JPH11266834A - 呈味の改善された食品 - Google Patents

呈味の改善された食品

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JPH11266834A
JPH11266834A JP10054745A JP5474598A JPH11266834A JP H11266834 A JPH11266834 A JP H11266834A JP 10054745 A JP10054745 A JP 10054745A JP 5474598 A JP5474598 A JP 5474598A JP H11266834 A JPH11266834 A JP H11266834A
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JP
Japan
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extract
taste
solution
sweetness
sensory evaluation
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Pending
Application number
JP10054745A
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English (en)
Inventor
Motohisa Kuroda
素央 黒田
Munehiro Tatara
宗弘 多々良
Fumihiko Odajima
文彦 小田嶋
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】一般的な甘味料の持つ甘味に「広がり」「甘味
の伸び」を付与することが可能な、呈味改質素材を得
る。 【解決手段】畜肉エキス又は魚介類エキスをpHを3.
5〜5.5に調整して得られる不溶性成分を単独もしく
はゼラチンの共存下にエキス調味料液中或いは糖及び/
又はアミノ酸の水溶液中において加熱して得た呈味改質
素材と甘味料とを含有せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜肉エキスまたは
魚介類エキスについて、そのpHを3.5〜5.5に調
整し、得られた不溶性成分を回収する、または、この方
法によって得られた成分を単独またはゼラチンとの共存
下においてエキス調味料液中或いは糖及び/又はアミノ
酸の水溶液中で加熱して得た呈味改質素材を用いること
による、食品の呈味質、特に甘味質の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】各種料理および食品の甘味付けを目的と
して、ショ糖(スクロース)、葡萄糖(グルコース)、
果糖(フルクトース)などの糖類やステビア抽出物、ア
スパラチルフェニルアラニンメチルエステルなどの甘味
料が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの甘味
料は一般的に甘味が単調であるという欠点を有してい
る。本発明は、一般的な甘味料の持つ甘味に「広がり」
「甘味の伸び」を付与することが可能な、呈味改質素材
の製造を行うためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決につき鋭意工夫を重ねた結果、畜肉エキスまたは
魚介類エキスについて、そのpHを3.5〜5.5に調
整し、得られた不溶性成分を単独またはゼラチンとの共
存下において、各種エキス調味料中或いは糖及び/又は
アミノ酸の水溶液中で加熱を行うことにより、糖類など
の甘味料の甘味に「広がり」や「甘味の伸び」を付与
し、かつ甘味そのものの強度を強めうる素材を得ること
が可能であるという知見に至り本発明を完成した。ま
た、本発明の呈味改質素材を食品に添加することによ
り、これら食品に「広がりのある甘味」や「甘味の伸
び」を付与できる。
【0005】本発明で用いるの呈味改質素材の製造は具
体的には以下の方法で行う。畜肉エキスまたは魚介類エ
キスについて、そのpHを3.5〜5.5に調整し、得
られた不溶性成分を遠心分離や濾過等の方法により回収
する。なお、本発明に用いる畜肉エキスは、市販のビー
フエキス、ポークエキス、チキンエキスおよび牛、豚、
鶏の煮汁や蒸煮液等をさす。また、魚介類エキスは、市
販のカツオエキス、サバエキス、マグロエキス、イワシ
エキス、グチエキス、ハモエキス、ヒラメエキスなどの
魚類のエキス、ホタテガイエキス、アサリエキス、シジ
ミエキス、カキエキスなどの市販貝類エキスおよび加工
食品製造時に副生物として得られる、魚類、貝類の煮
汁、蒸煮液、クッカージュースおよびフィッシュソルブ
ルなどである。
【0006】回収した不溶性成分は、ゼラチンの存在下
または不存在下でエキス調味料中或いは糖及び/又はア
ミノ酸の水溶液中で加熱する。この場合、原料に用いる
ゼラチンは、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、
水溶性ゼラチンおよび酵素分解ゼラチンのいずれも適用
可能である。また、ビーフボーンエキスやポークボーン
エキスなどの畜肉の骨由来のエキスはゼラチンを多く含
むことが知られているが、これらのエキスを本発明に用
いることも可能である。 本発明に用いるエキス調味料
としては、ビーフエキス、ポークエキスやチキンエキス
などの畜肉系エキス調味料、カツオエキス、サバエキ
ス、ホタテガイエキスやアサリエキスなどの魚介系エキ
ス調味料および酵母エキスなどが適用可能である。ま
た、本発明に用いる加熱の媒体として、糖及び/又はア
ミノ酸の水溶液を用いることも可能である。発明に用い
るアミノ酸は、セリン、グリシン、ヒスチジン、アルギ
ニン、グルタミン、アスパラギン、アラニン、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニ
ン、システイン、シスチン、メチオニン、ヒドロキシプ
ロリン、トリプトファン、プロリン、チロシン、バリ
ン、イソロイシン、ロイシン、リジンのいずれもが単独
もしくは複数の混合状態で使用可能である。また、その
代用物としてアミノ酸を多く含むエキス、例えばHA
P、HVP、酵母エキス等の各種天然エキスの使用も可
能である。糖は、グルコース、キシロース、ガラクトー
ス、ラムノース、フルクトース、マンノース、6−デオ
キシグルコース、グルコサミン、ガラクトサミン等の単
糖、マルトース、セロビオース、トレハロース、ラクト
ース、スクロース等の二糖、またはオリゴ糖のいずれも
が単独もしくは複数の混合状態で使用可能である。ま
た、その代用物として糖蜜、液糖のような糖含有素材、
および糖を多く含むエキス、例えば野菜エキス等の各種
天然エキスの使用も可能である。加熱は、50〜120
゜Cにおいて、1〜5時間程度行う。 なお、このとき
のエキス由来の不溶性成分の添加濃度は溶液に対して
0.01〜10%、ゼラチンの添加濃度は0.01〜1
0%である。 また、加熱時において、エキス調味料溶
液の乾重量を5〜50%に調整して反応を行う。糖及び
/又はアミノ酸の水溶液中で加熱する際の糖の添加濃度
は0.01〜30%、アミノ酸の添加濃度は0.01〜
20%である。加熱後の反応液について、透析、限外濾
過あるいはエタノール沈澱などの方法を用いて、高分子
画分すなわちタンパク質を中心とした画分の回収を行
い、本発明の呈味改質素材を得ることが可能である。
また、加熱反応後の溶液をそのままの状態で利用するこ
とにより、「甘味の広がり」や「甘味の伸び」の増強さ
れた素材を得ることも可能である。
【0007】このようにして得られた呈味改質素材を、
蔗糖、ぶどう糖、果糖、ソルビトール、マルチトール、
マンニトールなどの糖類やステビア抽出物、アスパルテ
ーム、3、3−ジメチルブチルフェニルアラニンメチル
エステル、アセスルフェームKなどの甘味料に固形分重
量で0.01〜1%添加することにより、各種甘味料が
本来持っている甘味が改質され、その味に「広がり」
「甘味の伸び」を付与することが可能である。また、上
記のようにして得られた呈味改質素材を、市販コーヒー
飲料や市販ジュース類、チューインガム、キャンディ
ー、ようかん等の菓子類に対して固形分重量で0.01
〜1%添加することにより、各種食品が本来持っている
甘味が改質され、その味に「広がり」「甘味の伸び」を
付与することが可能である。さらには、上記のようにし
て得られる呈味改質素材を、日本料理、たとえば、肉じ
ゃが、筑前煮、または、ポタージュスープ、コーンスー
プ、クリームシチューなどの洋風料理、あるいは酢豚、
中華スープなどの中華料理に添加することにより、各種
料理が本来持っている甘味が改質され、食品の味に「広
がり」「甘味の伸び」を広げることが可能である。
【0008】本発明の対象となる食品は、甘味料自体で
あってもよいし(粉末甘味料、顆粒状甘味料、液状甘味
料等)、各種飲料、菓子、チューインガム、冷菓等の加
工食品であってもよい。或いは、医療用の各種食品も本
発明の対象に含まれる。
【0009】
【実施例1】市販カツオエキス(固形分濃度45%)1
Lについて、塩酸を用いてpHを4.3に調整し、その
後に遠心分離を行い不溶性画分を得た。この様にして得
られた不溶性成分を凍結乾燥し、9.5gの粉末を得
た。上記のようにして得られた不溶性画分0.5gおよ
び豚皮ゼラチン(酸処理ゼラチン)0.5gを市販ビー
フエキス調味料溶液500mlに溶解し、90゜Cにお
いて、6時間加熱を行った。 このときのエキス調味料
溶液の乾重量は、15%に調整して反応を行った。 加
熱後の反応液について透析を行い、高分子画分すなわち
タンパク質を中心とした画分を1.12g得た。 この
ようにして得られた物質を固形分0.05%になるよう
にショ糖2%水溶液に添加して官能評価を実施した。対
照として、無添加ショ糖溶液を用いた。 2種類の溶液
について、二点比較法で味覚パネル20名による官能評
価を実施した。 結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【実施例2】マグロ煮汁(固形分濃度6%)5Lについ
て、塩酸を用いてpHを4.3に調整し、その後に遠心
分離を行い不溶性画分を得た。得られた不溶性画分を凍
結乾燥し、6.5gの粉末を得た。このようにして得ら
れた不溶性成分粉末0.5gを市販カツオエキス調味料
溶液100mlに溶解し、95゜Cにおいて、6時間加
熱を行った。このときのエキス調味料溶液の乾重量は、
45%に調整して反応を行った。加熱後の反応液につい
て透析を行い、高分子画分すなわちタンパク質を中心と
した画分を4.5g得た。このようにして得られた物質
を固形分0.05%になるようにショ糖2%水溶液に添
加して官能評価を実施した。対照として、無添加ショ糖
溶液を用いた。 2種類の溶液について、二点比較法で
味覚パネル20名による官能評価を実施した。 結果を
表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
【実施例3】実施例1で得られた物質を固形分0.05
%になるように、果糖2%溶液に添加して、官能評価を
実施した。 対照として、無添加果糖溶液を用いた。
2種類の溶液について、二点比較法で味覚パネル20名
による官能評価を実施した。結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
【実施例4】実施例1で得られた物質を固形分0.05
%になるように、ぶどう糖2.5%溶液に添加して、官
能評価を実施した。 対照として、無添加ぶどう糖溶液
を用いた。2種類の溶液について、二点比較法で味覚パ
ネル20名による官能評価を実施した。結果を表4に示
す。
【0016】
【表4】
【0017】
【実施例5】実施例1で得られた物質を固形分0.05
%になるように、アプパラチルフェニルアラニンメチル
エステル0.02%溶液に添加して、官能評価を実施し
た。対照として、無添加アスパラチルフェニルアラニン
メチルエステル溶液を用いた。2種類の溶液について、
二点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。結果を表5に示す。
【0018】
【表5】
【0019】
【実施例6】実施例1で得られた物質を固形分0.05
%になるように、市販コーンクリームスープ(クノール
食品社製、「北海道コーンクリームスープ」)に添加し
て、官能評価を実施した。 対照として、無添加スープ
を用いた。2種類のスープについて、二点比較法で味覚
パネル20名による官能評価を実施した。結果を表6に
示す。
【0020】
【表6】
【0021】
【実施例7】市販カツオエキス(固形分濃度45%)1
Lについて、塩酸を用いてpHを4.3に調整し、その
後に遠心分離を行い不溶性画分を得た。この様にして得
られた不溶性成分を凍結乾燥し、9.5gの粉末を得
た。上記のようにして得られた不溶性画分0.5gおよ
び豚皮ゼラチン(酸処理ゼラチン)0.5gとグルコー
ス5gとグルタミン酸5gを水500mlに溶解し、9
0℃において、6時間加熱を行った。 加熱後の反応液
について透析を行い、高分子画分すなわちタンパク質を
中心とした画分を0.82g得た。 このようにして得
られた物質を固形分0.05%になるようにショ糖2%
水溶液に添加して官能評価を実施した。対照として、無
添加ショ糖溶液を用いた。 2種類の溶液について、二
点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。 結果を表7に示す。
【0022】
【表7】
【0023】
【実施例8】マグロ煮汁(固形分濃度6%)5Lについ
て、塩酸を用いてpHを4.3に調整し、その後に遠心
分離を行い不溶性画分を得た。得られた不溶性画分を凍
結乾燥し、6.5gの粉末を得た。このようにして得ら
れた不溶性成分粉末0.5gをキシロース5gを市販ビ
ーフエキス100mlに溶解し、95℃において、6時
間加熱を行った。加熱後の反応液について透析を行い、
高分子画分すなわちタンパク質を中心とした画分を4.
2g得た。このようにして得られた物質を固形分0.0
5%になるようにショ糖2%水溶液に添加して官能評価
を実施した。対照として、無添加ショ糖溶液を用いた。
2種類の溶液について、二点比較法で味覚パネル20
名による官能評価を実施した。 結果を表8に示す。
【0024】
【表8】
【0025】
【実施例9】実施例7で得られた物質を固形分0.05
%になるように、果糖2%溶液に添加して、官能評価を
実施した。 対照として、無添加果糖溶液を用いた。
2種類の溶液について、二点比較法で味覚パネル20名
による官能評価を実施した。結果を表8に示す。
【0026】
【表9】
【0027】
【実施例10】実施例7で得られた物質を固形分0.0
5%になるように、ぶどう糖2.5%溶液に添加して、
官能評価を実施した。 対照として、無添加ぶどう糖溶
液を用いた。2種類の溶液について、二点比較法で味覚
パネル20名による官能評価を実施した。結果を表10
に示す。
【0028】
【表10】
【0029】
【実施例11】実施例7で得られた物質を固形分0.0
5%になるように、アプパラチルフェニルアラニンメチ
ルエステル0.02%溶液に添加して、官能評価を実施
した。対照として、無添加アスパラチルフェニルアラニ
ンメチルエステル溶液を用いた。2種類の溶液につい
て、二点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実
施した。結果を表11に示す。
【0030】
【表11】
【0031】
【実施例12】実施例7で得られた物質を固形分0.0
5%になるように、市販コーンクリームスープ(クノー
ル食品社製、「北海道コーンクリームスープ」)に添加
して、官能評価を実施した。 対照として、無添加スー
プを用いた。2種類のスープについて、二点比較法で味
覚パネル20名による官能評価を実施した。結果を表1
2に示す。
【0032】
【表12】
【0033】
【発明の効果】 畜肉エキスまたは魚介類エキスについ
て、そのpHを3.5〜5.5に調整して得られた不溶
性成分を単独またはゼラチンとの共存下で各種エキス調
味料中或いは糖及び/又はアミノ酸の水溶液中において
加熱することによって得た呈味改質素材により、各種食
品の甘味質を改質し得ることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A23L 1/39 A23L 1/39

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畜肉エキス又は魚介類エキスをpHを
    3.5〜5.5に調整して得られる不溶性成分を単独も
    しくはゼラチンの共存下にエキス調味料液中において加
    熱或いは糖及び/又はアミノ酸の水溶液中で加熱して得
    た呈味改質素材と甘味料とを含有することを呈味の改善
    された食品。
JP10054745A 1998-01-22 1998-03-06 呈味の改善された食品 Pending JPH11266834A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10054745A JPH11266834A (ja) 1998-01-22 1998-03-06 呈味の改善された食品

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-10187 1998-01-22
JP1018798 1998-01-22
JP10054745A JPH11266834A (ja) 1998-01-22 1998-03-06 呈味の改善された食品

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JPH11266834A true JPH11266834A (ja) 1999-10-05

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10054745A Pending JPH11266834A (ja) 1998-01-22 1998-03-06 呈味の改善された食品

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777650B1 (ko) 2006-06-12 2007-11-29 주식회사농심 천연정미성소재 및 그 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777650B1 (ko) 2006-06-12 2007-11-29 주식회사농심 천연정미성소재 및 그 제조방법

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