JPH11262494A - 歯科用根管治療用キット - Google Patents

歯科用根管治療用キット

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Publication number
JPH11262494A
JPH11262494A JP10067255A JP6725598A JPH11262494A JP H11262494 A JPH11262494 A JP H11262494A JP 10067255 A JP10067255 A JP 10067255A JP 6725598 A JP6725598 A JP 6725598A JP H11262494 A JPH11262494 A JP H11262494A
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JP
Japan
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root canal
meth
dental
dental root
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Pending
Application number
JP10067255A
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English (en)
Inventor
Fumio Nishimura
村 文 夫 西
Yutaka Oda
田 豊 小
Toshiji Fukushima
島 俊 士 福
Nobuo Masaka
坂 信 夫 真
Shigemichi Honda
田 成 道 本
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Sun Medical Co Ltd
Original Assignee
Sun Medical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の歯科用根管治療用キットは、歯
科用切削器具で切削が容易な芯材(A)と、該芯材を固
定する歯科用根管充填材(B)とを有する歯科用根管治
療用キットであって、該歯科用根管充填材(B)が、重
合性モノマー(C)と、重合開始剤(D)とを有する硬
化性組成物から構成されていることを特徴としている。 【効果】 本発明によれば、接着封鎖性がよく、接着力
が高く、生体親和性が良好であって、歯科用切削器具で
切削が可能な芯材を有する歯科用根管治療用キットが提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科用根管治療用キ
ットに関する。さらに詳しくは、歯科用切削器具で切削
が容易な芯材(A)および歯科用根管充填材(B)より
なり、歯科用根管充填材(B)が重合性モノマー
(C)、重合開始剤(D)よりなる硬化性組成物である
歯科用根管治療用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】根管充填治療とは、う蝕(虫歯)等によ
り歯牙より歯髄(神経)を抜去した空隙に種々の材料を
填入しその空隙を塞ぐ治療法である。
【0003】通常、根管充填の前処理として、髄室(歯
髄を抜去した空隙)を歯科用バーやリーマーなどで拡大
し、続いて拡大した髄室内を消毒する。次いで、こうし
て拡大された髄室に、根管充填材を充填する。
【0004】このような根管充填治療に利用される充填
材料としては、ガッタパーチャポイント(ガッタパーチ
ャ18-20%、酸化亜鉛61-75%、ワックス1-4 %、重金属
塩1-17%の混合物)、銀、金、銀錫アマルガムなどの金
属に、根管充填用セメント(酸化亜鉛ユージノール材
等)や糊剤(ホルムアルデヒド糊剤、水酸化カルシウム
糊剤)を組み合わせた組成物が用いられている。
【0005】例えば、ガッタパーチャポイントを用いる
場合、ガッタパーチャポイントは、円筒形、長いくさび
状等、所望の形状に成形され、こうしたガッタパーチャ
ポイント等に根管充填用セメントや糊剤を塗布した後、
根管に充填される。こうした根管充填治療の詳細は、最
新歯内療法学、コーエン他、1987年第1版、医歯薬出版
株式会社 等に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の根管充填
法にはつぎのような問題点があるとの指摘がある。 1.根管充填用セメントや糊剤と歯質(具体的には象牙
質)との間のシーリング性が悪いためリーケッジ(漏
洩)による細菌感染が起きやすい。
【0007】2.根管充填用セメントや糊剤と歯質(具
体的には象牙質)とのなじみと浸透性が悪く、歯髄側枝
部の空隙閉鎖性に劣る。 3.残髄組織や歯根膜組織に対する細胞毒性が強い。
【0008】また、これまでの根管充填治療において、
改めて根管治療を行う場合があるが、根管治療やそれに
続く支台築造に用いる材料によってはその操作が著しく
困難である場合が多かった。たとえば、根管充填材とし
て金属などを用いると再度根管治療を行う場合の除去が
非常に困難であった。
【0009】さらに、現在根管治療用材料として多用さ
れているガッタパーチャポイントは非常にもろく、根管
充填用セメントや糊剤との接着性もないためリーケッジ
が生じやすかった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、前記のような問題を解決する
歯科用根管治療用キットを提供することを目的としてい
る。
【0011】また、本発明は、接着封鎖が良く、接着力
が高く、生体組織親和性の高い接着性材料、並びに歯科
用切削器具で切削が容易であり、かつ接着性材料との接
着性が高い芯材を用いて、これを歯科用根管に特定の重
合性モノマーを含有する硬化性組成物と共に充填するこ
とにより、高い接着力で歯質と接着し、しかも後に再度
根管治療を行う場合には、容易に芯材を撤去することが
できる歯科用根管治療用キットを提供することを目的と
している。
【0012】
【発明の概要】本発明の歯科用根管治療用キットは、歯
科用切削器具で切削が容易な芯材(A)と、該芯材を固
定する歯科用根管充填材(B)とを有する歯科用根管治
療用キットであって、該歯科用根管充填材(B)が、重
合性モノマー(C)と、重合開始剤(D)とを有する硬
化性組成物から構成されていることを特徴としている。
【0013】本発明において使用される歯科用根管治療
用キットに用いられる重合性モノマー(C)としては、
公知の単官能モノマーもしくは多官能モノマーが何ら制
限なく使用できるが、これらの中でも、(メタ)アクリ
レート系モノマー(C1)は、人体への刺激性が低いた
め好ましく用いられる。
【0014】本発明で用いられる芯材は、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、多孔質無機化合物およびガラスファ
イバーよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の素材
から形成されていることが好ましい。
【0015】上記のような芯材および硬化性組成物を用
いることにより、硬化した組成物によって芯材が歯質に
強固に固定されると共に、この芯材は、歯科用切削器具
で切削が可能であることから、再度根管治療を行う場合
に、この芯材に沿って穿孔を形成することにより、芯材
を容易に撤去することができる。また、この芯材がガイ
ドとなるので、歯髄腔への穿孔が容易になる。
【0016】
【発明の具体的説明】次に本発明の歯科用根管治療用キ
ットについて具体的に説明する。本発明の歯科用根管治
療用キットは、歯科用切削器具で切削が容易な芯材
(A)と、該芯材を固定する歯科用根管充填材(B)と
を有する。
【0017】そして、この歯科用根管充填剤(B)は、
重合性モノマー(C)と、重合開始剤(D)とを有する
硬化性組成物から構成されている。本発明で使用する重
合性モノマー(C)には、単官能重合性モノマーと、多
官能重合性モノマーとがある。
【0018】単官能重合性モノマーとしては、(メタ)
アクリレート系モノマー(C1)が好ましい。この(メ
タ)アクリレート系モノマー(C1)の例としては、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;2-ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)
アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ート、1,2-または1,3-ジヒドロキシプロピルモノ(メ
タ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト;エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル
(メタ)アクリレート等の(ポリ)グリコールモノアル
キルエーテル(メタ)アクリレート;パーフルオロオク
チル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のフルオロア
ルキルエステル;γ-(メタ)アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピル
トリ(トリメチルシロキシ)シラン等の(メタ)アクリ
ロキシアルキル基を有するシラン化合物;および、テト
ラフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0019】また、重合性モノマー(C)として用いる
ことがある多官能重合性モノマーの例としては、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、へキシレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロープロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート等のアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポ
リオールポリ(メタ)アクリレート;下記式で表わされ
る脂肪族、脂環族または芳香族の(メタ)アクリレー
ト;
【0020】
【化1】
【0021】(ただし、上記式において、Rは水素原子
またはメチル基を示し、mおよびnは0または正の数を
示す。また、R1は、以下に記載する芳香族基であ
る。);
【0022】
【化2】
【0023】下記式で表される脂環族または芳香族エポ
キシジ(メタ)アクリレート;
【0024】
【化3】
【0025】(上記式において、Rは水素原子またはメ
チル基を示し、nは0または正の数を示し、R1は、−
(CH22−、−(CH24−、
【0026】
【化4】
【0027】を表す。)。さらに、下記式で表される分
子内にウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレー
ト等を挙げることができる。
【0028】
【化5】
【0029】(上記式において、Rは水素原子またはメ
チル基を示し、R1は、−(CH2 2−、−(CH24
−、−(CH26−、
【0030】
【化6】
【0031】を表す。)。以上に例示した中で、単官能
重合性モノマーとしては、メチル(メタ)クリレート、
エチル(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アク
リレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレートの
ような水酸基含有(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのよ
うな分子内にエチレングリコール鎖を有する(メタ)ア
クリレート、1,6−ビス(メタクリロキシエチルオキ
シカルボニルアミノ)-2,2,4-(または-2,4,4-)トリメ
チルヘキサン等が特に好ましく用いられる。
【0032】また、多官能重合性モノマーとしては、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートのような分子
内にエチレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレ
ート、
【0033】
【化7】
【0034】(ただし、上記式において、Rは水素原子
またはメチル基を表し、m+nは2〜20である。)
【0035】
【化8】
【0036】(ただし、上記式において、Rは水素原子
またはメチル基を表す。)
【0037】
【化9】
【0038】(ただし、上記式において、Rは水素原子
またはメチル基を表す。)等で表わされる化合物等が特
に好ましく用いられる。また、本発明では、上記重合性
モノマー(C)として、分子内に酸性基を有する重合性
モノマー(C2)を使用することができる。この分子内
に極性基を有する重合性モノマーを用いることにより、
歯質との接着性能を大幅に向上するため、本発明の歯科
用根管充填材に使用することが特に望ましい。分子内に
酸性基を有する重合性モノマー(C2)としては具体的
には、(メタ)アクリル酸およびその無水物、1,4-ジ
(メタ)アクリロキシエチルピロメリット酸、6-(メ
タ)アクリロキシエチルナフタレン-1,2,6-トリカルボ
ン酸、N-(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、
N-(メタ)アクリロイル-o-アミノ安息香酸、N-(メ
タ)アクリロイル-m-アミノ安息香酸、 N-(メタ)アク
リロイル -5-アミノサリチル酸、N-(メタ)アクリロイ
ル−4−アミノサリチル酸、4-(メタ)アクリロキシエ
チルトリメリット酸およびその無水物、4-(メタ)アク
リロキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4-
(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸およびそ
の無水物、4-(メタ)アクリロキシデシルトリメリット
酸およびその無水物、2-(メタ)アクリロイルオキシ安
息香酸、3-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4-
(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β -(メタ)ア
クリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、
β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェン
マレエート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハ
イドロジェンフタレート、11-(メタ)アクリロイルオ
キシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸、p-ビニル安息香酸
等のカルボン酸基またはその無水物を含有するモノマ
ー;(2-(メタ)アクリロキシエチル)ホスホリック
酸、(2-(メタ)アクリロキシエチルフェニル)ホスホ
リック酸、10-(メタ)アクリロキシデシルホスホリッ
ク酸等の燐酸基を含有するモノマー;および、p-スチレ
ンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンス
ルホン酸等のスルホン酸基を含有するモノマーを挙げる
ことができる。
【0039】これらのうちではカルボン酸基を含有する
モノマーが好ましく、4-メタクリロキシエチルトリメリ
ット酸およびその無水物が特に好ましい。分子内に酸性
基を有する重合性モノマー(C2)は全重合性モノマー
(C)の量のうち通常1〜50重量%、特に好ましくは
3〜30重量%の範囲内にある。
【0040】これらは単独で、または2種類以上を混合
して用いることができる。本発明歯科用根管充填材にお
いて、(D)成分は重合開始剤である。かかる重合開始
剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、ホウ素含有
重合開始剤、α-ジケトン化合物、有機アミン化合物、
有機スルフィン酸、有機スルフィン酸塩、無機硫黄化合
物、有機燐化合物およびバルビツール酸類を挙げること
ができる。これらは1種または2種以上用いることがで
きる。これらの重合開始剤は、便宜上、常温化学重合タ
イプ、光重合タイプ、またはこれらの複合したデュアル
タイプなどが挙げられる。常温化学重合タイプで使用さ
れる過酸化物(D1)としては、例えばジアセチルペル
オキシド、ジプロピルペルオキシド、ジブチルペルオキ
シド、ジカプリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシ
ド、ジラウリルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BP
O)、p,p'-ジクロルベンゾイルペルオキシド、p,p'-ジ
メトキシベンゾイルペルオキシド、p,p'-ジメチルベン
ゾイルペルオキシド、p,p'-ジニトロジベンゾイルペル
オキシドなどの有機過酸化物および過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウム
および過リン酸カリウムなどの無機過酸化物を挙げるこ
とができる。これら過酸化物の重合性モノマー(C)に
対する割合は好ましくは0.01重量%〜5重量%の範
囲内の量で使用される。
【0041】重合開始剤のうちホウ素含有重合開始剤と
しては、一般に、有機ホウ素化合物、またはこれを含有
してなる組成物を挙げることができる。有機ホウ素化合
物としては、例えばトリエチルホウ素、トリプロピルホ
ウ素、トリイソプロピルホウ素、トリブチルホウ素、ト
リ−sec−ブチルホウ素、トリイソブチルホウ素、トリ
ペンチルホウ素、トリヘキシルホウ素、トリオクチルホ
ウ素、トリデシルホウ素、トリドデシルホウ素、トリシ
クロペンチルホウ素、トリシクロヘキシルホウ素などの
トリアルキルホウ素類;ブトキシジブチルホウ素などの
アルコキシアルキルホウ素類;ブチルジシクロヘキシル
ボラン、ジイソアミルボラン、9-ボラビシクロ[3.3.1]
ノナンなどのジアルキルボランおよび上記の化合物の一
部が部分的に酸化された化合物などを挙げることができ
る。さらに、これらの化合物は組み合わせて使用するこ
とができる。これらの中ではトリブチルホウ素、あるい
は部分酸化したトリブチルホウ素が好ましく用いられ
る。部分酸化したトリブチルホウ素としては、例えばト
リブチルホウ素1モルに対し酸素を0.3〜0.9モル付
加させたものが好ましく用いられる。これら有機ホウ素
化合物は、重合性モノマー(C)に対して、好ましくは
0.1重量%〜50重量%の範囲内の量で使用される。
【0042】また、光重合タイプで使用される重合開始
剤としては、紫外光線もしくは可視光線を照射すること
によって光重合することができる重合開始剤である。か
かる光重合の際に使用できる重合開始剤に特に制限はな
いが、例えばベンジル、4,4'ジクロロベンジル、ベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェ
ノン、9,10-アントラキノン、ジアセチル、d,l-カンフ
ァーキノン(CQ)、トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキシドなどの紫外線または可視光線増感
剤が挙げられる。これら紫外光線もしくは可視光線を照
射することによって光重合することができる重合開始剤
は、重合性モノマー(C)に対して、好ましくは0.01重
量%〜5重量%の範囲内の量で使用される。
【0043】常温化学重合もしくは光重合タイプによっ
て重合を行う際には、還元性化合物を併用することがで
きる。ここで、有機還元性化合物としては、例えばN,N-
ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン(DM
PT)、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジエタノー
ル-p-トルイジン(DEPT)、N,N-ジメチル-p-tert-
ブチルアニリン、N,N-ジメチルアニシジン、N,N-ジメチ
ル-p-クロルアニリン、N,N-ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N-ジメチルアミノ安息香酸およびその
アルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸
(DEABA)およびそのアルキルエステル、N,N−
ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)など
の芳香族アミン類;N-フェニルグリシン(NPG)、N-
トリルグリシン(NTG)、N,N-(3-メタクリロイルオ
キシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NP
G−GMA)などを併用することができる。
【0044】特に、本発明の硬化性組成物を確実に硬化
させ、さらに歯質に対する接着性を向上させるために
は、下記の一般式(I)で表わされるアミン化合物また
は、下記一般式(II)で表わされるアミン化合物の少な
くとも一種を含有させることが好ましい。
【0045】
【化10】
【0046】ここで、R1およびR2は互いに独立に水素
原子であるかあるいは官能基もしくは置換基を有してい
てもよいアルキル基でありそしてR3は水素原子または
金属原子である。
【0047】
【化11】
【0048】ここで、R4およびR5は互いに独立に水素
原子またはアルキル基であり、そしてR6は水素原子で
あるかあるいは官能基もしくは置換基を有していてもよ
いアルキル基またはアルコキシル基である。
【0049】これらアミン化合物の重合性モノマー
(C)は、好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲
内の量で使用される。一般式(I)に含まれるアミン化
合物として、例えば既に記載したNPG、NTGおよび
NPG−GMAなどを挙げることができる。このうちN
PGが特に好ましく用いられる。一般式(II)に含ま
れるアミン化合物としては、既に記載したN,N−ジメ
チルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,
N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびその
アルキルエステルの他、N,N−ジプロピルアミノ安息
香酸およびそのアルキルエステル、N,−イソプロピル
アミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N−イソ
プロピル−N−メチルアミノ安息香酸およびそのアルキ
ルエステルなどで代表される脂肪族アルキルアミノ安息
香酸およびそのアルキルエステル類;DMABAd、
N,N−ジエチルアミノベンツアルデヒド、N,N−ジプ
ロピルアミノベンツアルデヒド、N,−イソプロピル−
N−メチルアミノベンツアルデヒドなどで代表される脂
肪族アルキルアミノベンツアルデヒド類;N,N−ジメ
チルアミノアセチルベンゼン、N,N−ジエチルアミノ
アセチルベンゼン、N,N−ジプロピルアミノアセチル
ベンゼン、N,−イソプロピルアミノアセチルベンゼ
ン、N,−イソプロピル−N−メチルアミノアセチルベ
ンゼンなどで代表される脂肪族アルキルアミノアセチル
ベンゼンおよび脂肪族アルキルアミノアシルベンゼン類
などを挙げることができる。これらのアミン化合物は単
独であるいは組み合わせて使用できる。また、これらア
ミン化合物の重合性モノマー(C)に対する割合は好ま
しくは0.01重量%〜5基%の範囲内の量で使用され
る。
【0050】また、還元性化合物としては、その他、例
えばベンゼンスルフィン酸、o-トルエンスルフィン酸、
p-トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン
酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンス
ルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリン
スルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩類
を併用することもできる。
【0051】無機還元性化合物としては、硫黄を含有す
る還元性無機化合物が好ましく使用できる。かかる化合
物としては、水または水系溶媒などの媒体中でラジカル
重合性単量体を重合させる際に使用できるレドックス重
合開始剤としての使用される還元性無機化合物が好まし
く、例えば亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ重亜硫
酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、1,2チ
オン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩が挙
げられる。このうち亜硫酸塩が好ましく用いられ、特に
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、亜硫酸水素カリウムが好ましい。これらの還元性
無機化合物は単独でもしくは組み合わせて使用できる。
これら還元性無機化合物は、重合性モノマー(C)に対
して好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲内の量
で使用される。
【0052】これらの重合開始剤のうち、安全性が高く
接着性能や封鎖性能に優れるホウ素含有重合開始剤を用
いることが特に好ましい。また、これら有機ホウ素化合
物の重合性モノマー(C)は、その使用量に特に制限は
なく、好ましくは5重量%〜30重量%の範囲内の量で
使用される。
【0053】本発明の歯科用根管充填材(B)は、上記
(C)、および(D)の各成分について、これら
(C)、および(D)成分の合計100重量部当り、
(C)成分を50〜99.99重量部および(D)成分
を0.01〜50重量部の範囲で含有するのが好まし
い。さらに好ましくは(C)成分が60〜99.9重量
部、(D)成分が0.1〜40重量部の範囲の量で使用
される。
【0054】本発明の歯科用根管治療用キットに用いら
れる歯科用切削器具で切削が容易な芯材(A)は、通
常、歯科用タービンやドリルなどにより切削できる材料
であれば特に制限なく用いられる。具体的には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフ
ルオロエチレン等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、ウレ
ア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂架橋アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂、シリコン樹脂等のプラスチック類、多孔
性アルミナ、多孔性シリカ、多孔性ジルコニア、多孔性
ガラスやそれらのファイバー等の無機化合物等が挙げら
れる。またその形状は細長い円筒状、円錐状、またはく
さび状であることが望ましい。また、これらの材料は歯
科用根管充填材(B)とのなじみをよくするために表面
にカップリング処理を施したり、表面に細かい凹凸を設
けたりすること等が好ましい。
【0055】これらの材料のうち、ポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネート、ポリスチレン等は、ガッタ
パーチャポイント等と比べて機械物性が高く、(メタ)
アクリレートモノマーとのなじみもよく特に好ましい。
また、多孔性アルミナ、多孔性シリカ、多孔性ジルコニ
アやガラスファイバーなどはカップリング処理を行うこ
とにより(メタ)アクリレートモノマーとのなじみが良
くなり、また機械物性も高いことから特に好ましい。
【0056】本発明のキットを構成する歯科用切削器具
で切削が容易な芯材(A)および歯科用根管充填材
(B)には、必要に応じて有機質フィラー、無機質フィ
ラーおよび有機質複合フィラーから選択される少なくと
も1種のフィラーを含有してもよい。有機質フィラーと
しては、重合体の粉砕もしくは分散重合によって得られ
た粉末重合体のフィラーや架橋剤を含む重合性単量体を
重合させた後粉砕して得られたフィラーを挙げることが
できる。ここで、有機質フィラーの原料となる重合性体
としては特に限定はないが、重合性単量体の単独重合体
もしくは共重合体を好ましいものとして挙げることがで
きる。例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポ
リメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポ
リメタクリル酸ブチル(PBMA)、ポリ酢酸ビニル
(PVAc)、ポリエチレングリコール(PEG)やポ
リプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコ
ール(PVA)およびそれらの共重合体などを挙げるこ
とができる。
【0057】無機質フィラーとしては、例えばシリカ、
シリカアルミナ、アルミナ、アルミナ石英、ガラス(バ
リウムガラスを含む)、チタニア、ジルコニア、炭酸カ
ルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン
酸カルシウムなどを挙げることができる。これらは通常
のカップリング処理を施すことが好ましい。
【0058】有機質複合フィラーとしては、前述した無
機質フィラー表面を前述の重合性モノマーで重合して被
覆した後、粉砕して得られるフィラーを挙げることがで
きる。具体的には、無機質フィラーのうちの微粉末シリ
カまたは酸化ジルコニウムなどをトリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレートを主成分とする重合性単量
体で重合被覆し、得られた重合体を粉砕したフィラー等
を挙げることができる。
【0059】これらフィラーは、本発明の歯科用根管充
填材(B)の(C)成分および(D)成分の合計100
重量部に対して、通常1〜1000重量部の範囲内の量
で、好ましくは10〜500重量部の範囲の量で使用さ
れる。
【0060】また、この芯材(A)の形態は、根管に挿入
可能な形態であれば特に制限はないが、歯髄腔に達する
まで歯質を切削し、こうして形成された穿孔部に挿入す
ることから、先端が尖ったくさび状とすることが好まし
い。
【0061】さらに、この芯材(A)は、根管の再治療の
際には取り除く必要があり、この際に既に埋め込まれて
いる芯材(A)をガイドとしてリーマー等を用いて根管腔
に達するように切削することから、歯科用充填材(B)
(硬化物)よりも硬度が低いことが好ましく、この芯材
(A)について測定したブリネル硬度が、通常は2〜2
5、好ましくは5〜15の範囲内にある素材を使用して
形成することが望ましい。また、ASTM D 785に準拠し
て測定されるロックウエル硬度で表したこの芯材(A)の
硬度は、通常はM35〜M120、好ましくはM35〜
M105の範囲内にある。上記のような硬度を有する芯
材(A)は、切削の際のガイドとして好適である。
【0062】本発明の歯科用根管治療用キットは、芯材
(A)と歯科用根管充填材(B)とを個別に梱包して、
使用時に芯材(A)の先端部分に歯科用根管充填材
(B)を塗設して使用する。また、歯科用根管充填材
(B)は、貯蔵時等におけるモノマーの重合反応の進行
を抑制するために、モノマーと重合開始剤とが接触しな
いように梱包されるか、あるいは、例えば光重合開始剤
を用いる場合には、光が透過しない素材を用いて歯科用
根管充填材(B)を梱包する。
【0063】本発明の歯科用根管治療用キットは、例え
ば次のようにして使用される。 1.根管充填操作 (1)図4に示すように、まず、歯牙の根管拡大および消
毒を行う。この際、歯質表面を前処理することが好まし
い。この歯質表面の前処理には、クエン酸10重量%と
塩化第二鉄3重量%とを含有する水溶液(所謂、10-3溶
液)、リン酸、リン酸塩などの酸性液体等を用いること
ができる。
【0064】(2)芯材(A)の先端部に歯科用根管充填材
(B)を、図5に示すように、塗布する。 (3)歯科用根管充填材(B)を塗布した芯材(A)を、図6に
示すように、根管内に差し込み、根管先端部に芯材(A)
および歯科用根管充填材(B)を充填し、歯質に芯材を接
着固定する。
【0065】(4-1)歯科用根管充填材(B)が硬化した後、
図7に示すように、芯材(A)の周辺部にアマルガムやコ
ンポジットレジンなどを充填する操作を行う。または、 (4-2)図8に示すように、歯科用根管充填材(B)が硬化し
た後、芯材(A)および歯科用根管充填材(B)を切削し、金
属製のコアなどを充填する操作を行う。
【0066】なお、芯材(A)を根管内に差し込む際に、
芯材(A)が侵入する歯髄腔内の空気を吸引して除去しな
がら芯材(A)を差し込むことにより、気泡などが形成さ
れることなく歯髄腔内を歯科用根管充填材(B)を歯髄腔
内に完全に充填することができる。
【0067】また、本発明の歯科用根管充填材治療用キ
ットは、一旦根管治療を行った後再度根管治療を行う際
には、本発明で使用した芯材(A)が歯髄腔へ穿孔する際
のガイドとなり、歯髄腔穿孔を容易に行うことができる
と共に、穿孔に伴って芯材(A)はほぼ完全に撤去され
る。すなわち、再根管治療は、通常は次のようにして行
われる。 2.再根管治療操作 (1)図9に示すように、充填材料を切削し、芯材頂部を
露出させる。
【0068】(2)図10に示すように、芯材(A)をガイド
にして、図11に示すように、根管先端部まで掘り進
む。 (3)再根管治療を行う。
【0069】そして、本発明の歯科用根管充填材治療キ
ットには、上記のような再根管治療操作の際に、芯材
(A)がガイドとなると共に、穿孔によって芯材(A)が
切削除去されるので、芯材を別途撤去する操作を行う必
要がないという利点がある。
【0070】
【発明の効果】本発明により、従来のガッタパーチャポ
イント、金属性の根管充填材よりもさらに使用しやすい
新規な歯科用根管充填材治療キットが提供される。
【0071】本発明の歯科用根管充填材キットは、芯材
が硬化性組成物で強固に歯質に接着しているので、補綴
物、充填物を安定に付設することができる。また、本発
明の歯科用根管充填キットを形成する芯材(A)は、歯科
用切削器具で切削が容易であるから根管の再治療を行う
場合に、この芯材(A)が穿孔のガイドとなって容易に切
削除去することができ、歯髄腔への穿孔が容易になる。
また、この穿孔に伴って古い芯材(A)は切削除去される
ので、従来の根管治療のように芯材を別途撤去する操作
を必要としない。
【0072】さらに、本発明の歯科用根管充填材治療キ
ットは、芯材(A)と歯質との接着性が高く、従って接着
封鎖性がよく、さらに、生体親和性がよい。
【0073】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例を示し
てさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限
定されるものではない。
【0074】
【実施例1】本発明の歯科用根管治療用キットを用いた
根管治療を模して、次のようにして、芯材と象牙質との
接着強度を測定した。
【0075】(1)抜去後冷凍保存した牛前歯の表面を6
00番のシリコンカーバイドペーパーで研磨しエナメル
質を除去して象牙質を露出させた。 (2)象牙質表面にクエン酸10重量%−塩化第二鉄3重
量%の水溶液(10-3溶液)を塗布し、10秒間放置した
後、よく水洗し、表面処理を行った。
【0076】(3)直径5mmの穴があいたセロハンテープ
を象牙質表面に貼付し、接着面積を規定した。 (4)4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無
水物(4-META)5重量部とメタクリル酸メチル(MMA)95
重量部を混合し、均一な溶液(モノマー溶液)とした。
このモノマー溶液0.1gとトリブチルボランに酸素約
0.3モル/モルを付加させた化合物(TBB・O)0.
007gを混合し、直ちにポリメタクリル酸メチル粉末
(PMMA粉末:数平均分子量40万、平均粒径30μ
m)0.09gを混合し均一なペーストとし、歯科用根
管充填材として用いた。
【0077】(5)芯材の素材として選定したPMMA製
の棒(直径6mm、長さ30mm)と象牙質とを歯科用根管
充填材を用いて突き合わせ接着した。 (6)接着した試料を室温下で30分間放置した後、37
℃蒸留水中に24時間保存した。
【0078】(7)島津製作所(株)製、万能試験機AG
S−2000Gを用いてクロスヘッドスピード2mm/mi
n.でPMMA棒と象牙質との引っ張り接着強さを測定し
た。 (8)5個の試料を用いて接着試験を行った結果、平均の
接着強さは18.4MPaであった。
【0079】
【比較例1】市販の酸化亜鉛ユージノール系歯科用根管
充填材(商品名;キャナルス、昭和薬品化工(株)製)
を用いて実施例1と同様の操作で象牙質と歯科用根管充
填材との間の接着強さを測定した。ただし、この場合、
実施例1(2)の象牙質表面処理操作は行わなかった。
【0080】このときの接着強さは0であり、水中保存
中に歯科用根管充填材は象牙質表面から剥離した。
【0081】
【実施例2】プラスチック製ディスポーザブル注射針よ
り先端部の金属針部分を取り除き、これに市販の可視光
硬化型支台築造用充填材((株)クラレ製、商品名;ク
リアフィルフォトコア)と直径1mmのPMMA製の棒を
挿入して、図1に示す根管充填モデル試料を作製した。
これに市販の可視光線照射器(クルツァー(株)製、商
品名;トランスルックスCL)を用いて可視光線を12
0秒間照射し支台築造用充填材を硬化させた。
【0082】この試料を歯科用エンジン(セレック
(株)製、商品名;エスパワーSE500MPC)に取り付けた
カーバイドバー(メルファー社製、商品名;カーバイド
バーゼックリアFG)を用いて図2に示す方向に切削試
験を行った。
【0083】その結果、図3に示すようにPMMA部分
に沿って容易に切削できた。ここで用いた芯材であるP
MMA棒のブリネル硬度は13であり、硬化物のブリネ
ル硬度は65であり、芯材の方が可視光硬化型支持台製
造用充填材の硬度よりも低く、歯科用エンジンに取り付
けたカーバイドバーによる切削は、芯材の方が容易に切
削できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例2で用いた根管充填モデルの
断面を模式的に示す図である。
【図2】 図2は、図1に示した根管充填モデルをカー
バイドバーで切削する際の状態を示す図である。
【図3】 図3は、カーバイドバーで切削することによ
り芯材が除去された状態を示す図である。
【図4】 図4は、根管治療を施す歯質の消毒後の断面
図である。
【図5】 図5は、芯材(A)の先端に歯科用根管充填材
(B)を塗設状態を模式的に示す図である。
【図6】 図6は、根管に根管充填材(B)を塗設した芯
材(A)を差し込んだ状態を模式的に示す図である。
【図7】 図7は、歯科用根管充填材(B)が硬化した
後、芯材(A)の周辺部にアマルガムやコンポジットレジ
ンなどを充填した状態を模式的に示す図である。
【図8】 図8は、歯科用根管充填材(B)が硬化した
後、芯材(A)および歯科用根管充填材(B)を切削し、金属
製のコアなどを充填した状態を模式的に示す図である。
【図9】 図9は、再根管治療の際に芯材を露出させた
状態を模式的に示す図である。
【図10】 図10は、再根管治療の際に芯材をガイド
として切削した状態を模式的に示す図である。
【図11】 図11は、再根管治療の際に芯材をガイド
として根尖部を研削・開口した状態を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本 田 成 道 滋賀県守山市古高町571−2 サンメディ カル株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科用切削器具で切削が容易な芯材
    (A)と、該芯材を固定する歯科用根管充填材(B)と
    を有する歯科用根管治療用キットであって、該歯科用根
    管充填材(B)が、重合性モノマー(C)と、重合開始
    剤(D)とを有する硬化性組成物から構成されているこ
    とを特徴とする歯科用根管治療用キット。
  2. 【請求項2】 上記重合性モノマー(C)が、(メタ)
    アクリレート系モノマー(C1)であることを特徴とす
    る請求項1に記載の歯科用根管治療用キット。
  3. 【請求項3】 上記重合開始剤(D)が、ホウ素含有重
    合開始剤(D1)であることを特徴とする請求項1に記
    載の歯科用根管治療用キット。
  4. 【請求項4】 上記歯科用切削器具で切削が容易な芯材
    (A)が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、多孔質無機化
    合物およびガラスファイバーよりなる群から選ばれる少
    なくとも一種類の素材から形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の歯科用根管治療用キット。
  5. 【請求項5】 上記歯科用切削器具で切削が容易な芯材
    (A)のブリネル硬度が、2〜25の範囲内にあること
    を特徴とする請求項1または4に記載の歯科用根管治療
    用キット。
  6. 【請求項6】 歯科用根管充填材(B)を形成する重合
    性モノマー(C)が重合開始剤(D)による重合反応が
    進行しないように包装されていることを特徴とする請求
    項第1項または第3項記載の歯科用根管治療用キット。
  7. 【請求項7】 芯材(A)がくさび形に形成してあること
    を特徴とする請求項第1項または第4項記載の歯科用根
    管治療用キット。
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