JPH11262629A - 窒素酸化物の浄化方法 - Google Patents
窒素酸化物の浄化方法Info
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- JPH11262629A JPH11262629A JP10068339A JP6833998A JPH11262629A JP H11262629 A JPH11262629 A JP H11262629A JP 10068339 A JP10068339 A JP 10068339A JP 6833998 A JP6833998 A JP 6833998A JP H11262629 A JPH11262629 A JP H11262629A
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- nitrogen
- carbon material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題は、酸素共存
下に窒素酸化物を吸着させた大量の活性炭素材を連続
的、且つ安定して急速加熱処理でき、処理対象ガス中に
含まれる窒素酸化物を連続的、且つ効率良く窒素に還元
浄化する方法を提供することである。 【解決手段】 窒素酸化物と、窒素酸化物より多い量の
酸素とを含有する浄化対象ガスを、アルカリ金属を担持
させた活性炭素材に接触させることにより窒素酸化物を
吸着させた後、該窒素酸化物を吸着させた活性炭素材
を、実質的に酸素を含まない雰囲気で350℃以上の温
度に保持された加熱流動層によって急速加熱することに
より、吸着された窒素酸化物を窒素分子に還元すること
を特徴とする窒素酸化物の浄化方法。
下に窒素酸化物を吸着させた大量の活性炭素材を連続
的、且つ安定して急速加熱処理でき、処理対象ガス中に
含まれる窒素酸化物を連続的、且つ効率良く窒素に還元
浄化する方法を提供することである。 【解決手段】 窒素酸化物と、窒素酸化物より多い量の
酸素とを含有する浄化対象ガスを、アルカリ金属を担持
させた活性炭素材に接触させることにより窒素酸化物を
吸着させた後、該窒素酸化物を吸着させた活性炭素材
を、実質的に酸素を含まない雰囲気で350℃以上の温
度に保持された加熱流動層によって急速加熱することに
より、吸着された窒素酸化物を窒素分子に還元すること
を特徴とする窒素酸化物の浄化方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気や燃焼ガス等に
含まれる窒素酸化物の浄化を目的とした分野で用いられ
る。
含まれる窒素酸化物の浄化を目的とした分野で用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】産業の拡大に伴い、排出される環境汚染
物質は増加の一途を辿っている。特に窒素酸化物は自動
車需要の急激な増大や、発電所、工場等における石油、
石炭の燃焼量の増加により著しい増加を示し、健康障害
や酸性雨を始めとする地球的規模での汚染源として、そ
の排出量削減は危急の課題となっている。
物質は増加の一途を辿っている。特に窒素酸化物は自動
車需要の急激な増大や、発電所、工場等における石油、
石炭の燃焼量の増加により著しい増加を示し、健康障害
や酸性雨を始めとする地球的規模での汚染源として、そ
の排出量削減は危急の課題となっている。
【0003】近年、過剰酸素共存下の窒素酸化物、例え
ばトンネルや地下駐車場の換気ガスや燃焼排気ガスに含
まれる窒素酸化物にはppmレベルの窒素酸化物が含ま
れていることから、それらを浄化する方法が求められて
いる。
ばトンネルや地下駐車場の換気ガスや燃焼排気ガスに含
まれる窒素酸化物にはppmレベルの窒素酸化物が含ま
れていることから、それらを浄化する方法が求められて
いる。
【0004】かかる過剰酸素雰囲気での窒素酸化物を除
去するには、活性炭素材等で吸着して除くことが有効で
ある。例えば吸着材としてはモレキュラ−シ−ブ、シリ
カゲル、活性炭の他、鉄(II)錯体含有高分子樹脂など
が知られている(例えば、公害と対策、27巻、17
頁、1991年)。このうち、活性炭素材を用いた吸着
に関しては、従来より活性炭素材メ−カ−から酸性ガス
用吸着材として、例えば活性炭を水酸化カリウム等のア
ルカリ水溶液で処理したものや、繊維状活性炭素材の細
孔径を制御したもの等が提供されている。
去するには、活性炭素材等で吸着して除くことが有効で
ある。例えば吸着材としてはモレキュラ−シ−ブ、シリ
カゲル、活性炭の他、鉄(II)錯体含有高分子樹脂など
が知られている(例えば、公害と対策、27巻、17
頁、1991年)。このうち、活性炭素材を用いた吸着
に関しては、従来より活性炭素材メ−カ−から酸性ガス
用吸着材として、例えば活性炭を水酸化カリウム等のア
ルカリ水溶液で処理したものや、繊維状活性炭素材の細
孔径を制御したもの等が提供されている。
【0005】一方、吸着された窒素酸化物を大気中に再
放出することは窒素酸化物を浄化したことにはならず、
かかる吸着窒素酸化物を浄化することが大きな課題とな
っている。これまで、吸着された窒素酸化物の浄化する
方法としては、吸着窒素酸化物を吸着材から加熱により
脱着したものにアンモニアを還元剤として添加し、20
0℃以上で窒素分子に還元する、いわゆるSCR法が最
も有効な方法として知られている。
放出することは窒素酸化物を浄化したことにはならず、
かかる吸着窒素酸化物を浄化することが大きな課題とな
っている。これまで、吸着された窒素酸化物の浄化する
方法としては、吸着窒素酸化物を吸着材から加熱により
脱着したものにアンモニアを還元剤として添加し、20
0℃以上で窒素分子に還元する、いわゆるSCR法が最
も有効な方法として知られている。
【0006】しかしながら、SCR法は装置が大型化す
ることや、漏れを生じた場合に非常に有害であるアンモ
ニアを用いることから、小規模装置や都市部近郊での使
用には困難な場合が多かった。
ることや、漏れを生じた場合に非常に有害であるアンモ
ニアを用いることから、小規模装置や都市部近郊での使
用には困難な場合が多かった。
【0007】我々は、既に過剰酸素共存下の窒素酸化物
(一酸化窒素及び/又は二酸化窒素)を特定の活性炭素
材に吸着して除去した後、該活性炭素材を急速に加熱す
ることにより、吸着させた窒素酸化物を高効率で窒素分
子に還元できる方法を開発した。 本方法はアンモニア
が不要であること、還元反応が短時間で終了すること等
の利点を有する。しかし、実用化の為には、窒素酸化物
を吸着させた活性炭素材を、大量、且つ連続的に安定し
て急速加熱処理する方法を実現させることが必要不可欠
であった。
(一酸化窒素及び/又は二酸化窒素)を特定の活性炭素
材に吸着して除去した後、該活性炭素材を急速に加熱す
ることにより、吸着させた窒素酸化物を高効率で窒素分
子に還元できる方法を開発した。 本方法はアンモニア
が不要であること、還元反応が短時間で終了すること等
の利点を有する。しかし、実用化の為には、窒素酸化物
を吸着させた活性炭素材を、大量、且つ連続的に安定し
て急速加熱処理する方法を実現させることが必要不可欠
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、酸素共存下に窒素酸化物を吸着させた大量
の活性炭素材を連続的、且つ安定して急速加熱処理で
き、処理対象ガス中に含まれる窒素酸化物を連続的、且
つ効率良く窒素に還元浄化する方法を提供することであ
る。
する課題は、酸素共存下に窒素酸化物を吸着させた大量
の活性炭素材を連続的、且つ安定して急速加熱処理で
き、処理対象ガス中に含まれる窒素酸化物を連続的、且
つ効率良く窒素に還元浄化する方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、課題を解
決すべく鋭意研究した結果、過剰酸素共存下の一酸化窒
素及び/又は二酸化窒素を含む処理対象ガスを活性炭素
材に接触させ、含まれる窒素酸化物を活性炭素材に吸着
させた後、該活性炭素材を実質的に酸素を含まない雰囲
気の加熱流動層により、350℃以上の温度に急速加熱
することにより、吸着させた窒素酸化物を高効率で、連
続的に安定して窒素分子に還元し浄化できることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
決すべく鋭意研究した結果、過剰酸素共存下の一酸化窒
素及び/又は二酸化窒素を含む処理対象ガスを活性炭素
材に接触させ、含まれる窒素酸化物を活性炭素材に吸着
させた後、該活性炭素材を実質的に酸素を含まない雰囲
気の加熱流動層により、350℃以上の温度に急速加熱
することにより、吸着させた窒素酸化物を高効率で、連
続的に安定して窒素分子に還元し浄化できることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、(1) 窒素酸化物と、
窒素酸化物より多い量の酸素とを含有する浄化対象ガス
を、アルカリ金属を担持させた活性炭素材に接触させる
ことにより窒素酸化物を吸着させた後、該窒素酸化物を
吸着させた活性炭素材を、実質的に酸素を含まない雰囲
気で350℃以上の温度に保持された加熱流動層によっ
て急速加熱することにより、吸着された窒素酸化物を窒
素分子に還元することを特徴とする窒素酸化物の浄化方
法、
窒素酸化物より多い量の酸素とを含有する浄化対象ガス
を、アルカリ金属を担持させた活性炭素材に接触させる
ことにより窒素酸化物を吸着させた後、該窒素酸化物を
吸着させた活性炭素材を、実質的に酸素を含まない雰囲
気で350℃以上の温度に保持された加熱流動層によっ
て急速加熱することにより、吸着された窒素酸化物を窒
素分子に還元することを特徴とする窒素酸化物の浄化方
法、
【0011】(2) 窒素酸化物を吸着させた活性炭素
材を80〜120℃の温度に加熱する前処理を行った
後、加熱流動層により急速加熱することを特徴とする
(1)に記載の窒素酸化物の浄化方法、
材を80〜120℃の温度に加熱する前処理を行った
後、加熱流動層により急速加熱することを特徴とする
(1)に記載の窒素酸化物の浄化方法、
【0012】(3) 窒素酸化物を吸着させた活性炭素
材を加熱流動層に連続的に投入、及び排出することを特
徴とする(1)又は(2)に記載の窒素酸化物の浄化方
法、(4) 加熱流動層内での窒素酸化物を吸着させた
活性炭素材の平均滞留時間が5分間以内であることを特
徴とする、上記の(1)〜(3)のいずれか一つに記載
の窒素酸化物の浄化方法、
材を加熱流動層に連続的に投入、及び排出することを特
徴とする(1)又は(2)に記載の窒素酸化物の浄化方
法、(4) 加熱流動層内での窒素酸化物を吸着させた
活性炭素材の平均滞留時間が5分間以内であることを特
徴とする、上記の(1)〜(3)のいずれか一つに記載
の窒素酸化物の浄化方法、
【0013】(5) アルカリ金属がカリウムであり、
カリウムの担持量が0.5〜10重量%であることを特
徴とする、上記の(1)〜(4)のいずれか一つに記載
の窒素酸化物の浄化方法、
カリウムの担持量が0.5〜10重量%であることを特
徴とする、上記の(1)〜(4)のいずれか一つに記載
の窒素酸化物の浄化方法、
【0014】(6) 加熱流動層の雰囲気が、窒素及び
/又は二酸化炭素を主成分とする不活性ガス雰囲気であ
ることを特徴とする、上記の(1)〜(4)のいずれか
一つに記載の窒素酸化物の浄化方法、
/又は二酸化炭素を主成分とする不活性ガス雰囲気であ
ることを特徴とする、上記の(1)〜(4)のいずれか
一つに記載の窒素酸化物の浄化方法、
【0015】(7) 加熱流動層の雰囲気が燃焼ガスで
あることを特徴とする(6)に記載の窒素酸化物の浄化
方法、及び、(8) 加熱流動層の雰囲気中に含まれる
酸素が0.3%以下であることを特徴とする(6)又は
(7)に記載の窒素酸化物の浄化方法を含むものであ
る。
あることを特徴とする(6)に記載の窒素酸化物の浄化
方法、及び、(8) 加熱流動層の雰囲気中に含まれる
酸素が0.3%以下であることを特徴とする(6)又は
(7)に記載の窒素酸化物の浄化方法を含むものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明において、処理対象ガス中に存在する酸素
は、該ガス中に含有される窒素酸化物、特に一酸化窒素
より過剰に含まれていることが必要である。共存酸素の
量としては、窒素酸化物が一酸化窒素だけの場合は一酸
化窒素に対して2モル比以上、更に好ましくは10モル
比以上含まれているのが良い。酸素が含まれていない
か、又は等モル比以下の酸素しか含まれていない時は、
一酸化窒素の吸着が生じないか、生じても少ない量であ
り本発明による除去効果が小さくなる。
る。本発明において、処理対象ガス中に存在する酸素
は、該ガス中に含有される窒素酸化物、特に一酸化窒素
より過剰に含まれていることが必要である。共存酸素の
量としては、窒素酸化物が一酸化窒素だけの場合は一酸
化窒素に対して2モル比以上、更に好ましくは10モル
比以上含まれているのが良い。酸素が含まれていない
か、又は等モル比以下の酸素しか含まれていない時は、
一酸化窒素の吸着が生じないか、生じても少ない量であ
り本発明による除去効果が小さくなる。
【0017】処理対象ガスに含まれる窒素酸化物が二酸
化窒素のみの場合は、必ずしも酸素は含まれて無くても
吸着は生じるが、吸着をより高効率に行うためには、二
酸化窒素より過剰の酸素が含まれている方が好ましい。
従って、処理対象ガス中に一酸化窒素と二酸化窒素が共
に含まれている場合も含めて、窒素酸化物に対して少な
くともそれより過剰の酸素が必要であり、好ましくは窒
素酸化物(一酸化窒素と二酸化窒素の合計)の2モル比
以上、更に好ましくは10モル比以上含まれているのが
良い。
化窒素のみの場合は、必ずしも酸素は含まれて無くても
吸着は生じるが、吸着をより高効率に行うためには、二
酸化窒素より過剰の酸素が含まれている方が好ましい。
従って、処理対象ガス中に一酸化窒素と二酸化窒素が共
に含まれている場合も含めて、窒素酸化物に対して少な
くともそれより過剰の酸素が必要であり、好ましくは窒
素酸化物(一酸化窒素と二酸化窒素の合計)の2モル比
以上、更に好ましくは10モル比以上含まれているのが
良い。
【0018】一方、処理対象ガス中に含まれる一酸化窒
素及び/又は二酸化窒素の濃度は特に限定されない。一
般に窒素酸化物として、大気ガスでは数ppm又はそれ
以下の濃度、燃焼排ガスの場合は数十〜数千ppmの濃
度、汚染ガスではppm〜%オ−ダ−の濃度が一般的で
あるが、いずれに対しても適用可能である。
素及び/又は二酸化窒素の濃度は特に限定されない。一
般に窒素酸化物として、大気ガスでは数ppm又はそれ
以下の濃度、燃焼排ガスの場合は数十〜数千ppmの濃
度、汚染ガスではppm〜%オ−ダ−の濃度が一般的で
あるが、いずれに対しても適用可能である。
【0019】本発明において、処理対象ガス中に窒素酸
化物と酸素以外に他種の成分ガスが含まれていることも
差し支えない。例えば、二酸化硫黄や水分、又はCO2
やCOまたN2等のほかプロパンやプロペンのような炭
化水素類が共存する場合も本発明は有効である。具体的
には、ボイラ−、エンジン等からの各種燃焼排気ガス、
トンネル内や工場内の窒素酸化物含有の大気ガス、又は
その他の種々の局所空間における窒素酸化物汚染ガス等
が挙げられる。
化物と酸素以外に他種の成分ガスが含まれていることも
差し支えない。例えば、二酸化硫黄や水分、又はCO2
やCOまたN2等のほかプロパンやプロペンのような炭
化水素類が共存する場合も本発明は有効である。具体的
には、ボイラ−、エンジン等からの各種燃焼排気ガス、
トンネル内や工場内の窒素酸化物含有の大気ガス、又は
その他の種々の局所空間における窒素酸化物汚染ガス等
が挙げられる。
【0020】本発明において使用される活性炭素材とし
ては、酸素共存下の一酸化窒素もしくは二酸化窒素を高
効率で吸着できるものであり、且つ、以後の急速加熱に
より窒素分子への還元浄化が可能であるものが用いられ
る。具体的には、アルカリ金属を含有した活性炭素材が
好ましい。
ては、酸素共存下の一酸化窒素もしくは二酸化窒素を高
効率で吸着できるものであり、且つ、以後の急速加熱に
より窒素分子への還元浄化が可能であるものが用いられ
る。具体的には、アルカリ金属を含有した活性炭素材が
好ましい。
【0021】アルカリ金属としては、窒素酸化物の吸着
率が高く、且つ、急速加熱による窒素分子への還元浄化
が高効率で行える点からカリウムを含有したものは特に
好ましい。活性炭素材に含まれるアルカリ金属の量とし
ては、好ましくは0.5〜10重量%が、特に好ましく
は1〜5重量%が用いられる。0.5重量%未満ではア
ルカリ金属添加効果が小さくなり、10重量%以上で
は、アルカリ金属を含む活性炭素材の耐熱性の低下が大
きくなる問題が生じる。
率が高く、且つ、急速加熱による窒素分子への還元浄化
が高効率で行える点からカリウムを含有したものは特に
好ましい。活性炭素材に含まれるアルカリ金属の量とし
ては、好ましくは0.5〜10重量%が、特に好ましく
は1〜5重量%が用いられる。0.5重量%未満ではア
ルカリ金属添加効果が小さくなり、10重量%以上で
は、アルカリ金属を含む活性炭素材の耐熱性の低下が大
きくなる問題が生じる。
【0022】また、活性炭素材の比表面積としては、窒
素酸化物の吸着率が高ければ良く、特に限定されない
が、好ましくは200m2/g以上のものが、更に好ま
しくは300m2/g以上のもの、特に好ましくは40
0m2/g以上のものが用いられる。200m2/g以下
では一般的に窒素酸化物の吸着率が悪い。
素酸化物の吸着率が高ければ良く、特に限定されない
が、好ましくは200m2/g以上のものが、更に好ま
しくは300m2/g以上のもの、特に好ましくは40
0m2/g以上のものが用いられる。200m2/g以下
では一般的に窒素酸化物の吸着率が悪い。
【0023】また、用いる活性炭素材の原料は特に限定
されず、例えば石炭やピッチ類、フェノ−ル樹脂等の熱
硬化性樹脂、オガクズやヤシ殻等の植物素材、またポリ
アクリロニトリル等の有機繊維を出発物質とするものや
炭素繊維を原料とするものなどが挙げられる。
されず、例えば石炭やピッチ類、フェノ−ル樹脂等の熱
硬化性樹脂、オガクズやヤシ殻等の植物素材、またポリ
アクリロニトリル等の有機繊維を出発物質とするものや
炭素繊維を原料とするものなどが挙げられる。
【0024】また本発明において用いる活性炭素材の形
状は特に限定されず、例えば、粉末状、粒状、破砕形状
等の形態を有するもの、もしくはそれらを成形してなる
成形物が可能である。特にガスとの接触及び飛散防止な
どの観点から、かさ密度0.1〜1.0g/cm3の活
性炭素材が有効である。
状は特に限定されず、例えば、粉末状、粒状、破砕形状
等の形態を有するもの、もしくはそれらを成形してなる
成形物が可能である。特にガスとの接触及び飛散防止な
どの観点から、かさ密度0.1〜1.0g/cm3の活
性炭素材が有効である。
【0025】本発明において、吸着温度は特に限定され
ないが、50℃以下の温度での吸着が吸着量が大きくて
好ましい。但し、200℃までの範囲においても一酸化
窒素及び/又は二酸化窒素を吸着することが可能である
限り有効である。このような50〜200℃の比較的高
温領域での吸着は燃焼排気ガスに適用する場合において
有効である。
ないが、50℃以下の温度での吸着が吸着量が大きくて
好ましい。但し、200℃までの範囲においても一酸化
窒素及び/又は二酸化窒素を吸着することが可能である
限り有効である。このような50〜200℃の比較的高
温領域での吸着は燃焼排気ガスに適用する場合において
有効である。
【0026】200℃以上の温度では吸着量が大きく低
下し、また共存する大過剰の酸素と活性炭素材の反応が
大きくなる問題が生じる。また本発明において、急速加
熱前の一酸化窒素及び/又は二酸化窒素の活性炭素材へ
の吸着量は特に限定されない。但し、吸着量があまり少
なかったり、逆に飽和するまで大量に吸着させた場合
は、浄化効率が悪かったり、加熱流動層での急速加熱に
よる窒素分子への還元効率が低下する場合がある。
下し、また共存する大過剰の酸素と活性炭素材の反応が
大きくなる問題が生じる。また本発明において、急速加
熱前の一酸化窒素及び/又は二酸化窒素の活性炭素材へ
の吸着量は特に限定されない。但し、吸着量があまり少
なかったり、逆に飽和するまで大量に吸着させた場合
は、浄化効率が悪かったり、加熱流動層での急速加熱に
よる窒素分子への還元効率が低下する場合がある。
【0027】本発明においては、処理対象ガス中の一酸
化窒素及び/又は二酸化窒素を活性炭素材に吸着させる
こと、そして加熱流動層により該吸着活性炭素材を加熱
し、吸着された窒素酸化物の少なくとも一部を窒素分子
として還元することが必須である。加熱流動層を用いる
ことにより窒素酸化物吸着活性炭素材は急速に加熱さ
れ、効率良く窒素酸化物は窒素分子に還元される。
化窒素及び/又は二酸化窒素を活性炭素材に吸着させる
こと、そして加熱流動層により該吸着活性炭素材を加熱
し、吸着された窒素酸化物の少なくとも一部を窒素分子
として還元することが必須である。加熱流動層を用いる
ことにより窒素酸化物吸着活性炭素材は急速に加熱さ
れ、効率良く窒素酸化物は窒素分子に還元される。
【0028】ここで吸着窒素酸化物の還元に必要な急速
加熱は加熱流動層の温度が350℃以上、好ましくは4
50℃〜700℃に保持されていれば達成されるもの
で、急速加熱速度は実施例から推定すると300℃/
分、又はそれ以上である。昇温速度が、例えば通常の加
熱昇温で用いられる1〜30℃/分程度であると、例え
350℃以上の温度へ加熱しても、0〜15モル%しか
本発明にいう吸着窒素酸化物の窒素分子への還元は生じ
ない。
加熱は加熱流動層の温度が350℃以上、好ましくは4
50℃〜700℃に保持されていれば達成されるもの
で、急速加熱速度は実施例から推定すると300℃/
分、又はそれ以上である。昇温速度が、例えば通常の加
熱昇温で用いられる1〜30℃/分程度であると、例え
350℃以上の温度へ加熱しても、0〜15モル%しか
本発明にいう吸着窒素酸化物の窒素分子への還元は生じ
ない。
【0029】以上のように、本発明においては吸着した
窒素酸化物を浄化するために350℃以上、好ましくは
450〜700℃に保持された加熱流動層を用いること
を必須とするもので、これにより目的とする急速加熱速
度が安定して達成されるほか、大量の吸着活性炭素材を
連続的に急速加熱処理することが可能となった。
窒素酸化物を浄化するために350℃以上、好ましくは
450〜700℃に保持された加熱流動層を用いること
を必須とするもので、これにより目的とする急速加熱速
度が安定して達成されるほか、大量の吸着活性炭素材を
連続的に急速加熱処理することが可能となった。
【0030】ここで加熱流動層の温度が350℃未満で
は有効な還元が起こらないか、生じても非常に少ない。
また、700℃を越える温度でも吸着窒素酸化物の還元
は問題なく生じるが、加熱流動層のコストが高くなるほ
か、活性炭素材の劣化が進行し好ましくない。
は有効な還元が起こらないか、生じても非常に少ない。
また、700℃を越える温度でも吸着窒素酸化物の還元
は問題なく生じるが、加熱流動層のコストが高くなるほ
か、活性炭素材の劣化が進行し好ましくない。
【0031】用いる加熱流動層装置としては、目的とす
る温度に保たれ安定した流動状態を保持した加熱流動部
を有し、且つ、連続的又は間欠的に吸着活性炭素材を該
加熱流動部へ供給することにより、継続して急速加熱処
理することができるものであれば良く、特に装置の形
状、試料供給、取り出し方式などに限定されない。例え
ば、加熱方式は予め加熱したガスのみによるものでも、
加熱ガスと流動部の外部加熱との併用によるものでも良
い。
る温度に保たれ安定した流動状態を保持した加熱流動部
を有し、且つ、連続的又は間欠的に吸着活性炭素材を該
加熱流動部へ供給することにより、継続して急速加熱処
理することができるものであれば良く、特に装置の形
状、試料供給、取り出し方式などに限定されない。例え
ば、加熱方式は予め加熱したガスのみによるものでも、
加熱ガスと流動部の外部加熱との併用によるものでも良
い。
【0032】また用いる加熱ガスとしても、燃焼ガスや
熱交換による加熱ガス等が用いられ、特に限定されな
い。吸着活性炭素材の供給・取り出しは、例えば加熱流
動部へ上方から吸着活性炭素材を一定量ずつ投入し、且
つそれと同等量を加熱流動部の一部から取り出すことに
より行える。取り出された活性炭素材は冷却装置により
出来るだけ酸素に触れないようにして冷却され、その
後、再利用される。
熱交換による加熱ガス等が用いられ、特に限定されな
い。吸着活性炭素材の供給・取り出しは、例えば加熱流
動部へ上方から吸着活性炭素材を一定量ずつ投入し、且
つそれと同等量を加熱流動部の一部から取り出すことに
より行える。取り出された活性炭素材は冷却装置により
出来るだけ酸素に触れないようにして冷却され、その
後、再利用される。
【0033】本発明において必要とされる吸着活性炭素
材の加熱流動層内の保持時間は短くて良く、具体的には
5分間以内が用いられる。より好ましくは3分間以内、
特に好ましくは1分間以内である。5分間以上では投入
エネルギ−が無駄に多くなるほか、用いた活性炭素材の
消耗が多くなる問題が生じる。ここで、投入した吸着活
性炭素材の平均滞留時間が一定になるように、従来公知
の流動層の装置工夫を行うことが好ましい。
材の加熱流動層内の保持時間は短くて良く、具体的には
5分間以内が用いられる。より好ましくは3分間以内、
特に好ましくは1分間以内である。5分間以上では投入
エネルギ−が無駄に多くなるほか、用いた活性炭素材の
消耗が多くなる問題が生じる。ここで、投入した吸着活
性炭素材の平均滞留時間が一定になるように、従来公知
の流動層の装置工夫を行うことが好ましい。
【0034】また加熱流動層の雰囲気としては、窒素を
主成分とする不活性ガス雰囲気、又は、窒素と共に水及
び/又は二酸化炭素を含む雰囲気などが用いられ、実質
的に酸素を含まない雰囲気であることが必要である。こ
こで実質的に酸素を含まない雰囲気とは、雰囲気中に含
まれる酸素が少なく、活性炭素材を大きく消耗すること
の無い雰囲気を意味し、具体的には、酸素濃度が0.3
%以下、好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.
03%以下の濃度である。
主成分とする不活性ガス雰囲気、又は、窒素と共に水及
び/又は二酸化炭素を含む雰囲気などが用いられ、実質
的に酸素を含まない雰囲気であることが必要である。こ
こで実質的に酸素を含まない雰囲気とは、雰囲気中に含
まれる酸素が少なく、活性炭素材を大きく消耗すること
の無い雰囲気を意味し、具体的には、酸素濃度が0.3
%以下、好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.
03%以下の濃度である。
【0035】雰囲気中の酸素濃度が多いと活性炭素材の
加熱流動層内での消耗、劣化が激しくなる。一方、雰囲
気中に一酸化炭素や炭化水素等の還元性ガス成分を少量
含むことは差し支えないが、それらや水分量、二酸化炭
素量はより少ない方が好ましい。また、吸着活性炭素材
を80〜120℃の温度に、一旦、加熱した後、加熱流
動層で急速加熱する方法は、吸着活性炭素材中に含まれ
る水分を予め除去するためや急速加熱をより効果的に行
うために有効に用いられる。
加熱流動層内での消耗、劣化が激しくなる。一方、雰囲
気中に一酸化炭素や炭化水素等の還元性ガス成分を少量
含むことは差し支えないが、それらや水分量、二酸化炭
素量はより少ない方が好ましい。また、吸着活性炭素材
を80〜120℃の温度に、一旦、加熱した後、加熱流
動層で急速加熱する方法は、吸着活性炭素材中に含まれ
る水分を予め除去するためや急速加熱をより効果的に行
うために有効に用いられる。
【0036】本発明の窒素酸化物の浄化方法により、活
性炭素材に吸着された窒素酸化物(一酸化窒素及び/又
は二酸化窒素)の少なくとも一部が窒素分子に還元され
る。具体的には30モル%以上、好ましくは80〜10
0モル%の吸着窒素酸化物が窒素分子に還元される。
性炭素材に吸着された窒素酸化物(一酸化窒素及び/又
は二酸化窒素)の少なくとも一部が窒素分子に還元され
る。具体的には30モル%以上、好ましくは80〜10
0モル%の吸着窒素酸化物が窒素分子に還元される。
【0037】
【実施例】次いで本発明を実施例及び比較例により更に
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0038】(参考例1)図1に示す装置を用いて、活
性炭素材に窒素酸化物を含む処理対象ガスを接触させ、
窒素酸化物を活性炭素材へ吸着させた。窒素酸化物の吸
着量は活性炭素材の前後の窒素酸化物濃度を連続して測
定することにより得た。図1において、(1)は処理対
象ガス供給装置、(2)は活性炭充填部、(3)は窒素
酸化物検出装置、(4)は入り口側濃度検出用のバイパ
スラインを示す。
性炭素材に窒素酸化物を含む処理対象ガスを接触させ、
窒素酸化物を活性炭素材へ吸着させた。窒素酸化物の吸
着量は活性炭素材の前後の窒素酸化物濃度を連続して測
定することにより得た。図1において、(1)は処理対
象ガス供給装置、(2)は活性炭充填部、(3)は窒素
酸化物検出装置、(4)は入り口側濃度検出用のバイパ
スラインを示す。
【0039】処理対象ガスは窒素ガスをベ−スにして、
20%の酸素と以下に示す濃度の窒素酸化物を含むもの
を用いた。処理対象ガス中の窒素酸化物濃度としては6
ppm、又は1000ppmを用い、また活性炭素材へ
の窒素酸化物吸着量としては6ppm濃度の場合、5×
10-4モル/g−carbonを、1000ppm濃度
では5×10-3モル/g−carbonを用いた。また
吸着条件としては、空間速度6000h-1、温度30
℃、湿度30%を用いた。
20%の酸素と以下に示す濃度の窒素酸化物を含むもの
を用いた。処理対象ガス中の窒素酸化物濃度としては6
ppm、又は1000ppmを用い、また活性炭素材へ
の窒素酸化物吸着量としては6ppm濃度の場合、5×
10-4モル/g−carbonを、1000ppm濃度
では5×10-3モル/g−carbonを用いた。また
吸着条件としては、空間速度6000h-1、温度30
℃、湿度30%を用いた。
【0040】(参考例2)図2に、実施例で使用した加
熱流動実験装置の概要を示す。図2中、(1)は不活性
ガス供給部、(2)はガス加熱部、(3)は水分添加
部、(4)は透明石英容器、(5)はアルミナ粒(3〜
5mmφ)充填部、(6)は外部温度制御部(電機
炉)、(7)はステンレス製網(Sus網)、(8)は
活性炭素材を充填した加熱流動部、(9)は熱電対、
(10)は吸着活性炭素材投入部、(11)は活性炭素
材取り出し部、(12)は多成分分析装置(NOやNO
2等のNOx分析装置、堀場製作所製多成分分析装置P
G−250)、(13)はN2O分析装置(堀場製作所
製VIA−510)を示す。
熱流動実験装置の概要を示す。図2中、(1)は不活性
ガス供給部、(2)はガス加熱部、(3)は水分添加
部、(4)は透明石英容器、(5)はアルミナ粒(3〜
5mmφ)充填部、(6)は外部温度制御部(電機
炉)、(7)はステンレス製網(Sus網)、(8)は
活性炭素材を充填した加熱流動部、(9)は熱電対、
(10)は吸着活性炭素材投入部、(11)は活性炭素
材取り出し部、(12)は多成分分析装置(NOやNO
2等のNOx分析装置、堀場製作所製多成分分析装置P
G−250)、(13)はN2O分析装置(堀場製作所
製VIA−510)を示す。
【0041】また、系全体は高純度ヘリウムガスを用い
て内部での未置換ガスの滞留又は外部からの空気の流入
が一切無いことを各実験の前に予め確認し、(12)及
び(13)については別途用意した標準ガスを用いて、
各実験の前後で各成分ガス濃度の検量を行った。(1)
から供給される不活性ガスは窒素ベ−ス、酸素量=10
0ppm、二酸化炭素=100ppmを用いた。また
(3)より供給される水の量は2.8×10-2モル/リ
ットルとした。
て内部での未置換ガスの滞留又は外部からの空気の流入
が一切無いことを各実験の前に予め確認し、(12)及
び(13)については別途用意した標準ガスを用いて、
各実験の前後で各成分ガス濃度の検量を行った。(1)
から供給される不活性ガスは窒素ベ−ス、酸素量=10
0ppm、二酸化炭素=100ppmを用いた。また
(3)より供給される水の量は2.8×10-2モル/リ
ットルとした。
【0042】(実施例1)表面積が1000m2/gの
石炭系活性炭素材(1mmφ×2mm)を、2モル/リ
ットルの水酸化カリウム水溶液に浸責後、100℃で5
時間乾燥して、カリウムを2重量%担持した活性炭素材
を得た。得られたカリウム担持活性炭素材50g、及び
窒素酸化物として一酸化窒素(濃度1000ppm)を
用いて参考例1の方法で一酸化窒素を吸着させた活性炭
素材を得た。
石炭系活性炭素材(1mmφ×2mm)を、2モル/リ
ットルの水酸化カリウム水溶液に浸責後、100℃で5
時間乾燥して、カリウムを2重量%担持した活性炭素材
を得た。得られたカリウム担持活性炭素材50g、及び
窒素酸化物として一酸化窒素(濃度1000ppm)を
用いて参考例1の方法で一酸化窒素を吸着させた活性炭
素材を得た。
【0043】得られた一酸化窒素を吸着させた活性炭素
材を、参考例2の装置を用いて(但し、図2の取り出し
部は蓋をして閉じてある)、加熱流動部へ5gずつ10
回にわけて1分毎に間欠的に投入した。図2中の加熱流
動部の温度は500℃に設定した。
材を、参考例2の装置を用いて(但し、図2の取り出し
部は蓋をして閉じてある)、加熱流動部へ5gずつ10
回にわけて1分毎に間欠的に投入した。図2中の加熱流
動部の温度は500℃に設定した。
【0044】結果を図3に示す。図3は実施例1におけ
る、窒素酸化物を吸着させた活性炭素材の加熱流動部へ
の投入の際のNO発生量と時間との関係を示す図であ
る。図3の縦軸はNO発生量(ppm)を、横軸は時間
(分)を表す。図の上部に記載した矢印は一酸化窒素を
吸着させた活性炭素材5gの導入時(10回)を示し、
グラフの実線はその際のNO発生量で示し、破線は該活
性炭素材に吸着されたNOが完全に放出された場合のN
O発生量を示す。
る、窒素酸化物を吸着させた活性炭素材の加熱流動部へ
の投入の際のNO発生量と時間との関係を示す図であ
る。図3の縦軸はNO発生量(ppm)を、横軸は時間
(分)を表す。図の上部に記載した矢印は一酸化窒素を
吸着させた活性炭素材5gの導入時(10回)を示し、
グラフの実線はその際のNO発生量で示し、破線は該活
性炭素材に吸着されたNOが完全に放出された場合のN
O発生量を示す。
【0045】図3の結果より、NOxの放出量は全吸着
NO量の7%で、NO除去率は93%であった。放出N
OxとしてはNOのみが観測された。また、NOxの放
出はほぼ0.5分で終了した。更に、本実験終了後に系
全体を600℃まで10℃/分で昇温したが、新たなN
Oxの放出は無く、活性炭素材に吸着されたNOが50
0℃での流動層内加熱で残っていないことが確認され
た。更に、N2O分析装置でN2Oが観測されなかったこ
とと併せて、図3に示された93%のNO除去分は全て
N2に還元され浄化されたと結論された。
NO量の7%で、NO除去率は93%であった。放出N
OxとしてはNOのみが観測された。また、NOxの放
出はほぼ0.5分で終了した。更に、本実験終了後に系
全体を600℃まで10℃/分で昇温したが、新たなN
Oxの放出は無く、活性炭素材に吸着されたNOが50
0℃での流動層内加熱で残っていないことが確認され
た。更に、N2O分析装置でN2Oが観測されなかったこ
とと併せて、図3に示された93%のNO除去分は全て
N2に還元され浄化されたと結論された。
【0046】(実施例2)参考例2の装置(加熱流動部
温度は500℃設定)に、実施例1で用いたのと同じ一
酸化窒素を吸着させた活性炭素材を50g/分で連続的
に供給、排出した。平均滞留時間が2分になるよう加熱
流動部容積を設定した。実施例1と同様な流動層排出ガ
スの分析より活性炭素材に吸着されたNOの8%が検出
され、92%が還元された。
温度は500℃設定)に、実施例1で用いたのと同じ一
酸化窒素を吸着させた活性炭素材を50g/分で連続的
に供給、排出した。平均滞留時間が2分になるよう加熱
流動部容積を設定した。実施例1と同様な流動層排出ガ
スの分析より活性炭素材に吸着されたNOの8%が検出
され、92%が還元された。
【0047】(実施例3〜5)加熱流動部の温度を40
0℃(実施例3)、600℃(実施例4)、700℃
(実施例5)とする以外は、実施例2と同様にしてNO
x浄化試験を行った。結果を表1に示す。
0℃(実施例3)、600℃(実施例4)、700℃
(実施例5)とする以外は、実施例2と同様にしてNO
x浄化試験を行った。結果を表1に示す。
【0048】(比較例1)実施例1と同じ一酸化窒素を
吸着させた活性炭素材を用いて、加熱流動層の温度を3
00℃とする以外は実施例1と同様にしてNOx浄化試
験を行った。吸着NOの91%がNOとして排出ガス中
及びその後の600℃迄の加熱過程において観測され
た。
吸着させた活性炭素材を用いて、加熱流動層の温度を3
00℃とする以外は実施例1と同様にしてNOx浄化試
験を行った。吸着NOの91%がNOとして排出ガス中
及びその後の600℃迄の加熱過程において観測され
た。
【0049】(比較例2)参考例1において加熱部を流
動させることなく、室温に保持した。実施例1と同じ一
酸化窒素吸着活性炭素材、50gを投入後、室温より1
0℃/分で500℃まで昇温加熱し、NOx浄化試験を
行った。吸着の89%がNOとして排出ガス中に観測さ
れた。
動させることなく、室温に保持した。実施例1と同じ一
酸化窒素吸着活性炭素材、50gを投入後、室温より1
0℃/分で500℃まで昇温加熱し、NOx浄化試験を
行った。吸着の89%がNOとして排出ガス中に観測さ
れた。
【0050】(実施例6及び7)参考例1で用いた窒素
酸化物が一酸化窒素でその濃度が6ppmであること
(実施例6)、窒素酸化物が二酸化窒素でその濃度が1
000ppmであること(実施例7)以外は、実施例1
と同様にしてNOx浄化試験を行った。結果を表1に示
す。
酸化物が一酸化窒素でその濃度が6ppmであること
(実施例6)、窒素酸化物が二酸化窒素でその濃度が1
000ppmであること(実施例7)以外は、実施例1
と同様にしてNOx浄化試験を行った。結果を表1に示
す。
【0051】(実施例8及び9)一酸化窒素吸着活性炭
素材の加熱流動層での平均滞留時間が0.8分(実施例
8)、4分(実施例9)であること以外は実施例2と同
様にしてNOx浄化試験を行った。結果を表1に示す。
素材の加熱流動層での平均滞留時間が0.8分(実施例
8)、4分(実施例9)であること以外は実施例2と同
様にしてNOx浄化試験を行った。結果を表1に示す。
【0052】(実施例10)参考例2における不活性ガ
スとして、プロパンの燃焼ガスを用いた以外は実施例2
と同様にしてNOx浄化試験を行った。なお、燃焼ガス
中の酸素濃度は200ppmであった。結果を表1に示
す。
スとして、プロパンの燃焼ガスを用いた以外は実施例2
と同様にしてNOx浄化試験を行った。なお、燃焼ガス
中の酸素濃度は200ppmであった。結果を表1に示
す。
【0053】(比較例3、4及び実施例11)カリウム
担持量が0重量%(水酸化カリウム水溶液での処理無
し)(比較例3)、0.1重量%(比較例4)、5重量
%(実施例11)である活性炭素材を用いる以外は実施
例2と同様にしてNOx脱硝試験を行った。比較例3で
は吸着NOの95%が、比較例4では吸着NOの90%
が排出ガス中に観測された。一方、実施例11では吸着
NOの7%が観測されたのみであった。
担持量が0重量%(水酸化カリウム水溶液での処理無
し)(比較例3)、0.1重量%(比較例4)、5重量
%(実施例11)である活性炭素材を用いる以外は実施
例2と同様にしてNOx脱硝試験を行った。比較例3で
は吸着NOの95%が、比較例4では吸着NOの90%
が排出ガス中に観測された。一方、実施例11では吸着
NOの7%が観測されたのみであった。
【0054】(実施例12)水酸化ナトリウム水溶液を
用いて処理することによりナトリウムを2重量%担持し
た活性炭素材を作成し、該ナトリウム担持活性炭素材を
用いること以外は実施例2と同様にしてNOx浄化試験
を行った。結果を表1に示す。
用いて処理することによりナトリウムを2重量%担持し
た活性炭素材を作成し、該ナトリウム担持活性炭素材を
用いること以外は実施例2と同様にしてNOx浄化試験
を行った。結果を表1に示す。
【0055】(実施例13)実施例1と同じ一酸化窒素
を吸着させた活性炭素材を100℃で15分間加熱した
後、比較例1と同じ方法でNOxの放出量を調べた。そ
の結果、比較例1の場合と同様に90%のNOが観測さ
れ、110℃での加熱によって吸着された一酸化窒素は
殆ど変化していないことが観測された。次いで、このサ
ンプルを用いて、実施例1と同様にしてNOx浄化試験
を行った。結果を表1に示す。
を吸着させた活性炭素材を100℃で15分間加熱した
後、比較例1と同じ方法でNOxの放出量を調べた。そ
の結果、比較例1の場合と同様に90%のNOが観測さ
れ、110℃での加熱によって吸着された一酸化窒素は
殆ど変化していないことが観測された。次いで、このサ
ンプルを用いて、実施例1と同様にしてNOx浄化試験
を行った。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明は、加熱流動層を用いることによ
り、酸素共存下に窒素酸化物を吸着させた大量の活性炭
素材を連続的、且つ安定して急速加熱処理でき、処理対
象ガス中に含まれる酸素共存下の一酸化窒素及び/又は
二酸化窒素等の窒素酸化物を連続的、且つ高効率で窒素
に還元浄化する方法を提供することができる。
り、酸素共存下に窒素酸化物を吸着させた大量の活性炭
素材を連続的、且つ安定して急速加熱処理でき、処理対
象ガス中に含まれる酸素共存下の一酸化窒素及び/又は
二酸化窒素等の窒素酸化物を連続的、且つ高効率で窒素
に還元浄化する方法を提供することができる。
【図1】 処理対象ガス中の窒素酸化物を活性炭素材に
吸着させる実験装置の概要を示す図である。
吸着させる実験装置の概要を示す図である。
【図2】 窒素酸化物を吸着させた活性炭素材を、加熱
流動部により浄化する実験装置の概要を示す図である。
流動部により浄化する実験装置の概要を示す図である。
【図3】 実施例1における、窒素酸化物を吸着させた
活性炭素材の加熱流動部への投入の際のNO発生量と時
間との関係を示す図である。
活性炭素材の加熱流動部への投入の際のNO発生量と時
間との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/34
Claims (8)
- 【請求項1】 窒素酸化物と、窒素酸化物より多い量の
酸素とを含有する浄化対象ガスを、アルカリ金属を担持
させた活性炭素材に接触させることにより窒素酸化物を
吸着させた後、該窒素酸化物を吸着させた活性炭素材
を、実質的に酸素を含まない雰囲気で350℃以上の温
度に保持された加熱流動層によって急速加熱することに
より、吸着された窒素酸化物を窒素分子に還元すること
を特徴とする窒素酸化物の浄化方法。 - 【請求項2】 窒素酸化物を吸着させた活性炭素材を8
0〜120℃の温度に加熱する前処理を行った後、加熱
流動層により急速加熱することを特徴とする請求項1に
記載の窒素酸化物の浄化方法。 - 【請求項3】 窒素酸化物を吸着させた活性炭素材を加
熱流動層に連続的に投入、及び排出することを特徴とす
る請求項1又は2に記載の窒素酸化物の浄化方法。 - 【請求項4】 加熱流動層内での窒素酸化物を吸着させ
た活性炭素材の平均滞留時間が5分間以内であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の窒素酸
化物の浄化方法。 - 【請求項5】 アルカリ金属がカリウムであり、カリウ
ムの担持量が0.5〜10重量%であることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか一つに記載の窒素酸化物の浄
化方法。 - 【請求項6】 加熱流動層の雰囲気が、窒素及び/又は
二酸化炭素を主成分とする不活性ガス雰囲気であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の窒素
酸化物の浄化方法。 - 【請求項7】 加熱流動層の雰囲気が燃焼ガスであるこ
とを特徴とする請求項6に記載の窒素酸化物の浄化方
法。 - 【請求項8】 加熱流動層の雰囲気中に含まれる酸素が
0.3%以下であることを特徴とする請求項6又は7に
記載の窒素酸化物の浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10068339A JPH11262629A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 窒素酸化物の浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10068339A JPH11262629A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 窒素酸化物の浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11262629A true JPH11262629A (ja) | 1999-09-28 |
Family
ID=13370996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10068339A Pending JPH11262629A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 窒素酸化物の浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11262629A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005084784A1 (ja) * | 2004-03-09 | 2005-09-15 | Nishimatsu Construction Co., Ltd. | 窒素酸化物除去装置および窒素酸化物除去方法 |
KR100857245B1 (ko) * | 2006-08-01 | 2008-09-05 | 서울시립대학교 산학협력단 | 질소산화물 제거용 촉매 조성물과 그 제조방법 및 이를이용한 질소산화물 제거방법 |
JP2009195781A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Mhi Environment Engineering Co Ltd | 窒素酸化物除去材の再生方法 |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP10068339A patent/JPH11262629A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005084784A1 (ja) * | 2004-03-09 | 2005-09-15 | Nishimatsu Construction Co., Ltd. | 窒素酸化物除去装置および窒素酸化物除去方法 |
US7722704B2 (en) | 2004-03-09 | 2010-05-25 | Nishimatsu Construction Co., Ltd. | Equipment and method for removing nitrogen oxide |
KR100857245B1 (ko) * | 2006-08-01 | 2008-09-05 | 서울시립대학교 산학협력단 | 질소산화물 제거용 촉매 조성물과 그 제조방법 및 이를이용한 질소산화물 제거방법 |
JP2009195781A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Mhi Environment Engineering Co Ltd | 窒素酸化物除去材の再生方法 |
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