円柱材の周溶接方法は、ワークを軸心回りに
正逆回転自在に保持する回転手段に円柱状ワークを取付
け、円柱状ワークの周方向に沿う溶接線に対向して溶接
トーチを固定し、回転手段により溶接線の回転速度が溶
接速度となるように正転させて溶接トーチによりワーク
を溶接し、一定の正転距離を溶接するごとにワークを反
転させて戻しつつ先の溶接部に重ねて一定の反転距離だ
け後方にウイービングさせ、正転方向の溶接と逆転方向
の溶接とを繰り返して周方向溶接を施すものである。
【０００７】また請求項３記載の円柱材の周溶接設備
は、円柱状ワークを軸心回りに正逆回転自在に保持する
回転手段と、円柱状ワークの周方向に沿う溶接線に対向
して固定された溶接トーチとを具備し、前記回転手段
に、ワークの回転角を検出する回転角検出器の検出信号
に基づいて、所定の溶接速度で正転させる正転駆動と、
一定角度の正転駆動ごとにワークを反転させて反転距離
だけ後方にウイービングさせる反転駆動とを交互に繰り
返して溶接トーチにより周方向溶接を施す溶接制御装置
を設けたものである。
は、円柱状ワークを軸心回りに正逆回転自在に保持する
回転手段と、円柱状ワークの周方向に沿う溶接線に対向
して固定された溶接トーチとを具備し、前記回転手段
に、ワークの回転角を検出する回転角検出器の検出信号
に基づいて、所定の溶接速度で正転させる正転駆動と、
一定角度の正転駆動ごとにワークを反転させて反転距離
だけ後方にウイービングさせる反転駆動とを交互に繰り
返して溶接トーチにより周方向溶接を施す溶接制御装置
を設けたものである。
【０００８】上記構成によれば、溶接トーチを固定して
おき、回転手段によりワークを正転および反転を繰り返
して前後方向のウイービングを行うので、回転手段の簡
単な制御で前後方向のウイービングを精度よく行うこと
ができ、１パスまたは少数パスで脚長または肉盛り層厚
を十分に得られ、溶接欠陥のない良質な周溶接を行うこ
とができる。
おき、回転手段によりワークを正転および反転を繰り返
して前後方向のウイービングを行うので、回転手段の簡
単な制御で前後方向のウイービングを精度よく行うこと
ができ、１パスまたは少数パスで脚長または肉盛り層厚
を十分に得られ、溶接欠陥のない良質な周溶接を行うこ
とができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に係るアーク溶接
による円柱材の周溶接設備およびその周溶接方法を図１
〜図７に基づいて説明する。
による円柱材の周溶接設備およびその周溶接方法を図１
〜図７に基づいて説明する。
【００１０】図７に示すように、この周溶接設備は、円
柱状のワーク、たとえばパイプ材Ｗを傾斜した軸心Ｏを
中心に正逆回転自在に支持する隅肉周溶接用の回転手段
である回転ポジショナー１と、溶接トーチ２をワークの
溶接位置に配置する溶接ロボット３と、回転ポジショナ
ー１のパイプ材Ｗの回転速度および回転方向を制御して
前後方向のウイービング機能付き溶接制御装置４とが配
置され、図示しないが溶接トーチ２に溶接電流を供給す
る溶接電源装置や、溶接ワイヤ供給装置、シールドガス
供給装置が設けられている。
柱状のワーク、たとえばパイプ材Ｗを傾斜した軸心Ｏを
中心に正逆回転自在に支持する隅肉周溶接用の回転手段
である回転ポジショナー１と、溶接トーチ２をワークの
溶接位置に配置する溶接ロボット３と、回転ポジショナ
ー１のパイプ材Ｗの回転速度および回転方向を制御して
前後方向のウイービング機能付き溶接制御装置４とが配
置され、図示しないが溶接トーチ２に溶接電流を供給す
る溶接電源装置や、溶接ワイヤ供給装置、シールドガス
供給装置が設けられている。
【００１１】回転ポジショナー１は、本体１１に傾斜角
αを介して回転軸１２が回転自在に配設され、回転軸１
２の一端部にワーク把持具（図示せず）を有する回転テ
ーブル１３が設けられている。また回転軸１２の他端部
は、回転ギヤボックス１４を介して回転駆動モータ（サ
ーボモータ）１５に連結連動され、モータコントローラ
１５ａにより任意の溶接速度が得られるように構成され
る。またこの回転軸１２には、ワークの回転位置を検出
する回転角検出器であるエンコーダ１６が取付けられて
いる。
αを介して回転軸１２が回転自在に配設され、回転軸１
２の一端部にワーク把持具（図示せず）を有する回転テ
ーブル１３が設けられている。また回転軸１２の他端部
は、回転ギヤボックス１４を介して回転駆動モータ（サ
ーボモータ）１５に連結連動され、モータコントローラ
１５ａにより任意の溶接速度が得られるように構成され
る。またこの回転軸１２には、ワークの回転位置を検出
する回転角検出器であるエンコーダ１６が取付けられて
いる。
【００１２】溶接ロボット３は、架台２１に側部アーム
２２が昇降自在に支持されており、この側部アーム２２
の先端部に多関節アーム２３を介して溶接トーチ２が取
付けられている。
２２が昇降自在に支持されており、この側部アーム２２
の先端部に多関節アーム２３を介して溶接トーチ２が取
付けられている。
【００１３】溶接制御装置４は、入力されたワークの形
状および材質に対応して溶接速度を選択し、モータコン
トローラ１５ａを介して回転駆動モータ１５の回転速度
および回転方向を制御するもので、前後方向のウイービ
ングを実施することができる。すなわち、通常、溶接の
ウイービングは、溶接トーチ２を幅方向や前後方向に移
動させて溶接するものであるが、この周溶接設備では、
反対に回転ポジショナー１を制御してワークの回転を正
転と逆転を交互に行うことにより、溶接部を前後方向に
移動してウイービングを行う。
状および材質に対応して溶接速度を選択し、モータコン
トローラ１５ａを介して回転駆動モータ１５の回転速度
および回転方向を制御するもので、前後方向のウイービ
ングを実施することができる。すなわち、通常、溶接の
ウイービングは、溶接トーチ２を幅方向や前後方向に移
動させて溶接するものであるが、この周溶接設備では、
反対に回転ポジショナー１を制御してワークの回転を正
転と逆転を交互に行うことにより、溶接部を前後方向に
移動してウイービングを行う。
【００１４】この溶接制御装置４では、ワークの形状お
よび材質、溶接形状などに対応して、溶接電圧や溶接速
度、溶接ワイヤーとワークの隙間などの溶接条件を設定
するとともに、正転速度や正転距離に対してウイービン
グによる反転速度や反転距離を演算し、たとえば２パス
による２層溶接が必要な場合でも、前後方向のウイービ
ングを行うことにより、１パスによる溶接で所求脚長Ｌ
（図３）を確保することができる。
よび材質、溶接形状などに対応して、溶接電圧や溶接速
度、溶接ワイヤーとワークの隙間などの溶接条件を設定
するとともに、正転速度や正転距離に対してウイービン
グによる反転速度や反転距離を演算し、たとえば２パス
による２層溶接が必要な場合でも、前後方向のウイービ
ングを行うことにより、１パスによる溶接で所求脚長Ｌ
（図３）を確保することができる。
【００１５】たとえば直径３００ｍｍのＳＳ４１材のス
テンレスパイプをイナートガスアーク溶接により隅肉周
溶接する場合、脚長Ｌ＝６ｍｍを得るために、直径１．
２ｍｍのワイヤーを使用するとともに、溶接チップとワ
ーク母材の間隔を１５ｍｍに設定し、溶接電流が３３０
Ａ、溶接電圧が３２Ａで溶接すると、溶接速度１００ｍ
ｍ／ｍｉｎと１３０ｍｍ／ｍｉｎとで２層（２パス）溶
接する必要がある。
テンレスパイプをイナートガスアーク溶接により隅肉周
溶接する場合、脚長Ｌ＝６ｍｍを得るために、直径１．
２ｍｍのワイヤーを使用するとともに、溶接チップとワ
ーク母材の間隔を１５ｍｍに設定し、溶接電流が３３０
Ａ、溶接電圧が３２Ａで溶接すると、溶接速度１００ｍ
ｍ／ｍｉｎと１３０ｍｍ／ｍｉｎとで２層（２パス）溶
接する必要がある。
【００１６】しかし、ここで直径１．２ｍｍのワイヤー
を使用し、溶接チップとワーク母材の間隔を１５ｍｍに
設定するとともに、溶接電流が３３０Ａ、溶接電圧が３
２Ａで溶接する条件下で、正転距離１２ｍｍで溶接速度
１００ｍｍ／ｍｉｎ、反転距離６ｍｍで溶接速度２６０
ｍｍ／ｍｉｎとを交互に行い、前後方向のウイービング
を実施することにより、脚長Ｌ＝６ｍｍを得ることがで
きる。
を使用し、溶接チップとワーク母材の間隔を１５ｍｍに
設定するとともに、溶接電流が３３０Ａ、溶接電圧が３
２Ａで溶接する条件下で、正転距離１２ｍｍで溶接速度
１００ｍｍ／ｍｉｎ、反転距離６ｍｍで溶接速度２６０
ｍｍ／ｍｉｎとを交互に行い、前後方向のウイービング
を実施することにより、脚長Ｌ＝６ｍｍを得ることがで
きる。
【００１７】したがって、この溶接制御装置４では、エ
ンコーダ１６の検出値に基づいてパイプ材Ｗを正転また
は逆転し、その回転速度を制御することができる。ま
た、ここで正転距離Ｌｆは、逆転距離Ｌｒの２倍以下に
設定されて２度目の肉盛り部が重なるように設定されて
いる。
ンコーダ１６の検出値に基づいてパイプ材Ｗを正転また
は逆転し、その回転速度を制御することができる。ま
た、ここで正転距離Ｌｆは、逆転距離Ｌｒの２倍以下に
設定されて２度目の肉盛り部が重なるように設定されて
いる。
【００１８】上記構成におけるパイプ材Ｗの隅肉周溶接
方法を説明する。回転ポジショナー１の回転テーブル１
３に把持具を介してパイプ材Ｗを取り付ける。そして、
溶接ロボット３を操作してパイプ材Ｗの周方向に沿う溶
接線Ｐに対向して溶接トーチ２を固定する。パイプ材Ｗ
を回転して溶接開始位置に溶接トーチ２を対向させ、溶
接電源をオンしてパイプ材Ｗと溶接チップとの間に溶接
電流を供給してアークを形成するとともに、シールドガ
ス供給装置から溶接トーチ２にシールドガスを供給す
る。
方法を説明する。回転ポジショナー１の回転テーブル１
３に把持具を介してパイプ材Ｗを取り付ける。そして、
溶接ロボット３を操作してパイプ材Ｗの周方向に沿う溶
接線Ｐに対向して溶接トーチ２を固定する。パイプ材Ｗ
を回転して溶接開始位置に溶接トーチ２を対向させ、溶
接電源をオンしてパイプ材Ｗと溶接チップとの間に溶接
電流を供給してアークを形成するとともに、シールドガ
ス供給装置から溶接トーチ２にシールドガスを供給す
る。
【００１９】そして回転駆動モータ１５を起動して所定
の正転速度Ｖｆで最初の正転移動を行い溶接する。これ
により溶接線Ｐに沿って溶融池が形成されて最初の肉盛
り部Ｍ１が形成される。
の正転速度Ｖｆで最初の正転移動を行い溶接する。これ
により溶接線Ｐに沿って溶融池が形成されて最初の肉盛
り部Ｍ１が形成される。
【００２０】ついで正転距離Ｌｆ分が溶接されて、エン
コーダ１６により検出される回転軸１２が所定の正転角
θｆ（経過時間Ｔ１）となると、溶接制御装置４から逆
転信号と逆転溶接速度Ｖｒとなる逆転回転速度信号が出
力されて回転駆動モータ１５が逆転され、パイプ材Ｗが
逆転速度Ｖｒで逆転されてウイービングされる。たとえ
ばこのウイービング時の逆転速度Ｖｒ＝２×Ｖｆに設定
され、図６に示すように、既に形成された肉盛り部Ｍ１
の上を覆って再溶融する。これにより、最初の肉盛り部
Ｍ１に形成されたブローホールが解消されるとともに肉
盛り部側縁の凹凸状態を滑らかに再形成することができ
る。
コーダ１６により検出される回転軸１２が所定の正転角
θｆ（経過時間Ｔ１）となると、溶接制御装置４から逆
転信号と逆転溶接速度Ｖｒとなる逆転回転速度信号が出
力されて回転駆動モータ１５が逆転され、パイプ材Ｗが
逆転速度Ｖｒで逆転されてウイービングされる。たとえ
ばこのウイービング時の逆転速度Ｖｒ＝２×Ｖｆに設定
され、図６に示すように、既に形成された肉盛り部Ｍ１
の上を覆って再溶融する。これにより、最初の肉盛り部
Ｍ１に形成されたブローホールが解消されるとともに肉
盛り部側縁の凹凸状態を滑らかに再形成することができ
る。
【００２１】さらに逆転距離Ｌｒ分が溶接されてエンコ
ーダ１６により逆転角θｒ（経過時間Ｔ２）が検出され
ると、溶接制御装置４から正転信号と正転溶接速度Ｖｆ
となる正転回転速度信号が出力されてパイプ材Ｗが正転
速度Ｖｆで正転される。これにより、脚長Ｌおよび溶け
込みの大きい次の肉盛り部Ｍ２が形成される。
ーダ１６により逆転角θｒ（経過時間Ｔ２）が検出され
ると、溶接制御装置４から正転信号と正転溶接速度Ｖｆ
となる正転回転速度信号が出力されてパイプ材Ｗが正転
速度Ｖｆで正転される。これにより、脚長Ｌおよび溶け
込みの大きい次の肉盛り部Ｍ２が形成される。
【００２２】このようにパイプ材Ｗの正転と逆転を繰り
返すことにより、全周にわたって溶接を施す。上記実施
の形態によれば、回転ポジショナー１によるパイプ材Ｗ
の正転と逆転とを交互に行うことにより、極めて簡単な
制御で前後方向のウイービングを実施することができ、
溶け込みも深くかつ肉盛り層が厚く、脚長Ｌの長い溶接
部を形成することができる。しかも２回目の肉盛り部Ｍ
２により、最初の肉盛り部Ｍ１でできたブローホールを
解消できるとともに、滑らかな肉盛りを形成することが
できる。また、複数パス溶接のように、スラグ層の除去
作業もなく、溶接速度を遅くする場合のように、溶融金
属が流れ落ちなどもない。
返すことにより、全周にわたって溶接を施す。上記実施
の形態によれば、回転ポジショナー１によるパイプ材Ｗ
の正転と逆転とを交互に行うことにより、極めて簡単な
制御で前後方向のウイービングを実施することができ、
溶け込みも深くかつ肉盛り層が厚く、脚長Ｌの長い溶接
部を形成することができる。しかも２回目の肉盛り部Ｍ
２により、最初の肉盛り部Ｍ１でできたブローホールを
解消できるとともに、滑らかな肉盛りを形成することが
できる。また、複数パス溶接のように、スラグ層の除去
作業もなく、溶接速度を遅くする場合のように、溶融金
属が流れ落ちなどもない。
【００２３】なお、上記実施の形態では、回転手段を回
転ポジショナー１としたが、この回転手段は、ターンテ
ーブルやターニングロールなど、ワークを保持して正逆
回転させることができるものであればよい。
転ポジショナー１としたが、この回転手段は、ターンテ
ーブルやターニングロールなど、ワークを保持して正逆
回転させることができるものであればよい。
【００２４】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、溶
接トーチを固定しておき、回転手段によりワークを正転
および反転を繰り返して前後方向のウイービングを行う
ので、回転手段の簡単な制御で前後方向のウイービング
を精度よく行うことができ、１パスまたは少数パスで脚
長または肉盛り層厚を十分に得られ、溶接欠陥のない良
質な周溶接を行うことができる。
接トーチを固定しておき、回転手段によりワークを正転
および反転を繰り返して前後方向のウイービングを行う
ので、回転手段の簡単な制御で前後方向のウイービング
を精度よく行うことができ、１パスまたは少数パスで脚
長または肉盛り層厚を十分に得られ、溶接欠陥のない良
質な周溶接を行うことができる。
【図１】本発明に係る円柱材の周溶接設備の実施の形態
を示す構成図である。
を示す構成図である。
【図２】同周溶接設備によるウイービング動作の説明図
である。
である。
【図３】同周溶接設備による隅肉溶接部の断面図であ
る。
る。
【図４】同周溶接設備によるウイービングを行うタイミ
ングチャートである。
ングチャートである。
【図５】（ａ）、（ｂ）は同周溶接設備によるウイービ
ングの正転終了時の溶接部を示し、（ａ）は縦断面図、
（ｂ）は平面図である。
ングの正転終了時の溶接部を示し、（ａ）は縦断面図、
（ｂ）は平面図である。
【図６】（ａ）、（ｂ）は同周溶接設備によるウイービ
ングの反転終了時の溶接部を示し、（ａ）は縦断面図、
（ｂ）は平面図である。
ングの反転終了時の溶接部を示し、（ａ）は縦断面図、
（ｂ）は平面図である。
１ 回転ポジショナー ２ 溶接トーチ ３ 溶接ロボット ４ 溶接制御装置 １２ 回転軸 １３ 回転テーブル １４ 回転ギヤボックス １５ 回転駆動モータ １６ エンコーダ Ｗ パイプ材 Ｐ 溶接線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成１０年５月１２日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００９
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００９】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に係るアーク溶接
による円柱材の周溶接設備およびその周溶接方法を図１
〜図６に基づいて説明する。
による円柱材の周溶接設備およびその周溶接方法を図１
〜図６に基づいて説明する。
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１０
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１０】図１に示すように、この周溶接設備は、円
柱状のワーク、たとえばパイプ材Ｗを傾斜した軸心Ｏを
中心に正逆回転自在に支持する隅肉周溶接用の回転手段
である回転ポジショナー１と、溶接トーチ２をワークの
溶接位置に配置する溶接ロボット３と、回転ポジショナ
ー１のパイプ材Ｗの回転速度および回転方向を制御して
前後方向のウイービング機能付き溶接制御装置４とが配
置され、図示しないが溶接トーチ２に溶接電流を供給す
る溶接電源装置や、溶接ワイヤ供給装置、シールドガス
供給装置が設けられている。
柱状のワーク、たとえばパイプ材Ｗを傾斜した軸心Ｏを
中心に正逆回転自在に支持する隅肉周溶接用の回転手段
である回転ポジショナー１と、溶接トーチ２をワークの
溶接位置に配置する溶接ロボット３と、回転ポジショナ
ー１のパイプ材Ｗの回転速度および回転方向を制御して
前後方向のウイービング機能付き溶接制御装置４とが配
置され、図示しないが溶接トーチ２に溶接電流を供給す
る溶接電源装置や、溶接ワイヤ供給装置、シールドガス
供給装置が設けられている。
Claims (3)
- 【請求項１】 ワークを軸心回りに正逆回転自在に保持
する回転手段に円柱状ワークを取付け、 円柱状ワークの周方向に沿う溶接線に対向して溶接トー
チを固定し、 回転手段により溶接線の回転速度が溶接速度となるよう
に正転させて溶接トーチによりワークを溶接し、 一定の正転距離を溶接するごとにワークを反転させて戻
しつつ先の溶接部に重ねて一定の反転距離だけ後方にウ
イービングさせ、 正転方向の溶接と逆転方向の溶接とを繰り返して周方向
溶接を施すことを特徴とする円柱材の周溶接方法。 - 【請求項２】 先の正転方向の先端溶接部と、次の正転
方向の溶接した後のウイービング後端位置の溶接部とが
重なるように、正転距離を反転距離の２倍以内に設定し
たことを特徴とする請求項１記載の円柱材の周溶接方
法。 - 【請求項３】 円柱状ワークを軸心回りに正逆回転自在
に保持する回転手段と、円柱状ワークの周方向に沿う溶
接線に対向して固定された溶接トーチとを具備し、 前記回転手段に、ワークの回転角を検出する回転角検出
器の検出信号に基づいて、所定の溶接速度で正転させる
正転駆動と、一定角度の正転駆動ごとにワークを反転さ
せて反転距離だけ後方にウイービングさせる反転駆動と
を交互に繰り返して溶接トーチにより周方向溶接を施す
溶接制御装置を設けたことを特徴とする円柱材の周溶接
設備。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7107798A JPH11267832A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 円柱材の周溶接方法および設備 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7107798A JPH11267832A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 円柱材の周溶接方法および設備 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11267832A true JPH11267832A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13450112
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7107798A Pending JPH11267832A (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | 円柱材の周溶接方法および設備 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11267832A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-03-20 JP JP7107798A patent/JPH11267832A/ja active Pending
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