JPH11260518A - 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

異方導電性シートの製造方法およびその製造装置

Info

Publication number
JPH11260518A
JPH11260518A JP8297298A JP8297298A JPH11260518A JP H11260518 A JPH11260518 A JP H11260518A JP 8297298 A JP8297298 A JP 8297298A JP 8297298 A JP8297298 A JP 8297298A JP H11260518 A JPH11260518 A JP H11260518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
mold
conductive sheet
anisotropic conductive
linear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8297298A
Other languages
English (en)
Inventor
Terukazu Kokubo
輝一 小久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP8297298A priority Critical patent/JPH11260518A/ja
Publication of JPH11260518A publication Critical patent/JPH11260518A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives
    • H05K3/323Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives by applying an anisotropic conductive adhesive layer over an array of pads

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導通部の絶縁不良の発生を防ぐことができ、
導通部の導通抵抗を低減でき、かつ大型の磁石を用いる
ことなく、面積の大きい異方導電性シートを作製するこ
とができる異方導電性シートの製造装置を提供すること
である。 【解決手段】 ベルトコンベア14に乗せられた一対の
金型18は、線状電磁石10aの線状電磁石磁極12a
と線状電磁石10bの線状電磁石磁極12bとで形成さ
れた間隙部13を、通過させられる。通過する際、線状
電磁石10aと線状電磁石10bによって、一対の金型
18に磁力を加えることにより、一対の金型18で形成
された成形空間中のニッケル粒子を磁性体領域間に局在
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気回路部品、
電気回路基板等の端子と電気的に接続される異方導電性
シートの製造方法及びその製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】図23(a)、(b)は、異方導電性シー
トの斜視図であり、図24は、図23(a)で示す異方
導電性シートのA−A線に沿って切断した断面図であ
る。図23(a)、(b)及び図24を用いて、異方導
電性シートについて説明する。異方導電性シート120
は、例えばシリコーンゴムからなる絶縁性シート122
に、例えばニッケル粒子のような導電性磁性体粒子を積
層したものである導通部124を局所的に形成した構造
をしている。異方導電性シートの用途として、例えば次
のような用途がある。電極として半田ボールが用いられ
る半導体製品の電気的特性の検査をする際、検査用の探
針を半田ボールに直接接触させると、半田ボールが欠け
たり、凹んだりして、実装上の問題が生じる場合があ
る。よって、探針の代わりに異方導電性シートを用いて
半田ボールに接触させることのより、電極の破損や変形
を防いでいる。
【0003】異方導電性シートの従来の製造方法を、図
25を用いて説明する。金型126の主表面には、金型
磁極部136と非磁性体部138とが交互に設けられて
おり、金型128の主表面にも同様に、金型磁極部13
7と非磁性体部139とが交互に設けられている。金型
126の主表面と金型128の主表面とが対向するよう
に金型126、128が配置され、そして周囲にスペー
サ134を配置することにより、成形空間140が形成
される。成形空間140に、例えば液状のシリコーンゴ
ムにニッケル粒子を分散した成形材料を入れる。そして
金型126、128を挟むように、平板型の電磁石13
0、132を配置し、成形空間140に磁場を加え、ニ
ッケル粒子142が金型磁極部136と金型磁極部13
7との間に集まるように、ニッケル粒子142を局在化
させ、その状態で成形材料を加熱硬化させて異方導電性
シートを製造していた。この製造技術は、特開昭54−
146873号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の異方導電性シー
トの製造装置には二つの問題があり、まず、一番目の問
題を説明する。図25を参照して、成形材料中のニッケ
ル粒子142が、金型磁極部136と金型磁極部137
との間に局在化する度合いは、電磁石130、132の
発生磁場の強度と、金型磁極部136と金型磁極部13
7との間に形成された磁場勾配の大きさとの積に比例す
る。ここにおける発生磁場とは、ニッケル粒子142を
磁化させるための磁場をいい、磁場勾配とは、ニッケル
粒子142に力を作用し、ニッケル粒子142を移動さ
せるための勾配をいう。金型磁極部136、137のピ
ッチpに対する金型磁極部136と金型磁極部137と
の間のギャプgの比率が大きく、例えば1より大きくな
ると、磁場勾配の値はニッケル粒子142を局在化させ
るには不十分となり、ニッケル粒子142の局在化を良
好に行うことができない。このような状態で成形材料を
加熱硬化させて異方導電性シートを製造した場合、異方
導電性シートの導通部間の絶縁不良が発生する。これを
図26、27を用いて説明する。図26は、導通部間に
絶縁不良が発生している異方導電性シートの部分平面図
であり、図27は、図26で示す異方導電性シートをA
−A線に沿って切った部分断面図である。ニッケル粒子
142の局在化を良好に行うことができないと、導通部
124aと導通部124bとの間の絶縁性シート122
中に、多数のニッケル粒子142が存在した状態の異方
導電性シートとなるので、導通パスが細くなり導通部の
導通抵抗が高くなる。また、異方導電性シートは、使用
時、両面が押圧されるので、このような異方導電性シー
トであると、導通部124aと導通部124bとが電気
的に接続し、導通部124aと導通部124bとの間に
絶縁不良が発生する。
【0005】ここで、金型磁極部のピッチpに対する金
型磁極部間のギャプgの比率と、磁場勾配の大きさとの
関係を詳細に説明する。図28は、図25で示す平板型
の電磁石130、132を用いて一対の金型126、1
28に磁力を加えている状態の部分断面図である。電磁
石130から電磁石132に向けて磁力線144が形成
されている。金型磁極部136、137のピッチpに対
して、金型磁極部136、137の幅wは、p/2であ
り、金型磁極部136、137の高さhは、p/4であ
る。電磁石130、132によって発生する最大磁場強
度を、0.5Tとして、金型磁極部間の中央において、
x軸方向における磁束密度B(T)を、g=p、g=2
p、g=3pそれぞれの場合について測定した。その結
果が図29のグラフである。磁束密度B(T)をxで微
分した磁場勾配dB/dx(T/m)が、図30のグラ
フである。なお、x=0、p、2p・・5pは、各金型
磁極部の中央に対応している。図30に示すように、g
=2p、g=3pの場合、磁場勾配は極端に低い値とな
り、ニッケル粒子の局在化に問題を生じる。
【0006】二番目の問題を説明する。平板型の磁石の
表面のうち、金型の主表面と対向する面の面積が、金型
の主表面の面積より小さいと、金型に均等に磁場が作用
せず、ニッケル粒子の局在化に問題を生じる。よって、
平板型の磁石の前記面積は、金型の主表面の面積以上で
なければならない。異方導電性シートの面積が大きくな
ると、平板型の磁石の前記面積もこれに対応して大きく
せざるおえない。したがって、面積の大きい異方導電性
シートを作製する場合、磁場強度を保持しつつ前記面積
を大きくするので、大型の磁石が必要となる。大型の磁
石は高価であり、異方導電性シートの製造コストを引き
上げていた。
【0007】この発明は、かかる従来の問題点を解決す
るためになされたものであり、この発明の目的は、導通
部の絶縁不良の発生を防ぐことができ、導通部の導通抵
抗を低減でき、かつ大型の磁石を用いることなく、面積
の大きい異方導電性シートを作製することができる異方
導電性シートの製造方法及びその製造装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に従う異方導電
性シートの製造装置は、流動可能な硬化性材料に導電性
磁性体粒子を分散した成形材料が配置された成形空間
に、磁力を加えることにより、導電性磁性体粒子を局在
化させ、その後硬化性材料を硬化させて異方導電性シー
トを製造する装置であって、一対の金型、移動手段及び
磁力線発生手段を備えている。
【0009】一対の金型は、非磁性体領域及び磁極とし
て機能する複数の磁性体領域を、その主表面に有し、か
つ対向して配置されることにより、磁性体領域及び非磁
性体領域を含む主表面によって、成形空間が形成される
ものである。移動手段は、金型を相対的に移動させるも
のである。磁力線発生手段は、相対的に移動してきた金
型の厚さ方向に磁力線を発生させ、かつ磁力線が通る空
間を、金型が通過する際、成形空間に磁力を加えること
により、導電性磁性体粒子を磁性体領域間に局在化させ
るこの発明に従う異方導電性シートの製造装置は、磁力
線が通る空間を金型が通過する際、成形空間に磁力を加
えることにより、導電性磁性体粒子を磁性体領域間に局
在化させている。つまり金型の主表面全体に一度に磁力
を加えるのではなく、最初、主表面のある部分に磁力を
加え、次に他の部分、その次にさらに他の部分、という
動作により金型の主表面全体に磁力を加えている。した
がって、磁石の表面のうち、金型の主表面と対向する面
の面積が、金型の主表面の面積より小さい磁石であって
も金型に磁力を均等に加えることができる。よって、こ
の発明に従う異方導電性シートの製造装置によれば、平
板型の磁石ではなく、線状磁石を用いることができる。
線状磁石の磁場勾配及び磁場強度は、平板型の磁石のそ
れらより大きいので、先ほど説明したg>pの場合であ
っても、導電性磁性体粒子を磁性体領域間に良好に局在
化させることができるので、導通部間の絶縁不良の発生
を防ぐことができ、また導通部の導通抵抗を低減でき
る。
【0010】線状磁石の磁場勾配及び磁場強度は、平板
型の磁石のそれらより大きい理由を詳細に説明する。
【0011】(1)磁場勾配 従来は、平板型の磁石に
より金型に磁力を加えていた。金型の主表面の非磁性体
領域に、複数の磁性体領域が点在しているので、この磁
力により、磁性体領域に不均一磁場が発生し、不均一磁
場による磁場勾配で導電性磁性体粒子を磁性体領域間に
局在化させていた。平板型の磁石は磁場が均一なので、
平板型の磁石自体からは磁場勾配が発生しない。これに
対して、線状磁石は磁場が不均一なので、線状磁石自体
からも磁場勾配が発生し、金型の磁性体領域自体による
磁場勾配と線状磁石自体による磁場勾配との相乗効果で
磁場勾配は従来より大きくなる。
【0012】(2)磁場強度 線状磁石の磁極は線状な
ので、反磁界の影響を受けにくい。よって、容易に導電
性磁性体粒子及び金型磁性体領域を飽和させるように、
磁場強度が上がる。
【0013】また、この発明の従う異方導電性シートの
製造装置は、先ほど説明したように金型の主表面全体に
一度に磁力を加えるのではなく、最初、主表面のある部
分に磁力を加え、次に他の部分、その次にさらに他の部
分、という動作により金型の主表面全体に磁力を加えて
いる。したがって、線状磁石であっても面積の大きい異
方導電性シートを作製することができる。線状磁石は小
型なので、安価である。よって、異方導電性シートの製
造コストを下げることができる。なお、移動手段とし
て、例えば、ベルトコンベアを用い、金型をベルトコン
ベアに乗せて間隙部を通過させれば、多数の金型に連続
的に磁力を加えることができ、異方導電性シートを大量
に生産することができる。
【0014】磁力線発生手段は、第1の磁極部を含む第
1の磁石と、第2の磁極部を含み、かつ第1の磁極部と
第2の磁極部とによって間隙部が形成されるように配置
された第2の磁石と、を含み、移動手段により金型が間
隙部を通過する際、成形空間に磁力を加えることによ
り、導電性磁性体粒子を磁性体領域間に局在化させる手
段が好ましい。磁性体領域の配置として、金型の主表面
において、非磁性体領域に複数の磁性体領域が点在して
いる配置が好ましい。
【0015】線状磁石の一例として、移動の方向と同じ
方向における磁石の辺の長さが、移動の方向と同じ方向
における金型の辺の長さより小さい磁石がある。線状磁
石の他の例として、第1の磁極部と第2の磁極部との間
の距離に対する第1及び第2の磁極部の幅の比が、0よ
り大きく、かつ5より小さい、好ましくは0より大き
く、かつ1より小さい磁石がある。第1の磁石の高さ
は、第1の磁極部の幅以上、第2の磁石の高さは、同様
に第2の磁極部の幅以上が好ましい。硬化性材料の一例
として、熱硬化性樹脂がある。熱硬化性樹脂を硬化性材
料として用いる場合、硬化性材料を加熱して硬化させる
加熱手段をさらに備えることが好ましい。第1及び第2
の磁石に対して金型を相対的に移動させるとは、磁石を
固定し金型を移動させる場合、金型を固定し磁石を移動
させる場合又は金型及び磁石の両方を移動させる場合が
ある。第1及び第2の磁石として、例えば、電磁石や永
久磁石がある。
【0016】この発明に従う異方導電性シートの製造方
法は、流動可能な硬化性材料に導電性磁性体粒子を分散
した成形材料が配置された成形空間に、磁力を加えるこ
とにより、導電性磁性体粒子を局在化させ、その後硬化
性材料を硬化させて異方導電性シートを製造する方法で
あって、磁力が存在している空間に対して成形空間を相
対的に移動させながら、導電性磁性体粒子を局在化させ
る。したがって、導通部の絶縁不良の発生を防ぐことが
でき、導通部の導通抵抗を低減でき、かつ大型の磁石を
用いることなく、面積の大きい異方導電性シートを作製
することができる。理由は、この発明に従う異方導電性
シートの製造装置の場合と同じである。
【0017】この発明に使用できる成形材料は、導電性
磁性体粒子及び異方導電性シート製造時の磁場を掛ける
ときに該導電性磁性体粒子が金型磁極に集合することが
可能な程度に流動性を有し、その後、硬化する性質を有
する電気絶縁性の高分子材料からなる。導電性磁性体粒
子は、粒子として強磁性を有し、かつ少なくとも表面が
導電性を有するものである。すなわち、単体の強磁性金
属であっても複合粒子、すなわち混合物粒子であって
も、金属で被覆された有機または無機材料からなる被覆
粒子であってもよい。このような導電性磁性体粒子とし
て、例えば、ニッケル、鉄、コバルト等の強磁性を示す
金属の粒子もしくはこれらを含む合金の粒子、またはこ
れらの粒子に、金、銀、銅、錫、パラジウム、ロジウム
等をメッキ等により被覆したもの、非磁性金属粒子もし
くはガラスビーズ等の無機質粒子またはポリマー粒子
に、鉄、ニッケル、コバルト等の導電性強磁性金属のメ
ッキを施したもの等を挙げることができる。製造コスト
の低減化を図る観点からは、特に、ニッケル、鉄、また
は、これらの合金の粒子が好ましく、また導通抵抗が小
さいことの電気的特性を利用するソケット、コネクタ等
の用途で金メッキされた粒子を好ましく用いることがで
きる。さらに、導電性磁性体粒子としては、鉄等のウィ
スカー(ひげ結晶)、短繊維状の強磁性金属も用いられ
る。
【0018】また、高分子材料として、シリコーンゴ
ム、エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ
素系ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタジェン系
ゴム、スチレンブタジェンブロック共重合体ゴム、スチ
レンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟質エポキ
シ樹脂などがある。これらは異方導電性シート製造時の
温度において液状または流動性を有することが必要であ
る。好ましくは、例えば、熱硬化型のシリコーンゴムの
ように、常温で液状であり、加熱により硬化して固形ゴ
ムになるものである。常温で固体であっても、シート製
造時に流動性となり、異方導電性シート製造後は固体と
なるもの、例えば、軟質液状エポキシ樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、熱可塑性軟質樹脂なども用いられる。な
お、異方導電性シート製造後は、架橋構造を有するもの
が耐熱性、耐久性等において好ましい。
【0019】これらは、異方導電性シート状態におい
て、固体であるが、ゴム弾性を有するものが好ましい。
異方導電性シートの用途によっては、弾性が小さいもの
であってもよい。また、異方導電性シートの用途によっ
ては、接着性あるいは粘着性を有する材料であってもよ
い。これらの高分子材料は、前記の例示に限定されるも
のではなく、異方導電性シートとして用いられることが
従来から知られているもの、あるいは、前記材料と同等
ないし類似の機能を有する材料であれば特に限定される
ものではない。
【0020】なお、この発明に従う異方導電性シート製
造方法及びその製造装置で製造される異方導電性シート
は、それ自体単独の製品として製造され、単独で取り扱
われるものを主に対象としている。しかしながら、この
発明により製造された異方導電性シートは、例えば、特
開平4−151889号公報に記載されているような、
回路基板と、該回路基板のリード電極領域の表面上に一
体的に形成された異方導電性コネクター層とからなる回
路基板装置に容易に適用することができ、この発明に従
う異方導電性シート製造方法もまた、該公報に記載の回
路基板装置の製造方法に容易に適用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に従う異方導電
性シートの製造装置の一実施例の原理構造を示す模式図
である。移動手段の一例であるベルトコンベア14の上
には、一対の金型18が乗っている。ベルトコンベア1
4の上方には、加圧回転子16が配置されている。加圧
回転子16とベルトコンベア14とで一対の金型18を
挟み、かつそれぞれが矢印方向に回転することにより、
一対の金型18を矢印A方向へ送出す。加圧回転子16
及びベルトコンベア14は、一対の金型18を挟んだ
際、一対の金型18を押圧し、成形空間を安定させる役
目も果たす。矢印A方向に送出された一対の金型18
は、まず、線状電磁石10a及び10bが配置された場
所へ送られる。線状電磁石10aは、その先端に線状電
磁石磁極12aを有する。線状電磁石10aが、第1の
磁極部を含む第1の磁石の一例である。線状電磁石10
bも同様に、その先端に線状電磁石磁極12bを有す
る。線状電磁石10bが、第2の磁石の一例である。線
状電磁石10aは、線状電磁石10bと対向して配置さ
れ、線状電磁石磁極12aと線状電磁石磁極12bとで
間隙部13が形成されている。間隙部13をベルトコン
ベア14が通るように、線状電磁石10a及び10bは
配置されている。なお、21a、21bはそれぞれ、金
型18の移動の方向と同じ方向における線状電磁石磁極
12a、12bそれぞれの辺を示している。そして19
は、金型18の移動の方向と同じ方向における金型18
の辺を示している。12a及び12bで示す辺の長さ
は、19で示す辺の長さより小さい。
【0022】ベルトコンベア14に乗せられた一対の金
型18は間隙部13を通過する際、線状電磁石10a及
び10bによって磁力が加えられ、導電性磁性体粒子は
磁性体領域間に局在化させられる。線状電磁石磁極12
a、12bの21a、21bで示す辺の長さは、一対の
金型18の19で示す辺の長さより小さいので、一対の
金型18の主表面のある部分に磁力を加え、次に他の部
分、その次に更に他の部分、という動作により一対の金
型18の主表面全体に磁力を加えている。
【0023】一対の金型18は、間隙部13を通過した
後、硬化用ヒータ20が配置された場所へ送られる。導
電性磁性体粒子が磁性体領域間に局在化された状態で、
硬化性材料が硬化用ヒータ20によって加熱硬化され、
異方導電性シートが完成する。
【0024】この発明に従う異方導電性シートの製造装
置の他の実施例を図2を用いて説明する。図2は、この
発明の他の実施例の原理構造を示す模式図である。図1
で示す異方導電性シートの製造装置と同一部分について
は同一符号を付すことによりその説明を省略する。線状
電磁石10aは、非磁性体ドラム22の円筒面の内側に
配置されている。非磁性体ドラム22の円筒の内周面
が、線状電磁石磁極12aと接触した状態で、非磁性体
ドラム22は矢印方向に回転する。一対の金型18が、
間隙部13を通過する際、一対の金型18と線状電磁石
磁極12aとの間に何にもないと、一対の金型18が線
状電磁石磁極12aに吸い付く可能性がある。よって非
磁性体ドラム22により、一対の金型18を加圧して成
形空間を保持しつつ、かつ一対の金型18が線状電磁石
磁極12aに吸い付くのを防止している。間隙部13を
通過した一対の金型18は、硬化用ヒータ20a、20
bが配置された場所へ送られる。硬化用ヒータ20a
は、硬化用ヒータ20bと対向するように配置され、そ
の空間をベルトコンベア14に乗った一対の金型18が
通過していく。硬化用ヒータ20aには、小型電磁石2
4a、26aが間隔をあけて設けられている。硬化用ヒ
ータ20bにも同様に、小型電磁石24a、26bが間
隔をあけて設けられている。線状電磁石10a及び10
bによって導電性磁性体粒子は磁性体領域間に局在化さ
せられ、その状態で直ちに硬化用ヒータ20a及び20
bが配置された場所に送られ、硬化性材料が加熱硬化さ
れる。しかし、硬化用ヒータ20a及び20bで硬化性
材料を加熱硬化しても、直ちに硬化しないので、局在化
している導電性磁性体粒子が再び分散する可能性があ
り、小型電磁石24a、24b、26a及び26bで、
加熱硬化の際に再度一対の金型18に磁力を加え、導電
性磁性体粒子の分散を防いでいる。なお、各加圧回転子
16間には、板28が設けられており、板28は一対の
金型18を押圧し、成形空間を安定させる役目を果た
す。
【0025】図3は、この発明に従う異方導電性シート
の製造装置のさらに他の実施例の原理構造を示す模式図
である。図1及び図2で示す異方導電性シートの製造装
置は、一対の金型18を移動させて、間隙部を通過させ
ていたが、この実施例では、磁石を移動させて、一対の
金型が間隙部を通過するようにしている。図3を用いて
詳細に説明する。一対の金型18a、18b、18c、
18dが間隔をあけて、金型支持シート44の上に乗せ
られている。金型支持シート44の上方には、レール3
8aが設けられ、下方にはレール38bが設けられてい
る。レール38aには、矢印A方向に移動させられる線
状電磁石40aが配置されており、レール38bには、
矢印A方向移動させられる線状電磁石40bが配置され
ている。線状電磁石40aの線状電磁石磁極48aと線
状電磁石40bの線状電磁石磁極48bとで、間隙部4
6が形成される。線状電磁石40a及び40bが矢印A
方向に移動したときに、間隙部46が一対の金型18a
〜18dを順番に通過する。
【0026】レール38aには、硬化用ヒータ42aが
配置され、レール38bにも同様に、硬化用ヒータ42
bが配置されている。硬化用ヒータ42a及び42bは
矢印A方向に移動する。線状電磁石40a及び40bに
よって、導電性磁性体粒子を磁性体領域間に局在化させ
た後、硬化用ヒータ42a及び42bで硬化性材料を加
熱硬化させ、異方導電性シートを完成させる。
【0027】次に、線状電磁石は平板型の電磁石に比
べ、磁場勾配が大きくなることを、図4を用いて説明す
る。図4は、線状電磁石を用いて一対の金型に磁力を加
えている状態の部分断面図である。線状電磁石の線状電
磁石磁極12aと線状電磁石磁極12bとは、間隔Gを
あけて配置されている。線状電磁石磁極12a及び12
bの幅Wは、G/2である。線状電磁石磁極12aから
線状電磁石磁極12bに向けて磁力線36が形成されて
いる。線状電磁石磁極12aと線状電磁石磁極12bと
で形成される間隙部を、一対の金型18a、18bが通
過している。金型18aの主表面には、金型磁極部30
aと非磁性体部32aとが交互に設けられており、金型
18bの主表面にも同様に、金型磁極部30bと非磁性
体部32bとが交互に設けられている。金型18aの主
表面と金型18bとの主表面とが対向するように金型1
8a、18bが配置され、これにより成形空間34が形
成される。成形空間34には、液状のシリコーンゴムに
ニッケル粒子を分散した成形材料が入っている。液状の
シリコーンゴムが、成形条件下で流動可能な硬化性材料
の一例であり、ニッケル粒子が導電性磁性体粒子の一例
である。金型18aと金型18bとのギャップはgであ
る。金型磁極部30a、30bのピッチはpである。金
型磁極部30a、30bの幅wは、p/2であり、金型
磁極部30a、30bの高さhは、p/4である。線状
電磁石磁極12a、12bの中央で発生する最大磁場強
度を0.5Tとして、金型磁極部間の中央において、X
軸方向における磁束密度B(T)を、g=p、g=2
p、g=3pそれぞれの場合について測定した。その結
果が図5のグラフである。磁束密度B(T)をXで微分
した磁場勾配dB/dx(T/m)が、図6のグラフで
ある。なお、x=0、p・・5pは、各金型磁極部の中
央に対応している。
【0028】まず、図5及び図29を参照して、金型磁
極間の磁束密度の最大値は、平板型の磁石、線状磁石共
に、0.58Tとなるが、線状磁極が作る磁束密度は幅
方向に急激に減衰するために、磁束密度の最大値からの
減衰幅が大きく、この結果、図6及び図30を参照し
て、磁場勾配の最大値は線状磁石を用いた場合の方が平
板型の磁石を用いた場合よりも大きくなるのである。図
6に示すように、g=2pの場合であっても磁場勾配の
絶対値が約250(T/m)あり、ニッケル粒子の局在
化が可能となる。これに対し従来の平板型の電磁石で
は、図30で説明したように、g=2pの場合、磁場勾
配は極端に低い値となり、ニッケル粒子の局在化に問題
を生じる。
【0029】次に、電磁石に同じ量の励磁電流を流した
場合、線状磁石の方が平板型の磁石よりも磁場強度が大
きくなることを説明する。図7を参照して、線状電磁石
磁極12aと線状電磁石磁極12bとで間隙部が形成さ
れるように、線状電磁石10a、10bが配置されてい
る。線状電磁石磁極12aと線状電磁石磁極12bとの
間の距離はGである。線状電磁石磁極12a、12bの
幅Wは2Gである。なお36は磁力線を示している。
【0030】図8を参照して、平板型の電磁石130の
磁極131aと平板型の電磁石132の磁極131bと
で間隙部が形成されるように、平板型の電磁石130、
132が配置されている。磁極131aと磁極131b
との間の距離は、図7で示した線状電磁石の場合と同様
にGである。磁極131a、131bの幅Wは、図7の
線状電磁石磁極12a、12bの10倍である20dで
ある。144は磁力線を示している。
【0031】磁極間の中央において、x軸方向における
磁束密度B(T)を、図7及び図8で示す電磁石それぞ
れの場合について測定した。励磁電流の値は同じであ
る。なおx=0は、磁極の中央に対応している。結果を
図9のグラフで表す。磁極間距離、励磁電流が同じ場合
であっても、線状磁石の方が平板型の磁石よりも磁束密
度が大きくなる。磁束密度が大きくなるとは、磁場強度
が大きくなることを意味する。
【0032】次に、この発明に用いることができる線状
磁石の形状について説明する。図10は、この発明に用
いることができる線状電磁石の一例の模式図である。図
1で示す線状電磁石10a、10bと同じ構造なので、
構造の説明は省略する。なお、Hは磁極長さ、Gは磁極
間距離、Wは磁極幅を示している。図11は、図10で
示す線状電磁石10a、bを矢印A方向に沿って切断し
た断面図である。線状電磁石10aと線状電磁石10b
とによってH型の形状をした空間部が形成されている。
線状電磁石磁極12aと線状電磁石磁極12bとで間隙
部13が形成されている。
【0033】図12は、この発明に用いることができる
線状電磁石の他の例の模式図である。線状電磁石50a
の磁極は、線状電磁石磁極52a、52b、52c、5
2dに枝別れしており、線状電磁石50bの磁極も同様
に、線状電磁石磁極54a、54b、54c、54dに
枝別れしている。線状電磁石磁極52aと52bとの
間、52bと52cとの間、52cと52dの間には、
それぞれ加圧回転子16が配置されている。隣り合う磁
極の距離Dは、磁極幅W以上であることが好ましい。隣
り合う磁極の距離Dが磁極幅W以下であると、磁極間磁
場分布の急峻性が小さくなり、磁場勾配が小さくなるか
らである。図13は、図12で示す線状電磁石の磁極部
の拡大図である。磁極間の中央で生じる磁束密度を、図
14のグラフで表す。なお、x=0、p、2p、3p
は、各磁極の中央と対応している。図14を参照して、
磁束密度のピークは、各磁極の中央に対応するところで
生じる。磁束密度の値は、図1で示す線状電磁石の場合
と変わりはない。但し図14で示すように、線状電磁石
が4対の磁極を持っている場合、磁束密度のピークは4
個所で発生する。よって一対の金型18は、磁束密度が
ピークとなる4個所を通過するので、1個所を通過する
場合に比べ、導電性磁性体粒子の局在化を確実にするこ
とができる。
【0034】図15は、この発明に用いることができる
線状磁石のさらに他の例の模式図である。線状電磁石5
6aの磁極は、線状電磁石磁極58a、58bに枝別れ
している。線状電磁石56bの磁極も同様に、線状電磁
石磁極60a、60bに枝別れしている。これまでに説
明してきた線状電磁石との違いは、線状電磁石磁極58
aがN極であり、これと対向する線状電磁石磁極60a
がS極である。また、線状電磁石磁極58bがS極であ
り、これと対向する線状電磁石磁極60bがN極であ
る。図16は、図15で示す線状電磁石の磁極部の拡大
図である。線状電磁石56aと線状電磁石56bとの間
の中央で生じる磁束密度を図17のグラフで示す。x軸
の取り方は、図13及び図14の場合と同じであり説明
を省略する。磁束密度の値は、図1で示す線状電磁石の
場合と同じであるが、磁束密度のピークが2個所で発生
しており、かつ一方が正で他方が負である。磁束密度の
ピークが2個所で発生しているので、1個所で発生する
場合に比べ、導電性磁性体粒子の局在化を確実に行うこ
とができる。また、符号が逆の磁束密度のピークが発生
するので、一度磁化した粒子は、外部磁場(電磁石から
の磁場)が切れても残留磁化が残るため、粒子内部の磁
気モーメント(磁石)のN極とS極の向きは、ほぼ以前
の外部磁場方向に揃って向いている。そこに、向きが反
対の磁場を印加する事により、前記磁気モーメントはト
ルクを受ける。つまり、粒子が回転する力を受け、僅か
に動く。粒子を寄せ導電部に局在化させる力は、他の線
状磁極と変わらないが、磁場の向きを反転することによ
って粒子が動き、導電部に局在化した粒子の再配置がお
こり、より密な導電部を形成できるので、導通抵抗の低
減に寄与する。
【0035】図18は、この発明に用いることができる
線状電磁石のさらに他の例の模式図である。線状電磁石
62aの線状電磁石磁極64aと線状電磁石62bの線
状電磁石磁極64bとで間隙部が形成されるように、線
状電磁石62a、62bが配置されている。線状電磁石
磁極64aの表面は、半円筒状に凹んでおり、その部分
に、磁性体からできた円筒状の加圧回転子66が回転自
在に配置されている。加圧回転子66は、他の加圧回転
子16と同様に一対の金型を矢印A方向へ送出す働きの
ほか、線状電磁石62aの磁極の役割を果たしている。
図18で示す線状電磁石の効果は図1で示す線状電磁石
の場合とほぼ同じである。すなわち、線状電磁石磁極の
先端の形状は、これまで説明してきたような、フラット
なものでもよいし、この例のように、円筒状でもよく、
制限がないという意味である。
【0036】図19は、この発明に用いることができる
線状電磁石のさらに他の例の模式図である。線状電磁石
68aの線状電磁石磁極70と線状電磁石68bの線状
電磁石磁極とが間隙部を形成するように、線状電磁石6
8a、68bが配置されている。線状電磁石磁極70の
表面には、間隔をあけて、磁性体からなる加圧回転子7
4a、74b、74c、74dが回転自在に配置されて
いる。加圧回転子74a、74b、74c、74dは、
通常の加圧回転子と同様の役割を果たすほか、線状電磁
石68aの磁極の役割を果たす。すなわち、線状電磁石
68aの磁極が4つに枝別れし、4つの磁極をもってい
るのと同様の構造である。線状電磁石68bは、線状電
磁石磁極72a、72b、72c、72dの4つに枝別
れしている。図19で示す線状電磁石の効果は、図12
で示す線状電磁石の効果とほぼ同じである。
【0037】(実施例) 次に、この発明の実施例を説
明する。
【0038】導電性磁性体粒子からなる直径が約0.1
25mmφの円柱状導電部を、0.25mmピッチで正
方格子状に配列した縦400mm、横400mm、厚さ
0.5mmの異方導電性シートを作製した。
【0039】まず、金型を以下のようにして製作した。
図20を参照して、縦420mm、横420mm、厚さ
t6mmの2枚の鉄板80a、80bのそれぞれの片面
の領域の縦400mm、横400mmに、直径d(幅
w)が約0.125mmφ、高さhが0.1mmの円柱
状ニッケル磁極75を、ピッチpが0.25mmで正方
格子状に電解メッキにより形成し、磁極周辺部をエポキ
シ樹脂で、金型の磁極面側が平らになるように埋めて非
磁性体部82形成し、一対の金型76a、76bを製作
した。
【0040】また、厚さ0.5mm、外形420mm、
内形400mmの非磁性ステンレス製の正方形の枠1枚
を一対の金型76a、76bの間に挟み、異方導電性シ
ートの成形空間84を作るためのスペーサとした。2枚
の金型76a、76bとスペーサには、相互間の正確な
位置合わせを行うために、位置合わせピン用の直径4m
mφの穴を4隅に用意した。
【0041】このようにして作製した2枚の金型76
a、76bとスペーサを用いて異方導電性シートを成形
した。熱硬化型シリコーンゴムに平均粒径20μmの金
メッキした導電性磁性体粒子となるニッケル粒子を10
体積%の割合で混合し、均一に分散し、流動性成形材料
を調製し、上記スペーサで作られた一対の金型の間の成
形空間に充填した。上記成形材料が充填された一対の金
型を、図1で示す異方導電性シートの製造装置のベルト
コンベア14に載せ、磁極間距離(図10中のG)14
mm、磁極幅(図10中のW)14mm、磁極長さ(図
10中のH)450mmであり、金型76a、76bの
ニッケル磁極と成形材料中のニッケル粒子をほぼ飽和さ
せる磁場1Tを発生する線状電磁石磁極12a、12b
間を一定速度100mm/分で通過させ、さらに、約1
20度に設定された硬化用ヒータ20を通過させ、取り
出し冷却した後、金型76a、76bを開き異方導電性
シートを得た。この異方導電性シートの部分断面の顕微
鏡写真の模式図を図21(a)に示す。
【0042】(比較例) 従来の装置は、実施例に使用
した大型金型のサイズに対応する大型電磁石を備えてい
ないため、比較例の金型の縦横は、実施例の金型の縦横
より小さいサイズの縦300mm、横300mmとし
た。そして、電磁石は電磁石磁極のサイズが縦350m
m、横350mmである既存の大型電磁石を使用した。
この電磁石と金型を用いて、比較用の異方導電性シート
を作製した。まず、金型を実施例と同様に以下のように
して製作した。縦300mm、横300mm、厚さ6m
mの2枚の鉄板のそれそれの片面の領域の縦280m
m、横280mmに直径が約0.125mmφ、高さ
0.1mmの円柱状ニッケル磁極を0.25mmピッチ
で正方格子状に電解メッキにより形成し、磁極周辺部を
エポキシ樹脂で、金型の磁極面側が平らになるように埋
めて非磁性体部を形成し、一対の金型を製作した。ま
た、厚さ0.5mm、外形300mm、内形300mm
の非磁性ステンレス製の正方形の枠1枚を一対の金型の
間に挟み、異方導電性シートの成形空間を作るためのス
ペーサとした。2枚の金型基板とスペーサには、相互間
の正確な位置合わせを行うために、位置合わせピン用の
直径4mmφの穴を4隅に用意した。
【0043】このようにして作製した2枚の金型とスペ
ーサを用いて異方導電性シートを成形した。熱硬化型シ
リコーンゴムに平均粒径20μmの金メッキした導電性
強磁性ニッケル粒子を10体積%の割合で混合し、均一
に分散し、流動性成形材料を調製し、上記スペーサで作
られた一対の金型の間の成形空間に充填した。上記成形
材料が充填された金型を、図25に示す1Tを発生する
電磁石130、132の磁極間にはさみ、十分な時間で
ある2時間放置後、取り出し、約120度に保たれたヒ
ータで30分加熱し、冷却後金型を開き異方導電性シー
トを得た。この異方導電性シートの部分断面の顕微鏡写
真の模式図を図21(b)に示す。図21(a)で示す
この発明の実施例で作製した異方導電性シートは、ニッ
ケル粒子88が良好に局在化した状態で導通部87a、
87bが形成されていた。86はシリコーンゴムであ
る。これに対して、図21(b)で示す比較例で作製し
た異方導電性シートは、ニッケル粒子92が良好に局在
化していない状態で導通部94a、94bが形成されて
いた。すなわち導通部94aと導通部94bとの間に多
数のニッケル粒子93が存在していた。
【0044】次に、実施例で得た異方導電性シートの各
導電部の厚さ方向への歪みに対する導通抵抗の平均値及
び比較例のそれを、図22のグラフに示す。実施例で得
た異方導電性シートの各導電部の厚さ方向への歪みに対
する導通抵抗の平均値は、比較例のそれと比べ低い値と
なった。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う異方導電性シートの製造装置の
一実施例の模式図である。
【図2】この発明に従う異方導電性シートの製造装置の
他の実施例の模式図である。
【図3】この発明に従う異方導電性シートの製造装置の
さらに他の実施例の模式図である。
【図4】線状電磁石を用いて一対の金型に磁力を加えて
いる状態の部分断面図である。
【図5】図4に示す金型の金型磁極部間の中央におい
て、x軸方向における磁束密度B(T)を測定したグラ
フである。
【図6】図5に示すグラフの磁束密度B(T)を、xで
微分した磁場勾配dB/dx(T/m)を示すグラフで
ある。
【図7】線状電磁石の一例の模式図である。
【図8】図7に示す線状電磁石と比較のために用いた電
磁石の模式図である。
【図9】図7に示す線状電磁石及び図8に示す電磁石の
x軸方向における磁束密度B(T)を測定したグラフで
ある。
【図10】この発明に従う異方導電性シートの製造装置
に用いることができる線状電磁石の一例の模式図であ
る。
【図11】図10に示す線状電磁石をA−A線に沿って
切った断面図である。
【図12】この発明に従う異方導電性シートの製造装置
に用いることができる線状電磁石の他の例の模式図であ
る。
【図13】図12に示す線状電磁石の磁極部の拡大図で
ある。
【図14】図12に示す線状電磁石のx軸方向における
磁束密度B(T)を測定したグラフである。
【図15】この発明に従う異方導電性シートの製造装置
に用いることができる線状電磁石のさらに他の例の模式
図である。
【図16】図15に示す線状電磁石の磁極部の拡大図で
ある。
【図17】図15に示す線状電磁石のx軸方向における
磁束密度B(T)を測定したグラフである。
【図18】この発明に従う異方導電性シートの製造装置
に用いることができる線状電磁石のさらに他の例の模式
図である。
【図19】この発明に従う異方導電性シートの製造装置
に用いることができる線状電磁石のさらに他の例の模式
図である。
【図20】この発明の実施例に用いた一対の金型の部分
断面図である。
【図21】(a)は、この発明の実施例で作製した異方
導電性シートの部分断面の顕微鏡写真の模式図であり、
(b)は、比較例で作製した異方導電性シートの部分断
面の顕微鏡写真の模式図である。
【図22】実施例で得た異方導電性シートの各導電部の
厚さ方向への歪みに対する導通抵抗の平均値及び比較例
のそれを表すグラフである。
【図23】(a)は、異方導電性シートの一例の斜視図
であり、(b)は、異方導電性シートの他の例の斜視図
である。
【図24】図23(a)に示す異方導電性シートのA−
A線に沿って切断した断面図である。
【図25】従来の異方導電性シートの製造装置に用いら
れる電磁石間に一対の金型を置いた状態を示す図であ
る。
【図26】導通部間に絶縁不良が発生している異方導電
性シートの部分平面図である。
【図27】図26で示す異方導電性シートをA−A線に
沿って切った部分断面図である
【図28】平板型の電磁石を用いて一対の金型に磁力を
加えている状態の部分断面図である。
【図29】図28に示す金型の金型磁極部間の中央にお
いて、x軸方向における磁束密度B(T)を測定したグ
ラフである。
【図30】図29に示すグラフの磁束密度B(T)を、
xで微分した磁場勾配dB/dx(T/m)を示すグラ
フである。
【符号の説明】
10a、10b、40a、40b、50a、50b、5
6a、56b、62a、62b、68a、68b 線状
電磁石 12a、12b、48a、48b、52a、52b、5
2c、52d、54a、54b、54c、54d、58
a、58b、60a、60b、64a、64b、70、
72a、72b、72c、72d 線状電磁石磁極 13、46 間隙部 14 ベルトコンベア 18 一対の金型 30a、30b 金型磁極部 32a、32b、82 非磁性体部 34、84 成形空間 38a、38b レール 75 ニッケル磁極 76a、76b 金型 86、90 シリコーンゴム 88、92、93 ニッケル粒子 87a、87b、94a、94b 導通部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動可能な硬化性材料に導電性磁性体粒
    子を分散した成形材料が配置された成形空間に、磁力を
    加えることにより、前記導電性磁性体粒子を局在化さ
    せ、その後前記硬化性材料を硬化させて異方導電性シー
    トを製造する装置であって、 非磁性体領域及び磁極として機能する複数の磁性体領域
    を、その主表面に有し、かつ対向して配置されることに
    より、前記磁性体領域及び前記非磁性体領域を含む前記
    主表面によって、前記成形空間が形成される一対の金型
    と、 前記金型を相対的に移動させる移動手段と、 相対的に移動してきた前記金型の厚さ方向に磁力線を発
    生させ、かつ前記磁力線が通る空間を、前記金型が通過
    する際、前記成形空間に前記磁力を加えることにより、
    前記導電性磁性体粒子を前記磁性体領域間に局在化させ
    る磁力線発生手段と、 を備えたことを特徴とする異方導電性シートの製造装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記磁力線発生手段は、第1の磁極部を含む第1の磁石
    と、第2の磁極部を含み、かつ前記第1の磁極部と前記
    第2の磁極部とによって間隙部が形成されるように配置
    された第2の磁石と、を含み、 前記移動手段により、前記金型は前記間隙部を通過し、
    かつ前記金型が通過する際、前記成形空間に前記磁力を
    加えることにより、前記導電性磁性体粒子を前記磁性体
    領域間に局在化させる、異方導電性シートの製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記金型の前記主表面において、前記非磁性体領域に複
    数の前記磁性体領域が点在している、異方導電性シート
    の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、 前記移動の方向と同じ方向における前記第1及び第2の
    磁極部の辺の長さは、前記移動の方向と同じ方向におけ
    る前記金型の辺の長さより小さい、異方導電性シートの
    製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3において、 前記第1の磁極部と前記第2の磁極部との間の距離に対
    する前記第1及び第2の磁極部の幅の比は、0より大き
    く、かつ5より小さい、異方導電性シートの製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5におい
    て、 前記硬化性材料は、熱硬化性樹脂を含み、 さらに、前記硬化性材料を加熱して硬化させる加熱手段
    を備えた異方導電性シートの製造装置。
  7. 【請求項7】 流動可能な硬化性材料に導電性磁性体粒
    子を分散した成形材料が配置された成形空間に、磁力を
    加えることにより、前記導電性磁性体粒子を局在化さ
    せ、その後前記硬化性材料を硬化させて異方導電性シー
    トを製造する方法であって、 前記磁力が存在している空間に対して、前記成形空間を
    相対的に移動させながら、前記導電性磁性体粒子を局在
    化させることを特徴とする異方導電性シートの製造方
    法。
JP8297298A 1998-03-13 1998-03-13 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置 Withdrawn JPH11260518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8297298A JPH11260518A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8297298A JPH11260518A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11260518A true JPH11260518A (ja) 1999-09-24

Family

ID=13789142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8297298A Withdrawn JPH11260518A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11260518A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005076418A1 (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Jsr Corporation 異方導電性シートの製造方法
WO2005101589A1 (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Jsr Corporation 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
JP2005322492A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Polymatech Co Ltd 導電弾性体及びその製造方法
JP2005327706A (ja) * 2004-04-14 2005-11-24 Jsr Corp 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
US7601281B2 (en) 2004-09-27 2009-10-13 Nitto Denko Corporation Production method of anisotropic conductive sheet

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005076418A1 (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Jsr Corporation 異方導電性シートの製造方法
WO2005101589A1 (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Jsr Corporation 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
JP2005327706A (ja) * 2004-04-14 2005-11-24 Jsr Corp 異方導電性シート製造用型および異方導電性シートの製造方法
JP2005322492A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Polymatech Co Ltd 導電弾性体及びその製造方法
US7601281B2 (en) 2004-09-27 2009-10-13 Nitto Denko Corporation Production method of anisotropic conductive sheet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101051217B1 (ko) 이방 도전성 커넥터 장치 및 그 제조 방법 및 회로 장치의검사 장치
JP3087294B2 (ja) 異方導電性シートの製造方法
TWI411781B (zh) And an inspection device for the electrically conductive connector device and the circuit device
US6168442B1 (en) Anisotropic conductivity sheet with positioning portion
US8872038B2 (en) Anisotropic conductor, method of producing the same, and anisotropic conductor-arranged sheet
JP2001210402A (ja) 異方導電性シートおよびコネクター
US7601281B2 (en) Production method of anisotropic conductive sheet
JP4385498B2 (ja) シート状コネクターおよびその製造方法並びに電気的検査装置
US3847265A (en) Ink ribbon having an anisotropic electric conductivity
JPH11260518A (ja) 異方導電性シートの製造方法およびその製造装置
JP2001351445A (ja) 複合シートの製造方法および複合シート
TW544693B (en) Composite sheet, its composition, process for producing the same, and its use
JP4507644B2 (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置
JP2002124318A (ja) 複合シートおよびその製造方法
US6103359A (en) Process and apparatus for manufacturing an anisotropic conductor sheet and a magnetic mold piece for the same
JPH11204176A (ja) 導電性ゴムシート
JP2008164476A (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置
JP2001185261A (ja) 異方導電性シート
JP3152166B2 (ja) 異方導電性シートおよびその製造方法
US5830307A (en) Production method for substrate having projecting portions
JPS6031043B2 (ja) 異方導電性シ−ト
JP2004309467A (ja) 電気抵抗測定用コネクター、電気抵抗測定用コネクター装置およびその製造方法並びに回路基板の電気抵抗測定装置および測定方法
JP4032333B2 (ja) 異方導電性シートの製造装置
JPS6030044B2 (ja) 改良された異方導電性ゴムシ−トの製造法
JP2005300279A (ja) 異方導電性コネクター装置およびその製造方法並びに回路装置の検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607