JP3496489B2 - 調味料素材の製造法 - Google Patents

調味料素材の製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖類または糖類及
びアミノ酸類をアルカリ中で加熱を行い、更にその後こ
れをエキス類に加えて加熱することにより、pH中性領
域において「あつみのある酸味」を付与し、また「あつ
み」「後味の伸び」を付与する新規調味料及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種料理のベースとして、畜肉エキス、
チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの天然エ
キスが業務用として広く用いられている。これらの天然
エキスの機能は、食品に複雑な味と幅を与える、コクを
与える、食品材料の味の不足を補うなどとされている。
【0003】しかし、これらの天然エキスは高価であ
り、入手しがたいものであるため、一般的には、これら
天然エキスの一部を用いた加工品および代替品が製造・
市販され利用されている。また、かつお節、煮干、だし
昆布、シイタケなどの基本だし、およびこれらの天然材
料に食塩、砂糖、うま味調味料、アミノ酸などを配合し
た風味調味料も広く使われている。これら市販の天然エ
キスの加工品および代替品などは、その組成がグルタミ
ン酸ナトリウムを中心としたアミノ酸、核酸、有機酸な
どの低分子物質を主成分に構成されているために、やは
り天然のエキスと比較してみると、呈味が単純であり、
ぼけているという欠点を有している。
【0004】従来、このような欠点を補うためには、H
VP(植物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、
酵母エキス等を添加することにより、コク味、複雑味を
付与し、呈味の改善を計っているが、HVPおよびHA
Pは、分解臭を有している事、また、酵母エキスは、酵
母特有の風味を有しているため、自ずからその使用量に
制限が生じ、いわゆるモデルとした天然エキスとは明ら
かに呈味・風味が異なり満足できるものではない。特
に、このような調味料は、ビーフブイヨンや鰹節だし汁
のような天然素材の持つ「あつみのある酸味」および
「あつみ」、天然感、複雑感に欠けるという欠点を有し
ている。また、畜肉や魚介の天然エキスを用いた場合に
も、これら特有の風味を有するため、自ずからその使用
量および使用範囲に制限が生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の背景下
に、本発明は、飲食品にビーフブイヨンや鰹節だし汁な
どの天然素材の持つ「あつみのある酸味」「濃厚感・あ
つみ」を付与し、異風味を有さない新規な調味料素材を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決につき鋭意工夫を重ねた結果、予めグルコース
(ぶどう糖)、フラクトース(果糖)、キシロース、リ
ボース等の糖類をもしくはこれら糖類とグリシン、リジ
ン、MSG等のアミノ酸をpH8〜13のアルカリ条件
下で加熱を行い、その後得られた反応物をエキス類に添
加しpH中性下で再度加熱操作を行うことにより、魚介
類エキス特有の生臭みや畜肉エキス特有の獣臭等の異風
味のない、「あつみのある酸味」や「あつみ」「濃厚
感」の付与された調味料を製造しうることを見いだし、
このような知見に基づいて本発明を完成するに至った。
なお、ここで言う「あつみのある酸味」とは、通常食品
加工に用いられている有機酸(クエン酸、コハク酸、乳
酸、リン酸等)等が呈する舌を強く刺す酸味ではなく、
酸味は呈するが口全体に広がるような天然エキスが有す
るマイルドな酸味を言う。また、これら有機酸および酸
性アミノ酸などの酸味物質は、中性pHにおいては酸味
を呈さず、だし等に「あつみのある酸味」を付与する事
はできないことは言うまでもない。また、従来調味機能
を有すると紹介されているアンセリン、カルノシン、ク
レアチン、クレアチニン、核酸類、糖類は、上記のよう
に中性pH領域で酸味を呈する機能を有しない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、アルカリ中にて糖類も
しくは糖類とアミノ酸類を加えて加熱し、加熱後これを
エキス類に加えpH中性で更に加熱することにより、エ
キス類特有の異風味がなく、「あつみのある酸味」「濃
厚感・あつみ」の付与された調味料素材の製造しうるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明に用いる糖類は、グルコース、マン
ノース、ガラクトースなどのアルドヘキサオース、リボ
ース、キシロースなどのアルドペントースおよびフラク
トースなどのケトヘキサオース類やリブロース、キシル
ロースなどのケトペントース類、マルトース、スクロー
スなどの二糖類である。また、水飴や糖蜜、異性化糖、
野菜エキス、果汁など、上記の糖類を多量に含む食品や
調味料を使用することも可能である。
【0009】本発明に用いるアミノ酸類は、グリシン、
リジン、グルタミンなどのアミノ酸、MSG、アスパラ
ギン酸ナトリウムなどのアミノ酸塩、カルノシンやアン
セリンなどのペプチド等である。また、HVP、HA
P、醤油、酵母エキス、野菜エキスなど、上記のアミノ
酸類を多量に含む食品や調味料・エキスを使用すること
も可能である。
【0010】本発明に用いるエキスは、市販のカツオエ
キス、サバエキス、マグロエキス、イワシエキス、グチ
エキス、ハモエキス、ヒラメエキス、タラエキス、煮干
しエキス、ホタテガイエキス、アサリエキス、シジミエ
キス、カキエキス、アワビエキス、タコエキス、イカエ
キス、カニエキス、エビエキス、オキアミエキスなどの
水産物類のエキス、市販のビーフエキス、ポークエキ
ス、チキンエキスなどの畜肉類のエキスおよび加工食品
製造時に副生物として得られる、水産物類、畜肉類の煮
汁、蒸煮液、クッカージュースおよびフィッシュソルブ
ルなどを示す。また、これらの酵素消化物および魚醤を
使用することも可能である。
【0011】本調味料は、例えば以下に示す方法で得る
ことが可能である。グルコース等の糖類、もしくはこれ
ら糖類とその1/10量から等量のグリシン等のアミノ
酸類をpH8〜13のアルカリ中で2〜30分間80〜
100°Cで加熱を行う。得られた反応液は、そのまま
エキスに加えても構わないが、塩酸などで予めpHを中
性に調整しても構わない。エキスにはエキスの固形分1
gあたり0.2〜20倍量(重量)の反応物(乾重量)
を添加し加熱する。加熱温度は50〜100°C、加熱
時間は30分〜48時間で良い。また、pHは中性付近
であることが好ましい。上記に示した操作により、エキ
ス類特有の異風味がなく、「あつみのある酸味」「濃厚
感・あつみ」の付与された調味料素材を製造することが
可能である。
【0012】このように製造した調味料は、そのままで
使用することも可能であるが、適宜、活性炭やイオン交
換樹脂による処理によって、着色物質や焦げ臭などの原
因となる香気成分を除去して使用することもできる。ま
た、得られた調味料素材は、素材として単品使用される
他、天然エキスまたはその代替物、基本だし素材や風味
調味料等に配合使用することができる。
【0013】このようにして得られた「あつみのある酸
味」「濃厚感・あつみ」の付与された調味料は、日本料
理のだし、たとえば、かつお節、鶏肉、魚貝、こんぶ、
牛肉、シイタケなどの素汁に添加、または、西洋料理の
スープストック、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚貝な
どの素汁に添加、中華料理のタン、たとえば、牛肉、鶏
肉、豚肉、ハム、貝柱、アワビ、エビ、スルメ、シイタ
ケ、ハクサイ、セロリなどの素汁に添加することによ
り、これらに「あつみのある酸味」「濃厚感・あつみ」
を付与し、その呈味機能を増強させることが判明した。
また、前述のごとく、上記の天然エキスの加工品および
代替品、特にアミノ酸混合物として比較的安価に利用で
きるHVP、HAP、酵母エキスに添加し、安価なビー
フエキスに添加した場合も、また基本だし素材または従
来の風味調味料に添加しまたはこれと併用した場合に
も、味全体をひきしめ、「あつみのある酸味」「濃厚感
・あつみ」を付与すると共に味の増強がみられ、高品質
なものに改良することができる。
【0014】
【実施例】以下に、エキス類特有の異風味がなく、「あ
つみのある酸味」「濃厚感・あつみ」の付与された調味
料の製造方法と添加効果を実施例をあげて説明する。な
お、本発明の技術的範囲はこれら実施例によって制限さ
れるものではない。
【0015】(実施例1)グルコース50gを水100
mLに溶解後、水酸化ナトリウムでpHを13に調製し
15分間80°Cで加熱を行った。加熱後、この溶液を
1Lの鰹煮汁に添加しpHを塩酸でpH中性に調整した
後に、温度を95°Cで2時間加熱を行った。
【0016】このようにして得られた調味料を市販めん
つゆに添加し、官能評価を実施した。 配合比は次の通
りとした。すなわち、市販めんつゆ100mlに本発明
の調味料1gを添加した。
【0017】対照として、無添加のめんつゆを作成し、
二点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。 結果を下記表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例 2)フラクトース50gとグリ
シン10.5gを100mLのpH10の炭酸緩衝液に
溶解し、5分間95°Cで加熱を行った。加熱後、塩酸
でこの溶液をpH中性に調整し、1Lの鰹煮汁に添加
し、温度を95°Cで2時間加熱を行った。さらに、こ
の脱塩液反応液を活性炭による脱色を常法により行った
ところ、無色無臭の溶液が得られた。
【0020】このようにして得られた調味料を市販イン
スタント味噌汁に添加し、官能評価を実施した。 配合
比は次の通りとした。すなわち、市販インスタント味噌
汁(味の素(株)製)200mlに本発明の調味料0.
5gを添加した。
【0021】対照として、無添加の味噌汁を作成し、二
点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。 結果を下記表2に示す。
【0022】
【表2】 *:危険率5%以下で有意差あり
【0023】
【発明の効果】以上のように示した結果から、糖類もし
くは糖類とアミノ酸類を予めアルカリ中で加熱し、得ら
れた画分をエキスに添加し、加熱操作を行うことによ
り、エキス類特有の異風味がなく、「あつみのある酸
味」「濃厚感・あつみ」の付与された新規な調味料を製
造することが可能であった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖類(但しカードランを除く)をアルカリ
    中で加熱し、これをエキス類に加え更に加熱することを
    特徴とする新規調味料の製造法。
  2. 【請求項2】糖類(但しカードランを除く)をアルカリ
    中で加熱する際アミノ酸を共存させることを特徴とする
    請求項1記載の新規調味料の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の調味料配合される
    ことを特徴とする天然エキス加工品、天然エキス代替
    物、基本だし素材または風味調味料。
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