JPH11266789A - 油脂を使用しない冷菓とその製造方法 - Google Patents

油脂を使用しない冷菓とその製造方法

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JPH11266789A
JPH11266789A JP10070858A JP7085898A JPH11266789A JP H11266789 A JPH11266789 A JP H11266789A JP 10070858 A JP10070858 A JP 10070858A JP 7085898 A JP7085898 A JP 7085898A JP H11266789 A JPH11266789 A JP H11266789A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油脂を使用することなく、従来の普通のアイス
クリーム類等の冷菓と比べて遜色ない豊かな乳風味,こ
く味,食感および物性を有する冷菓を得ること。 【解決手段】親水性コロイド物質等の油脂代替物と超音
波により水和処理した蛋白質とを含む冷菓であって、油
脂代替物が、蛋白微細ゲル化物,澱粉分解物,ペクチ
ン,イヌリン,微結晶セルロース,ポリデキストロース
およびオリゴ糖からなる群より選択される1種または2
種以上のもの、蛋白質が、脱脂粉乳,蛋白微細ゲル化物
および乳清蛋白質濃縮物からなる群より選択される1種
または2種以上のものである冷菓。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂を使用しない
冷菓とその製造方法に関する。さらに詳しくいうと、本
発明は、従来の油脂を使用したアイスクリーム類等の冷
菓に比べて遜色のない豊かな乳風味,こく味,食感およ
び物性を有し、かつ、低カロリーの冷菓を油脂を使用す
ることなしに製造する方法とそれによって得た冷菓に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷菓には油脂が使用されているの
が普通であるが、その油脂の働きとしては、例えばア
イスクリームのもつ特有の濃厚感のある味わいと好まし
い食感を与える 冷菓に使用する他の原料、例えば糖
類,乳化剤,安定剤,色素または香料等に起因する苦
味,後味等の好ましくない風味をマスキングする 油
脂それ自身の固形分が、冷菓に氷晶の小さなきめの細か
い組織とクリーミーな食感を与えるといわれている。
【0003】ところで、油脂を殆どあるいは全く使用す
ることなしに、すなわち、油脂以外の冷菓原料に由来す
るいわゆる固有の脂肪分だけで、脂肪分を3〜16%含
有するアイスクリーム,アイスミルクあるいはラクトア
イス等のアイスクリーム類等の冷菓と同じようなクリー
ミーで濃厚感のある冷菓を得ようとする試みは、例え
ば、脂質蛋白質複合体を使用する方法(特開平5−23
6896号)や有機酸モノグリセリドと乳蛋白質との複
合体を使用する方法(特開平8−170号)等として多
数の提案がなされているが、これらによって十分に満足
できる品質のものが得られるとはいい難い。すなわち、
実際には、油脂を使用しない低カロリーの冷菓であっ
て、アイスクリーム類等の冷菓のような豊かな乳風味,
こく味,食感および物性を有する冷菓は未だ満足するも
のが得られていない。
【0004】また、冷菓には、超音波が、アイスクリー
ムミックスの均質化処理のために、あるいは、予め均質
化された原料調整物のホイップ時間の短縮,アイスクリ
ームの保形性および造花性の向上(特公昭63−367
35号)等のために使用されているが、その超音波が、
油脂を使用していない冷菓における乳風味,こく味,食
感および物性の向上を目的として使用することは未だな
されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、我が国において
は、食生活の欧米化にともない油脂摂取量が増加する傾
向にあり、それにともなって成人病の増加および若年化
など健康面への弊害が問題視されてきている。そのた
め、消費者の油脂摂取量を低減させる要望が高まってお
り、実際に市場には、低脂肪,無脂肪でそれなりの品質
を有する食品が登場し始めているが、その食品の中でも
特に油脂の役割が大きく嗜好性の高い冷菓においては、
低脂肪または無脂肪で満足できる品質のものは未だ存在
していない。
【0006】すなわち、冷菓においても、低脂肪あるい
は無脂肪であって、かつ、従来の普通のアイスクリーム
類等の冷菓と比べて遜色のない豊かな乳風味,こく味,
食感および物性を有するものが望まれているところであ
る。
【0007】しかしながら、油脂を使用しない冷菓にあ
っては、糖類,乳化剤,安定剤,色素,香料等の原料
に起因する苦味,後味等の好ましくない風味が油脂によ
ってマスキングされないため、その好ましくない風味が
ストレートに表れる 固形分が低下するために氷晶の
大きな粗い組織となりやすく、クリーミーな食感を得る
ことは困難となる この固形分を補うために他の原料
を多く使用することが必要となり、そのために上記原料
に起因する苦味、後味がさらに強調されてしまう。
【0008】しかも、油脂分を殆どあるいは全く含まな
い冷菓では、油脂分を含むアイスクリーム類等の冷菓に
比ベて溶けやすくまた温度変化に対する耐性にも乏しく
なりやすいという欠点がある。これを解決しようとする
場合には、通常、増粘多糖類を主体とする安定剤を使用
するのが一般的であるが、その安定剤を使用すると今度
は、糊っぽい食感となり、風味面も劣ったものとなりや
すいという欠点がある。
【0009】以上のような状況に鑑み、本発明は、油脂
を使用しないにもかかわらず、従来の普通のアイスクリ
ーム類等の冷菓と比べて遜色ない豊かな乳風味,こく
味,食感および物性を有する冷菓を得ようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乳蛋白質
に代表される蛋白質、生乳,バター,生クリーム等の乳
製品に由来する乳脂肪,ヤシ油,パーム油,大豆油等の
油脂類、糖類等を主原料としている従来の普通のアイス
クリーム類等の冷菓において、特有の濃厚感のある味わ
いと好ましい食感は、油脂が脂肪球として冷菓中に存在
していること、油脂から得られる固形分によるところが
大きいこと、また、豊かな乳風味については、蛋白質が
十分に水和されていることに起因しているという知見に
基づいて鋭意研究し、本発明を完成したものである。
【0011】すなわち、本発明冷菓は、親水性コロイド
物質等の油脂代替物と超音波により水和処理した蛋白質
とを含むことを特徴とするものである。また、本発明冷
菓の製造方法は、蛋白質を超音波により水和処理し、こ
の水和処理した蛋白質,親水性コロイド物質等の油脂代
替物,糖類,乳化剤,安定剤,必要とする他の冷菓原料
とを混合,加熱し、乳化均質化後、殺菌,冷却,フリー
ジングすることを内容とするものである。
【0012】上記において、油脂代替物としては、親水
性コロイド物質の他、ポリデキストロースおよびオリゴ
糖からなる群から適宜選択する。親水性コロイド物質と
しては、アラビアガム,ガテイ,カラヤ,トラガント,
寒天,アルギン酸塩,カラギーナン,ペクチン,ヘミセ
ルロース,β−グルカン,ペントサン,ゼラチン,ロー
カストビーン,グアー,タラ,タマリンド,マルメロ,
オオバコ,亜麻,コーン,小麦,米,ワキシーコーン,
タピオカ,ポテト,コンニャク,キサンタン,ジェラ
ン,カーボキシメチルセルロース,メチルセルロース,
ヒドロキシプロピル澱粉,好ましくは、蛋白微細ゲル化
物,澱粉分解物,ペクチン,イヌリン,微結晶セルロー
スを挙げることができる。すなわち、本発明では、油脂
代替物として、上記各種親水性コロイド物質(好ましく
は、蛋白微細ゲル化物,澱粉分解物,ペクチン,イヌリ
ンまたは微結晶セルロース)の他、ポリデキストロース
およびオリゴ糖からなる群より選択される1種または2
種以上を使用する。
【0013】さらに、上記蛋白微細ゲル化物としては、
具体的には、米国ニュートラスィート・ケルコ社からシ
ンプレス(商品名)として販売されているような乳清蛋
白質の濃縮液に剪断力をかけながら加熱し微細なゲル状
としたものが使用できる。澱粉分解物としては、澱粉を
酸,酵素等で中,短鎖に分解したもの、ペクチンとして
は、一般にゲル化剤として使用されているものの他に、
ハーキュリーズジャパン社製のペクチンミクロゲル等も
使用できる。イヌリンとしては、チコリの根から得られ
る食物繊維を使用でき、また微結晶セルロースとして
は、旭化成株式会社からアビセル(商品名)あるいは米
国FMC社からノバゲル(商品名)として販売されてい
るもの等が使用できる。
【0014】ポリデキストロースとしては、ブドウ糖と
ソルビトールをクエン酸とともに減圧下加熱した後精製
した平均分子量1500程度の水溶性食物繊維を使用で
き、オリゴ糖としては、大豆オリゴ糖,フラクトオリゴ
糖またはガラクトオリゴ糖等が使用できる。
【0015】上記した油脂代替物の作用としては、蛋白
微細ゲル化物は、主としてこれが水和することにより丁
度油脂を使用した冷菓における脂肪球と同様に、同程度
の大きさで球状、または長球状に分散し、あたかも脂肪
球のような口中感を与える機能を有し、オリゴ糖,澱粉
分解物およびポリデキストロースは、主として固形分の
減少を補い、微結晶セルロース,ペクチンおよびイヌリ
ンは、主として冷菓にボディー感を与えるとともに滑ら
かさを付与すると考えられる。
【0016】したがって、本発明によれば、上記油脂代
替物の1種または2種以上を適宜選択使用することによ
り、豊かな乳風味,こく味,食感および物性を持った冷
菓を得ることができるものであるが、さらに、蛋白微細
ゲル化物のもつ脂肪球のような口中感を得るとともに、
他の油脂代替物で固形分の減少を補い、ボディー感と滑
らかさを冷菓に相乗的に付与させるためには、上記油脂
代替物として、蛋白微細ゲル化物と、その他の油脂代替
物すなわち澱粉分解物,ペクチン,イヌリン,微結晶セ
ルロース,ポリデキストロースおよびオリゴ糖からなる
群より選択される1種または2種以上のものとを組み合
わせて使用することが最も好ましいということができ
る。
【0017】本発明において、超音波により水和処理し
た蛋白質を得るには、蛋白質原料、好ましくは脱脂粉
乳,蛋白微細ゲル化物および乳清蛋白質濃縮物からなる
群より選択される1種または2種以上を、蛋白質含量と
して好ましくは1.0〜20.0重量%、さらに好まし
くは2.0〜15.0重量%濃度となるように、また、
必要により糖類等の他の水溶性原料を加えて加温溶解し
て蛋白質溶液とし、これに超音波を照射することにより
行う。
【0018】乳清蛋白質濃縮物としては、具体的には、
ホエイ蛋白濃縮物(WPC:Whey protein concentrat
e),ホエイ蛋白単離物(WPI:Whey protein isolat
e)等を使用することができる。蛋白質原料を加温溶解
する方法としては、一般に用いられているパドル羽根に
よる方法,高剪断力の高速回転剪断型撹拌機であるホモ
ミキサー(特殊機化工業製)による方法等を適宜使用す
ることができる。
【0019】蛋白質溶液を超音波処理する条件として
は、当該蛋白質溶液に発振周波数が1kHz〜200M
Hz,好ましくは5〜500kHz,さらに好ましくは
10〜100kHzの超音波を、出力が処理液1リット
ルあたり1.0×10-5〜1.0kw時,好ましくは
1.0×10-5〜1.0×10-1kw時になるように照
射する。
【0020】照射する時間については、周波数,出力等
により一概に決めることは困難であるが、一般的には5
〜60分であり、極度に出力の弱い状態では数時間にわ
たり照射することも可能であるが、産業的には超音波の
照射に過度に長い時間を要するため生産効率が悪く好ま
しくない。また、照射する温度については特に限定しな
いが、蛋白質が変質(熱分解、熱変性、褐変、風味劣
化、凍結等)しない範囲で照射することが、風味の点で
好ましい。
【0021】超音波照射を行う方法としては、超音波の
発振子をタンクあるいは槽に直接設置する方法,ホーン
型発振子の先端部を処理液に浸漬する方法等があるが、
これらに限定されるものではなく、さらにこの両者ある
いは他の乳化分散機器とを併用しても何らかまわない。
例えばパドル型撹拌羽根でタンク中の被処理液を撹拌し
つつ、ホーン型発振子で超音波を照射することも可能で
ある。
【0022】超音波の照射装置を設置する工程上の位置
は、超音波により水和処理を行った蛋白質処理液を、冷
菓の原料として使用し得る位置であればよく、例えばパ
イプライン中に設置して連続的に照射を行ったり、ある
いは、調合タンクまたは別に用意した貯留タンクの中で
照射を行う等、設置スペース,作業手順等に合わせて任
意に行うことができる。
【0023】このようにして作成した超音波により水和
処理した蛋白質処理液は、連続して冷菓を製造するため
に、次工程のための原料として使用しても良いし、一度
貯蔵に支障のない温度に冷却し、変質しない期間貯蔵し
てから冷菓を製造する時に随時使用することもできる。
【0024】本発明は、風味として通常のバニラ香料を
使用した冷菓に限定されることはなく、ココア,コーヒ
ー抽出物,紅茶抽出物,抹茶または果汁・果肉等の他の
呈味成分を含む原材料および香料等を使用したフレーバ
ードタイプの冷菓にも適用できるので、これらの呈味成
分と豊かな乳風味、こく味とがマッチした油脂を使用し
ない冷菓を得ることができる。
【0025】なお、本発明において油脂を使用しない冷
菓とは、油脂以外の冷菓原料に由来する固有の脂肪分を
除いて油脂を含まないことを意味する。また、本発明に
おいて冷菓とは、アイスクリーム,アイスミルク,ラク
トアイス,シャーベットまたは氷菓に限定されることな
く、冷凍して供されるホイップヨーグルト,ムースおよ
びホイップゼリー等を包含する。
【0026】
【発明の実施の形態】実施例1 脱脂粉乳500gと水1500gを、ホモミキサー(特
殊機化工業社製HV2型)を用いて60℃に加温溶解
し、冷却水にて5℃に冷却した。それを容量3Lのステ
ンレス製の容器に入れ、超音波洗浄槽(シャープ社製U
C−302B型、28kHz、300W)に満たした所
定量の冷水中に15分間浸漬し、超音波処理をした。
【0027】その処理液800.0g,砂糖100.0
g,蛋白微細ゲル化物(ニュートラスィート社製シンプ
レス)40.0g,ラクチトール100g,乳化安定剤
(ダニスコイングリーディエンツ社製)12.0g,配
合水948.0gを、上記ホモミキサーを用いて80℃
に加温した後均質化(均質化圧:1段目150kg/c
2 、2段目50kg/cm2 )を行い、5℃に冷却し
て、冷菓ミックス1700gを得た。
【0028】この冷菓ミックス約100gを用いて脂肪
含有量を測定したところ、脂肪率0.5%未満で無脂肪
といえるものであった。残った冷菓ミックス1600g
にバニラ香料2.4g,ミルク香料2.4g,色素0.
32gを添加し、バッチ式アイスクリームフリーザー
(大東機械社製IFB−3型)を用いてフリージングを
行いオーバーラン30で取り出した後、容量130ml
の紙カップに充填し、−35℃で硬化し、配合割合が表
1に示すとおりの実施例1の冷菓を作成した。
【0029】対照例1 脱脂粉乳を超音波処理を行わない他は実施例1と同じ配
合で対照例1の冷菓を作成した(表1)。
【0030】実施例2,3 脱脂粉乳を実施例1と同様に超音波処理し、油脂代替物
として蛋白微細ゲル化物とポリデキストロースを組み合
わせて使用した実施例2、油脂代替物としてポリデキス
トロースのみを使用した実施例3の冷菓を作成した(表
1)。
【0031】対照例2 実施例3と同じ配合ではあるが、脱脂粉乳を超音波処理
しない対照例2の冷菓を作成した(表1)。
【0032】上記実施例1〜3と対照例1,2の冷菓に
ついて、官能試験と物性試験を行った。 〔官能試験〕20名の専門パネラーにより、冷菓の風味
と食感を官能評価した。風味は、乳風味とこく味につい
て、食感は氷晶の細やかさとクリーミーさについて評価
を行い、風味,食感のそれぞれについて表2に記載した
評価基準にのっとり“良い”から“悪い”の5段階で採
点し、20名の合計点数を求めた。
【0033】〔物性試験〕物性試験は、溶解耐性(保形
性)と温度変化耐性について実施した。溶融耐性(保形
性)については、各実施例と対照例の冷菓を、−25℃
の温度下で形状を維持したままカップから取り出し50
メッシュの金網上に静置し、室温25℃で溶解状態を観
察して評価した。温度耐性については、カップに充填硬
化された各実施例と対照例の冷菓を、−15℃,3時
間、−5℃,1時間、−25℃,4時間のサイクルで温
度変化させ、これを2週間繰り返し外観の変化を評価し
た。
【0034】物性試験の評価については、以下の4段階
で行った。 ◎:非常に良 ○:良 △:可 ×:不可
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】〔官能試験の結果〕本発明の実施例1〜3
の冷菓は、表1に示すとおり、蛋白質を超音波処理して
いない対照例1,2の冷菓と比較して乳風味とこく味を
有し、氷晶の細やかさとクリーミーな食感を有する冷菓
であった。
【0038】特に、油脂代替物として蛋白微細ゲル化物
とポリデキストロースを組合わせて使用した実施例2の
冷菓は、豊かな乳風味とこく味があり、クリーミーで滑
らかな食感を有し、スプーン通りが滑らかであり、油脂
を含むアイスクリーム類と遜色のない冷菓であった。対
照例2の冷菓は、乳風味とこく味がなく、ざくざくとし
たクリーミー感に欠ける食感をもつ、粉乳臭が感じられ
る最も評価の低い冷菓であった。
【0039】〔物性試験結果〕実施例1〜3の冷菓は、
対照例1,2の冷菓に比較し、表1に示すとおり、温度
変化に対する耐性に優れ、従来のアイスクリーム類に遜
色の無い耐性を有しており、長期の保存に際しても組
織,形状の変化等が小さく、溶解時も適度な保形性を保
ち、通常のアイスクリーム類と同様な溶解状態を有する
冷菓であった。
【0040】実施例4〜18 実施例1〜3に準じ、表3〜5に記載した実施例4〜1
8の配合により15種類の冷菓を作成した。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】実施例1〜18の配合で作成した冷菓は、
すべて従来の油脂を使用したアイスクリーム類等の冷菓
と比べて遜色のない良好な乳風味、こく味ときめの細か
い組織,クリーミーな食感を有していたが、そのなかで
も油脂代替物として蛋白微細ゲル化物と他の油脂代替物
を組合わせて使用した実施例13と15の冷菓は、特に
風味,食感ともに優れていた。また、実施例14の蛋白
質として脱脂粉乳と蛋白微細ゲル化物を使用し、油脂代
替物としてポリデキストロースと澱粉分解物を使用した
冷菓、実施例16の蛋白質として脱脂粉乳,蛋白微細ゲ
ル化物および乳清蛋白濃縮物を使用し、油脂代替物とし
て澱粉分解物を使用した冷菓は、風味および食感が特に
優れていた。
【0045】
【発明の効果】本発明冷菓は、油脂を使用していないに
もかかわらず従来の普通のアイスクリーム類等の冷菓と
比べて遜色のない豊かな乳風味,こく味および物性を有
するとともに、きめの細かいクリーミーな食感を有す
る。本発明冷菓は、温度変化に対する耐性に優れ従来の
アイスクリーム類等の冷菓に遜色ない耐性を有し、長期
の保存に際しても組織,形状の変化等が小さく、溶解時
も適度な保形性を保ち、従来のアイスクリーム類等の冷
菓と同様な溶解状態を得ることができる。
【0046】本発明製造方法によれば、上記した所期の
冷菓を容易にしてかつ確実に製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性コロイド物質等の油脂代替物と超
    音波により水和処理した蛋白質とを含むことを特徴とす
    る油脂を使用しない冷菓。
  2. 【請求項2】 油脂代替物が、蛋白微細ゲル化物,澱粉
    分解物,ペクチン,イヌリン,微結晶セルロース,ポリ
    デキストロースおよびオリゴ糖からなる群より選択され
    る1種または2種以上のものからなることを特徴とする
    請求項1記載の油脂を使用しない冷菓。
  3. 【請求項3】 油脂代替物が、蛋白微細ゲル化物とその
    他の油脂代替物すなわち澱粉分解物,ペクチン,イヌリ
    ン,微結晶セルロース,ポリデキストロースおよびオリ
    ゴ糖からなる群より選択される1種または2種以上のも
    のとからなることを特徴とする請求項1記載の油脂を使
    用しない冷菓。
  4. 【請求項4】 蛋白質が、脱脂粉乳,蛋白微細ゲル化物
    および乳清蛋白質濃縮物からなる群より選択される1種
    または2種以上のものであることを特徴とする請求項
    1,2または3記載の油脂を使用しない冷菓。
  5. 【請求項5】 蛋白質を超音波により水和処理し、この
    水和処理した蛋白質,親水性コロイド物質等の油脂代替
    物,糖類,乳化剤,安定剤,必要とする他の冷菓原料と
    を混合,加熱し、乳化均質化後、殺菌,冷却,フリージ
    ングすることを特徴とする油脂を使用しない冷菓の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 油脂代替物が、蛋白微細ゲル化物,澱粉
    分解物,ペクチン,イヌリン,微結晶セルロース,ポリ
    デキストロースおよびオリゴ糖からなる群より選択され
    る1種または2種以上であるものからなることを特徴と
    する請求項5記載の油脂を使用しない冷菓の製造方法。
  7. 【請求項7】 油脂代替物が、蛋白微細ゲル化物とその
    他の油脂代替物すなわち澱粉分解物,ペクチン,イヌリ
    ン,微結晶セルロース,ポリデキストロースおよびオリ
    ゴ糖からなる群より選択される1種または2種以上のも
    のからなることを特徴とする請求項5記載の油脂を使用
    しない冷菓の製造方法。
  8. 【請求項8】 蛋白質が、脱脂粉乳,蛋白微細ゲル化物
    および乳清蛋白質濃縮物からなる群より選択される1種
    または2種以上のものであることを特徴とする請求項
    5,6または7記載の油脂を使用しない冷菓の製造方
    法。
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