JPH11261190A - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

プリント配線基板の製造方法

Info

Publication number
JPH11261190A
JPH11261190A JP10063110A JP6311098A JPH11261190A JP H11261190 A JPH11261190 A JP H11261190A JP 10063110 A JP10063110 A JP 10063110A JP 6311098 A JP6311098 A JP 6311098A JP H11261190 A JPH11261190 A JP H11261190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
insulating layer
forming
sides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10063110A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Akaho
和則 赤穂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP10063110A priority Critical patent/JPH11261190A/ja
Publication of JPH11261190A publication Critical patent/JPH11261190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面がハンダバンプ (フリップチップおよび
BGA) により接続されるプリント配線基板を、反りを
低減させて簡便な工程で製造する。 【解決手段】 最表層の絶縁層 (ソルダーレジスト層)
の形成を、熱硬化性樹脂液のベタ印刷と加熱による乾燥
・硬化、または熱硬化性樹脂フィルムの熱プレスによる
積層と加熱硬化により形成した後、この乾燥・硬化した
樹脂層にレーザ加工によりビアホールを形成することに
より行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機樹脂材料を絶
縁材料として使用したプリント配線基板の製造方法に係
り、基材の両面に絶縁性樹脂層を形成する際にソリの発
生の少ないプリント配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板は、微小な面積に多く
の端子数を有するICチップ等の半導体素子の電気的接
続を確保するために使用され、絶縁基板の表層あるいは
内部に導体パターンが形成されたものである。近年のコ
ンピュータ MPUの高速化、高密度化の進展につれて、プ
リント配線基板には、多端子化、小型化、高速信号の処
理が可能といった各種の性能が求められるようになって
きた。信号の高速化には、比誘電率の低い有機材料を絶
縁材料に使用することが有利である。
【0003】高密度化の要求に応えるため、配線層と絶
縁層を交互に数層ないし数十層積層した多層基板が開発
された。また、半導体素子と基板との電気的接続に関し
ても、従来のワイヤボンディング法より電気的特性が改
善され、かつ製造工程も簡略になるハンダバンプによる
接続法(フリップチップ法)が採用されるようになって
きた。同様に、基板とマザーボードとの接続に関して
も、従来のリードやピンを利用した接続に代わり、BG
A(ボールグリッドアレイ)と呼ばれるハンダバンプに
よる接続法に変わってきている。
【0004】プリント配線基板の高密度化の一層の進展
に伴い、多層基板の多層化とともに、配線ピッチの微小
化も進んでおり、絶縁層に形成するビアホールの形成
も、従来のドリルによる方法では対応できなくなりつつ
ある。そのため、絶縁層を有機材料から形成する場合で
も、導体回路と有機樹脂薄膜からなる絶縁層とを交互に
積層していくビルドアップ法と呼ばれる方法が採用され
るようになってきた。
【0005】ビルドアップ法による多層プリント配線基
板の製造においては、感光性樹脂液(通常は熱硬化性樹
脂に感光性樹脂を混合する)を基材に塗布して乾燥する
か、または感光性樹脂のドライフィルムを熱プレスによ
り基材に積層して絶縁性樹脂層を形成し、次いで所定パ
ターンのマスクを介した露光と現像により樹脂層にビア
ホールを形成し、無電解めっき等の手法でビアホールを
導体金属で充填すると共に樹脂層の上にも導体層を形成
し、導体層をフォトレジストとエッチングを利用してパ
ターン化して導体回路 (配線層) を形成する。この樹脂
質絶縁層と導体回路の形成を繰り返して多層化する。
【0006】前述したように、プリント配線基板の両側
の表面には、それぞれ半導体素子とマザーボードへの接
続のための電極が形成され、表面のそれ以外の部分は通
常はソルダーレジストと呼ばれる、ハンダが付着しにく
い感光性の樹脂材料で被覆されている。半導体素子およ
びマザーボードへの接続法が、それぞれハンダバンプを
利用したフリップチップおよびBGA接続である場合に
は、プリント配線基板の両面の電極部にハンダバンプが
形成されることになるので、ソルダーレジスト層(表面
の絶縁層)には、このハンダバンプが形成される部分に
ビアホールを形成しておく。このビアホールの形成も、
上記と同様に、感光性樹脂層の露光と現像により行われ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
露光と現像を利用して基板の両面の絶縁性樹脂層にビア
ホールを形成する方法にはいくつかの問題点があった。
まず、最終的に製造されたプリント配線基板に反りが発
生する。この反りは、特に基板の両面にハンダバンプを
形成した基板で顕著に起こり、また最表層の絶縁層であ
るソルダーレジスト層の形成時に反りが起こり易い。こ
の反りが大きいと、プリント配線基板とチップやマザー
ボードとの接続がうまくいかず、接続不良になったり、
接続部で割れやはがれが発生することがある。
【0008】また、従来の方法では、フォトリソグラフ
ィー技術を利用して、感光性樹脂液の塗布と予備乾燥
(または感光性フィルムの熱プレス) 、露光、現像、完
全乾燥・硬化といった一連の工程で絶縁層を形成してい
たため、工程が複雑で、生産性に問題がある。
【0009】さらに、ビアホールの形成に感光性が必要
となることから、絶縁層は化学的に安定ではない感光性
樹脂を含有せざるを得ず、温度などの外部からの影響を
受けやすく最終製品に品質のばらつきが多く発生する。
【0010】本発明の課題は、前述した問題点が解消な
いし軽減されたプリント配線基板の製造方法を提供する
ことであり、具体的には、感光性樹脂を必要とせずに、
反りの少ないプリント配線基板をより簡便な工程で製造
できる方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プリント配
線基板の反りについて検討を重ねた結果、感光性樹脂を
利用した絶縁層のビアホール形成では、ビアホール形成
後に絶縁性樹脂層を完全に乾燥させる際に反りが大きく
なることを究明した。
【0012】即ち、感光性樹脂を利用したビアホールの
形成では、樹脂層を完全に乾燥させてしまうと現像が不
可能になるため、表層部分のみをべたつきがなくなるま
で予備乾燥し(プリベーク工程) 、露光と現像を行って
ビアホールを形成した後、完全に乾燥および硬化させる
(ポストベーク工程) 。完全乾燥・硬化は、樹脂質絶縁
層の特性を向上させるのに不可欠である。
【0013】しかし、特に絶縁層が基板表面に形成され
る最表層の絶縁層であるソルダーレジスト層である場
合、ビアホールの大きさやピッチが基板の両面で大きく
異なる。即ち、半導体素子と接続するフリップチップ側
のビアホールは微小であるのに対し、マザーボードと接
続するBGA側のビアホールは径がより大きいので、ビ
アホールの総面積が両面で互いにかなり異なる。従っ
て、ビアホール形成後に残るソルダーレジスト層の面積
が異なり、フリップチップ側の面積がBGA側より大き
くなるため、ソルダーレジスト層の完全乾燥時にフリッ
プチップ側の方がより大きな収縮を受け、フリップチッ
プ側に大きく反りが発生するのである。
【0014】従って、ビアホールを形成する前にベタ状
態のソルダーレジスト層 (即ち、絶縁性樹脂層) を完全
に乾燥および硬化させておけば、乾燥時のレジスト層の
面積は両面で同じとなり、両面の収縮挙動が同一となる
ので、反りの問題が軽減される。本発明はこの点に着目
して完成したものである。
【0015】この反りは、特に両面でビアホールの径や
ピッチが異なる最表層の絶縁層 (即ち、ソルダーレジス
ト層) において顕著であるが、内部の絶縁層を形成する
場合にも、基板の両面で絶縁層のビアホールが非対称に
形成されることはあるので、ソルダーレジスト層に限ら
れるものでなく、内部の絶縁層の形成においても起こり
うる。この場合も、ビアホールの形成前に絶縁層を完全
に乾燥・硬化させておけば、反りが軽減される。
【0016】ここに、本発明は、基材の両面に、ビアホ
ールを有する樹脂質絶縁層を形成する工程を含むプリン
ト配線基板の製造方法において、前記工程を、該基材の
両面に完全に乾燥・硬化した絶縁性樹脂層を形成した
後、この樹脂層にレーザでビアホールを形成することに
より行うことを特徴とする、プリント配線基板の製造方
法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、基材の両面にビアホー
ルを有する樹脂質の絶縁層を形成する場合の反りの軽減
を目的とする。この反りは、前述したように、特に両面
でビアホールの径や分布 (ピッチ) が互いに大きく異な
る、最表層の絶縁層であるソルダーレジスト層の形成時
に顕著であることから、本発明の方法は、絶縁層がソル
ダーレジスト層である場合に適用することが有利であ
る。しかし、内層の絶縁層の形成時にも、両面でビアホ
ールの径や分布が異なれば、やはり反りが起こりうるの
で、そのような場合にも適用可能である。
【0018】基材は、その両面に絶縁層を形成する下地
材料を意味する。両面に形成しようとする絶縁層がソル
ダーレジスト層である場合には、基材は単層または多層
のプリント配線基板であり、表面の電極部以外の部分を
被覆する最表層の絶縁層であるソルダーレジスト層が形
成されていないだけである。
【0019】絶縁層が内層配線に接している内層の絶縁
層である場合には、基材はコア基材(例、銅張り積層板
の銅層をパターン化したもの) であってもよく (絶縁層
がコア基材に隣接した最内層の絶縁層である場合) 、或
いはコア基材上に配線層と絶縁層を交互に形成した多層
プリント配線基板でもよい (最内層より外側の絶縁層を
形成する場合) 。
【0020】以下では、多層プリント配線基板の表面に
最表層の絶縁層としてソルダーレジスト層を形成する場
合について主に説明するが、本発明はこの態様に限定さ
れるものではない。この場合の基材は、既に述べたよう
に、表面のソルダーレジスト層とハンダバンプ以外の部
分が完成しているプリント配線基板である。この場合の
プリント配線基板の製造方法は特に制限されない。前述
したビルドアップ法により形成したものが好ましいが、
それに限定されるものではない。また、この基材の絶縁
層についても本発明に従って形成することもできるが、
反りが小さければその必要性はない。
【0021】基材のプリント配線基板の表面には、両面
とも外部接続用の電極が形成されている。従って、その
上を覆う絶縁層 (ソルダーレジスト層) には、この電極
が露出するようにビアホールを形成する必要がある。絶
縁層が内層絶縁層である場合にも、その両面の配線層間
で電気的接続をとるために、絶縁層にはビアホールが必
要である。
【0022】樹脂質の絶縁層では、前述したように、従
来のビアホール形成は、絶縁層を感光性樹脂から形成
し、フォトリソグラフィー技術を利用して露光と現像に
より行ってきた。その場合には、露光後の現像により樹
脂を部分的に除去するために、樹脂を完全に乾燥・硬化
させる前にビアホールを形成せざるを得なかった。従っ
て、ビアホール形成後にポストベークを行って、絶縁層
の樹脂を完全に乾燥および硬化させることになり、この
段階でも樹脂の収縮が起こるため、ビアホール形成後の
絶縁層の収縮を避けることができなかった。ビアホール
が基材の両面で非対称に形成され、その総面積が両面で
大きく異なると、両面での絶縁層の収縮率が異なること
になり、得られたプリント配線基板の反りの原因とな
る。
【0023】本発明によれば、この反りを軽減するた
め、絶縁層となる樹脂層を完全に乾燥・硬化させてから
ビアホールを形成する。この乾燥・硬化時も樹脂層の収
縮は起こるが、ビアホールの形成前であるので、両面の
樹脂層の面積は同じであり、両面を同じ樹脂から形成す
るか、或いはその収縮率が同じであれば、両面の収縮は
同じになり、収縮による反りが互いに打ち消され、反り
が起こりにくくなる。
【0024】樹脂層を完全に乾燥・硬化させると、フォ
トリソグラフィー技術を利用したビアホールの形成は不
可能であるので、ビアホールの形成はレーザ加工により
行う。従って、樹脂層には感光性が必要ないので、熱硬
化性樹脂だけから樹脂層を形成することが可能となり、
この場合の硬化は当然加熱により行うことになる。但
し、樹脂層を光硬化性樹脂から構成し、これを露光によ
り硬化させてもよい。
【0025】レーザ加工時にも熱が発生するが、既に樹
脂は完全に乾燥・硬化しているので、レーザ加工時の収
縮はあってもわずかであり、反りに及ぼす影響はわずか
である。また、樹脂層を完全に乾燥・硬化させてからレ
ーザ加工するため、樹脂層のはレーザ加工に耐える十分
な剛性を有している。
【0026】本発明において絶縁層の形成に用いる樹脂
は、絶縁性が良好であれば特に制限されず、熱硬化性樹
脂でも光硬化型の感光性樹脂でもよい。但し、感光性樹
脂は化学的にやや不安定であり、温度などの外部因子の
影響を受けやすいので、熱硬化性樹脂を使用する方が好
ましい。絶縁層が最表層である場合には、ソルダーレジ
スト層となるように、ハンダで濡れにくい樹脂を選択す
る。
【0027】絶縁層として好ましい樹脂の例は、熱硬化
性ポリイミド樹脂 (例、BT樹脂として市販されている
ビスマレイミド−トリアジン系ポリイミド樹脂) 、エポ
キシ樹脂などである。これらの樹脂は、最表層と内層の
いずれの絶縁層の形成にも適している。
【0028】また、これらの樹脂に光硬化型の感光性樹
脂を配合して感光性にした感光性樹脂組成物も絶縁層の
材料として使用できる。適当な感光性樹脂の例には、ノ
ボラック型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、脂肪
族アクリレート系のものがある。
【0029】樹脂層の形成方法は、均一な厚みで樹脂層
を形成できれば特に制限されない。例えば、樹脂液を基
材にベタ印刷し、形成された樹脂皮膜を完全に乾燥・硬
化させることにより樹脂層を形成することができる。別
の方法として、予め形成した乾燥した樹脂フィルム (ド
ライフィルム) を、例えば加熱ローラを用いて熱プレス
することにより基材に付着させ、さらに硬化させること
により形成してもよい。いずれの場合も、ビアホールの
形成前に樹脂層を硬化させておく。
【0030】乾燥条件および硬化条件は、樹脂種に応じ
て異なるが、いずれも溶剤が実質的にすべて樹脂層から
除去され、かつそれ以上に収縮がほとんど起こらなくな
る程度まで硬化されるように選択する。
【0031】この乾燥・硬化中に、樹脂層は収縮する。
特に印刷および乾燥により樹脂層を形成した場合には収
縮が大きい。しかし、両面に同じ樹脂液から樹脂層を形
成すれば、両面で同じだけ収縮が起こるため、基材の反
りは解消ないし大きく軽減される。両面に異なる樹脂液
から樹脂層を形成する場合には、樹脂液から形成した皮
膜の乾燥・硬化時の収縮率が実質的に同じであるものを
使用することが好ましい。この場合の収縮率は、例え
ば、一方が他方より10%程度大きいか小さくてもよい
が、それ以上に大きな収縮率の差は好ましくない。ま
た、両面の樹脂層の厚みが大きく異なると、同じ樹脂液
から樹脂層を形成しても、両面の収縮率が違ってくるこ
とがあるので、両面の樹脂層の厚みの差は、薄い方が厚
い方の90%以上となるようにすることが好ましい。
【0032】基材の表面に凹凸がある場合には、凹部を
樹脂で充填することができる印刷法による樹脂層の形成
が好ましい。一方、樹脂フィルムの熱プレスによる樹脂
層の形成は、熱プレス時に基材に加わる圧力も反りの軽
減に作用するため、本発明による反りの軽減効果が高ま
るという利点がある。
【0033】樹脂層を形成し、完全に乾燥・硬化させ
て、剛性を確保し、かつその後の収縮がほとんど起こら
ないようにした後、レーザ加工によりビアホールを形成
する。レーザはビアホールが形成できれば種類を問わな
い。たとえば、CO2 レーザ、エキシマレーザなどが使用
できる。レーザは誘導放出によって光を増幅させるもの
で、特定の単波長の光からなる。樹脂層に効率的にビア
ホールを形成するためには、使用するレーザの波長の光
を吸収する材料 (例、色素) を樹脂層に混合しておくと
よい。
【0034】レーザ加工により樹脂層が加熱を受ける
が、既に樹脂層はほとんど収縮しなくなるまで乾燥・硬
化しているので、この加熱による収縮は無視できる。従
って、例えば、片面が微小なビアホールを小ピッチで形
成するフリップチップ接続面、他面がより大きなビアホ
ールをより大きなピッチで形成するBGA接続面である
場合のように、レーザ加工の程度が基材の両面で異なっ
ていて、加熱の程度も両面で異なっていても、この加熱
による反りはほとんど起こらない。
【0035】レーザによる樹脂層のビアホールの形成自
体は従来より行われているので、加工条件やパターン制
御は従来と同様に行えばよい。それにより、フォトリソ
グラフィー技術を利用せずにビアホールを有する樹脂質
絶縁層を形成することができる。
【0036】この絶縁層のビアホールの底面には導体層
が露出している。絶縁層が最表層のソルダーレジスト層
である場合には、電極が露出しているので、この電極に
ハンダ球を取り付けて、チップまたはマザーボードへの
接続用のハンダバンプを形成することができる。絶縁層
が内層配線の場合には、このビアホールを適当な導体材
料で、例えばメッキにより充填して、その上に形成する
導体層との導通を確保する。
【0037】
【実施例】88×88 mm ×厚み800 μmのガラスエポキシ
樹脂の両面に銅箔を張り合わせ、温度180 ℃、圧力20 k
g/cm2 の条件で2時間熱プレスして、銅張り基板を作製
した。この基板にドリルを用いて所定の位置に直径300
μmのスルーホールを形成した。基板の上下の銅層の導
通を確保するため、スルーホールの側面に化学メッキに
より銅を付着させた。
【0038】その後、この基板の表面の銅箔をフォトリ
ソグラフィー技術によりパターン化して表層配線を形成
した。具体的には、銅箔の上にドライフィルム型のネガ
型フォトレジストを積層し、フォトマスクを通して紫外
線露光し、配線となる露光部を硬化させた。この後、有
機系現像液で現像を行って非露光部のレジストを除去
し、露出した非露光部の銅箔を塩化第二銅溶液によりエ
ッチングして除去した。さらに、配線部の上に残留して
いるフォトレジストフィルムをプラズマアッシングで除
去した。こうして、その上に絶縁層を形成するコア基材
が得られた。
【0039】このコア基材の両面に、カーテンフローコ
ータにより、感光性樹脂 (エポキシアクリレート系) と
熱硬化性樹脂 (後述する熱硬化性ポリイミド樹脂) との
混合溶液を塗布し、80℃で乾燥させた後、得られた樹脂
層の両面をフォトマスクを通して露光し、有機系現像液
で現像し、各樹脂層にビアホールを形成した。ビアホー
ルのパターンは両面で同一とした。ビアホール以外の樹
脂層は絶縁層となる。
【0040】その後、加熱により樹脂層を完全に硬化さ
せた後、クロム酸溶液でデスミア処理して、ビアホール
部を含む樹脂層の表面を粗化し、パラジウム活性化処理
した後、化学銅メッキと電解銅メッキを行って、導通確
保のためにビアホールに銅を充填した。さらに、銅メッ
キの表層に感光性樹脂 (フォトレジスト) を塗布し、フ
ォトマスクを通した露光と現像の後で、塩化第二銅水溶
液でエッチングすることにより銅メッキ層をパターン化
して配線を形成し、配線上に残ったレジストの感光性樹
脂を剥離溶剤で除去した。
【0041】コア基材に対して上記の手順を繰り返すこ
とにより、基材の両面にそれぞれ数層づつの絶縁層と配
線層を形成して、多層プリント配線基板をた。この多
層配線基板の反り量 (図1を参照) を、厚さ測定器によ
り測定した。この多層基板の反りは、両面の樹脂層の厚
さの違いや、温度分布のムラによる硬化速度の違いが原
因であると推定される。
【0042】厚さ測定器は、試料台に試料を配置し、試
料上に針を落とすことにより試料台と針先端部の距離を
測定する装置である。反りは厚さ測定器で基板を表裏2
度測定し、その差から測定できる。つまり、基板の片面
を下にし、基板中央部における厚さを測定する。続い
て、基板を裏返し、もう一方の片面を下にし、同様に厚
さを測定する。両厚さの差が反りの量となる。
【0043】続いて、この多層配線基板を基材として、
その両面に最表層の絶縁層 (即ち、ソルダーレジスト
層) を形成した。ソルダーレジスト層は、熱硬化性ポリ
イミド樹脂であるビスマレイミドトリアジン樹脂 (BT
樹脂) から形成し、その乾燥後の厚みは両面とも同じ20
μmとした。絶縁層に形成したビアホールは、片面がフ
リップチップ接続を想定して直径100 μm、ピッチ400
μmであり、他面はBGA接続を想定して直径300 μ
m、ピッチ1.27 mm とした。絶縁層の形成方法 (樹脂層
の形成とビアホールの形成) は次の通りであった。
【0044】実施例1 樹脂液をスクリーン印刷により基材の両面にベタ印刷し
た後、150 ℃のホットプレート上で1時間加熱して皮膜
の乾燥と樹脂の熱硬化を行った後、完全に乾燥・硬化し
た樹脂層にCO2 レーザのパターン照射によりビアホール
を形成した。レーザの出力は17 kV 、パルス数は1であ
った。
【0045】実施例2 別に作製した厚さ20μmの上記樹脂の未硬化の乾燥フィ
ルムを、加熱ローラを利用した熱プレスにより基材の両
面に積層し、これを150 ℃のホットプレート上で1時間
加熱して樹脂を硬化させた後、実施例1と同様にレーザ
加工してビアホールを形成した。
【0046】比較例1 従来法に従ってフォトリソグラフィー技術を利用し、ビ
アホールを形成した。具体的には、熱硬化性ポリイミド
に感光性樹脂 (上記と同じ) を混合した樹脂液を基材の
両面に塗布し、80℃のホットプレート上で20分間加熱し
て、樹脂層の表層だけを乾燥させた。その後、フォトマ
スクを通した露光と現像により樹脂層にビアホールを形
成し、最後に150 ℃のホットプレート上で45分間加熱し
てポストベークを行い、樹脂層を完全に硬化させた。
【0047】以上のようにして、多層配線基板からなる
基材の両面に、パターンが互いに異なるビアホールを有
する最表層の絶縁層を形成した後、得られたプリント配
線基板の反りを、上記と同様に測定した。
【0048】基材 (多層配線基板) の反り量と、この基
材の両面に異なるパターンのビアホールを有する最表層
の絶縁層 (ソルダーレジスト層) を形成した後の反り量
の測定結果を表1に示す。なお、いずれの例も、反り量
は10個のサンプルの平均値である。
【0049】
【表1】
【0050】基材の多層配線基板の反り量は同じであっ
たが、その基材の表面に従来法によりソルダーレジスト
層を形成した場合には、ビアホール形成後に硬化させる
際の両面の収縮量の違いにより反りが起こるため、反り
量が大きく増大した。
【0051】一方、本発明に従って、印刷後に露光・現
像する代わりに、樹脂層を完全に乾燥・硬化させてから
レーザによりビアホールを形成した実施例1では、ソル
ダーレジスト層形成後の反り量が、形成前とほぼ同じで
あり、この絶縁層の形成による反り量の増大は起こらな
かった。
【0052】また、本発明の別の態様に従って、ソルダ
ーレジスト層を乾燥フィルムの熱プレスによる積層とそ
の後のレーザ加工により形成した場合には、ソルダーレ
ジスト層の形成後の反り量は、形成前よりかえって減少
しており、熱プレス時の加圧により基板の反りがより効
果的に抑えられることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本方法によれば、従来の方法に比べて著
しく反りが軽減したプリント配線基板を製造することが
可能となる。本発明により基板の反りの量が低減できる
結果、基板への半導体素子の搭載や、基板をマザーボー
ドに実装する際の接続不良を低減することができ、接続
部の割れや剥がれの発生も防止でき、歩留まりや信頼性
が向上する。
【0054】加えて熱硬化性樹脂と感光性樹脂を混合し
て使用する必要がないため、生産時に厳しい品質管理を
する必要がなく、最終製品の品質のばらつきが小さくな
ることが期待できる。また、感光性樹脂を含有させず
に、熱硬化性樹脂だけから絶縁層を形成すると、絶縁層
が安定化し、環境変化による影響を受けにくくなる。こ
の点でも、製品の信頼性が向上する。さらには、フォト
リソグラフィー技術を利用しないので、プリント配線基
板の製造方法が簡略化され、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリント配線基板の反り量を説明する図面であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の両面に、ビアホールを有する樹脂
    質絶縁層を形成する工程を含むプリント配線基板の製造
    方法において、 前記工程を、該基材の両面に完全に乾燥・硬化した絶縁
    性樹脂層を形成した後、この樹脂層にレーザでビアホー
    ルを形成することにより行うことを特徴とする、プリン
    ト配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 両面の前記絶縁性樹脂層を樹脂液のベタ
    印刷と乾燥・硬化により形成し、乾燥・硬化時の樹脂層
    の収縮率が両面で互いに実質的に等しい、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 両面の前記絶縁性樹脂層を乾燥樹脂フィ
    ルムを基材に熱プレスして積層し、硬化させることによ
    り形成する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層がソルダーレジスト層である
    請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
JP10063110A 1998-03-13 1998-03-13 プリント配線基板の製造方法 Pending JPH11261190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10063110A JPH11261190A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 プリント配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10063110A JPH11261190A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 プリント配線基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11261190A true JPH11261190A (ja) 1999-09-24

Family

ID=13219836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10063110A Pending JPH11261190A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 プリント配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11261190A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6933208B2 (en) 2001-04-18 2005-08-23 Sony Corporation Method of forming wiring, and method of arranging devices and method of manufacturing image display system by using the same

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036682A (ja) * 1996-07-18 1998-02-10 Asahi Chem Res Lab Ltd 硬化性樹脂組成物およびそれを用いた多層プリント配線板の製造方法ならびにその方法でえられた多層プリント配線板
JPH1051113A (ja) * 1996-07-29 1998-02-20 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036682A (ja) * 1996-07-18 1998-02-10 Asahi Chem Res Lab Ltd 硬化性樹脂組成物およびそれを用いた多層プリント配線板の製造方法ならびにその方法でえられた多層プリント配線板
JPH1051113A (ja) * 1996-07-29 1998-02-20 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6933208B2 (en) 2001-04-18 2005-08-23 Sony Corporation Method of forming wiring, and method of arranging devices and method of manufacturing image display system by using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8058558B2 (en) Printed circuit board and manufacturing method thereof
US20120030938A1 (en) Method of manufacturing printed circuit board
JP2837137B2 (ja) ビルドアップ多層印刷回路基板の製造方法
US6009620A (en) Method of making a printed circuit board having filled holes
JP3442200B2 (ja) プリント回路基板、プリント回路基板の製造方法
JP3908610B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JPH11261190A (ja) プリント配線基板の製造方法
JP2001007248A (ja) パッケージ基板
JPH10284842A (ja) 多層配線回路板の製造方法
JP2003264361A (ja) 回路基板の製造方法
JP2002151622A (ja) 半導体回路部品及びその製造方法
JP3883948B2 (ja) 多層配線基板およびフリップチップ方式の半導体パッケージ
JPH1167849A (ja) キャリアフィルムおよびその製造方法
US6274291B1 (en) Method of reducing defects in I/C card and resulting card
JPH07326853A (ja) プリント配線板のボールバンプ形成方法
JP3999222B2 (ja) フリップチップ実装方法およびフリップチップ実装構造
JP2000277912A (ja) 多層プリント配線基板の製造方法
JP2003324168A (ja) 半導体集積回路実装用プリント配線板
JPH06310858A (ja) 多層薄膜配線基板の製造方法
KR100932535B1 (ko) 임베디드 저항이 포함된 인쇄회로기판 및 그 제조방법
JP3059961B2 (ja) 配線基板の製造方法
JPH1187925A (ja) 多層配線板の製造方法
JPS5811114B2 (ja) 微小部品のプリント基板への実装法
JP2004207265A (ja) 樹脂フィルム貼合わせ多層配線基板
JPH0354873B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020521