JP2002178157A - 肉盛溶接方法および肉盛溶接装置 - Google Patents

肉盛溶接方法および肉盛溶接装置

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JP2002178157A
JP2002178157A JP2000372556A JP2000372556A JP2002178157A JP 2002178157 A JP2002178157 A JP 2002178157A JP 2000372556 A JP2000372556 A JP 2000372556A JP 2000372556 A JP2000372556 A JP 2000372556A JP 2002178157 A JP2002178157 A JP 2002178157A
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welding
overlay
welded
torch
powder
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Kazunari Narita
一就 成田
Yoshihisa Kato
喜久 加藤
Mamoru Takeda
守 竹田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エルボなどの曲管に溶接欠陥が生じさせない
肉盛溶接方法および肉盛溶接装置を提供する。 【解決手段】 管状または棒状の被肉盛溶接部材を相互
に重なり合わない所要数の溶接領域に分割し、溶着金属
粉末2の供給量、溶接電流値および/または溶接電圧
値、ガス供給量を所定値に制御しながら前記溶接領域に
対して溶接トーチ3に所定動作をさせて肉盛溶接をなす
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管の内面や外面また
は棒の外面の肉盛溶接方法および肉盛溶接装置に関す
る。さらに詳しくは、エルボなどのような曲りを有する
管などの内面や外面の肉盛溶接方法および肉盛溶接装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐摩耗性、耐酸化性、耐腐食性を
要求される鋼管においては、素材コスト低減のため、炭
素鋼管の内面や外面にその用途に応じた異種材料を肉盛
溶接することがなされている。つまり、異種金属による
コーティングがなされている。例えば、エチレン製造設
備に使用される鋼管においては、内面に耐腐食性材、例
えばハステロイC276などが肉盛溶接される一方、外
面には耐摩耗性材、例えば13Cr鋼材が肉盛溶接され
ている。
【0003】この肉盛溶接は、従来、溶接トーチを所定
幅でウィービング動作させながら鋼管を回転させること
によりなされる。そして、鋼管が一回転すると溶接トー
チを所定量送り込んで次の周を溶接するようにしてなさ
れる。つまり、周溶接手法により肉盛溶接がなされてい
る。また、この周溶接手法においては、金属パウダーの
供給量および溶接トーチのウィービング幅は一定とされ
ている。
【0004】かかる従来の周溶接手法により肉盛溶接を
行う場合、鋼管が直管のときは問題を生じないが、エル
ボなどのような曲管のときには問題を生ずる。以下、こ
のことを図に基づいて説明する。
【0005】図19は、溶接トーチ3によりエルボ1内
面を周溶接により肉盛溶接をしている様子を示す説明図
である。図中、符号2は金属パウダーを示す。
【0006】図20に、エルボ1内面を従来の周溶接手
法により、第1周および第2周を肉盛溶接した状態を模
式的に示す。図において、実線で挟まれた範囲は第1
周を示し、点線で挟まれた範囲は第2周を示す。
【0007】図20に示すように、第1周と第2周
とでは、重なりの部分(図20中の斜線部分)が生ず
る。この個所は二回肉盛溶接されることになるので、過
剰肉盛となるばかりではなく、ただれ、割れなどの溶接
欠陥が発生するおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題に鑑みなされたものであって、エルボなどの
曲管や曲がり棒などに溶接欠陥を生じさせない肉盛溶接
方法および肉盛溶接装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の肉盛溶接方法
は、管状または棒状の被肉盛溶接部材を相互に重なり合
わない所要数の溶接領域に分割し、溶着金属粉末、溶着
セラミックス粉末、溶着高融点有機化合物、それらの2
種以上の混合粉末、溶着金属ワイヤ、溶着セラミックス
ワイヤ、溶着高融点有機化合物ワイヤ、それらの2種以
上の混合ワイヤまたは前記粉末と前記ワイヤとの混合物
の供給量、溶接電流値および/または溶接電圧値、また
はガス供給量を所定値に制御しながら前記溶接領域に対
して溶接トーチに所定動作をさせて肉盛溶接をなすこと
を特徴とする。
【0010】また、本発明の肉盛溶接方法は、管状また
は棒状の被肉盛溶接部材を相互に重なり合わない所要数
の溶接領域に分割し、溶着金属粉末、溶着セラミックス
粉末、溶着高融点有機化合物、それらの2種以上の混合
粉末、溶着金属ワイヤ、溶着セラミックスワイヤ、溶着
高融点有機化合物ワイヤ、それらの2種以上の混合ワイ
ヤまたは前記粉末と前記ワイヤとの混合物の供給量、溶
接ガスのフレーム出力密度を所定値に制御しながら前記
溶接領域に対して、フレーム部に所定動作をさせて肉盛
溶接をなすことを特徴とする。
【0011】また、本発明の肉盛溶接方法は、管状また
は棒状の被肉盛溶接部材を相互に重なり合わない所要数
の溶接領域に分割し、溶着金属粉末、溶着セラミックス
粉末、溶着高融点有機化合物、それらの2種以上の混合
粉末、溶着金属ワイヤ、溶着セラミックスワイヤ、溶着
高融点有機化合物ワイヤ、それらの2種以上の混合ワイ
ヤまたは前記粉末と前記ワイヤとの混合物の供給量、レ
ーザー出力値、ガス供給量を所定値に制御しながら前記
溶接領域に対して、レーザー照射部に所定動作をさせて
肉盛溶接をなすことを特徴とする。
【0012】本発明の肉盛溶接方法の第1形態は、被肉
盛溶接部材がエルボとされ、該エルボを縦回転させなが
らウィービング幅および/または速度を制御して肉盛溶
接をなすことを特徴とする。この場合、エルボを所定角
度旋回させて次の溶接領域の肉盛溶接をなすものとされ
る。あるいは、肉盛溶接が螺旋状になされるようにエル
ボおよび、溶接トーチまたはフレーム部またはレーザー
照射部を駆動するものとされる。
【0013】本発明の肉盛溶接方法の第2形態は、被肉
盛溶接部材がラッパ管とされ、該ラッパ管を縦回転させ
ながらウィービング幅および速度を制御して肉盛溶接を
なすことを特徴とする。この場合、肉盛溶接が螺旋状に
なされるようにラッパ管および、溶接トーチまたはフレ
ーム部またはレーザー照射部を駆動するようにしてもよ
い。
【0014】本発明の肉盛溶接方法の第3形態は、被肉
盛溶接部材がYピースの二股分岐部とされ、該Yピース
を横回転させながらウィービング幅および速度を制御し
て肉盛溶接をなすことを特徴とする。この場合、肉盛溶
接が螺旋状になされるようにYピースおよび、溶接トー
チまたはフレーム部またはレーザー照射部を駆動するよ
うにしてもよい。
【0015】一方、本発明の肉盛溶接装置は、管状また
は棒状の被肉盛溶接部材に対して所定動作させる被肉盛
溶接部材駆動装置と、被肉盛溶接部材駆動装置に対し所
定の位置関係に配設されてなる溶接トーチ駆動装置と、
溶接トーチに溶着金属粉末、溶着セラミック粉末、溶着
高融点有機化合物またはそれらの2種以上の混合粉末を
供給するパウダー供給装置またはフィラー供給装置、溶
接トーチに溶接電流を供給する電源装置と、溶接トーチ
にガスを供給するガス供給装置と、前記各装置を制御す
る制御装置とを備えてなることを特徴とする。
【0016】また、本発明の肉盛溶接装置は、管状また
は棒状の被肉盛溶接部材に対して所定動作させる被肉盛
溶接部材駆動装置と、被肉盛溶接部材駆動装置に対し所
定の位置関係に配設されてなるフレーム部駆動装置と、
フレーム部に溶着金属粉末、溶着セラミック粉末、溶着
高融点有機化合物またはそれらの2種以上の混合粉末を
供給するパウダー供給装置またはフィラー供給装置と、
フレーム部に溶接ガスを供給する溶接ガス供給装置と、
前記各装置を制御する制御装置とを備えてなることを特
徴とする。
【0017】また、本発明の肉盛溶接装置は、管状また
は棒状の被肉盛溶接部材に対して所定動作させる被肉盛
溶接部材駆動装置と、レーザー照射部駆動装置と、レー
ザー照射部に溶着金属粉末、溶着セラミック粉末、溶着
高融点有機化合物またはそれらの2種以上の混合粉末を
供給するパウダー供給装置またはフィラー供給装置と、
レーザー照射部にレーザー出力を供給するレーザー電源
装置と、レーザー照射部にガスを供給するガス供給装置
と、前記各装置を制御する制御装置とを備えてなること
を特徴とする。
【0018】さらに、本発明の肉盛溶接装置は、溶着金
属粉末、溶着セラミックス粉末、溶着高融点有機化合
物、それらの2種以上の混合粉末を供給するパウダー供
給装置またはフィラー供給装置の替わりに、溶着金属ワ
イヤ、溶着セラミックスワイヤ、溶着高融点有機化合物
ワイヤ、それらの2種以上の混合ワイヤまたは前記粉末
前記ワイヤとの混合物を供給するワイヤ供給装置を備え
るようにしてもよい。
【0019】本発明の肉盛溶接装置の第1形態は、被肉
盛溶接部材駆動装置がエルボ駆動装置とされ、該エルボ
駆動装置がエルボを旋回させるエルボ旋回手段と、エル
ボを縦回転させるエルボ回転手段とを有してなることを
特徴とする。
【0020】本発明の肉盛溶接装置の第2形態は、被肉
盛溶接部材駆動装置がラッパ管回転装置とされてなるこ
とを特徴とする。
【0021】本発明の肉盛溶接装置の第3形態は、被肉
盛溶接部材駆動装置がYピース回転装置とされてなるこ
とを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明は前記の如く構成されているので、オー
バラップ、過剰肉盛、ただれ、割れなどの溶接欠陥を生
じさせることなく、エルボなどの被肉盛溶接部材の肉盛
溶接がなし得る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0024】本発明の肉盛溶接方法は、管状または棒状
の被肉盛溶接部材を相互に重なり合わない所要数の溶接
領域に分割し、溶着金属粉末、溶着セラミックス粉末、
溶着高融点有機化合物、それらの2種以上の混合粉末の
供給量、溶接電流値および/または溶接電圧値(以下、
単に溶接電流値という)、ガス供給量を所定値に制御し
ながら前記溶接領域に対して溶接トーチに所定動作をさ
せて肉盛溶接をなすものである。
【0025】また、それに用いられる肉盛溶接装置は、
被肉盛溶接部材に対して所定動作させる被肉盛溶接部材
駆動装置と、被肉盛溶接部材駆動装置に対し所定の位置
関係に配設されてなる溶接トーチ駆動装置と、溶接トー
チに溶着金属粉末を供給するパウダー供給装置またはフ
ィラー供給装置(以下、単にパウダー供給装置という)
と、溶接トーチに溶接電流を供給するプラズマ電源装置
と、溶接トーチにガスを供給するガス供給装置と、溶接
トーチに冷却水を供給する冷却水供給装置と、前記各装
置を制御する制御装置とを備えてなるものである。な
お、溶着金属粉末によらず溶着ワイヤによって溶接を行
うことも可能であるので、前記パウダー供給装置の替わ
りに、溶着ワイヤを溶接個所に供給するワイヤ供給装置
を用いてもよい。また、冷却水供給装置は必要に応じて
設けられればよい。
【0026】ここで、溶着ワイヤとしては、溶着金属ワ
イヤ、溶着セラミックスワイヤ、溶着高融点有機化合物
ワイヤ、それらの2種以上の混合ワイヤ(複合ワイヤ)
などを用いることができる。また、前記用着金属粉末な
どと前記各ワイヤとの混合物が用いられてもよい。
【0027】以下、より具体的な実施形態に基づいて説
明する。
【0028】実施形態1 本発明の実施形態1に係る肉盛溶接方法が適用される肉
盛溶接装置(以下、単に溶接装置という)を図1にブロ
ック図で示す。なお、この実施形態1は、エチレン製造
設備に使用される鋼管エルボ、いわゆるエチレン管エル
ボ(以下、単にエルボという)1に肉盛溶接を施すもの
である。すなわち、本実施形態1においては、被肉盛溶
接部材はエルボ1とされ、また被肉盛溶接部材駆動装置
はエルボ駆動装置10とされる。
【0029】溶接装置Aは、図1に示すように、エルボ
1を駆動するエルボ駆動装置10と、溶接トーチ3を駆
動するトーチ駆動装置20と、溶接トーチ3に金属パウ
ダー(溶着金属粉末)2を供給するパウダー供給装置3
0と、溶接トーチ3に電力を供給するプラズマ電源装置
40と、溶接トーチ3にシールドガスを供給するガス供
給装置50と、溶接トーチ3に冷却水を供給する冷却水
供給装置60と、これら各装置10,20,30,4
0,50,60を制御する制御装置Cとを主要構成要素
として備えてなる。
【0030】エルボ駆動装置10は、エルボ1を垂直面
(以下、旋回面)内で旋回させるエルボ旋回手段11
と、エルボ1を前記旋回面と直交する面内で回転(縦回
転)させるエルボ回転手段12とを備えてなるものとさ
れる。
【0031】トーチ駆動装置20は前記エルボ駆動装置
10に対向配置されてなるものであって、溶接トーチ3
の角度を調整する角度調整手段21と、溶接トーチ3を
ウィービング動作させるウィービング手段22と、溶接
トーチ3の位置補正や位置の微調整を行う位置調整手段
23とを備えてなるものとされる。
【0032】パウダー供給装置30、プラズマ電源装置
40、ガス供給装置50および冷却水供給装置60は、
金属パウダー供給量等が制御装置Cにより制御可能とさ
れている他は、従来の肉盛溶接装置に用いられるものと
同様とされている。そのため、パウダー供給装置30、
プラズマ電源装置40、ガス供給装置50および冷却水
供給装置60の構成の詳細な説明は省略する。
【0033】エルボ駆動装置10およびトーチ駆動装置
20の構成の一例を図2〜図4に示す。図2は溶接装置
Aの要部側面図であり、図3は図2のA矢示図であり、
図4は図2のB矢示図である。
【0034】エルボ駆動装置10のエルボ旋回手段11
は、図2〜図4に示すように、旋回軸11aと、この旋
回軸11aの中央に固着された旋回部材11bと、この
旋回部材11bに基端が固着されたエルボ支柱11c
と、旋回軸11aの両端部を回転可能に支持する一対の
旋回軸支柱11dと、旋回軸11aの一端に接合されて
いる旋回モータ11eと、この旋回モータ11eの回転
位置を検出するエンコーダ11fとを備えてなるものと
され、前記エルボ支柱11cの先端部にエルボ1の内側
が固着される。エルボ旋回手段11が、かかる構成とさ
れていることにより、旋回軸11aが旋回モータ11e
により回転させられると、その回転方向にエルボ1が旋
回する。つまり、旋回面内においてエルボ1が旋回す
る。
【0035】エルボ回転手段12は、図2〜図4に示す
ように、エルボ1の旋回面に直交させて配置されている
回転円板(垂直回転円板)12aと、回転円板12aを
その中心を回転中心として回転させる回転円板12aの
裏面側に配設されている回転モータ12bと、この回転
モータ12bの回転位置を検出するエンコーダ12cと
を備えてなるものとされ、その回転中心に中心軸を一致
させて前記エルボ旋回手段11に保持されているエルボ
1が配設されている。そのため、回転円板12aを回転
モータ12bで回転させることによりエルボ1が回転
(縦回転)させられる。
【0036】ここで、回転モータ12bは、支持部材1
2dを介してベース12eに固定される。また、回転円
板12aの中心に関して対称に前記一対の旋回軸支柱1
1dの基端が回転円板12aの表面に固着されるととも
に、エルボ1の中心軸が回転円板12aの中心を通るよ
うに、エルボ1の位置が調整されている。
【0037】トーチ駆動装置20の角度調整手段21
は、図2および図3に示すように、トーチ横支持部材2
1aの基端部に装着された角度調整モータ21bと、こ
の角度調整モータ21bの回転位置を検出するエンコー
ダ21cとを備えてなるものとされ、角度調整モータ2
1bの回転軸の角度を調整することにより溶接トーチ3
の角度が調整される。
【0038】ウィービング手段22は、具体的には、ウ
ィーバー22Aとされ、このウィーバー22Aにトーチ
垂直支持部材22aの基端部が保持され、そしてウィー
バー22Aがウィービング動作することにより溶接トー
チ3がウィービング動作される。
【0039】位置調整手段23は、図2および図3に示
すように、ウィーバー22Aを保持するウィーバー保持
部材23aと、このウィーバー保持部材23aを昇降さ
せる昇降機構(Z軸駆動機構)23Aと、この昇降機構
23Aをエルボ駆動装置10に対して前後方向(X軸方
向)に駆動する進退機構(X軸駆動機構)23Bと、昇
降機構23Aをエルボ駆動装置10に対して左右方向
(Y方向)に駆動する横移動機構(Y軸駆動機構)23
Cとを備えてなるものとされ、昇降機構23A、進退機
構23Bおよび横移動機構23Cを適宜動作させること
により、溶接トーチ3の位置調整や溶接トーチ位置の微
調整がなし得る。つまり、昇降機構23Aは溶接トーチ
3の縦方向の変位および速度を決め、進退機構23Bは
溶接トーチ3の前後方向の変位および速度を決め、横移
動機構23Cは溶接トーチ3の横方向の変位および速度
を決める。それ故、例えば、異形材に対する溶接トーチ
3の位置調整、溶接作業中におけるエルボ1の熱変形に
対する溶接トーチ位置の微調整がなし得る。
【0040】溶接トーチ3は基部3aとトーチ本体3b
とからなり、明瞭には図示されていないが、基部3aに
はパウダー供給装置30からの金属パウダー供給管、プ
ラズマ電源装置40からの電気配線、ガス供給装置50
からのガス配管、冷却水供給装置60からの冷却水配管
が接続されている。なお、溶接トーチ3の具体的な構成
は、従来の周溶接装置に用いられている溶接トーチと同
様とされている。
【0041】制御装置Cは予め設定された溶接パターン
により肉盛溶接がなされるように、エルボ駆動装置1
0、トーチ駆動装置20、パウダー供給装置30、プラ
ズマ電源装置40、ガス供給装置50、冷却水供給装置
60を制御する。この場合、制御に必要なデータは、例
えば予め溶接試験などにより得て制御装置Cに入力して
おくものとする。また、この制御装置Cには、エルボ1
の設計を行ったCADシステムからエルボ1の形状デー
タが入力される。なお、この制御装置Cによる制御の具
体的な内容については後述する。
【0042】次に、かかる構成とされている溶接装置A
によるエルボ1内面の肉盛溶接について説明する。
【0043】(1)制御装置Cは、CADシステムから
のエルボ1の形状データに基づいてエルボ1を所定数の
溶接領域に分割する。例えば、エルボ1が90度エルボ
であれば、図5に示すように中心角を3等分してエルボ
1を3つの溶接領域W1,W2,W3に分割する。
【0044】(2)制御装置Cは、各溶接領域W1,W
2,W3に対する溶接パターンを設定する。図6に溶接
パターンの一例を示す。図6に示すパターンは、エルボ
1の内側から肉盛溶接を開始し、内面を一周して肉盛溶
接開始位置で溶接を終了するというものである。なお、
図6はエルボ1を内側、つまり溶接開始位置から開いた
展開図である。図7はエルボ1を斜視図で表したもので
ある。図において点線で示した矢印は、それぞれの溶接
領域における溶接トーチ3のウィービング中心の軌跡を
示している。図示例においては、溶接領域W1と溶接領
域W2とのウィービング中心位置とは、距離α離れてい
る。つまり、溶接領域W1の肉盛溶接終了後、溶接トー
チ3を距離α移動させて溶接領域W2の肉盛溶接がなさ
れる。なお、図7ではウィービングの往復動作の図示は
省略されている。
【0045】(3)制御装置Cは設定した溶接パターン
に対応したエルボ駆動装置10、トーチ駆動装置20、
パウダー供給装置30、プラズマ電源装置40、ガス供
給装置50および冷却水供給装置60の指令値を生成す
る。例えば、エルボ駆動装置10の旋回手段11の旋回
モータ11eの回転速度指令値および回転手段12の回
転モータ12bの回転速度指令値、トーチ駆動装置20
の角度調整手段21の角度調整モータ21bの角度指令
値、ウィーバー22Aのウィービング幅および速度指令
値、パウダー供給量指令値、溶接電流指令値などを生成
する。その場合、図6に示す溶接パターンでは、内側の
溶接開始点から外側に向けて溶接領域が拡大するので、
制御装置Cは例えばウィーバー22Aに対して溶接領域
の拡大にマッチするようにウィービング幅を次第に増大
させるとともに、ウィービング速度を次第に遅くさせる
指令値を生成する。その逆に、外側から溶接終了点に向
けて溶接領域が縮小するので、制御装置Cは例えばウィ
ーバー22Aに対して溶接領域の縮小にマッチするよう
にウィービング幅を次第に減少させるとともに、ウィー
ビング速度を次第に速くさせる指令値を生成する。
【0046】ここで、この他の溶接パターンにおけるウ
ィービング幅、ウィービング速度、エルボ回転速度、パ
ウダー供給量、溶接電流値、ガス供給量の制御の組合せ
パターンを表1に示す。表1にある、*1は単位時間あ
たりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)
を一定にする目的のためになされるものであることを示
し、*2は単位時間あたりのウィービング折り返し部の
肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定
にする目的のためになされるものであることを示し、*
3は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示す。
【0047】溶接領域拡大とはエルボ1の内側から外側
に向けて溶接する場合を示し、例えばエンコーダ12c
によってエルボ1の内側か外側かを検出するとともに、
ウィービング両端部かどうかは、ウィービング手段22
にて検出する。また、ウィービング幅は溶接領域拡大に
従い大きくなるが、後述する螺旋状に溶接していく場合
においては、溶接領域拡大に従い大きくなり、かつ、螺
旋状の溶接の開始部と終端部は小さくなる。
【0048】なお、表1の組合せ以外の制御でも肉盛溶
接は可能である。
【0049】
【表1】
【0050】(4)制御装置Cは生成した指令値をエル
ボ駆動装置10、トーチ駆動装置20、パウダー供給装
置30、プラズマ電源装置40、ガス供給装置50およ
び冷却水供給装置60に送出する。具体的には、各装置
10,20,30,40,50,60のコントローラ
(図示省略)に指令値を送出する。
【0051】(5)エルボ駆動装置10、トーチ駆動装
置20、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置4
0、ガス供給装置50および冷却水供給装置60の各コ
ントローラは、制御装置Cから入力された指令値により
各装置10,20,30,40,50,60を駆動す
る。例えば、トーチ駆動装置20のウィーバー22Aの
コントローラはウィービング幅および速度を指令値にし
たがって制御する。この場合、ウィービングの角度を検
出することによるか、またはCCDカメラ等により実際
の肉盛個所を検出することで、所望のウィービング幅に
よるウィービングがなされているかを確認するようにし
てもよい。また、その検出信号によるフィードバック制
御を行ってもよい。エルボ回転手段12のコントローラ
は回転モータ12bの回転速度を指令値にしたがって制
御する。これにより、図6に示す第1溶接領域W1の肉
盛溶接がなされる。
【0052】(6)制御装置Cは第1溶接領域W1の溶
接開始から所定時間が経過すると、溶接終了させる指令
値、つまり溶接終了指令を各装置10,20,30,4
0,50,60に送出する。これは、溶接パターンが予
め設定されているので、所定時間が経過すると溶接トー
チ3が溶接終了点に到達することが確実なことによる。
これにより、センサなどからの検出信号を用いることな
く溶接終了点において溶接を終了させることができる。
また、センサの信号により溶接を終了させないので、動
作遅れを生ずることなく溶接を終了させることができ
る。そのため、オーバラップを生じさせないで肉盛溶接
がなし得る。
【0053】(7)制御装置Cは第2溶接領域W2の溶
接を指令するための各装置10,20,30,40,5
0,60の指令値を生成する。例えば、エルボ旋回手段
11に旋回モータ11eを所定角度回転させるための指
令値を生成するとともに、トーチ駆動装置20の角度調
整手段21に溶接トーチ3をエルボの旋回に対応した角
度とするための指令値を生成する。
【0054】(8)制御装置Cは各装置10,20,3
0,40,50,60に生成した指令値を送出する。
【0055】(9)各装置10,20,30,40,5
0,60は制御装置Cからの指令値に応じてエルボ1を
所定角度旋回させるとともに、溶接トーチ3を溶接開始
位置にセットする。
【0056】以後、前記と同様にして第2溶接領域W2
の肉盛溶接がなされ、ついで第3溶接領域W3の肉盛溶
接がなされて、エルボ1内面全体の肉盛溶接がなされ
る。
【0057】外面溶接も内面溶接と同様にしてなされ
る。但し、外面の肉盛溶接をする場合には溶接トーチ3
の先端はエルボ1の内側外面にセットされる。
【0058】ところで、前記説明では肉盛は一層とされ
ているが、2層、3層などの多層盛とすることもでき
る。そして、多層盛とした場合、母材の肉盛層への溶け
込みによる悪影響を少なくすることができる。例えば、
母材の肉盛層への溶け込みが10%であるとすると、1
層目における母材の溶け込み量は10%であるが、2層
目における母材の溶け込み量は1%となる。そのため、
多層盛とすることにより製品品質が向上する。なお、多
層盛とする場合には、溶接領域の境界線が重なり合わな
いように溶接領域を設定するのが好ましい。例えば、1
層目が図5に示すように、中心角が30度、30度、3
0度となるように領域分割を行ったのであれば、2層目
は中心角が例えば15度、30度、30度、15度とな
るように領域分割を行うのがよい。また、多層盛とする
場合には、1層目と2層目との材質は異なるものとされ
てもよい。
【0059】ところで、前記説明においてはエルボ1の
熱変形は考慮されていないが、例えば歪ゲージによりエ
ルボ1の熱変形を計測し、その変形に応じてウィービン
グ幅および速度を補正するようにしてもよい。
【0060】また、前記説明においてはエルボ1の断面
は円形とされているが、異形断面、例えば楕円形断面と
されてもよい。その場合には、トーチ駆動装置20の位
置調整手段に23より溶接トーチ3の位置、例えば昇降
手段23Aにより溶接トーチ3の高さを調整しながら溶
接がなされる。
【0061】なお、エルボ1に肉盛溶接を施す方法とし
ては、前述したようにエルボ1を所定数の溶接領域に分
割する方法ではなく、制御装置Cによりエルボ旋回手段
11とエルボ回転手段12との制御を調整して、溶接ト
ーチ3におけるウィービングの中心軌跡が螺旋状になる
ようにして肉盛溶接をなす方法がある。これは、エルボ
1の旋回および縦回転が同期して行なわれるようにし
て、溶接トーチ3の軌跡がエルボ1の内面に対して螺旋
状となるようにしながら、溶接トーチ3にウィービング
動作を行なわせるものである。その場合、ウィービング
幅および速度などの溶接条件の制御も同時になされる。
【0062】以下、この方法による肉盛溶接について説
明する。
【0063】(1)制御装置Cは、CADシステムから
のエルボ1の形状データに基づいてエルボ1に対する溶
接パターンを設定する。図8に溶接パターンの一例を示
す。図8に示すパターンは、エルボ1の一方の口から肉
盛溶接を開始し、内面を螺旋状に肉盛溶接していきエル
ボ1の肉盛溶接を開始した逆の口で溶接を終了するとい
うものである。ここで、図8で点線の矢印は、溶接トー
チ3のウィービング動作の中心軌跡を示す。エルボ1が
旋回および縦回転をすることにより、溶接トーチ3はエ
ルボ1の内側を、図8に示すように螺旋状に沿ってウィ
ービング動作しながら溶接していく。なお、この図で
は、ウィービングの往復動作の図示は省略されている。
【0064】(2)制御装置Cは設定した溶接パターン
に対応したエルボ駆動装置10、トーチ駆動装置20、
パウダー供給装置30、プラズマ電源装置40、ガス供
給装置50および冷却水供給装置60の指令値を生成す
る。例えば、エルボ駆動装置10の旋回手段11の旋回
モータ11eの回転速度指令値および回転手段12の回
転モータ12bの回転速度指令値、トーチ駆動装置20
の角度調整手段21の角度調整モータ21bの角度指令
値、ウィーバー22Aのウィービング幅および速度指令
値、パウダー供給量指令値、溶接電流指令値などを生成
する。
【0065】(3)図8に示す溶接パターンでは、制御
装置Cはエルボ駆動装置10およびトーチ駆動装置20
に対し、ウィービング中心の軌跡が螺旋状となるように
指令値を生成する。また、溶接開始点ではウィービング
幅は小さいので、制御装置Cは例えばウィーバー22A
に対してウィービング幅を次第に増大させていくととも
に、ウィービング速度を次第に遅くさせる指令値を生成
する。また、溶接終了点に近づくにしたがって制御装置
Cは今度はウィーバ−22Aに対してウィービング幅を
次第に減少させていくとともに、ウィービング速度を次
第に速くさせる指令値を生成する。
【0066】(4)制御装置Cは生成した指令値をエル
ボ駆動装置10、トーチ駆動装置20、パウダー供給装
置30、プラズマ電源装置40、ガス供給装置50およ
び冷却水供給装置60に送出する。具体的には、各装置
10,20,30,40,50,60のコントローラ
(図示省略)に指令値を送出する。
【0067】(5)エルボ駆動装置10、トーチ駆動装
置20、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置4
0、ガス供給装置50および冷却水供給装置60の各コ
ントローラは、制御装置Cから入力された指令値により
各装置10,20,30,40,50,60を駆動す
る。例えば、トーチ駆動装置20のウィーバー22Aの
コントローラはウィービング幅および速度を指令値にし
たがって制御する。この場合、ウィービングの角度を検
出することによるか、またはCCDカメラ等により実際
の肉盛個所を検出することで、所望のウィービング幅に
よるウィービングがなされているかを確認するようにし
てもよい。また、その検出信号によるフィードバック制
御を行ってもよい。エルボ回転手段12のコントローラ
は回転モータ12bの回転速度を指令値にしたがって制
御し、エルボ旋回手段11は旋回モータ11eの回転速
度を指令値に従って制御する。これにより、図8に示す
エルボ1内部の肉盛溶接がなされる。
【0068】(6)制御装置Cはエルボ1の溶接開始か
ら所定時間が経過すると、溶接を終了させる指令値、つ
まり溶接終了指令を各装置に送出する。これも、溶接パ
ターンが予め設定されているので、所定時間が経過する
と溶接トーチ3が溶接終了点に到達することが確実なこ
とによる。
【0069】このように、本実施形態1によれば、肉盛
溶接領域をエルボ1の周方向に沿って所用数に分割し、
その溶接領域に対応させてウィービング幅および速度な
どの溶接条件を設定しているので、オーバラップ、過剰
肉盛、ただれ、割れなどの溶接欠陥を生じさせることな
く、エルボ1の肉盛溶接がなし得る。
【0070】実施形態2 本発明の実施形態2に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)を図9に
ブロック図で示す。この実施形態2は実施形態1を改変
してなるものであって、エルボ1に代えて異形直管、具
体的には図10に示すように、一端がラッパ状の異形直
管(以下、ラッパ管という)4の肉盛周溶接を行うよう
にされてなるものである。そのため、この実施形態2の
溶接装置A1においては、エルボ駆動装置10に代えて
ラッパ管回転装置70が用いられている。
【0071】すなわち、本実施形態2では、被肉盛溶接
部材はラッパ管4とされ、被肉盛溶接部材駆動装置はラ
ッパ管回転装置70とされている。
【0072】ラッパ管回転装置70は、図10に示すよ
うに、垂直に配置された回転円板(垂直回転円板)71
と、回転円板71をその中心を回転中心として回転(縦
回転)させる回転円板71の裏面側に配設されている回
転モータ72と、この回転モータ72の回転位置を検出
するエンコーダ73とを備えてなるものとされる。ま
た、この回転円板71の表面にはラッパ管4のラッパ状
端をその軸を回転中心に一致させて保持する所用数の保
持部材74が配置されている。
【0073】なお、溶接装置A1のその余の構成は実施
形態1の溶接装置Aと同様とされている。そのため、同
一または類似の構成要素については、同一符号を付して
その詳細な説明は省略する。
【0074】次に、かかる構成とされている溶接装置A
1によるラッパ管4内面の肉盛溶接について説明する。
【0075】(1)制御装置Cは、CADシステムから
のラッパ管4の形状データに基づいてラッパ管4を所用
数の溶接領域に分割する。例えば、図11に示すように
4つのリング状の溶接領域W4,W5,W6,W7に分
割する。
【0076】(2)制御装置Cは、各溶接領域W4,W
5,W6,W7に対する溶接パターンを設定する。図1
2に溶接パターンの一例を示す。図12に示すパターン
は、ラッパ管4の内面のある箇所から肉盛溶接を開始
し、内面を一周して溶接開始位置で肉盛溶接を終了する
というものである。なお、図12はトーチの動きを説明
するための模式図である。
【0077】(3)制御装置Cは、設定した溶接パター
ンに対応したラッパ管回転装置70、トーチ駆動装置2
0、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置40、ガ
ス供給装置50および冷却水供給装置60の指令値を生
成する。例えば、ラッパ管回転装置70の回転モータ7
2の回転速度指令値、トーチ駆動装置20の角度調整手
段21の角度調整モータ21bの角度指令値、ウィーバ
ー22Aのウィービング幅および速度指令値、パウダー
供給量指令値、溶接電流指令値などを生成する。なお、
図12に示すパターンでは、第1溶接領域W4および第
2溶接領域W5は従来の直管の肉盛溶接と同様であるの
で、以下、第3溶接領域W6および第4溶接領域の肉盛
溶接について説明する。
【0078】(4)図12に示すパターンでは、第3溶
接領域W6は溶接トーチ3の手前側から奥行きにかけて
溶接領域が拡大するとともに周速が増大するので、制御
装置Cは、例えば、ウィーバー22Aに対して溶接トー
チ3の前進時にはウィービング速度を増速させる一方、
溶接トーチ3の後退時にはウィービング速度を減速させ
る指令値を生成し、パウダー供給装置30に対して溶接
トーチ3の前進時にはパウダー供給量を増加させる一
方、溶接トーチ3の後退時にはパウダー供給量を減少さ
せる指令値を生成し、プラズマ電源装置40に対して溶
接トーチ3の前進時に溶接電流を増大させる一方、溶接
トーチ3の後退時には溶接電流を減少させる指令値を生
成する。
【0079】ここで、この他の溶接パターンにおけるウ
ィービング幅、ウィービング速度、ラッパ管回転速度、
パウダー供給量、溶接電流値、ガス供給量、位置調整手
段23におけるZ軸駆動量の制御の組合せパターンを表
2に示す。表2にある、*1は単位時間あたりの肉盛溶
接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする
目的のためになされるものであることを示し、*2は単
位時間あたりのウィービング折り返し部の肉盛溶接体積
(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的の
ためになされるものであることを示し、*3は単位時間
あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー
量)を一定にする目的のためになされるものであること
を示す。
【0080】溶接トーチ3の前進量は、例えば位置調整
手段23の進退機構(X軸駆動機構)23Bで検出する
とともに、ウィービング両端部かどうかは、ウィービン
グ手段22にて検出する。また、ウィービング幅は一周
分は一定とあるが、後に説明する螺旋状に溶接していく
場合においては、螺旋状の溶接の開始部と終端部とに従
い小さくなる。
【0081】なお、表2の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0082】
【表2】
【0083】(5)制御装置Cは、生成した指令値をラ
ッパ管回転装置70、トーチ駆動装置20、パウダー供
給装置30、プラズマ電源装置40、ガス供給装置50
および冷却水供給装置60に送出する。具体的には、各
装置70,20,30,40,50,60のコントロー
ラ(図示省略)に送出する。
【0084】(6)ラッパ管回転装置70、トーチ駆動
装置20、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置4
0、ガス供給装置50および冷却水供給装置60の各コ
ントローラは入力された指令値により各装置70,2
0,30,40,50,60を駆動する。例えば、トー
チ駆動装置20のウィーバー22Aのコントローラはウ
ィービング幅および速度を指令値にしたがって制御し、
位置調整手段23のコントローラは溶接トーチ3の高さ
位置を指令値にしたがって制御する。例えば、位置調整
手段23のコントローラは、溶接トーチ3の前進時には
溶接トーチ3の先端をラッパ管4内面に追従させて下げ
る一方、溶接トーチ3の後退時には溶接トーチ3の先端
をラッパ管4内面に追従させて上げる。ラッパ管回転装
置70のコントローラは、回転モータ72の回転速度を
指令値にしたがって制御する。例えば、回転モータ72
を等速度で回転させる。これにより、図12に示す第3
溶接領域W6の肉盛溶接がなされる。
【0085】(7)制御装置Cは第3溶接領域の溶接開
始から所定時間が経過すると、溶接を終了させる指令
値、つまり溶接終了指令を各装置に送出する。これも、
溶接パターンが予め設定されているので、所定時間が経
過すると溶接トーチ3が溶接終了点に到達することが確
実なことによる。
【0086】(8)制御装置Cは第4溶接領域W7の溶
接を指令するための各装置70,20,30,40,5
0,60の指令値を生成する。例えば、トーチ駆動装置
20の位置調整手段23に溶接トーチ3を所定量前進さ
せるための指令値を生成するとともに、角度調整手段2
1に溶接トーチ3をラッパ管4内面に対応した角度とす
るための指令値を生成する。
【0087】(9)制御装置Cは生成した指令値を各装
置70,20,30,40,50,60に送出する。
【0088】(10)各装置70,20,30,40,
50,60は制御装置Cからの指令値に応じて溶接トー
チ3を所定距離前進させてその角度を所定値にセットし
た後、第4溶接領域W7の肉盛溶接を行う。
【0089】以後、第3溶接領域W6と同様に第4溶接
領域W7の肉盛溶接がなされてラッパ管内面全体の肉盛
溶接がなされる。
【0090】外面溶接、多層盛も実施形態1と同様にし
て行うことができる。また、ラッパ管4の熱変形に応じ
てウィービング幅および速度などの溶接条件を補正する
ようにしてもよい。
【0091】なお、ラッパ管4に肉盛溶接を施す方法と
しては、前述したようにラッパ管4を所定数の溶接領域
に分割する方法ではなく、制御装置Cによりラッパ管回
転装置70と溶接駆動装置20の位置調整手段23の昇
降機構(Z軸駆動機構)23Aと進退機構(X軸駆動機
構)23Bと横移動機構(Y軸駆動機構)23Cとの制
御を調整して、溶接トーチ3におけるウィービング中心
の軌跡が螺旋状になるようにして肉盛溶接する方法があ
る。これは、ラッパ管4の縦回転および溶接トーチ3の
前進が同期して行われるようにして、溶接トーチ3のウ
ィービング中心の軌跡がラッパ管4の内面に対して螺旋
状となるようにしながら、溶接トーチ3にウィービング
動作を行わせるものである。その場合、ウィービング幅
および速度などの溶接条件の制御も同時になされる。
【0092】以下、この方法による肉盛溶接について説
明する。
【0093】(1)制御装置Cは、CADシステムから
のラッパ管4の形状データに基づいてラッパ管4に対す
る溶接パターンを設定する。図13に溶接パターンの一
例を示す。図13に示すパターンは、ラッパ管4の小さ
い方の口から肉盛溶接を開始し、内面を螺旋状に肉盛溶
接していきラッパ管4の肉盛溶接を開始した逆の口で溶
接を終了するというものである。なお、図13で点線の
矢印は、トーチ3のウィービング動作中心の軌跡を示
す。ラッパ管4が縦回転および溶接トーチ3が前進する
ことで、見かけ上、溶接トーチ3はラッパ管4の内側を
図に示すように螺旋状に沿ってウィービングしながら溶
接していく。なお、この図13では、ウィービングの往
復動作の図示は省略されている。
【0094】(2)制御装置Cは設定した溶接パターン
に対応したラッパ管回転装置70、トーチ駆動装置2
0、位置調整手段23、パウダー供給装置30、プラズ
マ電源装置40、ガス供給装置50および冷却水供給装
置60の指令値を生成する。例えば、ラッパ管回転装置
70の回転モータ72の回転速度指令値、トーチ駆動装
置20の角度調整手段21の角度調整モータ21bの角
度指令値、ウィーバー22Aのウィービング幅および速
度指令値、位置調整手段23の昇降機構(Z軸駆動機
構)23Aと進退機構(X軸駆動機構)23Bと横移動
機構(Y軸駆動機構)23Cとの速度指令値、パウダー
供給量指令値、溶接電流指令値などを生成する。
【0095】(3)図13に示す溶接パターンでは、制
御装置Cは溶接トーチ3が見かけ上、ラッパ管4の内面
に対して螺旋状に動くようにラッパ管4を制御するの
で、例えば、位置調整手段23とラッパ管回転装置70
とにラッパ管4が螺旋状に回転前進するための指令値を
生成するとともに、角度調整手段21に溶接トーチ3を
ラッパ管4内面に対応した角度とするための指令値を生
成する。また、溶接開始点では、ウィービング幅は小さ
いので、制御装置Cは例えばウィーバー22Aに対して
ウィービング幅を次第に増大させていくとともに、ウィ
ービング速度を次第に遅くさせる指令値を生成する。
【0096】また、ラッパ管4は溶接開始点では直管で
あるが徐々にその直径が大きくなっていくので、直径が
大きくなり始めた個所からは、トーチ3の手前側から奥
行きにかけて溶接領域が拡大するとともに周速が増大す
るので、制御装置Cは、例えば、ウィーバー22Aに対
して溶接トーチ3の前進時にはウィービング速度を増速
させる一方、溶接トーチ3の後退時にはウィービング速
度を減速させる指令値を生成し、パウダー供給装置30
に対して溶接トーチ3の前進時にはパウダー供給量を増
加させる一方、溶接トーチ3の後退時にはパウダー供給
量を減少させる指令値を生成し、プラズマ電源装置40
に対して溶接トーチ3の前進時に溶接電流を増大させる
一方、溶接トーチ3の後退時には溶接電流を減少させる
指令値を生成する。
【0097】(4)制御装置Cは、生成した指令値をラ
ッパ管回転装置70、トーチ駆動装置20、パウダー供
給装置30、プラズマ電源装置40、ガス供給装置50
および冷却水供給装置60に送出する。具体的には、各
装置70,20,30,40,50,60のコントロー
ラ(図示省略)に送出する。
【0098】(5)ラッパ管回転装置70、トーチ駆動
装置20、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置4
0、ガス供給装置50および冷却水供給装置60の各コ
ントローラは入力された指令値により各装置70,2
0,30,40,50,60を駆動する。例えば、トー
チ駆動装置20のウィーバー22Aのコントローラはウ
ィービング幅および速度を指令値にしたがって制御し、
位置調整手段23のコントローラは溶接トーチ3の高さ
位置を指令値にしたがって制御しながら溶接トーチ3が
前進していくように制御する。例えば、位置調整手段2
3のコントローラは、溶接トーチ3の前進時には溶接ト
ーチ3の先端をラッパ管4内面に追従させて下げる一
方、溶接トーチ3の後退時には溶接トーチ3の先端をラ
ッパ管4内面に追従させて上げる。ラッパ管回転装置7
0のコントローラは、回転モータ72の回転速度を指令
値にしたがって制御する。例えば、回転モータ72を等
速度で回転させる。これにより、図13に示すラッパ管
4の肉盛溶接がなされる。
【0099】(6)制御装置Cはラッパ管4の溶接開始
から所定時間が経過すると、溶接を終了させる指令値、
つまり溶接終了指令を各装置に送出する。これも、溶接
パターンが予め設定されているので、所定時間が経過す
ると溶接トーチ3が溶接終了点に到達することが確実な
ことによる。
【0100】このように、本実施形態2によれば、肉盛
溶接領域をラッパ管4の長手方向に沿って所要数に分割
し、その領域W4,W5,W6,W7に対応させてウィ
ービング幅および速度などの溶接条件を設定しているの
で、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、割れなどの溶接
欠陥を生じさせることなく、ラッパ管4の肉盛溶接がな
し得る。
【0101】実施形態3 本発明の実施形態3に係る肉盛溶接方法に適用される肉
盛溶接装置(以下、単に溶接装置という)を図14にブ
ロック図で示す。この実施形態3は実施形態2を改変し
てなるものであって、ラッパ管4に代えてYピース5の
二股分岐部5aの内側内面の肉盛溶接を行うようにされ
てなるものである。そのため、この実施形態3の溶接装
置A2においては、ラッパ管回転装置70に代えてYピ
ース回転装置80が用いられている。
【0102】すなわち、本実施形態3では、被肉盛溶接
部材はYピース5とされ、被肉盛溶接部材駆動装置はY
ピース回転装置80とされている。
【0103】Yピース回転装置80は、図15に示すよ
うに、水平に配置された回転円板(水平回転円板)81
と、回転円板81をその中心を回転中心として回転(横
回転)させる回転円板81の裏面側に配設されている回
転モータ82と、回転モータ82の回転位置を検出する
エンコーダ83とを備えてなるものとされる。この回転
円板81の表面にはYピース5の二股分岐管5bの端部
を回転円板81の中心に関して対称に保持する、つまり
Yピース5の基幹5cをその軸を回転円板81の中心線
上に位置させて保持する所要数の保持部材84が配設さ
れている。
【0104】トーチ駆動装置20は、トーチ横支持部材
21aが溶接トーチ3をYピース5の基幹5cの上方に
位置せしめる長さとされている他は、実施形態1のトー
チ駆動装置20と同様とされている。
【0105】なお、溶接装置A2のその余の構成は実施
形態1の溶接装置Aと同様とされている。
【0106】次に、かかる構成とされている溶接装置A
2によるYピース5の二股分岐部5aの内側内面の肉盛
溶接について説明する。
【0107】(1)制御装置Cは、CADシステムから
のYピース5の二股分岐部5aの内側内面の形状データ
に基づいてYピース5の二股分岐部5aの内側内面を所
要数の溶接領域に分割する。例えば、2つの同心円状領
域に分割する。
【0108】(2)制御装置Cは、各溶接領域に対する
溶接パターンを設定する。図16に溶接パターンの一例
を示す。図16に示すパターンは、同心円状に分割され
た最も内側の溶接領域W8のある箇所から肉盛溶接を開
始し、その溶接領域W8を一周して溶接開始位置で溶接
を終了するというものである。なお、図16はYピース
5の二股分岐部5aの内側内面の投影図である。
【0109】ここで、前述した(2)以外の溶接パター
ンである(2a)、(2b)についても説明しておくこ
とにする。
【0110】(2a)制御装置Cは、各溶接領域に対す
る溶接パターンを設定する。図17に溶接パターンの一
例を示す。図17に示すパターンは、同心円状に分割さ
れた最も内側の溶接領域W8をさらに同心円状に分割す
る。例えば、図17に示すようにW8a、W8b、W8
cの3つの領域に分割する。分割されたもっとも外側の
部分であるW8aのある箇所から肉盛溶接を開始し、そ
の溶接領域W8aを一周して溶接開始位置で溶接を終了
するというものである。W8aの肉盛溶接が終了したな
らば、同様に溶接領域W8b、W8cとに肉盛溶接を施
していく。また、W9についても同様に分割する。な
お、図17はYピース5の二股分岐部5aの内側内面の
投影図である。
【0111】このようにすることにより、(2)に比し
て、ウィービング幅が小さくなるのでさらに均質な肉盛
溶接が実現されるという効果が得られる。
【0112】(2b)制御装置Cは、各溶接領域に対す
る溶接パターンを設定する。図18に溶接パターンの一
例を示す。図18に示すパターンは、同心円状に分割さ
れた最も内側の溶接領域W8のある箇所から肉盛溶接を
開始し、その溶接領域W8をウィービングしながら渦巻
状にトーチ3は徐々にW8の中心へと近づきながら肉盛
溶接を施して溶接を終了するというものである。なお、
図18はYピース5の二股分岐部5aの内側内面の投影
図である。
【0113】このようにすることにより、(2)に比し
て、ウィービング幅が小さくなるのでさらに均質な肉盛
溶接が実現されるという効果が得られる。
【0114】(3)制御装置Cは、設定した溶接パター
ンに対応したYピース回転装置80、トーチ駆動装置2
0、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置40、ガ
ス供給装置50および冷却水供給装置60の指令値を生
成する。例えば、Yピース回転装置80の回転モータ8
2の回転速度指令値、トーチ駆動装置20の位置調整手
段23の位置調整指令値、例えば昇降機構23Aの高さ
指令値、横移動機構23Cの横方向位置指令値、ウィー
バー22Aのウィービング幅および速度指令値、パウダ
ー供給量指令値、溶接電流指令値などを生成する。
【0115】なお、図16、図17、図18に示すパタ
ーンでは、溶接領域W8,W9は外周に向けて溶接領域
が拡大するとともに周速が増大するので、制御装置Cは
例えばウィーバー22Aに対して溶接トーチ3が外周に
向かうときにはウィービング速度を増速させる一方、溶
接トーチ3が中心または内周に向かうときにはウィービ
ング速度を減速させる指令値を生成し、パウダー供給装
置30に対して溶接トーチ3が外周に向かうときにはパ
ウダー供給量を増加させる一方、溶接トーチ3が中心ま
たは内周に向かうときにはパウダー供給量を減少させる
指令値を生成し、プラズマ電源装置40に対して溶接ト
ーチ3が外周に向かうときには溶接電流を増大させる一
方、溶接トーチ3が中心または内周に向かうときには溶
接電流を減少させる指令値を生成する。
【0116】ここで、この他の溶接パターンにおけるウ
ィービング幅、ウィービング速度、Yピース回転速度、
パウダー供給量、溶接電流値、ガス供給量、位置調整手
段23におけるZ軸駆動量の制御の組合せパターンを表
3に示す。表3にある、*1は単位時間あたりの肉盛溶
接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする
目的のためになされるものであることを示し、*2は単
位時間あたりのウィービング折り返し部の肉盛溶接体積
(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的の
ためになされるものであることを示し、*3は単位時間
あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー
量)を一定にする目的のためになされるものであること
を示す。
【0117】溶接トーチ3が外側に向かっているかどう
かと、ウィービング両端部かどうかは、ウィービング手
段22にて検出する。また、ウィービング幅は一周分は
一定とあるが、前記(2b)に示した、渦巻き状に溶接
していく場合においては、渦巻状の溶接の開始部と終端
部とに従い小さくなる。
【0118】なお、表3の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0119】
【表3】
【0120】(4)制御装置Cは、生成した指令値をY
ピース回転装置80、トーチ駆動装置20、パウダー供
給装置30、プラズマ電源装置40、ガス供給装置50
および冷却水供給装置60に送出する。具体的には、各
装置80,20,30,40,50,60のコントロー
ラ(図示省略)に送出する。
【0121】(5)Yピース回転装置80、トーチ駆動
装置20、パウダー供給装置30、プラズマ電源装置4
0、ガス供給装置50および冷却水供給装置60の各コ
ントローラは入力された指令値により各装置80,2
0,30,40,50,60を駆動する。例えば、トー
チ駆動装置20のウィーバー22Aのコントローラはウ
ィービング幅および速度を指令値にしたがって制御し、
位置調整手段23のコントローラは溶接トーチ3の高さ
位置を指令値にしたがって制御する。例えば、位置調整
手段23のコントローラは、溶接トーチ3が外周に向か
うときには溶接トーチ3の先端を二股分岐部5aの内側
内面に追従させて下げる一方、溶接トーチ3が中心また
は内周に向かうときには溶接トーチ3の先端を二股分岐
部5aの内側内面に追従させて上げる。Yピース回転装
置80のコントローラは、回転モータ82の回転速度を
指令値にしたがって制御する。例えば、回転モータ82
を等速度で回転させる。これにより、図16、図17、
図18に示す第1溶接領域W8の肉盛溶接がなされる。
【0122】(6)制御装置Cは第1溶接領域W8の溶
接開始から所定時間が経過すると、溶接を終了させる指
令値、つまり溶接終了指令値を各装置80,20,3
0,40,50,60に送出する。これも、溶接パター
ンが予め設定されているので、所定時間が経過すると、
溶接トーチ3が溶接終了点に到達することが確実なこと
による。
【0123】(7)制御装置Cは第2溶接領域W9の溶
接を指令するための各装置80,20,30,40,5
0,60の指令値を生成する。例えば、トーチ駆動装置
20の位置調整手段23に溶接トーチ3を所定位置とす
るための指令値を生成するとともに、角度調整手段21
に溶接トーチ3を二股分岐部5a内面に対応した角度と
するための指令値を生成する。
【0124】(8)制御装置Cは生成した指令値を各装
置80,20,30,40,50,60に送出する。
【0125】(9)各装置80,20,30,40,5
0,60は制御装置Cからの指令値に応じて溶接トーチ
3の位置および角度を所定値にセットした後、第2溶接
領域W9の肉盛溶接を行う。
【0126】以後、第1溶接領域W8と同様にして、第
2溶接領域W9の肉盛溶接がなされる。
【0127】多層盛も実施形態1と同様にして行うこと
ができる。また、Yピース5の二股分岐部5aの熱変形
に応じてウィービング幅および速度などの溶接条件を補
正するようにしてもよい。
【0128】このように、本実施形態3によれば、肉盛
溶接領域をYピース5の二股分岐部5aを所要数に分割
し、その領域に対応させてウィービング幅および速度な
どの溶接条件を設定しているので、オーバラップ、過剰
肉盛、ただれ、割れなどの溶接欠陥を生じさせることな
く、Yピース5の二股分岐部5aの肉盛溶接がなし得
る。
【0129】なお、Yピース5の分岐管5bを形成して
いる曲り管の肉盛溶接は実施形態1によりなし得、また
Yピース5の基幹5cを形成しているラッパ管の肉盛溶
接は実施形態2によりなし得る。
【0130】実施形態4 本発明の実施形態4に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態1を改変してなるものであって、例えば酸素アセチレ
ンガス等の溶接ガスを用いてガス溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、溶接ガスを燃焼させて高温の火炎、つまりフ
レームを形成するフレーム部および前記フレーム部に供
給する溶接ガスの供給量を変化させてフレーム出力密度
を調節する溶接ガス供給装置を備える一方、シールドガ
スを用いる必要がないのでガスを供給するガス供給装置
が取り除かれた構成とされる。また、溶接トーチ駆動装
置の替わりとしてフレーム部駆動装置を備えてなるが、
その動きは溶接駆動装置と同様とされる。その他の構成
は、実施形態1と同様とされる。
【0131】本実施形態4に係る溶接装置は、前述した
実施形態1に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。ただし、ガス供給装置は取り除
かれているのでそれについての制御はなされない。
【0132】ここで、このガス溶接による溶接装置の溶
接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング速
度、エルボ回転速度、パウダー供給量、溶接ガスのフレ
ーム出力密度の組合せパターンを表4に示す。表4にあ
る、*1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面
積×溶融パウダー量)を一定にする目的のためになされ
るものであることを示し、*2は単位時間あたりのウィ
ービング折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶接体
積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的
のためになされるものであることを示す。
【0133】溶接領域拡大とはエルボ1の内側から外側
に向けて溶接する場合を示し、例えばエンコーダ12c
によってエルボ1の内側か外側かを検出するとともに、
ウィービング両端部かどうかは、ウィービング手段22
にて検出する。また、ウィービング幅は溶接領域拡大に
従い大きくなるが、螺旋状に溶接していく場合において
は、溶接領域拡大に従い大きくなり、かつ、螺旋状の溶
接の開始部と終端部は小さくなる。
【0134】なお、表4の組合せ以外の制御でも肉盛溶
接は可能である。
【0135】
【表4】
【0136】このように本実施形態4においては、ガス
溶接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶接を
行うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、割
れなどの溶接欠陥を生じさせることなく、エルボ1の肉
盛溶接がなし得る。
【0137】実施形態5 本発明の実施形態5に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態1を改変してなるものであって、例えばYAGレーザ
ー等のレーザーを用いてレーザー溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、レーザーを照射するレーザー照射部および前
記レーザー照射部より照射されるレーザーの出力を調節
するレーザー電源装置を備えた構成とされる。また、溶
接トーチ駆動装置の替わりとしてレーザー照射部駆動装
置を備えてなるが、その動きは溶接トーチ駆動装置と同
様とされる。その他の構成は、実施形態1と同様とされ
る。なお、レーザー以外の高密度ビームによって溶接を
行うこともでき、その場合は、レーザー照射部の替わり
に高密度ビーム照射部を備えることがレーザー溶接と異
なる点でありその他はレーザー溶接による溶接装置と同
様とされる。
【0138】本実施形態5に係る溶接装置は、前述した
実施形態1に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。
【0139】ここで、このレーザー溶接による溶接装置
の溶接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング
速度、エルボ回転速度、パウダー供給量、レーザー出力
密度、ガス供給量の組合せパターンを表5に示す。表5
にある、*1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶
接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的のためにな
されるものであることを示し、*2は単位時間あたりの
ウィービング折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積
×溶融パウダー量)を一定にする目的のためになされる
ものであることを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶
接体積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする
目的のためになされるものであることを示す。
【0140】溶接領域拡大とはエルボ1の内側から外側
に向けて溶接する場合を示し、例えばエンコーダ12c
によってエルボ1の内側か外側かを検出するとともに、
ウィービング両端部かどうかは、ウィービング手段22
にて検出する。また、ウィービング幅は溶接領域拡大に
従い大きくなるが、螺旋状に溶接していく場合において
は、溶接領域拡大に従い大きくなり、かつ、螺旋状の溶
接の開始部と終端部は小さくなる。
【0141】なお、表5の組合せ以外の制御でも肉盛溶
接は可能である。
【0142】
【表5】
【0143】このように本実施形態5においては、レー
ザー溶接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶
接を行うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただ
れ、割れなどの溶接欠陥を生じさせることなく、エルボ
1の肉盛溶接がなし得る。
【0144】実施形態6 本発明の実施形態6に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態2を改変してなるものであって、例えば酸素アセチレ
ンガス等の溶接ガスを用いてガス溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、溶接ガスを燃焼させて高温の火炎、つまりフ
レームを形成するフレーム部および前記フレーム部に供
給する溶接ガスの供給量を変化させてフレーム出力密度
を調節する溶接ガス供給装置を備える一方、シールドガ
スを用いる必要がないのでガスを供給するガス供給装置
が取り除かれた構成とされる。また、溶接トーチ駆動装
置の替わりとしてフレーム部駆動装置を備えてなるが、
その動きは溶接トーチ駆動装置と同様とされる。その他
の構成は、実施形態2と同様とされる。
【0145】本実施形態6に係る溶接装置は、前述した
実施形態2に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。ただし、ガス供給装置は取り除
かれているのでそれについての制御は行わない。
【0146】ここで、このガス溶接による溶接装置の溶
接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング速
度、ラッパ管回転速度、パウダー供給量、溶接ガスのフ
レーム出力密度、位置調整手段23におけるZ軸駆動量
の制御の組合せパターンを表6に示す。表6にある、*
1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示し、*2は単位時間あたりのウィービン
グ折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウ
ダー量)を一定にする目的のためになされるものである
ことを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉
盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的のため
になされるものであることを示す。
【0147】フレーム部の前進量は、例えば位置調整手
段23の進退機構(X軸駆動機構)23Bで検出すると
ともに、ウィービング両端部かどうかは、ウィービング
手段22にて検出する。また、ウィービング幅は一周分
は一定とあるが、螺旋状に溶接していく場合において
は、螺旋状の溶接の開始部と終端部とに従い小さくな
る。
【0148】なお、表6の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0149】
【表6】
【0150】このように本実施形態6においては、ガス
溶接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶接を
行うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、割
れなどの溶接欠陥を生じさせることなく、ラッパ管4の
肉盛溶接がなし得る。
【0151】実施形態7 本発明の実施形態7に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態2を改変してなるものであって、例えばYAGレーザ
ー等のレーザーを用いてレーザー溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、レーザーを照射するレーザー照射部および前
記レーザー照射部より照射されるレーザーの出力を調節
するレーザー電源装置を備えた構成とされる。また、溶
接トーチ駆動装置の替わりとしてレーザー照射部駆動装
置を備えてなるが、その動きは溶接トーチ駆動装置と同
様とされる。その他の構成は、実施形態2と同様とされ
る。なお、レーザー以外の高密度ビームによって溶接を
行うこともでき、その場合は、レーザー照射部の替わり
に高密度ビーム照射部を備えることがレーザー溶接と異
なる点でありその他はレーザー溶接による溶接装置と同
様とされる。
【0152】本実施形態7に係る溶接装置は、前述した
実施形態2に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。
【0153】ここで、このレーザー溶接による溶接装置
の溶接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング
速度、ラッパ管回転速度、パウダー供給量、レーザー出
力密度、ガス供給量、位置調整手段23におけるZ軸駆
動量の制御の組合せパターンを表7に示す。表7にあ
る、*1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面
積×溶融パウダー量)を一定にする目的のためになされ
るものであることを示し、*2は単位時間あたりのウィ
ービング折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶接体
積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的
のためになされるものであることを示す。
【0154】レーザ照射部の前進量は、例えば位置調整
手段23の進退機構(X軸駆動機構)23Bで検出する
とともに、ウィービング両端部かどうかは、ウィービン
グ手段22にて検出する。また、ウィービング幅は一周
分は一定とあるが、螺旋状に溶接していく場合において
は、螺旋状の溶接の開始部と終端部とに従い小さくな
る。
【0155】なお、表7の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0156】
【表7】
【0157】このように実施形態7においては、レーザ
ー溶接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶接
を行うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、
割れなどの溶接欠陥を生じさせることなく、ラッパ管4
の肉盛溶接がなし得る。
【0158】実施形態8 本発明の実施形態8に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態3を改変してなるものであって、例えば酸素アセチレ
ンガス等の溶接ガスを用いてガス溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、溶接ガスを燃焼させて高温の火炎、つまりフ
レームを形成するフレーム部および前記フレーム部に供
給する溶接ガスの供給量を変化させてフレーム出力密度
を調節する溶接ガス供給装置を備える一方、シールドガ
スを用いる必要がないのでガスを供給するガス供給装置
が取り除かれた構成とされる。また、溶接トーチ駆動装
置の替わりとしてフレーム部駆動装置を備えてなるが、
その動きは溶接トーチ駆動装置と同様とされる。その他
の構成は、実施形態3と同様とされる。
【0159】本実施形態8に係る溶接装置は、前述した
実施形態3に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。ただし、ガス供給装置は取り除
かれているのでそれについての制御はなされない。
【0160】ここで、このガス溶接による溶接装置の溶
接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング速
度、Yピース回転速度、パウダー供給量、溶接ガスのフ
レーム出力密度、位置調整手段23におけるZ軸駆動量
の制御の組合せパターンを表8に示す。表8にある、*
1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示し、*2は単位時間あたりのウィービン
グ折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶融パウ
ダー量)を一定にする目的のためになされるものである
ことを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉
盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的のため
になされるものであることを示す。
【0161】フレーム部が外側に向かっているかどうか
と、ウィービング両端部かどうかは、ウィービング手段
22にて検出する。また、ウィービング幅は一周分は一
定とあるが、渦巻き状に溶接していく場合においては、
渦巻状の溶接の開始部と終端部とに従い小さくなる。
【0162】なお、表8の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0163】
【表8】
【0164】このように実施形態8においては、ガス溶
接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶接を行
うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、割れ
などの溶接欠陥を生じさせることなく、Yピース5の二
股分岐部5aの肉盛溶接がなし得る。
【0165】実施形態9 本発明の実施形態9に係る肉盛周溶接方法に適用される
肉盛周溶接装置(以下、単に溶接装置という)は実施形
態3を改変してなるものであって、例えばYAGレーザ
ー等のレーザーを用いてレーザー溶接を施すのものであ
る。具体的には、溶接トーチおよびプラズマ電源装置の
替わりに、レーザーを照射するレーザー照射部および前
記レーザー照射部より照射されるレーザーの出力を調節
するレーザー電源装置を備えた構成とされる。また、溶
接トーチ駆動装置の替わりとしてレーザー照射部駆動装
置を備えてなるが、その動きは溶接トーチ駆動装置と同
様とされる。その他の構成は、実施形態3と同様とされ
る。なお、レーザー以外の高密度ビームによって溶接を
行うこともでき、その場合は、レーザー照射部の替わり
に高密度ビーム照射部を備えることがレーザー溶接と異
なる点でありその他はレーザー溶接による溶接装置と同
様とされる。
【0166】本実施形態9に係る溶接装置は、前述した
実施形態3に係る溶接装置と同様の制御を行い、肉盛溶
接を施すものとされる。
【0167】ここで、このレーザー溶接による溶接装置
の溶接パターンにおけるウィービング幅、ウィービング
速度、Yピース回転速度、パウダー供給量、レーザー出
力密度、ガス供給量、位置調整手段23におけるZ軸駆
動量の制御の組合せパターンを表9に示す。表9にあ
る、*1は単位時間あたりの肉盛溶接体積(肉盛溶接面
積×溶融パウダー量)を一定にする目的のためになされ
るものであることを示し、*2は単位時間あたりのウィ
ービング折り返し部の肉盛溶接体積(肉盛溶接面積×溶
融パウダー量)を一定にする目的のためになされるもの
であることを示し、*3は単位時間あたりの肉盛溶接体
積(肉盛溶接面積×溶融パウダー量)を一定にする目的
のためになされるものであることを示す。
【0168】レーザー照射部が外側に向かっているかど
うかと、ウィービング両端部かどうかは、ウィービング
手段22にて検出する。また、ウィービング幅は一周分
は一定とあるが、渦巻き状に溶接していく場合において
は、渦巻状の溶接の開始部と終端部とに従い小さくな
る。
【0169】なお、表9の組合せ以外の制御でも溶接は
可能である。
【0170】
【表9】
【0171】このように実施形態9においては、レーザ
ー溶接を用いて、以上のような溶接パターンで肉盛溶接
を行うことにより、オーバラップ、過剰肉盛、ただれ、
割れなどの溶接欠陥を生じさせることなく、Yピース5
の二股分岐部5aの肉盛溶接がなし得る。
【0172】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
てきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるも
のではなく、種々改変が可能である。例えば、実施形態
においては円管および楕円管を例に採り説明されている
が、本発明の適用は円管および楕円管に限定されるもの
ではなく、各種形状の管に適用でき例えば角型管にも適
用できる。また、棒状の被肉盛溶接部材についても適用
できる。
【0173】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、エルボなどの管状または棒状の被肉盛溶接部材の肉
盛溶接を、オーバラップ、過剰肉盛、割れ等の溶接欠陥
を生じさせることなくなし得るという優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る溶接装置のブロック
図である。
【図2】同溶接装置の要部側面図である。
【図3】図2のA矢示図である。
【図4】図2のB矢示図である。
【図5】溶接領域に分割されたエルボの概略図である。
【図6】エルボを溶接開始点における展開面におけるト
ーチの動きの模式図である。
【図7】トーチの動きを説明するためのエルボの斜視図
である。
【図8】異なる溶接パターンのトーチの動きを説明する
ためのエルボの斜視図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る溶接装置のブロック
図である。
【図10】同溶接装置の図2相当図である。
【図11】実施形態2の図5相当図である。
【図12】実施形態2のトーチの動きを説明するための
模式図である。
【図13】実施形態2における異なる溶接パターンのト
ーチの動きを説明するためのラッパ管の斜視図である。
【図14】本発明の実施形態3に係る溶接装置のブロッ
ク図である。
【図15】同溶接装置Yピース回転装置の概略図であ
る。
【図16】実施形態3のトーチの動きを説明するための
二股分岐部の内側内面の投影図である。
【図17】実施形態3における他の溶接パターンのトー
チの動きを説明するための二股分岐部の内側内面の投影
図である。
【図18】実施形態3におけるさらに他の溶接パターン
のトーチの渦巻状の動きを説明するための二股分岐部の
内側内面の投影図である。
【図19】円筒管とトーチとの断面図である。
【図20】従来の方法で作成された溶接周を示す円筒管
の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 エルボ 2 金属パウダー 3 溶接トーチ 4 ラッパ管 5 Yピース 10 エルボ駆動装置 20 溶接トーチ駆動装置 30 パウダー供給装置 40 プラズマ電源装置 50 ガス供給装置 60 冷却水供給装置 70 ラッパ管回転装置 80 Yピース回転装置 A 溶接装置 C 制御装置

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状または棒状の被肉盛溶接部材を相互
    に重なり合わない所要数の溶接領域に分割し、溶着金属
    粉末、溶着セラミックス粉末、溶着高融点有機化合物、
    それらの2種以上の混合粉末、溶着金属ワイヤ、溶着セ
    ラミックスワイヤ、溶着高融点有機化合物ワイヤ、それ
    らの2種以上の混合ワイヤまたは前記粉末と前記ワイヤ
    との混合物の供給量、溶接電流値および/または溶接電
    圧値、またはガス供給量を所定値に制御しながら前記溶
    接領域に対して溶接トーチに所定動作をさせて肉盛溶接
    をなすことを特徴とする肉盛溶接方法。
  2. 【請求項2】 管状または棒状の被肉盛溶接部材を相互
    に重なり合わない所要数の溶接領域に分割し、溶着金属
    粉末、溶着セラミックス粉末、溶着高融点有機化合物、
    それらの2種以上の混合粉末、溶着金属ワイヤ、溶着セ
    ラミックスワイヤ、溶着高融点有機化合物ワイヤ、それ
    らの2種以上の混合ワイヤまたは前記粉末と前記ワイヤ
    との混合物の供給量、溶接ガスのフレーム出力密度を所
    定値に制御しながら前記溶接領域に対してフレーム部に
    所定動作をさせて肉盛溶接をなすことを特徴とする肉盛
    溶接方法。
  3. 【請求項3】 管状または棒状の被肉盛溶接部材を相互
    に重なり合わない所要数の溶接領域に分割し、溶着金属
    粉末、溶着金属粉末、溶着セラミックス粉末、溶着高融
    点有機化合物、それらの2種以上の混合粉末、溶着金属
    ワイヤ、溶着セラミックスワイヤ、溶着高融点有機化合
    物ワイヤ、それら2種以上の混合ワイヤまたは前記粉末
    と前記ワイヤとの混合物の供給量、レーザー出力値、ガ
    ス供給量を所定値に制御しながら前記溶接領域に対して
    レーザー照射部に所定動作をさせて肉盛溶接をなすこと
    を特徴とする肉盛溶接方法。
  4. 【請求項4】 被肉盛溶接部材がエルボとされ、該エル
    ボを縦回転させながらウィービング幅、ウィービング速
    度、エルボ縦回転速度、またはエルボ旋回速度を制御し
    て肉盛溶接をなすことを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の肉盛溶接方法。
  5. 【請求項5】 エルボを所定角度旋回させて次の溶接領
    域の肉盛溶接をなすことを特徴とする請求項4記載の肉
    盛溶接方法。
  6. 【請求項6】 肉盛溶接が螺旋状になされるようにエル
    ボおよび、溶接トーチまたはフレーム部またはレーザー
    照射部を駆動することを特徴とする請求項4記載の肉盛
    溶接方法。
  7. 【請求項7】 被肉盛溶接部材がラッパ管とされ、該ラ
    ッパ管を縦回転させながらウィービング幅、ウィービン
    グ速度、ラッパ管の縦回転速度、トーチ縦方向の変位お
    よび/または速度、またはトーチ横方向の変位および/
    または速度を制御して肉盛溶接をなすことを特徴とする
    請求項1記載の肉盛溶接方法。
  8. 【請求項8】 被肉盛溶接部材がラッパ管とされ、該ラ
    ッパ管を縦回転させながらウィービング幅、ウィービン
    グ速度、ラッパ管の縦回転速度、フレーム部縦方向の変
    位および/または速度、またはフレーム部横方向の変位
    および/または速度を制御して肉盛溶接をなすことを特
    徴とする請求項2記載の肉盛溶接方法。
  9. 【請求項9】 被肉盛溶接部材がラッパ管とされ、該ラ
    ッパ管を縦回転させながらウィービング幅、ウィービン
    グ速度、ラッパ管の縦回転速度、レーザー照射部縦方向
    の変位および/または速度、またはレーザー照射部横方
    向の変位および/または速度を制御して肉盛溶接をなす
    ことを特徴とする請求項3記載の肉盛溶接方法。
  10. 【請求項10】 肉盛溶接が螺旋状になされるようにラ
    ッパ管および、溶接トーチまたはフレーム部またはレー
    ザー照射部を駆動することを特徴とする請求項7ないし
    請求項9のいずれかに記載の肉盛溶接方法。
  11. 【請求項11】 被肉盛溶接部材がYピースの二股分岐
    部とされ、該Yピースを横回転させながらウィービング
    幅、ウィービング速度、Yピースの横回転速度、トーチ
    縦方向の変位および/または速度、またはトーチ横方向
    の変位および/または速度を制御して肉盛溶接をなすこ
    とを特徴とする請求項1記載の肉盛溶接方法。
  12. 【請求項12】 被肉盛溶接部材がYピースの二股分岐
    部とされ、該Yピースを横回転させながらウィービング
    幅、ウィービング速度、Yピースの横回転速度、フレー
    ム部縦方向の変位および/または速度、またはフレーム
    部横方向の変位および/または速度を制御して肉盛溶接
    をなすことを特徴とする請求項2記載の肉盛溶接方法。
  13. 【請求項13】 被肉盛溶接部材がYピースの二股分岐
    部とされ、該Yピースを横回転させながらウィービング
    幅、ウィービング速度、Yピースの横回転速度、レーザ
    ー照射部縦方向の変位および/または速度、またはフレ
    ーム部横方向の変位および/または速度を制御して肉盛
    溶接をなすことを特徴とする請求項3記載の肉盛溶接方
    法。
  14. 【請求項14】 肉盛溶接が螺旋状になされるようにY
    ピースおよび、溶接トーチまたはフレーム部またはレー
    ザー照射部を駆動することを特徴とする請求項11ない
    し請求項13のいずれかに記載の肉盛溶接方法。
  15. 【請求項15】 管状または棒状の被肉盛溶接部材に対
    して所定動作させる被肉盛溶接部材駆動装置と、被肉盛
    溶接部材駆動装置に対し所定の位置関係に配設されてな
    る溶接トーチ駆動装置と、溶接トーチに溶着金属粉末、
    溶着セラミック粉末、溶着高融点有機化合物またはそれ
    らの2種以上の混合粉末を供給するパウダー供給装置ま
    たはフィラー供給装置と、溶接トーチに溶接電流を供給
    する電源装置と、溶接トーチにガスを供給するガス供給
    装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備えてなる
    ことを特徴とする肉盛溶接装置。
  16. 【請求項16】 管状または棒状の被肉盛溶接部材に対
    して所定動作させる被肉盛溶接部材駆動装置と、被肉盛
    溶接部材駆動装置に対し所定の位置関係に配設されてな
    るフレーム部駆動装置と、フレーム部に溶着金属粉末、
    溶着セラミック粉末、溶着高融点有機化合物またはそれ
    らの2種以上の混合粉末を供給するパウダー供給装置ま
    たはフィラー供給装置と、フレーム部に溶接ガスを供給
    する溶接ガス供給装置と、前記各装置を制御する制御装
    置とを備えてなることを特徴とする肉盛溶接装置。
  17. 【請求項17】 管状または棒状の被肉盛溶接部材に対
    して所定動作させる被肉盛溶接部材駆動装置と、被肉盛
    溶接部材駆動装置に対し所定の位置関係に配設されてな
    るレーザー照射部駆動装置と、レーザー照射部に溶着金
    属粉末、溶着セラミック粉末、溶着高融点有機化合物ま
    たはそれらの2種以上の混合粉末を供給するパウダー供
    給装置またはフィラー供給装置と、レーザー照射部にレ
    ーザー出力を供給するレーザー電源装置と、レーザー照
    射部にガスを供給するガス供給装置と、前記各装置を制
    御する制御装置とを備えてなることを特徴とする肉盛溶
    接装置。
  18. 【請求項18】 溶着金属粉末、溶着セラミック粉末、
    溶着高融点有機化合物またはそれらの2種以上の混合粉
    末を供給するパウダー供給装置またはフィラー供給装置
    の替わりに、溶着金属ワイヤ、溶着セラミックスワイ
    ヤ、溶着高融点有機化合物ワイヤ、それらの2種以上の
    混合ワイヤまたは前記粉末と前記ワイヤとの混合物を供
    給するワイヤ供給装置を備えることを特徴とする請求項
    15ないし請求項17のいずれかに記載の肉盛溶接装
    置。
  19. 【請求項19】 被肉盛溶接部材駆動装置がエルボ駆動
    装置とされ、該エルボ駆動装置がエルボを旋回させるエ
    ルボ旋回手段と、エルボを縦回転させるエルボ回転手段
    とを有してなることを特徴とする請求項15ないし請求
    項18のいずれかに記載の肉盛溶接装置。
  20. 【請求項20】 被肉盛溶接部材駆動装置がラッパ管回
    転装置とされてなることを特徴とする請求項15ないし
    請求項18のいずれかに記載の肉盛溶接装置。
  21. 【請求項21】 被肉盛溶接部材駆動装置がYピース回
    転装置とされてなることを特徴とする請求項15ないし
    請求項18のいずれかに記載の肉盛溶接装置。
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